JPH10226999A - パルプモールドの成形方法、及びその装置 - Google Patents

パルプモールドの成形方法、及びその装置

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JPH10226999A
JPH10226999A JP3985197A JP3985197A JPH10226999A JP H10226999 A JPH10226999 A JP H10226999A JP 3985197 A JP3985197 A JP 3985197A JP 3985197 A JP3985197 A JP 3985197A JP H10226999 A JPH10226999 A JP H10226999A
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JP
Japan
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mold
pulp
molding
molding surface
suction
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JP3985197A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Sakai
有 坂井
Tomoaki Maeda
智朗 前田
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Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パルプ泥漿中のパルプ成分を抄き取って、パル
プモールドを脱水成形するに際して、その全体に亘って
厚みを均一にすることである。 【解決手段】下面に成形面1が形成された成形型F
1 を、原料槽T内に収容されたパルプ泥漿Pに対して昇
降可能に配設して、成形面1にパルプ泥漿Pのパルプ成
分を吸着した後に、該成形型F1 を垂直上方に引き上げ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプ泥漿中のパ
ルプ成分を抄き取って、脱水成形によりパルプモールド
の中間成形品を成形するパルプモールドの成形方法、及
びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】所定の製品等を運搬するに際し、その製
品等の形状に応じた凹所を有する梱包材によって、その
製品等の一部又は全部を嵌め込んだ状態で梱包すること
が行われている。このような梱包材は、通常、発泡ポリ
スチレン等が使用されるために、その廃棄処理が困難と
なる。
【0003】これに対して、回収資源の有効利用等を目
的として、段ボールや新聞紙等の古紙のパルプから梱包
材を製造することが行われており、このような梱包材
は、パルプモールドと称されている。このようなパルプ
モールドは、通常、それに対応する形状の成形面を有
し、しかもその成形面に開口する多数の吸引孔が設けら
れた成形型を用い、この成形型の成形面をパルプ泥漿中
に浸漬させた状態で吸引孔から吸引を続けて、その成形
面にパルプ成分を吸着させることにより成形され、パル
プ泥漿外において吸引を続けることによって、その吸着
されたパルプ成分が成形型上で脱水されて形状を維持で
きる程度の含水率となった後に、その成形型から離型さ
せて、乾燥炉内で熱風にて乾燥させられることにより、
製造される。
【0004】そして、上記成形型を使用してパルプモー
ルドの中間成形品を脱水成形するための従来の成形装置
としては、以下のものがあった。図9及び図10に示さ
れるものは、多面ロータリー式成形装置と称されてい
て、パルプ泥漿Pが収容された原料槽Tの直上に円筒状
をした回転体21が回転軸心C1 を水平にして配置され
て、該回転体21の外周面に多数の成形型F’が、周方
向に沿って一定間隔をおき、しかもその成形面F'aを外
側にして装着した構成である。そして、回転体21を所
定の低速度で断続回転させると、個々の成形型F’は、
該回転体21の周方向に沿った一端部から前記パルプ泥
漿P内に徐々に浸漬されて、該回転体21の直下に達し
た状態において一旦停止した後に、再度回転を開始し
て、前記一端部から順次パルプ泥漿P外に出て行く。そ
して、成形型F’がパルプ泥漿P内に浸漬されている間
に、その成形面F'aに及んでいる吸引力により、パルプ
泥漿P中のパルプ成分が該成形面F'aに吸着される。成
形面F'aにパルプ成分が吸着された成形型F’がパルプ
泥漿Pから外に出た後においても、吸引脱水が続けら
れ、該成形型F’が回転体21の直上に達すると、その
成形面F'aに及んでいる吸引力が解除されて、該成形型
F’は、その直上から下降した移載型22と型合わせさ
れて、パルプモールドの中間成形品23(図10参照)
は、移載型22の移載面に及んでいる吸引力によって、
該移載型22に移載されて、次工程の乾燥を行うために
乾燥機の部分まで搬送される。
【0005】しかし、上記多面ロータリー式成形装置に
おいては、その成形型F’が回転してパルプ泥漿P内か
ら出るために、該成形型F’の傾斜角度が徐々に大きく
なって、その成形面F'aにおいて、パルプ泥漿Pの液流
が生じ、図10に示されているように、成形されるパル
プモールドの中間成形品23には、回転体21の周方向
に沿った厚み斑が生ずる。即ち、パルプ泥漿Pから先に
出る側が、後に出る側に比較して厚くなってしまう不具
合があった。
【0006】また、図11に示されるものは、反転式成
形装置と称されているものであって、原料槽Tの直上に
回転軸心C2 を水平にして配設された反転軸31に支持
体32を介して成形型F’が反転可能に装着されて、成
形型F’の下方の反転位置において、該成形型F’は、
その成形面F'aの全体がパルプ泥漿P内に浸漬されて、
その成形面F'aにパルプ泥漿P中のパルプ成分が吸着さ
れると共に、該成形型F’の上方の反転位置において、
パルプモールドの中間成形品を移載型22に移載する構
成となっている。よって、この反転式成形装置において
も、上記多面ロータリー式成形装置とほぼ同様な現象
(成形型F’がパルプ泥漿P内から徐々に傾斜角度が大
きくなって出る際に、その成形面F'aにパルプ泥漿Pの
液流が生ずること)が生じて、成形されるパルプモール
ドの中間成形品23には、反転方向に沿った厚み斑が生
ずる。
【0007】更に、図12及び図13に示されるもの
は、昇降式成形装置と称されるものであって、上面に成
形面F'aが設けられた成形型F’が原料槽T内のパルプ
泥漿Pに対して昇降して、その下降端位置においては、
成形型F’の全体がパルプ泥漿P内に浸漬され、その上
昇端位置において、成形されたパルプモールドの中間成
形品23を移載型22に移載させる構成である。この昇
降式成形装置では、成形型F’自体は傾斜しないが、そ
の成形面F'aに設けられた凹部F'bに、他の部分よりも
多くのパルプ泥漿Pを溜め込んだまま、該成形型F’が
上昇するために、中間成形品23における成形面F'aの
凹部F'bに対応する部分が、他の部分よりも厚肉に成形
される不具合があった。
【0008】上記した従来の各成形装置では、全体に亘
って厚みの均一なパルプモールドを成形できないという
不具合に加えて、成形型F’の成形面F'aが上方に位置
した状態において、該成形型F’の直上から下降する移
載型22の下面の吸着面22aにパルプモールドの中間
成形品23を吸着させて、乾燥機(図示せず)の部分ま
で移載する構成であるために、成形されたパルプモール
ドは、その裏面(成形型F’の成形面F'aにより形状成
形されない側の面)の外観が悪くて、美粧性に欠けると
いう不具合もあった。更に、上記各成形装置で形成され
たパルプモールドの中間成形品は、いずれもその両面又
はいずれか一方の面の全体が開放された状態で乾燥され
るために、パルプ繊維の収縮に起因する歪みにより、最
終的に成形されるパルプモールドの寸法精度が悪い(発
泡スチロール製の梱包材の歪みが±1%程度であるのに
対して、上記各成形方法によるパルプモールドの歪みは
±5%程度)という不具合もあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の課題
は、パルプ泥漿中のパルプ成分を抄き取って、脱水成形
された中間成形品を乾燥させて、パルプモールドを製造
するに際して、全体に亘って厚みの均一なパルプモール
ドを得ることである。また、その第2の課題は、全体に
亘って厚みが均一であるのに加えて、寸法精度の高いパ
ルプモールドを得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の課題を解決するた
めに本発明の採用した手段は、パルプ泥漿中のパルプ成
分を吸引により抄き取って成形型の成形面に保持させた
状態で、自身の形状を維持できる程度まで脱水成形させ
て、パルプモールドの中間成形品を成形するに際して、
下面に凹状の成形面が設けられて、原料槽に収容された
パルプ泥漿に対して昇降する成形型を使用して、前記原
料槽の上方から前記成形型を下降させて、その成形面の
全てをパルプ泥漿内に浸漬させた状態で、該成形面に対
して作用している真空吸引力により、該成形面にパルプ
泥漿中のパルプ成分を吸着させた後に、該成形型をパル
プ泥漿中から垂直上方に引き上げることである。
【0011】成形型には、その下面に成形面が凹状とな
って形成されていて、原料槽の上方から前記成形型を下
降させて、その成形面の全てをパルプ泥漿内に浸漬させ
た状態で、該成形面にパルプ泥漿中のパルプ成分を吸着
させた後に、該成形型をそのまま垂直上方に引き上げる
ために、パルプ泥漿中から成形型を引き上げる際に、成
形面の部分においてパルプ泥漿の水流が全く生じないと
共に、成形面にパルプ泥漿が溜まることもない。よっ
て、成形されたパルプモールドの厚みは、その全体に亘
って均一となる。また、成形型の構造に関しては、その
内部に形成された吸引空間の最も低い位置に、吸引管の
開口を臨ませることにより、吸引した水分が逆流して
も、成形面に吸着されているパルプモールドの中間成形
品に水分が付着しなくなる。更に、吸引管における前記
開口の近傍に逆止弁を設けると、吸引した水分の逆流を
防止できて、逆流した水分が型内部から前記中間成形品
に付着されるのを確実に防止できる。
【0012】また、第2の課題を解決するために本発明
の採用した手段は、前記成形型から離型されたパルプモ
ールドの中間成形品を移載して、該成形型により成形さ
れたパルプモールドの中間成形品を乾燥させるための乾
燥型として、上下一対の型から成る熱プレス型を使用し
て、その下型を、上昇端位置における前記成形型の直下
に水平移動させた後に、該成形型を下降させて前記下型
と型合わせした後に、成形型の成形面に作用している真
空吸引力を解除して、脱水成形されたパルプモールドの
中間成形品を前記下型に移載させた後に、該中間成形品
を乾燥させることである。
【0013】上下一対の型から成る熱プレス型を乾燥型
として使用し、上昇端位置における成形型の直下に熱プ
レス型の下型を移動させた後に、該成形型を下降させ
て、両型を型合わせして、パルプモールドの中間成形品
を熱プレス型の下型に移載させて、該中間成形品を熱プ
レスにより乾燥させると、成形型により形状成形されな
い側の面は、熱プレス乾燥時において熱プレス型の下型
により形状成形される。このように、最終的に成形され
るパルプモールドは、その両面が異なる型によって形状
成形されると共に、乾燥方式が熱プレスであるために、
表裏両面の外観が良好であって、しかも寸法精度の高い
パルプモールドが得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。図1ないし図5は、本発明に係るパ
ルプモールドの成形方法を工程順に示した図であり、図
6は、本発明の実施に使用される成形型F1 の拡大断面
図であり、図7は、吸引筒7の枝管8の各吸引開口8a
の配置を主体に示す図6のX−X線断面図である。最初
に、図5を参照にして、成形型F1 と熱プレス型Hとの
配置関係について説明する。原料槽T内には、例えば、
段ボールや新聞紙等の古紙を水に所定濃度(0.7%程
度)でもって溶解させた成形原料であるパルプ泥漿Pが
貯えられている。成形型F1 は、該原料槽Tの直上に昇
降可能に配設されている。成形型F1 の下降端位置にお
いては、その成形面1の全体がパルプ泥漿Pに対して浸
漬されるようになっている。また、成形型F1 の側方に
は、上下一対の型から成る熱プレス型Hが配設されてい
る。即ち、熱プレス型Hの上型H1 は、正規の位置にお
ける下型H2 に対して昇降可能に配設され、該上型H1
は、上昇端位置における成形型F1の直下と、正規の位
置との間を横移動(水平移動)するように構成されてい
る。
【0015】前記成形型F1 は、図6及び図7に示され
るように、前記パルプ泥漿P内のパルプ成分を抄き取っ
て、その下面に凹状に形成された成形面1に吸着させた
状態で吸引脱水して、パルプモールドMの中間成形品
M’を成形するための型である。この成形型F1 は、そ
の型本体部2が取付フレーム3に一体に取付けられてい
て、型本体部2と取付フレーム3との間に形成される空
間は、吸引空間4となっている。型本体部2には、無数
の吸引孔5が前記成形面1に開口して設けられ、該吸引
孔5を介して前記吸引空間4は、大気と連通している。
また、型本体部2の成形面1には、その全面に亘って金
網6が敷設されている。この金網6の敷設により、成形
面1と、該成形面1に吸着されたパルプモールドMの中
間成形品M’との間に隙間が形成されて、該中間成形品
M’に及ぶ吸引力の範囲が広くなって、脱水成形され易
くしている。
【0016】また、成形型F1 を構成する取付フレーム
3には、吸引筒7がほぼ垂直となって取付けられて、そ
の下端部は、前記吸引空間4に挿入されている。吸引筒
7の下端部には、L字形をした多数本の枝管8が一体に
連結されていて、各枝管8の下端の吸引開口8aは、型
本体部2の背面(成形面1と反対側の面)の最も低い位
置に環状となって形成された環状平面9に近接して相対
向している。このため、吸引筒7に連結された真空ポン
プ(図示せず)等を作動させると、吸引空間4を介して
無数の吸引孔5の部分に吸引力が及ぶので、型本体部2
の成形面1の全体をパルプ泥漿Pに浸漬させると、その
成形面1に、パルプ泥漿P内のパルプ成分が吸着され
る。また、吸引筒7の各枝管8の下端部には、逆止弁1
1が取付けられていて、型本体部2の成形面1に吸着さ
れたパルプモールドMの中間成形品M’を脱水成形する
際に、吸引筒7に吸引された水分が逆流して、前記吸引
空間4内に戻されて、逆流した水分が脱水成形中の中間
成形品M’に付着するのを防止している。なお、図6に
おいて10は、熱プレス型Hの下型H2 と型合わせさせ
るための環状をした型合せ突条を示す。
【0017】また、図5において、前記熱プレス型H
は、前記成形型F1 により脱水成形されたパルプモール
ドMの中間成形品M’を熱プレスすることにより発生す
る蒸気を真空吸引して乾燥させるためのものであって、
上型H1 及び下型H2 の各成形面12,13は、それぞ
れ成形されるパルプモールドMの外面及び内面の形状に
倣っている。上型H1 は、上記成形型F1 とほぼ同一構
造になっていて、真空吸引によって、上下の各型H1,H
2 の間で熱プレス中の中間成形品M’から発生する蒸気
を吸引回収し、下型H2 は、そのベース部14に内装さ
れたヒーター15によって、全体が加熱される構造にな
っている。
【0018】そして、上記成形型F1 を使用して、パル
プモールドMの中間成形品M’を脱水成形するには、以
下のようにして行う。成形型F1 の内部に形成された吸
引空間4は、吸引筒7を介して真空ポンプ(図示せず)
から吸引され続けていて、型本体部2に設けられた無数
の吸引孔5を通って、その成形面1には吸引力が作用し
ている。このように、成形型F1 の下面の成形面1に吸
引力が作用している状態において、図1及び図2に示さ
れるように、原料槽Tの直上から成形型F1 を下降させ
て、その下面の成形面1の全体をパルプ泥漿P内に所定
時間(通常は、1〜3秒)だけ浸漬させた後に、図3に
示されるように、該成形型F1 を垂直上方に引き上げ
る。
【0019】これにより、成形型F1 は、その成形面1
にパルプ泥漿P中のパルプ成分が吸着された状態で、該
成形型F1 は、そのまま垂直上方に引き上げられる。こ
のように、本発明においては、成形型F1 は、その下面
の成形面1にパルプ成分を吸着したままで、垂直上方に
引き上げるために、引上げ時において、成形型F1 の成
形面1の部分においてパルプ泥漿Pの水流が生じないと
共に、成形面1にパルプ泥漿Pが溜まることもない。成
形型F1 が上昇端位置に戻された後においても、成形面
1に吸引力を及ぼし続けるために、前記中間成形品M’
は、吸引脱水され続ける。この吸引脱水は、成形面1上
において、前記中間成形品M’が、その形状を維持でき
る程度の含水率(68〜75%)となるまで行う。この
ようにして成形された中間成形品M’は、パルプ泥漿P
中から成形型F1 を垂直上方に引き上げていて、その成
形面1の部分においてパルプ泥漿Pの水流が生じないと
共に、該成形面1にパルプ泥漿Pが溜まることもないた
め、その全体に亘って均一な厚さとなる。
【0020】また、成形型F1 の成形面1に吸引力を及
ぼすために、その内部の吸引空間4に挿入された吸引筒
7の枝管8の各吸引開口8aは、型本体部2の背面(成
形面1と反対側の面)の最も低い位置に環状となって形
成された環状平面9に近接して相対向していて、吸引空
間4の最も低い位置において吸引脱水している。このた
め、仮に吸引脱水された水分が逆流しても、成形面に吸
着されている脱水中の中間成形品M’に付着しない。特
に、本実施例のように、各枝管8における吸引開口8a
に近い部分に逆止弁11を設けておくと、上記水分の逆
流を確実に防止できる。これにより、脱水の効率が高ま
って、脱水成形された中間成形品M’の含水率が低くな
って、後工程の乾燥時間が短縮される利点がある。
【0021】成形型F1 の成形面1に吸着されて、吸引
脱水されている中間成形品M’が、上記含水率に達した
ならば、図3に示されるように、熱プレス型Hの下型H
2 を横方向に水平移動させて、前記成形型F1 の直下に
位置させる。そして、この状態において、成形型F1
下降させて、図4に示されるように、直下の熱プレス型
Hの下型H2 と型合わせした状態で、該成形型F1 の成
形面1に及んでいる吸引力を解除すると、脱水成形され
た中間成形品M’は、前記下型H2 に移載される。
【0022】次に、図5に示されるように、成形面1か
ら中間成形品M’が離脱された成形型F1 を上昇させた
後に、脱水成形された中間成形品M’が自身の成形面1
3に移載された熱プレス型Hの下型H2 を上記と逆方向
に横移動させて、正規の位置に戻す。そして、熱プレス
型Hの上型H1 を下降させて、両型H1,H2 を型締めし
て、各成形面12,13により成形される熱プレス空間
に収容されている中間成形品M’を熱プレスにより乾燥
させると、目的とするパルプモールドMが得られる。な
お、ヒーター15による熱プレス型Hの加熱温度は、1
00°C以上であることが好ましく、更に、上記熱プレ
ス空間の真空度は、(−400)mmHg以下であることが
好ましい。
【0023】上記のように、脱水成形された中間成形品
M’を熱プレス型Hを使用して乾燥させると、該中間成
形品M’における脱水成形時において形状成形されない
側の面は、下型H2 の成形面13によって形状成形され
る。このため、最終的に成形されるパルプモールドM
は、その両面が異なる2つの型(成形型F1 と熱プレス
型Hの下型H2 )によってそれぞれ形状成形され、しか
も、熱プレス乾燥であるために、表裏両面の外観が良好
になると共に、寸法精度も高くなって、高品質の製品が
得られる。
【0024】また、図8には、パルプモールドMの中間
成形品M’の脱水成形時において、吸引した水分の回収
を確実にした別の成形型F2 が示されている。この成形
型F2 は、吸引筒7に設けられた吸引開口7aを、型本
体部2の下方から吸引空間4の最も低い部分である環状
平面9に臨ませ、しかも該吸引開口7aに近接して逆止
弁11を設けた構造である。この成形型F2 は、吸引気
流が成形面1よりも低い側に流れるので、吸引水分が中
間成形品M’に付着するのを防止する効果が一層高ま
る。この成形型F2 においても、吸引筒7の吸引開口7
aに近接させて逆止弁11を設けておくと、吸引水分の
逆流を確実に防止できる。なお、図8に示される成形型
2 において、前記成形型F1 と同一部分には、同一符
号を付してある。
【0025】
【発明の効果】本発明に係るパルプモールドの成形方法
は、パルプ泥漿内に浸漬させた成形型を垂直上方に引き
上げるために、全体に亘って厚みが均一なパルプモール
ドが成形される。また、上下一対の型から成る熱プレス
型を使用して、上記成形型により成形されたパルプモー
ルドの中間成形品を熱プレス乾燥させると、パルプモー
ルドの表裏両面が形状成形されて、全体に亘って厚みが
均一であるのに加えて、寸法精度が高くて、外観の良好
な製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パルプ泥漿P内に成形型F1 を浸漬させる直前
の状態を示す図である。
【図2】パルプ泥漿P内に成形型F1 を浸漬させた状態
を示す図である。
【図3】成形面1に中間成形品M’を吸着した成形型F
1 の直下に熱プレス型Hの下型H2 を移動配置した状態
を示す図である。
【図4】成形面1に中間成形品M’を吸着した成形型F
1 を下降させて、熱プレス型Hの下型H2 と型合わせし
た状態を示す図である。
【図5】脱水成形された中間成形品M’が熱プレス型H
の下型H2 に移載された状態を示す図である。
【図6】成形型F1 の拡大断面図である。
【図7】吸引筒7から分岐された枝管8の吸引開口8a
の配置位置を主体に示す図6のX−X線断面図である。
【図8】成形型F2 の断面図である。
【図9】多面ロータリー式成形装置の原理を示す図であ
る。
【図10】多面ロータリー式成形装置において、成形型
F’がパルプ泥漿Pから出る際に生ずる液流により、成
形されるパルプモールドMに厚み斑が生ずることの説明
図である。
【図11】反転式成形装置の原理を示す図である。
【図12】昇降式成形装置の原理を示す図である。
【図13】昇降式成形装置において、成形面F'aの凹部
F'bにパルプ泥漿Pが溜まることを説明する図である。
【符号の説明】
1,F2 :成形型 H:熱プレス型 H1 :熱プレス型の上型 H2 :熱プレス型の下型 M:パルプモールド M’:パルプモールドの中間成形品 P:パルプ泥漿 T:原料槽 1:成形面 7:吸引筒 7a,8a:吸引開口 11:逆止弁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプ泥漿中のパルプ成分を吸引により
    抄き取って成形型の成形面に保持させた状態で、自身の
    形状を維持できる程度まで脱水成形させて、パルプモー
    ルドの中間成形品を成形するパルプモールドの成形方法
    であって、 下面に凹状の成形面が設けられて、原料槽に収容された
    パルプ泥漿に対して昇降する成形型を使用して、 前記原料槽の上方から前記成形型を下降させて、その成
    形面の全てをパルプ泥漿内に浸漬させた状態で該成形面
    に対して真空吸引力を作用させて、該成形面にパルプ泥
    漿中のパルプ成分を吸着させ、この状態で成形型をパル
    プ泥漿中から垂直上方に引き上げることを特徴とするパ
    ルプモールドの成形方法。
  2. 【請求項2】 前記成形型から離型された前記中間成形
    品を移載して、該成形型により成形されたパルプモール
    ドの中間成形品を乾燥させるための乾燥型として、上下
    一対の型から成る熱プレス型を使用して、 該熱プレス型の下型を、上昇端位置における前記成形型
    の直下に水平移動させた後に、該成形型を下降させて前
    記下型と型合わせした後に、成形型の成形面に作用して
    いる真空吸引力を解除して、脱水成形されたパルプモー
    ルドの中間成形品を前記下型に移載させることを特徴と
    する請求項1に記載のパルプモールドの成形方法。
  3. 【請求項3】 パルプ泥漿中のパルプ成分を吸引により
    抄き取って、自身の成形面に保持させて、その形状を維
    持できる程度まで脱水成形させてパルプモールドの中間
    成形品を成形するパルプモールドの成形装置であって、 真空吸引力が作用する凹状の成形面が成形型の下面に設
    けられて、原料槽に収容されているパルプ泥漿に対して
    前記成形面の全体が浸漬し得るように、該原料槽の上方
    に前記成形型が昇降可能に配設されていることを特徴と
    するパルプモールドの成形装置。
  4. 【請求項4】 成形型の成形面に真空吸引力を作用させ
    るために、内部の吸引空間に配設された吸引管の吸引開
    口は、該吸引空間における最も低い部分に臨んで配置さ
    れていることを特徴とする請求項3に記載のパルプモー
    ルドの成形装置。
  5. 【請求項5】 吸引管における吸引開口に近接した部分
    には、吸引脱水した水分の逆流を防止するための逆止弁
    が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のパ
    ルプモールドの成形装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6332956B1 (en) * 1999-11-30 2001-12-25 Korea Recystes Co., Ltd. Pulp product manufacturing apparatus
CN111041898A (zh) * 2019-12-30 2020-04-21 永发(河南)模塑科技发展有限公司 一种纸浆成型产品解决背面挂浆系统

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