JPH10226641A - 関節症治療製剤 - Google Patents

関節症治療製剤

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JPH10226641A
JPH10226641A JP4735497A JP4735497A JPH10226641A JP H10226641 A JPH10226641 A JP H10226641A JP 4735497 A JP4735497 A JP 4735497A JP 4735497 A JP4735497 A JP 4735497A JP H10226641 A JPH10226641 A JP H10226641A
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JP
Japan
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esculetin
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cartilage
group
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JP4735497A
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English (en)
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Tadahiko Chiba
忠彦 千葉
Takatoshi Watanabe
孝寿 渡辺
Kiyonori Umekawa
清則 梅川
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 投与量を低減し、軟骨内濃度の持続性を特徴
とする関節症治療剤の製剤。 【解決手段】 エスクレチン、その誘導体あるいは塩の
非経口製剤。この製剤は、皮膚、皮下、皮内あるいは局
所投与される。軟骨中でのエスクレチン、又はその誘導
体、あるいは誘導体から代謝されたエスクレチンの濃度
が長時間持続的に維持できることが可能となった。変形
性関節症、慢性関節リュウマチ等の症状の改善に有用で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、関節症治療非経口
製剤に関する。本発明の関節症治療非経口製剤は、皮
膚、皮下、皮内あるいは局所投与することによって変形
性関節症、慢性関節リウマチ等の関節軟骨の破壊によっ
て誘発される炎症、疼痛、動作障害等の関節症の症状を
改善することができる。
【0002】
【従来の技術】関節症には、慢性関節リウマチ、リウマ
チ熱、変形性関節症等がある。なかでも慢性関節リウマ
チ及び変形性関節症は患者数が多く、主要な関節症と考
えられている。変形性関節症には、先天性のもの或いは
二次性のものと、老化による関節軟骨の進行変形による
一次性のものとがある。一次性の変形性関節症は、近年
老齢者人口の増大につれて増加している。慢性関節リウ
マチと変形性関節症では、病因、病態に大きな違いがあ
る。しかし何れも最終的には、関節軟骨の破壊により関
節機能が阻害される点では共通している。慢性関節リウ
マチ、リウマチ熱、全身性エリテマトーデス、変形性関
節症等のリウマチ性疾患に対する第一選択薬は、アスピ
リン、インドメタシン等の鎮痛抗炎症剤である。慢性関
節症治療薬としては、他にシオゾール等の金製剤、免疫
調節剤、ステロイド剤、D-ペニシラミン等が使用され
る。一方、エスクレチン、4-メチルエスクレチン等のエ
スクレチン類はコレステロール低下、血管補強、及び抗
酸化作用を有することが知られている (特公昭42-16626
号公報) 。4-メチルエスクレチンの炭素数6〜25のカル
ボン酸のジエステル、特にカプリル酸ジエステル、ラウ
リン酸ジエステル、及びパルミチン酸ジエステルは抗炎
症作用を有することが知られている (フランス特許第 2
276819号明細書) 。
【0003】従来の上記鎮痛抗炎症剤は、関節軟骨の破
壊に対しては抑制効果がなく、一部の鎮痛抗炎症剤は、
軟骨細胞を用いた実験において、逆に、増悪作用を示
す。更に、上記慢性関節症及び変形性関節症の治療薬に
も、関節軟骨の破壊抑制作用は臨床的には見いだされて
いない。関節軟骨は軟骨細胞と軟骨マトリックスから構
成されている。軟骨マトリックスは、軟骨細胞が産生す
る繊維性蛋白質であるタイプIIコラーゲンと、蛋白多糖
複合体であるプロテオグリカンがヒアルロン酸と非共有
的に結合し、複雑にからみあうことにより形成された3
次元マトリックス構造であり、その中には多量の水分が
保持されており、これにより正常な関節機能が維持され
ている。プロテオグリカンを構成する主な多糖類はコン
ドロイチン硫酸とケラタン硫酸からなるグリコサミノグ
リカンである。
【0004】本発明者らは、既知化合物のエスクレチン
や4-メチルエスクレチンが、インターロイキン1等の刺
激によるマトリックス中に於けるグリコサミノグリカン
の減少を強く抑制し、関節軟骨の保護剤として有用であ
ることを見出している(特開平6-312925号公報) 。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのエス
クレチン及びその誘導体を顆粒剤、錠剤、カプセル剤等
の通常の経口製剤として投与すると、これらの化合物は
速やかに腸管より吸収され、肝臓においてグルクロン酸
あるいは硫酸抱合を受け、直ちに腎臓より排泄される。
軟骨保護作用を発現させる為には、ある程度以上の (0.
01〜100 、好ましくは1〜30ng/mg 軟骨) のエスクレチ
ンあるいはその誘導体が持続的に長時間局所 (軟骨) に
存在することが必要であり、そのためには大量(200〜10
00 mg/kg)の経口投与が必要となる。また、大量投与す
ることにより一過性に血中濃度が上昇し、副作用発現の
危険性が増大する。これらの問題を解決するため、本発
明者等は、エスクレチン及びその誘導体を非経口的に投
与することにより、経口投与量と比較して極めて低用量
で、局所での薬効を発現するための有効濃度 (0.01〜10
0 、好ましくは1〜30ng/mg 軟骨)を長時間持続的に保
ち、かつ副作用が低減できることを見出した。本発明の
課題は、エスクレチン及びその誘導体を関節症治療剤と
して、その投与量を低減し、持続的に局所濃度を長時間
保ち、副作用の発現を低減させるための新規な剤形を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するためになされたものであって、エスクレチ
ンやその誘導体あるいはその薬理的に許容される塩を非
経口的に投与する関節症治療非経口剤に関する。本発明
において、エスクレチン、その誘導体あるいはその薬理
的に許容される塩を主薬として含有する製剤で、非経口
的に投与することが可能で、且つ、マウス大腿骨頭軟骨
破壊モデル(マウスFHC モデル)に 1〜100mg/kgを投与
したとき、投与後のエスクレチン、又はその誘導体、あ
るいは誘導体から代謝されたエスクレチンの軟骨内濃度
が0.01〜100 ng/mg 軟骨を維持できる製剤であれば、剤
形、処方を問わない。用量低減の目的からすれば、投与
量が少なくて投与後エスクレチン及び誘導体の軟骨内濃
度が、1 〜30ng/mg 軟骨を維持できる製剤が好ましく、
投与量が25mg/kg 以下であることが特に好ましい。
【0007】投与経路は、非経口投与経路であれば特に
限定されないが、注射、経粘膜経路、経皮経路、体内埋
め込み経路が好ましく、用量低減に有効である。注射剤
としては、水性注射剤、水性懸濁注射剤、脂肪乳剤、リ
ポソーム注射剤等が好ましく、経粘膜経路の製剤として
は、口腔貼付剤、鼻腔貼付剤、坐剤が好ましく、経皮経
路の製剤としては、軟骨、クリーム、ゲル、パップ剤が
好ましい。用量低減の手法として全ての剤形、処方に共
通するものはないが、水溶性あるいは水膨潤性高分子を
基剤として配合する方法が例示できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における有効成分のエスク
レチン、その誘導体あるいはその薬理的に許容される塩
は次の一般式で示される化合物であって、いずれも公知
の物質である(特開平6-312925号公報) 。
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水
素原子、炭素数2〜25個の飽和もしくは不飽和脂肪族ア
シル基またはベンゾイル基である。R3は水素原子、水酸
基、アルキル基、アリール基またはアラルキル基であ
る。)
【0011】上記一般式(I) において、R1及びR2の好ま
しい例は、水素原子、アセチル基、ビバロイル基、カプ
リロイル基、ラウロイル基、パルミトイル基、ステアロ
イル基、リノーレオイル基、ドコサヘキサエノイル基、
及びベンゾイル基である。上記式(I) におけるR3のアル
キル基は、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましく
は炭素数1〜4個の低級アルキル基、例えば、メチル
基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチ
ル基、イソブチル基、s-ブチル基またはt-ブチル基であ
り、メチル基またはエチル基が特に好ましい。上記式
(I) におけるR3のアリール基は、好ましくは炭素数6〜
12個のアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基、
またはビフェニル基であり、これらのアリール基は、1
個または2個以上の置換基、例えば、炭素数1〜4個の
低級アルキル基、ハロゲン原子、及び/または水酸基で
置換されてもよい。更に、上記式(I) におけるR3のアラ
ルキル基は、好ましくは炭素数6〜12個のアリール基で
置換された炭素数1〜4個の低級アルキル基であり、例
えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピ
ル基、またはフェニルブチル基である。前記アラルキル
基のアリール部分も1個または2個以上の置換基、例え
ば、炭素数1〜4個の低級アルキル基、ハロゲン原子、
及び/または水酸基で置換されていることができる。
【0012】本発明のエスクレチン誘導体の薬理的に許
容できる塩は、6または7位の水酸基において形成され
る。また、製剤学的に許容することのできる塩として
は、例えば、無機塩基もしくは有機塩基との塩が含まれ
る。これらの塩の形成に適した無機塩基は、例えば、ア
ンモニア、カリウム、ナトリウム、リチウム、カルシウ
ム、マグネシウム、アルミニウム等の水酸化物、炭酸塩
及び重炭酸塩等である。有機塩基との塩としては、例え
ば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン
のようなモノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミン塩、
モノ−、ジ−、及びトリ−ヒドロキシアルキルアミン
塩、グアニジン塩、N-メチルグリコサミン酸、アミノ酸
塩等を挙げることができる。
【0013】エスクレチンは市販されており、またその
誘導体は上記公報記載の方法で製造することができる。
本発明では、次のエスクレチン及びエスクレチン誘導体
を用いることが好ましい。 エスクレチン 4-メチルエスクレチン 4-メチルエスクレチン 6,7- ビス (アセテート) 4-メチルエスクレチン 6,7- ビス (ステアレート) 4-メチルエスクレチン 6,7- ビス (リノレート) 4-メチルエスクレチン 6,7- ビス (ドコサキヘキサエノ
エート) エスクレチン 6,7- ビス (ベンゾエート) 4-メチルエスクレチン 6,7- ビス (ベンゾエート) エスクレチン 6,7- ビスアセテート エスクレチン 6,7- ビス (ピバレート) エスクレチン 6- モノピバレート
【0014】これらの化合物は、0.5 %メチルセルロー
ス水溶液に懸濁し、これを6週令のCrj:CD-1(ICR)雄マ
ウス(1群5匹) に1日1回連続4日間腹腔内投与しても
死亡例や特筆すべき毒性はみられなかった。また、家兎
の膝関節から軟骨を無菌的に取り出し、軟骨細胞を採取
し、軟骨破壊因子(フォルボールミリステートアセテー
ト)及びこれらの化合物を加えて培養したところ軟骨マ
トリックスを構成するグリコサミノグリカンの減少がい
ちじるしく抑制され関節軟骨の破壊抑制作用を有するこ
とが確認された。
【0015】また、SD系雄性ラットの大腿骨頭軟骨を摘
出し、これを背部を削毛した BALB/C 雌性マウスの背部
皮下に無菌的に埋め込み、これらの化合物を投与し、大
腿骨頭軟骨の軟骨マトリックスを構成するプロテオグリ
カン量を測定したところ、プロテオグリカン量の減少が
抑制され、これらの化合物は関節軟骨の破壊抑制作用が
あることが確認された。
【0016】本発明は、前記のエスクレチン、その誘導
体あるいはその薬理的に許容される塩を注射、経粘膜経
路、経皮経路、体内埋め込み経路の投与経路で使用す
る。その結果、経口投与に比べてエスクレチン、その誘
導体あるいはその薬理的に許容される塩の使用量を軽減
しても、単回投与後1〜2時間時点のエスクレチン及び
誘導体の軟骨内濃度が、0.01〜100ng/mg軟骨、好ましく
は1〜30ng/mg 軟骨を維持することを可能にし、軟骨破
壊抑制効果を持続的に保持することができる。
【0017】本発明において、エスクレチン、その誘導
体あるいはその薬理的に許容される塩を注射で投与する
場合、水性注射剤、水性懸濁注射剤、脂肪乳剤、リポソ
ーム注射剤等が好ましい。水性注射剤、水性懸濁注射剤
においては、エスクレチン、その誘導体あるいはその薬
理的に許容される塩を、精製水と混合し、必要に応じて
水溶性あるいは水膨潤性高分子、pH調整剤、界面活性
剤、浸透圧調整剤、防腐剤、保存剤などを加え、混合し
て、必要に応じて加熱しながら溶解乃至懸濁させ、滅菌
して注射剤容器に充填密封し、水性注射剤、水性懸濁注
射剤とする。水性注射剤は、静脈内、皮下、筋肉内、皮
内、関節腔内等に投与される。また、水性懸濁注射剤は
皮下、筋肉内、皮内、関節腔内等に投与される。
【0018】水溶性あるいは水膨潤性高分子としては、
ゼラチン、セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、ポビ
ドン、マクロゴール、ポリアミノ酸誘導体、多糖体類が
好ましく、ゼラチン類では精製ゼラチン、セルロース誘
導体では、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース2910、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス2208、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロ
ピルセルロース、カルメロースナトリウム、アクリル酸
誘導体としては、アミノアクリルメタアクリレートコポ
リマー、メタアクリル酸コポリマー、ポリアミノ酸誘導
体としては、ポリリジン、ポリグルタミン酸が好まし
い。多糖体としては、ヒアルロン酸、デキストラン、デ
キストリンが特に好ましい。水溶性あるいは水膨潤性高
分子の添加量は、エスクレチン、その誘導体、あるいは
その薬理的に許容される塩の性質、量、並びに水溶性あ
るいは水膨潤性高分子の性質、分子量、適用部位によっ
て異なるが概ね製剤全量に対し、0.01%乃至10%の範囲
で使用可能である。
【0019】pH調整剤には、人体に無害な酸あるいはア
ルカリが用いられ、界面活性剤には、非イオン性界面活
性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が用いら
れる。また、浸透圧調整剤には、塩化ナトリウム、ブド
ウ糖等が、防腐剤にはパラベン類が、保存剤にはアスコ
ルビン酸や亜硫酸塩類が例示される。これらの使用量
は、特に限定はないが、その作用がそれぞれ発揮できる
範囲で用いられる。また、必要に応じ塩酸プロカイン等
の局所麻酔剤、ベンジルアルコール等の無痛化剤、キレ
ート剤、緩衝剤、あるいは水溶性有機溶剤等を加えても
よい。
【0020】脂肪乳剤は適当な油脂に乳化剤とエスクレ
チン、その誘導体、あるいはその薬理的に許容される塩
を配合し、精製水を加えて、必要に応じて水溶性あるい
は水膨潤性高分子、pH調整剤、界面活性剤、浸透圧調整
剤、防腐剤、保存剤などを加え、適当な乳化装置で乳化
し、滅菌して注射剤容器に充填密封することによって調
製される。脂肪乳剤は、静脈内、皮下、筋肉内、皮内、
関節腔内等に投与される。
【0021】使用する油脂は、植物性油脂あるいは合成
油脂が好ましく、例えば大豆油、トウモロコシ油、椿
油、ゴマ油、綿実油、サフラワー油、中鎖脂肪酸トリグ
リセリド、ミリスチン酸イソプロピルが挙げられる。乳
化剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性
剤、両性界面活性剤、脂肪酸を用いることができる。水
溶性あるいは水膨潤性高分子、pH調整剤、界面活性剤、
浸透圧調整剤、防腐剤、保存剤などは前記のものを用い
ることができる。
【0022】リポソーム注射剤は、フォスファチジルコ
リン、フォスファチジルエタノールアミン、スフィンゴ
脂質、コレステロール等の脂質を適当な有機溶媒に溶解
してフラスコに入れ、ロータリーエバポレーターで有機
溶媒を除去することにより脂質の皮膜を形成する。そこ
にエスクレチン、その誘導体あるいはその薬理的に許容
される塩を溶解した水溶液を加え、必要に応じて、水溶
性あるいは水膨潤性高分子、pH調整剤、界面活性剤、浸
透圧調整剤、防腐剤、保存剤などを加え、激しく振盪、
攪拌することによりできた乳濁液を滅菌して注射剤容器
に充填密封することによって調製される。リポソーム製
剤は、静脈内、皮下、筋肉内、皮内、関節腔内等に投与
される。
【0023】本発明において、エスクレチン、その誘導
体誘導体あるいはその薬理的に許容される塩を経粘膜経
路で投与する場合、鼻粘膜貼付剤、口腔粘膜貼付剤、坐
剤の形態で投与することが好ましい。鼻粘膜貼付剤並び
に口腔粘膜貼付剤は、適当な粘着層にエスクレチン、そ
の誘導体、あるいはその薬理的に許容される塩を配合
し、必要に応じてpH調整剤、界面活性剤、防腐剤、保存
剤などを加えて製造する。粘着層に水を予め配して、半
固形状の製剤にし、チューブや軟膏壺に入れて供するこ
とも、打錠をして錠剤として供することも可能である。
これらの粘膜貼付剤は、鼻孔粘膜、口腔粘膜、歯茎等に
貼付して使用する。
【0024】粘着層は、水分を吸着して比較的強度のあ
るゲルになる成分であれば、単一成分、複合成分を問わ
ない、ゼラチン、セルロース誘導体、アクリル酸誘導
体、ポビドン、多糖体類、カルボキシビニルポリマー、
ポリビニルアルコール、アラビアゴム、アルギン酸ナト
リウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等が
好ましく、ゼラチン類では精製ゼラチン、セルロース誘
導体では、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース2910、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス2208、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、カルメロースナトリウ
ム、ヒドロキシエチルセルロース等、アクリル酸誘導体
としては、アミノアクリルメタアクリレートコポリマ
ー、メタアクリル酸コポリマー、ポリアクリル酸ナトリ
ウム等、多糖体としては、ヒアルロン酸、プルラン、寒
天等が特に好ましい。これらの成分を2成分以上配合し
た粘着層は、ゲル安定性に優れるので特に好ましい。
【0025】pH調整剤、界面活性剤、防腐剤、保存剤な
どは前記のものを用いることができる。坐剤は、適当な
坐薬基剤にエスクレチン、その誘導体、あるいはその薬
理的に許容される塩を配合し、必要に応じて水溶性ある
いは水膨潤性高分子、pH調整剤、界面活性剤、防腐剤、
保存剤などを加え、溶融後、攪拌均一化し、坐剤型に流
し、固化することによって調製される。坐剤は、肛門に
挿入することによって使用される。坐剤基剤として、カ
カオ脂、硬化油、ハードファット、マクロゴール類が例
示され、必要に応じて軟化剤を添加することができる。
軟化剤としては、植物性油脂、脂肪酸、中鎖脂肪酸トリ
グリセリド、ミリスチン酸イソプロピル等が例示でき
る。水溶性あるいは水膨潤性高分子、pH調整剤、界面活
性剤、防腐剤、保存剤などは前記のものを用いることが
できる。
【0026】本発明において、エスクレチン、その誘導
体、あるいはその薬理的に許容される塩を経皮経路で投
与する場合、軟膏、クリーム剤、ゲル、貼付剤の形態で
投与することが好ましい。軟膏剤は、適当な軟膏基剤に
エスクレチン、その誘導体、あるいはその薬理的に許容
される塩を配合し、必要に応じて、水溶性あるいは水膨
潤性高分子、吸収促進剤、pH調整剤、界面活性剤、防腐
剤、保存剤などを加え、必要に応じて加熱攪拌あるいは
練合均一化して調製される。軟膏剤は、患部近くの皮膚
に擦り込むことにより使用される。
【0027】軟膏基剤としては、白色ワセリン、流動パ
ラフィン、パラフィン、マイクロクリスタリンワック
ス、硬化油、長鎖脂肪アルコール類等の混合物、あるい
はマクロゴール類が例示される。吸収促進剤には、アル
コール誘導体が例示される。水溶性あるいは水膨潤性高
分子、pH調整剤、界面活性剤、防腐剤、保存剤などは前
記のものが使用できる。クリーム剤は、適当なクリーム
基剤にエスクレチン、その誘導体、あるいはその薬理的
に許容される塩を配合し、必要に応じて水溶性あるいは
水膨潤性高分子、吸収促進剤、pH調整剤、防腐剤、保存
剤などを加え、必要に応じて加熱攪拌あるいは練合均一
化して調製される。クリーム剤は、患部近くの皮膚に擦
り込むことにより使用される。
【0028】クリーム基剤としては、W/O型のクリー
ム、O/W型のクリームの双方が使用できる。例えば、
日局親水軟膏、日局吸水軟膏が挙げられるが、長鎖脂肪
アルコール、プロピレングリコール、グリセリン、適当
な界面活性剤、水等からなるクリーム基剤を用いること
もできる。長鎖脂肪アルコールは、セタノール、セトス
テアリルアルコール、ステアリルアルコールが好まし
く、界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤あるいは非イ
オン性界面活性剤が用いられる。陰イオン性界面活性剤
としては、ラウリル硫酸ナトリウムが例示され、非イオ
ン性界面活性剤は、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリオキ
シエチレン硬化ひまし油類、ステアリン酸ポリオキシル
40、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコー
ル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリソルベート
類、モノステアリン酸グリセリン、ラウロマクロゴール
が例示される。クリーム基剤に配合する場合、これらの
界面活性剤は、2種類以上配合することが好ましい。
【0029】ゲル剤は、適当なゲル基剤にエスクレチ
ン、その誘導体、あるいはその薬理的に許容される塩を
配合し、必要に応じて界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、
保存剤などを加え、必要に応じて加熱攪拌あるいは練合
均一化して調製される。ゲル剤は、患部近くの皮膚に擦
り込むことにより使用される。ゲル基剤は、カルボキシ
ビニルポリマー、セルロース誘導体が例示され、セルロ
ース誘導体としては、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース2906、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース2910、メチルセルロース、カルメロース
ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸
ナトリウム等に適当な増粘剤を必要に応じて配合して製
造される。増粘剤、pH調整剤、界面活性剤、防腐剤、保
存剤などは、前記のものが使用できる。貼付剤は、適当
な基剤にエスクレチン、その誘導体、あるいはその薬理
的に許容される塩を配合し、必要に応じて、界面活性
剤、pH調整剤、防腐剤、保存剤などを加え、必要に応じ
て加熱攪拌あるいは練合均一化して調製した粘着層を支
持体に塗布することにより調製される。貼付剤は、患部
近くあるいは、腹部、胸部、背部、上腕部の皮膚に貼付
することにより使用される。
【0030】支持体は、本体、背面処理剤、下引剤から
なり、綿布、不織布等の布材、ポリエチレン、ポリウレ
タン、塩化ビニル等のプラスチック材、伸縮性の素材、
アルミ箔等、通常貼付剤で使用される支持体の材料であ
れば使用可能である。背面処理剤、下引剤も同様であ
る。粘着層に用いられる基剤は、水溶性高分子やその架
橋体、天然ゴム、スチレン−ブチレンゴム、ポリアクリ
ル酸エステル誘導体、酢酸ビニル誘導体、シリコン誘導
体、ポリウレタン誘導体が用いられる。水溶性高分子
は、前述のものが用いられ、これに水、必要に応じて、
プロピレングリコール、グリセリン、脂肪アルコール等
を配合して基剤とする。ゴム系の基剤は、エストラマ
ー、粘着付与性樹脂、可塑剤、充填剤等を配合して製造
する。エストラマーは、天然ゴム、合成ゴムの双方が使
用可能である。粘着付与性樹脂は、ロジン系のものが例
示できる。可塑剤としては、パラフィン、流動パラフィ
ン、ラノリン等が例示できる。pH調整剤、界面活性剤、
防腐剤、保存剤などは前記のものが使用できる。
【0031】本発明において、エスクレチン、その誘導
体、あるいはその薬理的に許容される塩を溶液にし、浸
透圧ポンプに充填して、皮下に埋め込むことによって使
用することが可能である。浸透圧ポンプは市販のものが
使用できる。例えば、アルザ社のALZETを提示でき
る。浸透圧ポンプに充填する溶液は、前記の水性注射剤
溶液や、脂肪乳剤溶液が好ましい。
【0032】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【実施例1】マウス FHCモデルの軟骨中の薬物動態に関する成績 6週令のBALB/C雌性マウス及び5週令のSprague-Dawley
系雄性ラットを日本チャールズリーバー株式会社より購
入し、環境自動制御装置EBAC (温度23±3℃、湿度55±
5 %) にて7日間馴化後、実験に供した。S.D.系雄性ラ
ットをエーテルで麻酔死させた後、グルコン酸クロルヘ
キシジン−消毒用アルコール溶液に全身を浸し、消毒殺
菌を行なった後、クリーンベンチ内で無菌的に左右大腿
骨骨頭(Femoral head condyle 以下、FHC という) を摘
出した。摘出したFHC を抗生物質 (ベンジルペニシリン
100U/ml、ストレプトマイシン 100μg/ml、アンホテリ
シンB 0.25μg/ml) を含む Ham's F-12 培養液で洗い、
素早く重量既知の培養液(1ml) 中に入れ重量を測定し
た。重量測定後、FHCを約1cm四方のコットン(BEMCOT,
ASAHI CHEMICAL)2枚に包み、埋め込む時まで培養液中
で氷冷した。背部の刈毛した6週齢の BALB/C 系マウス
をペントバルビタール麻酔下で、背部の皮膚を約1cm切
開し、正中線に沿って頸部に向かって3〜4cm上の背部
皮下に氷冷しておいたFHC を埋め込み、切開部位を真皮
と表皮をそれぞれ結節縫合後、手術用アロンアルファで
完全に塞いだ。
【0033】術後7日目に被験物質として、エスクレチ
ン (分子量178.15; m.p. 271-273℃(Aldrich chem.C
o.))の0.5 %のメチルセルロース (以後MCと略す) 懸濁
液を単回経口投与した。また、エスクレチンをヒアルロ
ン酸 (以後HAと略す、1%ヒアルロン酸ナトリウム含
有、分子量80万〜120 万、生化学工業) に懸濁させた液
をFHC 埋め込み部位の周囲に均一に局所投与した。投与
量としては、エスクレチンMC懸濁液の経口投与の場合
は、200 mg/kg とし、エスクレチンをHAに懸濁した液の
局所投与の場合は、2.5mg/kgとした。なお、対照として
エスクレチン25mgを生理食塩液に分散し、全量を100ml
にし、2.5mg/kg局所投与した。投与後経時的に、動物を
頸椎脱臼により屠殺し、背部皮下に埋め込んだ FHCを回
収した。回収したFHC は、コットンを取り除き湿重量を
測定した。次に FHCに0.03%パパイン(2回再結晶品、Si
gma Chem. Co.)を含むリン酸緩衝液2 mlを加え、65%で
一昼夜攪拌することによりパパイン消化を行い、上澄み
液を得た。得られた上澄み液中のエスクレチン及びその
関連化合物を液体クロマトグラフィーを用い、分析定量
した。エスクレチンMC懸濁液及びエスクレチンをHAに懸
濁した液を投与した後の FHC中のエスクレチン及びその
関連化合物の含量値をng/mg 軟骨で表現して図1に示し
た。図1に示すように、エスクレチンを経口投与した場
合と比較して、エスクレチンをHAに懸濁した液を投与し
た場合は、 FHC中にエスクレチン及びその関連化合物の
存在が長時間持続的に観測された。また、脂肪乳剤、軟
膏、クリーム剤、リポソーム剤等においても同様の成績
が得られた。
【0034】
【実施例2】水性注射剤 ゼラチン0.5g、食塩0.9gに水を加え、加熱溶解した。冷
却後注射用精製水を更に加えて100ml にした。エスクレ
チン50mgを前記ゼラチン/ 食塩水溶液に溶解し、全量を
50mlにした。以上の操作は、全て無菌的に行なった。
【0035】
【実施例3】水性注射剤 メチルセルロース1g を食塩0.9g、エスクレチン100 mg
に注射用精製水を加え、溶解し、全量を100ml にした。
全量を8 μm 径のメンブランフィルターを通し濾過し
た。以上の操作は、全て無菌的に行なった。
【0036】
【実施例4】水性注射剤 カルメロースナトリウム1g 、食塩0.9g、エスクレチン
100mg に注射用精製水を加え、溶解し、全量を100ml に
した。全量を8μm 径のメンブランフィルターを通し濾
過した。以上の操作は、全て無菌的に行なった。
【0037】
【実施例5】脂肪乳剤 精製大豆油30g に、精製卵黄レシチン5.4 g 、エスクレ
チン3g、及びオレイン酸0.72g を加え、50℃で加熱攪拌
した。これに注射用精製水200ml を加え、次いで日局濃
グリセリン7.5 g を加え、さらに注射用精製水を加え、
全量を300ml にした。これをホモジナイザーで粗乳化し
た。これをマントン- ガウリン型ホモジナイザーを用
い、1 回目100kg/cm2 、合計 600kg/cm2の加圧下で15回
通過させ乳化した。これにより均質化された極めて微細
の脂肪乳剤を得た。この乳剤の平均粒子径は 0.3μm で
あり、1 μm 以上の粒子を含有しなかった。以上の操作
は全て無菌的に行なった。
【0038】
【実施例6】脂肪乳剤 精製トウモロコシ油30g に、ポリソルベート80 3g 、エ
スクレチン3g、及びオレイン酸 0.72gを加え、50℃で加
熱攪拌した。これに注射用精製水200ml を加え、次いで
日局濃グリセリン7.5gを加え、更に注射用精製水を加
え、全量を300mlにした。これをホモジナイザーで粗乳
化した。これをマントン- ガウリン型ホモジナイザーを
用い、1 回目100 kg/cm2、合計 600kg/cm2の加圧下で15
回通過させ乳化した。これにより均質化された極めて微
細の脂肪乳剤を得た。この乳剤の平均粒子径は0.4 μm
であり、1 μm 以上の粒子を含有しなかった。以上の操
作は、全て無菌的に行なった。
【0039】
【実施例7】水性懸濁剤 エスクレチン1kgをジェットミルで粉砕し、平均粒径
3.6μm のエスクレチン微粉砕品を得た。エスクレチン
微粉砕品10g 、ヒドロキシプロピルセルロース2g、クエ
ン酸ナトリウム1gを加え、注射用精製水を添加し、真空
乳化装置に移した。処理温度50℃、圧力500 mmHg、ホモ
ミキサー回転数10000rpm、パドル回転数50rpm の条件で
10分間処理し、水性懸濁液を得た。これに精製水を加
え、全量を1000mlにした。この懸濁剤の粒子径は、平均
0.8 μm であり、5 μm 以上の粒子は含有しなかった。
以上の操作は、全て無菌的に行なった。
【0040】
【実施例8】水性懸濁剤 エスクレチン1kgをジェットミルで粉砕し、平均粒径
3.6μm のエスクレチン微粉砕品を得た。エスクレチン
微粉砕品10g 、カルメロースナトリウム5gを加え、注射
用精製水を添加し、真空乳化装置に移した。処理温度50
℃、圧力 500mmHg、ホモミキサー回転数10000rpm、パド
ル回転数50rpm の条件で10分間処理し、水性懸濁液を得
た。これに精製水を加え、全量を1000mlにした。この懸
濁剤の粒子径は、平均 0.6μm であり、 5μm 以上の粒
子は含有しなかった。以上の操作は、全て無菌的に行な
った。
【0041】
【実施例9】局所注射用製剤 エスクレチン微粉砕品10g を1 %ヒアルロン酸ナトリウ
ム水溶液1000mlに加え、ホモミキサー回転数2000rpm 、
バドル回転数50rpm の条件で10分間処理し、水性懸濁液
を得た。これに精製水を加え、全量を1000mlにした。こ
の懸濁剤の粒子径は、平均 0.5μm であり、 5μm 以上
の粒子は含有しなかった。以上の操作は、全て無菌的に
行なった。
【0042】
【実施例10】エスクレチン微粉砕品10g を5%メチル
セルロース水溶液1000mlに加え、ホモミキサー回転数20
00rpm 、バドル回転数50rpm の条件で10分間処理し、水
性懸濁液を得た。これに精製水を加え、全量を1000mlに
した。この懸濁剤の粒子径は、平均 0.5μm であり、 5
μm 以上の粒子は含有しなかった。以上の操作は、全て
無菌的に行なった。
【0043】
【実施例11】リポソーム注射剤 カルメロースナトリウム1g、食塩0.9g、エスクレチン
100mg に注射用精製水を加え、溶解し、全量を100ml に
した。全量を8μm 径のメンブランフィルターを通し濾
過した。卵黄ホスファチジルコリン100mg 、コレステロ
ール50mgをとり、ジクロルメタン少量に溶解した。この
溶液をなす型フラスコに入れ、ロータリーエバポレータ
ーで溶媒を蒸発させ、脂質の皮膜を形成した。これにエ
スクレチン溶液50mlを加え、電動ミキサーで激しく振動
した。出来上がった白濁液を100,000 ×gで1時間遠心
分離し、得られた沈殿を生理食塩水に再懸濁してリポソ
ーム注射剤を得た。以上の操作は、全て無菌的に行っ
た。
【0044】
【実施例12】粘膜貼付剤 ヒドロキシプロピルセルロースH50g 、カルボキシビニ
ルポリマー (カーボポール934)100g、エスクレチン7.5g
を振動ボールミルに入れ、10分間混合粉砕した。得られ
た粉末に、ステアリン酸マグネシウム1.5gを加え、ビニ
ール袋中で混和し、直径7mmの平型杵を装着した打錠機
で打錠した。出来上がった錠剤の平均重量は82mgであっ
た。これをビーグル犬口腔粘膜に付着したところ、24時
間後も剥がれていなかった。
【0045】
【実施例13】粘膜貼付剤 プラスチベース37.5g 、流動パラフィン17.5g 、カルメ
ロースナトリウム20g、ポリアクリル酸ナトリウム20g
、エスクレチンの微粉砕品5gをニーダーで練合し、粘
膜貼付用軟膏剤を得た。
【0046】
【実施例14】軟膏剤 エスクレチン5gをエタノール10mlを加えて練合し、湿潤
させた。これに、セスキオレイン酸ソルビタン5gを加え
て練合した後、白色ワセリン90g を加えて、良く練合し
た。これをチューブ充填し、軟膏剤とした。
【0047】
【実施例15】クリーム剤 エスクレチン5g、カルメロースナトリウム5gを精製水50
g に加えて、加熱攪拌した。別にステアリルアルコール
20g 、プロピレングリコール10g 、ポリソルベート80 1
0g、セスキオレイン酸ソルビタン2gを加えて、加熱溶解
した。この溶液に、先に作ったエスクレチン溶液を添加
し、激しく加熱攪拌した。冷却後チューブ充填し、クリ
ーム剤とした。
【0048】
【実施例16】ゲル剤 エスクレチン5g、メチルセルロース2g、カルボキシルビ
ニルポリマー (カーボポール934)2gを混合し、これに精
製水を加えて95g にした。これに1mol/L の水酸化ナト
リウム試液適量を加えて、ゲル化させ、更に精製水を加
えて、全量を100gとした。これをチューブ充填し、ゲル
剤とした。
【0049】
【実施例17】埋め込み製剤 アルザ社のALZET に、実施例5で調製した脂肪乳剤1ml
を充填し、皮下埋め込み用エスクレチン製剤とした。
【0050】
【実施例18】貼付剤 カルメロースナトリウム 10g、ポリアクリル酸ナトリウ
ム 10g、グリセリン10g 、エスクレチンの微粉砕品5gに
水を加えてニーダーで練合し、全量を100gにした。これ
を不織布に約 1mmの厚みにぬり、貼付剤とした。
【0051】
【発明の効果】本発明によるとエスチクレチン及びその
誘導体を製剤化し、非経口的に投与することにより、軟
骨中でのエスクレチン、又はその誘導体、あるいは誘導
体から代謝されたエスクレチンの濃度が長時間持続的に
維持できることが可能となった。これにより、変形性関
節症、慢性関節リウマチでみられる関節軟骨の破壊が抑
制され、疼痛、炎症、関節機能不全等の臨床症状を改善
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1によって得られた、エスクレチンのMC
懸濁液 (経口) 、HA懸濁液 (局所) 、生理食塩水懸濁液
(局所) を投与したときのエスクレチンの軟骨内動態を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 9/08 A61K 9/08 F 9/107 9/107 F 9/70 341 9/70 341 // C07D 311/08 C07D 311/08 311/44 311/44

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) で表されるエスクレチン、そ
    の誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分と
    する関節症治療非経口製剤。 【化1】 (式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素
    数2〜25個の飽和もしくは不飽和脂肪族アシル基または
    ベンゾイル基である。R3は水素原子、水酸基、アルキル
    基、アリール基またはアラルキル基である。
  2. 【請求項2】 一般式(I) で表されるエスクレチン、そ
    の誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分
    とし、マウス大腿骨頭軟骨破壊モデル (マウス FHCモデ
    ル) に 1〜100mg/kgを投与したとき、投与後のエスクレ
    チン、又はその誘導体、あるいは誘導体から代謝された
    エスクレチンの軟骨内濃度が0.01〜100ng/mg軟骨となる
    ように調整された製剤である関節症治療非経口製剤。 【化2】
  3. 【請求項3】 製剤が、注射によって投与できる剤形で
    ある請求項2記載の製剤。
  4. 【請求項4】 水性注射剤、水性懸濁注射剤、脂肪乳剤
    またはリポソームである請求項3記載の製剤。
  5. 【請求項5】 皮下、筋肉内、もしくは関節腔内に投与
    する請求項4記載の製剤。
  6. 【請求項6】 製剤が、経粘膜ルートで投与することの
    できる剤形である請求項2記載の製剤。
  7. 【請求項7】 鼻粘膜貼付剤、口腔粘膜貼付剤、または
    坐薬である請求項6記載の製剤。
  8. 【請求項8】 製剤が、経皮ルートで投与することので
    きる剤形である請求項2記載の製剤。
  9. 【請求項9】 軟膏、クリーム、ゲルまたはパップ剤で
    ある請求項8記載の製剤。
  10. 【請求項10】 製剤が、体内埋め込みによって投与す
    ることのできる剤形である請求項2記載の製剤。
  11. 【請求項11】 一般式(I) で表されるエスクレチン、
    その誘導体、またはその薬理学的に許容される塩を水溶
    性高分子媒体、もしくは水膨潤性高分子媒体中に溶解も
    しくは懸濁してなる関節症治療非経口製剤。 【化3】
  12. 【請求項12】 水溶性高分子媒体、もしくは水膨潤性
    高分子媒体が、ゼラチン、セルロース誘導体、アクリル
    酸誘導体、ポビドン、マクロゴール、ポリアミノ酸誘導
    体及び多糖体よりなる群から選択される少なくとも1種
    である請求項11記載の製剤。
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JP2014502642A (ja) * 2011-07-07 2014-02-03 アイホル コーポレーション 炎症関連障害の治療および予防に使用するための組成物

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