JPH10226400A - 熱防護材 - Google Patents

熱防護材

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JPH10226400A
JPH10226400A JP9033596A JP3359697A JPH10226400A JP H10226400 A JPH10226400 A JP H10226400A JP 9033596 A JP9033596 A JP 9033596A JP 3359697 A JP3359697 A JP 3359697A JP H10226400 A JPH10226400 A JP H10226400A
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JP
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heat
plate
panel
structural
protection material
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JP9033596A
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English (en)
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Shuichi Ishizawa
修一 石沢
Toshio Hattori
敏雄 服部
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L59/00Thermal insulation in general
    • F16L59/12Arrangements for supporting insulation from the wall or body insulated, e.g. by means of spacers between pipe and heat-insulating material; Arrangements specially adapted for supporting insulated bodies

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Insulation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高断熱性を有して容易に強度と剛性と変形性と
のバランスを採り得る軽量な宇宙往還機熱防護材の支柱
を提供する。 【解決手段】熱防護材の支柱3は、外側表面の耐熱構造
材の表面パネル1と内側の主構造パネル2との間を支え
る両構造材の中間部に実質的狭小支柱幅部分6を有する
平板状支柱、或いは両構造材の間を複数に分割する板状
要素の結合によって構成される。種々な板状要素と高断
熱材との結合により、熱防護材の要求特性に適した高断
熱性を有して容易に強度と剛性と変形性とのバランスを
採り得る軽量な支柱構成を得ることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は宇宙往還機に用いら
れる熱防護材に係り、特に高温に晒されかつ大きな圧力
を受ける外側表面の耐熱構造材と、有効積載物の温度お
よび圧力からの保護機能を有する内側の主構造材との間
を支える支柱(表面パネルを支持する支柱)に関する。
【0002】
【従来の技術】宇宙往還機に用いられる熱防護材に関す
る記述が、航空宇宙学会主催の第32回構造強度に関す
る講演会(1990年)の講演集第50乃至53頁に記
載されている。この記述の熱防護材(TPS:Ther
mal ProtectionSystem)の支柱の
構成は、耐熱構造材と主構造材との取付面を形成するた
めに直角に曲げた面を設けた耐熱金属を用いる平板状の
支柱、あるいは炭素/炭素複合材(以下C/C材と称す
る)を用いる円柱乃至はチューブ状の支柱の構成となっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、表
面パネルと主構造パネルを板バネ状の支柱で支持してい
る。熱防護材においては、空気力学的作用に伴う面圧や
熱負荷に対する信頼性を要求される。また、熱防護材は
軽量である必要があり、更には熱防護材表面は高温にな
るので、宇宙往還機内部の温度が高温にならないよう、
熱防護材には、断熱性がよいことが要求される。支柱は
パネルに面圧が作用したとき、表面パネルに変形が生
じ、表面パネル相互間の接触状況に無理が生じたり、宇
宙往還機の空力特性が変化し、宇宙往還機が安定飛行や
振動抑制のために剛性を高くすべきである。しかしなが
ら、支柱の剛性が高すぎると、表面パネルと主構造パネ
ルとに熱膨脹による変形差が生じたとき、支柱との接続
部の表面パネルに無理が生じ、破壊する可能性があり、
支柱の剛性の最適設計は容易ではない。更に、熱防護材
を軽量にするのは支柱の軽量化も要求され、また、熱防
護材表面の温度を機体内部に伝えないために支柱の断熱
性も要求される。
【0004】すなわち宇宙往還機に用いられる熱防護材
の支柱には、空気力学的作用による面圧及び発熱によっ
て耐熱構造材及び主構造材貫通方向の圧縮力と、耐熱構
造材及び主構造材の相対移動方向の曲げモーメントとが
加わる。従って熱防護材の支柱は、耐熱構造材及び主構
造材間の熱伝導を阻害する断熱機能と共に、宇宙往還機
の空気力学的作用の変化によって生ずる振動を伴う圧縮
力及び曲げモーメントに耐え得る強度及び剛性と、耐熱
構造材及び主構造材間の熱膨脹の差によって生ずる耐熱
構造材内の過大応力回避を可能にする変形能とを兼備す
る必要がある。
【0005】これらの要求特性、即ち高断熱性を有し強
度,剛性及び変形性のバランスが採れて軽量であること
を満足させるためには、単一の材料(複合材を含む)の
単一形状の支柱ではその適合性に大きな制約を有してい
る。
【0006】本発明の目的は、高断熱性を有して容易に
強度と剛性と変形性とのバランスを採り得る軽量な支柱
構成を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、支柱の中央
部に板幅を減少させた箇所を設けることにより、剛性及
び強度のバランスがとれ、かつ、軽量で断熱性のよい支
柱が達成される。また、支柱の材質の一部を断熱性のよ
い材料にすることで、断熱効果の向上が図られる。
【0008】すなわち、この目的を達成するため、本発
明による熱防護材は、高温に晒されかつ大きな圧力を受
ける外側表面の耐熱構造材と有効積載物の温度及び圧力
からの保護機能を有する内側の主構造材との間に配置さ
れて両構造材間を支える、該両構造材中間部に実質的に
狭小な支柱幅部分を有する平板状支柱を備える。あるい
は、高温に晒されかつ大きな圧力を受ける外側表面の耐
熱構造材と有効積載物の温度及び圧力からの保護機能を
有する内側の主構造材との間に配置されて両構造材間を
支える、該両構造材間を複数に分割した板状要素の結合
によって構成される支柱を備える。以下に本発明の熱防
護材の特徴を列記する。
【0009】(1)高温に晒されかつ大きな圧力を受け
る外側表面の耐熱構造材と、有効積載物を温度および圧
力から保護する機能を有する内側の主構造材と、前記耐
熱構造材と前記主構造材との中間部に実質的に狭小な支
柱幅部分を有して両構造材の間を支える平板状支柱とを
備える。
【0010】(2)(1)において、前記平板状支柱の
前記両構造材貫通方向中央部に幅方向外側部切欠きを設
けてなる。 (3)(1)において、前記平板状支柱の前記両構造材
貫通方向中央部に幅方向中央開口を設けてなる。
【0011】(4)高温に晒されかつ大きな圧力を受け
る外側表面の耐熱構造材と、有効積載物を温度および圧
力から保護する機能を有する内側の主構造材と、前記耐
熱構造材と前記主構造材との間に配置されて両構造材の
間を支える該両構造材間を複数に分割する板状要素の結
合によって構成される支柱とを備える。
【0012】(5)(4)において、前記板状要素が幅
方向で前記両構造材貫通直角方向の重なりを有して結合
されてなる。 (6)(5)において、前記結合を接合によって構成し
てなる。 (7)(5)において、前記幅方向での重なり部の間に
更に断熱特性の良好な材料を介在させてなる。
【0013】(8)(7)において、前記結合を接合に
よって構成してなる。 (9)(8)において、主として前記幅方向での重なり
部に更に幅方向外側部の切欠きを設けてなる。(10)
(7)において、前記結合を締結装置によって構成して
なる。 (11)(10)において、断熱特性の良好な材料を介
在させて配置される2個の板状要素のいずれか一方に切
欠きを設け、該切欠きを設けた板状要素が前記締結装置
との接触を回避してなる。
【0014】(12)(4)において、前記両構造材貫
通方向に間隔を隔てて同一面内に配置される2個の板状
要素のそれぞれと幅方向での重なりを有する少なくとも
1個の断熱特性の良好な平板により結合部を構成してな
る。 (13)(12)において、前記結合部の結合を接合に
よって構成してなる。 (14)(12)において、前記結合部の結合を締結装
置によって構成してなる。
【0015】(15)(4)において、前記板状要素を
コの字形に成形し、該コの字形要素中央部が前記両構造
材貫通方向に整列してなる。 (16)(15)において、前記結合を接合によって構
成してなる。 (17)(15)において、前記結合を締結装置によっ
て構成してなる。 (18)(15)において、前記コの字形要素の結合部
の間に断熱特性の良好な平板を介在させてなる。
【0016】(19)(18)において、前記結合を接
合によって構成してなる。 (20)(18)において、前記結合を締結装置によっ
て構成してなる。 (21)(20)において、断熱特性の良好な材料の介
在した部分で前記コの字形要素のいずれか一方に切欠き
を設け、該切欠きを設けたコの字形要素が前記締結装置
との接触を回避してなる。
【0017】また、本発明を応用した宇宙往還機の特徴
は、例えば、胴体、翼及び尾翼より構成され、胴体部は
機体外形を形成する主構造パネルとこのパネルを覆う熱
防護材とを備え、この熱防護材は前記主構造パネルを覆
うように配置されて、外表面に露出される表面パネル
と、表面パネル及び前記主構造パネル間に充填される断
熱材及び両パネル間を支える板状支柱を備えた宇宙往還
機において、(22)前記支柱の長手方向中央部板幅が
上下板幅より小さくなることを特徴とするか、、または
(23)宇前記支柱を熱防護材厚さ方向に分割された複
数の部材により構成し、それらを接合したことを特徴と
する。
【0018】本発明によれば、表面パネル間の熱膨脹差
により、支柱に加わる曲げモ−メントは図2に示す如く
中央部で最小となり、強度、剛性を損なうことなく、こ
の部分の断面を減らすことができる。
【0019】高温に晒されかつ大きな圧力を受ける外側
表面の耐熱構造材は、前記引用文献の講演集の中に記載
されているC/C材耐高温構造体(C/C Hot S
tructure),C/C材隔離形熱防護材(C/C
Stand−off TPS),チタン合金多重壁熱
防護材(Titanium Multiwall TP
S),セラミックタイル熱防護材(Ceramic T
ile TPS)のいずれのものであってもよい。有効
積載物即ちペイロードを温度及び圧力から保護する機能
を有する内側の主構造材は通常温度を約300℃に抑え
られて炭素繊維によるFRP(Fiber Reinf
orced Plastic)で構成される。平板状支
柱は耐熱構造材及び主構造材との結合部分が両構造材と
平行になるように実質的支柱部分に対して90°折り曲
げられた耐熱合金製の構成であるが、主として前記両構
造材の熱膨脹の差によって生ずる支柱部分に加えられる
曲げモーメントは前記両構造材の中央で0になり、中央
部は小さな値になると考えられる。従って両構造材間中
央部付近の支柱幅は強度上から実質的に狭小にすること
が可能で、これによって支柱の中央部の剛性を小さくし
て変形能を増大させ得る。実質的支柱幅の狭小化方法に
は幅の外側あるいは中央部に切欠きを設ける方法、即ち
くびれを設けるか、或いは穴を穿つ方法がある。
【0020】断熱特性をより向上させるためには、前記
両構造材間を複数に分割する板状要素の結合によって支
柱を構成し、板状要素の配置位置によって温度特性の異
なる材料を用いると同時に要素間結合部に断熱特性の優
れた構成を設ける。温度特性の異なる材料によって断熱
特性を改善した上で更に断熱特性を僅かに向上させるに
は、幅方向で前記両構造材貫通直角方向の重なりを設
け、重なり部を通常は断熱性を有する接着剤を用いて接
合する。さらに耐熱性を向上させるには、板状要素間に
断熱特性の良好な平板状材料を介在させそれぞれの間を
接着剤を用いて接合する。変形性を向上させたいとき
は、接合部が前記両構造材の中央にあれば接合部の幅方
向の外側に切欠きを設けてもよい。結合部の信頼性を向
上させたい場合には、接合に換えて締結装置を使用す
る。しかし締結装置そのものは断熱性が特に良いとは云
えず、断熱性平板状材料と重なっている部分で、通常は
ナット側の板状要素に穴を穿ってこの板状要素と締結装
置が直接接触するのを避けて断熱効果を確保する。この
場合、前記両構造材貫通方向に締結装置を偶数段配列し
て穴を穿つ側の板状要素を交互にするのが普通である。
【0021】実質的な支柱部材を整列させたい場合には
2個の板状要素を同一面内に間隔を隔てて配置し、その
両面に断熱特性の良好な平板状材料がそれぞれに両方の
板状要素に重なるように配置して板状要素と断熱性平板
状材料とのすべての重合面を結合する。締結装置による
結合の場合には一方の板状要素に穴を穿ってその板状要
素と締結装置との接触を回避して断熱効果を確保するの
は前述と同様である。尚、強度的に許容されるならば、
断熱性平板状材料は板状要素の片面側にだけ配置するこ
とであっても差支えない。支柱を圧縮する方向の力が強
い場合には、板状要素をコの字形に成形し、コの字形要
素の中央部が支柱圧縮方向、即ち前記両構造材貫通方向
に整列するとよい。この場合のコの字形要素間の結合
面、即ちコの字形要素の端部の外面には断熱特性の良好
な平板状材料を介在させるのがよく、結合方法は前述の
ものと同様である。
【0022】
【発明の実施の形態】宇宙往還機で使用する熱防護材の
外側表面の耐熱構造材はタイル状に分割されていて、そ
れを組合せて宇宙往還機表面を覆うようになっている。
支柱を介してそれを支持する内側主構造体はFRPを用
いて大形の構造体に一体成形されている。従来は図9に
示されるように、高温大気に曝される表面パネル1は主
構造パネル2にインコネル等の耐熱合金で作成した板バ
ネ状支柱3を介して接続されている。宇宙往還機におい
ては、宇宙空間から地上への帰還時に機体外表面である
表面パネルは約1300℃の高温に曝される。これに対
して有効積載物即ちペイロ−ドを搭載する内部は常温付
近とする必要がある。
【0023】つまり、宇宙往還機表面には、熱防護材
(Thermal Protection Syste
m:TPS)を設置し、最内層の主構造パネルの温度を
約300℃に抑える必要がある。図1にタイル1個分を
取り出した熱防護材の一実施例を示す。1は高温に晒さ
れかつ大きな圧力を受ける外側表面のタイル状の耐熱構
造材、2は有効積載物、即ちペイロードの温度及び圧力
からの保護機能を有する内側の主構造材、3は耐熱構造
材1と主構造材2との間を支える支柱を示す。耐熱構造
材1は耐熱性に優れたC/C材(炭素/炭素複合材)耐
高温構造体(C/C Hot Structure)
か、C/C材隔離形熱防護材(C/C Stand −
off TPS)か、チタン合金多重壁熱防護材(Ti
taniumMultiwall TPS)か、セラミ
ックタイル熱防護材(Ceramic Tile TP
S)かのいずれのものかであってよい。主構造材2は炭
素繊維によるFRP(C−Fiber Reinfor
ced Plastic)で構成される。
【0024】耐熱構造材1と主構造材2との間の空間
は、支柱3が占める空間を除いて軽量断熱材4によって
充填され耐熱構造材1から主構造材2への輻射熱の伝達
を阻止している。軽量断熱材4には従来からデンカアル
センやマイクロサーム等が使用されているが、耐熱構造
材1がC/C材耐高温構造体の場合にはこの構造体材料
がそのまま延長して使用される。この熱防護材の構成
は、支柱3の形状・構成を除いて、本発明の実施例全て
に亘って共通する。
【0025】ちなみに図9のタイプでは、熱防護材の断
熱性を確保するため、表面パネル1と主構造パネル2の
間に軽量な断熱材4を配置することにより、熱の輻射に
よる主構造パネルの温度上昇を抑えている。しかしなが
ら、支柱3は表面パネル1と主構造パネル2を直接に接
続しているため、熱伝導によるスポット的な昇温の可能
性がある。また、宇宙往還機が宇宙空間から地上への帰
還時に機体外表面が高温に曝されたときは、表面パネル
1に熱膨脹による伸びが生じ、支柱3の剛性が高すぎる
と表面パネル1の伸びが拘束され表面パネル1を破壊す
る可能性があった。
【0026】しかしながら、板バネ状の支柱3の断熱性
を良くしたり、柔軟性を持たせるために支柱3の板厚、
幅を小さくすると、強度、剛性が低くなり、宇宙往還機
が打ち上げ時に機体外表面に圧力を受けたとき、パネル
1に大変形が生じ、表面パネル1及び支柱3が、破壊す
る可能性が考えられることから、板バネ状の支柱3は低
剛性過ぎても高剛性過ぎても好ましくなく、形状を決め
るのが難しかった。
【0027】本発明者はこれらの問題は支柱3の形状を
強度、剛性のバランスがとれるように変え、軽量で、か
つ、断熱性の良い支柱にすることにより解決されるもの
と考えた。
【0028】図1の下方に本発明の代表的実施例の支柱
の1個の拡大詳細図を示す。耐熱構造材1と主構造材2
との間の中央部の平板状支柱3の幅方向外側部両側に円
弧状の切欠き5を設けてくびれ部6を形成する。支柱3
と耐熱構造材1及び主構造材2との間の結合部はそれぞ
れビス7を使用して止めてある。支柱3はインコネルで
作成されている。このくびれ部6は主として耐熱構造材
1と主構造材2との温度差の影響も含めた熱膨脹の差に
よって生ずる両構造材沿いに働く剪断力によって支柱3
の受ける曲げモーメントが0になる付近に設けられるの
で、くびれによる強度低下の悪影響は殆んどない。これ
によって耐熱構造材1から主構造材2への熱伝導に対す
る熱抵抗が増大し、同時にこの部分の剛性低下によって
曲げモーメントに対する変形能が増大して耐熱構造材に
発生する応力を緩和させる働きをする。切欠き5は大き
い程熱抵抗が増大するので、断熱性の上からは大きい程
よいが強度、即ち変形能の制約によってその量は決定さ
れる。すなわち図2に示すように、応力集中が最も小さ
くなる支柱3の中央部を図1のように長手方向中央部板
幅を減少させることにより、強度、剛性のバランスがと
れるとともに、従来の支柱より軽量で、熱伝導の小さい
支柱とすることができる。
【0029】図3は図2における幅方向外側部切欠き5
の代りに穴8を設けて支柱3の耐熱構造材1と主構造材
2との間の中央部の実質的狭小支柱幅部分を形成する実
施例を示す図である。切欠きと穴の違い以外は図2の実
施例と特性も含めて同様である。この例のように、最も
応力の小さくなる支柱中央部に穴をあけ、強度、剛性の
バランスをとることにより、従来の支柱より軽量になる
とともに、支柱3の熱伝導を小さくすることができる。
しかしながら、支柱3の中央部の板幅を小さくしすぎる
と、強度、剛性が下がるため、表面パネルに面圧が作用
したときに、支柱が座屈する可能性がある。そのため、
支柱形状は、強度、剛性のバランスをとりながら、中央
部の板幅を小さくすることが好ましい。
【0030】図4は、耐熱構造材1と主構造材2との間
を複数に分割する板状要素の結合によって構成する支柱
3の一実施例である。耐熱構造材側板状要素と主構造材
側板状要素とが幅方向で耐熱構造材1及び主構造材2の
貫通直角方向の重なり部を構成して結合されている。本
実施例では重なり部をセラミック系接着剤により接合し
てある。耐熱構造材側板状要素は高温(例えば1200
℃)における強度,断熱性,高温耐力の高い材料、例え
ばインコネルを用い、主構造材側板状要素10は、常温
における強度,断熱性,数100℃(例えば550℃)
までの高温耐力の高い材料、例えばSUS材を用いる。
このように高温側と低温側で板状要素材料を変えるの
で、単一材料よりも断熱特性及び機械的特性の優れた支
柱の形成が可能になるが、更にセラミック系接着剤を用
いて接合することにより、断熱効果の向上が図れると共
に打ち上げ時の面圧等に対する強度確保が容易になり、
要求される支柱特性の確保が容易になる。
【0031】すなわち図4の例は、高温となる表面パネ
ル1側の支柱3(a)を高温での強度、断熱性、耐熱性
の高い材料にし、主構造パネル2側のしちゅう3(b)
を室温での強度、断熱性、耐熱性に高い材料としセラミ
クス系の接着剤により接着することで、打ち上げ時の面
圧等に対する強度を確保するとともに、断熱性、耐熱性
の優れた支柱とすることが可能となる。また、コの字型
の支柱を2つ接着することも可能である。
【0032】図5は、図4における耐熱構造材側板状要
素と主構造材側板状要素との間の重なり部に平板状断熱
材を挿入して接合した構成の実施例を示す図である。こ
の支柱3の間に挿入して両者を接続するものは、例えば
セラミック系平板状断熱材9であり、これを介在させる
ことによって熱抵抗の増大を図った以外図4の実施例と
同様である。これにより、主構造パネル2側への熱流入
が断熱材により緩和され、表面パネル1が高温になって
も、主構造パネル2のホットスポットによる温度上昇を
防ぐことが可能となる。
【0033】図6は、図5に更に図2の実施例同様の円
弧状切欠き5を設けてくびれ部6を断熱材9の位置にて
形成した実施例で、切欠き5の切欠き量及びその効果に
関しては図2の場合と同様である。このように長手方向
中央部板幅を減少させることにより、強度、剛性のバラ
ンスがとれるとともに、軽量で、熱伝導の小さい支柱と
することができる。図5の実施例では、支柱3を接着に
より接続しているが、高温での接着強度が問題となるの
で、ボルトで接続することにより、接続部の強度を向上
させることも有効である。但し、ボルトにより支柱3を
接続した場合には、ボルト部より熱が伝わり、主構造パ
ネル2にホットスポットによる温度上昇が生じぬよう配
慮することが望ましい。
【0034】図7は、図5の構成における接合に代って
締結装置による結合を行った場合の結合部構成を示す側
面図及びA−A断面図である。締結装置13は耐熱構造
材及び主構造材貫通方向に2段に配置され、耐熱構造材
側板状要素3(a)と主構造材側板状要素3(b)との
間を両板状要素間に介在する平板状断熱材9と共に互い
に逆方向から締め付けている。締結装置13のボルト頭
14に接する部分の板状要素には、ボルト穴が明けられ
るが、ナットの来る側の板状要素には、ナットとの接触
を避けるような円形切欠き穴を設ける。これによって締
結装置を介しての直接的熱伝導は回避される。結合手段
に締結装置を使用することの効果は接合よりも結合の信
頼性が向上することにある。本例により、熱流入が緩和
され、ホットスポットによる昇温を防ぐことが可能とな
る。
【0035】図8には耐熱構造材側板状要素と主構造材
側板状要素とを耐熱構造材と主構造材との間で整列させ
る構成の一実施例を示す。本例では支柱3をボルト15
により接続する際に支柱3とナット116の隙間を設け
て接続することでボルト15から支柱3への熱流入を緩
和している。耐熱構造材側板状要素と主構造材側板状要
素との夫々の平板状先端部は間隔を隔てて対向する位置
に置かれ、その両側面には平板状断熱材が両板状要素を
挟み込むように配置される。平板状断熱材の各々は、幅
方向での重なり部を両板状要素の夫々との間に有して結
合される。本例は、夫々の重なり部に2個の締結装置を
用いて平板状断熱材と板状要素またはとを一体に締め付
ける構成で示してあるが、締結装置の代りに接合による
結合構成を採ることも可能である。また平板状断熱材
は、板状要素の両側面に配置するのが望ましいが、強度
上許容されるならば、平板状断熱材を板状要素の片側面
のみに配置することも可能である。そして熱伝導路に関
して考えれば、耐熱構造材側板状要素と主構造材側板状
要素との間に必ず平板状断熱材が存在するので、締結装
置の締付部構成に図7に示したような特別な配慮は必要
ない。本支柱構成の効果は高断熱特性を保持したまま実
質的支柱要素の整列構成の達成によって構造材からの圧
縮力に対する耐性の向上を達成し得ることである。
【0036】更に他の例として、耐熱構造材側板状要素
と主構造材側板状要素とを耐熱構造材1と主構造材2と
の間で整列させる構成例として、耐熱構造材側板状要素
及び主構造材側板状要素の両板状要素を共にコの字形に
成形し、コの字形要素の中央部は耐熱構造材1及び主構
造材2の貫通方向に整列させてある。両構造材に平行な
方向の互いに対向する両コの字形要素の結合面の間には
セラミック系断熱材製の平板状断熱材を配し、図7の実
施例で説明したのと同様な締結装置の逆方向締付け配置
のナットとの接触回避用円形切欠き穴を有する板状要素
の結合構成を採用する。この構成は支柱3の強度及び断
熱に関する特性が優れたものになる。結合方式を接合に
よるものに換えたり、平板状断熱材を省略したりする構
成変更が可能であり、強度及び断熱特性の適性に応じた
構成を採用し得る。
【0037】
【発明の効果】以上の実施例で示した種々な構成の支柱
構成を選択することにより、熱防護材の要求特性に適し
た高断熱性を有して容易に強度と剛性と変形性とのバラ
ンスを採り得る軽量な支柱構成を得ることが可能になっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す支持体近傍の形状説明
図である。
【図2】一実施例における支柱に生じる曲げモ−メント
の分布図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す支持体近傍の形状説
明図である。
【図4】本発明の更に他の実施例を示す支持体近傍の形
状説明図である。
【図5】本発明の更に他の実施例を示す支持体近傍の形
状説明図である。
【図6】本発明の更に他の実施例を示す支持体近傍の形
状説明図である。
【図7】本発明の更に他の実施例を示す支持体近傍の形
状説明図である。
【図8】本発明の更に他の実施例を示す支持体近傍の形
状説明図である。
【図9】従来例に係る支持体近傍の形状説明図である。
【符号の説明】
1…表面C/Cパネル、2…主構造パネル、3…支柱、
5…円弧状切欠き、6…くびれ部、8…穴、9…断熱
材。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温に晒されかつ大きな圧力を受ける外側
    表面の耐熱構造材と、有効積載物を温度および圧力から
    保護する機能を有する内側の主構造材と、前記耐熱構造
    材と前記主構造材との中間部に実質的に狭小な支柱幅部
    分を有して両構造材の間を支える平板状支柱とを備える
    ことを特徴とする熱防護材。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記平板状支柱の前記
    両構造材貫通方向中央部に、幅方向外側部切欠き及び/
    または幅方向中央開口を設けてなることを特徴とする熱
    防護材。
  3. 【請求項3】高温に晒されかつ大きな圧力を受ける外側
    表面の耐熱構造材と、有効積載物を温度および圧力から
    保護する機能を有する内側の主構造材と、前記耐熱構造
    材と前記主構造材との間に配置されて両構造材の間を支
    える該両構造材間を複数に分割する板状要素の結合によ
    って構成される支柱とを備えることを特徴とする熱防護
    材。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記板状要素が幅方向
    で前記両構造材貫通直角方向の重なりを有して結合され
    てなることを特徴とする熱防護材。
  5. 【請求項5】請求項3において、前記両構造材貫通方向
    に間隔を隔てて同一面内に配置される2個の板状要素の
    それぞれと幅方向での重なりを有する少なくとも1個の
    断熱特性の良好な平板により結合部を構成してなること
    を特徴とする熱防護材。
  6. 【請求項6】請求項3において、前記板状要素をコの字
    形に成形し、該コの字形要素中央部が前記両構造材貫通
    方向に整列してなることを特徴とする熱防護材。
  7. 【請求項7】胴体、翼及び尾翼より構成され、胴体部は
    機体外形を形成する主構造パネルとこのパネルを覆う熱
    防護材とを備え、この熱防護材は前記主構造パネルを覆
    うように配置されて、外表面に露出される表面パネル
    と、表面パネル及び前記主構造パネル間に充填される断
    熱材及び両パネル間を支える板状支柱を備えた宇宙往還
    機において、前記支柱の長手方向中央部板幅が上下板幅
    より小さくなることを特徴とする宇宙往還機。
  8. 【請求項8】胴体、翼及び尾翼より構成され、胴体部は
    機体外形を形成する主構造パネルとこのパネルを覆う熱
    防護材とを備え、この熱防護材は前記主構造パネルを覆
    うように配置されて、外表面に露出される表面パネル
    と、表面パネル及び前記主構造パネル間に充填される断
    熱材及び両パネル間を支える板状支柱を備えた宇宙往還
    機において、前記支柱を熱防護材厚さ方向に分割された
    複数の部材により構成し、それらを接合したことを特徴
    とする宇宙往還機。
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