JP3548141B2 - コンクリート製品の継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物、構築物、地下道、トンネルその他のコンクリート構造物に対して用いられるコンクリート製品の継手に関し、さらに詳しくは、火災等により高温に曝されたときに、継手金物のアンカー部が高温になるのを防止した継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、土木、建築等の公共財の安全確保が問題になっている。従来、鉄筋コンクリートは耐熱材料であると考えられていたが、近年の火災事故においては、鉄筋コンクリート部材に被害が発生することが多く、鉄筋コンクリートも耐火性について問題があるとして注目されている。なかでもコンクリート部材をプレキャスト化、セミプレキャスト化した場合に、これらコンクリート部材の継手部には依然として、鋼板、ボルトナット、鉄筋アンカーを組み合せた形式の部材を用いることが多い。この場合熱伝導率の大きい鋼板を継手としてコンクリートの表面近くに配設するので、火災等によって高温が発生したとき、継手部材の温度が上昇し、継手の鉄筋アンカーとコンクリートとの付着強度がより一層低下し、その変形が増加し、構造系の破壊が起こっている。
【0003】
最近、土木、建築でも1200℃〜1350℃の高温断熱の必要性が認識されだし、高耐火断熱材で保護することが考えられるようになってきたが、継手部の保護には問題が多い。継手部はコンクリート構造物の表面近くに設けられることが多く、鉄系材料は熱伝導率がコンクリートに比べて15〜80倍と大きい。従って、継手の設置数が全体として多くなくても、継手部は構造物の耐熱性を左右する大きな要因となっている。
【0004】
図6は従来技術を示す斜視図で、プレキャストコンクリート部材20の従来の継手を示す斜視図である。継手金物2の背面に控え板4を設け、この控え板4にアンカー棒5を取付け、アンカー棒5をプレキャストコンクリート部材20内に埋設して継手金物2を強固にコンクリート部材20に固定している。図5はこのような従来のコンクリート構造物の継手金物の耐熱保護技術を示している。プレキャストコンクリート構造物20の継手1は、プレキャストコンクリート構造物20の表面近くに設置され、これを熱22から保護するために耐熱板21をコンクリート表面に施している。耐熱板21としては耐火性能が高度のものを必要とし、耐熱板21の施工は慎重に行うことを要する。また一方、構造物の内容積を減少させるデメリットがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、コンクリート構造物はプレキャスト化される傾向にあり、プレキャストコンクリート製品では、殆どの継手はコンクリート表面近くに配設されている。コンクリートの内部中心近くに継手を設けることは構造的に不利であり、特殊の場合にしか行われていない。コンクリートの表面近くに配設された継手部の耐火性を高めることが重要になっており、従来は、継手部を耐火材被覆で保護していた。しかし全く熱を伝えないほどの厚さの耐火材を用いて保護することは経済的に許されない。このような実情に鑑み、本発明は上記従来の問題点を解決し、高価な耐熱被覆等を用いることなく、耐熱性能を高めたコンクリート製品の継手を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、継手のアンカー部を健全な状態に保つことによって、コンクリート構造物の耐火性の低下をもたらす弱点をカバーし、耐火性の向上をはかろうとするものである。
【0007】
本発明の第1の発明の技術手段は、コンクリート内にコンクリートと付着するアンカー部を埋設し本体部がコンクリート表面に位置する継手金物において、アンカー部としてアンカー棒を用い、本体部とアンカー部との接続部を熱伝導率の小さい材料を介装した繋ぎ材で結合し、継手金物が高温に曝されたとき継手金物のアンカー部が高温になるのを防止したことを特徴とするコンクリート製品の継手である。
【0008】
また、本発明の第2の発明は、コンクリート内にコンクリートと付着するアンカー部を埋設し本体部がコンクリート表面に位置する継手金物において、アンカー部として長繊維の紐を用い、セラミックス材料を用いた雄雌コーンでアンカー部を継手本体に固定し、継手金物が高温に曝されたとき継手金物のアンカー部が高温になるのを防止したことを特徴とするコンクリート製品の継手である。長繊維の紐としては、アラミド繊維又はカーボン繊維を筒状に織った紐を用いるとよい。これをアンカーとして、継手本体にセラミック又は構造用耐熱高分子材料からなる雄雌コーンで固定し、アンカー部への熱伝導を防止する。
【0009】
以上の本発明において、熱伝導率の小さい材料としては、各種のセラミックス材料を用いることができ、また、構造用耐熱高分子材料(メラミン、ジアリルフタレート、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミドに、ガラス繊維、アスベスト等を配合したもの)を用いると好適である。これらは強度が大きく、高温に耐え、熱伝導率が小さく、熱の伝導を効果的に遮断する。なお場合によっては熱伝導率の小さい材料として超高強度コンクリート製の部品を用いることもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
通常、鉄に許される温度は200℃と言われている。ところがこの温度ではコンクリートとの付着で力を伝達するアンカー部の付着力が熱伝導率の違いによる膨張差で完全に劣化し、強度を失ってしまう。これがプレキャストコンクリート構造物の耐熱性を損なう弱点であることを知見し、この弱点をカバーするには、アンカー部の温度を高めないようにすれば、大きな効果があることを知見した。そこで、本発明は継手のアンカー部に熱が伝わらないようにすることを技術思想とするものである。
【0011】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施例を示すプレキャストコンクリート製品20同士の継手部の断面図である。継手1は、継手金物2同士がボルト3によって結合されており、各継手金物2は控え板4を備え、控え板にアンカー棒5が、繋ぎ材10を介して結合されている。この繋ぎ材10は、熱伝導率の小さい材料を介装している。図2はこの繋ぎ材10の一例の詳細を示す説明図で、繋ぎ材10はセラミック等の熱伝導率の小さい材料12を内面に有する長ナット11を控え板4に取付け、この長ナット11にアンカー棒5のねじ6をねじ込んで結合するようになっている。この長ナット11を介装することによって、控え板4とアンカー棒5とは熱的に分離され、継手金物2,控え板4が高温になっても、アンカー棒5は高温にならないので、アンカー棒5がコンクリートと剥離することはなく、構造系が破壊に至ることは効果的に防止される。図3はストランド等の固定に用いる繋ぎ材10の構造を示す例である。この例では、アンカー棒に代わり、アンカー繊維7をくさびで固定する。セラミック等の熱伝導率の小さい材料15を内張りした雌コーン14を接続部13内にはめ込み、雄コーン16との間にアンカー繊維7の端部を固定する。図4も同様の構造を示し、セラミック等の熱伝導率の小さい材料15からなる雌コーンを接続部13内にはめ込み、雄コーン16でアンカー繊維7の端部を固定する。
【0012】
本発明を利用することができるコンクリート製品としては、建築の内装用資材、外装用資材、プレキャストコンクリート階段、プレキャストコンクリート製住宅資材、建築物、構築物、地下道、トンネルその他のコンクリート構造物に用いられるコンクリート製品、曲面板、合成セグメント等を挙げることができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、プレキャストコンクリート製品を用いる構造物の耐火性に問題のあった金属継手部を、別途の耐火材等で被覆することなく、本体コンクリートと継手部とに同一レベルの耐火保護性能を付与することが可能となった。継手の定着部の基本構造は従来と同様で良いので応用範囲が広く、寄与するところが大きい。本発明は、プレキャストコンクリートの継手部材に限らず、アンカーが必要な鋼製部材の耐火防護にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断面図である。
【図2】繋ぎ材の一例の詳細を示す説明図である。
【図3】別の実施例の断面図である。
【図4】別の実施例の断面図である。
【図5】従来の継手構造の断面図である。
【図6】従来の継手構造の断面図である。
【符号の説明】
1 継手
2 継手金物
3 ボルト
4 控え板
5 アンカー棒
6 ねじ
7 アンカー繊維
10 繋ぎ材
11 長ナット
12 熱伝導率の小さい材料
13 接続部
14 雌コーン
15 熱伝導率の小さい材料
16 雄コーン
20 プレキャストコンクリート製品
Claims (2)
- コンクリート内にコンクリートと付着するアンカー部を埋設し本体部がコンクリート表面に位置する継手金物において、アンカー部としてアンカー棒を用い、本体部とアンカー部との接続部を熱伝導率の小さい材料を介装した繋ぎ材で結合し、継手金物が高温に曝されたとき継手金物のアンカー部が高温になるのを防止したことを特徴とするコンクリート製品の継手。
- コンクリート内にコンクリートと付着するアンカー部を埋設し本体部がコンクリート表面に位置する継手金物において、アンカー部として長繊維の紐を用い、セラミックス材料を用いた雄雌コーンでアンカー部を継手本体に固定し、継手金物が高温に曝されたとき継手金物のアンカー部が高温になるのを防止したことを特徴とするコンクリート製品の継手。
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