JPH10226085A - インクジェットカートリッジ - Google Patents

インクジェットカートリッジ

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JPH10226085A
JPH10226085A JP8379298A JP8379298A JPH10226085A JP H10226085 A JPH10226085 A JP H10226085A JP 8379298 A JP8379298 A JP 8379298A JP 8379298 A JP8379298 A JP 8379298A JP H10226085 A JPH10226085 A JP H10226085A
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ink supply
rib
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輝雄 荒島
Masaaki Izumida
昌明 泉田
Shigeaki Tanaka
茂昭 田中
Nobuyuki Kuwabara
伸行 桑原
Masami Ikeda
雅実 池田
Akio Saito
昭男 斎藤
Makiko Kimura
牧子 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク供給部へのインクの供給性能を向上し
たインクジェットカートリッジを提供する。 【解決手段】 インク供給部を中心として、大気連通部
までの距離で引いた仮想円弧の外側のインク収納容器内
面にリブが配され、大気連通部を連通した空間部を構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク吸収体のよ
うな多孔質体をインク収納容器内に収容している構成を
備えたインクジェットカートリッジに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、記録液滴を形成するエネルギ発生
部とそこへインクを供給するインクタンクが一体となっ
た構成のインクジェットヘッドが実用化されている。こ
の種のインクジェットヘッドのインクタンク内には、圧
縮収納された多孔質体にインクが含浸されている構成が
一般的である。この多孔質体に保持されたインクはイン
ク供給口から吐出部へ共通液室を介して吐出部のインク
消費に応じたノズルの毛管力によりインクタンク内から
導出される。従来では、また、前記多孔質体がインクタ
ンク内の負圧を防止するためにインクタンクの微小部分
(タンク内面積の約3%程度)を大気に開放する大気連
通口が設けてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
では、多孔質体のインク保持量を増大して交換頻度を減
少しようとするものであるので、インクタンク内におけ
る多孔質体の存在割合は100%に向かって増加する方
向で実施されており、かえって、充填しているインク量
が増加しているにも関わらず、タンク内から記録のため
に供給できずに残存してしまうインク量が多くなってし
まっているのが現状であった。
【0004】このような現状に鑑み、多孔質体のインク
保持状態を吐出特性に悪影響を与えずに良好なインク供
給ができることが重要である。
【0005】一方、吐出エネルギ発生手段へインクを供
給するためのインクを保持するインク室に対して、連通
しタンク内の多孔質体に圧入され該インク室へインクを
案内するための供給管は、知られているが、この目的は
多孔質体との接触状態を安定化して、その接触部分の多
孔質体を変形させることが提案されている。この発明の
概念は、むしろ、多孔質体を大きくは変形させないよう
にして当接部分のみを圧縮するものであるため、わずか
なものであった。しかしながら、記録を行っていくとイ
ンク供給不良が発生し、タンク内にインクが多く残って
いるにもかかわらず記録できずに交換を余儀なくさせら
れてしまっていた。
【0006】特に、この傾向は、タンク内部の多孔質体
に対する大気連通口近傍にタンク内リブを設ける場合
は、より一層インクを残存させる傾向にあった。
【0007】本発明の目的は、このような問題点を解決
し、長期的な記録を達成し、インクの残存を出来るだけ
少なくして交換頻度を軽減できるインク収納容器一体型
インクジェットヘッドを提供することを第1の目的とす
る。また、このヘッドを備えて、安定記録を達成できる
インクジェット記録装置を提供することを第2の目的と
する。
【0008】加えて、インクタンク内に、リブを備えた
場合に対して特に有効なインク収納容器一体型インクジ
ェットヘッドを提供することを第3の目的とする。
【0009】更には、インクタンク内の構成を改良し
て、インクの消費をより向上した構成とし、上記目的の
いずれかを達成する上記インク収納容器一体型インクジ
ェットヘッドによって、より優れた効果を発揮できるイ
ンク収納容器一体型インクジェットヘッドを提供するこ
とを別の目的とする。
【0010】本発明の他の目的は以下の実施例から説明
される。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記主たる目
的を達成する構成として、請求項にあるように、大気連
通口を有した大気連通空間とインク供給部とを夫々異な
る位置に有するとともにインク保持用に多孔質体を内在
したインク収納容器と、インク吐出部とインクを吐出す
るためのエネルギ発生素子と前記インク収納容器からイ
ンクを受けるための中空状のインク供給管であって先端
部が垂直に切断された形状を示すインク供給管とを備え
た記録ヘッドと、を一体化することで構成されるインク
ジェットカートリッジであって、前記インク収納容器
は、その一側面に対して前記大気連通空間とインク供給
部とを配し、前記インク供給部を中心として前記大気連
通空間までの距離で引いた仮想円弧の外側にある前記イ
ンク収納容器内面にリブが配されて、前記大気連通空間
と連通した空間部を構成していることを特徴とする。
【0012】なお、前記リブの高さをH2としたとき、
前記記録ヘッドの中空管の前記多孔質体への押圧挿入量
Zは、2×H2≦Z≦3×H2の範囲であることは好ま
しい。
【0013】また、前記多孔質体は前記インク収納容器
より大きな容積を有し、前記容器内には圧縮収納される
もので、前記記録ヘッドが装着される方向に関する前記
多孔質体の当初長さをW0、前記容器の該当長さをW1
としてその圧縮量は(W0−W1)、前記リブの高さを
H2、前記インク供給管の最大直径部の長さをDとした
とき、前記記録ヘッドの中空管の前記多孔質体への押圧
挿入量Zは、Z≧(W0−W1)+H2+Dの範囲であ
ることは好ましい。
【0014】さらに、前記吐出エネルギ発生手段は、記
録装置から電気信号の供給によってインク内に膜沸騰を
生じさせる熱エネルギ発生手段であることは好ましい。
【0015】本発明は、各インクタンクの構造に対し
て、種々の構成を検討した結果によって、上記構成が導
き出されたものであって、上記構成において顕著な効果
を発揮するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】図2乃至図6は、本発明が実施も
しくは適用される好適なインクジェットユニットIJ
U,インクジェットヘッドIJH,インクタンクIT,
インクジェットカートリッジIJC,インクジェット記
録装置本体IJRA,キャリッジHCの夫々及び夫々の
関係を説明するための説明図である。以下これらの図面
を用いて各部構成の説明を行う。
【0017】本例でのインクジェットカートリッジIJ
Cは、図3の斜視図でもわかるように、インクの収納割
合が大きくなっているもので、インクタンクITの前方
面よりもわずかにインクジェットユニットIJUの先端
部が突出した形状である。このインクジェットカートリ
ッジIJCは、インクジェット記録装置本体IJRAに
載置されているキャリッジHC(図5)の後述する位置
決め手段及び電気的接点とによって固定支持されると共
に、該キャリッジHCに対して着脱可能なディスポーザ
ブルタイプである。本例図2乃至図6には、本発明の成
立段階において成された数々の新規な技術が適用された
構成となっているので、これらの構成を簡単に説明しな
がら、全体を説明することにする。
【0018】(i)インクジェットユニットIJU構成
説明 インクジェットユニットIJUは、電気信号に応じて膜
沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギー
を生成する電気熱変換体を用いて記録を行うバブルジェ
ット方式のユニットである。
【0019】図2において、100はSi基板上に複数
の列状に配された電気熱変換体(吐出ヒータ)と、これ
に電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術により
形成されて成るヒータボードである。200はヒータボ
ード100に対する配線基板であり、ヒータボード10
0の配線に対応する配線(例えばワイヤボンディングに
より接続される)と、この配線の端部に位置し本体装置
からの電気信号を受けるパッド201とを有している。
【0020】1300は複数のインク流路を夫々区分す
るための隔壁や各インク流路へインクを与えるためにイ
ンクを収納するための共通液室等を設けた溝付天板で、
インクタンクITから供給されるインクを受けて上述の
共通液室へ導入するインク受け口1500と、各インク
流路に対応した吐出口を複数有するオリフィスプレート
400を一体成型したものである。これらの一体成型材
料としてはポリサルフォンが好ましいが、他の成型用樹
脂材料でも良い。
【0021】300は配線基板200の裏面を平面で支
持する例えば金属製の支持体で、インクジェットユニッ
トの底板となる。500は押えばねであり、M字形状で
そのM字の中央で共通液室を軽圧で押圧すると共に前だ
れ部501で液路の一部、好ましくは吐出口近傍の領域
を線圧で集中押圧する。ヒータボード100および天板
1300を押えばねの足部が支持体300の穴3121
を通って支持体300の裏面側に係合することでこれら
を挟み込んだ状態で両者を係合させることにより、押え
ばね500とその前だれ部501の集中付勢力によって
ヒータボード100と天板1300とを圧着固定する。
又支持体300は、インクタンクITの2つの位置決め
凸起1012及び位置決め且つ熱融着保持用凸起180
0,1801に係合する位置決め用穴312,190
0,2000を有する他、装置本体IJRAのキャリッ
ジHCに対する位置決め用の突起2500,2600を
裏面側に有している。加えて支持体300はインクタン
クからのインク供給を可能とするインク供給管2200
(後述)を貫通可能にする穴320をも有してる。支持
体300に対する配線基板200の取付は、接着剤等で
貼着して行われる。尚、支持体300の凹部2400,
2400は、それぞれ位置決め用突起2500,260
0の近傍に設けられており、組立てられたインクジェッ
トカートリッジIJC(図3)において、その周囲の3
辺を平行溝3000,3001の複数で形成されたヘッ
ド先端域の延長点にあって、ゴミやインク等の不要物が
突起2500,2600に至ることがないように位置し
ている。この平行溝3000が形成されている。蓋部材
800は、図5でわかるように、インクジェットカート
リッジIJCの外壁を形成すると共に、インクタンクと
でインクジェットユニットIJUを収納する空間部を形
成している。又、この平行溝3001が形成されている
インク供給部材600は、前述したインク供給管220
0に連続するインク導管1600を供給管2200側が
固定の片持ちばりとして形成し、インク導管の固定側と
インク供給管2200との毛管現象を確保するための封
止ピン602が挿入されている。尚、601はインクタ
ンクITと供給管2200との結合シールを行うパッキ
ン、700は供給管のタンク側端部に設けられたフィル
ターである。
【0022】このインク供給部材600は、モールド成
型されているので、安価で位置精度が高く形成製造上の
精度低下を無くしているだけでなく、片持ちばりの導管
1600によって大量生産時においても導管1600の
上述インク受け口1500に対する圧接状態が安定化で
きる。本例では、この圧接状態下で封止用接着剤をイン
ク供給部材側から流し込むだけで、より完全な連通状態
を確実に得ることができている。尚、インク供給部材6
00の支持体300に対する固定は、支持体300の穴
1901,1902に対するインク供給部材600の裏
面側ピン(不図示)を支持体300の穴1901,19
02を介して貫通突出せしめ、支持体300の裏面側に
突出した部分を熱融着することで簡単に行われる。尚、
この熱融着された裏面部のわずかな突出領域は、インク
タンクITのインクジェットユニットIJU取付面側壁
面のくぼみ(不図示)内に収められるのでユニットIJ
Uの位置決め面は正確に得られる。
【0023】(ii)インクタンクIT構成説明 インクタンクは、カートリッジ本体1000と、インク
吸収体900とインク吸収体900をカートリッジ本体
1000の上記ユニットIJU取付面とは反対側の側面
から挿入した後、これを封止する蓋部材1100とで構
成されている。
【0024】900はインクを含浸させるための吸収体
であり、カートリッジ本体1000内に配置される。1
200は上記各部100〜600からなるユニットIJ
Uに対してインクを供給するための供給口であると共
に、当該ユニットをカートリッジ本体1000の部分1
010に配置する前の工程で供給口1200よりインク
を注入することにより吸収体900のインク含浸を行う
ための注入口でもある。
【0025】この本例では、インクを供給可能な部分
は、大気連通口とこの供給口とになるが、インク吸収体
からのインク供給性を良好に行うための本体1000内
リブ2300と蓋部材1100の部分リブ2500,2
400とによって形成されたタンク内空気存在領域を、
大気連通口1401側から連続させてインク供給口12
00から最も遠い角部域にわたって形成している構成を
とっているので、相対的に良好かつ均一な吸収体へのイ
ンク供給は、この供給口1200側から行われることが
重要である。この方法は実用上極めて有効である。この
リブ1000は、インクタンクの本体1000の後方面
において、キャリッジ移動方向に平行なリブを4本有
し、吸収体が後方面に密着することを防止している。
又、部分リブ2400,2500は、同様にリブ100
0に対して対応する延長上にある蓋部材1100の内面
に設けられているが、リブ1000とは異なり分割され
た状態となっていて空気の存在空間を前者より増加させ
ている。尚、部分リブ2500,2400は蓋部材10
00の全面積の半分以下の面に分散された形となってい
る。これらのリブによってインク吸収体のタンク供給口
1200から最も遠い角部の領域のインクをより安定さ
せつつも確実に供給口1200側へ毛管力で導くことが
できた。1401はカートリッジ内部を大気に連通する
ために蓋部材に設けた大気連通口である。1400は大
気連通口1401の内方に配置される撥液材であり、こ
れにより大気連通口1400からのインク漏洩が防止さ
れる。
【0026】前述したインクタンクITのインク収容空
間は直方体形状であり、その長辺を側面にもつ場合であ
るので上述したリブの配置構成は特に有効であるが、キ
ャリッジの移動方向に長辺を持つ場合又は立方体の場合
は、蓋部材1100の全体にリブを設けるようにするこ
とでインク吸収体900からのインク供給を安定化でき
る。限られた空間内にインクを出来るだけ収納するため
には直方体形状が適しているが、この収納されたインク
を無駄なく記録に使用するためには、上述したように、
角部の領域に対して近接する2面領域に上記作用を行え
るリブを設けることが好ましい構成である。更に本実施
例におけるインクタンクITの内面リブは、直方体形状
のインク吸収体の厚み方向に対してほぼ均一な分布で配
置されている。この構成は、吸収体全体のインク消費に
対して、大気圧分布を均一化しつつインク残量をほとん
ど無ならしめることが出来るため重要な構成である。更
に、このリブの配置上の技術思想を詳述すれば、直方体
の4角形上面においてインクタンクのインク供給口12
00を投影した位置を中心として、長辺を半径とする円
弧を描いたときに、その円弧よりも外側に位置する吸収
体に対して、大気圧状態が早期に与えられるようにその
円弧よりも外側の面に上記リブを配設することが重要と
なる。この場合、タンクの大気連通口は、このリブ配設
領域に大気を導入できる位置であれば、本例に限られる
ことではない。
【0027】加えて、本実施例では、インクジェットカ
ートリッジIJCのヘッドに対する後方面を平面化し
て、装置に組み込まれたときの必要スペースを最小化な
らしめるとともに、インクの収容量を最大化している構
成をとっているために、装置の小型化を達成できるだけ
ではなく、カートリッジの交換頻度を減少できる優れた
構成をとっている。そして、インクジェットユニットI
JUを一体化するための空間の後方部を利用して、そこ
に、大気連通口1401用の突出部分を形成し、この突
出部分の内部を空洞化して、ここに前述した吸収体90
0厚み全体に対する大気圧供給空間1402を形成して
ある。このように構成することで、従来には見られない
優れたカートリッジを提供できた。尚、この大気圧供給
空間1402は、従来よりもはるかに大きい空間であ
り、上記大気連通口1401が上方に位置しているの
で、何らかの異常で、インクが吸収体から離脱しても、
この大気圧供給空間1402は、そのインクを一時的に
保持でき、確実に吸収体に回収せしめることができるの
で無駄のない優れたカートリッジを提供できる。
【0028】又、インクタンクITの上記ユニットIJ
Uの取付面の構成は図4によって示されている。オリフ
ィスプレート400の突出口のほぼ中心を通って、タン
クITの底面もしくはキャリッジの表面の載置基準面に
平行な直線をL1とすると、支持体300の穴312に
係合する2つの位置決め凸起1012はこの直線L1
にある。この凸起1012の高さは支持体300の厚み
よりわずかに低く、支持体300の位置決めを行う。こ
の図面上で直線L1の延長上にはキャリッジの位置決め
用フック4001の90°角の係合面4002が係合す
る爪2100が位置しており、キャリッジに対する位置
決めの作用力がこの直線L1を含む上記基準面に平行な
面領域で作用するように構成されている。図5で後述す
るが、これらの関係は、インクタンクのみの位置決めの
精度がヘッドの吐出口の位置決め精度と同等となるので
有効な構成となる。
【0029】又、支持体300のインクタンク側面への
固定用穴1900,2000に夫々対応するインクタン
クの突起1800,1801は前述の凸起1012より
も長く、支持体300を貫通して突出した部分を熱融着
して支持体300をその側面に固定するためのものであ
る。上述の線L1に垂直でこの突起1800を通る直線
をL3、突起1801を通る直線をL2としたとき、直線
3上には上記供給口1200のほぼ中心が位置するの
で、供給部の口1200と供給管2200との結合状態
を安定化する作用をし、落下や衝撃によってもこれらの
結合状態への負荷を軽減できるので好ましい構成であ
る。又、直線L2,L3は一致していず、ヘッドIJHの
吐出口側の凸起1012周辺に突起1800,1801
が存在しているので、さらにヘッドIJHのタンクに対
する位置決めの補強効果を生んでいる。尚、L4で示さ
れる曲線は、インク供給部材600の装着時の外壁位置
である。突起1800,1801はその曲線L4に沿っ
ているので、ヘッドIJHの先端側構成の重量に対して
も充分な強度と位置精度を与えている。尚、2700は
インクタンクITの先端ツバで、キャリッジの前板40
00の穴に挿入されて、インクタンクの変位が極端に悪
くなるような異変時に対して設けられている。2101
は、キャリッジに対する抜け止めで、キャリッジHCの
不図示のバーに対して設けられ、カートリッジIJCが
後述のように旋回装着された位置でこのバーの下方に侵
入して、不要に位置決め位置から離脱させる上方方向へ
力が作用しても装着状態を維持するための保護用部材で
ある。
【0030】インクタンクITは、ユニットIJUを装
着された後に蓋800で覆うことで、ユニットIJUを
下方開口を除いて包囲する形状となるが、インクジェッ
トカートリッジIJCとしては、キャリッジHCに載置
するための下方開口はキャリッジHCと近接するため、
実質的な4方包囲空間を形成してしまう。従って、この
包囲空間内にあるヘッドIJHからの発熱はこの空間内
の保温空間として有効となるものの長期連続使用として
は、わずかな昇温となる。このため本例では、支持体の
自然放熱を助けるためにカートリッジIJCの上方面
に、この空間よりは小さい幅のスリット1700を設け
て、昇温を防止しつつもユニットIJU全体の温度分布
の均一化を環境に左右されないようにすることができ
た。
【0031】インクジェットカートリッジIJCとして
組立てられると、インクはカートリッジ内部より供給口
1200、支持体300に設けた穴320および供給タ
ンク600の中裏面側に設けた導入口を介して供給タン
ク600内に供給され、その内部を通った後、導出口よ
り適宜の供給管および天板400のインク導入口150
0を介して共通液室内へと流入する。以上におけるイン
ク連通用の接続部には、例えばシリコンゴムやブチルゴ
ム等のパッキンが配設され、これによって封止が行われ
てインク供給路が確保される。
【0032】尚、本実施例においては天板1300は耐
インク性に優れたポリサルフォン、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリプロピレンなど
の樹脂を用い、オリフィスプレート部400と共に金型
内で一体に同時成型してある。
【0033】上述のように一体成型部品は、インク供給
部材600、天板・オリフィスプレート一体、インクタ
ンク本体1000としたので組立て精度が高水準になる
ばかりでなく、大量生産の品質向上に極めて有効であ
る。又部品点数の個数は従来に比較して減少できている
ので、優れた所望特性を確実に発揮できる。
【0034】また、本発明実施例では、上記組立後の形
状において、図2乃至図4で示されるように、インク供
給部材600は、その上面部603がインクタンクIT
のスリット1700を備えた屋根部の端部4008との
間に図3に示したようにスリットSを形成し、下面部6
04がインクタンクITの下方の蓋800が接着される
薄板部材のヘッド側端部4011との間に上記スリット
Sと同様のスリット(不図示)を形成している。これら
のインクタンクITとインク供給部材600との間のス
リットは、上記スリット1700の放熱を一層促進させ
る作用を実質的に行うとともに、タンクITへ加わる不
要な圧力があってもこれを直接供給部材、強いては、イ
ンクジェットユニットIJTへ及ぼすことを防止してい
る。
【0035】いずれにしても、本実施例の上記構成は、
従来には無い構成であって、それぞれが単独で有効な効
果をもたらすと共に、複合的にも各構成要件があること
で有機的な構成をもたらしている。
【0036】(iii)キャリッジHCに対するインク
ジェットカートリッジIJCの取付説明 図5において、5000はプラテンローラで、記録媒体
Pを紙面下方から上方へ案内する。キャリッジHCは、
プラテンローラ3000に沿って移動するもので、キャ
リッジの前方プラテン側にインクジェットカートリッジ
IJCの前面側に位置する前板4000(厚さ2mm)
と、カートリッジIJCの配線基板200のパッド20
1に対応するパッド2011を具備したフレキシブルシ
ート4005及びこれを裏面側から各パッド2011に
対して押圧する弾性力を発生するためのゴムパッドシー
ト4007を保持する電気接続部用支持板4003と、
インクジェットカートリッジIJCを記録位置へ固定す
るための位置決め用フック4001とが設けられてい
る。前板4000は位置決め用突出面4010をカート
リッジの支持体300の前述した位置決め突起250
0,2600に夫々対応して2個有し、カートリッジの
装着後はこの突出面4010に向う垂直な力を受ける。
このため、補強用のリブが前板のプラテンローラ側に、
その垂直な力の方向に向っているリブ(不図示)を複数
有している。このリブは、カートリッジIJC装着時の
前面位置L5よりもわずかに(約0.1mm程度)プラ
テンローラ側に突出しているヘッド保護用突出部をも形
成している。電気接続部用支持板4003は、補強用リ
ブ4004を前記リブの方向ではなく垂直方向に複数有
し、プラテン側からフック4001側に向って側方への
突出割合が減じられている。これは、カートリッジ装着
時の位置を図のように傾斜させるための機能も果たして
いる。又、支持板4003は電気的接触状態を安定化す
るため、上記2つの位置決め用突出面4010がカート
リッジに及ぼす作用方向と逆方向に、カートリッジへの
作用力を及ぼすためのフック側の位置決め面4006を
突出面4010に対応して2個有し、これらの間にパッ
ドコンタクト域を形成すると共にパッド2011対応の
ボッチ付ゴムシート4007のボッチの変形量を一義的
に規定する。これらの位置決め面は、カートリッジIJ
Cが記録可能な位置に固定されると、配線基板300の
表面に当接した状態となる。本例では、さらに配線基板
300のパッド201を前述した線L1に関して対称と
なるように分布させているので、ゴムシート4007の
各ボッチの変形量を均一化してパッド2011,201
の当接圧をより安定化している。本例のパッド201の
分布は、上方,下方2列、縦2列である。
【0037】フック4001は、固定軸4009に係合
する長穴を有し、この長穴の移動空間を利用して図の位
置から反時計方向に回動した後、プラテンローラ500
0に沿って左方側へ移動することでキャリッジHCに対
するインクジェットカートリッジIJCの位置決めを行
う。このフック4001の移動はどのようなものでも良
いが、レバー等で行える構成が好ましい。いずれにして
もこのフック4001の回動時にカートリッジIJCは
プラテンローラ側へ移動しつつ位置決め突起2500,
2600が前板の位置決め面4010に当接可能な位置
へ移動し、フック4001の左方側移動によって90°
のフック面4002がカートリッジIJCの爪2100
の90°面に密着しつつカートリッジIJCを位置決め
面2500,4010同志の接触域を中心に水平面内で
旋回して最終的にパッド201,2011同志の接触が
始まる。そしてフック4001が所定位置、即ち固定位
置に保持されると、パッド201,2011同志の完全
接触状態と、位置決め面2500,4010同志の完全
面接触と、90度面4002と爪の90度面の2面接触
と、配線基板300と位置決め面4006との面接触と
が同時に形成されてキャリッジに対するカートリッジI
JCの保持が完了する。
【0038】(iv)装置本体の概略説明 図6は本発明が適用されるインクジェット記録装置IJ
RAの概観図で、駆動モータ5013の正逆回転に連動
して駆動力伝達ギア5011,5009を介して回転す
るリードスクリュー5005のら線溝5004に対して
係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、矢印
a,b方向に往復移動される。5002は紙押え板であ
り、キャリッジ移動方向にわたって紙をプラテン500
0に対して押圧する。5007,5008はフォトカプ
ラでキャリッジのレバー5006のこの域での存在を確
認してモータ5013の回転方向切換等を行うためのホ
ームポジション検知手段である。5016は記録ヘッド
の前面をキャップするキャップ部材5022を支持する
部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段
でキャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回
復を行う。5017はクリーニングブレードで、501
9はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であ
り、本体支持板5018にこれらは支持されている。ブ
レードは、この形態でなく周知のクリーニングブレード
が本例に適用できることはいうまでもない。又、501
2は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャ
リッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、
九度モータからの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達
手段で移動制御される。
【0039】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきた
ときにリードスクリュー5005の作用によってそれら
の対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれ
ば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は
単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にと
って好ましい構成例を示している。
【0040】上述した図2乃至図6に対して技術的に関
係する構成について詳述するため、以下、図1及び図7
以降を用いながら説明する。
【0041】図1でインクタンク内リブ270、260
0は、大気連通口5からの大気をインクタンク内に案内
して、大気存在空間51を形成するためのもので、イン
ク供給性を向上するものである。リブ270は、図の垂
直方向に延在するリブで、リブ2600は、図の裏面方
向に分割されたリブである。これ等のリブは、それぞれ
複数個有互いに離間している。そのためにこれ等の間に
わずかに侵入する多孔質体(ウレタンスポンジ)900
の状態を図の破線で示してある。記録ヘッドIJHは、
電極層1302、発熱層1303、上面保護層1301
と、オリフィスプレート400及び、インク供給管22
00を有している。
【0042】本実施例では、多孔質体がインクタンク内
壁に密着している領域のインクの流動抵抗を検討した結
果、従来の技術動向とは逆行する構成、即ち、インク流
動抵抗の分布を考慮し、インクタンク内壁と多孔質体と
の間に大気に通じる空間の存在割合を、前記インクタン
ク内多孔質体が、インクタンク全内面積の15%以上の
内壁と非接触であって、これによって形成されている非
接触部空間は大気と連通した状態でインクを供給する新
規な構成を付加することで、インク流動抵抗を小さくし
吐出の応答周波数に影響せずに安定したインク供給、ヘ
ッドにおいては、安定した記録が達成できたものであ
る。
【0043】図1は、大気連通口とインクを容器外へ供
給するインク排出部とを夫々異なる位置に有するインク
収納容器であってインク保持用に多孔質体を該容器内に
収納しているインク収納容器1000と、吐出エネルギ
発生手段と該吐出エネルギ発生手段へインクを供給する
ためのインクを保持するインク室と該インクタンク内の
多孔質体に圧入され該インク室へインクを案内するため
の供給管と該供給管の端部に設けられたフィルターFと
を備えた記録ヘッドとを一体化したインク収納容器一体
型インクジェットヘッドである。
【0044】本実施例では、上記供給管の断面積Sを形
成する最大長さ(本実施例では、円筒管としているの
で、その内管直径)よりも多く上記多孔質体に圧入され
ていることを特徴とする。これによって、フィルターF
の当接領域における多孔質体900は、フィルター全面
に対して十分な圧縮領域が形成されるために、大気が部
分的に優先してフィルターFに集中することが防止され
た。
【0045】即ち、従来は、供給管2200の最大長さ
(詰まりは、だ円の場合はその長直径、多角形の場合
は、最大対角線、円の場合は直径)を考慮せずに単に侵
入量を多孔質体の変形状態のみに関して定めていたため
に、フィルターの全面に置ける分布が考慮されなかっ
た。本実施例では、上記構成によって、インクの消費に
よって、多孔質体900内に大気が気泡状に侵入してき
てもインクのフィルターに対する供給が先行するので、
フィルターに気泡の集中化が生じてインク供給が不良に
なることを防止できたのである。この構成は、上記タン
ク内にリブ270、2600がない場合には特に有効で
あり、リブが上記最大長さよりも小さい場合に有効であ
る。
【0046】ところで、前述した構成により、リブを積
極的に設け、タンク内に大気が積極的に空間部51内に
存在する構成の場合は、大気の侵入が予想できないため
に、稀に多孔質体900内のインク存在領域が変動する
場合があるためか、記録ヘッドによる記録不良が上記効
果よりも劣る場合が見られた。そのためにこれをも解決
する構成を開発したところ以下の条件であることが好ま
しいことが判明した。
【0047】即ち、上記多孔質体は略直方体で、上記大
気連通口とから上記インク供給口へ向かうインク流れ方
向に関しての上面に対して、上記インク供給口を投影し
た位置を中心として上記大気連通口によって形成された
多孔質体の上記インク供給口を投影した位置に対する最
近接領域との距離以上の領域に対応するインク収納容器
の側面壁部に内面に、該多孔質体がこの内面に対して大
気連通空間部を形成できるリブ部材を有し、インク収納
容器内の該リブの最大長さH2に対して、上記供給管の
上記多孔質体に圧入されている長さZは、2×H2≦Z
≦3×H2の範囲内にあることを特徴とすることであ
る。この構成によれば、インクの集中領域がリブによっ
て、図中の中心部Mの境界部Nが変動位置mへ変動して
も中心部Mに対して、インクをフィルターFへ優先して
供給できる状態を形成できることができる。この場合の
特に有効な数値範囲は、上記空間部形成条件を考慮し
て、上記リブ部材の最大長さH2は3mm以下であっ
て、上記圧入長さZは6mm以上9mm以下がよい。
【0048】次に、本発明者たちは、記録ヘッドのどの
ような形態使用でも良好な記録ができ、上記よりも安定
し、且つインク供給性能が優れた特異範囲を見出すこと
を追求したところ、以下のことが判明した。
【0049】それは、インクタンク内に挿入される多孔
質体900の装填前と、装填後の形態が変化する場合を
考慮することで、上記目的を達成することであった。即
ち、多孔質体900の上記収納容器内に挿入される前の
上記圧入方向に関しての長さW0に対して挿入後圧縮さ
れており、その収納状態の収納容器内の長さW1との差
である圧縮量(W0−W1)と上記大気連通口近傍に設
けられている該多孔質体を部分加圧して大気空間を形成
するリブ部材のインク収納容器内最大長さH2と上記供
給管の断面積を形成する最大長さDに対して、上記供給
管の上記多孔質体に圧入されている長さZは、Z≧(W
0−W1)+H2+Dを満足することをである。本実施
例では、リブ270の高さH1、リブ2600の高さH
2は同一とするが、いずれかが異なる場合は、大きい方
を上記式の基準にすることが好ましいが、前記実施例よ
りも優れた効果は、このうち、小さい方を基準としても
十分な効果であった。この条件に於ける多孔質体の変形
量は図中の供給管2200が装填される方向に関しての
ものである。
【0050】図1において、供給管の位置は挿入方向の
側面からの距離D1に関しては左右されることがない
が、好ましくはリブが設けられている場合はリブと同等
か、又は、2mm以上とすることが好ましい。また、図
中のD1、D3、D4の各タンク内面からの各距離に
は、インクの保持安定領域が存在するものと考えられ、
数値的には、リブの高さの約1.5倍程度と推定される
が、本発明の好ましい条件としては、供給管の端部が最
初からこの領域にあることが好ましい。これによって、
安定領域よりは、圧縮状態が均一化された供給管端部の
近傍領域が、多孔質体内のインクを確実に記録ヘッドへ
供給することができるからである。
【0051】上記実施例に於ける好ましい状態は、この
供給管端部の近傍領域の多孔質体が、このインクの保持
安定領域Mに接続された状態になっていることと推定で
きる。
【0052】図12は前記実施例と同様に、大気連通口
5に通ずる空間をもつようにインクタンク1内壁にリブ
260、270を設けたもので、その形状が図示のよう
に異なる例である。本例では、インクタンク内多孔質体
2が、インクタンク全内面積の15%以上の内壁と非接
触であって、これによって形成されている非接触部空間
は大気と連通した状態となっており、前記同様リブ26
00、270はインクタンクと一体成形できる構造であ
る。従って、インク流動抵抗を小さくし、吐出の応答周
波数に影響せずに安定したインク供給、ヘッドにおいて
は、安定した記録が達成できた。図12(b)の断面A
A及び断面BBに示すようにリブをつける事によりイン
クタンクの内壁と密着することがなく、大気連通口5と
通ずる空間を確保できる。断面BBのように成形の都合
上、大気連通口に対し、大気の流れを阻止するようにリ
ブを設ける場合は、図のようにリブに溝を設け、それぞ
れの空間が吸収体により封じられ独立しないようにす
る。この溝の中及び深さは使用する吸収体の機械的性質
により異なるため、それらに応じて決定される。尚、図
12(e)に示したようにこの実施例では、ヘッド4後
方の空間領域(約3%)は、吸収体2が侵入している従
来の構成になってはいるが全体として、インクタンク全
内面積の15%以上の内壁と非接触であるので、上述の
効果が得られている。
【0053】図11にはこのようにした場合の吐出特性
を示す。図のように従来、開放面積が全インクタンク内
の3%であった場合、応答周波数は低下する。応答周波
数の低下により、吐出量が極端に少なくなり、(図11
上の図)印字品位を悪くする。また、高dutyの場合
は、吐出が追従できなくなり、不吐出となる場合も生ず
る。しかし、吸収体の大気への開放面積を大きくするこ
とにより、吸収体内でのインクの流動が容易になり、図
に示すように15%以上確保すれば、吐出に影響しな
い。このような15%以上の大気連通領域を形成するこ
とは、形成されるインクタンク内の面の位置には左右さ
れないので、大気連通口に通ずるインクタンクの側面及
び上,底面に前記のような構造を設け、大気との接着面
積を確保する様にしても良い。無論、上記図1乃至図6
で説明した構成に15%以上の大気連通領域を形成する
ことはより好ましい構成である。
【0054】図7〜図10には他の実施例を示す。
【0055】図8は、インクタンクの上面に大気連通に
より放射状にリブ30を設けたもので、この構成による
と、大型化した吸収体の中央領域と側面領域の空気の存
在割合を調整できるので好ましい構成の一つである。図
9は円柱状の突起を、図10は断面がコの字形のパーツ
を図のようにタンク内壁に貼り付けた連通路により接触
面積がとれるようにしたものである。
【0056】図7では、(a)において、極めてわずか
な大気連通状態の吸収体の場合、その大気連通領域がヘ
ッドへのインク供給管2200に向かって最短距離を成
すルートを使用開始後に形成されるので、吸収体が保持
しているインクが供給されずに残ってしまう状況が理解
できよう。(b)(c)は本発明の大気連通領域の形成
面を展開していく場合の説明図で、前記実施例のよう
に、先ずインクジェットをインク収納容器に一体化する
ための空間の後方部を利用して、そこに、大気連通口用
の突出部分を形成し、この突出部分の内部を空洞化し
て、上記多孔質体の厚み全体に対する大気圧供給空間1
402を形成した場合、(a)に比較して上記多孔質体
の厚み全体に対する大気圧供給空間1402は、その厚
さ方向のインク供給を均一化できるので相対的に優れた
部分効果を発揮する。これに加えて、ヘッド4に対して
の後方面に形成された大気圧供給空間20は、上記ルー
トを分散化し、供給領域の対向角部までも及んでいるの
で、最も消費されにくい領域に対して供給可能状態への
道を大きく開いていることが理解できよう。加えて、大
気連通口の対向面の供給領域と大気連通状態の領域との
最短距離rを半径とする領域よりも外の領域21を大気
連通状態とした場合ではさらにルート22が形成可能状
態となるので、更に多孔質体2内に吸収されているイン
クが安定的かつ確実にヘッド4へ供給できることが理解
できよう。特に(c)では、供給領域と大気連通状態の
領域とを対向配置しているので、最短距離rよりも外の
領域は側方211、222となるので、これらの領域を
大気連通状態とすることで本発明の効果を得ることがで
きる。
【0057】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でもバブルジェット方式の記録ヘッド、記録装置に於
いて、優れた効果をもたらすものである。
【0058】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結
果的にこの駆動信号に一対一対応し液体(インク)内の
気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成長,収
縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させ
て、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパ
ルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわ
れるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が
達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号と
しては、米国特許第4463359号明細書、同第43
45262号明細書に記載されているようなものが適し
ている。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の
米国特許第4313124号明細書に記載されている条
件を採用すると、更に優れた記録を行なうことができ
る。
【0059】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応せる構成を開
示する特開昭59年第138461号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。
【0060】更に、記録装置が記録できる最大記録媒体
の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドとしては、上述した明細書に開示されているような
複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満た
す構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでも良いが、本発明は、上述した効果を一
層有効に発揮することができる。
【0061】又、本発明の記録装置の構成として設けら
れる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手
段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング手
段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の
加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、
記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうこと
も安定した記録を行なうために有効である。
【0062】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッド
を一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも
よいが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフルカ
ラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて
有効である。
【0063】以上のように、インクタンク内表面積の1
5%以上を大気に開放する構成を付加した発明によれ
ば、応答周波数が低下することなく、良好な吐出特性が
得られ、良好な印字が可能となった。
【0064】又、上記大気連通口とから上記インク供給
口へ向かうインク流れ方向に関しての上面に対して、上
記インク供給口を投影した位置を中心として上記大気連
通口によって形成された多孔質体の上記インク供給口を
投影した位置に対する最近接領域との距離以上の領域に
対応するインク収納容器の側面壁部に内面に、該多孔質
体がこの内面に対して大気連通空間部を形成する構成を
付加した発明によれば、無駄なくインク消費を行えるの
で、小型化を達成できる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、従来では解明されてい
なかった問題を技術的に解明しインクタンク内のインク
を有効に利用できインク供給不良を防止して交換頻度を
長期化できる記録ヘッドを供給でき、これを用いた記録
装置は、無駄のない安定して記録が達成でき記録単位の
コストを大きく低減できるほか操作者の手間を軽減でき
た装置を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の説明図である。
【図2】本発明カートリッジの分解構成斜視図である。
【図3】図2の組み立て斜視図である。
【図4】インクジェットユニットIJUの取り付け部の
斜視図である。
【図5】カートリッジIJCの装置に対する取り付け説
明図である。
【図6】本発明の装置外観図である。
【図7】本発明のインク流動説明図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図10】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図11】(a)、(b)はそれぞれ、本発明の吐出特
性図である。
【図12】(a)ないし(f)は、本発明の実施例の要
部説明図である。
【符号の説明】
1 インクタンク 2 吸収体(多孔質体) 3 供給口 4 吐出部 5 大気連通口 6 電気接点部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 伸行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 池田 雅実 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 斎藤 昭男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 木村 牧子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気連通口を有した大気連通空間とイン
    ク供給部とを夫々異なる位置に有するとともにインク保
    持用に多孔質体を内在したインク収納容器と、インク吐
    出部とインクを吐出するためのエネルギ発生素子と前記
    インク収納容器からインクを受けるための中空状のイン
    ク供給管であって先端部が垂直に切断された形状を示す
    インク供給管とを備えた記録ヘッドと、を一体化するこ
    とで構成されるインクジェットカートリッジであって、
    前記インク収納容器は、その一側面に対して前記大気連
    通空間とインク供給部とを配し、前記インク供給部を中
    心として前記大気連通空間までの距離で引いた仮想円弧
    の外側にある前記インク収納容器内面にリブが配され
    て、前記大気連通空間と連通した空間部を構成している
    ことを特徴とするインクジェットカートリッジ。
  2. 【請求項2】 前記リブの高さをH2としたとき、前記
    記録ヘッドの中空管の前記多孔質体への押圧挿入量Z
    は、2×H2≦Z≦3×H2の範囲であることを特徴と
    する請求項1に記載のインクカートリッジ。
  3. 【請求項3】 前記多孔質体は前記インク収納容器より
    大きな容積を有し、前記容器内には圧縮収納されるもの
    で、前記記録ヘッドが装着される方向に関する前記多孔
    質体の当初長さをW0、前記容器の該当長さをW1とし
    てその圧縮量は(W0−W1)、前記リブの高さをH
    2、前記インク供給管の最大直径部の長さをDとしたと
    き、前記記録ヘッドの中空管の前記多孔質体への押圧挿
    入量Zは、Z≧(W0−W1)+H2+Dの範囲である
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットカー
    トリッジ。
  4. 【請求項4】 前記吐出エネルギ発生手段は、記録装置
    から電気信号の供給によってインク内に膜沸騰を生じさ
    せる熱エネルギ発生手段であることを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェットカートリッジ。
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