JPH10224197A - 高電圧スイッチング回路 - Google Patents

高電圧スイッチング回路

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JPH10224197A
JPH10224197A JP9021532A JP2153297A JPH10224197A JP H10224197 A JPH10224197 A JP H10224197A JP 9021532 A JP9021532 A JP 9021532A JP 2153297 A JP2153297 A JP 2153297A JP H10224197 A JPH10224197 A JP H10224197A
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diode
control
main
electrode
switching circuit
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JP9021532A
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Akio Uenishi
明夫 上西
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高電圧スイッチング回路に於いて、主トラン
ジスタのターンオンとターンオフの損失増加を防止して
高周波数化・小型化・低コスト化を実現する。 【解決手段】 ゲート駆動回路1の正駆動電源端子N6
にその陰極が接続されたダイオードDC1と、ダイオー
ドDC1の陽極及び主トランジスタMTrのゲートに陰
極及び陽極がそれぞれ接続されたダイオードDC2と、
ダイオードDC2の陰極と主トランジスタMTrのコレ
クタ間に接続されたキャパシタCrとを設ける。キャパ
シタCrの値をゲート・コレクタ間の寄生容量との関係
で適切に設定する。ターンオン時には、キャパシタCr
の負帰還作用により、ターンオン損失を抑圧しつつフリ
ーホイルダイオードFWDiの逆電圧上昇率を減少させ
ることができ、ターンオフ時には負帰還作用を防止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スナバレス高電
圧インバータやチョッパなどに使用される高電圧スイッ
チング回路に関するものであり、特にスイッチング用主
トランジスタとフリーホイールダイオードのペアから成
る直列回路のスイッチング特性を改善する技術に関して
いる。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来検討されてきたブリッジ形
スイッチング回路の一例を示す図である。ここでは、簡
略化のために、主トランジスタとフリーホイールダイオ
ードの各1個が直列接続されたアームのみを示すが、実
際の応用では、主トランジスタとフリーホイールダイオ
ードの位置を上下逆にしたものを上記アームに並列接続
して使用される(図8参照)。
【0003】この回路では、主トランジスタMTrとし
てIGBTを用いており、当該主トランジスタMTrの
主電極とフリーホイールダイオードFWDiとが図示の
極性で直列接続されて成るユニットが、主電源Vccに
接続されている。また、記号Ls,LEは配線インダク
タンス成分を代表するものであり、主トランジスタMT
rとフリーホイールダイオードFWDiの直列回路に直
列に挿入される。記号Lは誘導性負荷を代表するもので
あり、主トランジスタMTrのコレクタ電極とフリーホ
イールダイオードFWDiの陽極との接続点に電流を流
すように配置される。さらに、主トランジスタMTrの
ゲート電極は、ゲート抵抗Rgを介してゲート駆動回路
1の出力端子N1に接続される。ゲート駆動回路1は、
駆動用トランジスタTr1,Tr2や極性反転回路in
vなどから構成されており、入力信号inに応答して、
その出力端子N1に正駆動電源+Vgg又は負駆動電源
−Veeに対応する電圧を出力する。このような構造の
ブリッジ形スイッチング回路は、以下のように動作す
る。
【0004】(1)まず入力信号inをlowレベルに
維持することで、ゲート駆動回路1は負駆動電源−Ve
eに対応する電圧を出力する。その結果、主トランジス
タMTrのゲート電極はゲート抵抗Rgを介して負バイ
アスされ、主トランジスタMTrは、ゲート・エミッタ
電極間に主トランジスタMTrのゲートしきい値電圧よ
りも十分に低い電圧が印加された状態となる。この状態
で主電源Vccを所定の電圧(今回対象とするものでは
3000V程度)に上げると、誘導負荷Lを介して、オ
フ状態の主トランジスタMTrのコレクタ・エミッタ間
に高い電圧が印加される。この時、フリーホイールダイ
オードFWDiにはバイアスは印加されない。
【0005】(2)次に、入力信号inをhighレベ
ルに切り替えると、ゲート駆動回路1は正駆動電源+V
ggに相当する電圧を出力する。その結果、ゲート抵抗
Rgを介して主トランジスタMTrのゲート電極に充電
電流が流れて、ゲート・エミッタ電極間に主トランジス
タMTrのゲートしきい値電圧よりも高い電圧が印加さ
れるようになると、主トランジスタMTrのコレクタ・
エミッタ間のインピーダンスが低下してコレクタ電圧V
ceが低下し、誘導負荷Lを介して主電源Vccから主
トランジスタMTrのコレクタ電極に電流が流れるよう
になる。このコレクタ電流iCは、時間の経過と共に増
加する。その結果、コレクタ電圧Vceは数V程度まで
に低下し、主トランジスタMTrはオン状態となる。こ
の時、フリーホイールダイオードFWDiは逆バイアス
状態になっている。
【0006】(3)次に、所定の時間に入力信号inを
lowレベルに切り替える。すると、ゲート駆動回路1
は負駆動電源−Veeに相当する電圧を出力し、ゲート
抵抗Rgを介して主トランジスタMTrのゲート電極か
らゲート電流を引き抜くように動作する。その結果、ゲ
ート電圧が低下して主トランジスタMTrがオン状態を
維持できなくなると、コレクタ電圧Vceは上昇を始
め、当該電圧Vceが主電源Vccの電圧を越えると、
フリーホイールダイオードFWDiが順バイアス状態に
なる。そのため、誘導負荷Lから主トランジスタMTr
のコレクタ電極に流れていたコレクタ電流iCは、順バ
イアスになったフリーホイールダイオードFWDi内を
も順電流iFとして流れるようになり、主トランジスタ
MTrのコレクタ電流iCが流れなくなった後も、誘導
負荷LからフリーホイールダイオードFWDi内に順電
流iFが流れ続ける。
【0007】(4)次に、この状態で入力信号inをh
ighレベルに切り替えると、主トランジスタMTrが
再度オン状態に移行するのであるが、最初のターンオン
の動作とは異なって今回は誘導負荷Lからフリーホイー
ルダイオードFWDi内に順電流iFが流れているの
で、主トランジスタMTrのコレクタ電圧Vceはわず
かしか低下しない(図7(b)参照)。他方、コレクタ
電流iCは主トランジスタMTrのゲート電圧の上昇率
と相互コンダクタンスに依存すると共に、わずかな配線
インダクタンスLE,Lsにおける起電力の影響をも受
けながら、急速に上昇する(図7(a)参照)。
【0008】この時、主トランジスタMTrのターンオ
ン駆動速度がやや遅くコレクタ電流iCの上昇率(diC
/dt)が低い場合、例えば図7で破線(添え字bを付
けた動作波形)で示す場合には、コレクタ電流iCbが
増加してフリーホイールダイオードFWDiの順電流i
Fbが減少し、その後、フリーホイールダイオードFW
Diの電流iFbがその逆回復現象によって逆極性にな
ってしばらくすると、順バイアスの時にフリーホイール
ダイオードFWDiの内部に蓄積された過剰キャリアが
減少してインピーダンスが上昇し、フリーホイールダイ
オードFWDiに逆電圧VAkbが印加されるようにな
る。これに伴って、主トランジスタMTrのコレクタ電
圧Vcebも低下するようになる。そして、フリーホイ
ールダイオードFWDiの逆電圧VAkbが主電源Vc
cの電圧に近くなると、フリーホイールダイオードFW
Diの逆電流iFbは減少に転じ、フリーホイールダイ
オードFWDiの内部に蓄積された過剰キャリアをしば
らくの間掃き出した後、逆電流iFbが流れなくなる。
この場合、図7に例示する通り、フリーホイールダイオ
ードFWDi内の逆電流iFb(<0)の減少は比較的
なだらかであり、これによって発生する配線インダクタ
Lsの起電力は数百ボルト程度以下の低い値となる結
果、フリーホイールダイオードFWDiの逆回復時に印
加される逆電圧VAkbは主電源Vccより数百ボルト
程度高い程度となる。しかし、この場合には、図7
(a),(b)の電流・電圧波形から理解されるよう
に、コレクタ電流の上昇率が低いと主トランジスタMT
rのコレクタ電圧の低下が遅くなるので、この間で大き
なスイッチング損失が発生する。
【0009】そこで、上記(4)で述べたような主トラ
ンジスタMTrのターンオン損失を減らすことが必要と
なるわけであるが、この目的を達成するための解決手段
としては、数百ボルト程度の中電圧スイッチング回路で
一般的に行われているように主トランジスタMTrのタ
ーンオン駆動を高速にしてコレクタ電流の上昇を速くす
ることが、先ず考えられる。
【0010】しかし、そのように高速化すると、図7
(a),(b)に実線(添え字aを付けた波形)で示す
ような、新たな問題点が顕出する。すなわち、確かに、
フリーホイールダイオードFWDiの電流iFaは前述
の場合よりも急速に減少して早い時点で逆極性となり、
逆電圧VAkaも先述の場合よりも早い時点で立ち上が
る。ところが、図中で示す時点からフリーホイールダ
イオードFWDiの逆電圧VAkaの上昇率が減少し、
逆電圧VAkaが立ち上がり出してから主電源電圧Vc
cに達するまでの時間が却って長くなるという事態が発
生する。その時点までは逆電流iFaは増加し続けるの
で、逆電流iFaのピーク値が前述の逆電流iFbのピ
ーク値よりも増加し、フリーホイールダイオードFWD
iのN−領域(ここでフリーホイールダイオードFWD
iは一般的なP+N−N+構造として説明する)の過剰
キャリアを全て掃き出してしまうようになる。そして、
逆電圧VAkaが主電源電圧Vccに近づくと、逆電流
iFaは減少に転じるが、この場合には既に上記N−領
域の過剰キャリアが消滅しているので、逆電流iFaが
急速に減少し、図6の配線インダクタンスLsに100
0Vを越えるような大きなスパイク電圧が発生し、フリ
ーホイールダイオードFWDiに高いサージ電圧が印加
されるようになる。
【0011】そのため、従来の技術では、上述した主ト
ランジスタMTrのターンオン駆動を高速化する技術を
採用することとはせず、このような高耐圧素子に対して
は電流密度を数+A/cm2程度と低くし、ライフタイ
ムをやや短くして逆電流を抑える設計をすると共に、主
トランジスタMTrのターンオンをあまり速くしない様
にゲート抵抗Rgを大きくしたり、図6に示す配線イン
ダクタンスLEを挿入する等の対策をしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、数千ボルト級
の高電圧インバータやチョッパ等に使用されるブリッジ
形高電圧スイッチング回路でも、近年、装置効率改善や
高周波化(例えば、2KHz動作)の要求が強く、これ
に応えるために、IGBTなどの高速な自己消弧素子を
用いた上述の高電圧スイッチング回路の特性を改善する
必要性が生じている。
【0013】しかるに、上述した従来の技術では、ゲー
ト抵抗を大きくしたり、配線インピーダンスを挿入した
りする等の対策をしているため、その結果、フリーホ
イールダイオードのチップ面積の増大や、主トランジ
スタのターンオン損失を増大させてしまう。上述のは
パッケージの増大、従って装置の大型化・コストアップ
をもたらすし、上記も、電力損失増大により発熱が増
加するので、これを放熱するための放熱系を勢い大型化
させてしまい、同様に装置の大型化、コストアップとい
う問題点をもたらす。
【0014】従って、高電圧スイッチング回路の高周波
化、小型化、低コスト化を実現するには、何よりも先
ず、主トランジスタのターンオン損失を減少させる必要
がある。即ち、スイッチング損失低減のためには、主ト
ランジスタを高速に駆動し、スナバレス化するなどし
て、主トランジスタに印加される電流・電圧の変化を速
くする必要がある。ところが、そのようにすると、図7
(a),(b)で指摘した通り、ペアで使用されるフリ
ーホイールダイオードに印加される電流・電圧の変化が
速くなって、特に数KVの高耐圧素子では逆回復特性が
悪化して逆電流が増大したり、高いスパイク電圧が発生
する。(従来は、この現象を回避するために、ターンオ
ン損失を増加させることとなるけれども、フリーホイー
ルダイオードの電流密度を下げたり、主トランジスタの
ターンオンをなまらせるという対策をしていた事は、記
述の通りである。)従って、このような現象の発生を防
止しつつ、主トランジスタを高速に駆動し且つターンオ
ン損失を減少させる必要がある。
【0015】そこで、かかる懸案事項を克服するために
は、先ず、図7(b)ので示す時点で逆電圧の上昇率
が急に減少する現象のメカニズムを検証しておく必要が
ある。かかる観点から、本願出願人はデバイスシミュレ
ーションを用いた解析を行い、その結果、上記現象が以
下のメカニズムにより生じていることが判明した。
【0016】すなわち、順バイアス時にフリーホイール
ダイオード内部に蓄積された過剰キャリアが非常に立ち
上がりの早い逆電流で急速に引き抜かれると、フリーホ
イールダイオードの接合部近傍の過剰キャリアが掃き出
されて消滅し、逆電圧が立ち上がる時点での残留した蓄
積キャリアの密度が大きくなる。逆電流の大部分を構成
するホール電流がN−領域のドナーイオンの正の空間電
荷を助長するので、空亡領域の電荷密度が高まる結果、
接合部の電界が容易に高くなり、臨界電界に達するとイ
ンパクトイオン化による電子・ホールペア生成が盛んに
行われるようになる。このインパクトイオン化の発生が
始まるまでは、接合部の電界の増加と過剰キャリアの掃
き出しによる空亡領域の増加の効果とが積算されて逆電
圧の増加は速やかであるが、インパクトイオン化現象の
発生が始まると、接合部の電界はほぼ臨界電界にクラン
プされて一定になるので、それ以後の逆電圧の増加は、
専ら過剰キャリアの掃き出しによる空亡領域の増加の効
果のみとなって緩やかになる。また、インパクトイオン
化現象の発生によって供給された電子が逆電流の一部を
構成して過剰キャリアの掃き出しを遅らせるため、逆電
流が減少に転じるタイミングが遅くなり、逆電流が大き
くなる原因となっている。またゆるやかに上昇した逆電
圧が電源電圧に達する頃には蓄積キャリアの掃出し・消
滅が進んで空乏層がかなり広がり、接合部の高い電界が
緩和されてくる。インパクト発生による電子供給は停止
し、この間に大きくなってしまった逆電流が減少を始め
ると、配線インダクタンスでの起電力が発生して逆電圧
が増大するが、すでにN-層の過剰キャリアが掃き出さ
れてしまい空乏層が充分に広がっているので、インパク
トが発生せずに急速に逆電流が減少するとともに、高い
スパイク電圧が発生する場合がある。
【0017】このように、数千ボルトの高電圧、数kH
zの高周波動作のスイッチング回路においても、フリー
ホイールダイオードの接合部で生じるインパクトイオン
化現象の影響を考慮しなければならないわけである。
【0018】しかも、フリーホイールダイオードには低
い順電圧降下と速い逆回復特性とが求められるので、低
濃度部の厚さを薄くしたp−i−n構造の素子が用いら
れるが、特に数千ボルト級の高い電圧で用いられるp−
i−n形フリーホイールダイオードでは、N−領域のド
ナーイオン密度が1e13cm−3程度と低いので、ホ
ール電流による空間電荷密度が容易にこのレベルを越
え、空乏領域の電荷の増加率が高くなるため、このイン
パクトイオン化現象は顕著になる。
【0019】この発明は、かかるシミュレーション解析
の結果を踏まえて、上述した従来技術が直面している懸
案事項を克服しようとするものである。即ち、上記イン
パクトイオン化によるフリーホイールダイオードの逆回
復特性の悪化、逆電流の増大、高いスパイク電圧の発生
を防止しつつ、主トランジスタのターンオン損失を減少
させうる、高電圧・高周波数で動作可能なスイッチング
回路を実現して、装置の小型化・低コスト化要求に応え
ようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、高電圧スイッチング回路において、pin型のフリ
ーホイール用ダイオードと、少なくともその一方の端子
が前記ダイオードの一方の主電極に接続された誘導性負
荷と、前記ダイオードの前記主電極に接続された第1主
電極、第2主電極及び制御電極を有し、前記制御電極に
印加される信号に応じて前記第1主電極と前記第2主電
極間に流れる電流が制御されるスイッチング用主トラン
ジスタと、前記主トランジスタの前記制御電極と前記第
2主電極間に接続され、入力信号に応じて正駆動電源又
は負駆動電源に対応した出力信号をその出力端子より前
記制御電極に印加するゲート駆動手段と、少なくとも前
記ゲート駆動手段の前記出力端子と前記ダイオードの前
記主電極間に設けられ、前記主トランジスタのターンオ
ン時に生ずる前記ダイオードの逆電圧の立ち上り時の上
昇率のみを独立して減少させる様に前記主トランジスタ
の前記第1主電極と前記2主電極間の電圧の変化速度を
負帰還制御する制御手段とを備え、前記主トランジスタ
と前記ダイオードとはそれぞれの主耐圧が得られる極性
で直列に接続さていることを特徴とする。
【0021】請求項2に記載の発明では、請求項1記載
の高電圧スイッチング回路において、前記制御手段は前
記主トランジスタの前記第1主電極と前記制御電極間に
設けられたキャパシタを備えており、前記キャパシタの
容量は前記主トランジスタの前記第1主電極と前記制御
電極間に生ずる帰還容量と同程度に設定されていること
を特徴とする。
【0022】請求項3に記載の発明では、請求項2記載
の高電圧スイッチング回路において、前記制御手段は、
前記主トランジスタの前記第1主電極にその第1端子が
接続された前記キャパシタと、前記キャパシタの第2端
子にその陰極が接続され、その陽極が前記主トランジス
タの前記制御電極側に接続された制御用ダイオードとを
備えることを特徴とする。
【0023】請求項4に記載の発明では、請求項3記載
の高電圧スイッチング回路において、前記制御用ダイオ
ードを第2制御用ダイオードと定義すると、前記第2制
御用ダイオードの前記陽極は前記主トランジスタの前記
制御電極に直接に接続されており、前記制御手段は、前
記ゲート駆動手段の前記正駆動電源にも接続されてお
り、前記ゲート駆動手段の前記正駆動電源にその陰極が
接続され、前記キャパシタの前記第2端子にその陽極が
接続された第1制御用ダイオードを更に備えることを特
徴とする。
【0024】請求項5に記載の発明では、請求項3記載
の高電圧スイッチング回路において、前記制御用ダイオ
ードの前記陽極は前記主トランジスタの前記制御電極に
直接に接続されており、前記制御手段は、前記ゲート駆
動手段の前記正駆動電源にも接続されており、前記ゲー
ト駆動手段の前記正駆動電源にその第1端子が接続さ
れ、前記キャパシタの前記第2端子にその第2端子が接
続された抵抗器を更に備えることを特徴とする。
【0025】請求項6に記載の発明では、請求項3記載
の高電圧スイッチング回路において、前記制御用ダイオ
ードを第2制御用ダイオードと定義すると、前記制御手
段は、前記ゲート駆動手段の前記正駆動電源にも接続さ
れており、前記ゲート駆動手段の前記正駆動電源にその
陰極が接続され、前記キャパシタの前記第2端子にその
陽極が接続された第1制御用ダイオードと、そのベース
端子が前記第2制御用ダイオードの陽極に接続され、そ
のエミッタ端子が前記主トランジスタの前記制御電極に
接続され、且つそのコレクタ端子が前記主トランジスタ
の前記第2主電極に接続された制御用トランジスタと、
前記制御用トランジスタの前記ベース・エミッタ端子間
に接続された抵抗器とを更に備えることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1に係る
高電圧スイッチング回路の構成を模式的に示す図であ
る。ここでは、簡略化のために、主トランジスタMTr
とフリーホイールダイオードFWDiの各1個が直列接
続されたユニットのみを示すが、実際のインバータ等へ
の応用では、主トランジスタMTrとフリーホイールダ
イオードFWDiの位置を上下逆にしたものを上記ユニ
ットに並列接続して使用される。
【0027】そのようなインバータへの応用例の一例
は、既述した図8にあたる。同図8では、図示の便宜
上、「ゲート駆動手段」や「制御手段」にあたる部分を
示していない。例えば、図8中の破線で示した部分(T
r2,FWD1)が、図1以下の図面で後述する部分に
該当している。従って、図8の主トランジスタTr1と
フリーホイールダイオードFWD2と誘導性負荷Lとの
組から成る部分に着目した場合には、主トランジスタT
r2とフリーホイールダイオードFWD1と誘導性負荷
Lとの組に対して、主トランジスタの第1,第2主電
極、フリーホイールダイオードの一方の主電極、他方の
主電極の定義付けが、それぞれ相互に逆転することにな
る。
【0028】上記両組に共通する接続の仕方を定義付け
るならば、次の通りである。即ち、(1)主トランジス
タとフリーホイールダイオードとは、それぞれの主耐圧
が得られる極性で、対応する主電極同士が直列に接続さ
れていること、(2)誘導性負荷の少なくとも一方の端
子が、トランジスタとフリーホイールダイオードの主電
極接続点に接続されていることである。
【0029】以下では、本技術の本質部分を示すため
に、インバータへの実応用の際に必要となる部分だけを
取り出して説明することとする。
【0030】図1中、図6と同一記号のものは同一のも
のを示す。
【0031】図1に示す高電圧スイッチング回路が図6
に示す従来のものに比べて相違する点は、主トランジ
スタMTrのコレクタC(ないしはノードN2)とゲー
トG(ないしはノードN4)の間にキャパシタCrを設
けている点、及び図6の配線インダクタンスLEを不
要とした点にある(ただし、実応用で配線の寄生インダ
クタンスが入ってもかまわない)。
【0032】図1のスイッチング回路の構成を改めて詳
述すれば、次の通りである。先ず、主電源Vccは数千
ボルト(典型的には3千ボルト程度)の直流電圧を供給
する。pin型のフリーホイール用ダイオード(以下、
単にダイオードとも称す)FWDiの陰極及び誘導負荷
Lの第1端子は、共に配線インダクタンス成分Lsを介
して主電源Vccに接続されており(この構成を主電源
側に接続されていると称す)、ダイオードFWDiの陽
極及び誘導負荷Lの第2端子は、共に主トランジスタM
TrのコレクタC(第1主電極に該当)に接続されてい
る。ここでは、スイッチング用主トランジスタMTrと
してIGBTを用いるものとしており、従って、主トラ
ンジスタMTrは、そのゲートG(制御電極に該当)に
印加される信号に応じて、そのコレクタCとそのエミッ
タE(第2主電極に該当)間に流れ込むコレクタ電流i
Cを制御して、スイッチング動作を行う。主トランジス
タMTrのエミッタEは、ノードN3においてグランド
(GND)電位線に接続される。
【0033】他方、ゲート駆動回路1は、駆動用トラン
ジスタTr1,Tr2、極性反転回路inv、入力信号
inの入力端、正駆動電源+Vggの端子、負駆動電源
−Veeの端子、グランドGND端子を有しており、入
力信号inのレベルに応じて、正駆動電源+Vgg又は
負駆動電源−Veeに対応した出力信号をその出力端子
たるノードN1より出力する。即ち、同回路1は、入力
信号inがhighレベルのときは、駆動用トランジス
タTr1を介して正駆動電源+Vggに対応した(ベー
ス・エミッタ間電圧を差し引いた分)電圧をノードN1
より出力し、入力信号inがlowレベルのときは、同
様に駆動用トランジスタTr2を介して負駆動電源−V
eeに対応した電圧をノードN1に出力する。そして、
ノードN1の電圧は、ゲート抵抗Rgによって電圧降下
された上で、主トランジスタMTrのゲート(制御電
極)Gに印加される。従って、ゲート駆動回路1とゲー
ト抵抗Rgとは、主トランジスタMTrの制御電極Gと
第2主電極E間に接続され、入力信号inに応じて正駆
動電源又は負駆動電源に対応した出力信号を制御電極に
印加する「ゲート駆動手段」を構成していると言える。
この場合の当該手段の出力端子は、ノードN4である。
【0034】更に、この実施の形態の核心部たるキャパ
シタCrが、ゲート駆動手段の出力端子たるノードN4
と、ダイオードFWDiの陽極と主トランジスタMTr
のコレクタCとを接続するノードN2との間に、接続さ
れている。
【0035】このキャパシタCrは、主トランジスタM
Trがターンオン・ターンオフする時にコレクタ電圧V
ceが変化すると偏位電流を流してゲート電流の一部を
形成し、負帰還作用によってコレクタ電圧Vceの変化
速度dVce/dtを遅くするように機能する。
【0036】誘導負荷LからダイオードFWDiに順電
流iFが流れてフリーホイール動作をしている時に主ト
ランジスタMTrをターンオンさせてダイオードFWD
iが逆回復するときの動作波形を、図2(a),(b)
に示す。ここで、破線で示した(添え字c付きの)波形
が、図1の回路動作に対応する。以下、図2を参照しつ
つ、図1の回路において、従来技術で説明したように入
力信号inが(1)low→(2)high→(3)l
owに変化した後に、次に(4)highへと切り替わ
るときの動作を説明する。
【0037】すなわち、主トランジスタMTrがオンし
てコレクタ電流iccが増加するにしたがってダイオー
ドFWDiの順電流iFcが減少し、ダイオードFWD
iに流れる電流iFcの極性が反転して後、ダイオード
FWDiの逆電圧VAkcが立ち上がるまでは、本回路
の動作波形は従来の動作である実線(添字a付き)の波
形と変わらない。しかし、逆電圧VAkcが立ち上がっ
てその時間変化率dVAkc/dtが大きくなってくる
と、キャパシタCrに流れる偏位電流が増大し、キャパ
シタCrはゲート抵抗Rgから主トランジスタMTrの
ゲートGに供給されていたゲート電流の一部を吸い取る
ように動作するので、主トランジスタMTrのゲート電
圧の上昇が抑えられる。その結果、高周波駆動であって
も、従来の場合(添字aの場合)よりも主トランジスタ
MTrのターンオンが遅くなり、コレクタ電圧Vcec
の低下速度dVcec/dtが遅くなって直線的な下降
を示すようになる。これによって、ダイオードFWDi
の逆電圧VAkcの上昇率dVAkc/dtも従来の場
合(dVAka/dt)よりも抑えられるので、当該ダ
イオードFWDiの内部の過剰キャリアが掃き出されて
いく過程での接合部の電界が低く抑えられる。従って、
図1の回路では、従来見られたインパクトイオン化現象
による逆電圧の上昇率dVAka/dtのなまり(図2
の参照)は減少もしくは無くなり(従って、上昇率d
VAk/dtは下げられる)、逆電圧VAkcは主電源
Vccの電圧までスムーズに上昇する。しかも、逆電流
iFcの減少も従来の場合(iFa)よりも早い時点で
始まり、逆電流iFcのピーク値が小さくなる。従っ
て、掃き出されるキャリア量が減少するので、N−領域
の一部に過剰キャリアが残った状態で逆電圧VAkcの
絶対値が主電源Vccの電圧まで上がってしまうように
なると、逆電流iFcはテイル状となって徐々に減少
し、従来のような大きなスパイク電圧は発生しなくな
る。
【0038】このように、キャパシタCrは、コレクタ
電圧Vceの減少速度を直接検出して、これをより遅く
なるように制御するものであり、従って、主トランジス
タMTrのターンオン時に生ずるダイオードFWDiの
逆電圧VAkの立上り時の上昇率のみを、コレクタ電流
icの上昇率とは独立に減少させるように、主トランジ
スタMTrのコレクタ電圧Vceの変化速度を負帰還制
御する「制御手段」として機能していると言える。
【0039】しかしながら、キャパシタCrの容量を大
きく設定するほどに、逆電圧の上昇率dVAkc/dt
が抑えられるため、その効果は大きくなって、ダイオー
ドFWDiの逆回復電流ピーク値が減少し、スパイク電
圧も減少することになるのであるが、他面、主トランジ
スタMTrに高い電圧が印加されている期間が長くなる
ので、キャパシタCrの値が大きい程、ターンオン損失
が増加するという問題点が生じる。したがって、高周
波化に伴い生じうるインパクトイオン化現象の抑圧と
ターンオン損失の防止という両効果を達成するために
は、キャパシタCrの容量を適切な値にすることが実際
には重要となる。この場合、キャパシタCrの容量がよ
り小さければ良いということになるが、その際の目安と
しては、主トランジスタMTrのコレクタCとゲートG
間に生ずる寄生の帰還容量と同程度にキャパシタCrの
容量を設定しておくことが望ましい。この場合には、上
記効果に加えて、上記効果をも達成でき、従って、
高電圧高周波スイッチング回路の小型化・低コスト化要
求を満たすことが可能となる。
【0040】今回、主電源電圧3000V用のIGBT
とpin形フリーホイールダイオード素子の組み合わせ
(周波数2KHz程度)について調べたところでは、負
荷電流100Aに対してキャパシタCrが20pF程度
のわずかな容量でも、上記の両効果,が共に得られ
ることが確認されている。この程度の容量値は、パワー
モジュール等で用いられるセラミック絶縁基板では1.
5cm2程度の面積に相当するので、容易に実装するこ
とができる。
【0041】尚、特開平6−291631号公報には、
IGBTのエミッタ・コレクタ間電圧が一定の電圧(V
C1)以下になるのを検出してゲート抵抗の抵抗値を制
御し、以てゲート電圧の立上がり速度を遅くして、ター
ンオン時のdV/dtを制限する技術が開示されてはい
る。しかしながら、この先行技術では、ターンオン時に
上昇時dv/dtを緩やかにしようとすると、コレクタ
電流の上昇率di/dtも同時に緩やかになって、図7
で既述したようにターンオン損失を増大させてしまうと
いう問題点を顕出させる。従って、この先行技術では図
1の回路の効果を達成しえないと言える。
【0042】(実施の形態2)図1の回路を採用する
と、新たに次の問題点が生ずる可能性がある。即ち、主
トランジスタMTrがターンオフする時にもコレクタ電
圧VceがキャパシタCrの帰還作用でなまってしま
い、ターンオフ損失が増加してしまう可能性がある。た
だし、前記の素子の組み合わせでの評価でキャパシタC
rの容量を20pF程度とした場合には、ターンオフ損
失の増加はほとんどなかったことが確認されている。こ
れは、キャパシタCrを付け無い場合の主トランジスタ
MTrがターンオフする時のコレクタ電圧Vceの時間
変化率がターンオン時に比べて40%程度と低くなって
いたためである。従って、今後の主トランジスタMTr
のターンオフ特性改善によっては、ターンオフ時のコレ
クタ電圧の時間変化率が大きくなれば、図1の回路のも
つそのような問題点が現実的な問題として浮上してくる
可能性がある。従って、そのような問題点を根本的に除
去しておくことが望ましい。かかる観点から創作された
のが、実施の形態2である。
【0043】図3は、本発明による実施の形態2に係る
高電圧スイッチング回路を示す図である。同図中、図1
と同一部分は同一のものを示す。
【0044】図3の回路では、キャパシタCrの第1
端子を主トランジスタMTrのコレクタCないしノード
N2に直接接続し、キャパシタCrの第2端子を第2制
御用ダイオード(単にダイオードとも称す)DC2の陰
極に接続すると共に、第1制御用ダイオード(単にダ
イオードとも称す)DC1の陽極をキャパシタCrとダ
イオードDC2との接続点N5に接続し、ダイオードD
C1の陰極をゲート駆動回路1の正駆動電源+Vggの
電源線に接続している点が、図1で述べた実施の形態1
と異なる。従って、ここでは、キャパシタCrと両ダイ
オードDC1,DC2とが実施の形態1で述べた「制御
手段」に該当する。しかも、ここでの制御手段は、後述
するように、実施の形態1の場合以上の機能を有する。
尚、ダイオードDC2は、キャパシタCrとの直列系だ
けを見たときには、「制御用ダイオード」に該当してい
る。
【0045】コレクタ電圧Vceの変化によるキャパシ
タCrの偏位電流は、(i)主トランジスタMTrがタ
ーンオンする時にはダイオードDC2を通して主トラン
ジスタMTrのゲートGから引き、(ii)主トランジ
スタMTrがターンオフする時にはダイオードDC1を
通して正駆動電源+Vggに流してクランプすると共
に、ダイオードDC2を逆バイアスにして主トランジス
タMTrのゲートGには影響しないようにしている。こ
のように、ダイオードDC2は、ターンオン時にはキャ
パシタCrに負帰還作用させるようにする一方、ターン
オン時にはキャパシタCrの負帰還作用を阻止して、タ
ーンオン時のみに負帰還の効果を限定付ける機能を有し
ている。
【0046】以上の様に、この実施の形態では、実施の
形態1で述べた利点を有すると共に、ターンオフ時の主
トランジスタMTrのターンオフ損失の増加を防ぐこと
が出来るという利点がある。
【0047】(実施の形態3)本実施の形態3は実施の
形態1,2の改良に係わり、実施の形態2の特有の効果
を発揮させつつ、ターンオン時の実施の形態1の作用効
果をコレクタ電圧の大きな変化時のみに限定させようと
するものである。
【0048】図4は、実施の形態3の高電圧スイッチン
グ回路を示す図であり、同図中、図1,図3と同一符号
のものは同一のものを示す。この回路では、実施の形態
2で説明したキャパシタCrと制御用ダイオードDC2
の接続点N5と正駆動電源+Vggの出力ノードN6と
の間に、図3のダイオードDC1を接続する代わりに、
制御用の抵抗器RC1の第2及び第1端子を接続した点
に特徴がある。
【0049】図4の回路では、ダイオードDC2は実施
の形態2と同じ作用をするので、主トランジスタMTr
がターンオフする時はキャパシタCrが動作に影響せず
図3と同様の効果が得られるが、ターンオンする時は、
主トランジスタMTrのコレクタ電圧Vceが低下して
キャパシタCrに流れる偏位電流が抵抗器RC1で電圧
降下を発生し、キャパシタCrの第2端子と抵抗器RC
1の第2端子との接続点N5の電圧を低下させ、当該接
続点の電圧が主トランジスタMTrのゲート電圧よりも
低くなったときに負帰還がかかるようになる。
【0050】したがって、図4の回路によれば、ターン
オン時の主トランジスタMTrのコレクタ電圧の変化率
dVce/dtが大きい時(立上がり時より図7のの
時点前までが特に上昇率が大きい)にだけ、キャパシタ
Crによる負帰還作用が働く結果、コレクタ電圧の下降
速度dVce/dtが遅くなるので、ダイオードFWD
iの逆電圧VAkが立ち上がる初期の時点などに無駄な
遅れを生じず、より効果的にダイオードFWDiの逆回
復を行えるという新たな利点が得られる。
【0051】(実施の形態4)図5は、本発明による実
施の形態4に係る高電圧スイッチング回路を示す図であ
る。図5の回路は、図3の回路を改良して、図3の回路
の機能に図4の回路の上述の機能を付加しようとするも
のである。
【0052】そこで、図5の回路では、ダイオードDC
2の陽極を図2のように主トランジスタMTrのゲート
ないしノードN4に直接接続するようなことはせず、そ
の間(ノードN7とノードN8間)に制御用トランジス
タTr3のベース・エミッタ間とベース抵抗器RBとを
並列にして接続すると共に、制御用トランジスタTr3
のコレクタをグランドGND電位線上のノードN9に、
従って主トランジスタMTrのエミッタEに接続してい
る点が特徴である。このように、ダイオードDC2の陽
極がノードN4に直接接続されていないので、当該陽極
は主トランジスタMTrの「ゲート側」に接続されてい
ると言える。尚、図2,図3のように、ダイオードDC
2の陽極が直接にノードN4に接続されているときも、
「ゲート側」に接続されているという概念に含めること
が可能である。
【0053】この回路では、上記要素Cr,DC1,D
C2,Tr3,R3が「制御手段」を構成する。
【0054】図5の回路では、制御用トランジスタTr
3のベース・エミッタ間電圧がベース・エミッタ間のし
きい値電圧である約0.7Vを越えるまでは、ベース抵
抗R3を通してキャパシタCrの帰還作用が働くが、約
0.7Vを越えると、制御用トランジスタTr3の増幅
作用でより強く帰還作用が働くので、実施の形態3と同
様な効果に加えて、キャパシタCrの容量を実施の形態
1〜3の場合よりもより小さなものとすることができる
利点がある。
【0055】(各実施の形態の変形例)以上の各実施の
形態の説明では、N基板を用いたNチャネル型IGBT
を主トランジスタMTrとして用いる場合について説明
したが、この発明はこれに限られるものではない。これ
に代えて、極性を逆にしたPチャネル型IGBTやSI
トランジスタなどを上記主トランジスタMTrとして用
いる場合についても、同様にこの発明を適用できる。
【0056】
【発明の効果】請求項1〜6に係る発明によれば、第1
主電極と第2主電極間の電圧の減少速度のみを独立して
負帰還制御する制御手段を設けたので、高電圧・高周波
数・スナバレス化の条件の下でも、ターンオン時のフリ
ーホイールダイオードの逆電圧上昇率を減少させること
ができ、従来、ターンオン時にインパクトイオン化現象
に起因して発生していたフリーホイールダイオードの逆
回復特性の悪化,逆電流のピーク値の増大、高スパイク
電流の発生を十分に防止することができる。
【0057】請求項2に係る発明によれば、制御手段を
なすキャパシタの容量を適切化しているので、請求項1
の発明が奏する効果を発揮させつつ、主トランジスタに
印加される高電圧の期間をできる限り短くして、ターン
オン損失が増大するのを防止することが可能となる。こ
れにより、高耐圧・高周波(高速)化のスイッチング回
路の小型化,低コスト化を実現可としうる。しかも、上
記キャパシタの容量は、例えばセラミック絶縁基板自体
を利用することによって容易に実現可能であり、実用的
な技術であると言える。
【0058】請求項3〜6の各発明によれば、制御用ダ
イオードを設けているので、キャパシタによる負帰還作
用を主トランジスタのターンオン時のみに限定すること
ができ、ターンオフ時のスイッチング損失の増大化を確
実に防止できるという効果がある。
【0059】請求項4の発明によれば、第1,第2制御
用ダイオードを設けているので、ターンオフ時にキャパ
シタに生ずる偏位電流を第1制御用ダイオードを介して
正駆動電源側に流してクランプすることができるという
効果がある。
【0060】請求項5の発明によれば、新たに抵抗器を
設けたので、ターンオン時のキャパシタによる負帰還作
用を、従来の技術においてフリーホイールダイオードの
逆電圧の大きな変化率がその立上がりより発生する期間
のみに制限することができ、より一層効果的にターンオ
ン時のフリーホイールダイオードの逆回復を行える効果
がある。
【0061】請求項6の発明によれば、制御用トランジ
スタと抵抗器を設けたので、請求項3,4の発明の効果
(ターンオフ時の負帰還の防止)に加えて、請求項5の
上記効果(ターンオン時の負帰還の効率的な制限)をも
奏することができると共に、キャパシタの容量をより一
層小さくすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の高電圧スイッチング
回路を示す図である。
【図2】 本発明におけるターンオン動作を示す波形図
である。
【図3】 本発明の実施の形態2の高電圧スイッチング
回路を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態3の高電圧スイッチング
回路を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態4の高電圧スイッチング
回路を示す図である。
【図6】 従来の高電圧スイッチング回路を示す図であ
る。
【図7】 従来技術におけるターンオン動作を示す波形
図である。
【図8】 従来技術、本発明に共通した、インバータへ
の応用例を示す図である。
【符号の説明】
1 ゲート駆動回路、Vcc 主電源、L 誘導負荷、
FWDi フリーホイールダイオード、MTr 主トラ
ンジスタ、Cr キャパシタ、Vgg 正駆動電源、−
Vee 負駆動電源、Rg ゲート抵抗、DC1 第1
制御用ダイオード、DC2 第2制御用ダイオード、R
C1 抵抗器、Tr3 制御用トランジスタ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pin型のフリーホイール用ダイオード
    と、 少なくともその一方の端子が前記ダイオードの一方の主
    電極に接続された誘導性負荷と、 前記ダイオードの前記主電極に接続された第1主電極、
    第2主電極及び制御電極を有し、前記制御電極に印加さ
    れる信号に応じて前記第1主電極と前記第2主電極間に
    流れる電流が制御されるスイッチング用主トランジスタ
    と、 前記主トランジスタの前記制御電極と前記第2主電極間
    に接続され、入力信号に応じて正駆動電源又は負駆動電
    源に対応した出力信号をその出力端子より前記制御電極
    に印加するゲート駆動手段と、 少なくとも前記ゲート駆動手段の前記出力端子と前記ダ
    イオードの前記主電極間に設けられ、前記主トランジス
    タのターンオン時に生ずる前記ダイオードの逆電圧の立
    ち上り時の上昇率のみを独立して減少させる様に前記主
    トランジスタの前記第1主電極と前記2主電極間の電圧
    の変化速度を負帰還制御する制御手段とを備え、 前記主トランジスタと前記ダイオードとはそれぞれの主
    耐圧が得られる極性で直列に接続されている高電圧スイ
    ッチング回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高電圧スイッチング回路
    において、 前記制御手段は前記主トランジスタの前記第1主電極と
    前記制御電極間に設けられたキャパシタを備えており、 前記キャパシタの容量は前記主トランジスタの前記第1
    主電極と前記制御電極間に生ずる帰還容量と同程度に設
    定されていることを特徴とする、高電圧スイッチング回
    路。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の高電圧スイッチング回路
    において、 前記制御手段は、 前記主トランジスタの前記第1主電極にその第1端子が
    接続された前記キャパシタと、 前記キャパシタの第2端子にその陰極が接続され、その
    陽極が前記主トランジスタの前記制御電極側に接続され
    た制御用ダイオードとを備えることを特徴とする、高電
    圧スイッチング回路。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の高電圧スイッチング回路
    において、 前記制御用ダイオードを第2制御用ダイオードと定義す
    ると、 前記第2制御用ダイオードの前記陽極は前記主トランジ
    スタの前記制御電極に直接に接続されており、 前記制御手段は、 前記ゲート駆動手段の前記正駆動電源にも接続されてお
    り、 前記ゲート駆動手段の前記正駆動電源にその陰極が接続
    され、前記キャパシタの前記第2端子にその陽極が接続
    された第1制御用ダイオードを更に備えることを特徴と
    する、高電圧スイッチング回路。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の高電圧スイッチング回路
    において、 前記制御用ダイオードの前記陽極は前記主トランジスタ
    の前記制御電極に直接に接続されており、 前記制御手段は、 前記ゲート駆動手段の前記正駆動電源にも接続されてお
    り、 前記ゲート駆動手段の前記正駆動電源にその第1端子が
    接続され、前記キャパシタの前記第2端子にその第2端
    子が接続された抵抗器を更に備えることを特徴とする、
    高電圧スイッチング回路。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の高電圧スイッチング回路
    において、 前記制御用ダイオードを第2制御用ダイオードと定義す
    ると、 前記制御手段は、 前記ゲート駆動手段の前記正駆動電源にも接続されてお
    り、 前記ゲート駆動手段の前記正駆動電源にその陰極が接続
    され、前記キャパシタの前記第2端子にその陽極が接続
    された第1制御用ダイオードと、 そのベース端子が前記第2制御用ダイオードの陽極に接
    続され、そのエミッタ端子が前記主トランジスタの前記
    制御電極に接続され、且つそのコレクタ端子が前記主ト
    ランジスタの前記第2主電極に接続された制御用トラン
    ジスタと、 前記制御用トランジスタの前記ベース・エミッタ端子間
    に接続された抵抗器とを更に備えることを特徴とする、
    高電圧スイッチング回路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004187463A (ja) * 2002-12-06 2004-07-02 Nissan Motor Co Ltd 電圧駆動素子の駆動回路
JP2017511115A (ja) * 2014-03-20 2017-04-13 ティーエム4・インコーポレーテッド 電子スイッチのコレクタ−エミッタ間電圧の変動を制御するゲートドライバおよび同ゲートドライバを含む回路
US9863999B2 (en) 2014-06-26 2018-01-09 Denso Corporation Circuit and method for inspecting semiconductor device

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