JPH10221202A - 風洞試験用地面装置 - Google Patents

風洞試験用地面装置

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JPH10221202A
JPH10221202A JP2259997A JP2259997A JPH10221202A JP H10221202 A JPH10221202 A JP H10221202A JP 2259997 A JP2259997 A JP 2259997A JP 2259997 A JP2259997 A JP 2259997A JP H10221202 A JPH10221202 A JP H10221202A
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JP
Japan
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ground
air
plate
wind tunnel
ground surface
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JP2259997A
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Mitsuo Ishiguro
満津夫 石黒
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 地表に近い低空を飛行する航空機の飛行特性
等を試験するため、風洞の床面に地表を模擬する地面の
形成を行う。 【解決手段】 全面に小孔4が穿設されて、地表を模擬
する地面を気流の流れる風路床面に形成する地面板1、
地面板1の下方に設けられ、小孔4から吸い出す空気、
若しくは小孔から吹き出す空気を一時的に収容するプレ
ナム室2、小孔4を通過して風路とプレナム室2との間
を移動する空気の流量を制御する流量制御装置6とから
なる。 【効果】 これにより、可動部がなくなり大がかりな装
置とすることなく、風路の床面に地表を正確に模擬する
地面を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地表を走行する車
両、若しくは地表に近い低空を飛行する航空機、特に、
これらを模擬して製作された供試体の試験を行なう風洞
の床面に敷設され、気流が発生している風路内床面上
に、通常大気中における地表、いわゆる静止地表を模擬
する地面を形成するための風洞試験用地面装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】地表を走行する車両、若しくは地表にご
く近い空中を飛行する航空機を模擬する供試体の風洞試
験を行なう場合、これらの車両、若しくは航空機には、
走行中、若しくは飛行中に地面効果(Ground e
ffect)等の地表の影響が作用するため、供試体に
も風洞試験中、同様な影響が作用するようにして試験を
行う必要がある。このために、気流を発生させている風
路内の床面上に、風洞試験用地面装置として、地表を模
擬する平板を地面として、供試体に近接して設けて、供
試体にも同様に地表の影響を模擬するようにした影響が
作用するようにして、試験することが従来から行なわれ
ている。
【0003】しかしながら、このような平板による地面
で地表を模擬するようにした風洞試験用地面装置では、
製作および設置が容易で、短時間の作業ですみ、費用が
少くできる反面、地表を模擬する平板上には、いわゆる
静止地表とは、異なる現象が生じ、走行中、若しくは飛
行中に車両、若しくは航空機に作用する地表の影響を模
擬するものとは異なる平板上の影響が供試体に作用する
ことになる。
【0004】すなわち、このような平板で形成された風
洞試験用地面装置では、地面が風洞試験を行なう気流中
にある供試体と同じ速度で、気流中を移動していること
となり、静止地表を模擬するものとはならず、さらに
は、平板上には境界層が発達して静止地表とは異る状態
となり、静止地表の影響を模擬する影響を供試体に作用
させることにはならず、このような風洞試験で取得され
るデータは、精度の低いものとならざるを得ない。
【0005】このために、このような車両、若しくは航
空機の風洞試験では、風路内の床面上に気流と略同じ速
度で移動するベルトを設け、このベルトで静止地表を模
擬する地面を形成し、この上方に供試体を設置して試験
することも従来から行なわれている。図6は、このよう
なベルトで、地表を模擬する地面を形成した風洞試験用
地面装置を使用して、地表にごく近い空中を飛行してい
る航空機を模擬する供試体の風洞試験を行なうようにし
たものである。
【0006】図において、01は風洞計測部07の床面
に敷設され、地表を模擬する地面を形成するベルト、0
2は計測部07の上流側および下流側に、気流Fの方向
と直交させて、水平に配置されて回動し、ベルト01を
気流Fの方向に略同じ速度で駆動するドラム、03はド
ラム02に巻回されたベルト01の上面に、その端部が
近接して配設され、ベルト01の上面と連続する面を形
成して、計測部07の床面に、ベルト01の上面ととも
に地面を形成するようにした補助板、04はベルト01
の上面と間隔を設けて、計測部07に支持装置08を介
して設置され、作用する空力荷重を測定するようにした
航空機を模擬する供試体である。
【0007】このように、ベルト01を、ドラム02に
より、気流Fとほぼ同じ速度で移動させ、相対的に供試
体04の後方に、あたかも飛行する航空機の後方に地表
が流れているように模擬した地面を設けるようにした風
洞試験用地面装置では、地表を模擬するベルト01が気
流Fと略同じ速度で移動し、ベルト01と気流Fとの相
対速度が略零となるために、ベルト01の上面には気流
Fによる境界層の発生がなく、通常大気中における地
表、いわゆる静止地表を模擬することができるようにな
る。このために、供試体04には、地表近くを飛行して
いる航空機に作用する地表の影響を、より正確に模擬す
るベルト01上面からの影響が作用することにより、供
試体04によって取得される試験データは、航空機に作
用する空力荷重等のデータを、より精密に模擬できるも
のとなる。
【0008】しかしながら、このような風洞試験用地面
装置では、ドラム02へのベルト01の接触面05や、
ベルト01の下面06で発生する空気の乱れの影響が、
ベルト01を上面を流れる気流Fに影響を与えないよう
にするため、その端部をドラム02に巻回したベルト0
1に近接して、前述した補助板03を設ける必要があ
る。この補助板03の設置は、気流Fの方向に移動する
ベルト01の上面と略同一面をなす補助板03上に、気
流Fと相対速度が生じるため、境界層が発達してベルト
01の上面をベルト01の速度と略同じ速度で流れる気
流Fに悪影響を与えるようになる。
【0009】すなわち、ベルト01の上流側の補助板0
3上に発生し、肥厚した境界層が補助板03の下流端部
からベルト01の上流端に移行するときに、ベルト01
上面を流れる気流Fを乱し、供試体04周辺の流れが乱
されて、供試体04に作用する空力荷重等が飛行時に航
空機に作用する空力荷重を正確に模擬するものとはなら
ないことがある。このような悪影響は、ベルト01の下
流端からベルト01の下流側に設けられている補助板0
2上に気流Fが移るときにも生じ、しかも、この部分で
発生する悪影響は、供試体04周辺の流れにも伝播す
る。
【0010】このため、ベルト01の上流端と、これに
隣接する補助板03の端部との間から、ベルト01の上
面に向けて空気を吹き込み、また、ベルト01の下流端
とこれに隣接して設けた補助板03の端部との間から、
ベルト01の上面の空気を吸い込み、補助板03上に発
達する境界層による悪影響を、これらの吹き出しや吸い
込みを行う空気流量を制御することにより、除去するよ
うにしている。このために、図に示すような、風洞試験
用地面装置では、吹き出し機構や吸い込み機構の設置が
必要となる。
【0011】また、ベルト01を気流Fと略同じ速度で
移動させるためには、ドラム等の可動部を必要とするた
めに、これに起因して故障が多くなり、風洞の稼動率が
低下するという不具合もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の風洞
試験用地面装置が持つ、上述した問題点を解消するた
め、走行するベルトのような大がかりな装置を使うこと
なく、気流が発生している風路内の床面上に、通常大気
中における地表、いわゆる静止地表を模擬できる地面を
形成する風洞試験用地面装置を提供することを課題とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の風洞
試験用地面装置は、次の手段とした。
【0014】(1)全面にわたって空気を吹き出し、又
は吸い出すための多数の小孔が穿設され、風路の床面に
敷設されて風路床面に地表を模擬する地面を形成する平
板状の地面板を設けた。なお、小孔は円形等の開口を持
つ孔でも、縦横比の大きい開口を持つスリットでも良
く、また開口の大きさは所定の大きさにしたものでも、
大きさを変動できるようにしたものでも良い。
【0015】(2)地面板の小孔から風路内に吹き出す
空気、若しくは風路内を流れる気流を小孔を介して吸い
出した空気を、一時的に収容するプレナム室を小孔を介
し地面板上方の風路と連通させて、地面板の下方に設け
た。なお、プレナム室は碁盤目状に縦横に多数に分割し
て設けるようにしても、又は風路の幅方向にのみ多数に
分割して設けるようにしても、又は気流の流れ方向にの
み多数に分割して設けるようにしても、さらには、地面
板の下方に単一の空間を形成して設けるようにしても良
いものである。また、プレナム室は、その内部に空気を
送り込む空気供給源、および/又は、その内部の空気を
排出する空気排出装置に連結されるものとする。
【0016】(3)小孔から風路内に吹き出す空気の流
量、若しくは小孔から吸い込み風路内から吸い出す空気
の流量を制御する流量制御装置を設けた。なお、流量制
御装置は、プレナム室内の圧力変動させて一定の流路面
積をもつ小孔を通過する空気の流量を制御するようにし
たものでも、小孔の開口の大きさを変動させて小孔を通
過する空気の流量を制御するようにしたものでも良い。
【0017】本発明の風洞試験用地面装置は、上述の手
段により、流量制御装置により、例えば、プレナム室の
圧力を変動させて地面板上面とプレナム室の圧力に差を
生じさせることにより、地面板上を流れる気流が小孔か
らプレナム室に吸い込まれたり、プレナム室から小孔を
通過して地面板上を流れる気流中に吹き出したりするよ
うになる。
【0018】この吹き出しや吸い込みにより、地面板上
面とプレナム室との間を移動する空気により、地面板上
に発達する境界層が吸い出されたり、吹き出しにより速
度を与えられたりして、肥大化が阻止され、地面板の境
界層の発達が阻止される。この働きを地面板の各部分に
対して、部分毎、特に気流の流れの方向に細く区切って
制御することにより、地面板上面を流れる気流には、高
さ方向にほぼ等しい速度を持った気流、すなわち、地面
板上面に境界層が発生していない気流を生成することが
でき、あたかも気流と同じ速度で移動する地面板と同じ
ような効果を作り出すことができる。
【0019】これにより、走行するベルトのような大が
かりな装置を使うことなく、航空機等から後方に流れ去
る静止地表を模擬できる地面を風路床面に形成すること
ができる。また、ドラム等の可動部がなくなるために、
可動部等に起因して発生することの多かった故障が少く
なり、風洞の稼動率が向上する。さらに、補助板とベル
トとの間の可動部分に吹き出し機構、および吸い込み機
構を設ける必要がなくなり、また、可動部がなくなるこ
とにより、設置、搬出作業が容易になり、効率的な風洞
試験ができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の風洞試験用地面装
置の実施の一形態を、図面にもとづき説明する。図1
は、本発明の風洞試験用地面装置の実施の第1形態を示
す図である。
【0021】図において、1は風洞の計測部7の床面に
敷設され、地表を模擬する地面を形成する地面板、2は
地面板の下方に、縦横に多数配設されたボックス3から
なるプレナム室である。計測部7は、地面板1と図示省
略した側板および天板で四周が包囲され、気流Fが流れ
る風路を形成している。地面板2には、気流Fの流れ方
向およびこれと直交する方向に等ピッチに配列されて円
形の小孔4が穿設され、プレナム室2と地面板2の上面
とを連通するようにしている。
【0022】また、プレナム室2を構成するボックス3
のそれぞれは、配管5で図示省略した空気排出装置とし
ての低圧室、若しくは空気供給源としての高圧室に連通
されている。さらに、配管5の途中には、流量制御装置
としてのコントロールバルブ6を介装するようにしてい
る。
【0023】このように、本実施の形態の風洞試験用地
面装置は、風洞の床面に敷設され、地面を形成する地面
板1には微小な小孔4が無数に明けられて、また、地面
板1下方のプレナム室2は、多数のボックス3に分割さ
れて、しかも、個々のボックス3はコントロールバルブ
6を介して低圧室に、若しくは高圧室にそれぞれ連結さ
れているので、コントロールバルブ6の開度の調節、お
よび配管5と低圧室若しくは高圧室とを連結する配管切
替をすることにより、個々のボックス3内の圧力を制御
し、それによって、地面板1上面を流れる気流Fの吸い
込み量、若しくは気流Fを加速する小孔4からの空気の
吹き出し量を制御して、地面板1上面に適正な速度分布
を生成することができ、大気中の地表を模擬することが
できる。
【0024】すなわち、例えば、風路の外側等に配置し
たレーザ流速計により、地面板1上面の速度分布を検知
するようにしておき、このレーザ流速計の検知信号によ
り検知位置の下方のボックス3内の圧力を、コントロー
ルバルブ6の開度調整により調節することにより、当該
ボックス3上方に敷設されている地面板1に穿設された
小孔から、地面板1上面の気流Fを吸い込み、又は空気
を吹き出して気流Fを加速することにより、地面板1上
面で肥厚化する境界層の発達が阻止され、地面板1上面
全体に適正な大気中の地表と同様の速度分布を生成する
ことができる。
【0025】これにより、可動部を設けず、風路の床面
に固定された地面板1を使用するにも拘わらず、地面板
1上面を流れる気流Fには、高さ方向にほぼ等しい速度
を持った気流、すなわち、地面板1上面に境界層が発生
しない気流を生成することができ、あたかも、気流Fと
同じ速度が移動する効果を有する地面板1とすることが
できる。
【0026】これにより、走行するベルトのような大が
かりな装置を使うことなく、航空機等からあたかも後方
に流れ去るように見える静止地表を模擬する地面を、風
路床面に形成することができるようになる。なお、同図
において、8は地面板1に近接して計測室内に設置さ
れ、空力荷重を計測する供試体、9は供試体8を支持す
るための支持装置である。
【0027】次に、図2は本発明の実施の第2形態を示
す図である。図に示すように、本実施の形態の地面板1
1には、気流Fの方向に切られた小孔としてのスリット
14が多数明けられており、また地面板11の下方に設
けられるプレナム室12は、気流方向に仕切られ、風路
の幅方向に多数に分割されたボックス13で形成されて
いる。また、個々のボックス13は、図示省略している
が、実施の第1形態例と同様に、コントロールバルブを
介して低圧室若しくは高圧室に通じており、このコント
ロールバルブの開度を調節することにより、地面板11
上面に適正な速度分布を生成することができる。
【0028】次に、図3は本発明の実施の第3形態を示
す図である。図に示すように、本実施の形態の地面板2
1には、気流Fの流れ方向に垂直な方向に切られた小孔
としてのスリット24が多数明けられており、また地面
板21の下方に設けられるプレナム室22は、スリット
24と同じ方向に仕切られ、気流Fの流れ方向に多数に
分割されたボックス24で形成されている。また、個々
のボックス23は、図示省略されているが、実施の第1
形態と同様に、コントロールバルブを介して低圧室若し
くは高圧室に通じており、このコントロールバルブの開
度を調節することにより、地面板21上面に適正な速度
分布を生成することができる。
【0029】次に、図4は本発明の実施の第4形態を示
す図である。図に示すように、本実施の形態の地面板3
1には、比較的大きな穴15が多数明けられており、ま
た、地面板31の下方に設けられるプレナム室32は単
一のボックスから形成されている。このプレナム室32
は、コントロールバルブ6を介装した配管5で、低圧室
若しくは高圧室を連通するようにしている。また、地面
板31の下方には、複数の穴17を穿設した可動プレー
ト16が、地面板31の下面と摺動するようにして配置
されている。この可動プレート16を地面板31の下面
と摺動させることにより、地面板31にあけた穴15と
可動プレート16にあけた穴17との重なり具合が変化
し、開口比が変化する小孔を形成することができる。
【0030】すなわち、可動プレート16の摺動量を変
えることにより、地面板31の開孔比を気流体の流れ方
向で個々に変えることができ、気流Fの吸い込み量、若
しくは気流F中への空気の吹き出し等が、個々の可動プ
レート16によって気流Fの流れ方向で変化させること
ができるので、この可動プレート16の移動量を制御す
ることにより、地面板31上面の適正な速度分布を生成
することができる。従って、本実施の形態においては、
実施の第1形態〜第3形態が流量制御装置としてコント
ロールバルブ6を具えているだけであるのに対して、可
動プレート16を流量制御装置として具えることにな
り、地面板31上面には、より精密な速度分布を生成で
きるようになる。
【0031】次に、図5は本発明の実施の第5形態を示
す図である。図に示すように、本実施の形態では実施の
第4形態と同様に地面板41には、気流Fの流れ方向お
よびこれと直交する方向に等ピッチに配列されて円形の
穴が穿設され、プレナム室42と地面板41の上面とを
連通するようにしている。また、地面板1下方のプレナ
ム室12は、縦横に多数のボックス43に分割されて、
しかも個々のボックス43は、コントロールバルブ6を
介して配管5で低圧室に若しくは高圧室に連結される実
施の第1形態と同様の構造にされている。
【0032】さらに、各ボックス43の上方には、実施
の第4形態と同様に、可動プレート16が地面板41の
下面と摺動するようにして多数配置されている。この可
動プレート16を地面板41の下面と摺動させることに
より、地面板41にあけた穴15と可動プレート16に
あけた穴17との重なり具合が変化し、開口比が変化し
て小孔を形成するようにしている。
【0033】これにより、各ボックス43の上方に位置
する地面板41の開孔比は、個々に変えることができ、
気流Fの吸い込み量、若しくは気流F中への空気の吹き
出し量が個々の可動プレート16によって、気流Fの流
れ方向で変化させることができるので、この可動プレー
ト16の移動量を制御することにより、地面板41上面
の各部分に適正な速度分布を生成することができる。す
なわち、地面板41の気流F流れ方向、およびこれと直
交する方向の速度分布を、より細く制御することができ
るようになる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の風洞試験
用地面装置によれば、(1)全面にわたって空気を吹き
出し、又は吸い出すための多数の小孔が穿設され、風路
の床面に敷設されて風路床面に地表を模擬する地面を形
成する平板状の地面板,(2)小孔を介し地面板上方の
風路の内部と連通して、地面板の下方に設けられて、地
面板の小孔から風路内に吹き出す空気、若しくは風路内
を流れる気流を小孔を介して吸い出した空気を一時的に
収容するプレナム室,(3)小孔から風路内に吹き出す
空気の流量、若しくは小孔から吸い込み風路内から吸い
出す空気の流量を制御する流量制御装置,からなる構成
としたので、次の作用、効果が得られる。
【0035】小孔からの吹き出しや吸い込みによる、地
面板上面とプレナム室との間を移動する空気により、地
面板上に発達する境界層が吸い出されたり、吹き出しに
より速度を与えられたりして、肥厚化が阻止され、地面
板の境界層の発達が阻止され、境界層が発生しない気流
を地面板上面に生成することができ、あたかも、気流と
同じ速度で移動するベルトで形成された地面板と同じ効
果を、風路床面に固定された地面板上に作り出すことが
できる。
【0036】これにより、走行するベルトのような大が
かりな装置を使うことなく、航空機の飛行中等に航空機
の位置から後方に流れ去るように見える静止地表を、正
確に模擬できる地面を風路床面に形成することができ
る。また、ドラム等の可動部がなくなるために、可動部
等に起因して発生する故障がなくなり、故障の少い風洞
試験用地面装置とすることができ、風洞の稼動率が向上
する。さらに、補助板とベルトとの間の可動部分に吹き
出し機構および吸い込み機構を設ける必要がなくなり、
また、可動部がなくなること等により、風洞内への設
置、搬出作業が容易になり、効率的な風洞試験ができる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風洞試験用地面装置の実施の第1形態
を示す図で、図1(a)は斜視図,図1(b)は図1
(a)の矢視A−Aにおける断面図、
【図2】本発明の実施の第2形態を示す斜視図、
【図3】本発明の実施の第3形態を示す斜視図、
【図4】本発明の実施の第4形態を示す図で、図1
(a)の矢視A−Aに相当する部分の断面図、
【図5】本発明の実施の第5形態を示す図で、図1
(a)の矢視A−Aに相当する部分の断面図、
【図6】従来の風洞試験用地面装置を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1,11,21,31,41 地面板 2,12,22,32,42 プレナム室 3,13,23 ボックス 4,14,24 小孔 5 配管 6 コントロールバルブ 7 計測室 8 供試体 9 支持装置 15,17 穴 16 可動プレート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地表を走行する車両、若しくは地表近傍
    を飛行する航空機を模擬する供試体、若しくは実機の試
    験を行なう風洞の床面に敷設され、気流が発生している
    風路内に静止地表を模擬する風洞試験用地面装置におい
    て、全面に小孔が穿設され、地表を模擬する地面を前記
    風路の床面に形成する地面板と、前記地面板の下方に設
    けられ、前記小孔から前記風路内に吹き出す空気、若し
    くは前記風路内から吸い出した空気を一時収容するプレ
    ナム室と、前記小孔を通過し、前記風路と前記プレナム
    室との間を移動する空気の量を制御する流量制御装置と
    を設けたことを特徴とする風洞試験用地面装置。
JP2259997A 1997-02-05 1997-02-05 風洞試験用地面装置 Withdrawn JPH10221202A (ja)

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