JPH10219926A - Frp構造体 - Google Patents

Frp構造体

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JPH10219926A
JPH10219926A JP9038401A JP3840197A JPH10219926A JP H10219926 A JPH10219926 A JP H10219926A JP 9038401 A JP9038401 A JP 9038401A JP 3840197 A JP3840197 A JP 3840197A JP H10219926 A JPH10219926 A JP H10219926A
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正史 松浦
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幸胤 木本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量、高強度、高剛性で、複雑な形状にも成
形でき、腐食の問題がなく、容易に連結可能な、屋根体
や壁体として好適な安価なFRP構造体を提供する。 【解決手段】 間に空洞を形成する、互いに結合された
一対のFRPパネルと、該一対のFRPパネルのそれぞ
れに固定され、前記空洞の延在方向と並行に延びる補強
部材とを有することを特徴とするFRP構造体、および
それを一つのユニットとしてユニット同士を縦横に連結
したFRP構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FRP構造体に関
し、とくに屋根材や壁材として好適なFRP構造体に関
する。
【0002】
【従来の技術】屋根材や壁材としては、一般にはスチー
ル板やコンクリート、木材等が使用されている。
【0003】このような材料を用いる場合、とくにスチ
ールやコンクリートを用いる場合、厚みが大きい形状に
なると、単位面積当りの重量が大きくなり、建物自体の
強度を上げる必要が生じ、建物用の材料費の増加や構造
的に建造費の増大を招くおそれがある。
【0004】また、上述のような材料では、一般に複雑
な形状を採ることが困難であり、デザイン上の制約を受
ける。また、複雑な形状とする場合、その型代等が急騰
する。
【0005】さらに、上述のような材料では、腐食の問
題を完全に除去することは困難であり、とくにスチール
を代表とする金属の場合、高価な腐食対策は避け難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、軽量
でありながら十分に高い強度、剛性を有し、製造が容易
で複雑な形状も容易に採ることができ、腐食のおそれも
完全に除去可能な、安価なFRP構造体を提供すること
にある。
【0007】また、容易に連結可能構造とすることがで
き、個々のユニットは運搬や取扱いに便利な小ユニット
としつつ、ユニット同士を連結することにより簡単に所
望の屋根体や壁体を施工することができるFRP構造体
を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のFRP構造体は、間に空洞を形成する、互
いに結合された一対のFRPパネルと、該一対のFRP
パネルのそれぞれに固定され、前記空洞の延在方向と並
行に延びる補強部材とを有することを特徴とするものか
らなる。
【0009】このFRP構造体においては、前記一対の
FRPパネルが別体に成形され、該一対のFRPパネル
が互いに結合されていてもよいし、前記一対のFRPパ
ネルが一体成形されていてもよい。
【0010】また、上記補強部材は、金属、たとえばス
チール板からなり、この補強部材の幅としては、全体の
重量低減の点から、一枚のFRPパネルの幅の1/2以
下とすることが好ましい。
【0011】補強部材のFRPパネルへの固定方法とし
ては、各補強部材を各FRPパネルの面上に適当な固定
用部材(たとえば、ボルトやリベット)等を介して固定
するようにしてもよく、FRPパネルに埋設するように
してもよい。埋設の場合には、FRPパネルと一体成形
することによりFRPパネル内に埋め込むようにしても
よく、FRPパネルの面上に補強部材を配置し、それを
別のFRP層等によってオーバレイし、実質的に埋設す
るようにしてもよい。
【0012】また、一対のFRPパネルは、強化繊維と
マトリックス樹脂との複合材料からなるが、強化繊維を
適切に配することにより、軽量性を確保しつつ所望の強
度、剛性を採ることができる。たとえば、繊維を、空洞
の延在方向に対して±30°〜±60°の範囲の角度に
配することにより、空洞の延在方向の剪断力に対し高い
強度、剛性を発揮させることができる。また、繊維を0
°〜±10°の範囲の角度に配することにより、空洞の
延在方向に対し高い強度、剛性を発揮させることができ
る。加えて、±80°〜±90°の範囲の角度に配する
ことにより、空洞の延在方向と直角の方向に対して高い
強度、剛性を発現させることができるとともに、FRP
構造体の横断面形状を所定形状に保持することができ
る。また、上記のような方向性をもつ強化繊維ととも
に、あるいは単独で、チョップドファイバからなる強化
繊維をランダムに配しておくこともできる。
【0013】このような強化繊維としては、たとえば炭
素繊維やガラス繊維、アラミド繊維等の少なくとも一種
を用いることができる。透光性等がある程度要求される
場合には、ガラス繊維が好ましい。また、透光性や採光
性が要求される場合には、各FRPパネルに適宜穴を形
成しておいてもよく、該穴には、排水性等の機能をもた
せることも可能である。
【0014】また、FRPパネルに使用する樹脂として
は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用可能で
ある。とくに本発明のFRP構造体を建物の屋根材や壁
材として用いる場合には、難燃性樹脂、あるいはそれを
含む樹脂とすることが好ましい。
【0015】また、前記空洞には、一対のFRPパネル
間にわたって延びる仕切板を設けることが好ましい。こ
の仕切板は、軽量の部材であればとくにその材料は限定
しないが、一対のFRPパネルと同様FRPから構成す
ることができる。仕切板は、空洞の延在方向に、一対の
FRPパネルの一端部、両端部、中央部等に適宜配置す
ればよく、少なくとも一枚設ければよい。仕切板とFR
Pパネルとの結合方法としては、ボルトやリベットによ
る連結の他、接着剤による接合によってもよい。また、
仕切板には、必要に応じて適宜穴を形成してもよく、仕
切板の形状も、空洞の横断面を実質的に全面にわたって
覆う形状、部分的に覆う形状のいずれでもよい。
【0016】さらに、本発明に係るFRP構造体は、上
記のような空洞を有する構成の他に、空洞を有しない中
実の構成、つまり、一枚のFRPパネルを使用して構成
することもできる。すなわち、本発明に係るFRP構造
体は、FRPパネルと、該FRPパネルに固定され、該
FRPパネルの幅よりも小さい幅を有し該FRPパネル
の長手方向と並行に延びる補強部材とを有することを特
徴とするものからなる。このようなFRP構造体におい
ても、上述したと同様の強化繊維配置構成を採ることが
できる。また、このFRP構造体の形状は、単なる平板
形状であってもよく、横断面にて湾曲した円弧形状や波
形形状等であってもよい。
【0017】上記のような本発明に係るFRP構造体
は、容易に連結可能な構造とすることができ、それらを
連結したFRP構造体を構成することができる。
【0018】すなわち、本発明に係るFRP構造体は、
上記のようなFRP構造体を一つのユニットとし、該ユ
ニットが、縦横の少なくとも一方向に複数連結されたも
のからなる。
【0019】ユニット同士は、ボルトやリベット、ある
いは接着剤を介して直接連結されてもよく、連結用部材
を介して連結されてもよい。
【0020】また、前述と同様の仕切板を、ユニット同
士の連結部に設けておくこともできる。FRP構造体が
空洞を有しない中実のものの場合にも、互いに連結され
るFRP構造体間に類似の仕切板を設けておくことが可
能である。
【0021】このようにユニットを複数連結すると、個
々のユニットは小さくても、広い面積の構造体を構成で
き、所望の大きさ、形状の屋根体や壁体に構成できる。
【0022】上記のような本発明に係るFRP構造体に
おいては、主構成部材が一対のFRPパネルあるいは中
実のFRPパネルであるから、全体として軽量の構造体
に構成できる。とくに一対のFRPパネルを用いて構成
する場合には、間に空洞を形成するので、構造的に剛性
が高く、かつ、厚みがあるので外観上強度や剛性的に安
心感を与える構造となる。また、補強部材が空洞延在方
向に、あるいは、FRPパネルの長手方向に部分的に効
率よく延設されているので、重量増を抑えつつ、全体の
強度、剛性を効果的に向上できる。とくに、空洞延在方
向やFRPパネルの長手方向における強度、剛性を効率
よく向上できる。
【0023】FRPからなるので、スチール等に比べて
成形型を安価に製作することができ、樹脂型を使用する
ため、複雑な形状にも容易に対応でき、デザイン上の自
由度が大幅に向上する。また、FRPには腐食の問題が
実質的にないので、スチールやコンクリート、木材等に
おける腐食のおそれが除去され、かつ、腐食対策も実質
的に不要となる。
【0024】また、仕切板を設けておけば、一層強度、
剛性を向上できるとともに、空洞を形成する一対のFR
Pパネルの断面形状を保持することができ、長期間安定
した構造体を実現できる。
【0025】さらに、個々のFRP構造体を、互いに連
結可能なユニット構成としておくことにより、運搬や取
扱いが極めて容易かつ便利になる。このユニット同士を
連結して、所望の大きさや形状のFRP構造体とするこ
とにより、施工や組立の容易性を確保しつつ、目標とす
る屋根体や壁体を容易に完成させることがきる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のFRP構造体の
望ましい実施の形態について、図面を参照して説明す
る。図1は、本発明の一実施例に係るFRP構造体を示
しており、複数のユニットが縦横に連結された構造体を
示している。図2は、図1の構造体における一つのFR
P構造体ユニットを示している。
【0027】図1において、1はFRP構造体の一つの
ユニットを示しており、該FRP構造体ユニット1が縦
横に複数連結されて、連結構造体としてのFRP構造体
2が構成されている。まず、図2を参照して、一つのユ
ニットとしてのFRP構造体1について説明する。
【0028】FRP構造体1は、間に空洞3を形成す
る、互いに結合された上下一対のFRPパネル4a、4
bと、一対のFRPパネル4a、4bのそれぞれに固定
され、空洞3の延在方向5に対して並行する方向に延び
る補強部材6a、6bとを有している。補強部材6a、
6bは、本実施例ではスチール板からなるが、他の材料
からなるものであってもよく、好ましくは各FRPパネ
ル4a、4bよりも剛性や強度の高い素材からなること
が好ましい。
【0029】一対のFRPパネル4a、4bは、それぞ
れ、一方側に開口する略コ字状の横断面を有するととも
に、両側にフランジ部7を有し、両部材の対向するフラ
ンジ部7同士が互いに結合され、間に空洞3を形成して
いる。各補強部材6a、6bは、本実施例では、各FR
Pパネル4a、4bに対し一本づつ設けられており、各
補強部材6a、6bは、対応するFRPパネル4a、4
bの内面上の幅方向中央部に固定されている。
【0030】補強部材6a、6bの断面形状はとくに限
定されず、補強効果、全体の重量等を勘案して適宜決定
できる。たとえば図3に示すように、帯状平板形状の補
強部材6a(6b)(イ)、中空の矩形横断面形状の補
強部材8(ロ)、コ字状横断面形状の補強部材9
(ハ)、L字状横断面形状の補強部材10(ニ)等を適
宜採用すればよい。
【0031】補強部材6a(6b)は、本実施例では図
4に示すように、FRPパネル4a(4b)の内面上に
ボルトやリベットからなる固定用部材11を介して固定
されている。ただしこの固定は、接着剤による接合によ
ってもよい。
【0032】また、図5(イ)に示すように、補強部材
6aをFRPパネル12と一体成形することにより、つ
まりFRP成形時に補強部材6aを埋め込むことによ
り、埋設して固定することもできる。また、図5(ロ)
に示すように、補強部材8をFRPパネル13の面上に
配置するとともに、その上からさらにFRP層をオーバ
レイ(オーバレイ層14)し、実質的にFRP部材内に
埋設する構成としてもよい。
【0033】FRPパネル4a、4bは、強化繊維とマ
トリックス樹脂の複合材料からなる。成形は、樹脂の成
形型を用いて行うが、成形時には強化繊維の層を適宜複
数層配することが好ましい。強化繊維の層構成として
は、一方向に引き揃えられた強化繊維の層を、互いに異
なる配向方向となるように積層する構成、あるいは、チ
ョプドファイバからなる強化繊維をランダムに配する構
成、若しくはこれらの組合せ構成を採用できる。
【0034】強化繊維の配向方向としては、たとえば図
6に示すように、空洞の延在方向5に対する角度θが、
±30°〜±60°や0°〜±10°、±80°〜90
°の範囲に入るように設定することが好ましい。強化繊
維50の配向方向を±30°〜±60°にした場合に
は、空洞の延在方向5の剪断力に対し高い強度、剛性を
発現させることができる。0°〜±10°にした場合に
は、空洞の延在方向5に対して高い強度、剛性を発現さ
せることができる。加えて、±80°〜90°にした場
合は空洞の延在方向5と直角の方向に対して高い強度、
剛性を発現させることができるとともに、FRP横断面
形状を所定形状に保持することに有効である。
【0035】強化繊維の種類としてはとくに限定しない
が、強度、剛性をより重視する場合には炭素繊維やアラ
ミド繊維が好ましく、透光性等が要求される場合にはガ
ラス繊維が好ましい。また、必要に応じて、各種強化繊
維の混合構成、ハイブリッド構成とすることもできる。
【0036】マトリックス樹脂についてもとくに限定さ
れず、たとえばエポキシ樹脂やフェノール樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエステル樹脂
やポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂等の熱可塑性樹脂
のいずれも使用可能である。とくに屋根材や壁材として
使用する場合、難燃剤を配合した難燃性樹脂を用いたり
混合したりすることが好ましい。
【0037】再び図1、図2を参照するとともに、図7
を参照するに、本実施例のFRP構造体1には、その空
洞3内に、一対のFRPパネル4a、4bの内面間にわ
たって延びる仕切板15が設けられている。仕切板15
は、本実施例では、FRPパネル4a、4bの空洞延在
方向端部に形成された、空洞3の内方に向かって延びる
フランジ部16上に、ボルトやリベット等の固定用部材
17を介して固定されている。この固定は、接着剤によ
る接合によってもよい。仕切板15およびフランジ部1
6は、補強部材6a、6bの配設部に対応する部分で切
り欠かれている。仕切板15の材質は、本実施例ではF
RPからなるが、他の軽量材料、とくに軽量かつ高強度
・高剛性材料から形成してもよい。
【0038】なお、上記FRP構造体1においては、一
対のFRPパネル4a、4bを別々に成形して両者を結
合するようにしたが、たとえば図8に示すように、空洞
18を形成する一対のFRPパネル部分19a、19b
を一体成形したFRP構造体20とすることも可能であ
る。
【0039】また、一ユニットとしてのFRP構造体が
長目のものの場合は、たとえば図9に示すように、複数
の仕切板21a、21b、21cを空洞22内に配設し
たFRP構造体23としてもよい。仕切板21a、21
b、21cの配設位置としては、たとえば空洞22の延
在方向の両端部および中央部とすることができる。
【0040】さらに、図1および図2に示したFRP構
造体ユニット1およびユニット連結のFRP構造体2に
おいては、一対のFRPパネル4a、4bによって横断
面が閉断面の空洞3を形成するようにしたが、一対のF
RPパネル4a、4bには、必要に応じて適宜穴を開け
ておいてもよい。穴を開けておくことにより、FRP構
造体1、2に採光性や排水性をもたせることが可能にな
る。
【0041】上記のような構成を有するユニットとして
のFRP構造体1は、該FRP構造体ユニット1を縦横
の少なくとも一方向に複数連結することにより、所望の
面積を有する連結構造体としてのFRP構造体に構成で
きる。図1に示したFRP構造体2は、縦横の両方向に
複数のFRP構造体ユニット1が連結される場合の、連
結構造体の一部を示したものである。
【0042】図1に示す構造では、FRP構造体1同士
が、空洞3の延在方向5において、直接的に連結されて
いるとともに、空洞3の延在方向5と直交する方向にお
いて、フランジ部7同士が突き合わされ、連結用部材2
4を介して連結されている。
【0043】FRP構造体1同士の空洞延在方向5にお
ける連結部の構造は、たとえば図10(イ)、(ロ)、
(ハ)に示すように構成できる。図10(イ)に示す構
造では、FRPパネル4a(4b)同士が、それらのフ
ランジ部16間に仕切板15を介在させた状態にて、ボ
ルトやリベット等の固定用部材17を介して互いに連結
されている。図10(ロ)に示す構造では、仕切板15
が一方のFRPパネル4a(4b)のフランジ部16の
内面側に配置され、フランジ部16同士が直接突き合わ
されて、フランジ部16同士および仕切板15が固定用
部材17を介して連結されている。図10(ハ)に示す
構造では、FRPパネル25aの端部にはフランジ部は
設けられておらず、代わりにフランジ26を有する仕切
板27が用いられて、該フランジ26と、隣接するFR
Pパネル25a、25aの端部が固定用部材28で固定
されることにより、FRPパネル25a同士が互いに連
結されている。これら以外にも、たとえば連結部に仕切
板が配置されない構造の場合、隣接するFRPパネル同
士を固定や接着による接合によって互いに連結すること
が可能である。
【0044】FRP構造体1同士の空洞延在方向5と直
交する方向における連結部の構造は、本実施例では図1
1に示すように、隣接するFRPパネル4a、4bのフ
ランジ部7の先端同士が突き合わされ、フランジ部7間
にわたって延びる幅を有し、空洞延在方向に延びる、帯
状平板からなる連結用部材24と両フランジ部7のそれ
ぞれとをボルトやリベット等の固定用部材29で固定す
ることにより、FRP構造体1同士が互いに連結されて
いる。
【0045】このような連結により、所望の面積の屋根
体や壁体を容易に構成することができる。
【0046】上記のようなFRP構造体1、2において
は、主構成部材を一対のFRPパネル4a、4bとして
いるので、従来のスチールやコンクリートに比べ大幅に
軽量化でき、重量的には半減程度まで十分に可能であ
る。また、一対のFRPパネル4a、4bによって、間
に空洞3を形成するので、構造的に高強度、高剛性とな
り、かつ、構造体として厚みのあるものになるので、外
観上も重厚感をもたせることができる。そして、一対の
FRPパネル4a、4bに対して部分的に補強部材6
a、6bを設けてあるので、軽量性を確保しつつ十分に
高い強度と剛性を保証できる。したがって、このFRP
構造体1、さらには複数のFRP構造体1を連結したF
RP構造体2にあっては、とくに平面荷重に対して極め
て高い強度、剛性を発揮でき、屋根体として使用した場
合の風圧や積雪荷重、壁体として使用した場合の風圧等
に対し、十分に高い強度と剛性を示す。
【0047】FRPパネル4a、4bにおける強化繊維
の配向を適切に設定すれば、一層高い強度、剛性を実現
できる。また、各方向に対する強度や剛性にも十分に配
慮することが可能となる。
【0048】また、FRPパネル4a、4bを主構成部
材とするFRP構造体であり、FRPパネル4a、4b
は樹脂型を用いて成形されるので、スチール等の成形に
比べ安価に製造できるとともに、複雑な形状にも容易に
対応できる。したがって、デザイン上の自由度を大幅に
向上でき、FRPパネルの形状としても、後述の変形例
等で述べるように、極めて多様の形状を採り得る。
【0049】また、FRP構造体であるから、スチール
やコンクリート、木材等におけるような腐食の問題がな
く、腐食のための対策は実質的に不要となり、それだけ
安価な製造、施工が可能となる。したがって、通常腐食
対策として施される塗装も、外観上の点からのみ施せば
よく、必要最小限に抑えることができる。
【0050】また、仕切板15を配置する構成とすれ
ば、FRP構造体1、2の強度、剛性を一層向上できる
と同時に、各FRP構造体1の横断面形状を所定形状に
保持することができる。したがって、長期間にわたって
変形のない安定した建造物を得ることができる。
【0051】さらに、複数のFRP構造体1を容易に連
結することができるので、所望の面積の屋根体や壁体を
容易に施工できる。施工に用いるユニットとしてのFR
P構造体1は比較的小さなものでよいので、可搬性、取
扱性ともに極めて良好であり、運搬、現場での施工とも
に容易である。
【0052】なお、FRP構造体1の横断面形状につい
ては、上記実施例に示したものに限らず、各種形状を採
り得る。たとえば図12に示す例では、横断面略半円形
のFRPパネル31a、31bを互いに結合し、形成さ
れた空洞32に略円形の仕切板33を設けたFRP構造
体34とされており、このFRP構造体34を複数連結
した構造のFRP構造体35を示している。図13に示
す例では、横断面山形のFRPパネル41a、41bを
互いに結合し、形成された空洞42に角形の仕切板43
を設けたFRP構造体44とされており、このFRP構
造体44を複数連結した構造のFRP構造体45を示し
ている。図1、図12、図13に示した構造以外にも、
各FRPパネルを湾曲形状や波形形状にした構造とする
ことも可能であり、構造上、デザイン上必要に応じて種
々の形状を採り得る。
【0053】また、上記各実施例では、一ユニットとし
てのFRP構造体を一対のFRPパネルで間に空洞を形
成した構造に構成したが、本発明に係るFRP構造体
は、空洞を形成しない中実のFRPパネルを用いて構成
することもできる。
【0054】たとえば図14に示すように、一ユニット
としてのFRP構造体61を一つの中実の円弧状に湾曲
したFRPパネル62と、該FRPパネル62に固定さ
れ、該FRPパネル62の長手方向に並行に延びる補強
部材63とを有する構造に構成し、このFRP構造体6
1を複数、連結部64にて連結して、連結構造体として
のFRP構造体65を構成することもできる。強化繊維
の配置や、FRPパネル62に穴を設けてもよいこと
等、さらには、長手方向連結部に仕切板を配置してもよ
いこと等に関して、前述の実施例に準じた構成とするこ
とができる。
【0055】このようなFRP構造体61、65におい
ても、基本的に、前述したと同様の作用、効果をえるこ
とができる。
【0056】このように、軽量で高強度、高剛性であ
り、腐食の問題がなく、運搬、取扱い、組立、施工に便
利であり、しかもデザイン上の自由度が極めて大きい本
発明に係るFRP構造体は、屋根体や壁体、各種防風構
造体や防雪構造体、さらには各種建造物に用いて極めて
好適なものである。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のFRP構
造体によれば、一対の空洞を形成するFRPパネルと補
強部材とを有する構成により、軽量で高強度、高剛性で
あり、重厚感も備え、腐食の問題がなく、かつ、運搬、
取扱い、組立、施工が極めて容易であり、しかもデザイ
ン上の自由度が大きく複雑な形状も容易に採り得る、屋
根体や壁体に用いて好適な構造体を安価に提供できる。
【0058】また、空洞を形成しない中実のFRPパネ
ルを用いる構成の場合にあっても、同様に、軽量で高強
度、高剛性であり、湾曲等の形状により重厚感も備え、
腐食の問題がなく、かつ、運搬、取扱い、組立、施工が
極めて容易であり、しかもデザイン上の自由度が大きく
複雑な形状も容易に採り得る、屋根体や壁体に用いて好
適な構造体を安価に提供できる。
【0059】また、仕切板配設構造により、強度、剛
性、形態保持性に一層優れたFRP構造体とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るFRP構造体の斜視図
である。
【図2】図1の構造体の一ユニット分のFRP構造体の
拡大斜視図である。
【図3】補強部材の各種構造例を示す横断面図である。
【図4】図2のFRP構造体における補強部材取付部の
拡大部分断面図である。
【図5】別の補強部材接合構造を示す断面図である。
【図6】図2のFRP構造体のFRPパネルにおける強
化繊維の配置例を示す概略斜視図である。
【図7】図2のFRP構造体の仕切板取付部の拡大部分
断面図である。
【図8】一対のFRPパネルを一体成形した例を示すF
RP構造体の概略斜視図である。
【図9】複数の仕切板を配設した例を示すFRP構造体
の概略斜視図である。
【図10】空洞延在方向におけるFRP構造体同士の連
結部の各種構造例を示す断面図である。
【図11】図1のFRP構造体における空洞延在方向と
直交する方向におけるFRP構造体同士の連結部の拡大
正面図である。
【図12】別の形状を有するFRP構造体の正面図であ
る。
【図13】さらに別の形状を有するFRP構造体の正面
図である。
【図14】本発明の別の実施例に係るFRP構造体の斜
視図である。
【符号の説明】
1、20、23、34、44、61 FRP構造体(ユ
ニット) 2、35、45、65 連結構造体としてのFRP構造
体 3、18、22、32、42 空洞 4a、4b、12、13、25a、31a、31b、4
1a、41b、62FRPパネル 5 空洞延在方向 6a、6b、8、9、10、63 補強部材 7 フランジ部 11、17、28、29固定用部材 14 オーバレイ層 15、21a、21b、21c、27、33、43 仕
切板 16 フランジ部 19a、19b FRPパネル部分 24 連結用部材 26 フランジ 50 強化繊維 64 連結部

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間に空洞を形成する、互いに結合された
    一対のFRPパネルと、該一対のFRPパネルのそれぞ
    れに固定され、前記空洞の延在方向と並行に延びる補強
    部材とを有することを特徴とするFRP構造体。
  2. 【請求項2】 前記一対のFRPパネルが別体に成形さ
    れ、該一対のFRPパネルが互いに結合されている、請
    求項1のFRP構造体。
  3. 【請求項3】 前記一対のFRPパネルが一体成形され
    ている、請求項1のFRP構造体。
  4. 【請求項4】 前記補強部材の幅が一枚のFRPパネル
    の幅の1/2以下である、請求項1ないし3のいずれか
    に記載のFRP構造体。
  5. 【請求項5】 前記補強部材が金属からなる、請求項1
    ないし4のいずれかに記載のFRP構造体。
  6. 【請求項6】 前記補強部材が各FRPパネルの面上に
    固定されている、請求項1ないし5のいずれかに記載の
    FRP構造体。
  7. 【請求項7】 前記補強部材が各FRPパネルに埋設さ
    れている、請求項1ないし5のいずれかに記載のFRP
    構造体。
  8. 【請求項8】 前記一対のFRPパネルには、前記空洞
    の延在方向に対して±30°〜±60°の範囲の角度に
    強化繊維が配されている、請求項1ないし7のいずれか
    に記載のFRP構造体。
  9. 【請求項9】 前記一対のFRPパネルには、前記空洞
    の延在方向に対して0°〜±10°の範囲の角度に強化
    繊維が配されている、請求項1ないし7のいずれかに記
    載のFRP構造体。
  10. 【請求項10】 前記一対のFRPパネルには、前記空
    洞の延在方向に対して±80°〜90°の範囲の角度に
    強化繊維が配されている、請求項1ないし7のいずれか
    に記載のFRP構造体。
  11. 【請求項11】 前記一対のFRPパネルには、チョッ
    プドファイバからなる強化繊維がランダムに配されてい
    る、請求項1ないし10のいずれかに記載のFRP構造
    体。
  12. 【請求項12】 前記強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊
    維、ポリアラミド繊維の少なくとも一種からなる、請求
    項8ないし11のいずれかに記載のFRP構造体。
  13. 【請求項13】 前記一対のFRPパネルの樹脂に難燃
    性樹脂を含んでいる、請求項1ないし12のいずれかに
    記載のFRP構造体。
  14. 【請求項14】 前記空洞に、前記一対のFRPパネル
    間にわたって延びる少なくとも一枚の仕切板が設けられ
    ている、請求項1ないし13のいずれかに記載のFRP
    構造体。
  15. 【請求項15】 各FRPパネルに穴が形成されてい
    る、請求項1ないし14のいずれかに記載のFRP構造
    体。
  16. 【請求項16】 FRPパネルと、該FRPパネルに固
    定され、該FRPパネルの幅よりも小さい幅を有し該F
    RPパネルの長手方向と並行に延びる補強部材とを有す
    ることを特徴とするFRP構造体。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16のいずれかに記載
    のFRP構造体を一つのユニットとし、該ユニットが、
    縦横の少なくとも一方向に複数連結されていることを特
    徴とするFRP構造体。
  18. 【請求項18】 ユニット同士が直接連結されている、
    請求項17のFRP構造体。
  19. 【請求項19】 ユニット同士が連結用部材を介して連
    結されている、請求項17のFRP構造体。
  20. 【請求項20】 ユニット同士の連結部に仕切板が設け
    られている、請求項17または18のFRP構造体。
  21. 【請求項21】 屋根材である、請求項1ないし20の
    いずれかに記載のFRP構造体。
  22. 【請求項22】 壁材である、請求項1ないし20のい
    ずれかに記載のFRP構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016117442A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 川崎重工業株式会社 鉄道車両の内装パネル構造
JP2020176492A (ja) * 2019-04-23 2020-10-29 大成建設株式会社 繊維強化プラスチック部材及び繊維強化プラスチック複合構造
ES2795835A1 (es) * 2019-05-24 2020-11-24 Univ Catalunya Politecnica Elemento estructural hibrido

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