JPH1021918A - 非水電解質二次電池用負極およびその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極およびその製造方法

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JPH1021918A
JPH1021918A JP8178161A JP17816196A JPH1021918A JP H1021918 A JPH1021918 A JP H1021918A JP 8178161 A JP8178161 A JP 8178161A JP 17816196 A JP17816196 A JP 17816196A JP H1021918 A JPH1021918 A JP H1021918A
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JP
Japan
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negative electrode
acid
secondary battery
electrolyte secondary
aqueous electrolyte
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Application number
JP8178161A
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English (en)
Inventor
Shuji Ito
修二 伊藤
Toshihide Murata
年秀 村田
Masaki Hasegawa
正樹 長谷川
Yasuhiko Mifuji
靖彦 美藤
Yoshinori Toyoguchi
▲吉▼徳 豊口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高エネルギー密度で、デンドライトによる短
絡のない、信頼性の高い非水電解質二次電池を与える負
極を提供することを目的とする。 【解決手段】 メチルアニリン、ジメチルアニリン、エ
チルアニリン、プロピルアニリン、ブチルアニリンなど
のアニリン誘導体の重合体または数平均分子量が250
0以上のポリアニリンを加熱し、炭素化する工程を有す
る非水電解質二次電池用負極の製造方法。また、前記の
材料を集電体に保持させ、加熱、炭素化して電極とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池用負極およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウム(Li)などのアルカリ金属を
負極とする非水電解質二次電池は、起電力が高く、従来
のニッケル・カドミウム蓄電池や鉛蓄電池に較べ高エネ
ルギー密度になると期待され、盛んに研究がなされてい
る。特に、Liを負極とする非水電解質二次電池につい
て多くの研究がなされている。しかし、金属状のアルカ
リ金属を負極に用いると、充電時にデンドライトが発生
し、短絡を起こし易いので、信頼性の低い電池となる。
この問題を解決するために、アルカリ金属としてのLi
とアルミニウム(Al)、鉛(Pb)との合金負極を用
いることが検討された。これら合金負極を用いると、充
電でLiは負極合金中に吸蔵され、デンドライトの発生
がなく信頼性の高い電池となる。しかし、合金負極の放
電電位は金属Liに比べ、約0.5V貴であるため、電
池の電圧も0.5V低く、これにより電池のエネルギー
密度も低いものとなる。一方、黒鉛などの炭素とLiの
層間化合物を負極とする研究もなされている。この化合
物負極でも、充電ではLiは炭素の層間に入りデンドラ
イトは発生しない。放電電位は金属Liに比べ約0.1
V貴であるにすぎず、電池電圧の低下も小さい。これに
より、より好ましい負極と言える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この負極にも
大きい問題があった。充電でLiが層間に入れるのは、
理論上、最高の値でC6Liであり、その場合の電気容
量は372Ah/kgである。しかし、通常の電池の充
放電では、負極の電気容量は230Ah/kg程度と小
さい。本発明は、このような課題を解決するもので、よ
り高エネルギー密度で、デンドライトによる短絡のな
い、信頼性の高い非水電解質二次電池を与える負極を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、各種材料
を炭素化した炭素材料について負極としての特性を種々
検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明の非水電解質二次電池用負極は、数平均分子量2
500以上のポリアニリンの熱分解反応により生成した
炭素材料からなる。また、本発明の負極は、メチルアニ
リン、ジメチルアニリン、トリメチルアニリン、テトラ
メチルアニリン、エチルアニリン、ジエチルアニリン、
プロピルアニリン、およびブチルアニリンからなる群よ
り選ばれる少なくとも1つを含む重合体の熱分解反応に
より生成した炭素材料からなる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、前記のように、負極炭
素材料を得る原料として、数平均分子量2500以上の
ポリアニリン、またはメチルアニリン、ジメチルアニリ
ン、トリメチルアニリン、テトラメチルアニリン、エチ
ルアニリン、ジエチルアニリン、プロピルアニリン、お
よびブチルアニリンからなる群より選ばれる少なくとも
1つを含む重合体を用いる。この重合体は、単独重合体
にみでなく、共重合体であってもよい。
【0006】本発明では、また無機酸または有機酸を含
むアニリンまたはその誘導体の重合体を負極炭素材料を
得る原料に用いる。ここで、アニリンの誘導体として
は、メチルアニリン、ジメチルアニリン、トリメチルア
ニリン、テトラメチルアニリン、エチルアニリン、ジエ
チルアニリン、プロピルアニリン、およびブチルアニリ
ンからなる群より選ばれる少なくとも1種が適当であ
る。無機酸としては塩酸、硫酸、過塩素酸、および硝酸
からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。ま
た、有機酸としてはギ酸、酢酸、アクリル酸、プロピオ
ン酸、トルエンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、
およびポリビニルスルホン酸からなる群より選ばれる少
なくとも1種が好ましい。なお、以後の実施例では、特
開平3−28229号公報に記載の方法で数平均分子量
の異なるアニリンもしくはアニリン誘導体の重合体また
は無機酸もしくは有機酸をドープしたアニリン重合体を
合成した。この方法では、従来の合成法とは異なり、主
にパラ位で重合し、また反応温度によっては、高分子量
でも分子量が測定可能な可溶性重合体を得ることができ
る。このようなアニリン重合体を加熱すると、詳細は不
明であるが、炭素構造がより発達するためか容量ならび
にサイクル特性が向上する。上記の原料を炭素化するた
めの加熱温度は、600〜2000℃の範囲が適当であ
る。
【0007】非水電解質二次電池用負極を製造するに
は、上記のようにして炭素化した炭素材料を適当に粉砕
し、これに結着剤を混合し、負極集電体と一体に加圧成
型する方法が最も普通に用いられる。また、上記の原料
を負極集電体表面に担持させ、これを加熱して前記炭素
原料を炭素化する工程によって電極を製造することもで
きる。この方法においては、負極集電体の耐熱性を考慮
し、600〜1700℃の範囲が選ばれる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 《実施例1》ここでは、数平均分子量Mnが2500以
上のポリアニリンを加熱し、炭素化して得た炭素質材料
について検討した。また、比較例として数平均分子量が
1000のポリアニリンを用いた。なお、数平均分子量
の異なるポリアニリンは、特開平3−28229号公報
に記載の方法にしたがい、蒸留水3000gに、36%
塩酸180mlおよびアニリン200gを順次加えてア
ニリンを溶解させ、これにさらに、蒸留水750gに9
7%の濃硫酸217gを溶解させた硫酸水溶液を加え
た。一方、蒸留水1147gにペルオキソ二硫酸アンモ
ニウム490gを溶解させた酸化剤水溶液を作製し、こ
れを先に作製したアニリン溶液に徐々に滴下し、ポリア
ニリン粉末を作製した。なおこのとき、反応温度を−5
〜50℃の温度範囲に設定し、分子量が異なるポリアニ
リン粉末を作製した。得られた重合体を蒸留水で十分洗
浄後、2Nアンモニア水に加え、脱ドープ処理を行い、
水洗乾燥して分子量の異なる可溶性重合体を合成した。
これらのポリアニリンを窒素ガス雰囲気中において、1
000℃で1時間加熱して炭素化した。こうして得られ
た炭素質材料の電極としての特性を検討するため、図1
に示す円筒型電池を作製した。充電、放電に対して可逆
性を有する正極活物質として、LiMn24を用いた。
この正極活物質100gに対して導電剤として炭素粉末
を10g、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5g加
え、ジメチルホルムアミドを用いてペースト状にし、チ
タンの芯材に塗布、乾燥し、圧延することにより正極板
を作製した。負極板は、上記の炭素粉末100gに対し
て結着剤としてポリフッ化ビニリデン5gを加え、ジメ
チルホルムアミドを用いてペースト状にし、ニッケルの
芯材に塗布、乾燥し、圧延することにより作製した。
【0009】上記の正極板1と負極板2とを微孔性ポリ
プロピレンフィルムからなるセパレ−タ3を介して渦巻
状に捲回して電極群を構成した。この電極群をその上下
それぞれにポリプロピレン製の絶縁板6、7を配して電
槽8に挿入し、電槽8の上部に段部を形成させた後、非
水電解液として、1モル/lの過塩素酸リチウムを溶解
したエチレンカーボネートとジメトキシエタンの体積比
1:1の混合溶液を注入し、正極端子10を有する合成
樹脂製封口板9で密閉して、図1に示した円筒形電池を
構成した。なお、正極1に溶接された芯材と同材質の正
極リード4は正極端子10に、また負極2に溶接された
芯材と同材質の負極リード5は電槽8に接続されてい
る。各種の炭素材料からなる負極を用いた電池につい
て、充放電電流を0.1mA/cm2、充放電電圧範囲
を4.3〜3.0Vとして充放電サイクル試験を行っ
た。表1に1サイクル目の放電容量と100サイクル目
の放電容量維持率を示した。
【0010】
【表1】
【0011】数平均分子量Mnが2500以上のポリア
ニリンを加熱して得られた炭素質材料からなる負極を用
いた電池は極めて容量が大きく、しかも、サイクル性に
優れていることがわかる。なお、この理由としては、よ
り分子量の大きなポリアニリンを用いることで、炭素構
造がより発達したために、容量ならびにサイクル性が向
上したものと考えられる。
【0012】《実施例2》ここでは、メチルアニリン、
ジメチルアニリン、トリメチルアニリン、テトラメチル
アニリン、エチルアニリン、ジエチルアニリン、プロピ
ルアニリン、およびブチルアニリンの各重合体(数平均
分子量は1000)を原料とし、窒素ガス雰囲気中にお
いて、1000℃で1時間加熱することにより炭素化し
て得た炭素質材料について検討した。また、比較例とし
て、数平均分子量が1000のポリアニリンを用い、同
様の条件で炭素化した。なお、上記アニリン重合体は、
実施例1と同様の方法で前記アニリンモノマーを反応さ
せ、分子量を測定することが可能な可溶性重合体を合成
した。これらの炭素質材料の電極としての特性を検討す
るため、実施例1と全く同様に正極活物質にLiMn2
4を用いて図1に示す円筒型電池を作った。実施例1
と同様の条件で求めた1サイクル目の放電容量と100
サイクル目の放電容量維持率を表2に示す。本実施例に
よる電池は極めて容量が大きく、サイクル性にも優れて
いることがわかる。なお、この理由としては、アニリン
骨格にメチル基などのアルキル基を付与することで、よ
り炭素構造が発達したため、容量ならびにサイクル性が
向上したものと考えられる。
【0013】
【表2】
【0014】《実施例3》ここでは、無機酸の塩酸、硫
酸、硝酸または過塩素酸をドープした2,3−ジメチル
アニリンの重合体(数平均分子量が1000)と数平均
分子量が10000のポリアニリンを窒素ガス雰囲気中
において、1000℃で1時間加熱することにより、炭
素化して得た炭素質材料について検討した。無機酸のド
ープ量はいずれもアニリン環1ユニット当たり0.2分
子とした。なお、上記アニリン重合体は、実施例1と同
様の方法で前記アニリンモノマーを反応させ、分子量を
測定後、上記無機酸溶液に浸漬させ各種無機酸をドープ
し合成した。このようにして得られた炭素質材料の電極
としての特性を検討するため、実施例1と全く同様に円
筒型電池を作製し、同じ条件で1サイクル目の放電容量
と100サイクル目の放電容量維持率を求めた。その結
果を表3に示す。
【0015】
【表3】
【0016】無機酸をドープしたポリアニリンならびに
ポリ2,3−ジメチルアニリンを加熱して得られた炭素
質材料を負極に用いた電池は、極めて容量が大きく、し
かも、サイクル性に優れていることがわかる。なお、こ
の理由としては、加熱時に無機酸が脱離する際に充放電
に有効なリチウムの収納サイトを形成したことが容量増
加に寄与したことなどが考えられるが、詳細は不明であ
る。
【0017】《実施例4》ここでは、有機酸のギ酸、酢
酸、アクリル酸、プロピオン酸、トルエンスルホン酸、
ポリスチレンスルホン酸、またはポリビニルスルホン酸
をドープした2,3−ジメチルアニリンの重合体(数平
均分子量が1000)と数平均分子量が10000のポ
リアニリンを窒素ガス雰囲気中において、1000℃で
1時間加熱することにより、炭素化して得た炭素質材料
について検討した。有機酸のドープ量はいずれもアニリ
ン環1ユニット当たり0.15分子である。なお、上記
アニリン重合体は、実施例1と同様の方法で前記アニリ
ンモノマーを反応させ、分子量を測定後、上記有機酸溶
液に浸漬させ各種有機酸をドープした重合体を合成し
た。このようにして得られた炭素質材料の電極としての
特性を検討するため、実施例1と全く同様に円筒型電池
を作製し、同条件で特性を測定した。その結果を表4に
示す。
【0018】
【表4】
【0019】有機酸をドープしたポリアニリンならびに
ポリ2,3−ジメチルアニリンを加熱して得られた炭素
質材料を負極に用いた電池は、極めて容量が大きく、し
かも、サイクル性に優れている。なお、この理由として
は、加熱時に有機酸が脱離する際に充放電に有効なリチ
ウムの収納サイトを形成したことが容量増加に寄与した
ことなどが考えられるが、詳細は不明である。
【0020】《実施例5》ここでは加熱温度について詳
しく検討した。400〜2200℃の範囲で検討した。
数平均分子量が25000のポリアニリンとポリ2,3
−ジメチルアニリン、さらにはトルエンスルホン酸をド
ープした数平均分子量が1000のポリアニリンを窒素
ガス雰囲気中において、400〜2200℃の温度で1
時間加熱することにより、炭素化した。こうして得られ
た炭素質材料の電極としての特性を検討するため、実施
例1と全く同様に円筒型電池を作製し、同じ条件で1サ
イクル目の放電容量と100サイクル目放電容量維持率
を測定した。その結果を表5に示した。
【0021】
【表5】
【0022】加熱温度を600〜2000℃の範囲とす
ると、極めて容量が大きく、しかも、サイクル性に優れ
た炭素質材料が得られることがわかる。なお、本実施例
では、数平均分子量が25000のポリアニリンとポリ
2,3−ジメチルアニリン、およびトルエンスルホン酸
をドープした数平均分子量が1000のポリアニリンを
用いて説明したが、この他、数平均分子量が2500以
上のポリアニリン、およびメチルアニリン、トリメチル
アニリン、テトラメチルアニリン、エチルアニリン、ジ
エチルアニリン、プロピルアニリン、ブチルアニリンの
重合体、ならびに無機酸または有機酸をドープした上記
アニリン誘導体あるいはアニリンの重合体についても全
く同様の試験を行い、やはり、加熱温度範囲としては6
00〜2000℃の範囲で極めて容量が大きく、しか
も、サイクル性に優れていることが確認された。600
℃より低い加熱温度では、炭素化が不充分であるために
容量が小さいと考えられる。
【0023】《実施例6》本実施例においては、炭素化
する原料を負極集電体表面に形成する工程、およびこれ
を不活性雰囲気中で加熱して炭素化する工程を有する非
水電解質二次電池用負極の製造方法について検討した。
炭素化する原料には、数平均分子量が2500〜300
00のポリアニリンを用いた。このポリアニリンにジメ
チルホルムアミドを加えペースト状にしたものを銅の芯
材に塗布した後、110℃で乾燥した。塗布した各原料
有機材料の重量は3gである。この極板を窒素ガス気流
中において700℃で1時間加熱することにより、原料
有機材料を炭素化し、負極板とした。比較例の有機材料
として数平均分子量が1000のポリアニリンを用い
た。こうして得た電極を負極に用いて実施例1と同様に
して円筒型電池を作製し、初期容量、および100サイ
クル目の容量維持率を測定した。その結果を表6に示
す。
【0024】
【表6】
【0025】本実施例による電池は、初期容量が大き
く、100サイクル目の維持率も高い値を示した。この
理由としては、数平均分子量が2500〜30000の
ポリアニリンを原料とすることにより、得られる炭素質
材料の収率が比較例よりも高いことなどが考えられる。
【0026】《実施例7》本実施例においては、メチル
アニリン、ジメチルアニリン、トリメチルアニリン、テ
トラメチルアニリン、エチルアニリン、ジエチルアニリ
ン、プロピルアニリン、およびブチルアニリンの各重合
体(数平均分子量は1000)を炭素化する原料に用い
て、実施例6と同様にして電極を作製した。すなわち、
上記の重合体にジメチルホルムアミドを加えペースト状
にしたものを銅の芯材に塗布した後、110℃で乾燥
し、次いで、この極板を窒素ガス気流中において700
℃で1時間加熱し、負極板とした。なお、塗布した各重
合体の重量は3gである。比較例には、有機材料として
数平均分子量が1000のポリアニリンを用いた。こう
して得た電極を負極に用いて実施例1と同様にして円筒
型電池を作製し、初期容量、および100サイクル目の
容量維持率を測定した。その結果を表7に示す。
【0027】
【表7】
【0028】本実施例による電池は、初期容量が大き
く、100サイクル目の維持率も高い値を示した。この
理由としては、上記の重合体を原料とすることにより、
得られる炭素質材料の収率が比較例よりも高いことなど
が考えられる。
【0029】《実施例8》本実施例においては、無機酸
の塩酸、硫酸、硝酸または過塩素酸をドープした2,3
−ジメチルアニリンの重合体(数平均分子量は100
0)、および数平均分子量が10000のポリアニリン
を原料として、負極集電体表面に炭素質材料を形成して
電極とする例を説明する。無機酸のドープ量はいずれも
アニリン環1ユニット当り0.2分子である。すなわ
ち、各重合体にジメチルホルムアミドを加えペースト状
にしたものを銅の芯材に塗布した後、110℃で乾燥し
た。塗布した各重合体の重量は3gである。この極板を
窒素ガス気流中において700℃で1時間加熱し、負極
板とした。また、比較例として無機酸をドープしない数
平均分子量が10000のポリアニリンとポリ2,3−
ジメチルアニリンを用い、同様の条件で炭素化した。こ
うして得た電極を負極に用いて実施例1と同様にして円
筒型電池を作製し、初期容量、および100サイクル目
の容量維持率を測定した。その結果を表8に示す。
【0030】
【表8】
【0031】本実施例による電池は、初期容量が大き
く、100サイクル目の維持率も高い値を示した。
【0032】《実施例9》】本実施例においては、有機
酸のギ酸、酢酸、アクリル酸、プロピオン酸、トルエン
スルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、またはポリビニ
ルスルホン酸をドープした2,3−ジメチルアニリンの
重合体(数平均分子量は1000)および数平均分子量
が10000のポリアニリンを原料とした。有機酸のド
ープ量はいずれもアニリン環1ユニット当たり0.15
分子である。上記の重合体にジメチルホルムアミドを加
えペースト状にしたものを銅の芯材に塗布した後、11
0℃で乾燥した。塗布した各重合体の重量は3gであ
る。この極板を窒素ガス気流中において700℃で1時
間加熱し、負極板とした。また、比較例として有機酸を
ドープしない数平均分子量が10000のポリアニリン
とポリ2,3−ジメチルアニリンを用い、同様の条件で
炭素化した。こうして得た電極を負極に用いて実施例1
と同様にして円筒型電池を作製し、初期容量、および1
00サイクル目の容量維持率を測定した。その結果を表
9に示す。
【0033】
【表9】
【0034】本実施例による電池は、初期容量が大き
く、100サイクル目の維持率も高い値を示した。
【0035】《実施例10》ここでは、数平均分子量が
20000のポリアニリンを負極集電体表面に形成し、
これを不活性雰囲気中において各種の温度で加熱して負
極を製造する方法について検討した。数平均分子量が2
0000のポリアニリンにジメチルホルムアミドを加え
ペースト状にしたものをチタンの芯材に塗布した後、1
10℃で乾燥した。塗布したポリアニリンの重量は3g
である。この極板を窒素ガス気流中において400〜1
800℃の範囲の温度で加熱し、負極板とした。こうし
て得た電極を負極に用いて実施例1と同様にして円筒型
電池を作製し、初期容量、および100サイクル目の容
量維持率を測定した。その結果を表10に示す。
【0036】
【表10】
【0037】加熱温度が600〜1700℃の範囲のと
き極めて容量が大きく、しかも、サイクル性に優れてい
ることがわかる。なお、本実施例では数平均分子量が2
0000のポリアニリンを用いて説明したが、この他、
数平均分子量が2500以上のポリアニリン、および前
記の実施例に用いたアニリン誘導体の重合体、ならびに
無機酸または有機酸をドープしたアニリン誘導体もしく
はアニリンの重合体についても、適当な加熱温度範囲は
600〜1700℃の範囲であった。この理由として
は、600℃より低い加熱温度では炭素化が不充分であ
るために容量が小さい。また、1700℃より高い温度
では負極芯材に用いたチタンが融解するために電池を作
製することができない。
【0038】なお、上記の実施例では、正極にLiMn
24を用いたが、本発明による炭素負極は、LiCoO
2、LiNiO2、LiFeO2、γ型LiV25などを
はじめとして充放電に対して可逆性を有する他の正極と
組み合わせた場合にも同様の効果があることは言うまで
もない。また、本実施例では、円筒型電池について説明
したが、本発明で示した容量増加などの技術思想は同一
のものであることから、この構造に限定されるものでは
なくコイン型、ボタン型、角形、偏平型などの形状の二
次電池においても全く同様の効果が得られる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高エネル
ギー密度で、デンドライトによる短絡のない、信頼性の
高い非水電解質二次電池を与える負極を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いたた円筒型電池の断面概
略図である。
【符号の説明】
1 正極 2 本発明負極 3 セパレータ 4 正極リード板 5 負極リード板 6 上部絶縁板 7 下部絶縁板 8 電槽 9 封口板 10 正極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美藤 靖彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 豊口 ▲吉▼徳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量が2500以上のポリアニ
    リンの熱分解反応により生成した炭素材料からなる非水
    電解質二次電池用負極。
  2. 【請求項2】 メチルアニリン、ジメチルアニリン、ト
    リメチルアニリン、テトラメチルアニリン、エチルアニ
    リン、ジエチルアニリン、プロピルアニリン、およびブ
    チルアニリンからなる群より選ばれる少なくとも1つを
    含む重合体の熱分解反応により生成した炭素材料からな
    る非水電解質二次電池用負極。
  3. 【請求項3】 数平均分子量が2500以上のポリアニ
    リンを加熱し、炭素化する工程を有することを特徴とす
    る非水電解質二次電池用負極の製造方法。
  4. 【請求項4】 メチルアニリン、ジメチルアニリン、ト
    リメチルアニリン、テトラメチルアニリン、エチルアニ
    リン、ジエチルアニリン、プロピルアニリン、およびブ
    チルアニリンからなる群より選ばれる少なくとも1つを
    含む重合体を加熱し、炭素化する工程を有することを特
    徴とする非水電解質二次電池用負極の製造方法。
  5. 【請求項5】 無機酸または有機酸を含有するアニリン
    誘導体またはアニリンの重合体を加熱し、炭素化する工
    程を有することを特徴とする非水電解質二次電池用負極
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 加熱温度が600〜2000℃の範囲で
    ある請求項3〜5のいずれかに記載の非水電解質二次電
    池用負極の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記炭素化する材料を負極集電体表面に
    形成する工程、およびこれを不活性雰囲気中で加熱する
    工程を有する請求項3、4または5に記載の非水電解質
    二次電池用負極の製造方法。
  8. 【請求項8】 加熱温度が600〜1700℃の範囲で
    ある請求項7に記載の非水電解質二次電池用負極の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記無機酸が塩酸、硫酸、過塩素酸、お
    よび硝酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である
    請求項5に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記有機酸がギ酸、酢酸、アクリル
    酸、プロピオン酸、トルエンスルホン酸、ポリスチレン
    スルホン酸、およびポリビニルスルホン酸からなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載の非水
    電解質二次電池用負極の製造方法。
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