JPH10219008A - 核酸ポリマーパターン薄膜とその形成方法並びに薄膜 用組成物 - Google Patents

核酸ポリマーパターン薄膜とその形成方法並びに薄膜 用組成物

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JPH10219008A
JPH10219008A JP2147797A JP2147797A JPH10219008A JP H10219008 A JPH10219008 A JP H10219008A JP 2147797 A JP2147797 A JP 2147797A JP 2147797 A JP2147797 A JP 2147797A JP H10219008 A JPH10219008 A JP H10219008A
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acid polymer
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Kuniharu Ishiro
邦治 居城
Masatsugu Shimomura
政嗣 下村
Oraf Kurthouse
カートハウス・オラフ
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状特異性のある核酸ポリマー薄膜を提供す
る。 【解決手段】 核酸ポリマーと疎水性カチオン性界面活
性剤との混合により形成したポリイオンコンプレックス
を疎水性有機溶媒に溶解し、得られた溶液を固体表面に
展開して乾燥し、細線構造や網目構造にパターン化され
た核酸ポリマーのパターン薄膜を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、核酸ポリ
マーパターン薄膜とその形成方法並びに薄膜用組成物に
関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明
は、変異原活性物質のセンサーや分子素子形成等に有用
な、核酸ポリマーのパターン化された薄膜とその形成方
法並びにそのための組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】DNA、RNA等の核酸ポリマーは、分
子素子技術や、発ガン性等のある変異原活性物質の検出
センサー等としての応用も期待されているものである。
このような核酸ポリマーについては、カチオン性界面活
性剤と水溶液状で混合するとポリイオンコンプレックス
が生成し、水に不溶な沈殿となることが知られている。
つまり、アニオン性高分子電解質としての核酸ポリマー
とカチオン性界面活性剤とのコンプレックスが生成され
ることが知られている。
【0003】しかしながら、分子ワイヤー、分子認識と
して活用に期待されている機能性ポリマーとしての核酸
ポリマーについては、これを形状特異的に構成すること
は、ポリイオンコンプレックスとして多層化することの
検討を除いてはほとんど進められていない。こんため、
核酸ポリマーの利用については、その実用的な展望が拓
かれていないのが実情である。
【0004】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、以上
のとおりの課題を解決するためになされたものであっ
て、核酸ポリマーを形状特異的に構成することを可能と
するものとして、核酸ポリマーのパターン化された薄膜
であることを特徴とする核酸ポリマーパターン薄膜を提
供する。
【0005】そして、この出願の発明は、このパターン
薄膜の形成方法として、核酸ポリマーと疎水的カチオン
性界面活性剤との混合により生成したポリイオンコンプ
レックスを疎水性有機溶媒に溶解し、得られた溶液を固
体表面に展開した後に乾燥することを特徴とする方法
や、この方法のための組成物としての、前記のポリイオ
ンコンプレックスとこれを溶解する疎水性有機溶媒との
溶液からなることを特徴とするパターン薄膜形成用組成
物も提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、前記のとおり
の特徴を持つものであるが、この発明により提供される
パターン薄膜については、核酸ポリマーは、DNA、R
NA等の適宜なものであってよい。核酸ポリマーは、す
でに知られているように、カチオン性界面活性剤と水溶
液状で混合すると、水に不溶性のポリイオンコンプレッ
クスが生成されるが、この発明では、カチオン性界面活
性剤の疎水性を選択することにより疎水性有機溶媒に溶
解させて溶液とする。
【0007】この際の疎水的カチオン性界面活性剤につ
いては適宜なものが選択されるが、代表的なものを例示
すると、第4級アンモニウム塩化合物やアミン化合物そ
してそれらの塩、カルバミン酸塩化合物等が挙げられ
る。そして疎水性有機溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン等の芳香族炭化水素、イソオクタン等の脂肪族または
脂環式炭化水素、クロロホルム、ジクロメタン等のハロ
ゲン化炭化水素等の各種のものが例示される。
【0008】ポリイオンコンプレックスを疎水性有機溶
媒に溶解して溶液としたこの発明の組成物は、これを固
体表面、たとえばガラス、雲母、石英、シリコン、炭
素、さらには各種の金属、無機物、有機樹脂等の平滑な
表面に塗布等によって展開し、その後乾燥させること
で、細線構造や網目構造として特有のパターン化された
核酸ポリマー薄膜とされる。外部エネルギーをほとんど
加えることなしに自己組成物に特定構造のパターンが形
成される。
【0009】この際に、溶媒の種類と、核酸ポリマーの
種類と分子量、そして濃度、乾燥の際の湿度、温度等の
成膜条件を制御することで、パターン構造の種類や大き
さが選択、変更されることになる。たとえばパターン薄
膜の形成時に展開するポリイオンコンプレックスの疎水
性有機溶媒の濃度は、10〜1000mg/l程度とす
るのが好ましい。
【0010】展開濃度が低いと、たとえば実施例におい
て示している細線構造の線の間隔は広く、網目構造の目
の部分は大きくなるのに対し、展開濃度が高いと細線構
造の線の間隔は狭く、網目構造の目の部分は小さくな
る。つまり、展開する溶液の粘度がパターン構造を規制
する。また、DNA、RNA等の核酸ポリマーの分子量
については、実施例の場合には、分子量1〜50万程度
では形成されるパターンには大きな相違はない。そし
て、細線構造は、温度10〜100℃強程度で、また網
目構造は、85%以上の湿度において、温度10〜60
℃程度において明瞭に形成される。
【0011】得られたパターン薄膜は、たとえば、変異
原活性物質(発ガン性あり、DNAと強く結合する)の
センサーへの応用が考慮される。たとえば、細線構造の
パターンの両端に電極を接着し、変異原活性物質が核酸
ポリマーに結合することで変化する導電性を測定し、変
異原活性物質の濃度を求めることである。また、たとえ
ば、パターン薄膜を固体表面から剥離して変異原活性物
質のフィルターとすることも考慮される。
【0012】その他、各種の態様での応用が可能とされ
る。そこで以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明
の実施の形態について説明する。
【0013】
【実施例】牛胸腺由来で、米国Sigma社から購入
し、水溶液中で超音波により高分子鎖を分断した、分子
量は約1万以上のDNAを用い、この超音波で切断した
DNAの25mg/25mlの濃度の水溶液(HEPE
S緩衝溶液、0.01M、pH8.0)を作製し、ま
た、DNAのリン酸アニオンの1.2mol等量のカチ
オン界面活性剤を25mlの水溶液(HEPES緩衝溶
液、0.01M、pH8.0)に超音波で分散した。カ
チオン性界面活性剤としてはジメチル−ジオクタデシル
アンモニウムブロミドを用いた。DNA水溶液とカチオ
ン界面活性剤水分散液を室温で混合して、析出した沈殿
物を蒸留水で洗浄後、凍結乾燥した。
【0014】このものを、疎水性有機溶媒としてのクロ
ロホルムに溶解し、得られたクロロホルム溶液(濃度1
00mg/l)を、展開した雲母の表面にたらしてキャ
ストし、湿度87%において40℃の温度で乾燥させ
た。その結果、たとえば、DNA薄膜の中心部において
は、図1の蛍光像にみられるような網目(ハニカム)構
造のパターンが得られ、エッジ部では、図2の蛍光像に
みられるような細線構造のパターンが得られる。
【0015】これらのパターンは、光学顕微鏡、蛍光顕
微鏡、AFM(原子間力顕微鏡)等によって確認され
る。
【0016】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によって、これまでに知られていない細線構造や網
目構造等のパターン化された形状特異性のある核酸ポリ
マー薄膜が提供される。変異原活性物質のセンサーや分
子素子等への応用を拓く。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例としての網目(ハニカム)パターンを例
示した図面に代わる蛍光顕微鏡写真である。
【図2】実施例としての細線構造パターンを例示した図
面に代わる蛍光顕微鏡写真である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核酸ポリマーのパターン化された薄膜で
    あることを特徴とする核酸ポリマーパターン薄膜。
  2. 【請求項2】 核酸ポリマーがDNAまたはRNAであ
    る請求項1の核酸ポリマーパターン薄膜。
  3. 【請求項3】 細線構造または網目構造にパターン化さ
    れている請求項1または2の核酸ポリマーパターン薄
    膜。
  4. 【請求項4】 核酸ポリマーと疎水的カチオン性界面活
    性剤との混合により生成したポリイオンコンプレックス
    を疎水性有機溶媒に溶解し、得られた溶液を固体表面に
    展開した後に乾燥し、パターン化された核酸ポリマー薄
    膜を形成することを特徴とする核酸ポリマーパターン薄
    膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4の方法により形成した核酸ポリ
    マーパターン薄膜を固体表面より剥離することを特徴と
    する核酸ポリマーパターン薄膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 核酸ポリマーと疎水的カチオン性界面活
    性剤との混合により形成されるポリイオンコンプレック
    スとこれを溶解する疎水性有機溶媒との溶液からなるこ
    とを特徴とする核酸ポリマーパターン薄膜用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001181295A (ja) * 1999-12-24 2001-07-03 Asahi Denka Kogyo Kk 成型体の製造方法
JP2002347107A (ja) * 2001-05-22 2002-12-04 Inst Of Physical & Chemical Res 延伸フィルムおよびそれを用いた細胞培養基材

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