JPH10218917A - 紫外線硬化型樹脂組成物及びそれを用いて成る熱線遮蔽膜 - Google Patents

紫外線硬化型樹脂組成物及びそれを用いて成る熱線遮蔽膜

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JPH10218917A
JPH10218917A JP2014697A JP2014697A JPH10218917A JP H10218917 A JPH10218917 A JP H10218917A JP 2014697 A JP2014697 A JP 2014697A JP 2014697 A JP2014697 A JP 2014697A JP H10218917 A JPH10218917 A JP H10218917A
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ultraviolet
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photopolymerization initiator
film
extinction coefficient
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Takashi Fukuda
敬志 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、別途保護膜を設ける必要のない十
分な表面硬度をもち、耐傷付き性、耐候性に優れた大面
積の透明熱線遮蔽膜を低コストで効率よく成膜できる熱
線遮蔽膜形成材を提供することを目的とする。 【解決手段】 錫ドープ酸化インジウム粉末、紫外線硬
化型化合物、および350〜390nmにおける光重合
開始剤のモル吸光係数が1000[ l ・ cm -1・ mol
-1]以上であるか、又は300〜330nmのモル吸
光係数が10000[ l ・ cm -1・ mol -1]以上である
光重合開始剤を含有することを特徴とする紫外線硬化型
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線硬化型樹脂
組成物に関し、詳しくは熱線遮蔽機能を有する硬化膜を
形成し得る紫外線硬化型樹脂組成物、及び係る紫外線硬
化型樹脂組成物からなる熱線遮断膜に関する。更に詳し
くは可視光に対しては透明で、表面硬度の高く耐傷付き
性、耐候性に優れた熱線遮蔽機能を有する硬化膜を形成
し得る紫外線硬化型樹脂組成物、及び係る紫外線硬化型
樹脂組成物からなり、可視光に対しては透明で、表面硬
度の高く耐傷付き性、耐候性に優れた熱線遮断膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】錫ドープ酸化インジウム(以下、ITO
と略す)は、可視光領域において透明であり、近赤外域
および、それより長波長側において優れた遮蔽性を有す
る。係る機能を利用してITOは車両や建築物の窓等に
熱線遮蔽性を付与する為に用いられている。係るITO
を用いて熱線遮蔽膜を得る方法としては、(a1)蒸着
またはスパッタリングでガラス基板上やプラスチックフ
ィルム上にITO膜を形成する方法、(a2)ITO、
金属、金属酸化物、金属窒化物等を蒸着、スパッタリン
グ等の方法でガラス基板上やプラスチックフィルム上に
順次薄膜形成し、多層構造としたもの、(b)ITOの
微粒子を樹脂、有機溶剤及び/又は水中に分散し、プラ
スチックフィルムやガラス上に塗布する方法等がある。
【0003】しかし、(a1)の場合、大面積の膜を効
率よく形成することは困難であり、製造コストもかか
る。また、バインダー成分の無い単一膜であるため強度
的にも難がある。さらに、蒸着やスパッタリングで得ら
れる膜は、薄膜過ぎて十分な熱線遮蔽機能を発揮し得な
い。(a2)の多層構造の場合、高精度の膜厚制御を行
いながら多層化していく必要があるため、(a1)より
もさらに製造コストがかかる上、金属の膜を用いるため
透明性に欠けるという欠点がある。
【0004】(b)の場合は、十分な熱線遮蔽機能を発
揮し得る厚さの膜を比較的低コストで簡便に形成できる
が、樹脂として熱可塑性樹脂を用いると、表面硬度が不
足し傷つきやすく、耐候性にも欠ける。透明熱線遮蔽膜
の用途としては、車両や建築物の窓部等への適用が考え
られ、耐傷付き性や耐候性は非常に重要な性能の一つで
ある。そこで上記のような場合は別途保護膜を設ける等
の補助的手段を講じなければならないが、工数が増え煩
雑となるので、係る保護膜を必要とはしない熱線遮蔽機
能を有する膜が望まれている。
【0005】(b)の場合、樹脂として熱硬化型樹脂を
用いることも考えられ、係る熱硬化型樹脂樹脂を用いれ
ば、表面硬度等に富む膜を得ることは可能ではあるが、
基材がプラスチックフィルムの場合はフィルムの変形等
を引き起こさないようにするためには加熱にかなり制限
が課せられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、別途保護膜
を設ける必要のない十分な表面硬度をもち、耐傷付き
性、耐候性に優れた大面積の透明熱線遮蔽膜を低コスト
で効率よく成膜できる熱線遮蔽膜形成材を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、錫ドープ
酸化インジウム粉末、紫外線硬化型化合物、および35
0〜390nmにおける光重合開始剤のモル吸光係数が
1000[ l ・ cm -1・ mol -1]以上であるか、又は3
00〜330nmのモル吸光係数が10000[ l ・ c
m -1・ mol -1]以上である光重合開始剤を含有すること
を特徴とする紫外線硬化型樹脂組成物である。
【0008】第2の発明は、分散樹脂及び/又は分散剤
を含有することを特徴とする第1の発明記載の紫外線硬
化型樹脂組成物である。
【0009】第3の発明は、光重合開始剤が、2−メチ
ル−1−[ 4−(メチルチオ)フェニル] −2−モルフ
ォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−
1のうち少なくとも1種であることを特徴とする第1の
発明又は第2の発明記載の紫外線硬化型樹脂組成物であ
る。
【0010】第4の発明は、第1の発明ないし第3の発
明いずれか記載の紫外線硬化型樹脂組成物を用いて成る
熱線遮蔽膜である。
【0011】
【発明の実施の形態】
【0012】本発明の紫外線硬化型樹脂組成物において
は、光重合性開始剤として350〜390nmのモル吸
光係数が1000[ l ・ cm -1・ mol -1]以上である
か、300〜330nmのモル吸光係数が10000
[ l ・ cm -1・ mol -1]以上である光重合開始剤を含有
することが重要である。
【0013】一般に光重合開始剤は、ラジカル生成能力
および生成したラジカルの反応性が高く(即ち高感度で
あり)、紫外線硬化型化合物との相溶性および貯蔵安定
性が良く、塗料化後の暗反応がなく安定で、更には黄変
性の無いものが好ましい。高感度であるためには、光源
のスペクトルの強度の高い領域と、光重合開始剤の感光
波長域とが重なり合っていることが不可欠である。塗料
やインキの硬化に一般的に用いられる光源は、高圧水銀
ランプやメタルハライドランプ等であり、これらのラン
プの320nm付近のスペクトルは高強度であるため、
この領域に感光波長をもつ光重合開始剤が多く用いられ
ている。
【0014】しかし、本発明者がこれら300〜330
nm付近に感光波長を有する光重合開始剤、例えば2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1
−オンや1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−
ケトン等を用いて検討した結果、ITOを含有する場
合、著しく感度が低下し、実用的な照射線量では硬化塗
膜が得られない事が明らかとなった。更に検討を重ねた
結果、この現象はITOの分光特性に起因していること
を見出した。即ちITOは係る紫外線領域において吸収
があり、Snのドープ量によって若干の差はあるものの
基礎吸収端は330nm付近、吸収極大は320nm付
近にあるため、これらの光重合開始剤のラジカル生成を
阻害し、硬化性を低下せしめている。
【0015】そこで、本発明は、光源が別の波長領域、
即ち、高圧水銀ランプでは350nm付近に、メタルハ
ライドランプでは350〜390nm付近にも高強度の
領域があることに鑑み、係る高強度の波長域に大きな吸
収域を有する光重合開始剤を用いることにより、係る硬
化阻害を防止し得たものである。また、本発明において
は光重合開始剤の吸収域がITOの吸収域に当たる30
0〜330nm域にあっても、かなり大きなモル吸光係
数、即ち10000[ l・ cm -1・ mol -1]以上のモル
吸光係数を有する場合にも、硬化性を向上せしめること
ができる。
【0016】なお、本発明において用いられる光重合開
始剤は、350〜390nmのモル吸光係数が1000
[ l ・ cm -1・ mol -1]以上であって、しかも300〜
330nmのモル吸光係数が10000[ l ・ cm -1
mol -1]以上であるものであってもよく、両条件を満た
す光重合開始剤が好ましい。本発明において好ましい光
重合開始剤としては、2−メチル−1−[ 4−(メチル
チオ)フェニル] −2−モルフォリノプロパノン−1、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフ
ォリノフェニル)−ブタノン−1が挙げられる。
【0017】過剰量の光重合開始剤は、塗膜の耐候性や
基材との密着性等の塗膜物性に影響を与えることがある
ため、添加量は実用上問題ない範囲で低減することが好
ましい。その点においてもモル吸光係数の大きな光重合
開始剤を用い、紫外線硬化型組成物を高感度化し得るこ
とは非常に大きな意味がある。本発明の紫外線硬化型組
成物において光重合開始剤は、紫外線硬化型化合物10
0重量部に対して0.5〜5重量部が好ましい。
【0018】本発明に使用するITO粉末の粒径は、平
均一次粒子径が0.2μm以下、特に0.01〜0.1
μm以下であることが、分散性および分散後の透明性の
点から好ましい。平均一次粒子径が0.2μmを越える
と可視光領域での光の散乱が大きくなり、膜の透明性が
損なわれる傾向にある。一方、平均一次粒子径が0.0
1μm未満では、凝集が起こりやすく、均一な分散体を
作る事が困難になることが多い。
【0019】従って、窓ガラス等の高透明性の要求され
る部位に使用する場合には、粒子径の小さいものを使用
することが好ましいが、壁や屋根等の透明性をさほど要
求されない部位に用いる場合には、比較的大粒子径のI
TO粉末を用いることもできる。また、ITO粉末は、
粗粒子が少なく粒度分布幅の狭いものが好ましい。
【0020】ITO粉末中のSnドープ量は、Sn/
(Sn+In)のモル比が0.01〜0.15、特に
0.04〜0.1となる範囲が好ましい。Sn/(Sn
+In)のモル比が0.01未満だと、Snの添加効
果、即ち熱線遮蔽の効果が小さくなり、一方Sn/(S
n+In)のモル比が0.15を越えるとSnの固溶が
不十分となり易い。
【0021】本発明において用いられる紫外線硬化型化
合物は、紫外線硬化能を有していれば構造、分子量等に
特に制限はなく、ポリマー、オリゴマー、モノマー等の
いずれであっても良く、又種々のものを組み合わせて用
いても良い。本発明において用いられる紫外線硬化型化
合物としては、(メタ)アクリロイル基、アリル基等を
有するものが挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有す
るものが硬化性の点から好ましい。(メタ)アクリロイ
ル基を有するものとしては、(メタ)アクリロイル基を
複数個有するもの(多官能(メタ)アクリルポリマー、
オリゴマー、モノマー)でも、(メタ)アクリロイル基
を一つだけ有するもの(単官能(メタ)アクリルポリマ
ー、オリゴマー、モノマー)でもよく、これらを併用す
ることもできる。(メタ)アクリロイル基を有するもの
のうち、(メタ)アクリル酸エステルが好適に使用で
き、対象とする基材との密着性、加工性、硬化性等を考
慮して、官能基数、基本骨格、アクリロイル基以外の官
能基の有無等の要素から適したものを選択して使用する
事ができる。
【0022】紫外線硬化型ポリマー、オリゴマーの例と
しては、アクリルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリエステルアクリレート、アルキドアクリレー
ト、ウレタンアクリレート等が挙げられるが、これらに
限定されるものではなく、加工性、硬化性、硬化塗膜の
基材との密着性や柔軟性を考慮して選択すればよい。
【0023】本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、有機
溶媒を含有する場合と、有機溶媒を用いず(メタ)アク
リルモノマーを希釈剤として含有する場合とがあり、後
者の場合には塗膜を得る際に特別の乾燥工程を必要とし
ない。係る後者の場合には、低粘度で希釈性に優れた
(メタ)アクリルモノマーを使用すればよい。係る(メ
タ)アクリルモノマーの例としては、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロ
キシエチル)イソシアヌレート、ジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。なお、上記の(メタ)アクリルモノマ
ーは、アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマー
の略である。本発明においては、ITO粉末100重量
部に対して紫外線硬化型化合物を10〜100重量部の
範囲内で配合することが好ましい。
【0024】本発明に使用する分散樹脂は特に限定され
ないが、ITO分散後の透明性が高く、前記紫外線硬化
型の成分との相溶性の良いものが好ましい。固形のもの
においては有機溶媒に溶解して使用すれば良い。適当な
樹脂の例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、CAB
樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。また、分散樹脂は、
一種類のみでも良いし、二種類以上を併用しても良い。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物において分散樹脂は、
ITO粉末100重量部に対して2〜25重量部の範囲
内で配合するのが好ましい。
【0025】分散樹脂を溶解するための適当な有機溶媒
の例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸
ブチル等の酢酸エステル類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化
水素、ブチルカルビトール等のエーテル類、ジクロロメ
タン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素などが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。また、有機
溶媒は、一種類のみで使用することもできるし、二種類
以上を併用して、混合溶媒として使用することもでき
る。又、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、上記有
機溶媒を塗布方法に合わせて適宜その粘度を調整するた
めに適宜添加してもよい。
【0026】本発明に使用する分散剤としては、顔料の
誘導体やの樹脂型の分散剤や活性剤型の分散剤を使用す
ることができる。例えば、樹脂型の分散剤としては、ソ
ルスパーズ20000、24000等(以上ゼネカ
(株)製)、ディスパービック111、160、170
等(BYK(株)製)等が挙げられる。係る分散剤は、
ITO粉末100重量部に対して0.5〜5重量部の範
囲内で配合するのが好ましい。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、これらは本発明を限定するものではない。
【0028】(実施例1)アルキド樹脂(日立化成株式
会社製)1gをキシレン3g、トルエン3.3g、およ
び酢酸エチル1.7gからなる混合溶媒に溶解した。こ
れにITO(富士チタン工業株式会社製)10gを添加
混合し、ジルコニアビーズを加えてペイントコンディシ
ョナーで2時間混練分散した。ジルコニアビーズを取り
除き、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(カ
ヤラッドDPHA:日本化薬株式会社製)を5g、2−
メチル−1−[ 4−(メチルチオ)フェニル] −2−モ
ルフォリノプロパノン−1(イルガキュアー907:チ
バガイギー株式会社製)を0.2g添加してディスパー
で攪拌混合し、紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
【0029】次に、この紫外線硬化型樹脂組成物をポリ
エチレンテレフタレート(以下、PETと略す)フィル
ムにバーコーターを用いて乾燥膜厚が5μになるように
塗布し、80℃で乾燥した後、紫外線を照射し(積算露
光量が200mJ/cm2 )、硬化塗膜を得た。得られ
た硬化塗膜の可視光透過率、近赤外線透過率、ヘイズ及
び鉛筆硬度を求め、その結果を表2に示す。尚、表1に
は用いた光重合開始剤のモル吸光係数を示した。
【0030】(実施例2)トルエン12gにソルスパー
ズ24000(ゼネカ株式会社製)を0.6g溶解した
ものに、ITO(富士チタン工業株式会社製)10gを
添加混合し、ジルコニアビーズを加えてペイントコンデ
ィショナーで2時間混練分散した。ジルコニアビーズを
取り除き、ウレタンアクリレート(アロニックスM−1
100:東亞合成株式会社製)を1g、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート(アロニックスM−305:東
亞合成株式会社製)を4g、および2−ベンジル−2−
ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−
ブタノン−1(イルガキュアー369:チバガイギー株
式会社製)を0.2g添加してディスパーで攪拌混合
し、紫外線硬化型樹脂組成物を得た。得られた紫外線硬
化型樹脂組成物について実施例1と同様にして硬化塗膜
を得、種々の評価をした。結果を表2に示す。
【0031】(比較例1)アルキド樹脂6gをキシレン
3g、トルエン3.3g、および酢酸エチル1.7gか
らなる混合溶媒に溶解した。これにITO(富士チタン
工業株式会社製)10gを添加混合し、ジルコニアビー
ズを加えてペイントコンディショナーで2時間混練分散
した。ジルコニアビーズを取り除き、カヤラッドDPH
A(日本化薬株式会社製)を5g、1−ヒドロキシ−シ
クロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュアー18
4:チバガイギー株式会社製)を0.2g添加してディ
スパーで攪拌混合し、紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
得られた紫外線硬化型樹脂組成物について実施例1と同
様にして硬化塗膜を得、種々の評価をした。結果を表2
に示す。
【0032】(比較例2)トリメチロールプロパントリ
アクリレート(カヤラッドTMPTA:日本化薬株式会
社製)6gにソルスパーズ24000(ゼネカ株式会社
製)を0.6g混合したものに、ITO(富士チタン工
業株式会社製)10gを添加混合し、ジルコニアビーズ
を加えてペイントコンディショナーで2時間混練分散し
た。ジルコニアビーズを取り除き、2、2−ジメトキシ
−1、2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア
ー651:チバガイギー株式会社製)を0.2g添加し
てディスパーで攪拌混合し、紫外線硬化型樹脂組成物を
得た。得られた紫外線硬化型樹脂組成物について実施例
1と同様にして硬化塗膜を得、種々の評価をした。結果
を表2に示す。
【0033】(比較例3)アルキド樹脂1gをキシレン
3g、トルエン3.3g、および酢酸エチル1.7gか
らなる混合溶媒に溶解した。これにITO(富士チタン
工業株式会社製)10gを添加混合し、ジルコニアビー
ズを加えてペイントコンディショナーで2時間混練分散
した。ジルコニアビーズを取り除き、ITO含有熱可塑
性樹脂組成物を得た。
【0034】次に、このITO含有熱可塑性樹脂組成物
PETフィルムにバーコーターを用いて乾燥塗膜厚が5
μになるように塗布し、80℃で乾燥して硬化塗膜を
得、実施例1の硬化塗膜と同様に評価した。結果を表2
に示す。
【0035】表2からも明らかなように、樹脂組成物を
紫外線硬化型とすることにより、赤外線遮蔽率、可視光
透過率およびヘイズをほとんど変えることなく、塗膜の
表面硬度を飛躍的に高めることができる。
【0036】また、実施例1〜2では、比較例1、2に
比べて塗膜の表面硬度が高い。これは、光重合開始剤の
種類に起因するものであって、即ち実施例1〜2の場
合、光重合開始剤の感光波長とITOの吸収波長とがず
れているのでITOによる硬化阻害を回避できたもので
ある。比較例1、2においても、更に照射時間を増やす
ことによって紫外線照射量を増やしたり、あるいは光重
合開始剤の添加量を増やすしたりすることによって、あ
る程度の硬化性の向上を期待することはできるが、生産
性が低下するのみでなく、塗膜の耐候性や基材との密着
性が著しく低下する。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】特定の光重合開始剤を用いることによっ
て、本発明は、ITO粉末を含有する紫外線硬化型樹脂
組成物であるにも係わらず、別途保護膜を設ける必要の
ない十分な表面硬度をもち、耐傷付き性、耐候性に優れ
た大面積の透明熱線遮蔽膜を低コストで効率よく熱線遮
蔽膜を効率よく提供することが出来るようになった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 錫ドープ酸化インジウム粉末、紫外線硬
    化型化合物、および350〜390nmにおける光重合
    開始剤のモル吸光係数が1000[ l ・ cm -1・mol
    -1]以上であるか、又は300〜330nmのモル吸
    光係数が10000[l ・ cm -1・ mol -1]以上である
    光重合開始剤を含有することを特徴とする紫外線硬化型
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 分散樹脂及び/又は分散剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の紫外線硬化型樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 光重合開始剤が、2−メチル−1−[ 4
    −(メチルチオ)フェニル] −2−モルフォリノプロパ
    ノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
    (4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1のうち少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の紫外線硬化型樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の紫外線
    硬化型樹脂組成物を用いて成る熱線遮蔽膜。
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