JPH10216536A - アニオン交換樹脂の回生方法 - Google Patents

アニオン交換樹脂の回生方法

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JPH10216536A
JPH10216536A JP9022751A JP2275197A JPH10216536A JP H10216536 A JPH10216536 A JP H10216536A JP 9022751 A JP9022751 A JP 9022751A JP 2275197 A JP2275197 A JP 2275197A JP H10216536 A JPH10216536 A JP H10216536A
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JP
Japan
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exchange resin
anion exchange
scrubbing
regenerating
tower
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JP9022751A
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Inventor
Takashi Kagawa
喬 香川
Yusuke Nagata
祐輔 永田
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機物により汚染されて性能が低下したアニ
オン交換樹脂を回生する方法を提供する。 【解決手段】 イオン交換反応速度が低下したアニオン
交換樹脂を、空気または不活性ガスで単位面積当たりの
通気量[Nm3 /(m2 ・min)]×通気時間[mi
n]の積算通気量が200[Nm3 /m2 ]以上となる
ようにスクラビングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、復水脱塩装置,純
水装置等に使用されてイオン交換反応速度が低下したア
ニオン交換樹脂の回生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電所あるいは原子力発電所では発
電タービンを駆動させた後の蒸気を冷却して復水とし、
この復水を加熱して再び蒸気としてこの蒸気で再び発電
タービンを駆動させるというサイクルを繰り返している
が、この循環サイクルでは、系内を循環する復水が各種
の不純物イオンや酸化鉄などの金属酸化物を主体とした
懸濁物質(一般にはクラッドと呼ぶ)などで汚染される
ので、これらの汚染物を復水脱塩装置で除去することが
必要となっている。
【0003】ところでこの火力発電所あるいは原子力発
電所の復水系統において復水中の不純物イオンやクラッ
ドの除去処理を行うために用いられている復水脱塩装置
は、通常複数の復水脱塩塔(以下「脱塩塔」と略称す
る)からなる通水系統と、脱塩塔に使用したイオン交換
樹脂を再生するための再生系統からなる。そして前記脱
塩塔はH形あるいはNH4 形の強酸性カチオン交換樹脂
と、OH形の強塩基性アニオン交換樹脂との混合イオン
交換樹脂を充填してなっている。
【0004】当該復水脱塩装置においては以下のように
して復水の処理を行う。すなわち、複数の脱塩塔に復水
をそれぞれ通水し、復水中に含まれているNaイオン、
Feイオン、Cuイオン、Clイオン、SO4 イオンな
どの不純物イオンをイオン交換作用により除去し、また
復水中に含まれているクラッドは、ろ過作用あるいは物
理吸着作用により除去して、浄化された処理水を得る。
【0005】このような通水を続行して、複数の脱塩塔
の中の一つが、クラッドの蓄積によって圧力損失の増加
を招いたり、あるいは定体積処理量に達した場合または
当該脱塩塔内のイオン交換樹脂が不純物イオンで飽和し
た場合等、いわゆる通水終点に達した場合には、当該脱
塩塔のみを通水系統から切り離し、脱塩塔の使用済み混
合イオン交換樹脂を再生系統内の再生塔に移送する。当
該樹脂移送終了後、既に再生済みのカチオン交換樹脂お
よびアニオン交換樹脂を再生系統から前記脱塩塔に移送
して混合イオン交換樹脂層を形成させ、再び通水を開始
する。
【0006】一方、再生塔に移送した使用済みの混合イ
オン交換樹脂に対しては、先ず当該樹脂を水に浸漬した
状態で再生塔内に下部より空気を吹き込んで空気による
撹拌(これを「エアスクラビング」と呼ぶ)を行い、樹
脂表面に付着しているクラッド等を物理的に剥離する操
作を実行する。
【0007】次に、再生塔の下部より洗浄水を流入して
水逆洗を行い、上記スクラビングにより剥離したクラッ
ドなどの懸濁物質を塔外に排出する。
【0008】なお、付着クラッドを剥離・除去するスク
ラビング処理は、一般に、空気量2.0Nm3 /(m2
・min)で3〜5分程度のエアスクラビングと、これ
により剥離したクラッドを水逆洗によって塔外に排出す
る水逆洗操作とを、3〜5回程度繰り返し行うのが普通
である。
【0009】スクラビング処理されたイオン交換樹脂
は、その後常法により逆洗、沈静して下層のカチオン交
換樹脂と上層のアニオン交換樹脂に分離し、分離後、カ
チオン交換樹脂には塩酸、硫酸などの酸再生剤を、アニ
オン交換樹脂には水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ
再生剤を通薬し、それぞれ不純物イオンを脱着して両イ
オン交換樹脂を再生する。
【0010】なお、この場合の再生処理としては、両イ
オン交換樹脂を分離して下層にカチオン交換樹脂層と上
層にアニオン交換樹脂層を形成させ、当該樹脂を保持さ
せたままカチオン交換樹脂層には酸再生剤を通薬し、か
つアニオン交換樹脂層にはアルカリ再生剤を通薬する一
塔再生方式と、両イオン交換樹脂を分離した後、上層の
アニオン交換樹脂を別な再生塔に移送して両イオン交換
樹脂を別々の塔で再生する別塔方式があり、再生を終了
した両イオン交換樹脂は、次の脱塩塔が通水終点に達す
るまでの間待機させておく場合が多い。
【0011】このように復水の浄化に用いられる復水脱
塩装置は複数の脱塩塔の通水時間を互いにずらし、ほぼ
一定時間毎に各脱塩塔が通水終点に達するように調整し
て、ほぼ均等の通水間隔で各脱塩塔の使用済みイオン交
換樹脂を順に前記再生系統で再生するものである。
【0012】上述のような復水脱塩装置に要求される処
理水の水質は、蒸気発生器、原子炉、ボイラーなどの腐
食障害防止やスケール障害防止の観点から近年益々高純
度化の傾向にあり、例えばNaイオン、Clイオンにつ
いてはそれぞれ0.01μg/リットル以下が目標とさ
れている。そして、復水脱塩装置においてはこのような
高純度の処理水を得るために、従来より種々の改善がな
されており、その結果上記の目標を達成している。
【0013】ところで、上述のように再生して繰り返し
使用されるイオン交換樹脂は樹脂劣化により浄化能力が
次第に低下することが知られている。例えばプラントの
定期検査時の使用薬品の残留物、あるいは補給水から持
ち込まれる汚染物質などにより樹脂の性能が低下する。
また特公平5−305034号公報や特開平7−159
587号公報により、劣化したカチオン交換樹脂からポ
リスチレンスルホン酸(以下「PSS」と略記する)が
溶出し、このPSSがアニオン交換樹脂に付着し脱塩性
能を低下させることが報告されている。特にアニオン交
換樹脂が汚染され反応速度が低下した場合は、処理水質
にClイオンやSO4 イオンの漏出が増加する。
【0014】従来、このようなイオン交換反応速度の低
下したイオン交換樹脂に付着した汚染物質の除去のため
に種々の回生方法が研究、提案されている。例えばアニ
オン交換樹脂に有機物が吸着することによって起きる障
害は、古くから樹脂の有機物汚染として認められ、
(1)50℃付近の加温下で食塩溶液や食塩と水酸化ナ
トリウムの混液で洗浄する回生処理方法が提案されてい
る。しかし、復水脱塩装置に使用しているアニオン交換
樹脂の回生にはこの方法は効果が少なく、例え僅かの効
果が認められたにしても継続時間はいたって短いことが
確認されている。
【0015】また(2)次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素
などの酸化剤とアルカリ金属の水溶性塩の溶液を用いた
回生方法(特公平4−36744号)や(3)硝酸を用
いた回生方法(特公昭60−122042号)なども提
案されている。しかし、これら(2)、(3)の方法と
も特殊な薬品を使用する方法であること、特に(2)の
方法は廃液処理の点で問題があり、また回生効果が認め
られても継続時間は短い。また(3)の硝酸による方法
はアニオン交換樹脂が硝酸形になるため、爆発の危険を
招く欠点がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、上記し
た従来提案されているイオン交換樹脂の回生方法はいず
れも、復水脱塩装置のイオン交換樹脂の回生方法として
は適当でなく、実際には採用されていないのが現状で、
汚染樹脂を新品樹脂に取り替えることが唯一の対策とな
っている。
【0017】しかし、復水脱塩装置におけるイオン交換
樹脂の使用量は大量であり、非常に経費が嵩みランニン
グコストの増大を招くため、汚染樹脂の有効な回生処理
法が強く望まれている。
【0018】本発明はかかる観点からなされたものであ
り、その目的は、PSS等の有機物により汚染されて性
能が低下(劣化)したアニオン交換樹脂の回生に有効な
方法を提供するところにある。
【0019】また本発明の別の目的は、アニオン交換樹
脂の有効な回生によって経年的な樹脂使用量の削減を図
り、これによって資源の有効利用、及び廃棄物量の低減
を実現できるアニオン交換樹脂の回生方法を提供すると
ころにある。
【0020】本発明の更に別の目的は、イオン交換樹脂
使用量の削減を通じて脱塩処理装置の運用コストの低減
化を実現するところにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機物質によ
り汚染を受けて性能が低下したアニオン交換樹脂を回生
して前記目的を達成するために、前記特許請求の範囲の
各請求項に記載した発明を提案する。
【0022】本願の請求項1のアニオン交換樹脂の回生
方法の発明は、イオン交換反応速度が低下したアニオン
交換樹脂を、スクラビングを行う塔(槽)において、空
気または不活性ガスで単位面積当たりの通気量[Nm3
/(m2 ・min)]×通気時間[min]の積算通気
量が200[Nm3 /m2 ]以上となるようにスクラビ
ングしてその性能を回復させることを特徴とし、請求項
2の発明は、該積算通気量を400[Nm3 /m2 ]以
上としたことを特徴とする。
【0023】上記発明の回生処理によるアニオン交換樹
脂の回復の程度は、イオン交換反応速度を示す物質移動
係数( Mass Transfar Coefficient:MTC)を指標と
して判定することができる。この物質移動係数(以下
「MTC」と略記し、その値はKで表す)は、イオン交
換樹脂に一定濃度のアンモニアと硫酸ナトリウムを通水
した樹脂層内の硫酸イオン移動速度として下記式により
求めることができる。なお、新品アニオン交換樹脂のK
値は一般に2.0×10-4m/sec程度の値を示す。
【0024】
【数1】
【0025】前記のスクラビング工程おける積算通気量
は、これを大きくするほどアニオン交換樹脂反応速度の
回復程度が増大する傾向が認められるので、より大きな
積算通気量、例えば400[Nm3 /m2 ]以上とする
ことが好ましい。積算通気量は、200[Nm3 /m
2 ]未満でも通気量を多くすることに応じてアニオン交
換樹脂反応速度の回復が認められるが、回生(性能回
復)効果を十分に得るために上記範囲とされる。ただし
積算通気量を必要以上にあまり多くしてもアニオン交換
樹脂の反応速度の回復が大きく増大することは期待でき
なくなるので、工業的装置では、最大でも1000[N
3 /m2 ]以下、好ましくは500[Nm3 /m2
以下とするのが適当である。ただしこれに限定されるも
のではない。なお、通気は連続的に行うこともできる
し、途中で中断して間欠的に行うこともできる。間欠的
に行う場合は、スクラビング中断時に溶出物を除去する
洗浄操作を行うことができる。
【0026】また、上記の積算通気量の条件を満足する
場合であっても、単位時間当たりの通気量があまり小さ
いとスクラビング時間が長時間となるだけでなく、アニ
オン交換樹脂に対する回生のためのスクラビング作用の
強度が不足するためか理由は明らかでないが、充分な回
生効果が得られない場合があり、また単位時間当たりの
通気量をあまり大きくしても回生効果に反映しない傾向
があって無駄となるため、スクラビング操作は、1.0
〜4.0[Nm3 /(m2 ・min)]の範囲、好まし
くは2.0[Nm3 /(m2 ・min)]程度の単位時
間当たり通気量で行うことがよい。
【0027】以上のようにして行われるアニオン交換樹
脂回生のためのスクラビングは、従来の再生工程で付着
クラッドを除去するために空気量2.0[Nm3 /(m
2 ・min)],3〜5分程度で行っているエアスクラ
ビングとは、その積算通気量において大差があることか
らも明らかであるように、その技術的意義は全く異なっ
ており、このことは、後述する実施例で、本発明方法で
回生処理された後のアニオン交換樹脂の物質移動係数値
Kを測定した性能回復の試験,測定結果から分かる。
【0028】上記発明の回生処理においては空気または
不活性ガスを用いることができ、空気を用いる場合はラ
ンニングコストの低減に有利である。
【0029】本発明のアニオン交換樹脂の回生処理は、
イオン交換樹脂の再生処理工程において行うことができ
る。なお、本発明の回生処理は、樹脂に対して与える作
用は再生処理とは技術的に全く異なっているが、操作と
しては従来の再生工程において付着クラッド除去のため
に行っているスクラビング用の装置を用いて行うことが
でき、この点は、新たな装置を新設,付加することなく
操作・運用を変更するだけでよいという極めて有利な効
果をもたらす。
【0030】なお、本発明の回生処理で行うスクラビン
グは、従来行われているクラッド除去のための再生処理
時スクラビングの操作条件をはるかに越えているので、
該付着クラッド除去の作用は当然に満足できる。したが
って、再生剤を通薬する再生処理工程の付着クラッド除
去のためのエアスクラビング作用を兼ねた形式で回生処
理を行うこともできる。ただし、カチオン交換樹脂とア
ニオン交換樹脂を事前に分離し、分離したアニオン交換
樹脂に本発明を実施することが好ましい。またこれとは
別に、再生剤を通薬しない回生処理として単独に操作を
行うこともできる。回生処理を再生処理の特殊例として
兼用して行う場合は、再生剤の通薬を回生処理スクラビ
ング操作の先にしても後にしてもよい。
【0031】本発明のアニオン交換樹脂の回生処理は、
再生処理毎に行うこともできるが、通常は、多数回行う
再生処理のうちの一回を本発明の回生処理とするように
すればよい場合が多い。
【0032】以上の発明によれば、汚染を受けて脱塩性
能が低下したアニオン交換樹脂を有効に回生できる。
【0033】本願の請求項4の発明は、上記各発明にお
けるスクラビングを、アルカリ溶液中で行うことを特徴
とする。
【0034】この発明によれば、アルカリ溶液はPSS
等の有機不純物を溶解する力が強いので、後述する実施
例で確認されるようにアニオン交換樹脂の回生処理を水
(純水等の不純物が実質的にない高純度水)中で行う場
合に比べてアルカリ溶液中で行う場合には回生効果がよ
り優れて得られる。
【0035】このようなアニオン交換樹脂の回生処理を
アルカリ溶液中で行う場合に用いるアルカリ溶液として
は、限定されるものではないが、水酸化ナトリウム,ア
ンモニア,ヒドラジン,モルホリン,エタノールアミン
等を挙げることができる。特には、アニオン交換樹脂の
再生剤である水酸化ナトリウム(NaOH)が好ましく
用いられる。
【0036】前記のスクラビングをアルカリ溶液中で行
う場合、例えば上記NaOH溶液中で行う場合にあって
は、該アルカリ溶液の濃度を4%以上、好ましくは6〜
7%とすることが適当である。アルカリ濃度が4%未満
ではアルカリ溶液中でスクラビングを行う効果が少な
い。反対に7%を越える濃度としても、回生効果が大き
く増大することは期待できないので薬品コストが増大し
て不経済となるため、上記範囲とするのが好ましい。
【0037】本願の請求項7の発明は、上記の各発明に
おいて、アニオン交換樹脂をスクラビングする液の温度
を40〜60℃としたことを特徴とする。
【0038】本発明の回生処理は、アニオン交換樹脂の
汚染程度にもよるが常温でスクラビングを行うことがで
きる。また、処理を促進するためには温度を高く設定す
るのが適当である場合が多いが、スクラビングを行う溶
液(水、又はアルカリ溶液)の温度が60℃を越えた場
合はアニオン交換樹脂の交換基が熱分解するという問題
を招くことがあるので、加温した溶液を用いる場合には
上記の範囲とするのが好ましい。
【0039】本発明の方法は、イオン交換反応速度が低
下したアニオン交換樹脂、特に発電所の復水脱塩装置や
純水製造装置等で使用されたアニオン交換樹脂の回生に
有効に適用される。
【0040】
【発明の実施の形態】図1はカチオン交換樹脂とアニオ
ン交換樹脂の分離、再生を別々の塔で行う別塔再生方式
の復水脱塩装置と再生系統の装置の構成概要を示したも
のである。
【0041】この再生系統の装置構成と本発明の回生方
法の操作例を以下に説明すると、通水終点に達した脱塩
塔DT内のイオン交換樹脂を、移送管101を通してま
ずカチオン再生塔CTに送り、このカチオン再生塔CT
の下部より配管103から空気を送気しエアスクラビン
グを行い、イオン交換樹脂に付着しているクラッドなど
を剥離させる。次に純水を上昇流で通水して逆洗を行
い、剥離したクラッドなどを塔外に排出する。このスク
ラビング、水逆洗を数回行った後、純水を上昇流で通水
し、次いで通水を止めて沈静させて、カチオン交換樹脂
は塔内の下層部に、またアニオン交換樹脂は上層部に分
離させる。分離後、アニオン交換樹脂を移送管102に
よりアニオン再生塔ATに移送する。なお、空になった
前記脱塩塔DTには貯槽STで待機している再生済みの
イオン交換樹脂が移送管106を介して充填され、該脱
塩塔DTは復水脱塩処理に復帰される。
【0042】上述のように各再生塔に移送された各イオ
ン交換樹脂のうち、アニオン交換樹脂はアニオン再生塔
ATにおいてアルカリ再生剤の水酸化ナトリウム溶液を
通薬した後、純水による洗浄を行なうか、または洗浄を
行わずにアルカリ溶液のままアニオン再生塔の下部より
配管107から空気を吹き込み、本発明の回生処理のた
めのスクラビングを行う。次に配管107から純水を通
水し逆洗を行い、スクラビングによりアニオン交換樹脂
から剥離,溶出した不純物を除去する。なお、スクラビ
ング後にアニオン交換樹脂を洗浄する方法としては、上
述のような逆洗浄に限らず、純水をアニオン再生塔AT
の上部から下降流で通水して洗浄する下降流洗浄を行う
こともできる。
【0043】この場合、エアスクラビングと水洗浄操作
を数回繰り返しても良く、数回のエアスクラビングの積
算通気量(流量×時間)の合計が、本発明の回生処理に
必要なスクラビングの積算通気量を満足するものであれ
ばよい。
【0044】次に、必要に応じて従来の再生と同様に、
アルカリ再生剤の通薬による再生を行い、純水で洗浄
後、アニオン交換樹脂は移送管105により貯槽STに
移送する。
【0045】一方、カチオン交換樹脂については、カチ
オン再生塔CTにおいて、例えば従来の再生と同様の酸
再生剤の通薬による再生を行い、再生したカチオン交換
樹脂は移送管104により貯槽STに移送する。各樹脂
が移送された貯槽STにおいて、カチオン交換樹脂とア
ニオン交換樹脂を混合し、次の脱塩塔に移送するまで待
機させる。
【0046】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の例に限
定されるものではない。なお、以下の実施例においてM
TCは次により測定した。
【0047】(MTCの測定)下記表1に示した条件で
アニオン交換樹脂の物質移動係数(MTC)を測定し
た。すなわち、試験用アニオン交換樹脂と再生した新品
カチオン交換樹脂を1/2の割合で混合して、カラムに
充填し、NH3 1500ppbとNa2 SO4 300p
pbの原水をカラムに通水し、出口水質のSO4 濃度を
測定し、SO4 濃度が一定になった時の値と入り口水の
SO4 濃度、および別途測定したカラム樹脂の空隙率、
樹脂粒径を用いて上記計算式(i)によりMTCを求め
た。
【0048】
【表1】
【0049】実施例1 発電所の復水脱塩装置で約2年使用し、脱塩性能の低下
したアニオン交換樹脂(アンバーライト(登録商標)I
RA−900CP)と新品カチオン交換樹脂(アンバー
ライト(登録商標)200CP)を、下記表2に示した
条件で各々の樹脂を再生した後、アニオン交換樹脂30
0mlを内径47mmのアクリル製カラムに充填し、7
%のNaOH溶液を300ml添加し、カラム下部より
空気を注入し、下記表3の条件で空気注入時間を変えて
スクラビングを行った。
【0050】
【表2】
【0051】エアスクラビング後、カラムから取り出し
たアニオン交換樹脂を再び上記表2の条件で再生した
後、MTCを測定し、その結果を、単位時間当りのスク
ラビング空気量を一定にし、処理後のアニオン交換樹脂
のMTCとエアスクラビング時間との関係を下記表3及
び図2に示した。
【0052】
【表3】
【0053】実施例2 実施例1と同じアニオン交換樹脂を用い、スクラビング
時間を120分の一定とし、スクラビング空気量を下記
表4の実験条件に変更した以外は全て実施例1と同一の
条件で試験を行い、処理後のアニオン交換樹脂のMTC
を測定した。このスクラビング時間を一定とした場合の
アニオン交換樹脂のMTCとエアスクラビング空気量と
の関係を下記表4及び図3に示した。
【0054】
【表4】
【0055】実施例3 実施例1と同じアニオン交換樹脂を用い、スクラビング
空気量を2.0Nm3/m2 ・min、スクラビング時
間を120分とそれぞれ一定にし、スクラビング溶液の
NaOH濃度を下記表5の条件とした。その他は全て実
施例1と同一条件で試験を行い、処理後のアニオン交換
樹脂のMTCを測定した。その結果を下記表5及び図4
に示した。
【0056】
【表5】
【0057】実施例4 実施例1と同じアニオン交換樹脂を用い、スクラビング
空気量を2.0Nm3/m2 ・min、スクラビング時
間を120分とそれぞれ一定にし、スクラビング時の溶
液の温度を下記表6の条件とした。その他は全て実施例
1と同一条件で試験を行い、処理後のアニオン交換樹脂
のMTCを測定した。その結果を下記表6及び図5に示
した。
【0058】
【表6】
【0059】実施例5 実施例1と同じアニオン交換樹脂を用い、スクラビング
を純水中で行った以外は実施例1と同一の条件で試験を
行い、、処理後のアニオン交換樹脂のMTCを測定し
た。この場合のアニオン交換樹脂のMTCとエアスクラ
ビング空気量との関係を下記表7及び図6に示した。
【0060】
【表7】
【0061】
【発明の効果】従来、工業的には汚染樹脂を新品樹脂に
取り替えることが唯一の解決策であるために、イオン交
換樹脂の使用量が多く経費の嵩んでいる現状に対し、本
願の各請求項の発明によれば、復水脱塩装置のイオン交
換樹脂が汚染を受けて脱塩性能が低下したアニオン交換
樹脂を有効に回生できるという効果が得られる。
【0062】また、回生方法がスクラビングによるた
め、樹脂再生のために設備された既設のスクラビング装
置を使用でき、適用が容易であるという効果が奏され
る。
【0063】更に、有効な回生処理を行うことで、アニ
オン交換樹脂の経年的な使用量を削減でき、資源の有効
利用、及び廃棄物量の低減という経済的にも極めて優れ
た効果が奏される。またイオン交換樹脂使用量の削減を
通じて脱塩処理装置の運用コストの低減化が実現でき
る。
【0064】又更に、スクラビングをアルカリ溶液中で
行う本願の請求項4〜7の発明によれば、回生処理をよ
り効果的に行うことができるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用する復水脱塩装置の構成概要
を示した図。
【図2】実施例1で回生処理されたアニオン交換樹脂の
MTCとスクラビング時間との関係を示した図。
【図3】実施例2で回生処理されたアニオン交換樹脂の
MTCとスクラビング空気量との関係を示した図。
【図4】実施例3で回生処理されたアニオン交換樹脂の
MTCとNaOH濃度との関係を示した図。
【図5】実施例4で回生処理されたアニオン交換樹脂の
MTCと溶液温度との関係を示した図。
【図6】実施例5で回生処理されたアニオン交換樹脂の
MTCとスクラビング時間との関係を示した図。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換反応速度が低下したアニオン
    交換樹脂を、空気または不活性ガスで単位面積当たりの
    通気量[Nm3 /(m2 ・min)]×通気時間[mi
    n]の積算通気量が200[Nm3 /m2 ]以上となる
    ようにスクラビングすることを特徴とするアニオン交換
    樹脂の回生方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、積算通気量が400
    [Nm3 /m2 ]以上となるようにスクラビングするこ
    とを特徴とするアニオン交換樹脂の回生方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、単位面積当た
    りの通気量を1.0〜4.0[Nm3 /(m2 ・mi
    n)]としたことを特徴とするアニオン交換樹脂の回生
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    スクラビングをアルカリ溶液中で行うことを特徴とする
    アニオン交換樹脂の回生方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、アルカリが水酸化ナ
    トリウムであることを特徴とするアニオン交換樹脂の回
    生方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、アルカリ溶液
    の濃度が4%以上であることを特徴とするアニオン交換
    樹脂の回生方法。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし6のいずれかにおいて、
    アルカリ溶液の温度が40〜60℃であることを特徴と
    するアニオン交換樹脂の回生方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    スクラビングの工程は、通気と水洗浄を複数回繰り返す
    ことを特徴とするアニオン交換樹脂の回生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004007375A1 (ja) * 2002-07-11 2004-01-22 Organo Corporation 復水処理方法および装置
JP2011031223A (ja) * 2009-08-05 2011-02-17 Nomura Micro Sci Co Ltd 陰イオン交換体、その前処理方法及び再生方法並びにアルカリ水溶液の精製方法及び精製装置

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