JPH10214838A - 半導体製造装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体製造装置及び半導体装置の製造方法

Info

Publication number
JPH10214838A
JPH10214838A JP1416597A JP1416597A JPH10214838A JP H10214838 A JPH10214838 A JP H10214838A JP 1416597 A JP1416597 A JP 1416597A JP 1416597 A JP1416597 A JP 1416597A JP H10214838 A JPH10214838 A JP H10214838A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
diameter
control plate
flow control
manufacturing apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1416597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3400278B2 (ja
Inventor
Hiroshi Yamada
浩 山田
Kazuto Higuchi
和人 樋口
Kazuki Tateyama
和樹 舘山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP01416597A priority Critical patent/JP3400278B2/ja
Publication of JPH10214838A publication Critical patent/JPH10214838A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3400278B2 publication Critical patent/JP3400278B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】大口径の基板に対しても微細なメッキ膜を高精
度にかつ均一に形成することを可能とする半導体製造装
置及び半導体装置の製造方法を提供すること。 【解決手段】基板7を、処理容器1に収容された電気メ
ッキ液の液面に設置し、基板7の被メッキ処理面に電気
メッキ液を噴流することによりメッキ処理を行なう際
に、処理容器1の下方に設けられた噴流口2から処理容
器1内に噴流され、液面近傍に設けられた排出部9から
排出される電気メッキ液の、基板7の被メッキ処理面近
傍での流れを、基板7の外径よりも大きな外径を有し、
基板7の外径よりも小さな開口部5が設けられた液流制
御板3により、開口部5から排出部9へと制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置及
び半導体装置の製造方法に係り、より詳細には、半導体
基板の表面に、電気メッキにより微細なバンプ電極又は
回路配線等を高精度にかつ均一に形成する半導体製造装
置及び半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置は高集積化の傾向にあ
り、半導体実装技術も高密度化が求められている。この
半導体実装技術としては、ワイヤーボンディング技術、
TAB技術、及びフリップチップ実装技術などが挙げら
れるが、これらの中で最も高密度な実装が可能であるこ
とから、フリップチップ実装技術が、コンピュータ機器
等の半導体装置を高密度に実装するのに広く用いられて
いる。
【0003】図14に、フリップチップ実装技術によ
り、基板に実装された半導体チップを示す。
【0004】フリップチップ実装技術は、図14に示す
ように、バンプ電極101が形成された半導体チップ1
00等の電子部品を、バンプ電極101が回路配線基板
102上の端子電極103上に位置するように配置し、
これを加熱することにより半導体チップ100を回路配
線基板102に実装するものである。
【0005】この技術は、米国特許第3,401,12
6号及び米国特許第3,429,040号公報に開示さ
れており、そこでは、バンプ電極の形成を蒸着法を用い
て行なうことが記載されている。
【0006】蒸着法を用いたバンプの形成方法は、次の
通りである。
【0007】図15(a)に示すように、半導体ウェハ
104の一表面には、パッシベーション膜105、及び
ボンディングパッド106が形成され、ボンディングパ
ッド106の上には、バリアメタルとなるAu/Cu/
Cr層107が形成されている。
【0008】まず、バンプ電極を形成するにあたり、モ
リブデンからなるメタルマスク108を用いて、このA
u/Cu/Cr層107上に、錫と鉛を別々に順次蒸着
して半田材料層109を形成する。このとき、半田材料
層109は、Au/Cu/Cr層107よりも大きな寸
法で形成する。
【0009】次に、ウェットバックにより、錫と鉛とを
溶融して半田合金を形成し、図15(b)に示すバンプ
電極101を形成する。
【0010】この方法は、錫と鉛とを別々に堆積してい
るので、それぞれの堆積層の厚さを制御することによ
り、半田合金の組成を高精度に制御することができると
いう利点を有している。
【0011】しかし、この方法は、バッチ処理で行なわ
れること、及び半田材料層を蒸着により形成しているた
めにその形成速度が遅いことから、大量生産には必ずし
も有効ではなかった。そのため、バンプの形成方法とし
ては、大量生産が可能で、低コストでバンプ電極を形成
することが可能な、電気メッキ法が多く用いられてい
る。
【0012】この電気メッキ法は、半田材料層の堆積速
度が蒸着法に比べて高いため、バンプ電極の高さを高く
して素子の接続信頼性を高めるのに極めて効果的であ
る。しかし、その反面、均一な高さのバンプ電極の形成
が難しく、不均一な高さのバンプ電極が電子部品に形成
された場合、回路配線基板へのフリップチップ実装の際
に、接続不良等が生じるという問題がある。
【0013】この問題を解決するために、これまでに多
くの方法が提案されている。たとえば、特開昭53−3
7543号及び特開昭57−73953号公報には、電
気メッキ処理の進行に伴うバンプ電極の表面積の増大に
応じて、図16(a)に示すように、印加電流を増大さ
せて、バンプ電極表面への電流密度を一定に保つ方法が
記載されている。また、特開昭61−189655号及
び特開昭57−71150号公報等には、図16(b)
に示すようなパルス電流を用いたメッキ法が記載されて
いる。
【0014】特開平2−58229号及び特開平2−1
74232号公報には、平坦化基板を用いてバンプ電極
の高さを均一にする方法が記載されているが、この方法
は、工程が完了するまでの時間が長くなるため、有効な
方法ではなかった。
【0015】また、電気メッキ法によりバンプ電極を形
成するための装置についても、多くの提案がなされてい
る。例えば、特開昭59−41830号及び特開平1−
110751号公報では、噴流式電気メッキ装置が提案
されている。特開昭63−127554号、特開昭63
−272044号及び特開昭63−272057号公報
等には、この噴流式電気メッキ装置を用いて高さの均一
なバンプ電極を形成する方法が記載されている。
【0016】これらの方法で得られるバンプの高さの分
布をさらに均一化するために、特開平2−194194
号及び特開平1−61037号公報には、カソードメタ
ルに多点電極を用いることや環状電極を用いることが記
載されている。
【0017】また、噴流式電気メッキ装置の処理容器と
半導体ウェハとの位置関係を最適化する方法も提案され
ている。特開昭53−19147号公報には、図17に
示すように、基板支持手段116により処理容器111
内で半導体ウェハ117の最適な位置が保たれるように
設計された半導体製造装置119が記載されている。さ
らに、特開昭56−152991号では、図18に示す
ように、処理容器121にサイドピン123を設けて、
半導体ウェハ127の支持及び位置決めを行なうことが
記載されている。
【0018】これらの方法により、バンプ電極の高さを
ある程度まで均一化することが可能となったが、5イン
チ以上の径を有する大口径のウェハに対しては、バンプ
電極の高さを±10%程度までにしか均一化することが
できない。したがって、バンプ電極を形成した電子部品
を回路配線基板にフリップチップ実装技術で実装する際
に、接続不良等の不具合が生じてしまう。
【0019】このように、大口径のウェハで生ずるバン
プ電極の高さの不均一性は、処理容器内でのメッキ液の
対流により生ずる半導体ウェハ表面近傍でのメッキ液の
不均一な流れが、径の小さな半導体ウェハには殆ど影響
を与えないのに対し、大口径のウェハには大きく影響を
与えるためである。この不均一な流れについては、第9
2回表面技術協会講演予稿集第40頁乃至第41頁(1
995年10月)で、詳細に記述されている。
【0020】図19(a)に、上述の処理容器内でのメ
ッキ液の不均一な流れを示す。
【0021】この図で、メッキ液は、半導体ウェハ13
7の中央部へ向けて、及び処理容器131の側壁に沿っ
て噴流される。半導体ウェハ137の中央部へ向けて噴
流されたメッキ液流は、半導体ウェハ137の表面に到
達した後、半導体ウェハ137の外周方向へと向きを変
える。一方、処理容器131の側壁に沿って噴流された
メッキ液は、一部は排出部139から処理容器131の
外部へと排出され、残りは半導体ウェハ137の表面に
沿って、その中央部へ向けて逆流する。
【0022】この状態で電極134をアノード、半導体
ウェハ137をカソードとして電圧を印加すると、電気
メッキ液中の陽イオンが半導体ウェハ137の被メッキ
処理面近傍に移動してメッキ液拡散層が形成されるが、
半導体ウェハ137の表面近傍では、中央部から外周部
へ向かう流れとその逆の流れが生じているため、メッキ
液拡散層の濃度の高い部分と低い部分とが形成され、半
導体ウェハ137の近傍でのメッキ液拡散層濃度が不均
一化されるのである。
【0023】したがって、メッキ装置の設計により1次
電流密度を向上させても、半導体ウェハ137の近傍で
のメッキ液拡散層濃度が不均一であるため、2次電流密
度分布が不均一になり、バンプ電極の高さを均一にする
ことができないのである。
【0024】図19(b)に、図19(a)で破線で示
した部分を拡大して示す。
【0025】この図に示されるように、上述のメッキ液
の不均一な流れにより、半導体ウェハ137の表面に設
けられた隣接するレジスト135間に、局所的に気泡1
36が取り込まれる。そのため、この気泡136が付着
した半導体ウェハ137の表面にメッキ膜を析出させる
ことができず、バンプ電極の高さの均一性がさらに低下
し、接続信頼性が低下するという問題が生じていた。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
噴流式電気メッキ装置では、大口径の半導体ウェハに対
して均一な高さでバンプ電極を形成することができず、
さらに、半導体ウェハ表面への気泡の付着によりメッキ
膜の析出が妨げられ、メッキされない部分が生じるとい
う問題を有していた。
【0027】本発明は、大口径の基板に対しても、微細
なバンプ電極又は回路配線等のメッキ膜を高精度にかつ
均一に形成することを可能とする半導体製造装置及び半
導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、電気メッキ液
を収容し、電気メッキ液を上方に噴出する噴流口を底部
に有する処理容器と、基板の被メッキ処理面が前記メッ
キ液の液面と接触するように基板を支持する基板支持手
段と、前記噴流口と前記基板との間に配置されたアノー
ドと、前記アノードと前記基板との間に配置され、前記
基板の径よりも小さい径の開口部を有し、前記基板の径
よりも大きい外径を有する液流制御板と、前記アノード
と、カソードとして作用する前記基板とを介して、それ
らの間の電気メッキ液に電流を流す手段と、を具備する
ことを特徴とする半導体製造装置を提供する。
【0029】本発明は、上記半導体製造装置において、
前記液流制御板が、イオン透過性であり、かつ膜抵抗値
が0.001V/A〜0.05V/Aの材料で構成され
ることを特徴とする。
【0030】本発明は、上記半導体製造装置において、
前記液流制御板の外径が前記処理容器の内径以上であ
り、前記液流制御板に設けられた開口部の径R1 と、前
記基板の外径R2 とが、不等式R1 <0.8R2 を満た
す関係にあることを特徴とする。
【0031】本発明は、上記半導体製造装置において、
前記液流制御板に設けられた開口部の径が、前記噴流口
の開口径よりも小さいことを特徴とする。
【0032】本発明は、上記半導体製造装置において、
前記処理容器の側壁には、前記電気メッキ液の液面を一
定に保持するためのメッキ液排出部が、液面とほぼ同一
のレベルに設けられていることを特徴とする。
【0033】本発明は、上記半導体製造装置において、
前記液流制御板の外径が前記処理容器の内径以上であ
り、前記メッキ液排出部が、前記電気メッキ液制御板に
より、上部排出部と下部排出部とに上下に分割され、前
記下部排出部の前記電気メッキ液の液面に垂直な方向の
開口幅が、前記上部排出部の前記電気メッキ液の液面に
垂直な方向の開口幅に比べて相対的に短いことを特徴と
する。
【0034】本発明は、上記半導体製造装置において、
前記基板の被メッキ処理面にレジストパターンが形成さ
れており、前記アノードが、前記レジストパターンのレ
ジスト間隔の最小値未満の径の孔を有する板状の電極で
あり、前記孔の総数が、前記レジストパターンにより前
記被メッキ処理面に形成される被レジスト被覆部の総数
以上であり、前記アノードが、前記噴流口から噴流され
る電気メッキ液が全て前記孔を通過するように配置され
ていることを特徴とする。
【0035】また、本発明は、基板を、その被メッキ処
理面が処理容器に収容された電気メッキ液の液面と接触
する位置に支持する工程と、前記処理容器内に設けられ
た噴流口から、前記電気メッキ液を前記基板表面に向け
て噴出する工程と、前記噴出された電気メッキ液の前記
基板表面近傍での流れを、前記噴流口と前記基板との間
に配置され、前記基板の径に比べて小さい径の開口部を
有し、外径が前記基板の径に比べて大きい液流制御板に
より、前記開口部を通して前記基板の中央部から外周へ
向く方向に制御する工程と、前記噴流口と前記基板との
間に設置されたアノードと、カソードとして作用する前
記基板とを介して、それらの間の電気メッキ液に電流を
流して、前記基板の被メッキ処理面にメッキ被膜を形成
する工程と、を具備することを特徴とする半導体装置の
製造方法を提供する。
【0036】以下、本発明の半導体製造装置について、
より詳細に説明する。
【0037】本発明で用いられる被メッキ処理基板は、
Si、GaAs等の単結晶からなる半導体ウェハであ
る。通常、この基板の被メッキ処理面には、電気メッキ
処理により、バンプ電極や回路配線等のメッキ層を形成
するために、下地電極等の導電膜が設けられている。
【0038】本発明でメッキ処理に用いられる電気メッ
キ液は、硫酸銅メッキ液及び有機酸半田メッキ液等の一
般的に用いられる電気メッキ液である。これらを用いて
電気メッキ処理を行なうことにより、基板の被メッキ処
理面に設けられた導電膜上に、バンプ電極や、多層配線
を形成するための配線金属等として用いられる、銅や半
田等からなるメッキ膜が形成される。
【0039】本発明で用いられる処理容器は、少なくと
もその内面が、フッ素樹脂類、ポリオレフィン類、ポリ
アミド類、ポリエステル類、ポリエーテル類及び塩化ビ
ニル類等のように、電気メッキ液に対して安定な材料で
形成される。この処理容器は、例えば内側が円筒形であ
り、基板の径よりも大きな内径を有している。
【0040】この処理容器内で基板に電気メッキ処理を
行なう場合、基板の被メッキ処理面が電気メッキ液の液
面と同一のレベルに位置するように、基板を基板支持手
段により支持する必要がある。基板支持手段としては、
サイドピン等を挙げることができるが、電極を用いて基
板を支持してもよい。
【0041】本発明で用いられるアノードは、噴流口と
液流制御板との間に設けられる。また、カソードとして
作用する基板の被メッキ処理面には、下地電極等の導電
部が形成される。これらの電極間に電圧を印加すること
により、電気メッキ液中の陽イオンが基板の被メッキ処
理面近傍に移動してメッキ液拡散層を形成する。このメ
ッキ液拡散層中の陽イオンがカソードの被メッキ処理面
上の導電部で還元されることにより、基板の導電部上に
メッキ膜が形成される。
【0042】アノードの材料は、用いる電気メッキ液の
種類に応じて選択されることが好ましい。例えば、電気
メッキ液として、硫酸銅メッキ液を用いる場合は、燐の
含有量が0.03〜0.08重量%の銅板をアノードと
して用い、有機半田メッキ液を用いる場合は、メッキ液
中の錫と鉛の含有比に合わせた高純度半田板をアノード
として用いると、アノードによるメッキ膜への不純物の
混入や、形成されるメッキ膜の組成のずれを防ぐことが
できる。
【0043】アノードは、噴流口から噴流される電気メ
ッキ液の流れを妨げないように、孔が設けられたメッシ
ュ構造の板状の電極であることが好ましい。アノード
が、噴流口から噴流される電気メッキ液が全てこれらの
孔を通過するように配置されると、アノードはバッフル
の役割を果たし、電気メッキ液の撹拌が生じる。したが
って、処理容器中のメッキ液のイオンの濃度が均一化さ
れる。また、この孔の径が、レジストパターンの間隔の
最小値未満であり、孔の総数が、前記レジストパターン
により前記被メッキ処理面に形成される被レジスト被覆
部の総数以上である場合、メッキ液をさらに十分に撹拌
することができる。
【0044】本発明の半導体製造装置は、基板とアノー
ドとの間に、外径が基板の径よりも大きく、中央に基板
の径よりも小さい径の開口部を有する液流制御板が配置
されている。この液流制御板により、基板の被メッキ処
理面近傍での電気メッキ液流の乱れが防止され、均一な
濃度のメッキ液拡散層が形成され、それによって、均一
な厚さのメッキ膜が形成される。
【0045】液流制御板は、その開口部の中心が、基板
とほぼ同心になるように配置される。
【0046】次に、以上のように構成される半導体製造
装置の作用について説明する。
【0047】本発明の半導体製造装置において、噴流口
から基板の被メッキ処理面に向けて電気メッキ液が噴流
され、その一部は基板に向かって流れ、また、残りの一
部は処理容器の内壁に沿って流れる。本発明の半導体製
造装置では、噴流口と基板との間に液流制御板が設けら
れているので、基板に向かって流れる電気メッキ液の一
部は、その開口部を通過して、基板と液流制御板との間
を基板の外周方向に向かって流れ、処理容器の側壁の液
面近傍に設けられる排出部から排出される。
【0048】このように、液流制御板に遮られる電気メ
ッキ液及び処理容器の内壁に沿って流れる電気メッキ液
は、ほとんどが排出部から排出されるため、基板と液流
制御板との間を基板の中心方向に向かって流れることは
殆どない。
【0049】即ち、電気メッキ液の流れが、液流制御板
の開口部を通して基板の中央部から外周方向に向かうよ
うに制御されるため、基板の被メッキ処理面近傍での電
気メッキ液流の乱れは殆ど生じない。したがって、基板
の被メッキ処理面近傍に形成されるメッキ液拡散層の濃
度を均一にすることができ、大口径の半導体ウェハに対
しても、微細なバンプ電極又は回路配線を高精度にかつ
均一に形成することができる。
【0050】また、液流制御板の外径が処理容器の内径
以上である場合、基板と液流制御板との間での、電気メ
ッキ液の逆流は全く生じなくなる。さらに、液流制御板
に設けられた開口部の径R1 と、基板の外径R2 とが、
不等式R1 <0.8R2 を満たす関係にある場合、電気
メッキ液の対流により生ずる開口部近傍での電気メッキ
液流の乱れが少なくなり好ましい。R1 とR2 とは、よ
り好ましくはR1 <0.75R2 であり、さらに好まし
くはR1 <0.5R2 である。
【0051】また、この液流制御板は、基板面の近傍に
設置することが好ましい。液流制御板と基板面との距離
は、好ましくは1mm〜12mmであり、より好ましく
は2mm〜5mmである。この距離が1mm未満の場
合、液流制御板と基板面との間を通過する電気メッキ液
の流量が少なくなり、12mmを超えると、基板の被メ
ッキ処理面近傍での電気メッキ液流の乱れを良好に防ぐ
ことが困難になる。
【0052】上記液流制御板は、ポリプロピレン、フッ
素樹脂類、及び塩化ビニル等で構成することができる。
また、ケイソウ土と呼ばれるパーライト、炭素系セルロ
ース、石綿等のように、イオン透過性であり、かつ膜抵
抗値が0.001V/A〜0.05V/Aの材料で構成
してもよい。このような材料を用いると、電気メッキ液
の流れが、液流制御板の開口部から基板の外周方向に制
御されるだけではなく、電気メッキ液中のイオンが液流
制御板を透過することができるので、電圧印加時に形成
される電気力線が液流制御板の開口部に集中せずに、均
一化されて、メッキ膜の膜厚をさらに均一にすることが
できる。この膜抵抗値が0.001V/A未満の場合
は、電気メッキ液の流れを十分に制御することができ
ず、0.05V/Aを超える場合は、電気力線を均一化
する効果を得ることができない。
【0053】また、噴流口は、電気メッキ液の処理容器
内での停滞を防ぐために、処理容器の下方に、例えば処
理容器の底部に設けられることが好ましく、メッキ液
が、基板の被メッキ処理面に対して垂直に及びその中央
部に噴出されるように、処理容器底部の中央に設けられ
ることが好ましい。
【0054】噴流口の開口径は、液流制御板に設けられ
た開口部の径よりも大きいことが好ましい。噴流口の開
口径が開口部の径よりも大きい場合、開口部近傍での電
気メッキ液流の乱れをより少なくすることができる。
【0055】処理容器内の電気メッキ液を排出する排出
部は、電気メッキ液の液面を基板の被メッキ処理面の位
置に保つために、基板の被メッキ処理面近傍に設けられ
る。また、この排出部は、基板よりも外側で、液流制御
板よりも高い位置に設けられる必要がある。これによ
り、基板の被メッキ処理面に噴流された電気メッキ液
が、液流制御板の開口部から基板の外周方向に流され、
処理容器外部に排出されるため、基板の被メッキ処理面
近傍での電気メッキ液流の乱れが生じない。
【0056】この排出部の他に、さらに別の排出部を設
けてもよい。別の排出部を、液流制御板より下で、処理
容器の内壁近傍に設けることにより、噴流口から処理容
器の内壁沿いに噴流された電気メッキ液が、液流制御板
により処理容器内で対流を生じることなく、処理容器外
に排出される。これにより、液流制御板の開口部を通過
する電気メッキ液流が、対流の影響をさらに受けなくな
るため、基板の被メッキ処理面近傍での電気メッキ液流
の乱れがさらに生じなくなり、好ましい。
【0057】液流制御板より下に設けられる排出部の、
電気メッキ液の液面面に垂直な方向の開口幅は、液流制
御板より上に設けられる排出部の、液面に垂直な方向の
開口幅よりも短いことが好ましい。この場合、噴流され
る電気メッキ液の大部分が液流制御板の開口部を通過す
るので、基板の被メッキ処理面近傍での電気メッキ液流
の流量の低下によるメッキ液拡散層濃度の不均一化が生
じることがなく、均一なメッキ膜を得ることができる。
上方の開口部の幅は、1mm〜12mmであることが好
ましく、下方の開口部の幅は、1mm〜8mmであるこ
とが好ましい。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0059】図1に、本発明の一実施形態に係る半導体
製造装置としてのメッキ装置の一断面図を示す。
【0060】この図で、処理容器1の底部には、上方に
向けて電気メッキ液を噴流するための噴流口2が設けら
れている。この噴流口2の上には、配線11が接続され
た多孔質のアノード4が設置されており、噴流口2から
噴流される電気メッキ液は、全てアノード4の孔を通過
する。アノード4の上方には、外径が処理容器1の内径
と等しい液流制御板3が設置されており、この液流制御
板3の中央部には開口部5が設けられている。
【0061】液流制御板3の上方には、液流制御板3と
所定の間隔を隔てて、被処理体である基板7が配置され
ており、基板7は、導電性材料からなる基板支持手段6
により支持される。このとき、基板7の被メッキ処理面
には、第2の電極である導電膜及びレジストパターンが
形成されており(図示せず)、基板支持手段6と導電膜
とが接するように配置される。
【0062】また、処理容器1の上部には、電気メッキ
液の液面が、基板7の被メッキ処理面の位置になるよう
に高さが調節された排出部9が設けられており、これに
より処理容器1中の電気メッキ液の液面の高さは一定に
保たれる。この排出部9は、通常、処理容器1の側壁に
液面に平行に溝状に設けられる。したがって、電気メッ
キ液はこの溝状の排出部9の全方位から均一に排出され
る。
【0063】さらに、基板支持手段6及び配線11を電
源8に接続するカソードピン14及びアノードピン13
が設けられ、これらにより半導体製造装置10が構成さ
れている。
【0064】図2に、この半導体製造装置の上面図を、
電源を省略して示す。
【0065】この図に示されるように、基板支持手段6
及び配線11は、処理容器1の外周部に、所定の間隔で
交互に配置される。したがって、基板7及びアノード4
での電圧降下は生じにくい。また、基板7は多方向から
支持されるため、基板7の傾きは殆ど生じない。
【0066】次に、以上のように構成される本発明の一
実施形態に係る半導体製造装置を用いたメッキ処理工程
について、図1を参照しながら説明する。
【0067】まず、基板7を処理容器1の上部に基板支
持手段6を用いて支持する。次に、噴流口2から、電気
メッキ液を噴流して処理容器1内を電気メッキ液で満た
す。このとき、基板7の被メッキ処理面近傍を通過する
電気メッキ液は、液流制御板3により、液流制御板3の
開口部5から基板7の外周部方向へと流れが制御され
る。この電気メッキ液は、さらに外側に向かって流れ、
排出部9から排出されて、電気メッキ液の液面は常に一
定に保たれる。
【0068】この状態を保ち、カソードピン14と基板
支持手段6とを、及びアノードピン13と配線11とを
接続することにより、アノード4と基板7との間に電圧
が印加され、電気メッキ液中の陽イオンは、基板7の被
メッキ処理面近傍に移動して電気メッキ液拡散層を形成
する。この電気メッキ液拡散層は、上述のように被メッ
キ処理面近傍を通過する電気メッキ液の流れが制御され
ているため、均一な濃度で形成される。
【0069】さらに、所定の電流の印加を続けることに
より、基板7の被メッキ処理面に形成された導電膜上
で、電気メッキ液拡散層中の陽イオンが還元されて、メ
ッキ層が形成される。
【0070】図1に示す半導体製造装置10では、噴流
口2から噴流される電気メッキ液の一部は、処理容器1
の側壁沿いに流れ、液流制御板3によりその向きが変え
られる。また、噴流口2から噴流される電気メッキ液の
一部は、液流制御板3の開口部5を通過し、基板7の被
メッキ処理面を経由して、排出部9から処理容器1の外
に排出される。
【0071】したがって、基板7と液流制御板3との間
では、電気メッキ液は開口部5から排出部9へと流れ、
逆流が生じないため、基板7の表面への気泡の付着が防
止され、均一な濃度のメッキ液拡散層が形成される。
【0072】図3に、液流制御板の下側周縁部近傍の処
理容器の側壁に排出部を設けた半導体製造装置の断面図
を示す。
【0073】この図に示される半導体製造装置20は、
図1で示した半導体製造装置10とほぼ同様の構成であ
るが、液流制御板3の外径が処理容器1の内径よりも大
きく、液流制御板3の下側にも排出部21が設けられて
いる点で異なっている。
【0074】このような構成では、図1で示した半導体
製造装置10と同様に、噴流口2から噴流される電気メ
ッキ液の一部は、液流制御板3の開口部5を通過し、基
板7の被メッキ処理面を経由して、排出部9から処理容
器1の外へと排出される。一方、それ以外の電気メッキ
液は、液流制御板3の下方の排出部21から排出される
ため、被メッキ処理面近傍での電気メッキ液流の乱れを
生じることがなく、さらに、電気メッキ液の処理容器1
内での停滞も生じないため、さらに基板7の表面への気
泡の付着が防止され、均一な濃度のメッキ液拡散層を形
成することができる。
【0075】以上説明した半導体製造装置では、電気メ
ッキ液の噴流速度を上昇させることにより、電気メッキ
液の局所的な停滞をさらに防止することができるので、
メッキ液拡散層の濃度をより均一化することができる。
また、基板の設置が容易であるため、シリコンウェハや
ガリウムひ素ウェハのような非常に脆い半導体ウェハに
電気メッキを行なう際にも、基板を破損することがな
い。さらに、基板の被メッキ処理面全体を、電気メッキ
液に接触させるため、電気メッキすることができる基板
の面積を広くすることができる。
【0076】図4に、本発明の他の実施形態に係る、電
気メッキ液を循環させるタイプの半導体製造装置を示
す。
【0077】この図で、処理容器1は、メッキ液槽31
内に配置され、処理容器1の外壁とメッキ液槽31の内
壁とで、流路32を形成している。この流路32の下部
は、配管33を経由してポンプ36の入力側に接続され
ている。また、配管33には、電気メッキ液を半導体製
造装置30内に供給するための配管34が接続されてお
り、ポンプ36の出力側は、配管35を経由して噴流口
2へと接続されている。
【0078】上述のメッキ液槽31、流路32及び配管
33、34、35の内壁は、通常、フッ素樹脂類、ポリ
オレフィン類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリエ
ーテル類及び塩化ビニル類等で構成されている。また、
ポンプ36には、通常、耐蝕性に優れたマグネットポン
プ等が用いられ、ポンプ36の回転数はインバータによ
り制御される。
【0079】この半導体製造装置30におけるメッキ液
の循環について、以下に説明する。
【0080】まず、電気メッキ液は、配管34から供給
され、配管33を経由して、ポンプ36に到達し、さら
に、配管35を経由して処理容器1内に噴流される。処
理容器1が電気メッキ液で満たされると、過剰な電気メ
ッキ液は処理容器1の排出部9から排出され、流路32
から配管33を経由してポンプ36へと戻る。この時点
で、配管34からの電気メッキ液の供給が停止され、電
気メッキ液は、半導体製造装置30内で循環される。
【0081】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明につい
てより具体的に説明する。
【0082】一般的に、電気メッキ法では、形成される
メッキ膜の平均膜厚は、ファラデー法則とカソード面積
とから求められ、メッキ膜の膜厚分布は、基板面近傍で
の電流密度分布に依存する。したがって、メッキ膜の膜
厚分布を均一化するためには、この電流密度分布を均一
化する必要がある。
【0083】電流密度分布は、前述のように、処理容器
内の幾何学的条件により決定される1次電流密度分布
と、分極現象、即ち基板の被メッキ処理面近傍への陽イ
オンの移動によるメッキ液拡散層の形成で生ずる2次電
流密度分布とからなる。形成されるメッキ膜の膜厚分布
は、主に1次電流密度分布に依存するが、微細部分での
膜厚分布は2次電流密度に依存する。
【0084】図11に、アノードとカソードの該略図を
示す。
【0085】この図で、カソード71の領域S1 と領域
2 とでは、アノード70との距離が異なっており、そ
れぞれの距離はL1 、L2 (cm)で示され、ΔL=L
1 −L2 と定義される。また、電極間の電気力線を参照
番号72で示し、S1 へ流れる電流密度、S2 へ流れる
電流密度を、それぞれI1 、I2 (A/cm2 )とし、
ΔI=I1 −I2 と定義した。
【0086】これらの間には、以下の式で示される関係
が成立する。
【0087】
【数1】
【0088】ここで、S1 、S2 での陰極過電圧を、そ
れぞれηc1 、ηc2 (V)とし、Δηc=ηc1 −η
2 とした。また、これら電極の間の電気メッキ液の比
抵抗を、ρ(Ωcm-1)で示した。
【0089】この式で、左辺のI1 /I2 は、電流密度
比を示しており、右辺の第2項が0に近づくほど、電流
密度比は1に近づく。したがって、均一な電流密度分布
を得るためには、右辺の第2項の分母を大きくすればよ
い。即ち、溶液の伝導度1/ρと陰分極曲線勾配Δηc
/ΔIが大きく、電極間距離L1 が大きい場合に、均一
な膜厚のメッキ膜を形成することができるのである。
【0090】ここで、L1 は1次電流密度分布と相関す
る値であり、1/ρとΔηc/ΔIとは、2次電流密度
分布と相関する値である。したがって、2次電流密度分
布に依存する膜厚分布の均一性を評価するパラメータと
してκ=(1/ρ)(Δηc/ΔI)を用いればよいこ
とがわかる。
【0091】図12に、ΔLを変えて、上記式から求め
た電極間距離と電流密度比との関係を、グラフにして示
す。この図で、横軸は電極間距離を示しており、縦軸は
電流密度比を示している。
【0092】なお、電気メッキ液として、以下の表1に
示す組成の銅メッキ液を用い、また、κ=1.27であ
った。
【0093】
【表1】
【0094】この図から明らかなように、電流密度比
は、電極間距離と反比例しており、ΔLが小さいほど1
に近づいている。通常、基板の傾きは0.2mm程度に
制御できることから、電極間距離を3.5cm程度にす
れば、十分な電流密度比を得ることができることが分か
る。また、電極間距離が3.5cmである場合、κが多
少変化しても、電流密度比は、0.95〜1.05の範
囲内で変動し、電気メッキ液の組成による影響が少ない
ことが明らかになった。
【0095】電気メッキ液として、以下の表2に示す組
成の半田メッキ液を用いて、同様に、ΔLを変えた場合
の、電極間距離と電流密度比との関係を調べた。
【0096】
【表2】
【0097】その結果、銅メッキ液を用いた場合と同様
に、電極間距離を3.5cm程度にすればよいことが明
らかとなった。
【0098】(実施例1)図3に示した半導体製造装置
を用いて、半導体装置を製造した。
【0099】即ち、開口径R4 が120mmの噴流口、
開口幅d1 が5mmの上部排出部及び開口幅d2 が3m
mの下部排出部が設けられ、内径R3 が190mmの処
理容器を用いた。アノードには、50μmの径の孔が1
5×105 個形成された多孔質の電極を用いた。液流制
御板には、膜抵抗値が3×103 V/Aであり、イオン
に対して非透過性で、ポリプロピレンからなる材料を用
い、外径R2 は200mm、開口部の径R1 は120m
mであった。
【0100】この半導体製造装置に、電極間距離が35
mmとなるように、被メッキ処理面に導電膜及びレジス
トパターンにより20μmφの開口部が30×105
形成された8インチの半導体ウェハを設置し、表2に示
される組成の電気メッキ液を用いて、12×103 ml
/分の流量で電気メッキ液を噴流した。
【0101】さらに電極間に1A/dm3 の定電流を印
加して、厚さ20μmのメッキ膜を形成した。
【0102】(比較例1)液流制御板が設けられていな
いこと以外は、実施例1で用いたのと同様の半導体製造
装置により、半導体装置を製造した。
【0103】これら半導体装置のメッキ膜の膜厚を測定
したところ、実施例1で得られた半導体装置のメッキ膜
は、±3%の範囲内で分布していたのに対し、比較例1
で得られた半導体装置のメッキ膜は、±15%の範囲内
で分布していた。即ち、液流制御板を用いることによ
り、形成されるメッキ膜の膜厚を、均一化することがで
きる。
【0104】(比較例2)電気メッキ液の噴流速度を変
えて、比較例1と同様に半導体装置の製造を行ない、そ
れぞれのメッキ液拡散層の厚さを測定した。図13に、
その結果を示す。
【0105】この図で、横軸は基板の中心からの距離を
示し、縦軸はメッキ液拡散層の厚さを示している。この
図から、噴流速度に関わらず、基板の中心からの距離が
80mm程度の位置で、メッキ液拡散層の厚さが最大値
を示しており、特に噴流速度が最も遅い場合は、無限大
を示していることが分かる。実際には、陽イオンの還元
により濃度変化が生じ、微小な対流が発生するため、メ
ッキ液拡散層の厚さは無限大とはならないはずである
が、局部的にメッキ液拡散層の厚さが極めて厚くなって
いることは明白である。
【0106】また、噴流速度に応じて、メッキ液拡散層
の厚さが変化していることから、メッキ液拡散層の厚さ
のばらつきは、電気メッキ液の流れに影響されていると
考えられる。したがって、比較例1の半導体装置のメッ
キ膜の膜厚が不均一であるのは、電気メッキ液の流れが
不均一であるために、メッキ液拡散層の厚さがばらつい
ているためであると考えられる。
【0107】さらに、基板に付着した気泡の数を調べた
ところ、実施例1の基板に比べて、多数の気泡が見出さ
れた。
【0108】(実施例2)液流制御板に、膜抵抗値が
0.01V/Aであり、イオン透過性で、炭素系セルロ
ースからなる材料を用いたこと以外は、実施例1と同様
にして半導体装置を製造した。
【0109】実施例1と実施例2の半導体装置のメッキ
膜をそれぞれ比較したところ、実施例2の半導体装置の
メッキ膜の方が、膜厚のばらつきが少ないことが明らか
になった。
【0110】これは、以下の理由によると考えられる。
即ち、図5aに示される、実施例1の半導体製造装置で
は、液流制御板3がイオンに対して非透過性であるため
に、電気力線15は、液流制御板3の開口部5の近傍に
集中する。そのため、陽イオンの還元が開口部5の近傍
で多く生じる。それに対し、実施例2の半導体製造装置
では、液流制御板23がイオン透過性であるので、図5
bに示されるように、電気力線15は均一に分布する。
したがって、陽イオンの還元も均一に生じ、均一な膜厚
のメッキ膜が形成されるのである。
【0111】(実施例3)液流制御板に対して、上方の
開口幅d1 と下方の開口幅d2 との比を変えて、実施例
2と同様にして半導体装置を製造し、形成されたメッキ
膜の膜厚を測定した。
【0112】その結果を図6に示す。この図で、横軸は
開口幅d2 に対する開口幅d1 の比を示しており、縦軸
は膜厚分布を示している。
【0113】この図から、d1 /d1 が1.0以下で
は、膜厚はほぼ10%程度のばらつきで分布している
が、d1 /d2 が1.0を超えると、メッキ膜の膜厚が
さらに均一化されていることが分かる。
【0114】(実施例4)液流制御板の開口部の径R1
を変えて、実施例2と同様にして半導体装置を製造し、
形成されたメッキ膜の膜厚を測定した。
【0115】その結果を図7に示す。この図で、横軸は
液流制御板の外径R2 に対する開口部の径R1 の比を示
し、縦軸は膜厚分布を示している。また、液流制御板の
外径R2 が処理容器の内径R3 よりも小さい場合のデー
タを曲線51で示し、液流制御板の外径R2 が処理容器
の内径R3 よりも大きい場合のデータを曲線52で示し
た。
【0116】この図で、R2 がR3 未満の場合は、液流
制御板の開口比R1 /R2 を変えても、膜厚のばらつき
はほぼ15%の範囲で分布しているが、R2 がR3 を超
える場合は、開口比R1 /R2 の全ての領域で分布幅が
狭く、特に、R1 /R2 を0.8未満に小さくすること
により、さらにメッキ膜の膜厚が均一化されるているこ
とが分かる。
【0117】(実施例5)噴流口の径R4 を変えて、実
施例2と同様にして半導体装置を製造し、形成されたメ
ッキ膜の膜厚を測定した。
【0118】その結果を図8に示す。この図で、横軸は
基板の外径R2 に対する液流制御板の開口部の径R1
比を示し、縦軸は膜厚分布を示している。また、噴流口
の開口径R4 が液流制御板の開口部の径R1 以下の場合
のデータを曲線53で示し、噴流口の開口径R4 が液流
制御板の開口部の径R1 よりも大きい場合のデータを曲
線54で示した。
【0119】R4 ≦R1 の場合は、液流制御板の開口比
1 /R2 を変えても、膜厚のばらつきはほぼ一定であ
るが、R4 >R1 の場合は、開口比R1 /R2 の全ての
領域で膜厚の分布幅が狭くなっていることが分かる。
【0120】(実施例6)アノードの孔の径及び数を変
えて、実施例2と同様にして半導体装置を製造し、形成
されたメッキ膜の膜厚を測定した。
【0121】その結果を図9に示す。この図で、横軸は
アノードの孔の径R6 に対するレジストパターンの開口
径R7 の比を示しており、縦軸は膜厚分布を示してい
る。また、アノードの孔の数N6 がレジストパターンの
開口数N7 未満の場合のデータを曲線55で示し、アノ
ードの孔の数N6 がレジストパターンの開口数N7 以上
の場合のデータを曲線56で示した。
【0122】N6 ≦N7 の場合、膜厚のばらつきはほぼ
一定であるが、N6 >≦N7 の場合は、レジストパター
ンの開口径に対するアノードの孔の径の比を、1未満に
することにより、さらにメッキ膜の膜厚が均一化される
ことが分かる。
【0123】(実施例7)上部排出部の開口幅d1 と下
部排出部の開口幅d2 との比d1 /d2 を1.5、液流
制御板の開口比R1 /R2 を0.5、及び噴流口の開口
径R4 と液流制御板の開口部の径R1 との比R4 /R1
を1.3とし、さらにアノードとして、50μmの径の
孔が1.5×105 個設けられた電極を用いて、実施例
2と同様にして半導体装置を製造した。
【0124】上記実施例7及び比較例1で製造された半
導体装置のそれぞれについて、形成されたメッキ膜の膜
厚を測定した。その結果を図10に示す。
【0125】この図で、横軸は基板の中心からの距離を
示しており、縦軸は膜厚分布を示している。また、実施
例7及び比較例1で製造された半導体装置のデータをそ
れぞれ、曲線57及び曲線58で示した。
【0126】このグラフから明らかなように、実施例7
で形成されたメッキ膜は、比較例1で形成されたメッキ
膜に比べて、均一な膜厚を有している。これは、実施例
7の半導体製造装置では、液流制御板によりメッキ液の
流れが良好に制御されているため、メッキ液拡散層が均
一に形成され、さらに均一な密度の電気力線が形成され
たためである。
【0127】以上示したように、本発明の半導体製造装
置及び半導体装置の製造方法によると、従来にない極め
て均一な膜厚のメッキ膜を形成することができる。
【0128】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではない。即ち、上記実施例では、1枚の基板を1
つの処理容器でメッキ処理する独立1枚構成型について
示したが、複数の基板を複数の処理容器で同時にメッキ
処理するマルチタイプ構造や、電気メッキ工程の前後に
処理装置を備えたインライン型であってもよく、また、
形成されるメッキ膜もバンプ電極に限定されるものでは
なく、多層配線を形成するための配線金属等であっても
よく、種々に変形することが可能である。
【0129】
【発明の効果】本発明によると、噴流口から噴流される
メッキ液の流れが、液流制御板により制御されるため、
基板の被処理面近傍に均一な濃度のメッキ液拡散層が形
成されるので、大口径の基板に対しても、均一な厚さで
メッキ膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体製造装置を示
す断面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る半導体製造装置を示
す上面図。
【図3】本発明の一実施形態に係る半導体製造装置を示
す断面図。
【図4】本発明の一実施形態に係る半導体製造装置を示
す断面図。
【図5】本発明の実施例に係る半導体製造装置における
電気力線を示す図。
【図6】本発明の一実施例に係る半導体製造装置により
製造された半導体装置の膜厚分布を示すグラフ。
【図7】本発明の一実施例に係る半導体製造装置により
製造された半導体装置の膜厚分布を示すグラフ。
【図8】本発明の一実施例に係る半導体製造装置により
製造された半導体装置の膜厚分布を示すグラフ。
【図9】本発明の一実施例に係る半導体製造装置により
製造された半導体装置の膜厚分布を示すグラフ。
【図10】本発明の一実施例に係る半導体製造装置によ
り製造された半導体装置の膜厚分布を示すグラフ。
【図11】電気メッキ法を説明するための該略図。
【図12】電極間距離と電流密度比の関係をシュミレー
ションしたグラフ。
【図13】従来の半導体製造装置により形成されるメッ
キ液拡散層の厚さを示すグラフ。
【図14】フリップチップ実装技術を説明するための
図。
【図15】蒸着法によるバンプ電極の形成方法を説明す
るための図。
【図16】従来の電気メッキ法によるバンプ電極の形成
における、電流の印加方法を示すグラフ。
【図17】従来の噴流式の半導体製造装置を示す断面
図。
【図18】従来の噴流式の半導体製造装置を示す断面
図。
【図19】従来の噴流式の半導体製造装置を示す断面
図。
【符号の説明】
1…処理容器 2…噴流口 3…液流制御板 4…アノード 5…開口部 6…基板支持手段 7…基板 8…電源 9…排出部 10…半導体製造装置 11…配線 12…レジスト 13…アノードピン 14…カソードピン 15…電気力線 20…半導体製造装置 21…排出部 23…液流制御板 30…半導体製造装置 31…メッキ液槽 32…流路 33〜35…配管 36…ポンプ 51〜58…曲線 70…アノード 71…カソード 72…電気力線 100…半導体チップ 101…バンプ電極 102…回路配線基板 103…端子電極 104…半導体ウェハ 105…パッシベーション膜 106…ボンディングパッド 107…Au/Cu/Cr層 108…メタルマスク 109…半田材料層 110…ソルダーレジスト 111…処理容器 112…噴流口 113…配管 114…アノード板 115…レジスト 116…基板支持手段 117…半導体ウェハ 118…メッキ液の流れ 119…半導体製造装置 121…処理容器 122…メッキ液の流れ 123…サイドピン 124…アノード板 125…半導体製造装置 126…基板支持手段 127…半導体ウェハ 128…電源 129…排出部 131…処理容器 132…噴流口 133…メッキ液の流れ 134…アノード板 135…レジスト 136…気泡 137…半導体ウェハ 139…排出部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気メッキ液を収容し、電気メッキ液を
    上方に噴出する噴流口を底部に有する処理容器と、 基板の被メッキ処理面が前記メッキ液の液面と接触する
    ように基板を支持する基板支持手段と、 前記噴流口と前記基板との間に配置されたアノードと、 前記アノードと前記基板との間に配置され、前記基板の
    径よりも小さい径の開口部を有し、前記基板の径よりも
    大きい外径を有する液流制御板と、前記アノードと、カ
    ソードとして作用する前記基板とを介して、それらの間
    の電気メッキ液に電流を流す手段と、を具備することを
    特徴とする半導体製造装置。
  2. 【請求項2】 前記液流制御板が、イオン透過性であ
    り、かつ膜抵抗値が0.001V/A〜0.05V/A
    の材料で構成されることを特徴とする請求項1に記載の
    半導体製造装置。
  3. 【請求項3】 前記液流制御板の外径が前記処理容器の
    内径以上であり、 前記液流制御板に設けられた開口部の径R1 と、前記基
    板の外径R2 とが、不等式R1 <0.8R2 を満たす関
    係にあることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1
    項に記載の半導体製造装置。
  4. 【請求項4】 前記液流制御板に設けられた開口部の径
    が、前記噴流口の開口径よりも小さいことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体製造装置。
  5. 【請求項5】 前記処理容器の側壁には、前記電気メッ
    キ液の液面を一定に保持するためのメッキ液排出部が、
    液面とほぼ同一のレベルに設けられていることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体製造装
    置。
  6. 【請求項6】 前記液流制御板の外径が前記処理容器の
    内径以上であり、 前記メッキ液排出部が、前記電気メッキ液制御板によ
    り、上部排出部と下部排出部とに上下に分割され、 前記下部排出部の前記電気メッキ液の液面に垂直な方向
    の開口幅が、前記上部排出部の前記電気メッキ液の液面
    に垂直な方向の開口幅に比べて相対的に短いことを特徴
    とする請求項5に記載の半導体製造装置。
  7. 【請求項7】 前記基板の被メッキ処理面にレジストパ
    ターンが形成されており、 前記アノードが、前記レジストパターンのレジスト間隔
    の最小値未満の径の孔を有する板状の電極であり、 前記孔の総数が、前記レジストパターンにより前記被メ
    ッキ処理面に形成される被レジスト被覆部の総数以上で
    あり、 前記アノードが、前記噴流口から噴流される電気メッキ
    液が全て前記孔を通過するように配置されていることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体
    製造装置。
  8. 【請求項8】 基板を、その被メッキ処理面が処理容器
    に収容された電気メッキ液の液面と接触する位置に支持
    する工程と、 前記処理容器内に設けられた噴流口から、前記電気メッ
    キ液を前記基板表面に向けて噴出する工程と、 前記噴出された電気メッキ液の前記基板表面近傍での流
    れを、前記噴流口と前記基板との間に配置され、前記基
    板の径に比べて小さい径の開口部を有し、外径が前記基
    板の径に比べて大きい液流制御板により、前記開口部を
    通して前記基板の中央部から外周へ向く方向に制御する
    工程と、 前記噴流口と前記基板との間に設置されたアノードと、
    カソードとして作用する前記基板とを介して、それらの
    間の電気メッキ液に電流を流して、前記基板の被メッキ
    処理面にメッキ被膜を形成する工程と、を具備すること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
JP01416597A 1997-01-28 1997-01-28 半導体製造装置及び半導体装置の製造方法 Expired - Fee Related JP3400278B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01416597A JP3400278B2 (ja) 1997-01-28 1997-01-28 半導体製造装置及び半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01416597A JP3400278B2 (ja) 1997-01-28 1997-01-28 半導体製造装置及び半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10214838A true JPH10214838A (ja) 1998-08-11
JP3400278B2 JP3400278B2 (ja) 2003-04-28

Family

ID=11853541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01416597A Expired - Fee Related JP3400278B2 (ja) 1997-01-28 1997-01-28 半導体製造装置及び半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3400278B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002079548A1 (fr) * 2001-03-28 2002-10-10 Fujitsu Limited Cuve de galvanoplastie
JP2007262583A (ja) * 1998-11-09 2007-10-11 Ebara Corp めっき方法及び装置
CN109753676A (zh) * 2017-11-07 2019-05-14 株式会社荏原制作所 镀敷解析方法、镀敷解析系统、及用于镀敷解析的计算机可读存储介质

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007262583A (ja) * 1998-11-09 2007-10-11 Ebara Corp めっき方法及び装置
WO2002079548A1 (fr) * 2001-03-28 2002-10-10 Fujitsu Limited Cuve de galvanoplastie
CN109753676A (zh) * 2017-11-07 2019-05-14 株式会社荏原制作所 镀敷解析方法、镀敷解析系统、及用于镀敷解析的计算机可读存储介质
CN109753676B (zh) * 2017-11-07 2023-08-18 株式会社荏原制作所 镀敷解析方法、镀敷解析系统、及用于镀敷解析的计算机可读存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP3400278B2 (ja) 2003-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5391285A (en) Adjustable plating cell for uniform bump plating of semiconductor wafers
JP3462970B2 (ja) メッキ処理装置およびメッキ処理方法
US6569299B1 (en) Membrane partition system for plating of wafers
US6669833B2 (en) Process and apparatus for electroplating microscopic features uniformly across a large substrate
US20080105555A1 (en) Plating Device, Plating Method, Semiconductor Device, And Method For Manufacturing Semiconductor Device
TWI580823B (zh) 用於垂直流電金屬沉積於一基板上之裝置
EP1524338A1 (en) Plating device
US7160428B2 (en) Plating machine and process for producing film carrier tapes for mounting electronic parts
JP3289459B2 (ja) メッキ方法及びメッキ装置
JP4368543B2 (ja) メッキ方法およびメッキ装置
JP2007308783A (ja) 電気めっき装置およびその方法
JP3400278B2 (ja) 半導体製造装置及び半導体装置の製造方法
US20060163058A1 (en) Apparatus for plating a semiconductor wafer and plating solution bath used therein
JP2008121062A (ja) めっき装置及びめっき方法
JP4759834B2 (ja) フィルムキャリア用電気めっき装置
JP3362512B2 (ja) 半導体ウエハのめっき方法およびめっき装置
JP3677911B2 (ja) 半導体ウエハのめっき方法及びその装置
JP3018796B2 (ja) 噴流メッキ装置
JP2001131797A (ja) 半導体製造方法及びその装置
JP4553632B2 (ja) 基板めっき方法及び基板めっき装置
KR20190128114A (ko) 도금 장치
JP2000017480A (ja) めっき方法
JPH0697631A (ja) 無電解めっき方法及び装置
JP2007177307A (ja) 電解メッキ装置および電解メッキ方法
JP2513357B2 (ja) リ―ドの半田メッキ装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080221

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090221

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100221

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100221

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110221

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120221

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120221

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130221

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees