JPH10213829A - パルス光パラメトリック発振器 - Google Patents
パルス光パラメトリック発振器Info
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Abstract
ることなく安定な単一モードの放射を可能とし、コンパ
クトな構造で調整の容易なパルス光パラメトリック発振
器を提供する。 【解決手段】 単一モードパルス光パラメトリック発振
器。ポンプ波発生用の光源と、ポンプ波で励起される非
線形結晶(10)と、結晶の両側に配置された二つの同軸ミ
ラー(11, 13)で画定されたアイドラー波用光共振器と、
結晶の両側に配置された別の二つの同軸ミラー(12, 14)
で画定された信号波用光共振器と、両光共振器の一方も
しくは双方の光路長を調整するための手段(20, 22, 26)
を備える。各光共振器用の二つのミラーのひとつは互い
に他方の光共振器の二つのミラーの間に配置されてい
る。
Description
リック発振器に関するものである。
な特徴を簡単に述べると以下の通りである。
ゆるポンプ波レーザービーム(角周波数ωp )から、角
周波数ωsの信号波と角周波数ωcのアイドラー波(補色
波とも云う)との二つのコヒーレント波を発生すること
からなり、これら三つの角周波数の間には、以下の関係
がある。 ωp = ωs + ωc (1)
たように光共振器2内に配置された二次非線形光学結晶
1の内部でパラメトリック変換が行われる。
ミラーによって構成され、これらミラーは、上記二つの
波の一方、即ちアイドラー波を反射し、信号波は光共振
器の外部へ取り出し可能となるように表面処理されてお
り、この構成は単共振型とも呼ぶべきものである。
呼ぶべき構成でも動作させることができ、この場合、各
ミラーは一方の波を完全反射、他方の波を部分反射する
ように処理されている。これら二つの構成は、特にそれ
らの発振閾値において異なっており、従来、この閾値
は、光共振器内での損失を補償するために光学結晶に印
加すべき最低ポンピング強度となるように設定されてい
る。双共振の構成では、パラメトリック増幅率、即ちパ
ラメトリック利得を比較的高くできるので発振閾値を比
較的低くすることが可能である。これに関して、パラメ
トリック利得は、光学結晶を通過する前の信号波の強度
に対する一回通過後の信号波の強度の比として定められ
る。
る角周波数は、使用する光学結晶の複屈折特性に応じ
て、一般には結晶の向きを光ビームの方向に対して調整
する角度同調(臨界位相整合)か、或いは結晶の温度を
変化させる温度同調(非臨界位相整合)かのいずれかに
よって同調がとられる。
動作は、パルスモードで得られる動作とは区別する必要
がある。
ピング放射を連続波レーザから低出力で与える場合、パ
ラメトリック利得は低利得である。光パラメトリック発
振器の発振閾値に到達させるためには、可能な限り長い
寸法の光学結晶を有し、共振器内でポンピングビームを
一回以上往復させる双共振型の光共振器を備えた構成が
用いられる(三重共振動作)。
ドの光パラメトリック発振器の場合に低いパラメトリッ
ク利得によって単一純スペクトルを生じる単一周波数で
の発振を共振器内に生起できることがある。
ード光パラメトリック発振器の一例は次の刊行物に紹介
されている。 文献(1) 「連続波二連光共振器双共振式光パラメトリッ
ク発振器(Continuous-wave, dual-cavity, doubly reso
nant, optical parametric oscillator)」コルビル(F.
G. Colville)、パジェット(M.J. Padgett)、ダン(M.H.
Dann)共著、Appl. Phys. Lett.、Vol.64、1994年、第14
90頁 この刊行物には、アイドラー波と信号波とを光分割プレ
ートで分離して二つの別々の共振器で共振させる構成が
述べられている。
ング出力200mW程度以上)を使用できるようにする利
点を有している。
することで光パラメトリック発振器により生じる周波数
の同調をとることも可能にする。
グ強度、従ってパラメトリック利得は遙かに高い。これ
は、単共振型の光共振器が目的のパラメトリック発振を
可能にするからである。従って、一般に発振閾値の問題
はパルスモードでは生じることが無く、一方、連続モー
ドではこの問題は常に起きている。但し、この場合の光
パラメトリック発振器で生じる放射は決してスペクトル
的に純粋ではなく、その理由は、この場合のパラメトリ
ック利得が、ビームの偏光状態に応じて数ナノメータか
らその数十倍に亘って変化するスペクトル幅全体に対し
て有効であるからである。この場合の光パラメトリック
発振器のエネルギーは、縦モードと呼ばれる共振周波数
の数十倍に亘る上記スペクトル幅に分布している。この
モード構成は光共振器に関係している。共振可能な唯一
の波は共振器内で往復した後に2π倍の位相差を与える
波である。
周波数が離れており、その離間周波数の大きさは、 Δω = πC / L (2) で表される。ここで、Cは光束、Lは共振器の光路長で
ある。各モードは狭いスペクトル幅(δω)を有し、最も
単純な受動型共振器の場合は以下の関係が成立する。 δω = Δω / F (3) 但しFは共振器のフィネスであり、このフィネスの値が
上昇すれば共振器損失が減少する。
介されている。 文献(2) 「多重波干渉計 (Interferometres a ondes mu
ltiples)」第VIII章、ブルア(G.Bruhat)著、一般物理コ
ース(Cours de Physique generale)第6版、1992年、第
150頁
ら、仮に双共振形の光パラメトリック発振器をパルスモ
ードで使用した場合、発生される放射は信号波長とアイ
ドラー波長とにおける種々のモードの組合せ間の相互作
用に依存することになり、本質的に動作が特にスペクト
ル面で不安定となる。
における不安定性:理論的解析 (Instabilities in the
doubly resonant parametric oscillator: A theorica
l analysis)」ファルク (J.Falk)著、IEEE Journal of
Quantum Electronics, Vol.qE 7, No. 6, 1971年6月、
第230〜235頁
モードだけを生じるパルス光パラメトリック発振器を用
意する必要がある。
リック発振器によって発生されるスペクトル線の幅を共
振器内に配置された一つ以上の選択素子で狭くするか、
或いはその代わりに干渉計形式の構成を用いるかのいず
れかで達成可能である。
メトリック発振器を実現するための公知の三つの方式
は、エタロンを有するか、回折格子を有するか、或いは
干渉計形式であるかの単純共振型光共振器を備えた構成
である。
各文献に紹介されている。 文献(4) 「パルス単一共振光パラメトリック発振器の単
一モード発振(Singlemode oscillation of a pulsed si
ngly resonant optical parametric oscillator)」クロ
イツァー(L.B. Kreuzer)著、Appl. Phys. Tett.、Vol.1
5、1995年、第263頁 文献(5) 「単一モードKTiOPO4光パラメトリック発振器
(Single-mode KTiOPO4optical parametric oscillato
r)」ヒュースケン(F. Huisken)、カロディス(M.Kaloudi
s)、マルケス(J. Marquez)、チュルザフコフ(Yu.L.Chur
zavkov)、オルロフ(H.S.Orlov)、ポリバノフ(Yu.N.Poli
vanov)、スミルノフ(V.V.Smirnov)共著、Opt. Lett.、V
ol.20、1995年、第2306頁
発振器は厳密に一つ以上の選ばれた厚みのファブリー・
ペロ・エタロンを備えている。
振器)の原理を示しており、光共振器のミラーの一つは
回転ミラー5である。スペクトル選択性は、アイドラー
放射を回転ミラーへ向けて分散させる回折格子4によっ
て与えられる。
献に紹介されている。 文献(6) 「単一周波光パラメトリック発振器(Single-fr
equency optical parametric oscillator)」ボーゼンベ
ルグ(W.R. Bosenberg)、ガイヤー(D.R. Guyer)共著、Ap
pl. Phys. Lett.、Vol.61、1992年、第387頁
される損失のために増加するので、ファブリー・ペロ・
エタロンもしくは回折格子を有する光共振器は全体的に
満足できるものではない。
子は損傷耐力が比較的低いのでポンピング放射に対して
保護する必要があり、従って光パラメトリック発振器の
複雑化とコスト上昇が避けられない。
すると、光共振器の光路長、エタロンの方位、発振器の
中心周波数の同調など、複数のパラメータを同時に調整
しなければならないので、波長の整合も制御しにくくな
る。
ックス・スミス型の共振器)は確かに損失が最小である
と考えられている。この方式の発振器は図3cに示した
原理で動作し、その共振器は3ミラー構成で、そのうち
の2つのミラー(図3cで符号6と7)の相対位置を調
整することによりスペクトル選択性を得ている。
来のパルス幅(約10ナノ秒程度)のポンピングパルスで
完全に単一モードとなる動作を保証するには、干渉計型
共振器を有する光パラメトリック発振器を構成するに際
して内部に組み込むべき回折格子が必要であり、従って
上述の欠点が増加する。
発振器については以下の各文献に紹介されている。 文献(7) 「光パラメトリック発振器の干渉による安定化
(Interferometric stabilization of an optical param
etric oscillator)」ピナード(J. Pinard)、ヤング(J.
F. Young)共著、Opt. Comm.、Vol.4、1972年、第425頁 文献(8) 「新設計共振器を備えた高効率単一縦モードβ
-BaB2O4 光パラメトリック発振器(Highly efficient si
ngle-longitudinal-mode β-BaB2O4 opticalparametric
oscillator)」ブーン・エンゲリンク(J.M.Boon-Engeri
ng)、グロスター(L.A.W. Gloster)、ファン・デル・フ
ェール(W.E. Van Der Veer)、マッキンニー(I.T. McKin
nie)、キング(T.A. King)、ホーゲルフォルスト(W. Hog
ervorst)共著、Opt. Lett.、Vol.20、1995年、第2087頁
プ波を受ける非線形光学結晶と、第1に結晶の一方の側
で共通ミラーによって、第2に結晶の他方の側で別の二
つのミラーによってそれぞれ画定された二つの共振器を
含む光パラメトリック発振器用の構成が提案されてい
る。
ードで動作する光パラメトリック発振器に関して主に記
述され、その中で同じ構成をパルス光パラメトリック発
振器にも利用できるだろうとの心象が述べられている。
ラメトリック発振器の構成は単一モードの放射を得よう
とする場合に満足できるものとはならない。
プ波を生じる光源から遠いほうの位置で非線形光学結晶
と終端ミラーとの間に介在するミラーの厚みは、二つの
共振器をほぼ同様な光路長とすることの障害になる。し
かしながら、パルスモードでの単一モード動作を必要と
する場合には各共振器の光路長はほぼ同等にしなければ
ならない。
ことは、パルス動作で適用される高利得状態のもとでこ
れら共振器を適正に非結合とすることの障害にもなる。
成は二つの共振器の一方の光路長を他方に対して独立に
調整することができない。
消できるパルス光パラメトリック発振器を提供しようと
するものである。
性光学素子もしくはサーボ制御電子装置を要することな
く所要の安定な単一モードの放射を可能とするパルス光
パラメトリック発振器を提供することである。
極めて柔軟性があり、その構成も機械的に単純なパルス
光パラメトリック発振器を提供することも本発明の別の
目的である。
な垂直形式または積層形式の各製造法に両立でき、従っ
て製造コストの低減が可能な光学配置によるパルス光パ
ラメトリック発振器を提供することである。
ードのパルス光パラメトリック発振器であって、ポンプ
波パルスを発生するための純スペクトル光源と、前記ポ
ンプ波が供給される非線形結晶と、前記結晶の両側に配
置された二つの同軸ミラーによって画定されたアイドラ
ー波用の第1の光共振器と、前記結晶の両側に配置され
た別の二つの同軸ミラーによって画定された信号波用の
第2の光共振器と、第1と第2の二つの光共振器の一方
もしくは双方の光路長を調整するための手段とを備え、
各光共振器用の二つのミラーのひとつが互いに他方の光
共振器の二つのミラーの間に配置されていることを特徴
とするパルス光パラメトリック発振器によって前述の課
題を解決している。
パラメトリック利得幅の範囲内で単一ペアの信号波及び
アイドラー波モードだけが以下の関係を満足するように
各光共振器の光路長を調整することが可能となる。 ωp = ωs + ωc 但し、ωs,ωpおよびωcは、それぞれ信号波、ポンプ波
およびアイドラー波の角周波数である。
長を所要の通りに調整して互いに極めて接近した光路長
を与えることができ、また各光共振器の光路長を独立に
調整することもできる。
示す種々な特徴を単独もしくは任意の技術的に可能な組
み合わせで備えることができる。
対して固定し、外側に位置する二つのミラーの少なくと
も一方を両内側ミラーに対して位置調整可能とする。
とする。
線形光学結晶の両側に配置する。
対して固定し、外側に位置する二つのミラーを両内側ミ
ラーに対して位置調整可能とする。
光学結晶の表面処理された対向二面で構成する。
手段の各々を非線形光学結晶の各一方の側に位置する二
つのミラーの間に配置する。
手段を可変光路長材料製とする。
共振器の光路長を調整するための手段の表面処理された
面で構成する。
を調整するための手段とを単一ブロックに構成し、それ
により安定且つ堅牢で何ら機械的調整を必要としない光
源を提供する。
ない単なる例示のための以下の説明から明らかである。
形態による光パラメトリック発振器は、互い違いに組み
合わされて共有部分に二次非線形光学結晶10を内蔵す
る二つの光共振器によって構成される双共振構成を備え
ている。
ωc )を全反射し、他方の光共振器は信号波(角周波数
ωs )を部分反射する。各波の間の結合は光パラメトリ
ック発振器の中央部分で行われ、この中央部分では、非
線形光学結晶10がポンプ波(角周波数ωp )の通過時
にパラメトリック利得を与える。
の四つのミラーによって画定されており、そのうちのア
イドラー波の波長で共振する二つのミラーは符号11と
13により、また他の二つのミラーは符号12と14に
より示されている。
波数ωp )に対して透明である。
れらは互いに固定されている。
ラー11は、これら二つのミラーのうちで各共振器へ入
射するポンプ波が通過するほうのミラーである。またミ
ラー14は本発振器の出口ミラーを構成し、従って係る
目的で信号波ωs の一部を通過させるように半透過ミラ
ーとされている。
振器の光路長を調整するためにミラー12および13に
対して別々に並進移動可能である。
は、平面と平面の構成もしくは平面と凹面の構成(セミ
コンフォーカル)で動作可能である。
平面ミラー、ミラー11と14は凹面ミラーとされ、必
要に応じてこれら凹面ミラーの曲率半径は種々のビーム
について非線形光学結晶中で良好な重なりが得られるよ
うに異なった値とされる。
に対する各光共振器の幾何学的な光路長を非線形光学結
晶の光路長に同時に近づけてしかも別々に調整できるよ
うにする点で他のどの方式の構成よりも優れている。
ク発振器の動作は以下に述べる通りである。
に満足される場合に対応している。即ち、 (1) 信号波に対し、角周波数ωs が信号波の共振器の縦
モードに一致する。 (2) アイドラー波に対し、角周波数ωc がアイドラー波
の共振器の縦モードに一致する。 (3) 各モードのペアが前記式(1)を満足する。 (4) 利得幅内の角周波数のみが発振する。
有する双共振パルス光パラメトリック発振器用の図5に
示すような波形図によって図法的に定めることができ
る。この形式の波形図による手法はジオルトマイネ(Gio
rdmaine)とミラー(Miller)によって導かれたものである
が、これに関しては、例えば以下の文献に記載されてい
る。 文献(9) 「双共振光パラメトリック発振器におけるモー
ド選択(Mode selection in doubly resonant optical p
arametric oscillators)」パジェットほか著、IEEE Jou
rnal of Quantum Electronics, Vol.30, No.12、1994年
12月、2979頁
ドラー波モードの各位置は図面上で上下に並んでいる二
つの横軸の上にプロットされており、これら横軸は互い
に逆方向にとられている。即ち、上の方の横軸では信号
波の角周波数が図面の左から右へ行くに従ってωp/2か
らωpへ増加するようにプロットされ、下の方の横軸で
はアイドラー波の角周波数が図面の左から右へ行くに従
ってωc/2 からゼロへ減少するようにプロットされてい
る。
ωsおよびωcが式ωs+ωc=ωp を満足する周波数であ
る。
振器(図5は従来技術を示す)においては、出力信号の
モード周波数間およびアイドラー信号のモード周波数間
の各周波数偏差ΔωsとΔωcはほぼ等しい(Δωs≒Δ
ω)。共振器内では、信号波の光路とアイドラー波の光
路は非線形光学結晶中の分散による差し持たない。多数
のモードが式(1) を満足し、従って発振可能であり、そ
の結果、この光パラメトリック発振器で生じる放射は多
モードである。
相対位置を調整することが可能であり、近接するモード
同士の重なりを回避するに充分なほど異なる光路長をそ
れぞれ有する双共振器構成を得ることができる。このよ
うな状況においては許容されるモードのペアは極めて広
く離れたものとなり(図6)、後述の付記1に示すよう
に、同一フィネスの信号波用およびアイドラー波用の各
共振器についてはこれらペア間のモード周波数の偏差Δ
ωscは信号波の共振器光路長Lsとアイドラー波の共振器
光路長Lcとに依存して以下の関係で与えられる。 Δωsc = FπC / {(Ls + Lc)/2} (4)
発振器の共振の間隔が信号波用及びアイドラー波用の各
共振器の光路長の平均に等しい光路長の単共振型光パラ
メトリック発振器におけるモード間隔よりもF倍だけ大
きいことを示している。
ードの動作が得られ、図7ではパラメトリック利得幅内
で式(1) を満たすモード(ωs,ωc)の単一のペアだけが
存在し、これは以下の条件の通りに記述することができ
る。 Δωsc > Δωg (5) 但し、Δωgはパラメトリック利得幅である。
失を超えるスペクトル範囲として定義される。
クトル線幅(0.2 nm〜0.3 nm)の典型的数値のでは、各
共振器がcm級の光路長で10%程度の光路長偏差をもつ
場合にも単一モード動作が得られる。
たパラメトリック増幅の上昇を与える厚みの薄い(数m
m)ものである。
線形光学結晶の短い光路長を補償するに充分な利得を保
証することができる。
形光学結晶で占めることができるので、利用できる光路
長全体に亘ってパラメトリック変換が効果的になる。
成は、調整可能な信号波用およびアイドラー波用の各共
振器光路長をもつ短い共振器で最大の利得を得るための
最適構成である。
〜14は共通の光軸上に配列されており、従って構成が
簡単で単一ブロックの形にまとめることができ、それに
よって極めて安定な素子として提供することができる。
示す。この実施形態では、非線形光学結晶10を回動す
ることにより周波数の同調が行われる。
ラ(zerodur) 製シリンダー15内に取り付けられ、この
シリンダー15に対してシリンダー軸芯に直交する中間
軸16回りに回動可能である。結晶10の方向は、オペ
レータが操作するネジ17により駆動される高い角度分
解能(1000分の1度)をもつターンテーブルによっ
て調整可能となっている。
ク発振器の内側長さ寸法を最小にするためになるべく薄
く(1mm程度)選ばれている。このように厚みを薄くし
たミラー12及び13の直径は、ミラー表面が適切な平
面であることを保証するように8mm程度に制限されてい
る。
各共振器が充分に非結合となるように選ばれている。
信号波の波長で95%より大きな反射率を有し、その透過
率はアイドラー波の波長(830 nm〜940 nmの範囲内)で
最大となる。これに対して、ミラー13の反射率と透過
率は、アイドラー波と信号波の各波長でそれぞれ最大と
なるように選ばれている。透過損失を制限するためにミ
ラー11と14の背面には反射防止処理が施されてい
る。
ュラ・シリンダ15に接近し、該シリンダ15の両端縁
に重ねられた一対の平坦な環状リング18によりシリン
ダ15に保持されている。ミラー12及び13とリング
18との接合も柔軟なシリコーン接着剤を用いて行われ
ており、これら内側ミラーに無用の機械的応力が作用し
ないようになっている。
及び13が非平行であるので縦断面形状が僅かに台形状
(傾斜角20分程度)であり、従って干渉の可能性のある
反射は回避されている。
に嵌められており、このインバー・シリンダの内径はゼ
ロジュラ・シリンダ15の内径に合わされている。
の熱膨張率が極めて低いことから、各共振器光路長の温
度に対する良好な安定性を保証することができる。
各端部に配置されている。これら外側ミラーの寸法は、
ミラー12及び13の寸法ほど臨界的ではない。
1は、ミラー13と同一のスペクトル特性を有してい
る。
に、ミラー14は信号放射(波長範囲570 nm〜620 nm内
の放射)の60%だけを反射し、その透過率は波長範囲83
0 nm〜940 nm内で95%を超えるものである。
なプレート21によりインバー・シリンダ19の両端に
保持されたピエゾ素子スペーサ20に重ねられている。
メータネジ22によって正確に調整可能である。各共振
器の光路長はピエゾ素子スペーサ20を利用して微細に
調整される。このように、極めてコンパクトな構造を達
成するためにゼロジュル・シリンダ19の近傍に配置さ
れたピエゾ素子スペーサによる同じ操作でミラー11と
14を並進でき、各共振器の光路長を調整できるように
なっている。
る際に、ピエゾ素子スペーサ20は両共振器間の光路長
の差が典型的には10%の光路長差となるように配置され
る。これは、スペーサ20を並進プレート21に対して
より大なる深さ又はより小なる深さに係合することによ
って果たされる。
同調(θ = 40度、φ = 30度)で動作するβ硼酸バリウ
ム(BBO)の結晶であり、その断面積は5mm×6mm、
長さは6mmである。この結晶は、3逓倍周波単一モード
のNd:YAGレーザーによりポンピング波長355 nmで励起さ
れる。可視波長域570 nm〜620 nmをカバーするために結
晶の光軸は垂直入射に対して±4度だけ傾けられてい
る。これは、内側ミラー12と13を結晶の表面から0.
5 mmの距離に配置することで可能である。
10の温度を調整することで果たされる。この目的のた
め、結晶10は加熱体23内に配置されている。この加
熱体23は筒形状であり、テルモコアクス(THERMOCOAX)
社からエレメン・ショーファン(element chauffant) の
商品名で販売されているシールド型抵抗巻線で構成され
ている。加熱体23はテフロン(商標名)製のシリンダ
24によって外部から熱遮蔽されており、その温度は1
00℃までの範囲内で可変制御される。加熱体23が筒
形状であるので、結晶が均一に加熱されることは勿論で
ある。
ー・シリンダ19の内側に取り付けられており、このシ
リンダ19には、図8に示した実施形態の場合と同様
に、ミラー11と14がピエゾ素子スペーサ20、並進
プレート21およびマイクロメータネジ22を介して取
り付けられている。
3を構成するための表面処理が非線形光学結晶10の両
端面に直接施されており、この結晶10は、寄生反射を
防止するために僅かに台形縦断面形状とされている。こ
れにより、信号およびアイドラー共振器の光路長は、依
然として別々に調整可能でありながら単共振型の構成と
同等程度に短くなっている。従って、この実施形態の構
成は最小長さで谷津モード動作を達成するための最適構
成であると言える。
ル酸リチウム(LiTaO3)のような電気光学材料のディスク
26を結晶10の両端面に直接重ねることにより全ての
機械的調整を無用としている。
の軸心と直交して配置された電極25を介して電界を印
加することにより変化される。
ラー共振器の各光路長が典型的には10%だけ互いに異な
るように選ばれている。
法(分子接着・分子被着)により結晶の両端面に保持さ
れている。ミラー11と13間およびミラー12と14
間の所要の平行度は、組立前に結晶10の両端面および
ディスク26の表面を研磨することにより得ている。
10の両端面とディスク26の外面にそれぞれ無電解メ
ッキ処理が施されているが、ディスク26の全面に直接
無電解メッキ処理を施して処理部品数を2つだけに減じ
ても良い。結晶10と各ディスク26とを組み立てると
単一ブロックのパラメトリック発振ユニットが得られる
が、このユニットは温度調整された加熱体23の内部に
配置される。
発振器は、励起用のマイクロレーザーの出力窓に並置し
て最小のコンパクト構造を実現することができる。これ
により、文献(10)欧州特許公報742614号に述べられてい
る製造技術を利用すれば全体的にモノリシックな放射源
を得ることができる。
る動作範囲によっては別のミラー形成処理や別の非線形
光学素子をしよう可能である。例えば、近赤外および可
視域をカバーするには以下のような非線形光学結晶を用
いることが有利である。 (1) 第1の実施形態に対してはチタン燐酸カリウム(K
TP)およびBBO (2) 第2及び第3の実施形態に対してはニオブ酸カリウ
ム(KNbO3) 及び三硼酸リチウム(LBO)
メトリック発振器の波長は2段階で調整される。第1段
階では、結晶の同調(図8の実施形態)または加熱体の
温度調整(図9および10の実施形態)により最初の粗
調整が行われる。動作波長が所要値に粗調整されたら、
外側ミラー11と14を支持しているピエゾ素子スペー
サ20または電気光学ディスク26により各共振器の光
路長を変えて正確且つ連即的に同調がとられる。この場
合、共振モードのペア(ωs,ωc)の位置が利得幅の範
囲内で動かされ、これにより出力周波数が変化される。
1と14は同一方向へ或る比率で並進移動され、この比
率は、信号およびアイドラー共振器の光路長(Ls, Lc)
および出力周波数(ωp) に応じて定められる。後述の
付記IIに示すように、光パラメトリック発振器の内部部
品に対してインバー・シリンダを相対的に並進させるこ
とにで同調が簡単に得られる範囲が存在する(第1の二
つの実施形態)。
振器の共振の間隔 共振の間隔は、Δωc > Δωs,Δωscの場合に次の式で
与えられる。 Δωsc = kΔωc = (k+1)Δωs (AI.1) ここで、kは、ωsとωcが同時に共振となるような二つ
の連続する合致を離間させる信号共振器モードの数(図
6参照)である。式(AI.1)から次の式が導かれる。 Δωsc = ΔωsΔωc / (Δωc - Δωs) (AI.2) 従って、Δωscは(Δωc - Δωs)が最小のとき最大と
なり、二つの連続するモード間の重なりを無くすには次
式の条件を適用する。 Δωc - Δωs = (δωs + δωc) / 2 (AI.3) 信号及びアイドラー共振器が同一のフィネスを有すると
仮定すれば、式(AI.2)は次式で表される。 Δωsc = 2FΔωsΔωc / (Δωs + Δωc) (AI.4) ΔωsとΔωcのための式、即ち前述式(2)が与えられれ
ば、次式が得られる。 Δωsc = FπC / {(Ls + Lc)/2} (AI.5)
定された範囲、典型的には1nmの波長範囲で変化させる
には、各共振器の光路長を同時に変化させつつ周波数を
以下の関係に維持することで足りる。 ωs + ωc = ωp (AII.1) 光路長の変化は周波数変化に関係し、以下の通りであ
る。 δLs/Ls = -δωs/ωs δLc/Lc = -δωc/ωc 式(AII.1)と式(AII.2)から次式が得られる。 δLs/δLc = - Lsωc / Lcωs (AII.3) この式は、両共振器の各光路長が信号及びアイドラー周
波数の比になっていれば、光パラメトリック発振器で発
生される周波数は各共振器の光路長を同量だけ互いに逆
方向へ変化させることで変えられることを示している。
本発明による光パラメトリック発振器では、これはミラ
ー11と14を同一方向へ並進、即ちインバー・シリン
ダ19を内部部品と相対的に軸方向移動させることで果
たしている(図8及び9参照)。
による光パラメトリック発振器は、以下のような数多く
の利点を備えている。
械的に構成が単純である。
として良好な安定性を保証でき、これは、(1) 機械的に
は組立が極めてコンパクト(第1と第2の実施形態では
外形が直径20mm、長さ50mm)、或いは単一部品構成(第
3の実施形態)とすることができることに基づいてお
り、(2) 温度的には特に使用材料をインバー材やゼロジ
ュラ材とすることができることに基づいている。
ードでエネルギーおよび周波数の安定性に優れ、分散性
光学素子や共振器光路長調整用の電子サーボ制御装置を
必要としない放射源の製造コストを大幅に軽減するもの
である。
理を示す模式図である。
内のモード分布を周波数の関数で示した線図である。
る従来のパルス光パラメトリック発振器の種々の例を示
す模式図である。
メトリック発振器の原理的構成を示す模式図である。
ラメトリック発振器における信号波及びアイドラー波の
モードの重なりを周波数の関数で示した線図である。
備えた光パラメトリック発振器の場合の図5と同様の線
図である。
メトリック発振器における信号波モードとアイドラー波
モードとの重なりの存在を示す線図である。
一部断面で示す模式構造図である。
一部断面で示す模式構造図である。
を一部断面で示す模式構造図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 単一モードのパルス光パラメトリック発
振器であって、ポンプ波パルスを発生するための純スペ
クトル光源と、前記ポンプ波が供給される非線形結晶(1
0)と、前記結晶の両側に配置された二つの同軸ミラー(1
1, 13)により画定されたアイドラー波用の第1の光共振
器と、前記結晶の両側に配置された別の二つの同軸ミラ
ー(12, 14)によって画定された信号波用の第2の光共振
器と、第1と第2の二つの光共振器の一方もしくは双方
の光路長を調整するための手段(20, 22, 26)とを備え、
各光共振器用の二つのミラーのひとつが互いに他方の光
共振器の二つのミラーの間に配置されていることを特徴
とするパルス光パラメトリック発振器。 - 【請求項2】 内側に位置する二つのミラー(12, 13)が
互いに関して固定され、外側に位置する二つのミラー(1
1, 14)の少なくとも一方がこれら内側のミラーに対して
位置調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の
発振器。 - 【請求項3】 内側に位置する二つのミラーが互いに非
平行であることを特徴とする請求項1に記載の発振器。 - 【請求項4】 二つの光共振器の光路長を調整するため
の手段が前記結晶の両側に配置されていることを特徴と
する請求項1に記載の発振器。 - 【請求項5】 内側に位置する二つのミラー(12, 13)が
互いに関して固定され、外側に位置する二つのミラー(1
1, 14)がこれら内側のミラーに対して位置調整可能であ
ることを特徴とする請求項4に記載の発振器。 - 【請求項6】 内側に位置する二つのミラーが前記結晶
の表面処理された対向二面からなることを特徴とする請
求項5に記載の発振器。 - 【請求項7】 各光共振器の光路長を調整するための手
段の各々が前記結晶の各一方の側に位置する二つのミラ
ーの間に配置されていることを特徴とする請求項5に記
載の発振器。 - 【請求項8】 各光共振器の光路長を調整するための手
段が可変光路長材料から成ることを特徴とする請求項7
に記載の発振器。 - 【請求項9】 外側の各ミラーが各光共振器の光路長を
調整するための手段の表面処理された面からなることを
特徴とする請求項8に記載の発振器。 - 【請求項10】 前記結晶と各光共振器の光路長を調整
するための手段とが単一ブロックに構成されていること
を特徴とする請求項8に記載の発振器。
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