JPH10212543A - 感光体基体用アルミニウム合金 - Google Patents

感光体基体用アルミニウム合金

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JPH10212543A
JPH10212543A JP2951797A JP2951797A JPH10212543A JP H10212543 A JPH10212543 A JP H10212543A JP 2951797 A JP2951797 A JP 2951797A JP 2951797 A JP2951797 A JP 2951797A JP H10212543 A JPH10212543 A JP H10212543A
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JP
Japan
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less
aluminum alloy
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machinability
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JP2951797A
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English (en)
Inventor
Koichi Ohori
紘一 大堀
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MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複写機等に使用される感光体基体の表面
性状を向上させる。 【解決手段】 Mg:0.4〜0.8%、Si:0.1
〜0.5%、、Mn:0.05〜0.25%、Zn:
0.2〜1.0%を含有し、さらに所望により、Cr:
0.05〜0.12%を含有し、Cuが0.1%以下、
Feが0.2%以下、Tiが0.02%以下、Bが0.
005%以下に規制されたアルミニウム合金を感光体基
体に使用する。 【効果】 良好な切削性が得られるとともに、切削
時のスクラッチ欠陥の発生および表面処理ムラの発生が
防止され、さらに鏡面加工工程における洗浄後のピット
の発生が防止され、高い表面品質が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた耐食性及び切
削性を具備すると共に、表面処理性が良好で、感光体基
体用材料として好適なアルミニウム合金に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機等に使用される感光体ドラ
ム(基体)は、JIS1050AlあるいはJIS30
03、6063Al合金からなる素管の表面を切削によ
って鏡面加工し、この表面に有機半導体層を塗膜した
り、セレン皮膜を蒸着させたりする表面処理を施すこと
により製造されている。ところで、最近では複写機等に
対する高精細度、高品質化の要求が増しており、このよ
うな観点から感光体ドラムに使用される材料には、切削
性が良好で仕上げ精度が高いものが望まれている。この
ような観点から感光体基体には、軟質材であるため寸法
精度が悪く、さらに切削性が劣るJIS1050Al材
よりも、寸法精度及び切削性が優れているJIS300
3及び6063アルミニウム合金が広く用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たAl合金は、切削性には優れているものの、晶出物お
よび析出物が多いことに起因して、切削加工時のスクラ
ッチ欠陥及び表面処理ムラ等の欠陥が発生し易いという
難点がある。また、鏡面加工工程における洗浄後にピッ
ト(腐食孔)が発生し、感光体ドラムとしての性能を損
なうという問題もある。具体的には、1%以上のMnを
含む3003合金には多量のAl−Mn−(Fe)系化
合物が存在するため、前記のスクラッチ欠陥やピットが
発生し易い。一方、Al−Mg−Si系の6063合金
ではMg2Si化合物の析出のため、耐食性の低下や表
面処理ムラが発生し易い。本発明はかかる問題点に鑑み
なされたものであり、寸法精度及び切削性に優れ、かつ
スクラッチ欠陥、表面処理ムラ及びピット腐食等を改善
し、最近の複写機の画像の高品質化の要求に応え得る感
光体基体用アルミニウム合金を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は優れた表面品
質の感光体ドラムを製造しうるアルミニウム合金を開発
すべく鋭意研究開発を重ねた結果、下記の化学成分を有
するアルミニウム合金によりその目的を達成し得ること
を見い出した。すなわち、本発明に係る感光体基体用ア
ルミニウム合金のうち第1の発明は、重量%で、Mg:
0.4〜0.8%、Si:0.1〜0.5%、Mn:
0.05〜0.25%、Zn:0.2〜1.0%を含有
し、Cuが0.1%以下、Feが0.2%以下、Tiが
0.02%以下、Bが0.005%以下に規制され、残
部がAl及び不可避不純物からなることを特徴とする。
次に第2の発明は、第1の発明において、組成成分とし
て、さらに重量%で、Cr:0.05〜0.12%を含
有することを特徴とする。また第3の発明は、第1また
は第2の発明において、成分中のMgとSiとが、重量
比で下記(1)式を満たすことを特徴とする。 Si/Mg≦0.8 …(1)
【0005】次に本発明の合金成分の添加理由と成分範
囲の限定理由について述べる。 Mg:0.4〜0.8% MgはSiとともにアルミニウムマトリックスに固溶
し、粗大な晶出物を生成することなく、固溶体硬化によ
り強度を高めて、切削加工性を向上させる。また互いに
化合して微細な適量の析出物を形成し強度を向上させ
る。しかし、0.4%未満では、充分な切削加工性およ
び強度の向上効果が得られず、一方、0.8%を越える
とMgとの析出物が多くなって切削加工時のスクラッチ
欠陥、表面処理ムラ、ピットの発生を招き、さらに押出
性や冷間加工性を低下させるので、含有量を上記範囲内
に限定する。なお、同様の理由で、Mg含有量の下限を
0.45%、上限を0.6%に限定するのが望ましい。
【0006】Si:0.1〜0.5% Siは上記したようにMgとともに固溶して切削加工性
を向上させ、さらに微細な適量の析出物を形成し強度を
向上させる。しかし、0.1%未満では、これらの作用
が十分に得られず、一方、0.5%を越えるとMgとの
析出物が増大し、また他成分と化合して晶出物を生成し
て、切削加工時のスクラッチ欠陥、表面処理ムラ、ピッ
トの発生を招き、さらに押出性や冷間加工性を低下させ
るので、含有量を上記範囲内に限定する。なお、同様の
理由で、Si含有量の下限を0.2%、上限を0.4%
に限定するのが望ましい。また、Mg量に比べてSi量
が相対的に多くなると、不安定なG.Pゾーンが形成さ
れ、洗浄時の孔食の発生を増長するので、Si/Mgを
0.8以下にするのが望ましく、さらには0.7以下に
するのが一層望ましい。
【0007】Mn:0.05〜0.25% Mnは切削性を向上させる作用があるが、Siと化合し
やすく、ピットの発生を助長するという問題があるが、
その含有量を適量に調整するとともにZnを含有させる
ことにより孔食の発生を抑制した上で切削性を大幅に向
上させることができる。ただし、0.05%未満ではそ
の効果が少なく、一方、0.25%を超えると、孔食が
発生しやすくなるとともに、粗大な晶出物を生成して切
削加工時のスクラッチ欠陥及び表面処理時のエッチング
ムラを発生するので、含有量を上記範囲に限定する。な
お、同様の理由で、下限を0.07%、上限を0.15
%にするのが望ましい。
【0008】Zn:0.2〜1.0% Znはアルミニウムマトリックスに固溶し、Mnの含有
により助長される腐食ピットの発生を抑えて耐孔食性を
向上させる。しかし、0.2%未満では充分な耐孔食性
向上効果が得られず、0.6%を越えると耐食性を低下
させるので、その含有量を上記範囲に限定した。なお、
同様の理由で下限を0.25%越、上限を0.8%に限
定するのが望ましく、さらに下限を0.4%、上限を
0.7%に限定するのが一層望ましい。
【0009】Cr:0.05〜0.12% Crは結晶粒を微細化して粗大な晶出物が形成されるの
を防止するため所望により含有させる。但し、0.05
%未満では上記作用が十分に得られず、また、0.12
%を越えると却って粗大な晶出物を形成するため、その
含有量は上記範囲内に限定する。
【0010】Cu:0.1%以下 Cuは不可避的に含有されるが、耐孔食性を劣化させる
ため、その含有量を0.1%以下に規制する。なお、望
ましくは、0.08%以下とする。 Fe:0.2%以下 Feも不可避的に含有されるが、Al−Fe系及びAl
−Fe−Si系の晶出物を生成してスクラッチ欠陥や表
面処理ムラ、洗浄後のピットの発生を招き、また、切削
性を低下させるため、Fe含有量を0.2%以下に規制
する。なお、望ましくは0.1%以下に規制する。 Ti:0.02%以下、B:0.005%以下 溶製時に、鋳塊組織を微細化するために、Ti、Bを添
加する場合があるが、これらを多量に添加すると粗大な
晶出物を生成して上記不具合が生ずるため、これらの含
有量を上記に規制する。なお、溶製時にTi、Bを添加
しない場合もあり、このような合金も本発明に含まれる
ものである。
【0011】Ti:0.02%以下、B:0.005%
以下 溶製時に、鋳塊組織を微細化するために、Ti、Bを添
加する場合があるが、これらを多量に添加すると粗大な
晶出物を生成して上記不具合が生ずるため、これらの含
有量を上記に規制する。なお、溶製時にTi、Bを添加
しない場合もあり、このような合金も本発明に含まれる
ものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のアルミニウム合金は常法
により製造することができ、所定の成分にて溶製する。
なお、不純物中のCu、Feの規制は、原材料の厳選に
より行うことができ、また、特別な精錬法を採用するこ
とにより行うこともできる。さらに、溶製時には、鋳塊
組織を微細化するために、Ti、Bを添加することがで
きる。但し、他の方法により鋳塊組織の微細化を図る等
によりTi、Bを添加しないものであってもよい。
【0013】溶製されたアルミニウム合金塊は、常法に
より加工、仕上げ加工を経て感光体基体とする。なお、
その製造過程においては析出物が多く形成されないよう
に特段の時効熱処理工程を設けないのが望ましい。適度
な時効現象は、所定の熱間加工工程を経ることにより得
られる(T4処理)。上記製造過程を経た本発明のアル
ミニウム合金は、良好な切削性を有しており、高い寸法
精度により仕上げ加工することができる。また、晶出
物、析出物が少なく、スクラッチ欠陥や表面処理ムラ等
の欠陥が発生し難く良好な表面性状が得られる。耐食
性、特に耐腐食ピット性に優れており、洗浄力の高い洗
浄液によっても確実にピットの発生が防止され、高い表
面品質が得られる。得られた感光体基体は、前述したよ
うに、複写機やプリンタの感光ドラム等に使用すること
ができるが、これに限定されることはなくその他の感光
体基体に適用することもできる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。表1に示す合
金組成の200mm径ビレットをそれぞれDC鋳造によ
り作製し、520℃で4時間の均質化処理を施した後、
480℃の温度で押出加工することにより、外径が10
0mm、肉厚が4mmのポートホール管を得た。この管
を更に外径が90mm、肉厚が3mmになるまで抽伸加
工し、供試材とした。これらの供試材に対し、加工性
(抽伸加工の可否)、切削性(切屑分断性の良否)、切
削表面仕上り性(スクラッチ欠陥の有無)、耐食性(腐
食減量の大小)及び耐孔食性(ピットの発生有無)を
○、△、×で評価した。その結果を表2に示す。なお、
耐食性については、塩水噴霧試験(JIS−Z2371
に準ず)を1000時間行った後、腐食減量を測定し、
腐食減量が50mg/dm2未満を○、以上を×とし
た。耐孔食性については湿潤試験(40℃、相対湿度9
0%以上)を24時間行い、ピット発生の有無により評
価した。表2から明らかなように、本発明合金は全ての
評価項目に対して良好な結果を示し、感光体ドラム用ア
ルミニウム合金として極めて優れていることが分かる。
これに対し、添加元素のいずれかが本発明の範囲を外れ
ている比較合金は評価項目の内のいずれかが劣ってい
る。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の感光体基
体用アルミニウム合金によれば、重量%で、Mg:0.
4〜0.8%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.0
5〜0.25%、Zn:0.2〜1.0%を含有し、C
uが0.1%以下、Feが0.2%以下、Tiが0.0
2%以下、Bが0.005%以下に規制されているの
で、良好な切削性が得られるとともに、切削時のスクラ
ッチ欠陥の発生、表面処理ムラの発生が防止され、さら
に鏡面加工工程における洗浄後のピットの発生が有効に
防止され、高い表面品質を有する感光体基体を得ること
が可能になる。
【0018】さらに、組成成分として、Cr:0.05
〜0.12%を含有させれば、粗大晶出物の生成が防止
され、表面品質が一層向上する。また、成分中のMgと
Siとを、重量比でSi/Mg≦0.8を満たすものと
すれば、洗浄時の孔食の発生が一層防止される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Mg:0.4〜0.8%、S
    i:0.1〜0.5%、、Mn:0.05〜0.25
    %、Zn:0.2〜1.0%を含有し、Cuが0.1%
    以下、Feが0.2%以下、Tiが0.02%以下、B
    が0.005%以下に規制され、残部がAl及び不可避
    不純物からなることを特徴とする感光体基体用アルミニ
    ウム合金
  2. 【請求項2】 組成成分として、さらに重量%で、C
    r:0.05〜0.12%を含有することを特徴とする
    請求項1記載の感光体基体用アルミニウム合金
  3. 【請求項3】 成分中のMgとSiとが、重量比で下記
    (1)式を満たすことを特徴とする請求項1または2に
    記載の感光体基体用アルミニウム合金 Si/Mg≦0.8 …(1) (暫定値)
JP2951797A 1997-01-29 1997-01-29 感光体基体用アルミニウム合金 Pending JPH10212543A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070674A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Fujifilm Holdings Corp 平版印刷版用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP2007092170A (ja) * 2005-08-30 2007-04-12 Fujifilm Corp 平版印刷版用アルミニウム合金板およびその製造方法

Cited By (2)

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JP2007092170A (ja) * 2005-08-30 2007-04-12 Fujifilm Corp 平版印刷版用アルミニウム合金板およびその製造方法
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