JPH10211435A - 内部観察の可能な極低温用クライオスタット - Google Patents

内部観察の可能な極低温用クライオスタット

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JPH10211435A
JPH10211435A JP1435497A JP1435497A JPH10211435A JP H10211435 A JPH10211435 A JP H10211435A JP 1435497 A JP1435497 A JP 1435497A JP 1435497 A JP1435497 A JP 1435497A JP H10211435 A JPH10211435 A JP H10211435A
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JP
Japan
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cryostat
optical fiber
test
cryogenic
piece
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Withdrawn
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JP1435497A
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English (en)
Inventor
Akio Yamamoto
章夫 山本
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、観察が全く不可能であった極低温用断
熱槽内の観察を可能とするクライオスタットを提供す
る。 【解決手段】 クライオスタット内部を明視化する手段
を備えた内部観察用光ファイバーが、クライオスタット
内部での観察を可能とするように設けられており、この
クライオスタットを用いれば、従来全く不可能であった
極低温クライオスタット内部の観察が可能となること
で、材料の変形挙動が可視化でき、研究開発に大きく寄
与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】一般に、極低温での金属の機
械的性質は、液体窒素や液体ヘリウムなどの冷媒で試験
片を冷却して測定評価する。しかし、冷媒は通常大気の
温度と差が大きいことから真空断熱や発泡ウレタン樹脂
などで断熱したクライオスタットに貯め込み、その中に
試験片を保持具とともに浸漬する。本発明は、このよう
な液体窒素や液体ヘリウムなどの極低温冷媒中に浸漬し
て機械試験を実施するための容器であるクライオスタッ
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】極低温での機械的試験は、JIS規格や
ASTM規格に定められた引張試験や破壊靭性試験、疲
労試験がある。これらの試験では、液体窒素や液体ヘリ
ウムなどの極低温の冷媒を用いて温度を管理設定するこ
とが多い。しかし、温度がこれらの沸点に限定されるこ
とから、一部では液体ヘリウムから蒸発したヘリウムガ
スの温度を制御し、そのガス中で試験することも実施さ
れている。これらの試験は、いずれの場合も、極低温に
保つために効率の良い断熱容器の中で実施される。
【0003】このための断熱容器はクライオスタットと
呼ばれている。クライオスタットは、極低温でも脆化し
にくいオーステナイト系ステンレス鋼やFRPからなる
多重容器であり、断熱には真空断熱や発泡ウレタン樹脂
などが用いられている。また、液体ヘリウムの場合に
は、安価な液体窒素の層を設けることも行なわれてい
る。
【0004】このように、クライオスタットは断熱性が
強く要求されることから、高温の炉のように窓を設けて
内部を観察することは不可能であった。もちろん、窓を
設けることは可能であり構造上大きな問題はない。しか
し、断熱壁に窓を設けると、たとえ真空層を介していた
としても断熱性が劣化し、内部の冷媒の蒸発が極めて大
きくなるだけではなく、窓からの入熱に対応して結露が
生じて、内部の観察が実質的に不可能になることがある
ため実施されなかったのである。すなわち、従来では極
低温での機械的試験の観察を可能とする装置(クライオ
スタット)は全くなかったのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の通り、極低温で
の試験の内部観察を可能とするクライオスタットが求め
られている。内部観察を可能とする際には、当然のこと
ながら、クライオスタットの断熱性を大きく損うことな
く、かつ実質的に観察が不可能となる事態の発生をなく
す必要がある。また、本来の機械試験窓に影響を及ぼす
ことがあってはならない。したがって、クライオスタッ
トの断熱壁に窓を設けることは適切ではない。
【0006】本発明は、上記のような条件を満たし、か
つ、内部の観察、試験の進行に伴う試験片の変化の観察
を可能とする極低温用クライオスタットの提供を目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の内部観察の可能
な極低温用クライオスタットは、極低温中で被験材を試
験評価するためのクライオスタットにおいて、クライオ
スタット内部での観察を可能とするように、クライオス
タット内部を明視化する手段を備えた内部観察用光ファ
イバーが設けられたことを特徴とする。前記光ファイバ
ーは、一般的には、被験材側の端部および他方ののぞき
側端部を除いて、真空2重管または/および発泡樹脂で
断熱するのがよい。
【0008】また、試験片の設置方法や場所によって
は、あるいは冷媒の供給装置の配置によっては、光ファ
イバーの設置に自由度がない場合がある。この場合は、
わずかに断熱性が劣化するものの、光ファイバーは、ク
ライオスタットの外部に位置する部分のみを真空2重管
または/および発泡樹脂で断熱し、クライオスタット内
部の光ファイバーを屈曲自在とすることも推奨できる。
【0009】光ファイバーのクライオスタットへの挿入
は、クライオスタットのどの部分からでも可能である
が、断熱壁をできる限り破らないことが有利である。こ
の観点から、クライオスタット上部のフランジ部分に挿
入孔を設け、この挿入孔から光ファイバーを挿入するこ
とが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、クライオスタットの
断熱壁に窓を設けないで内部を観察するために、クライ
オスタットの外部から光ファイバーを挿入するという手
段を採用した。この光ファイバーは、クライオスタット
上部のフランジ部分から挿入するのが、断熱壁を破る必
要もなく有利である。
【0011】試験中のクライオスタット内部は光がない
ことから、本発明では光ファイバーを通して光を送り込
む明視化手段を光ファイバーに備えている。通常、その
手段としては、光ファイバーののぞき側端部の近傍から
光を送り込むように光源を設置すると良い。このような
明視化手段を光ファイバーに採用するによって、クライ
オスタット内の観察部位を照明でき、明るい視野で観察
が可能となる。
【0012】なお、光を送り込むことによって、熱を送
り込む懸念がある。確かに光を送り込むことで、冷媒の
消費が上昇することが確認された。しかし、その消費レ
ベルは、機械試験片等の被験材の変形加工発熱による消
費増加に比べれば必ずしも大きくないことから、特に光
源を限定する必要性は必ずしもない。しかし、疲労試験
の様に長時間を要する試験の場合や、液体ヘリウムなど
の高価な冷媒を使用する試験の場合には、少しでも熱的
な改善を行うよう配慮することが必要である。その場合
は、光源を、白熱灯から蛍光灯などに変更することなど
適宜考えるとよい。
【0013】次に、光ファイバーであるガラス繊維の熱
伝導性は、クライオスタットを構成するオーステナイト
系ステンレス鋼やFRPに比べると小さい上に、フラン
ジや断熱壁を貫通する面積は小さいことから、断熱性へ
の影響は窓に比較してはるかに小さいものと考えられる
が、それでも、断熱性の劣化は避けがたい。
【0014】そこで、本発明では、基本的には、光ファ
イバーを真空2重管または/および発泡樹脂で包み周り
を断熱することとした。管や発泡樹脂は、使用環境に適
合するものであればよく、特に限定するものではない。
なお、光ファイバーの全体を包めば断熱性は良好となる
ものの、それでは内部観察が不可能となるので、光ファ
イバーの被験材側の端部および他方ののぞき側端部は、
断熱を施さないこととする。光ファイバーの被験材側に
は、必要に応じて、被験材の挙動を拡大して観察するた
めにレンズ等の部品を取り付けることもある。他方のの
ぞき側の端部には、被験材の挙動をビデオ録画できるよ
うにしておくことも可能である。上記理由から、光ファ
イバーの両端部は、断熱を施さない。
【0015】ところが、クライオスタットの容量や被験
材の設置条件等によっては、光ファイバーの設置に自由
度がない場合がある。そのような場合には、光ファイバ
ーの屈曲自在な特徴をうまく生かすようにするため、わ
ずかな断熱性の劣化があるものの、光ファイバーのクラ
イオスタット外部に位置する部分のみを真空2重管また
は/および発泡樹脂で包み断熱することとしてもよい。
【0016】
【実施例】図1は、本発明例の極低温引張試験用クライ
オスタット(冷媒:液体ヘリウム)の一例を示した模式
図である。なお、同図中には、引張試験機の引張軸およ
びクライオスタットに取り付けるセンサーや配管類の一
部も記載した。1は、クライオスタットの外枠を構成す
るSUS304ステンレス鋼製の3重断熱壁であり、そ
の中央層に液体窒素を定量流入させる液体窒素の断熱層
8がある。断熱壁1の最内層と最外層は真空層であり、
通常10〜3Torr以下に減圧する。2は、クライオスタ
ットの上部を構成するフランジ部であり、光ファイバー
や各種配管類、センサーのための挿入孔が複数設けられ
ている。3は、本発明で内部の挙動を観察するための光
ファイバー本体であり、フランジ部2の挿入孔を通して
クライオスタットの内部に挿入され、その先端5が被験
材15の近傍に位置し、被験材を観察できるように設置
されている。光ファイバーの他方ののぞき側端部近傍に
は、内部照明用の光を送り込む光源6が備え付けられて
いる。また、光ファイバー3は、真空2重管製断熱管4
の中に収められ、断熱されている。
【0017】そして、クライオスタット内の被験材を液
体ヘリウムで極低温に管理するために、液体ヘリウムの
真空2重管製流入管7、蒸発したヘリウムガスを回収す
るための真空2重管製回収管9、液体ヘリウムの液面計
10が設けられ、評価中の液体ヘリウムの挿入量を制御
するようになっている。本例は、極低温引張試験の例で
あり、11は引張試験機の可動クロスヘッドと結合した
引張軸、12は固定クロスヘッドと結合した固定軸、1
3、14が試験片の治具、15が被験材の試験片であ
る。
【0018】次に、本発明の他の例の極低温引張試験用
クライオスタットを図2に示した。図2は、図1におけ
る光ファイバーの断熱の形態を異にした例である。この
例では、光ファイバーを断熱する断熱管4は、クライオ
スタットのフランジ部の下面までにとどまり、それより
先の光ファイバーは、断熱材のない単なる被覆材でカバ
ーされたカバー付きのものとなっている。従って、クラ
イオスタット内部の光ファイバーは、自由に屈曲させる
ことが可能であることから、被験材の観察位置を自由に
設定することが可能となっている。
【0019】なお、本発明によるクライオスタットは、
図示した引張試験などの試験装置だけでなく、極低温装
置や機器に適用することで機器の保守管理にも利用する
ことができる。
【0020】
【発明の効果】本発明のクライオスタットを用いること
により、著しい断熱性の低下もなく、従来観察が全く不
可能であった極低温での機械試験時の試験片の挙動の観
察が可能となった。この結果、塑性加工時の発熱の状態
も液体ヘリウムの蒸発による発泡から認めることがで
き、新たな知見が得られる。このような本発明のクライ
オスタットを各種変形モードの試験に用いることによ
り、変形挙動や発熱の挙動が観察でき、極低温環境での
新規材料の開発や構造設計などに大きく寄与することが
期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明例の極低温引張試験用クライオスタット
(冷媒:液体ヘリウム)を示す模式図。
【図2】本発明の他の例の極低温引張試験用クライオス
タットを示す模式図。
【符号の説明】
1 3重断熱壁 2 クライオスタットのフランジ部 3 光ファイバー本体 4 真空2重管製断熱管 5 光ファイバーの被験材側端部 6 照明用光源 7 液体ヘリウムの真空2重管製流入管 8 液体窒素の断熱層 9 蒸発したヘリウムガスの真空2重管製回収管 10 液体ヘリウムの液面計 11 引張試験機の可動クロスヘッドと結合した引張軸 12 引張試験機の固定クロスヘッドと結合した固定軸 13,14 試験機の治具 15 被験材の試験片

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極低温中で被験材を試験評価するための
    クライオスタットにおいて、クライオスタット内部での
    観察を可能とするように、クライオスタット内部を明視
    化する手段を備えた内部観察用光ファイバーを設けたこ
    とを特徴とする内部観察の可能な極低温用クライオスタ
    ット。
  2. 【請求項2】 光ファイバーが、被験材側の端部および
    他方ののぞき側端部を除いて、真空2重管または/およ
    び発泡樹脂で断熱されたことを特徴とする請求項1記載
    の内部観察の可能な極低温用クライオスタット。
  3. 【請求項3】 光ファイバーが、クライオスタットの外
    部に位置する部分のみを真空2重管または/および発泡
    樹脂で断熱され、クライオスタット内部の光ファイバー
    を屈曲自在にしたことを特徴とする請求項1記載の内部
    観察の可能な極低温用クライオスタット。
  4. 【請求項4】 光ファイバーが、クライオスタットの上
    部から挿入されたことを特徴とする請求項1、2または
    3記載の内部観察の可能な極低温用クライオスタット。
JP1435497A 1997-01-28 1997-01-28 内部観察の可能な極低温用クライオスタット Withdrawn JPH10211435A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100422717C (zh) * 2004-05-11 2008-10-01 深圳大学 一种用于椭圆偏振光谱测量的光学低温恒温器
JP2013140185A (ja) * 2013-04-19 2013-07-18 National Institute For Materials Science 極低温超音波疲労非破壊試験評価装置
CN113466023A (zh) * 2021-06-30 2021-10-01 广船国际有限公司 一种低温冲击试验的试样储罐装置

Cited By (4)

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CN113466023B (zh) * 2021-06-30 2023-12-05 广船国际有限公司 一种低温冲击试验的试样储罐装置

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Effective date: 20040406