JPH10209777A - 増幅装置 - Google Patents
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- JPH10209777A JPH10209777A JP9008155A JP815597A JPH10209777A JP H10209777 A JPH10209777 A JP H10209777A JP 9008155 A JP9008155 A JP 9008155A JP 815597 A JP815597 A JP 815597A JP H10209777 A JPH10209777 A JP H10209777A
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Abstract
出力増幅器により増幅した後合成して出力する増幅装置
に関し、高出力増幅器で発生する非線形歪を拡散して高
出力増幅器の動作点を引き上げて高効率の増幅を実現す
ることを目的とする。 【解決手段】 M個の入力端子と、該M個の入力端子
の、それぞれに入力された無線信号を、N系列の信号に
分配する電力分配回路と、該電力分配回路のN系列の出
力信号を、並列動作によって、それぞれ増幅するN個の
高出力増幅器と、該N個の高出力増幅器のそれぞれの出
力を合成してM個の出力端子に信号を出力する電力合成
回路とから成り、各入力端子に入力された無線信号の信
号成分が、該入力端子に対応する出力端子から、それぞ
れ出力されるように構成した増幅装置であって、上記各
高出力増幅器内または各高出力増幅器の前段あるいは後
段に、各高出力増幅器で発生する非線形歪成分の振幅と
位相のうちの少なくとも一方を調整できる歪制御回路を
設けることにより構成する。
Description
置に用いられる複数信号の共通増幅を必要とする高出力
増幅装置に関し、該高出力増幅装置で発生する非線形歪
を拡散し、通信に必要な信号対雑音比を損うことなく、
高出力増幅装置の動作点を引き上げることにより、高い
効率で信号の増幅を行なうことを可能にする増幅装置に
係る。
号の共通増幅を必要とする高出力増幅器においては、高
出力増幅器の有する非線形性により歪が発生するので以
下に記すような運用上の制限を生ずる。すなわち、高出
力増幅器の非線形性により発生する歪は共通増幅を受け
る通信信号への干渉源となるので、通信条件を満足する
ためには歪発生量がある規定値以下に収まる範囲になる
ように、高出力増幅器を動作させる必要がある。
に近付くに従い歪発生量が増加するので、動作点を出力
飽和点より低いレベルに下げて動作させる。この時の、
出力飽和点から動作点を下げることをバックオフとい
い、そのレベル低下量をバックオフ量という。一方、高
出力増幅器の効率は通常出力飽和点近傍動作時に最大と
なり、動作点を下げる(バックオフ量を大きくする)ほ
ど効率は低くなる。
高出力増幅器(参考文献:M.Shigakiet. al: "S-Band Hig
h-Power and High-Efficiency SSPA for Onboarding Sa
te-llite," AIAA ICSSC Digest, pp.108-112, Feb.199
6.)について言えば、通常出力飽和点とみなす2dB利
得圧縮点から出力バックオフ量を0dB,1dB,2d
B,3dB,4dBと増やした時にそれぞれの効率は、
43%,37%,32%,26%とldB出力バックオ
フ量を増やす毎に効率が5〜6%ずつ低下してしまう。
する歪量の低減を図り、通信条件を満足する歪発生量以
下の動作範囲を少しでも高いレベルに引き上げ、効率の
高い動作点で高出力増幅器を動作させることが重要とな
ってくる。特に衛星搭載用のように限られた電力で伝送
容量を確保するためには、歪補償による高出力増幅器の
高効率動作が非常に重要となってくる。
搭載用高出力増幅器には総合でキロワット[kW]以上
の無線信号出力を必要とする高出力化が求められてお
り、上記説明の中で引用したS帯高出力増幅器の効率の
例に従えば、無線信号出力電力として1キロワット(k
W)が要求される場合、DC電力としてそれぞれ、2.
3kW,2.7kW,3.1kW,3.8kW,4.8
kWが必要となる。
それぞれの必要DC電力から信号出力電力1kWを差し
引いた値がそのまま熱となるので、その排熱が熱設計上
の大きな問題となる。このように、飽和点近傍では出力
バックオフ量1dBの違いがシステムに多大に影響する
ことが分かる。
歪補償回路を高出力増幅器に付加して歪発生量を低減さ
せる方法が多く採られてきた。これらは、いずれも歪補
償回路として機能し、高出力増幅器で発生する歪を低減
する効果を有している。しかしながら、出力飽和点から
のバックオフ量でみると、十分に歪を低減しているのは
バックオフ量が大きいところであり、バックオフ量の小
さい(数dB程度の)領域ではあまり歪低減がなされて
いない。
ct of a New TWTA Linea1izer UponOPSK/TDMA Transmis
sion Performance," IEEE Journal on Selected Areas
inCommunications, Vol.SAC-1,No.1, pp.39-45, Jan.19
83. ,R.Inada, H.Ogawa, S.Kitazume and P.DeSantis:
" A Compact 4GHz Linearizer for Space Use," IEEE
MTTS Digest,pp.323-326,1986.,
/C-Band SSPA/UpconVerter for Mobi1e Communication
Satellite,"AIAA ICSSC Digest, pp.86-93, Feb.1996.
,野島,岡本,大山:「マイクロ波SSB−AM方式
用プリディストーシヨン非線形ひずみ補償回路」, 電子
通信学会論文誌, pp.78-85, VoL.J67-B No.1, Jan.198
4. ,
Linearizeer Using Balanced Circulators and Its App
lication to Multilevel Digital Radio Systems,"IEEE
Transactions on Microwave Theory and Techniques,
Vol.37, No.8, pp.1237-1243, Aug. 1989. 等)
複数の高出力増幅器の並列バランス動作が必要となる。
図6は、従来の回路電力合成型並列動作高出力増幅装置
の例を示す図であって、数字符号61は入力端子、62
は電力分配回路、64−1〜64−Nは高出力増幅器、
65は電力合成回路、66は出力端子、67−1〜67
−Nは歪補償回路を表わしている。
させる高出力増幅装置は、電力分配部分と並列増幅器部
分と電力合成部分とから構成される。電力合成部分が電
気回路により構成されるものの代表例としてマルチポー
ト増幅器(参考文献:M.Tanaka, K.Yamamoto, S.Egami,
K.Ohkubo:"S-Band MultipleBeam Transmitter for N-S
TAR," AIAA ICSSC Digest, pp.80-85,Feb.1996.)等が
ある。
力増幅装置の例を示す。同図において、数字符号71は
入力端子、72は給電回路、74−1〜74−Nは高出
力増幅器、77−1〜77−Nは歪補償回路、78−1
〜78−Nは放射器、79−1〜79−Mはビームを表
わしている。
された放射手段により空間に放射され、空間において電
力合成されるものの代表例がアクティブ・フェーズド・
アレー・アンテナである。いずれにしろ、高出力増幅器
を並列にバランス動作させる高出力増幅装置を歪補償に
より動作点を引き上げ高効率化することは、衛星の限ら
れた電力発生能力内において有効に高出力無線信号を得
ることになり、かつ、高出力増幅器から発生する熱の低
減に直結し、衛星の限られた排熱能力内で有効に無線信
号電力を確保する上で極めて有効な手段である。
たように、従来の並列バランス動作高出力増幅装置は、
各増幅器に付加する歪補償回路により歪を低減してい
る。そのため、個々の高出力増幅器の歪補償回路による
歪補償と同様に、出力飽和点からのバックオフ量でみる
と、十分に歪を低減しているのはバックオフ量が大きい
ところであり、バックオフ量の小さい(数dB程度の)
領域ではあまり歪低減がされないという前述の問題は解
決されていない。
の揃った高出力増幅器によりバランス動作させることに
なるが、実際の回路においては増幅器の特性(特に非線
形特性)はバラツキを有し、かつ歪補償回路の特性もバ
ラツキを有する。それゆえ、歪補償の結果得られる歪の
残留分はある程度のバラツキを有することになる。
増幅器における歪感度解析」、1992年電子情報通信
学会春期大会講演論文集、B−221)によると、8台
の歪補償回路を有する並列増幅器からなるマルチポート
増幅器においては、各増幅器出力端での非線形歪には位
相で90度程度のバラツキが発生していることを示して
いる。
ものであり、並列バランス動作ゆえのメリットである。
しかしながら、バックオフ量の小さい領域での歪低減は
不十分なままである。移動体衛星通信用の搭載高出力増
幅器に必要とされる信号電力対干渉雑音比(C/I)
は、方式に依存するが、概ね16〜18dB、厳しいも
のだと20dB以上である。C/Iは測定法に基づくパ
ラメータで雑音電力比(NPR)で表現されることもあ
るが、その場合でも同じ数値が必要とされる。
回路による歪補償を行なっても、2dB利得圧縮点か
ら、数dBバックオフした動作点で高出力増幅装置を運
用しなければならない。すなわち、従来の装置では、高
出力増幅器を最も高い効率で動作させることが可能な出
力飽和点で運用することができなかった。
分な歪低減を得ることのできなかった並列バランス動作
高出力増幅装置の出力飽和点においても、通信に必要な
性能を確保するための歪低減を可能とし、複数信号の共
通増幅を必要とする無線送信装置に用いられる高出力増
幅装置の飽和点動作による高効率信号増幅を可能にする
並列バランス動作高出力増幅装置を提供することを目的
としている。
動作高出力増幅装置において、各増幅器から出力される
増幅された信号成分と非線形歪成分の内、非線形歪成分
のみの出力の位相を調整できる歪制御回路を各増幅器に
具備し、回路における電力合成がなされる並列バランス
動作高出力増幅装置の場合は、信号が出力される端子以
外の出力端子や終端されている端子等へ、
列バランス動作高出力増幅装置の場合は、信号が放射さ
れる方向以外へ非線形歪を拡散することにより、高出力
増幅器の出力飽和点動作時においても通信信号のC/I
比を十分に確保することを最も主要な特徴とする。
とするとき、M個の入力端子と、該M個の入力端子の、
それぞれに入力された無線信号を、N系列の信号に分配
する電力分配回路と、該電力分配回路のN系列の出力信
号を、並列動作によって、それぞれ増幅するN個の高出
力増幅器と、該N個の高出力増幅器のそれぞれの出力を
合成してM個の出力端子に信号を出力する電力合成回路
とから成り、
分が、該入力端子に対応する出力端子から、それぞれ出
力されるように構成した増幅装置であって、上記各高出
力増幅器内または各高出力増幅器の前段あるいは後段
に、各高出力増幅器で発生する非線形歪成分の振幅と位
相のうちの少なくとも一方を調整できる歪制御回路を設
けた増幅装置である。
き、M個の入力端子と、該M個の入力端子の、それぞれ
に入力された無線信号を、N系列の信号に分配する給電
回路と、該給電回路のN系列の出力信号を、並列動作に
よって、それぞれ増幅するN個の高出力増幅器と、該N
個の高出力増幅器の、それぞれの出力を空間に放射する
N個の放射器とから成り、前記放射器から放射された電
波が空間において合成され、
分が、該各入力端子に対応するM個のビームとして形成
されるように構成した増幅装置であって、上記各高出力
増幅器内または各高出力増幅器の前段あるいは後段に、
各高出力増幅器で発生する非線形歪成分の振幅と位相の
うちの少なくとも一方を調整できる歪制御回路を設けた
増幅装置である。
求項2の発明において、歪制御回路と高出力増幅器とか
らなる系の信号成分に対する増幅特性を、各系につい
て、ほぼ等しくするように構成したものである。
高出力増幅器毎に歪補償回路を付加することにより、各
高出力増幅器出力において歪低減を図る手法を用いてお
り、並列バランス動作増幅装置全体においては、各増幅
器出力特性の有するある程度の不均一性によって、個々
の歪補償回路を付加した高出力増幅器のC/I比より若
干改善されたC/I比が得られるものの、出力飽和点に
おける十分な歪低減が得られなかった。
る歪補償回路を付加する構成に対し、本発明は信号成分
が到達する方向以外に非線形歪を拡散するために各増幅
器からの非線形歪成分の振幅と位相の内少なくとも一方
を調整する歪制御回路を付加する構成とする点で大きく
異なる。
される増幅された信号成分と非線形歪成分の内、非線形
歪成分の出力の振幅と位相の内少なくとも一方を調整で
きる歪制御回路を各増幅器に具備する構成となっている
ので、信号成分については本来の出力端子、あるいは方
向に電力合成の結果として得ることができる。
路により各高出力増幅器の非線形歪成分の位相状態をば
らまくことができる。(並列増幅器の数が多いほどその
拡散量は大きくなる)従って、信号到達点での通信信号
のC/I比に着目すると高出力増幅器の出力飽和点動作
時にも大幅な歪低減がなされ、十分なC/I比が得られ
る。
の例を示す図であって、数字符号11は入力端子、12
は電力分配回路、13−1〜13−Nは歪制御回路、1
4−1〜14−Nは高出力増幅器、15は電力合成回
路、16は出力端子を表わしている。
し、複数(N個)の並列増幅器から構成される並列動作
増幅装置の例を示している。無線信号が入力される複数
(M個)の入力端子を有し、各端子からの入力をそれぞ
れ複数(N個)の出力端子に分配して出力する電力分配
回路と、それらN個の出力端子に縦続に接続されるN組
の歪制御回路と高出力増幅器と、それらに接続されるN
個の入力端子から入力される信号を合成しM個の出力端
子に出力する電力合成回路から構成されている。
信号はN個全ての増幅器において増幅され、合成された
後、対応する電力合成回路の出力端子から出力される。
N組の歪制御回路と高出力増幅器は、信号成分の増幅特
性に関しては等しくバランス動作を行なう。一方、歪成
分に対しては歪制御回路の機能により、N組それぞれ異
なる特性を有する。
動作増幅装置と同様に増幅され、歪成分については位相
と振幅のうち少なくとも一方が異なるように制御される
ことによりバランス動作が崩れ、特定の出力端子に集中
することなく、全ての出力端子あるいは段間の終端器へ
拡散されることになる。
でなく振幅もある程度制御することができると、個々の
増幅器出力端においても歪成分を低減することができ、
かつ拡散による歪低減も享受でき、非常に大きな歪低減
を得ることができる。歪制御回路によりN組の歪位相を
2πにばらまくように制御すれば、出力端において従来
方式における最小のC/I比を[10* LOG
(N)]dB(例えば8並列動作の場合9dB、32並
列動作の場合15dB)改善することができる。
に、図1の並列動作増幅器を具体化したものを図2に示
す。同図において、数字符号21は入力端子、22は電
力分配回路、2211〜2234は、それぞれ、3dB−π
/2−ハイブリッド、23−1〜23−8は歪制御回
路、24−1〜24−8は高出力増幅器、25は電力合
成回路、2511〜2533は、それぞれ3dB−π/2−
ハイブリッド、26は出力端子、27は終端回路を表わ
している。
個の歪制御回路23−1〜23−8と高出力増幅器から
なる並列動作増幅器である。電力合成回路、電力分配回
路は3dB−π/2−ハイブリッドで構成され、使われ
ない端子は無反射終端されている。入力端子1から入力
された信号は増幅された後出力端子1から出力されるよ
うに対応づけられている。以下に動作原理について説明
する。
号成分[Sout]と歪成分[Dout]を用いて、
“数1”で示す(1)式のように表わすことができる。
一つの能動回路として特性を定義し、信号成分に対する
歪制御回路と高出力増幅器の特性を[Samp]、歪成
分に対する歪制御回路と高出力増幅器の特性を[Dam
p]とすると、(1)式右辺の各項は、入力[IN]、
電力分配回路[DIV]、電力合成回路[COMB]を
用いて、“数2”で示す(2)式、および“数3”で示
す(3)式のように表わすことができる。
回路の入力信号すなわち[DIV]・[IN]を基に、
歪制御回路と高出力増幅器の有する非線形性により伝送
信号帯域内に発生する相互変調歪積からなる歪成分を表
わしている。相互変調の基となる信号の入力経路の情報
と、歪積の周波数情報からなるIMにより表わされるも
のである。
積(ミキシングによる生成物)として生じるものである
ので、一般式で表現するのは非常に複雑となるため、本
説明では動作原理を説明するに足りる範囲で簡略化して
(3)式のように表現する。
−ハイブリッドの入出力関係を、“数4”で示す(4)
式のように、複素表示を用いて定義すると、[DI
V]、[COMB]、[Samp]、[Damp]はそ
れぞれ、“数5”〜“数8”で示す(5)式〜(8)式
のように表わすことができる。
作、すなわち信号成分の増幅特性を揃えた動作をするよ
うに構成されているので、(7)式に示すように、信号
成分に対する8組の歪制御回路と高出力増幅器の組合せ
における各増幅特性は等しいものとして“外1”として
与えた。Gは利得、“外2”は通過位相を表わしてい
る。また、歪成分に対する特性は8組それぞれ違う物と
して(8)式にて与えた。Dn(n=l〜8)は利得、
“外3”は通過位相を表わしている。
係をまとめると、“数9”で示す(9)式のようにな
り、入力端子対出力端子は1対1に対応づけられ利得G
を与えられ出力される様子が分かる。
は単純な表現とはならない。そこで、並列動作増幅装置
において、C/I比の条件からみて最も厳しくなる全信
号が1個の端子に集中する場合について説明する。入力
端子1から全信号が入力される場合を考えると、
(3)、(5)、(6)、(8)式から歪成分出力[D
out]は、“数10”で示す(10)式のように表現
することができる。
る歪成分の周波数情報からなるIMと、各歪制御回路の
制御により決定される歪成分の振幅・位相の情報“外
4”の積によって表現されている。従来の並列動作増幅
装置においては、Dn 、φn はそれぞれほぼ同じ値(ほ
ぼ揃った特性)となるので、(9)式の信号成分の関係
式と同様に、“数11”で示す(11)式のようにな
る。
現になっているのは、従来技術の項でも説明したよう
に、実際の回路においては増幅器の特性(特に非線形特
性)はバラツキを有することになるので、Dn 、φn は
それぞれ厳密には等しい値とはならないためである。
は、従来の偶然の産物による僅かな位相のバラツキによ
るものではなく、2πに渡り歪成分の位相をばらまくこ
とであり、例えば、φ 1〜φ8 の値がそれぞれ0,π/
4,π/4,π/2,π/4,π/2,π/2,3π/
4となるように歪制御回路により制御すると、歪成分の
出力は、“数12”で示す(12)式のようになる。
に集中していた歪成分が全ての出力端子と無反射終端器
に分散され、出力端子1に出力される信号成分への干渉
源として振る舞う歪成分が低減され、C/I比が[10
*LOG(8)]dB改善されることになる。
おいて全てが同位相で合成、すなわち電圧和(増幅器の
台数をNとすると、足し合わせ分は[20* LOG
(N)]dB)であり、歪成分については全ての経路に
分散され、丁度電力分配されることになり、このとき信
号出力端に出力される歪成分は各増幅器出力分の電力和
(足し合わせ分は[10* LOG(N)]dB)とな
つている。
も電圧和の関係があるので、本発明の適用により電圧和
と電力和の差に相当する[10* LOG(N)]dB
の歪低減効果を得ることができる。
して別の組合せになるように調整すると上記説明に用い
た入力端子1に全ての信号が集中する場合に、出力端子
1に全く歪成分を出力させずに、残りの出力端子あるい
は無反射終端器に出力させることも可能であるが、入力
信号状態が異なる場合に[10* LOG(N)]dB
の改善が得られない場合が生じる。
も全端子にばらまくことができるので、[10* LO
G(N)]dBのC/I比改善が常に得られることを示
している。これは、各増幅器出力端において信号成分と
歪成分を観測し、C/I比が0dB(レベル差無し)で
あっても、100台の高出力増幅器の並列動作であれ
ば、出力端では20dBのC/I比が得られることにな
る。このように、各高出力増幅器を飽和動作させても、
通信に必要なC/I比を確保することが可能となり、従
来に無い高効率高出力増幅が可能になる。
す図である。同図において、数字符号31は入力端子、
32は給電回路、33−1〜33−Nは歪制御回路、3
4−1〜34−Nは高出力増幅器、35−1〜35−N
は放射器、36−1〜36−Mはそれぞれビームを表わ
している。
分配器を給電回路に置き換えると共に、電力合成回路部
分を、放射器により電波を放射し空間で電力合成する方
式に置き換えたものである。この例では、出力端子に代
わり照射方向という形で信号の出力先が与えられる。
においても前述の回路電力合成型並列増幅装置の場合と
同様に、並列動作する高出力増幅器の信号成分に対する
特性はバランスさせ、歪成分に対する特性にはバラツキ
をもたせることで、信号成分を所望の方向へ照射させる
ことができ、歪成分はそれ以外の方向へ拡散させること
ができるので、C/I比を大幅に改善することができ
る。
あって、数字符号41は入力端子、42−1〜42−3
は給電回路、43−1〜43−8は歪制御回路、44−
1〜44−8は高出力増幅器、45−1〜45−8は放
射器、46は減衰器、47は移相器を表わしている。
を有する給電回路と、8組の歪制御回路と高出力増幅器
とそれらに接続される放射器とから構成されている。給
電回路において、移相器と可変減衰器により3照射方向
のビームパターンを形成するための8素子の励振分布を
付与する。このような構成によっても歪制御回路により
歪成分を制御することでC/I比が改善できる例を示し
ている。
作増幅装置のアンテナパターンの解析例を示す。放射器
は開口径λ/2(λは無線信号の波長)の円形開口アン
テナとし、8放射器がλ/2間隔で等間隔に配置されて
いるものとした。この場合、ビームの半値幅は約15度
となるので、−15,0,15度の3方向に照射する例
を考える。
を照射方向2、15度の場合を照射方向3としたとき、
図5における数字符号51は照射方向1の信号成分のビ
ームパターン、52は照射方向2の信号成分のビームパ
ターン、53は照射方向3の信号成分のビームパター
ン、54は照射方向1から外した歪成分のビームパター
ン、55は照射方向3から外した歪成分のビームパター
ン、56a,56bは照射方向2から外した歪成分のビ
ームパターンを示している。
ローブ量−20dBの得られるチェビシェフ分布とし、
3照射方向分全て同じものを与えている。8組の歪制御
回路と高出力増幅器の信号成分に対する特性は等しいも
のとし、歪成分に対する特性は歪制御回路による制御に
より、端から順番に0,π,0,π,・・・となるよう
に設定する。
は図5に示すように、−15,0,15度の3方向に形
成され、従来方式のままであれば、それら信号成分と同
方向に照射されていた歪成分に関しては、信号成分が照
射される方向とは全く違う方向へ拡散されることにな
る。
送に使用されるとすると、伝送上C/I比は大幅に改善
され、本説明例においては25dB以上改善されること
になる。この改善量は高出力増幅器を飽和動作させても
伝送に必要なC/I比を確保することが可能であること
を示している。本説明において用いた歪制御回路による
設定値はほんの1例であり、信号成分が照射される方向
と異なる方向へ歪成分のみを拡散するための解はたくさ
んある。
列動作増幅装置の場合のC/I比改善が並列台数Nに依
存し、[10* LOG(N)]dBの改善量となるの
に対し、空問電力合成型並列動作増幅装置の場合、並列
台数がさほど多くなくても、広い空間を有効に活用する
ことで伝送上のC/I比を大幅に改善することが可能と
なり、高効率大電力増幅が可能となる。
従来の増幅回路では十分な歪低減を得ることのできなか
った並列バランス動作高出力増幅装置の出力飽和点近傍
において、非線形歪拡散による歪低減が可能となり、複
数信号の共通増幅を必要とする無線送信装置に用いられ
る高出力増幅装置の飽和点動作による高効率な信号増幅
を実現することができる。
ことで、従来の発電能力のままでも高出力化を達成する
ことが可能になる。さらに、同じ無線信号電力を得るの
に生ずる放熱を低減できるので、排熱能力に限りのある
衛星において有効に高出力化を達成することができる利
点がある。
る。
である。
る。
である。
析例を示す図である。
の例を示す図である。
の例を示す図である。
33−N,43−1〜43−8 歪制御回路 14−1〜14−N,24−1〜24−8,34−1〜
34−N,44−1〜44−8,64−1〜64−N,
74−1〜74−N 高出力増幅器 15,25,65 電力合成回路 16,26,66 出力端子 2211〜2234,2511〜2533 ハイブリッド 27 終端回路 32,42−1〜42−3 給電回路 35−1〜35−N,45−1〜45−8 放射器 36−1〜36−M ビーム 46 減衰器 47 移相器 51〜53 信号成分のビームパターン 54,55,56a,56b 歪成分のビームパター
ン 67−1〜67−N,77−1〜77−N 歪補償回
路
Claims (3)
- 【請求項1】 M≧N≧2とするとき、M個の入力端子
と、 該M個の入力端子の、それぞれに入力された無線信号
を、N系列の信号に分配する電力分配回路と、 該電力分配回路のN系列の出力信号を、並列動作によっ
て、それぞれ増幅するN個の高出力増幅器と、 該N個の高出力増幅器のそれぞれの出力を合成してM個
の出力端子に信号を出力する電力合成回路とから成り、 各入力端子に入力された無線信号の信号成分が、該入力
端子に対応する出力端子から、それぞれ出力されるよう
に構成した増幅装置であって、 上記各高出力増幅器内または各高出力増幅器の前段ある
いは後段に、各高出力増幅器で発生する非線形歪成分の
振幅と位相のうちの少なくとも一方を調整できる歪制御
回路を設けたことを特徴とする増幅装置。 - 【請求項2】 M≧N≧2とするとき、M個の入力端子
と、 該M個の入力端子の、それぞれに入力された無線信号
を、N系列の信号に分配する給電回路と、 該給電回路のN系列の出力信号を、並列動作によって、
それぞれ増幅するN個の高出力増幅器と、 該N個の高出力増幅器のそれぞれの出力を空間に放射す
るN個の放射器とから成り、 前記放射器から放射された電波が空間において合成さ
れ、各入力端子に入力された無線信号の信号成分が、該
各入力端子に対応するM個のビームとして形成されるよ
うに構成した増幅装置であって、 上記各高出力増幅器内または各高出力増幅器の前段ある
いは後段に、各高出力増幅器で発生する非線形歪成分の
振幅と位相のうちの少なくとも一方を調整できる歪制御
回路を設けたことを特徴とする増幅装置。 - 【請求項3】 歪制御回路と高出力増幅器とからなる系
の信号成分に対する増幅特性を、各系について、ほぼ等
しくした請求項1または請求項2に記載の増幅装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP00815597A JP3665165B2 (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 増幅装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00815597A JP3665165B2 (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 増幅装置 |
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JPH10209777A true JPH10209777A (ja) | 1998-08-07 |
JP3665165B2 JP3665165B2 (ja) | 2005-06-29 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001022574A1 (fr) * | 1999-09-17 | 2001-03-29 | Ntt Docomo, Inc. | Amplificateur d'energie multiterminal par synthese, a correction aval |
JP2006067428A (ja) * | 2004-08-30 | 2006-03-09 | Mitsubishi Electric Corp | マイクロ波分配回路 |
JP2011139268A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Fujitsu Ltd | 無線中継装置、無線中継方法 |
-
1997
- 1997-01-21 JP JP00815597A patent/JP3665165B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001022574A1 (fr) * | 1999-09-17 | 2001-03-29 | Ntt Docomo, Inc. | Amplificateur d'energie multiterminal par synthese, a correction aval |
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JP2006067428A (ja) * | 2004-08-30 | 2006-03-09 | Mitsubishi Electric Corp | マイクロ波分配回路 |
JP2011139268A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Fujitsu Ltd | 無線中継装置、無線中継方法 |
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