JPH10206972A - 蛍光スクリーン及びこれを用いた表示装置 - Google Patents

蛍光スクリーン及びこれを用いた表示装置

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JPH10206972A
JPH10206972A JP9013904A JP1390497A JPH10206972A JP H10206972 A JPH10206972 A JP H10206972A JP 9013904 A JP9013904 A JP 9013904A JP 1390497 A JP1390497 A JP 1390497A JP H10206972 A JPH10206972 A JP H10206972A
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infrared
ions
ion
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JP9013904A
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Masaharu Ishiwatari
正治 石渡
Akira Okubo
晶 大久保
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型で大画面化が可能な解像度の高い蛍光
スクリーンを利用した表示装置の提供 【解決手段】赤外線を可視光に変換する塩化物主体の透
明ガラス材を、少なくとも一方が透明な耐湿材料で密封
してなることを特徴とする蛍光スクリーンであって、G
dイオンおよび赤外可視変換機能を有するErイオンな
どを含有する赤外可視変換透明ガラス材からなる蛍光ス
クリーンを用いた表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外励起蛍光を利
用した蛍光スクリーンおよびこれを用いた表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】文字情報や画像等を表示する装置として
は、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、蛍光表示
管(VFD)などが従来用いられてきた。最近、より多くの
情報や訴求力のある画像を表示するために表示装置の大
画面化が求められている。一方、その設置スペースは小
さいことが望ましい。しかし、CRTは大画面化に伴な
い装置全体が巨大化する問題があり、また製造コストの
点からも大型化には限界がある。LCDやVFDは画素
毎に表示素子が必要であるため大画面で高精度なディス
プレイは製造が難しくコストの面で実用的水準には至っ
ていない。
【0003】そこで、有機又は無機発光物質を含有させ
たスクリーンと励起光照射手段とからなる表示装置が提
案されている。これは、スクリーン上を信号に応じて変
調させた励起光ビームで走査することにより任意の文字
あるいは図形を描出するものである。スクリーンは支持
基板と蛍光層を含むだけの単純な構造なので低コストで
画面を大型化することが可能であり、装置の占有面積は
最小限にとどめることができる。
【0004】有機発光物質を用いた例としては、特開昭
63-108376号や特開昭64-2024号に、高調波を発生する有
機分子粉末を基板で挟み込んでスクリーンとし、これに
赤外レーザーを照射して可視光を発生させることによる
表示装置が記載されている。また、特開平3-274588号で
は有機色素を含む二酸化珪素薄膜をガラス又はプラスチ
ック基板上に形成して得られる蛍光スクリーンが提案さ
れている。
【0005】また、無機発光物質を用いた例としては、
特開昭59-177595号に、オキシクロライド化合物あるい
はフッ化物に希土類イオンをドープしてなる蛍光物質を
アクリル樹脂等のバインダーと混合してガラス基板上に
塗布してなる蛍光スクリーンが記載されている。この蛍
光スクリーンでは、赤外線により可視光域の蛍光を生じ
る。また、特開平3-113485号では、EuをドープしたBa-M
gアルミネート等の蛍光発光層上にKTiO4PO4単結晶やBaB
2O4単結晶等の紫外線変換素子を貼り付けた蛍光スクリ
ーンが提案されている。この装置では、赤外レーザーを
励起光として用い、これを紫外線変換素子で紫外線に転
換し、この紫外光により蛍光物質を発光させている。
【0006】しかし、有機発光物質は紫外線や熱に対す
る安定性に欠ける。また従来既知の有機発光物質を表示
装置に用いる場合は、紫外線レーザーを光源とする必要
があり、コンパクトな装置で十分な出力を得るのが難し
いという問題がある。また、無機発光物質を用いる場合
は、通常、粉末体を基板で挟むか、バインダー樹脂又は
透明ガラス中に分散させて使用しているが、粉末体では
散乱によるスポットの広がりおよびそれに伴う強度低下
があるため解像度が悪くなる。
【0007】一方、フッ化物に希土類イオンをドープし
てなる蛍光物質のように、それ自体をガラス化して用い
ることも考えられるが、フッ化物ガラスは格子振動エネ
ルギーが高いため多フォノン緩和時間が短くなり、結果
として十分な輝度が得られない。フッ化物以外にも塩化
物ガラス等のハロゲン化物ガラスも知られているが、こ
れらは耐湿性が低く、経時的に失透するなどの問題があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の表示
装置における上記問題点を解消したものであって、薄型
化および大画面化が容易で、長期にわたる使用や屋外で
の使用に耐え得る耐久性を有し、しかも十分な輝度を有
する蛍光スクリーンを利用した表示装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決する手段】本発明者らは、耐熱性および発
光強度に優れた塩化ガドリニウムを主体とする波長変換
ガラス材を先に提案した(特願平7-269067号)。本発明
は、その好適な態様として、この赤外可視変換機能を有
するガラス材を蛍光スクリーンとして利用することによ
り、大画面化を可能にしたものである。
【0010】すなわち本発明は、(1)赤外線を可視光に
変換する塩化物主体の透明ガラス材を、少なくとも一方
が透明な耐湿材料で密封してなることを特徴とする蛍光
スクリーンに関するものである。本発明の上記蛍光スク
リーンは以下の態様を含む。 (2)ガラス材を構成する陽イオンの主成分がガドリニウ
ム(Gd)イオンであり、赤外可視変換機能を有する希土類
イオンを含有する赤外可視変換透明ガラス材を用いた上
記(1)に記載の蛍光スクリーン。 (3)希土類イオンが、ネオジム(Nd)、ホルミウム(Ho)、
エルビウム(Er)およびツリウム(Tm)から選択される上記
(2)に記載の蛍光スクリーン。 (4)陽イオン成分として、20〜70モル%のGdイオ
ン、0.01〜30モル%の希土類イオンおよび少なく
とも1種類のアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金
属イオンを含有する赤外可視変換透明ガラス材を用いた
上記(2)または(3)に記載の蛍光スクリーン。 (5)陽イオン成分として、Gdイオンおよび希土類イオ
ンに加えて5〜35モル%のナトリウム(Na)イオン、0
〜15モル%のイットリウム(Y)イオン、0〜15モル
%のランタン(La)イオン、0〜20モル%のバリウム(B
a)イオン、0〜10モル%のストロンチウム(Sr)イオン
および0〜12モル%のカリウム(K)イオンを含有する
赤外可視透明ガラス材を用いた上記(2)または(3)に記載
の蛍光スクリーン。 (6)陰イオン成分として、77〜97モル%の塩素(Cl)
イオンおよび3〜23モル%のフッ素(F)イオンを含有
する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の蛍光スクリーン。 (7)上記赤外可視変換ガラス材が相対向する基体の間に
密封されており、該基体の少なくとも一方が透明な耐湿
材からなる請求項1〜6のいずれかに記載の蛍光スクリ
ーン。
【0011】また本発明は、(8)赤外ビーム発生装置、
該赤外ビームを変調する光変調器、赤外ビームの走査装
置および請求項1〜7のいずれかに記載の蛍光スクリー
ンを有し、赤外ビームを蛍光スクリーン上に走査させて
可視像を描出する赤外可視変換表示装置に関するもので
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】(I) 蛍光スクリーン 本発明の蛍光スクリーンは、赤外線を可視光に変換する
塩化物主体の透明ガラス材を、少なくとも一方が透明な
耐湿材料で密封してなることを特徴とするものであり、
好ましくは、ガラス母材を構成する陽イオンの主成分が
Gdイオンであり、赤外可視変換機能を有する希土類イ
オンを含有する赤外可視変換透明ガラス材を用いたもの
である。蛍光発光層のガラス母材として塩化物主体のガ
ラスを用いることにより多フォノン緩和を押さえて可視
変換能を高めることができる。特に塩化ガドリニウムを
主体とすることにより、結晶化(失透)し難い安定なガラ
スとすることができる。また、ガラス板として用いるこ
とにより、粉末体の蛍光体を用いたものよりも入射赤外
線および出力可視光の分散を抑え解像度を向上させるこ
とができる。
【0013】上記赤外可視変換透明ガラス材は、陽イオ
ン成分として、20〜70モル%のGdイオンおよび少
なくとも1種類のアルカリ又はアルカリ土類金属イオン
を含有するものが好ましい。ガドリニウムイオンが20
モル%未満あるいはアルカリまたはアルカリ土類金属イ
オンを含まない状態では安定なガラスを得るのが難し
い。特に下記組成のものが好ましい。なお、各イオンは
いずれも陽イオン全量中の割合である。 Gdイオン:40〜70モル% Yイオン :0〜15モル% Laイオン:0〜15モル% Baイオン:0〜20モル% Srイオン:0〜10モル% Naイオン:5〜35モル% Kイオン :0〜12モル% 上記範囲外では微結晶を生じやすくガラスとしての安定
度が悪くなり、透明度が損なわれる。
【0014】上記ガラス材における陽イオンのより好ま
しい範囲は以下のとおりである。 Gdイオン:50〜65モル% Yイオン :3〜12モル% Laイオン:0〜15モル% Baイオン:5〜15モル% Srイオン:2〜7モル% Naイオン:20〜32モル% Kイオン :2〜5モル%
【0015】あるいは、以下の陽イオンを含有するもの
でも良い。 Gdイオン:50〜70モル% Baイオン:10〜40モル% Srイオン:0〜40モル% Caイオン:0〜40モル% であって、Baイオン、CaイオンおよびSrイオンの
合計量が50モル%以下であるもの。
【0016】また上記透明ガラス材は、陽イオン成分全
体の0.01〜30モル%、より好ましくは、0.05〜
20モル%の上記希土類イオンを含有する。好ましい希
土類イオンは、ネオジム(Nd)、ホルミウム(Ho)、エルビ
ウム(Er)およびツリウム(Tm)からなる群より選択され
る。希土類イオンの含有量が0.01モル%未満では蛍
光発光の強度が小さい。30モル%を超えると却って濃
度消光が起こり、却って蛍光発光の強度が小さくなる。
Erイオンは0.5〜15モル%が最も好ましい。これ
らの希土類イオンは1種類でも、2種類以上を組み合わ
せて使用してもよい。
【0017】これらの希土類イオンはいずれも赤外域に
励起準位を有し可視光を発する。例えば、Ndイオンは
730〜820nmの励起光を受けて緑色光(510〜545nm)
および黄色光(580〜600nm)を発生する。Hoイオンは8
10〜840nmの励起光を受けて緑色光(520〜560nm)を
発生する。またErは810nm前後の励起光により緑色
光(510〜560nm)を発生する。Tmは770〜800nmの
励起光により青色光(480nm前後)を生じる。このうち発
光輝度の大きいErが好ましい。
【0018】ガラス母材を構成する陰イオン成分とし
て、塩化物イオンと共にフッ化物イオンを共存させるこ
とが好ましい。フッ化物イオンを共存させることにより
耐湿性がさらに向上する。具体的には、Clイオン:7
7〜97モル%、Fイオン:3〜23モル%の範囲が好
ましい。上記範囲外では微結晶を生じやすくガラスとし
ての安定度が悪くなり、透明度が損なわれる。より好ま
しくは、Fイオン:8〜15モル%である。
【0019】本発明の蛍光スクリーンの塩化物ガラス材
は、フッ化物イオンを添加することにより耐湿性が改善
されているが、長期に亘る耐湿性および耐久性を実現す
るために、これを耐湿材料によって密封する。密封は種
々の方法により行なうことが可能である。例えば、図1
(a)〜(c)に示すように、基体15と透明な耐湿材料17
との間に上記赤外可視変換ガラス材16を挟み、その周
囲を封止材18で密封する。耐湿性をより確実にするた
めに、図2に示すように、基体15上に耐湿材料からな
る中抜きした囲い板20を重ね、その開口部に上記ガラ
ス材16を嵌合し、さらにその上に透明な耐湿材料17
を重ね封止材で封着してもよい。なお、必要に応じ、上
記透明耐湿材料17の上にさらに近赤外反射防止層19
を設けても良い(図1(c))。
【0020】基体15は耐湿性を有する材料であれば特
に限定されない。例えば、金属、セラミック、ガラス、
プラスチック等を用いることができる。透明耐湿材料1
7も、透明で耐湿性を有するものであれば特に限定され
ない。例えば、ソーダガラス、石英ガラス等の無機ガラ
ス、アクリル、透明テフロン、エポキシ等の有機材料を
用いることができる。封止材18は、低融点ガラス、あ
るいは、UV硬化樹脂、テフロン等の接着剤が好適であ
る。
【0021】本発明においては、任意のスクリーン形状
を得ることが容易である。矩形の平板としてもよいし情
報表示に不都合を生じない範囲で曲面としてもよい。な
お、透明材料からなる基体を用いることにより、スクリ
ーンが裏表を通じて透明になるのでこれを窓材として使
用できる。普段は窓、壁面、鏡等の建築物や物品の一部
として利用し、これらに情報表示機能を付加した製品と
することができる。
【0022】(II)表示装置 本発明の表示装置は、図3に示すように、赤外レーザー
光源1、光変調器2、走査装置3および前記の蛍光スク
リーン4を基本構成要素として含む。赤外レーザー光源
1で発せられた赤外レーザー光は、光変調器2を経て走
査装置3によって光ビームとしてスクリーン4上に投射
される。スクリーン4には赤外可視光変換物質が含まれ
ているので、入射赤外ビームの強度に応じて可視光が発
生する。この結果、走査を制御することにより、蛍光の
緩和時間とヒトの視覚上の残像作用を利用して、可視化
された文字情報又は画像をスクリーン4上に表示するこ
とができる。これらの赤外レーザー光源1、光変調器
2、走査装置3は好ましくは全体をユニット化した装置
として形成される。
【0023】赤外レーザー光源1は、蛍光発光層の構成
に応じて種々のものを使用できる。特に、赤外線(780〜
830nm)半導体レーザー、具体的には、ガリウムアルミニ
ウムヒ素(GaAlAs/GaAs)系の半導体レーザーを利用でき
る。このような半導体レーザーは、大がかりな装置を必
要とせずに十分な出力が得られかつ市販されているので
容易に入手できる。このため、本発明では経済的でコン
パクトな表示装置を構成することが可能である。出力
は、目的およびスクリーンの大きさにより決定すればよ
いが、通常は、30〜500mW程度である。
【0024】光変調器2は、文字や画像等の情報等を含
む入力信号に応じて光ビームを制御する。透過率を増減
するアナログ変調器でも、入力信号に応じて光ビームを
微小時間内にON/OFFし、微小単位時間当たりに走査装置
に至る光ビーム量を増減するディジタル変調器でもよ
い。変調は、通常は、電気光学効果、磁気光学効果、音
響光学効果等の物理光学効果によるが、入力信号に対し
十分な応答速度を有する方法であれば特に限定されな
い。
【0025】走査装置3は、図4に示すように、光ビー
ムの進路を制御する光路制御手段5および6と、必要に
応じて設けられる結像手段7、並びにこれらの駆動制御
回路(図示省略)からなる。光路制御手段5および6は、
例えば、互いに直交する回転軸を有するガルバノミラー
である。変調装置2から出た光ビーム9は始めに第1の
ガルバノミラー5に入射するが、ガルバノミラー5は制
御信号に応じて回転軸aの回りに回転するので、反射ビ
ーム10の進路はその回転角に応じて上下(垂直方向)に
振れる。反射ビーム10は、第2のガルバノミラー6に
入射するが、ガルバノミラー6は制御信号に応じて回転
軸bの回りに回転するので、反射ビーム11の進路はそ
の回転角に応じて左右(水平方向)に振れる。すなわ
ち、反射ビーム11のスクリーン4上への結像点12
は、ガルバノミラー5および6の回転角に応じてスクリ
ーン上を動くことになる。
【0026】光路制御手段は、ガルバノミラーの代わり
にポリゴンミラーを用いてもよい。反射器以外の光路制
御手段、例えば、回転プリズムあるいは物理光学的に屈
折率可変なガラス体等を用いてもよい。また、光路制御
手段5で水平走査を行ない、光路制御手段6で垂直走査
を行なってもよい。結像手段としてはレンズ類、例え
ば、スクリーン上の位置に関わらずボケのない画像を得
るためにf−θレンズを用いる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に示す。
なお、これらの製造例においてガラス母材の塩化ガドリ
ニウムは、市販の純度99.95%以上の酸化ガドリニウム
から常法により製造したものであり、合成後、加熱溶融
して塩素ガス雰囲気下で完全に脱水精製したものを用い
た。他の原料についても同様である。また、Ba、Srおよ
びCaの塩化物およびフッ化物は、市販の高純度品を320
℃の乾燥容器中で2日間乾燥した無水結晶を用いた。
【0028】実施例1(蛍光スクリーン) 表1に示すモル比となるように原料を調合し、原料中の
水分を除去するために塩化アンモニウム9gと共に混合
物30gをグラッシーカーボン坩堝に入れ、アルゴン雰
囲気下にて200℃で3時間保持した後、500℃に加
熱して完全に溶融させた。溶融後、アルゴンを吹き込ん
でバブリングさせつつ2時間保持した。得られた融液を
グラファイト製の型に流し込み、ガラス転移点より5℃
高い温度に2時間保持した後にアニール、徐冷を行な
い、板状試料片(約70×70×4mm)を得た。これを両面研
磨して透過スペクトルを測定した。このスペクトルを図
5に示した。一部に鋭い吸収ピークが見られるが、全体
として可視光域の殆どで約90%の透過率を示してお
り、高い透明度を有していることがわかる。次いで、こ
の蛍光ガラス板を2枚の透明ソーダガラスの間に挟み込
み、周囲に溶融した低融点ガラス(ガラス転移点87
℃、組成:57Sn・4Pb・39P・62F・127.5O)を流し込んで封着
し蛍光スクリーンパネルを作製した。この蛍光スクリー
ンパネルを、pΗ7.0の蒸留水中に1週間浸漬させ、
内部のガラスが腐食されるかどうかを検討したが、ガラ
スには何等変化は見られず気密性に優れていることが確
認された。
【0029】実施例2(表示装置) 出力波長810nmの半導体レーザー(50mW)(SDL社
製)、変調装置、ガルバノミラーおよび集光レンズ(f-
θレンス゛)を含む半導体レーザー変調走査ユニットを組み
立て、その出力部に実施例1の蛍光スクリーンを対向設
置し、レーザービーム(スホ゜ット径約1mm2)で走査できるよ
うにした。この装置に、信号変換した文字情報、例え
ば、半径約25mmの丸印を変調装置に入力したところ、約
3m/sのベクタースピードにて緑色蛍光の図形を明瞭に
読み取ることができた。
【0030】比較例 上記ガラス材と同組成の粉体を用いてスクリーンを形成
した他は実施例1と同様にして蛍光スクリーンパネルを
製造した。これに実施例2の表示装置に組み込み、同一
条件で文字表示を試みたが、粉体により光が散乱されて
弱く広がり、ラインの不明瞭な視認し難い図形が得られ
た。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1の試料No.1〜No.10を用いたパネルは
いずれも緑色蛍光の文字を明瞭に読み取ることができ
た。また、Erに代えてNd,Ho,Tmを用いた試料No.11〜No.
13は黄色〜青色の発光が見られ、Erの場合と比較すると
発光強度は若干低下したが、いずれも文字の識別性は良
好であった。一方、Erの含有量が過小(No.14)の試料お
よび過剰(No.15)の試料はいずれも蛍光強度が弱く文字
の識別は困難であった。
【0034】
【発明の効果】本発明による蛍光スクリーンは、発光効
率が良く安定性の良い塩化ガドリニウム系ガラスを蛍光
発光層に用いることにより、従来の粉末体あるいはその
分散層を用いる蛍光スクリーンと比較して解像度の高い
鮮明な蛍光発光像を得ることできる。このため、文字情
報および各種画像の表示装置として利用可能である。ま
た、耐湿性、耐光性に優れているため、長期に亘っての
使用、屋外での使用が可能である。さらに、蛍光発光層
が透明なガラス体であることから、スクリーン全体を透
明体とすることができるため、窓材等として利用するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による蛍光スクリーンパネルの構造を
示す構成図。
【図2】 本発明による蛍光スクリーンパネルの製造方
法を示す模式図。
【図3】 本発明による表示装置の構成を示すブロック
図。
【図4】 本発明による表示装置における光点走査の方
法を示す模式図。
【図5】 本発明で用いる蛍光体ガラスの透過スペクト
ルを示すグラフ。
【符号の説明】
1:レーザー光源、2:光変調器、3:光走査器、4:
蛍光スクリーン15:基体、16:赤外可視変換ガラス
材、17:耐湿材料、18:封止材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線を可視光に変換する塩化物主体
    の透明ガラス材を、少なくとも一方が透明な耐湿材料で
    密封してなることを特徴とする蛍光スクリーン。
  2. 【請求項2】 ガラス材を構成する陽イオンの主成分が
    ガドリニウム(Gd)イオンであり、赤外可視変換機能を有
    する希土類イオンを含有する赤外可視変換透明ガラス材
    を用いた請求項1に記載の蛍光スクリーン。
  3. 【請求項3】 希土類イオンが、ネオジム(Nd)、ホルミ
    ウム(Ho)、エルビウム(Er)およびツリウム(Tm)から選択
    される請求項2に記載の蛍光スクリーン。
  4. 【請求項4】 陽イオン成分として、20〜70モル%
    のGdイオン、0.01〜30モル%の希土類イオンお
    よび少なくとも1種類のアルカリ金属イオンまたはアル
    カリ土類金属イオンを含有する赤外可視変換透明ガラス
    材を用いた請求項2または3に記載の蛍光スクリーン。
  5. 【請求項5】陽イオン成分として、Gdイオンおよび希
    土類イオンに加えて5〜35モル%のナトリウム(Na)イ
    オン、0〜15モル%のイットリウム(Y)イオン、0〜
    15モル%のランタン(La)イオン、0〜20モル%のバ
    リウム(Ba)イオン、0〜10モル%のストロンチウム(S
    r)イオンおよび0〜12モル%のカリウム(K)イオンを
    含有する赤外可視透明ガラス材を用いた請求項2または
    3に記載の蛍光スクリーン。
  6. 【請求項6】 陰イオン成分として、77〜97モル%
    の塩素(Cl)イオンおよび3〜23モル%のフッ素(F)イ
    オンを含有する請求項1〜5のいずれかに記載の蛍光ス
    クリーン。
  7. 【請求項7】 上記赤外可視変換ガラス材が相対向する
    基体の間に密封されており、該基体の少なくとも一方が
    透明な耐湿材からなる請求項1〜6のいずれかに記載の
    蛍光スクリーン。
  8. 【請求項8】 赤外ビーム発生装置、該赤外ビームを変
    調する光変調器、赤外ビームの走査装置および請求項1
    〜7のいずれかに記載の蛍光スクリーンを有し、赤外ビ
    ームを蛍光スクリーン上に走査させて可視像を描出する
    赤外可視変換表示装置。
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