JPH10206810A - リッジ型光導波路素子及びその製造方法 - Google Patents

リッジ型光導波路素子及びその製造方法

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JPH10206810A
JPH10206810A JP2195597A JP2195597A JPH10206810A JP H10206810 A JPH10206810 A JP H10206810A JP 2195597 A JP2195597 A JP 2195597A JP 2195597 A JP2195597 A JP 2195597A JP H10206810 A JPH10206810 A JP H10206810A
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ridge
optical waveguide
substrate
type optical
polarization
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Ranko Hatsuda
蘭子 初田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電体単結晶基板にリッジ側面が垂直で十
分なリッジ高さのリッジ型光導波路を形成したリッジ型
光導波路素子を得る。 【解決手段】 強誘電体単結晶基板31の自発分極を有
する結晶方位に垂直な基板面にリッジ型光導波路を形成
する場合において、前記リッジ型光導波路のパターンに
対応した第1の基板領域31a,31bと残りの第2の
基板領域31c,31d,31eの分極方向が互いに反
転するように前記強誘電体単結晶基板31に分極反転処
理を施し、分極反転処理後の強誘電体単結晶基板31を
エッチング液を用いたウエットエッチング処理で前記第
2の基板領域31c,31d,31eを所要の厚さで除
去することにより前記第1の基板領域31a,31bを
リッジ型に残してリッジ型光導波路32を形成してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信用に使用す
る光変調素子等のリッジ型光導波路素子及びその製造方
法に係り、とくに強誘電体単結晶基板を分極反転とウエ
ットエッチングを利用して加工したリッジ型光導波路素
子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信の発達が著しくそれに伴っ
て光デバイスの需要も高まってきている。中でも強誘電
体単結晶基板LiNbO3(ニオブ酸リチウム;以下LN
と言う)、LiTaO3(タンタル酸リチウム;以下LT
と言う)等を利用した光導波路型素子への要求に対して
は、従来よりプレーナ型光導波路素子が採用されてきた
のに対して、新しくリッジ型光導波路素子が開発されつ
つある。
【0003】図7は従来のプレーナ型導波路光変調素子
の一例を示す構成図である。この図において、1は例え
ばLNなどの強誘電体単結晶基板、2は基板1にTi
(チタン)の熱拡散によって形成された光導波路であ
る。
【0004】この図7で左側から光導波路2に入った入
力光は、光導波路の部分上に形成されている変調用電極
3,4によって、変調用駆動電圧源5の出力電圧Vによ
る電界が印加され、電気光学効果によって、2路に分か
れた互いの光に位相差が生じる。この原理によって、変
調用駆動電圧源5の出力電圧Vを変えることにより、出
力光の強度変調を行うことができる。
【0005】また、図8は開発段階にあるリッジ型導波
路光変調素子の一例を示す構成図であり、例えば特開平
4−123018号公報に提案されているものである。
この図において、11は例えばLNなどの強誘電体単結
晶基板、12は基板11をリッジ型に加工して形成され
た光導波路である。
【0006】この図8の構成においても、左側から光導
波路12に入った入力光は、光導波路の部分に形成され
ている変調用電極13,14によって、変調用駆動電圧
源15の出力電圧Vによる電界が印加され、電気光学効
果によって、2路に分かれた互いの光に位相差が生じ
る。このように、図8におけるリッジ型導波路光変調素
子も前記プレーナ型導波路光変調素子と同様の原理で同
様に光の強度変調を行うことができる。
【0007】しかしながら、従来のプレーナ型導波路光
変調素子は主として次の3つの特性が十分ではなく、改
善点として残されている。即ち、(1)低駆動電圧化、(2)
温度及び長期DCドリフトフリー化、(3)広帯域化の3
点である。
【0008】一方、開発段階にあるリッジ型導波路光変
調素子は、プレーナ型導波路光変調素子では十分でない
前記3つの特性が十分に改善されることが特開平4−1
23018号公報、宮澤、他「Ti:LiNbO3光変調器
のリッジ構造とDCドリフト」1994年、応用物理学
会春期予稿集29a−G−10、野口、他「超高速Li
NbO3光変調器の開発」電子情報通信学会技術報告MW
96−35,OPE96−15(1996−06)p
p.19−24等の文献に報告されている。
【0009】図9及び図10はプレーナ型導波路光変調
素子とリッジ型導波路光変調素子との優劣の比較、とく
に駆動電圧特性を比較したものである。図9及び図10
において、Γは入力光の電界と変調用駆動電界との相互
作用を表す電界補正係数であり、Γ=1の時に最も低い
駆動電圧が得られる。図9のβはリッジ型光導波路のリ
ッジ角を表し、図10のd/Wはリッジ型光導波路の
(リッジの高さ)/(リッジ幅) を表している。βが
90度(即ちリッジ表面に対してリッジ側面が垂直)
で、d/W=1(即ちリッジ高さがリッジ幅に等しい)
時に最も低い駆動電圧が得られることが示されている。
β=0の時及びd/W=0の時が従来のプレーナ型光導
波路に相当しており、リッジ型導波路光変調素子はプレ
ーナ型導波路光変調素子に比べて、低駆動電圧化の点で
優れていることが分かる。
【0010】また、長期DCドリフトについて対比した
場合、プレーナ型導波路光変調素子は長期DCドリフト
が短時間で発生するのに対して、リッジ型導波路光変調
素子の長期DCドリフトはリッジ幅を適切に設定するこ
とで、長時間(常温動作において数十年以上)に渡って
発生しないようにすることが可能であることが分かって
いる。
【0011】また、光応答特性の周波数帯域幅について
対比した場合、プレーナ型導波路光変調素子では−3d
B以上を保持する周波数帯域は約20GHz程度で比較
的帯域幅が狭いのに対して、リッジ型導波路光変調素子
は110GHzと飛躍的に帯域幅が広く、はるかに優れ
ていることが判明している。
【0012】さて、リッジ型光導波路素子のリッジ型光
導波路を加工形成するに当たって、従来の多くは反応性
ガスを用いたプラズマエッチング等のドライエッチング
法が採用されてきている。
【0013】図11は、マグネトロンRIE装置を用
い、CF4ガスプラズマエッチングによって加工形成し
たLNのリッジ型光導波路の断面を示し、21はLN基
板、22はLN基板に形成されたリッジ型光導波路、2
3はCr(クロム)のエッチングマスク、24はLN基
板にエッチング形成されたリッジ型光導波路22の側面
にエッチング中に堆積した残渣である。図12は、エッ
チング中における残渣の堆積する過程を示し、残渣の堆
積は同図(A),(B),(C),…,(F)の状態で順に
進み、堆積された残渣が障害となって、エッチングされ
るLN基板の側面がテーパー状になってゆく過程が示さ
れている。エッチング終了後に残渣24を除去して得ら
れるリッジ型光導波路22のリッジ角度は70度前後で
ある。また、ドライエッチングによる加工速度は0.0
15μm/分程度と遅く、必要とされている、リッジ幅
に等しい加工深さ6〜9μmを得るには7〜10時間と
長時間を要する。
【0014】図13は、沸酸(HF)と硝酸(NH
3)の混合液をエッチング液としたウエットエッチン
グによって形成したLNのリッジ型光導波路の断面を示
す図である。21はLN基板、25はLN基板に形成さ
れたリッジ型光導波路、26はAu(金)又はCr(ク
ロム)のエッチングマスクである。LN基板21に形成
されたリッジ型光導波路25は、ウエットエッチングで
はリッジ角45度となり、垂直なリッジ角は得られな
い。
【0015】なお、強誘電体単結晶基板の分極反転につ
いては、栗村 直「光第2高調波発生と分極反転」固体
物理Vol.29,No.1,1994年、75乃至82頁、
特開平8−271940号等に開示されているが、いず
れも高調波発生を目的としたもので、リッジ型光導波路
形成を目的としたものではない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上示してきたよう
に、ドライエッチング法ではLN、LT等の強誘電体単
結晶基板にリッジ型光導波路を垂直に加工形成すること
ことは極めて困難であり、また加工速度も遅く、実用的
ではない。また、ウエットエッチング法ではリッジ角度
は45度しか得られない。
【0017】本発明の第1の目的は、上記の点に鑑み、
LN、LT等の強誘電体単結晶基板にリッジ側面が垂直
で十分なリッジ高さのリッジ型光導波路を形成してなる
リッジ型光導波路素子を提供することにある。
【0018】本発明の第2の目的は、LN、LT等の強
誘電体単結晶基板に、リッジ側面が垂直でリッジ高さの
十分高いリッジ型光導波路を速い加工速度で加工形成可
能なリッジ型光導波路素子の製造方法を提供することを
目的とする。
【0019】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のリッジ型光導波路素子は、強誘電体単結晶
基板の自発分極を有する結晶方位に垂直な基板面にリッ
ジ型光導波路を形成してなり、前記リッジ型光導波路の
側面が前記基板面に垂直でかつ前記強誘電体単結晶基板
の分極反転の境界から立ち上がっていることを特徴とし
ている。
【0021】また、本発明に係るリッジ型光導波路素子
の製造方法は、強誘電体単結晶基板の自発分極を有する
結晶方位に垂直な基板面にリッジ型光導波路を形成する
場合において、前記リッジ型光導波路のパターンに対応
した第1の基板領域と残りの第2の基板領域の分極方向
が互いに反転するように前記強誘電体単結晶基板に分極
反転処理を施し、分極反転処理後の強誘電体単結晶基板
をエッチング液を用いたウエットエッチング処理で前記
第2の基板領域を所要の厚さで除去することにより前記
第1の基板領域をリッジ型に残してリッジ型光導波路を
形成することを特徴としている。
【0022】前記リッジ型光導波路素子の製造方法にお
いて、強誘電体単結晶基板の自発分極を有する結晶方位
に垂直な一方の基板面に前記リッジ型光導波路のパター
ン又は当該導波路のパターンの逆パターンのパターン電
極を形成し、他方の基板面に一様な平面電極を形成し
て、前記パターン電極と前記平面電極間に電圧を印加す
ることにより前記分極反転処理を実行してもよい。
【0023】あるいは、強誘電体単結晶基板の自発分極
を有する結晶方位に垂直な一方の基板面に一様な平面電
極を形成して該平面電極を接地又は一定電位に保持し、
他方の基板面に前記リッジ型光導波路のパターン又は当
該導波路のパターンの逆パターンを電子ビーム又はイオ
ンビームにより描画することで前記分極反転処理を実行
してもよい。
【0024】前記エッチング液の液温は、前記第2の基
板領域に対するエッチングレートが0.15μm/分以
上となる温度に設定するとよい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るリッジ型光導
波路素子及びその製造方法の実施の形態を図面に従って
説明する。
【0026】図1乃至図5を用いて本発明に係るリッジ
型光導波路素子及びその製造方法の第1の実施の形態を
説明する。
【0027】図1及び図2は第1の実施の形態によって
得られるリッジ型光導波路素子の横断面図及び斜視図で
あり、31は結晶軸C軸(自発分極を有する結晶方位)
に対して垂直に切り出された(Zカット)LN又はLT
の強誘電体単結晶基板、32は前記C軸に垂直な基板面
に形成されたリッジ型光導波路(例えば光変調器用光導
波路)である。ここで、基板内の各領域31a乃至31
eにある矢印は、各領域の分極方向を示しており、前記
リッジ型光導波路32の配された基板領域31a,31
bは光導波路の位置する表側が+C面で裏側が−C面と
なっており、他の基板領域31c,31d,31eは分
極反転されて表側が−C面で裏側が+C面となってい
る。そして、リッジ型光導波路32の側面は前記基板面
に垂直でかつ強誘電体単結晶基板31の分極反転の境界
Sから立ち上がっている。
【0028】次に第1の実施の形態の場合の製造方法に
ついて説明する。
【0029】まず、図3の斜視図及び図3のIV−IV断面
図である図4のように、結晶軸C軸に対して垂直に切り
出された(Zカット)LN又はLTの強誘電体単結晶基
板31の一方の基板面(自発分極の−C面)に一様な平
面電極33を、他方の基板面(自発分極の+C面)に導
波路逆パターン電極34をそれぞれ形成する。例えば、
強誘電体単結晶基板31としては厚さが0.5mmのLN
基板を使用可能であり、平面電極33はアルミニウム等
で形成でき、導波路逆パターン電極34はフォトリソグ
ラフィー技術を用いてアルミニウム等で所望形状に形成
可能である。但し、導波路逆パターン電極34は、光導
波路の配置パターン部分には電極が無く、それ以外の基
板面に電極が形成されているものである。35は電極3
3,34間にパルス波電圧を印加するための分極反転用
パルス波電源である。
【0030】上記のように電極33,34を形成した強
誘電体単結晶基板31を真空中に設置し、外部よりパル
ス波電源35によって、前記平面電極33と前記逆パタ
ーン電極34間に分極抗反転電界以上(例えばLN基板
における分極抗反転電界強度は20kV/mm)のパルス
波電圧を、平面電極33側が負となり、逆パターン電極
34側が正となるように印加して分極反転処理を実行す
る。
【0031】図4に図3のIV−IV断面を示し、図4中の
基板31内の各領域31a乃至31eにある矢印は、分
極反転処理後の各領域の分極方向を示している。ここ
で、基板31内の基板領域31c,31d,31eは導
波路以外の領域(導波路逆パターン領域)であり、分極
が反転した領域であって、逆パターン電極34から平面
電極33の方向に向いている。従って、基板領域31
c,31d,31eの逆パターン電極34側は−C面と
なっている。それ以外の領域、つまり導波路を設ける領
域となる基板領域31a,31bでは、分極は反転され
ておらず、基板領域31c,31d,31eとは逆方向
に向いている。従って、導波路を設ける基板領域31
a,31bの逆パターン電極34側は+C面となってい
る。
【0032】強誘電体単結晶基板31の導波路逆パター
ン領域、即ち基板領域31c,31d,31eを上記の
如く真空中でパルス波電源35を用いて分極反転するこ
とによって、基板31の沿面放電が抑制されて分極反転
の横方向への拡大が抑えられ、均一且つ基板表面に垂直
で深い分極反転構造が形成される。
【0033】そして、上述のように分極反転処理後の強
誘電体単結晶基板31を沸酸と硝酸の混合液であるエッ
チング液に浸漬してウエットエッチング処理し、分極反
転領域と非反転領域とで前記エッチング液に対する性質
が異なることを利用して、基板領域31c,31d,3
1eのみを所要の厚さで除去する(同時に分極反転のた
めに形成した電極も溶解、除去する)ことで、図1及び
図2に示すように、強誘電体単結晶基板31の基板面に
対し垂直に側面が立ち上がったリッジ型光導波路32を
有するリッジ型光導波路素子が得られる。即ち、導波路
逆パターン電極34側が−C面に分極反転された基板領
域31c,31d,31eは沸酸と硝酸の混合液で迅速
にエッチングされ、分極反転されておらず導波路逆パタ
ーン電極34側が+C面となっている導波路領域の基板
領域31a,31bはエッチングされずに残る。従っ
て、図1及び図2における導波路領域は側面が垂直に立
ち上がったリッジ型光導波路32として形成されること
になり、また、リッジ型光導波路32の側面は強誘電体
単結晶基板31の分極反転の境界Sから立ち上がってい
る。
【0034】前述の如く基板31の導波路領域となる基
板領域31a,31b以外の領域は、真空中でパルス波
電源35を用いて分極反転されているため、均一で且つ
基板表面に垂直で深く分極反転されている。従って、沸
酸と硝酸の混合液で導波路領域となる基板領域31a,
31b以外の領域がエッチング除去されて形成された光
導波路32は、断面が強誘電体単結晶基板31の基板面
に対して垂直に立ち上がり且つ十分な高さ5〜10μm
を持つリッジ型に形成される。
【0035】図5は、エッチング液である沸酸と硝酸の
混合液の温度に対するLN基板のエッチングレートを表
す図である。エッチング液温が70〜80℃でエッチン
グレートが0.15μm/分となり、従来のドライエッ
チングによるエッチングレート0.015μm/分の1
0倍となって、実用レベルに達する。また、エッチング
液温90℃では、リッジ型光導波路32のリッジ幅(導
波路幅)6〜9μmと等しいエッチング深さ6〜9μm
は20〜30分で得られることが分かる。エッチング温
度90℃以上を採用し、かつ複数枚同時にエッチングす
るバッチ処理等を併用すれば、基板1枚処理時間が1分
程度という高いスループットでリッジ型光導波路素子を
加工形成できることが分かる。
【0036】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
【0037】(1) ZカットLN基板等の強誘電体単結
晶基板31に対して、光導波路型素子の導波路領域(基
板領域31a,31bの導波路側)を、結晶面(基板
面)が+C面となるように、導波路以外(基板領域31
c,31d,31e)を−C面となるように分極を基板
表面に対して垂直に深く反転させ、分極反転処理後の基
板31を所定のエッチング液でウエットエッチング処理
することで、−C面である導波路以外の領域だけがエッ
チング除去され、+C面である導波路領域はエッチング
されずに残り(分極の向きによりエッチング液に対する
性質が異なるため)、基板表面に対して垂直で且つリッ
ジ高さの高いリッジ型光導波路32を形成可能である。
【0038】(2) 沸酸と硝酸の混合液等によるエッチ
ング液の温度を、導波路以外の基板領域に対するエッチ
ングレートが0.15μm/分以上の実用的なレベルと
なる高い温度に設定することによって、光導波路型素子
の加工速度を従来のドライエッチングに比較してかなり
高速化することで、高スループットが得られる。
【0039】(3) 前述した分極反転処理を、真空中で
パルス波電源35を用いて平面電極33と導波路逆パタ
ーン電極34との間に高電圧を印加して行うことによ
り、均一で且つ基板表面に垂直で深く分極反転させるこ
とが可能であり、従ってウエットエッチング処理後のリ
ッジ型光導波路32のリッジ幅6〜9μmと等しいエッ
チング深さ6〜9μmを容易に形成でき、リッジ型光導
波路側面を垂直に形成することができる。
【0040】図6は本発明の第2の実施の形態を示す。
この場合、31はLN等の強誘電体単結晶基板、43は
基板31の+C面に形成された一様な平面電極である。
基板31の+C面の平面電極43を接地して(又は一定
電位として)、基板31の−C面上に電子ビーム45を
照射して導波路パターン44を直接描画する。強誘電体
単結晶基板31の−C面に照射された電子が当該基板3
1内に拡散することによって、基板31の−C面の電子
ビームを照射した導波路パターン44の領域が分極反転
されて、+C面となる。このように、電子ビームを照射
し、パターンを直接描画する方法を用いて、所定の導波
路領域を+C面に分極反転することができる。
【0041】図6の第2の実施の形態の場合において
も、強誘電体単結晶基板31の導波路パターン44で規
定された所定の導波路領域を分極反転した後、第1の実
施の形態と同様のエッチング液を用いたウエットエッチ
ング処理を実行することによって図1及び図2に示すリ
ッジ型光導波路を基板面に形成してなるリッジ型光導波
路素子が得られる。
【0042】この第2の実施の形態によれば、直接電子
ビームを照射して導波路パターン44の領域を分極反転
処理できるため、強誘電体単結晶基板31の片側のみに
平面電極を設ければよく、電極形成のための工程を簡素
化できる。
【0043】さらに、その他の実施の形態として、強誘
電体単結晶基板の+C面にフォトレジストで導波路パタ
ーンを形成し、該パターンを含めて全面に渡って導電膜
を被覆するか、又は該パターン以外の部分に導電膜を形
成し、さらに−C面に一様な平面電極を形成して、該導
電膜と該平面電極間に電圧を印加して該基板の所定の領
域を分極反転させることもできる。
【0044】また、分極反転のための電圧の印加法とし
ては、前述のパルス波電圧又は直流電圧を用いる方法の
他に、前記強誘電体単結晶基板の−C面の平面電極を接
地して、+C面の導電膜上にアルゴン等の正イオンを照
射する方法、あるいはまた、該基板+C面の導波路の逆
パターン電極を接地し、−C面上の平面電極に電子ビー
ム又は負イオンを照射する方法によって電圧を印加する
こともできる。これらの場合、該基板の+C面は導電膜
又はレジストによって全面的に覆われているため、大気
中で電圧印加しても基板表面の沿面放電は抑制されて分
極反転の横方向への拡大が抑えられ、均一且つ基板表面
に垂直で深い分極反転構造が形成される。また、前記強
誘電体単結晶基板の+C面にイオンを全面照射しても、
該基板の導波路領域は覆われているため、導波路領域が
損傷を受けることはない。
【0045】ここで述べたその他の実施の形態において
も、分極反転処理後、前述した実施の形態に示す沸酸及
び硝酸の混合液等のエッチング液を用いてウエットエッ
チングすることによって、図1及び図2に示したリッジ
型光導波路が形成される。
【0046】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0047】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のリッ
ジ型光導波路素子は、リッジ型光導波路の側面が、前記
強誘電体単結晶基板の分極反転の境界から基板面に垂直
に立ち上がった構造を有しており、かつリッジの高さの
高い構造を有していることによって、リッジ型導波路光
変調素子として使用した場合には、駆動電圧の低電圧
化、長期DCドリフトのフリー化、光応答特性の広帯域
化等の優れた特性を容易に実現可能である。
【0048】また、本発明のリッジ型光導波路素子の製
造方法によれば、分極反転とウエットエッチングによっ
て、強誘電体単結晶基板表面に垂直でリッジ高さの高い
リッジ型光導波路が効率よく加工形成でき、従来のプレ
ーナ型光導波路素子の特性に比べてはるかに優れた特性
を持つリッジ型光導波路素子を実用レベルの効率で作成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であってリッジ型光
導波路の形成完了状態のリッジ型光導波路素子の横断面
図である。
【図2】同斜視図である。
【図3】第1の実施の形態における分極反転処理工程を
説明する斜視図である。
【図4】同じく図3のIV−IV断面図である。
【図5】エッチング液としての沸酸及び硝酸の混合液の
温度とLN基板のエッチングレートとの相関図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態であって分極反転処
理工程を説明する斜視図である。
【図7】従来のプレーナ型導波路光変調素子の構成図で
ある。
【図8】リッジ型導波路光変調素子の構成図である。
【図9】リッジ型光導波路のリッジ角βと電界補正係数
Γとの関係を示す相関図である。
【図10】リッジ型光導波路の(リッジ高さ)/(リッ
ジ幅)と電界補正係数Γとの関係を示す相関図である。
【図11】ドライエッチングで形成されたリッジ型光導
波路を示す斜視図である。
【図12】ドライエッチングによる残渣の堆積する過程
を示す説明図である。
【図13】従来のウエットエッチングで形成されたリッ
ジ型光導波路を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21,31 強誘電体単結晶基板 3,4,13,14 変調用電極 5,15 変調用駆動電圧源 12,22,25,32 リッジ型光導波路 23,26 エッチングマスク 31a,31b,31c,31d,31e 基板領域 33,43 平面電極 34 導波路逆パターン電極 35 分極反転用パルス波電源 45 電子ビーム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体単結晶基板の自発分極を有する
    結晶方位に垂直な基板面にリッジ型光導波路を形成して
    なるリッジ型光導波路素子であって、 前記リッジ型光導波路の側面が前記基板面に垂直でかつ
    前記強誘電体単結晶基板の分極反転の境界から立ち上が
    っていることを特徴とするリッジ型光導波路素子。
  2. 【請求項2】 強誘電体単結晶基板の自発分極を有する
    結晶方位に垂直な基板面にリッジ型光導波路を形成する
    リッジ型光導波路素子の製造方法であって、 前記リッジ型光導波路のパターンに対応した第1の基板
    領域と残りの第2の基板領域の分極方向が互いに反転す
    るように前記強誘電体単結晶基板に分極反転処理を施
    し、分極反転処理後の強誘電体単結晶基板をエッチング
    液を用いたウエットエッチング処理で前記第2の基板領
    域を所要の厚さで除去することにより前記第1の基板領
    域をリッジ型に残してリッジ型光導波路を形成すること
    を特徴とするリッジ型光導波路素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 強誘電体単結晶基板の自発分極を有する
    結晶方位に垂直な一方の基板面に前記リッジ型光導波路
    のパターン又は当該導波路のパターンの逆パターンのパ
    ターン電極を形成し、他方の基板面に一様な平面電極を
    形成して、前記パターン電極と前記平面電極間に電圧を
    印加することにより前記分極反転処理を実行する請求項
    2記載のリッジ型光導波路素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 強誘電体単結晶基板の自発分極を有する
    結晶方位に垂直な一方の基板面に一様な平面電極を形成
    して該平面電極を接地又は一定電位に保持し、他方の基
    板面に前記リッジ型光導波路のパターン又は当該パター
    ンの逆パターンを電子ビーム又はイオンビームにより描
    画することで前記分極反転処理を実行する請求項2記載
    のリッジ型光導波路素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記エッチング液の液温は、前記第2の
    基板領域に対するエッチングレートが0.15μm/分
    以上となる温度に設定されている請求項2,3又は4記
    載のリッジ型光導波路素子の製造方法。
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