JPH10206636A - 偏光素子、照明装置及び液晶表示装置 - Google Patents

偏光素子、照明装置及び液晶表示装置

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JPH10206636A
JPH10206636A JP9019787A JP1978797A JPH10206636A JP H10206636 A JPH10206636 A JP H10206636A JP 9019787 A JP9019787 A JP 9019787A JP 1978797 A JP1978797 A JP 1978797A JP H10206636 A JPH10206636 A JP H10206636A
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JP
Japan
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polarized light
circularly polarized
polarizing element
light
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JP9019787A
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English (en)
Inventor
Tadayuki Kameyama
忠幸 亀山
Hiroyuki Yoshimi
裕之 吉見
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円偏光分離層を垂直透過した光に色変化を生
じさせることなく、斜め透過した光の色変化も抑制し
て、光の利用効率に優れ、かつ輝度や視野角の広さに優
れる液晶表示装置を形成できる偏光素子の開発。 【解決手段】 厚さ方向の屈折率が面内屈折率の少なく
とも一方よりも高く、かつ正面位相差が100〜180
nmの位相差板(3)と、円偏光分離層(1)を少なくと
も有し、必要に応じて二色性物質含有の偏光板を有する
偏光素子、及びその偏光素子を円偏光分離層側を介して
面光源上に配置してなる照明装置、並びに前記の偏光素
子又は照明装置を液晶セルの視認背面側に配置してなる
液晶表示装置。 【効果】 円偏光分離層に斜め入射した光の一部は楕円
偏光として色変化して透過するが、位相差板を透過する
ことで色補償され、偏光板を透過した場合に中間色とな
る光を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、液晶表示装置等の輝度や
視野角の向上、色変化の抑制などに好適な偏光素子に関
する。
【0002】
【発明の背景】従来、光源からの光をコレステリック液
晶層等の円偏光分離層を介し偏光化して液晶表示装置に
おける光利用効率の向上をはかり明るい表示を実現する
手段として、例えば特開昭59−127019号公報、
特開昭61−122626号公報、特開昭63−121
821号公報、特開平3−45906号公報、特開平6
−324333号公報、特開平7−35925号公報、
特開平7−36025号公報などが提案されている。
【0003】しかしながら、円偏光分離層に垂直(正
面)入射した光は左右一方の円偏光として色変化なく透
過するものの、斜め入射した光は楕円偏光として透過
し、色変化(着色)する問題点があった。従ってかかる
円偏光分離層を液晶表示層に適用した場合、斜め透過光
は液晶セルと円偏光分離層の両方に基づく色変化を受
け、視認はそれらの色変化が複合したものとなって視角
の変化による色変化が大きく視認性の低下原因となって
いた。
【0004】
【発明の技術的課題】本発明は、円偏光分離層を垂直透
過した光に色変化を生じさせることなく、斜め透過した
光の色変化も抑制して、光の利用効率に優れ、かつ輝度
や視野角の広さに優れる液晶表示装置を形成できる偏光
素子の開発を課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は、厚さ方向の屈折率が面内
屈折率の少なくとも一方よりも高く、かつ正面位相差が
100〜180nmの位相差板と、円偏光分離層を少なく
とも有し、必要に応じて二色性物質含有の偏光板を有す
ることを特徴とする偏光素子を提供するものである。
【0006】また本発明は、前記の偏光素子をその円偏
光分離層側を介して面光源上に配置してなることを特徴
とする照明装置、並びに前記の偏光素子又は照明装置を
液晶セルの視認背面側に配置してなることを特徴とする
液晶表示装置を提供するものである。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、円偏光分離層に垂直入
射した光の一部は円偏光として色変化なく透過し、位相
差板を介して直線偏光化される。一方、円偏光分離層に
斜め入射した光の一部は楕円偏光として色変化して透過
するが、位相差板を透過することで色補償され、偏光板
を透過した場合に中間色となる光を提供する。また液晶
セルを斜め透過した光の色変化も補償し、広い視野角で
色変化を生じない、明るくて良視認性の液晶表示画面を
得ることができる。
【0008】
【発明の実施形態】本発明の偏光素子は、厚さ方向の屈
折率が面内屈折率の少なくとも一方よりも高く、かつ正
面位相差が100〜180nmの位相差板と、円偏光分離
層を少なくとも有し、必要に応じて二色性物質含有の偏
光板を有するものからなる。その例を図1〜図3に例示
した。1が円偏光分離層、3が位相差板、5が偏光板で
ある。なお、2,21,22,23,24は接着層であ
り、4,41はセパレータである。
【0009】位相差板としては、厚さ方向の屈折率が面
内屈折率の少なくとも一方よりも高く、かつ正面位相差
が100〜180nmのものが用いられる。すなわち面内
の最大屈折率をnx、それに直交する方向の屈折率を
y、厚さ方向の屈折率をnz、厚さをdとした場合に、
x<nz又はny<nzを少なくとも満足し、かつ式:
(nx−ny)d=△nd=100〜180nmを満足する
位相差板が用いられる。
【0010】前記により、円偏光分離層を垂直透過した
円偏光を色変化させることなく直線偏光化して偏光板を
吸収ロスなく透過しやすい光とし、かつ円偏光分離層を
斜め透過して楕円偏光化し、色変化を生じた光の位相を
補償して色変化を低減し、偏光板を介した視認を色付き
の少ない中間色とすることができる。
【0011】従って用いる位相差板は、厚さ方向の屈折
率が面内の平均屈折率よりも高いもの(nx+ny
z)や、厚さ方向の屈折率がいずれの面内屈折率より
も高いもの(nx<nz、かつny<nz)であってもよ
い。
【0012】円偏光分離層の複屈折に基づく視角による
色変化、さらには液晶セルの複屈折に基づく視角による
色変化を高度に補償して着色化を防止し、コントラスト
や白黒表示等の視認性に優れる液晶表示装置を得る点な
どより好ましく用いうる位相差板は、△nが110〜1
70nm、就中115〜160nmのものである。
【0013】また色変化の補償により好ましく用いうる
位相差板は、面内での光軸のずれが小さいもの、就中±
5度以下、特に±3度以下のものであり、さらに式:
(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNzが5以下、
就中2以下、特に1.5以下(いずれもマイナス値を許
容する)のものである。
【0014】位相差板は、前記の特性を示すかぎり任意
な材質で形成することができ、透明性に優れ、就中80
%以上の光透過率を示して均一な位相差を与えるものが
好ましい。一般には、例えばポリカーボネート、ポリス
ルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリ
エチレンやポリプロピレンの如きポリオレフィン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、酢酸セ
ルロース系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リアミドや液晶ポリマーなどが用いられる。
【0015】厚さ方向の屈折率が大きい位相差板は、前
記のポリマー等をキャスティング法や押出法等の適宜な
方式で形成したフィルムを、例えば熱収縮性フィルムと
の接着下に一軸や二軸等の方式で加熱延伸する方式など
の適宜な方式で形成することができる。
【0016】位相差板における前記した△ndやNz
の特性は、フィルムの材質や厚さ、延伸倍率や延伸温度
等の条件を変えることにより制御することができる。位
相差板の一般的な厚さは、単層物に基づき10〜500
μm、就中20〜200μmであるが、これに限定されな
い。なお液晶ポリマーでは、配向膜等を介した配向フィ
ルムを得ることで延伸処理なしで目的の位相差板を形成
することもできる。
【0017】位相差板は、図1に例示の如く単層の位相
差層3からなってもよいし、図2に例示の如く位相差が
相違する2層又は3層以上の位相差層11,12の重畳
体からなってもよい。位相差が相違する位相差層の重畳
化は、目的の位相差板として機能する波長範囲の拡大な
どに有効である。位相差層の重畳体とする場合、厚さ方
向の屈折率が面内屈折率の少なくとも一方よりも高い位
相差層を1層又は2層以上配置することにより目的とす
る位相差板を得ることができる。
【0018】ちなみに、可視光域の広い範囲で目的の位
相差板として機能しうる重畳型の位相差板としては、例
えば厚さ方向の屈折率が面内屈折率の少なくとも一方よ
りも高く、かつ正面位相差が100〜180nmの位相差
層と、波長550nmの光に対して1/2波長の位相差を
与える位相差層との組合せで複数の位相差層をそれらの
光軸を交差させた状態で重畳したものなどがあげられ
る。
【0019】位相差板の片側に配置する円偏光分離層と
しては、自然光を反射と透過を介して左右の円偏光に分
離する適宜なものを用いうる。就中、視角変化に対する
光学特性の変化が小さく視野角の広さなどの点より、コ
レステリック液晶層からなる円偏光分離層が好ましく用
いられる。
【0020】前記のコレステリック液晶としては、適宜
なものを用いることができ、特に限定はない。液晶層の
重畳効率や薄膜化などの点よりは液晶ポリマーの使用が
有利である。また複屈折の大きいコレステリック液晶分
子ほど選択反射の波長域が広くなって好ましい。好まし
く用いうる円偏光分離層としては、コレステリック相を
呈する液晶ポリマーからなるフィルムや、コレステリッ
ク液晶ポリマーからなる層をフィルム等の透明基材上に
設けたものなどがあげられる。
【0021】ちなみに液晶ポリマーとしては、例えばポ
リエステル等の主鎖型液晶ポリマー、アクリル主鎖やメ
タクリル主鎖、シロキサン主鎖等からなる側鎖型液晶ポ
リマー、低分子カイラル剤含有のネマチック系液晶ポリ
マー、キラル成分導入の液晶ポリマー、ネマチック系と
コレステリック系の混合液晶ポリマーなどがあげられ
る。取扱い性の点より、ガラス転移温度が30〜150
℃の液晶ポリマーが好ましく用いうる。
【0022】コレステリック液晶層の形成は、従来の配
向処理に準じた方法で行いうる。ちなみにその例として
は、基板上にポリイミドやポリビニルアルコール等の膜
を形成してレーヨン布等でラビング処理したものや、S
iOの斜方蒸着層等からなる適宜な配向膜の上に液晶ポ
リマーを展開してガラス転移温度以上、等方相転移温度
未満に加熱し、液晶ポリマー分子がグランジャン配向し
た状態でガラス転移温度未満に冷却してガラス状態と
し、当該配向が固定化された固化層を形成する方法など
があげられる。
【0023】前記の基板としては、例えばトリアセチル
セルロースやポリビニルアルコール、ポリイミドやポリ
アリレート、ポリエステルやポリカーボネート、ポリス
ルホンやポリエーテルスルホン、エポキシ系樹脂の如き
プラスチックからなるフイルム、あるいはガラス板など
の適宜なものを用いうる。基板上に形成した液晶ポリマ
ーの固化層は、基板がフィルムからなる場合にはそれと
の一体物としてそのまま円偏光分離層に用いうるし、基
板より剥離してフィルム等からなる円偏光分離層として
用いることもできる。フィルムからなる基板との一体物
として形成する場合には、偏光の状態変化の防止性など
の点より、位相差が可及的に小さいフィルムを用いるこ
とが好ましい。
【0024】液晶ポリマーの展開は、加熱溶融方式によ
ってもよいし、溶剤による溶液として展開することもで
きる。その溶剤としては、例えば塩化メチレンやシクロ
ヘキサノン、トリクロロエチレンやテトラクロロエタ
ン、N−メチルピロリドンやテトラヒドロフランなどの
適宜なものを用いうる。展開は、バーコーターやスピナ
ー、ロールコーター、グラビア印刷方式などの適宜な塗
工機にて行うことができる。展開に際しては、必要に応
じ配向膜を介したコレステリック液晶層の重畳方式など
も採ることができる。
【0025】円偏光分離層の厚さは、配向の乱れや透過
率低下の防止、選択反射性(円偏光二色性を示す波長範
囲)などの点より、0.5〜100μm、就中1〜70
μm、特に1〜50μmが好ましい。なおコレステリック
液晶層等の円偏光分離層の形成に際しては、安定剤や可
塑剤、あるいは金属類などからなる種々の添加剤を必要
に応じて配合することができる。
【0026】円偏光分離層は、図2に例示の如く2層又
は3層以上の円偏光分離層31,32を有する重畳物と
して形成することもできる。重畳化は、分離機能の広波
長域化や斜め入射光の波長シフトに対処する点等より有
利であり、その場合には所定外の円偏光として反射する
光の中心波長が異なる組合せで重畳することが好まし
い。すなわち単層の円偏光分離では通例、選択反射性
(円偏光二色性)を示す波長域に限界があり、その限界
はコレステリック液晶層では約100nmの波長域に及ぶ
広い範囲の場合もあるが、その波長範囲でも液晶表示装
置等に適用する場合に望まれる可視光の全域には及ばな
いから、そのような場合に選択反射性の異なる円偏光分
離層を重畳させて円偏光二色性を示す波長域を拡大させ
ることができる。
【0027】ちなみにコレステリック液晶層の場合、そ
の液晶層に基づく選択反射の中心波長が300〜900
nmのものを同じ偏光方向の円偏光を反射する組合せで、
かつ選択反射の中心波長が異なる、就中それぞれ50nm
以上異なる組合せで用いて、その2〜6種類を重畳する
ことで広い波長域をカバーできる円偏光分離層を効率的
に形成することができる。コレステリック液晶層の重畳
には、製造効率や薄膜化などの点より液晶ポリマーの使
用が特に有利である。
【0028】前記において、円偏光分離層を重畳する場
合、同じ偏光方向の円偏光を反射するものの組合せで用
いることを指摘した。これは、各層で反射される円偏光
の位相状態を揃えて各波長域で異なる偏光状態となるこ
とを防止し、利用できる状態の偏光の増量を目的とす
る。
【0029】なお上記した如く、コレステリック液晶と
しては適宜なものを用いてよいが、位相差の大きいコレ
ステリック液晶分子ほど選択反射の波長域が広くなり、
層数の軽減や大視野角時の波長シフトに対する余裕など
の点より好ましく用いうる。また視角変化による色変化
の角度依存性を低減する点よりは、選択反射の中心波長
が短いものより順々に重畳し、その長波長側を位相差板
側として配置することが好ましい。
【0030】円偏光分離層は、例えば低分子量体からな
るコレステリック液晶層をフィルム等の透明基材で挾持
したセル形態、液晶ポリマーからなるコレステリック液
晶層を透明基材で支持した形態、コレステリック液晶層
の液晶ポリマーのフィルムからなる形態、それらの形態
物を適宜な組合せで重畳した形態などの適宜な形態とす
ることができる。
【0031】前記の場合、コレステリック液晶層をその
強度や操作性などに応じて1層又は2層以上の支持体で
保持することもできる。2層以上の支持体を用いる場合
には、偏光の状態変化を防止する点などより例えば無配
向のフィルムや、配向しても複屈折の小さいトリアセテ
ートフィルムなどの如く位相差が可及的に小さいものが
好ましく用いうる。
【0032】本発明において偏光素子は、図3に例示し
た如く、円偏光分離層1と位相差板3に加えて、その位
相差板側に偏光板5を配置した形態とすることもでき
る。この場合には、別個の偏光板を用いることなくその
まま液晶セルに適用することができる。
【0033】偏光板としては、二色性物質を含有させた
吸収型偏光板やポリエン配向フィルム、あるいは当該フ
ィルムに透明保護層を設けたものなどの適宜なものを用
いうる。ちなみに吸収型偏光板の例としては、ポリビニ
ルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニル
アルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体
系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムに、
ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて延伸し
たフィルムなどがあげられる。また、ポリエン配向フィ
ルムの例としては、ポリビニルアルコールの脱水処理物
やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物などがあげられる。な
お偏光板の厚さは通例5〜80μmであるが、これに限
定されない。
【0034】液晶表示装置の形成には、本発明による偏
光素子を用いた明るい表示の達成性、すなわち位相差板
を介し高度に直線偏光化された光を可及的に吸収ロスを
防止しつつ偏光板を透過させて、液晶セルへの高度な直
線偏光の入射による良好なコントラスト比の表示を得る
点などより、二色性物質含有の吸収型偏光板などの如く
偏光度の高いものが好ましく用いられる。
【0035】就中、光透過率が40%以上で、偏光度が
95.0%以上、特に99%以上の二色性物質含有の吸
収型偏光板が好ましく用いられる。なお前記の偏光度
(P)は、式:P=SQR[(Tp−Tc)/(Tp
c)]にて定義される。式中、T pは、同じ偏光板を平
行ニコルに配置した場合の光透過率、Tcは直交ニコル
に配置した場合の光透過率である。
【0036】前記の透明保護層は、特に二色性物質含有
の偏光板の如く耐水性に乏しい場合などに保護目的で設
けられるもので、プラスチックの塗布方式やフィルムと
したものの積層方式などの適宜な方式で形成してよい。
フィルム等の分離物で形成する場合には、接着層で積層
一体化することが反射ロスの防止等の点より好ましい。
透明保護層の厚さは適宜に決定してよく、一般には1mm
以下、就中500μm以下、特に1〜300μmとされ
る。なおプラスチックとしては、適宜なものを用いてよ
いが、一般には上記の位相差板で例示したものなどが用
いられる。
【0037】なお透明樹脂層は、微粒子を含有させる方
式などにて表面微細凹凸構造の形態に形成することもで
きる。その微粒子には、例えば平均粒径が0.5〜5μ
mのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化
錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン
等の導電性のこともある無機系微粒子や、架橋又は未架
橋ポリマー等の有機系微粒子などの透明樹脂層中で透明
性を示すものが用いられる。微粒子の含有量は2〜25
重量%、就中5〜20重量%が一般的である。
【0038】偏光板を位相差板の上側に配置するに際し
て、位相差板の進相軸又は遅相軸に対する偏光板の偏光
軸の配置角度は、位相差板の位相差特性や、それに入射
する円偏光の特性などに応じて適宜に決定しうるが、光
利用効率の向上等の点より位相差板を介し直線偏光化さ
れた光の偏光方向に対し偏光板の透過軸を可及的に平行
に配置することが好ましい。
【0039】本発明の偏光素子は、自然光等の光源から
の光を円偏光分離層による反射と透過を介して左右の円
偏光に分離し、円偏光分離層を透過した円偏光や楕円偏
光を位相差板で直線偏光化して色変化の少ない状態で偏
光板等に光を供給しうるようにしたものである。
【0040】従って図4に例示した如く、サイドライト
型導光板やELランプなどの適宜な面光源6の上に、偏
光素子をその円偏光分離層1の側を介して配置すること
により液晶表示装置のバックライト等として好適な照明
装置を形成することができる。なお図例では、導光板
(6)を用いたものを示している。
【0041】前記図例の照明装置によれば、導光板6の
表面より出射した光は、導光板の表面側に配置した円偏
光分離層1を所定の円偏光(垂直)や楕円偏光(斜め)
として透過し、位相差板3を介し直線偏光化されて偏光
板5に入射する。一方、所定外の円偏光として円偏光分
離層1で反射された光は、導光板に再入射して裏面等に
配置された反射層61を介し反射され、戻り光として再
び円偏光分離層1に入射する。
【0042】前記の円偏光分離層による反射光は、導光
板の裏面で反射される際に偏光状態が変化させられ、一
部又は全部の反射光が円偏光分離層を透過しうる所定の
円偏光となる。従って円偏光分離層による反射光は、そ
の円偏光分離層を透過しうる所定の円偏光となるまで円
偏光分離層と導光板との間に閉じ込められて、それらの
間で反射を繰り返す。
【0043】前記の如くサイドライト型導光板では、反
射光が円偏光分離層と導光板の反射層の間に閉じ込めら
れ、その間で反射を繰り返す内に偏光状態が変換されて
円偏光分離層を透過しうる状態となり、入射光の初期透
過光と共に出射され、これにより反射ロスによる光の未
利用分が低減される。
【0044】一方、円偏光分離層より出射した光は位相
差板を介して直線偏光や直線偏光成分の多い楕円偏光に
変換され、この変換光はその直線偏光方向が偏光板の透
過軸と合致したとき、殆ど吸収されずに偏光板を透過
し、これにより吸収ロスによる光の未利用分も低減され
る。その結果、従来では反射ロスや吸収ロスとなってい
た光も有効利用でき、光の利用効率を向上させることが
できる。従って面光源としてはサイドライト型の導光板
が好ましく用いうる。
【0045】前記の導光板としては、裏面に反射層を有
して光を表面側に出射するようにした適宜なものを用い
うる。好ましくは、光を吸収なく効率的に出射するもの
が用いられる。(冷,熱)陰極管等の線状光源や発光ダ
イオード等の光源を導光板6の側面に配置し、その導光
板に導光板内を伝送される光を拡散や反射、回折や干渉
等により板の片面側に出射するようにした、液晶表示装
置で公知のサイドライト型バックライトなどはその例で
ある。
【0046】前記において、内部の伝送光を片面側に出
射するようにした導光板は、例えば透明又は半透明の樹
脂板の光出射面又はその裏面にドット状やストライプ状
に拡散体を設けたものや、樹脂板の裏面に凹凸構造を付
与したものなどとして得ることができる。
【0047】一方の面側に光を出射する導光板は、それ
自体で円偏光分離層で反射された光を偏光変換する機能
を有しうるが、導光板の裏面に反射層61を設けること
で反射ロスをほぼ完全に防止することができる。拡散反
射層や鏡面反射層などの反射層は、円偏光分離層で反射
された光を偏光変換する機能に優れ、本発明においては
好ましい。ちなみに凹凸面等で代表される拡散反射層
は、その拡散に基づいて偏光状態がランダムに混在し偏
光の解消状態を形成する。またアルミニウムや銀等の蒸
着層、それを設けた樹脂板、金属箔などからなる金属面
で代表される鏡面反射層は、円偏光が反射されるとその
偏光状態が反転する。
【0048】導光板の形成に際しては、均一な発光を得
るための拡散板、光の出射方向を制御するためのプリズ
ムシート、漏れ光を戻すための反射手段、線状光源から
の出射光を導光板の側面に導くための光源ホルダなどの
補助手段を必要に応じて所定位置に配置して適宜な組合
せ体とされる。なお導光板の表面側(光出射側)に配置
した拡散板やプリズムシート、あるいは導光板に付与し
たドットなどは拡散効果等で反射光の位相を変化させる
偏光変換手段として機能しうる。
【0049】本発明において、偏光素子や照明装置を形
成する円偏光分離層や位相差板、偏光板や導光板の各部
品は、必要に応じて接着層を介して積層一体化すること
ができる。形成部品の積層一体化は、各界面での反射ロ
スの抑制や各界面への異物等の侵入防止による表示品位
等の低下予防、光学系のズレによる補償効率や偏光変換
効率等の低下防止などに有効である。従って、円偏光分
離層や位相差板、偏光板や導光板等がそれぞれ複数の層
で形成される場合にも、各層を接着層等を介して密着一
体化することが好ましい。
【0050】前記の積層一体化には適宜な接着剤等を用
いうるが、就中、応力緩和性に優れる粘着層が、光源等
からの熱で円偏光分離層や位相差板や偏光板等に生じる
応力を抑制して、光弾性変形により発生する屈折率の変
化を防止し、明るくて視認性や表示品位の信頼性に優れ
る液晶表示装置を形成する点などより好ましく用いう
る。
【0051】粘着層の形成には、例えばアクリル系重合
体やシリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタ
ン、ポリエーテルや合成ゴムなどの適宜なポリマーを用
いてなる、応力緩和性に優れる透明な粘着剤を用いう
る。就中、光学的透明性や粘着特性、耐候性などの点よ
りアクリル系粘着剤が好ましく用いうる。また粘着層と
しては、熱により積層体内部に発生する内部応力の緩和
による光弾性変形の防止性などの点より、緩和弾性率が
2×105〜1×107dyne/cm2、就中2×106〜8×
106dyne/cm2のものが好ましい。
【0052】前記アクリル系粘着剤を形成するアクリル
系重合体の具体例としては、例えばメチル基やエチル
基、n−プロピル基やイソプロピル基、n−ブチル基や
イソブチル基、ペンチル基やイソアミル基、ヘキシル基
やヘプチル基、シクロヘキシル基や2−エチルヘキシル
基、オクチル基やイソオクチル基、ノニル基やイソノニ
ル基、ラウリル基やドデシル基、デカニル基やイソデカ
ニル基の如きアルキル基、就中、炭素数が2〜14のア
ルキル基を有するアクリル酸エステルやメタクリル酸エ
ステルの1種又は2種以上を重合処理したものなどがあ
げられる。
【0053】また前記アクリル系共重合体の形成に際し
ては必要に応じて(メタ)アクリル酸エステルと共重合
可能な改質用のモノマーも用いうる。その具体例として
は、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルや(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸4−ヒドロキシブチルや(メタ)アクリル酸6−
ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキ
シオクチルや(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシ
ル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや
(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアク
リレートの如きヒドロキシル基含有モノマー、アクリル
酸やメタクリル酸、カルボキシエチルアクリレートやカ
ルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸やマレイン
酸、クロトン酸の如きカルボキシル基含有モノマー、無
水マレイン酸や無水イタコン酸の如き酸無水物モノマ
ー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸の如きスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエ
チルアクリロイルホスフェートの如き燐酸基含有モノマ
ー、(メタ)アクリルアミドやN−置換(メタ)アクリ
ルアミドの如きアミド系モノマー、N−シクロヘキシル
マレイミドやN−イソプロピルマレイミド、N−ラウリ
ルマレイミドやN−フェニルマレイミドの如きマレイミ
ド系モノマー、N−メチルイタコンイミドやN−エチル
イタコンイミド、N−ブチルイタコンイミドやN−オク
チルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコン
イミドやN−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウ
リルイタコンイミドの如きイタコンイミド系モノマー、
N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミ
ドやN−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチ
レンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−
オキシオクタメチレンスクシンイミドの如きスクシンイ
ミド系モノマー、酢酸ビニルやN−ビニルピロリドン、
N−ビニルカルボン酸アミド類やスチレンの如きビニル
系モノマー、ジビニルベンゼンの如きジビニル系モノマ
ー、1,4−ブチルジアクリレートや1,6−ヘキシル
ジアクリレートの如きジアクリレート系モノマー、(メ
タ)アクリル酸グリシジルやテトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレートやポリプロピレングリコール(メタ)
アクリレート、フッ素(メタ)アクリレートやシリコー
ン(メタ)アクリレートの如きアクリル酸エステル系モ
ノマー、メチル(メタ)アクリレートやオクタデシル
(メタ)アクリレートの如き上記した主成分をなすモノ
マーとは異なるエステル基を有する(メタ)アクリル酸
エステルなどがあげられる。
【0054】上記した改質用モノマーにおいて、分子間
架橋剤と反応しうる官能基を有してアクリル系共重合体
の分子間架橋に関与しうるモノマー、例えば上記したカ
ルボキシル基含有モノマーや酸無水物モノマー、(メ
タ)アクリル酸グリシジルやヒドロキシル基含有モノマ
ーなどは好ましく用いうる。就中、カルボキシエチルア
クリレートや(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシ
ルの如く架橋反応性に富むモノマーは、少量の共重合で
必要な架橋性を付与しうることから、得られるアクリル
系共重合体の緩和弾性率を上昇させにくく、特に好まし
く用いうる。
【0055】アクリル系重合体の調製方式は任意であ
り、溶液重合法や乳化重合法、塊状重合法や懸濁重合法
などの適宜な方式を採ることができる。その重合に際し
ては、例えばヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート
や(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ートやネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートやト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレートやジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ
アクリレートやポリエステルアクリレート、ウレタンア
クリレートなどの多官能系モノマーも用いうる。
【0056】重合処理に際しては必要に応じ重合開始剤
を用いうる。その使用量は、常法に準じることができ、
一般にはモノマー成分の0.001〜5重量%が用いら
れる。重合開始剤の例としては、過酸化ベンゾイルやt
-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド
やジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−
プロピルパーオキシジカーボネートやジ(2−エトキシ
エチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオ
キシネオデカリエートやt-ブチルパーオキシビバレー
ト、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキ
シドやジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオ
キシドの如き有機過酸化物があげられる。
【0057】また2,2'−アゾビスイソブチロニトリル
や2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,
1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)
や2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メト
キシバレロニトリル)やジメチル2,2'−アゾビス(2
−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シ
アノバレリック酸)や2,2'−アゾビス(2−ヒドロキ
シメチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス[2−
(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]の如きアゾ
系化合物、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムや過酸
化水素等、あるいはそれらと還元剤を併用したレドック
ス系開始剤なども重合開始剤としてあげられる。
【0058】耐湿熱性等の点より好ましく用いうるアク
リル系重合体は、その重量平均分子量が10以上、就中
20万以上、特に40万以上のものである。また、かか
るアクリル系重合体は必要に応じ分子間架橋剤等で架橋
処理して、分子量の増量等により粘着特性の改良を図る
こともできる。ちなみに分子間架橋剤の例としては、ト
リレンジイソシアネートやトリメチロールプロパントリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタントリイソシア
ネートの如き多官能イソシアネート系架橋剤、ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテルやジグリシジルエ
ーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ルの如きエポキシ系架橋剤、その他、メラミン樹脂系架
橋剤や金属塩系架橋剤、金属キレート系架橋剤やアミノ
樹脂系架橋剤などの適宜なものを用いうる。
【0059】粘着層の厚さは適宜に決定してよい。一般
には、接着力や薄型化等の点より1〜500μm、就中
2〜200μm、特に5〜100μmとされる。なお粘着
層には必要に応じて、石油系樹脂やロジン系樹脂、テル
ペン系樹脂やクマロンインデン系樹脂、フェノール系樹
脂やキシレン系樹脂、アルキド系樹脂の如き粘着付与
剤、フタル酸エステルやリン酸エステル、塩化パラフィ
ンやポリブテン、ポリイソブチレンの如き軟化剤、ある
いはその他の各種充填剤や老化防止剤などの適宜な添加
剤を配合することができる。
【0060】積層一体化した偏光素子の形成は、例えば
フィルム等の薄葉体を剥離剤で表面処理してなるセパレ
ータ上に設けた粘着層を円偏光分離層の接着面に移着
し、その上に位相差板を圧着する方式、あるいは更にそ
の位相差板の上に粘着層を同様にして移着し、その上に
偏光板を配置して圧着する方式などがあげられる。
【0061】また導光板等の接着面にパレータ上に設け
た粘着層を移着し、その上に円偏光分離層を配置して圧
着した後、その上に粘着層を同様にして移着して位相差
板や偏光板を順次圧着する方式、あるいは予め所定の接
着面に設けた粘着層を介して円偏光分離層や位相差板、
偏光板や導光板等の被着体を所定の順序で積層し、それ
をプレス処理して一括的に圧着する方式などもあげられ
る。
【0062】本発明においては、偏光素子や照明装置を
形成する各部品を所定の粘着層を介して所定の配置順序
で接着積層する点を除いて、その処理順序等については
特に限定はなく、適宜な方式で偏光素子や照明装置を形
成してよい。
【0063】また偏光素子や照明装置には、その表面や
層間の適宜な位置に位相差フィルムや光拡散板などの適
宜な光学素子を配置することもできる。その場合、光学
素子は偏光素子の場合と同様に応力緩和性に優れる粘着
層等を介して積層一体化してもよい。かかる事前接着方
式は、組立てラインにおける順次の接着方式よりも品質
の安定した信頼性に優れる素子が得られるなどの利点を
有している。
【0064】なお本発明においては、偏光素子や照明装
置を形成する円偏光分離層や位相差板、偏光板や導光
板、接着層やその他の光学素子等の部品を、例えばサリ
チル酸エステル系化合物、ベンゾフェノール系化合物、
ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化
合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理す
る方式などにより紫外線吸収能をもたせることもでき
る。
【0065】上記のように本発明の偏光素子は、サイド
ライト型導光板等の適宜な面光源との組合せで用いて、
円偏光分離層による反射円偏光を偏光変換して出射光と
して再利用することで反射ロスを防止し、その出射光を
位相差板を介し位相制御して偏光板透過性の直線偏光成
分をリッチに含む状態に変換することで偏光板による吸
収ロスを防止し、かつ色変化を抑制して光利用効率や良
視認の視野角の向上をはかりうるようにしたものであ
る。
【0066】従って、光の利用効率に優れて偏光板を透
過しやすい光を提供し、大面積化等も容易であることよ
り液晶表示装置等におけるバックライトシステムなどと
して種々の装置に好ましく用いることができる。その場
合、位相差板を出射した光を光源として利用する点より
は、直線偏光や楕円偏光の長径方向成分などとして偏光
板を透過しうる直線偏光成分を65%以上、就中70%
以上含むことが好ましい。
【0067】本発明の照明装置をバックライトシステム
に用いた液晶表示装置を図5に例示した。これは、照明
装置を形成する導光板6の側面に光源62を有してバッ
クライトシステムを形成する。また9が液晶セルであ
り、25,26,27,28は接着層、5,51は偏光
板、7は位相差補償用の位相差フィルム、8は視認光拡
散用の光拡散板である。図例の如く液晶セルは、偏光素
子の位相差板側に配置される。
【0068】本発明の偏光素子や照明装置は、液晶セル
の両側に偏光板を有する液晶表示装置の形成に特に好ま
しく用いることができる。なお位相差板の上側に偏光板
を有する偏光素子の場合には、液晶セルにおける偏光素
子を設ける側の偏光板は省略することができる。
【0069】液晶表示装置は一般に、偏光板、液晶セ
ル、バックライト、及び必要に応じての補償用位相差フ
ィルム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込む
ことなどにより形成される。本発明においては上記の如
く、液晶セルの視認背面側に位相差板側ないし偏光板側
を介して偏光素子又は照明装置を配置する点を除いて特
に限定はなく従来に準じて形成することができるが、各
構成部品は粘着層を介して接着一体化されていることが
好ましい。
【0070】また本発明の偏光素子や照明装置は、偏光
状態の光を入射させる必要のある液晶セル、例えばツイ
ストネマチック液晶やスーパーツイストネマチック液晶
を用いたものなどに好ましく用いうるが、非ツイスト系
の液晶や二色性物質を液晶中に分散させたゲストホスト
系の液晶、あるいは強誘電性液晶を用いたものなどにも
用いうる。
【0071】液晶の駆動方式についても特に限定はない
が、正面方向と斜め60度方向における白、赤、緑、青
の色度変化量が0.01以上の液晶駆動装置を装備し
て、その装備前よりも色度変化量を少なくした液晶表示
装置が好ましい。
【0072】なお液晶表示装置の形成に際しては、例え
ば視認側の偏光板の上に設ける光拡散板やアンチグレア
層、反射防止膜や保護層や保護板、あるいは液晶セルと
視認側等の偏光板の間に設ける補償用位相差板などの適
宜な光学素子を適宜に配置することができる。
【0073】
【実施例】
実施例1 選択反射の中心波長が550nmで左円偏光を透過するコ
レステリック液晶ポリマーからなる厚さ3μmの円偏光
分離層と、正面位相差が140nmで、Nzが0.5(nx
>nz>ny)の位相差板と、ヨウ素・ポリビニルアルコ
ール系偏光板を厚さ20μmのアクリル系粘着層を介し
て順次配置し、それをプレス圧着して積層一体化し、偏
光素子を得た。なお偏光板は、その透過軸が円偏光分離
層と位相差板を介した直線偏光の偏光軸と平行となるよ
うに配置した。
【0074】実施例2 選択反射の中心波長が500nmと600nmで左円偏光を
透過する厚さ3μmのコレステリック液晶ポリマー層の
2層を厚さ20μmのアクリル系粘着層を介して接着し
た重畳体からなる円偏光分離層と、正面位相差が125
nmで、Nzが−1.5(nz>nx>ny)の位相差板を用
いたほかは実施例1に準じて偏光素子を得た。なお位相
差板と偏光板は、選択反射の中心波長が600nmのコレ
ステリック液晶ポリマー層側に配置した。
【0075】実施例3 選択反射の中心波長が450nmと550nmと650nmで
左円偏光を透過する厚さ3μmのコレステリック液晶ポ
リマー層の3層を厚さ20μmのアクリル系粘着層を介
して波長順に接着した重畳体からなる円偏光分離層と、
正面位相差が115nmで、Nzが0.5(nx>nz
y)の位相差板を用いたほかは実施例1に準じて偏光
素子を得た。なお位相差板と偏光板は、選択反射の中心
波長が650nmのコレステリック液晶ポリマー層側に配
置した。
【0076】比較例1 正面位相差が140nmで、Nzが1(nx>ny=nz)の
位相差板を用いたほかは実施例1に準じて偏光素子を得
た。
【0077】比較例2 正面位相差が125nmで、Nzが1(nx>ny=nz)の
位相差板を用いたほかは実施例2に準じて偏光素子を得
た。
【0078】比較例3 正面位相差が115nmで、Nzが1(nx>ny=nz)の
位相差板を用いたほかは実施例3に準じて偏光素子を得
た。
【0079】比較例4 ヨウ素・ポリビニルアルコール系偏光板のみを用いた。
【0080】評価試験 実施例、比較例で得た偏光素子の円偏光分離層の下に、
厚さ20μmのアクリル系粘着層を介して、裏面にAl
蒸着層からなる反射層を設けたポリメチルメタクリレー
トからなる厚さ5mmの導光板の側面に直径4mmの冷陰極
管を配置してアルミニウム蒸着フィルムにてその導光板
の側面と冷陰極管を包囲してなる面光源を配置し、それ
をプレス圧着して積層一体化し、照明装置を得て、その
正面(垂直)方向と、それを基準として60度傾斜した
方向の白、赤、緑、青の色度変化量(△x,△y)を調
べた。
【0081】次に、前記照明装置の偏光板上に、厚さ2
0μmのアクリル系粘着層を介してTFT型液晶表示パ
ネルを接着して、液晶表示装置を得て、前記と同様に白
の色度変化量を調べた。
【0082】前記の結果を表1、表2に示した。
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】なお偏光板のみを用いた比較例4に比べ
て、各実施例では輝度に優れており、明るい面照明、及
び画面であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏光素子例の断面図
【図2】他の偏光素子例の断面図
【図3】さらに他の偏光素子例の断面図
【図4】照明装置例の断面図
【図5】液晶表示装置例の断面図
【符号の説明】 1,11,12:円偏光分離層 2,21〜28:接着層 3:位相差板 31,32:位相差層 5:偏光板 6:面光源 7:位相差フィルム 8:光拡散板 9:液晶セル

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ方向の屈折率が面内屈折率の少なく
    とも一方よりも高く、かつ正面位相差が100〜180
    nmの位相差板と、円偏光分離層を少なくとも有すること
    を特徴とする偏光素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、厚さ方向の屈折率が
    面内の平均屈折率又はいずれの面内屈折率よりも高い位
    相差板を用いた偏光素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、位相差板が位
    相差相違の2層以上の位相差層の重畳体よりなり、その
    重畳体に厚さ方向の屈折率が面内屈折率の少なくとも一
    方よりも高い位相差層を1層又は2層以上含むものであ
    る偏光素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3において、位相差板がポリ
    カーボネート又はポリスルホンからなる偏光素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4において、円偏光分離層が
    コレステリック液晶層からなる偏光素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5において、円偏光分離層が
    選択反射の中心波長が相違する2層以上の円偏光分離層
    の重畳体からなる偏光素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6において、位相差板の上方
    に二色性物質含有の偏光板を有する偏光素子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7において、接着層を介し積
    層一体化してなる偏光素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8に記載の偏光素子をその円
    偏光分離層側を介して面光源上に配置してなることを特
    徴とする照明装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8に記載の偏光素子を、液
    晶セルの視認背面側に配置してなることを特徴とする液
    晶表示装置。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の照明装置を、液晶セ
    ルの視認背面側に配置してなることを特徴とする液晶表
    示装置。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11において、偏光素
    子又は照明装置と液晶セルが接着層を介し積層一体化さ
    れており、円偏光分離層と液晶セルの間に1層の偏光板
    を有する液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 請求項10〜12において、正面方向
    と斜め60度方向における白、赤、緑、青の色度変化量
    が0.01以上の液晶駆動装置を装備して、その装備前
    よりも色度変化量を少なくした液晶表示装置。
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