JPH10206576A - 自動二輪車計器盤用カバ−及び自動二輪車計器盤 - Google Patents

自動二輪車計器盤用カバ−及び自動二輪車計器盤

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Publication number
JPH10206576A
JPH10206576A JP9017914A JP1791497A JPH10206576A JP H10206576 A JPH10206576 A JP H10206576A JP 9017914 A JP9017914 A JP 9017914A JP 1791497 A JP1791497 A JP 1791497A JP H10206576 A JPH10206576 A JP H10206576A
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JP
Japan
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water
photocatalyst
cover
cobalt
photoexcitation
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Application number
JP9017914A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kitamura
厚 北村
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたり撥水性を維持可能な表面を有す
る自動二輪車計器盤用カバ−の提供。 【解決手段】 自動二輪車計器盤用カバ−において、基
材表面に、光触媒粒子と、撥水性シリコ−ンと、前記撥
水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起による親水化を防
止するための物質とを含有する表面層が形成されている
ようにする、或いは基材表面に、光触媒粒子と撥水性シ
リコ−ンとを含有する層が形成され、さらにその層表面
の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触
媒の光励起による親水化を防止するための物質が固定さ
れているようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水滴付着防止性を
有する自動二輪車計器盤用カバ−に関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷時や雨天にオ−トバイの計器盤用カ
バ−内部が凝縮湿分で曇り、計器表示盤が見にくくなる
ことはしばしば経験される。また雨天時にオ−トバイの
計器盤用カバ−外部が降雨や水しぶきを受け、離散した
多数の水滴が表面に付着して可視性が失われることも経
験される。それが極端になれば寒冷時や雨天の安全走行
に支障を来すことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、水滴の付着し
にくい自動二輪車計器盤用カバ−が望まれている。
【0004】水滴の付着を防止する方法としては、基材
表面に撥水性を付与するとよいことが知られている。そ
の一方法として、基材表面に撥水性シリコ−ンからなる
表面層を形成する方法がある。しかしながら、この構成
では経時的に汚れが付着することによって水との接触角
が70゜程度に低下し、撥水性の効果が持続しない。そ
こで、上記課題を解決する他の方法として、基材表面に
光触媒と撥水性シリコ−ンとからなる表面層を形成する
方法がある。この方法によれば、光触媒の酸化分解性に
基づき、経時的に付着する汚れを分解できる。しかしな
がら、この構成では屋外で太陽光に晒すと、光触媒の光
励起によりシリコ−ンが親水化してしまうため表面の撥
水性を維持することができない。本発明では、上記事情
に鑑み、表面の撥水性を長期にわたり維持しうる自動二
輪車計器盤用カバ−を提供し、以て長期にわたり水滴の
付着しにくい自動二輪車計器盤用カバ−を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基材表面に、光触媒粒子と、撥水性シリコ
−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起に
よる親水化を防止するための物質とを含有する実質的に
透明な表面層が形成されている、或いは基材表面に、光
触媒粒子と撥水性シリコ−ンとを含有する実質的に透明
な層が形成され、さらにその層表面の少なくとも一部に
は前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起による親
水化を防止するための物質が固定されていることを特徴
とする自動二輪車計器盤用カバ−を提供する。コバルト
又はコバルト化合物のような光触媒の光励起による親水
化を防止するための物質が表面層に含有されているよう
にすることにより、光触媒の光励起によりシリコ−ンが
親水化してしまうのを防止することができる。かつ光触
媒が含有されているので、光触媒の酸化分解性に基づ
き、経時的に付着する汚れを分解できる。従って、表面
の撥水性を恒久的に維持することができ、長期にわたり
水滴の付着しにくい自動二輪車計器盤用カバ−を提供で
きるようになる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の二輪車用計器盤
の改良部の一実施例の説明図を示す。図1において、カ
バ−の両面には表面層が形成されており、カバ−内部の
曇り防止と、カバ−外部の離散した水滴の付着防止が図
れるようになっていて、それにより、寒冷時や雨天に表
示部の表示が見にくくなるのが防止されるようになって
いる。表面層は、その一実施態様においては、図2に示
すように、光触媒粒子と、シリコ−ンと、コバルト又は
コバルト化合物等の光触媒の光励起による親水化を防止
するための物質を含む表面層が形成されている。他の態
様においては、図3に示すように、カバー3の表面に光
触媒粒子と、撥水性シリコ−ンとを含有する層が形成さ
れ、さらにその層表面の少なくとも一部にはコバルト又
はコバルト化合物等の撥水性シリコ−ンの光触媒の光励
起による親水化を防止するための物質が固定されてい
る。カバ−の内部の適宜箇所には蛍光ランプなどからな
る内部照明が配置してあり、夜間にも表示が見えるよう
になっている。表面層中の光触媒が結晶性酸化チタンの
場合には、光触媒は太陽光又は内部照明の光に含まれる
紫外線によって光励起される。カバ−と表面層との間に
は、シリコ−ン、無定型シリカ、アクリルシリコン等か
らなる透明な中間層を設けるようにしてもよい。
【0007】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、例えば、アナタ−
ゼ型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸
化二ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロン
チウム等の酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起
に用いる光源としては、太陽光、道路照明等の環境にあ
る光源を利用してもよいし、専用光源を利用してもよ
い。専用光源には、例えば、蛍光灯、白熱電灯、メタル
ハライドランプ、水銀灯、キセノンランプ、殺菌灯等の
照明が利用できる。しかし、好ましい態様においては、
可視光とともに微弱な紫外線を発する蛍光灯のような内
部照明を設け、この照明によって表示部を照明するとと
もに光触媒を光励起する。光触媒の光励起により、基材
表面のシリコ−ン又は無定型シリカが親水化されるため
には、励起光の照度は0.001mW/cm2以上あれ
ばよいが、0.01mW/cm2以上だと好ましく、
0.1mW/cm2以上だとより好ましい。
【0008】シリコ−ンには、平均組成式 RpSiO(4-p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0009】コバルト化合物には、コバルト合金、酸化
コバルト、塩化コバルト、硫酸コバルト、ヨウ化コバル
ト、臭化コバルト、酢酸コバルト、塩素酸コバルト、硝
酸コバルト等が好適に利用できる。
【0010】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0011】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0012】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0013】次に、基材表面に、光触媒粒子と、撥水性
シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光
励起による親水化を防止するための物質とを含有する表
面層が形成されている撥水性部材の製法について説明す
る。この場合の製法は、基本的には、基材表面にコ−テ
ィング組成物を塗布し、硬化させることによる。
【0014】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒
子、コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の光励起に
よる親水化を防止するための物質にシリコ−ンの前駆体
を必須構成要件とし、その他に水、エタノ−ル、プロパ
ノ−ル等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン
酸等のシリコ−ンの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネ−トなどの酸性化合物類等のシリコ−
ンの前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤
等のコ−ティング液の分散性を向上させる界面活性剤な
どを添加してもよい。
【0015】コバルト又はコバルト化合物としては、水
溶性のコバルト化合物を用いるのが好ましい。水溶性の
コバルト化合物としては、例えば、塩化コバルト、硫酸
コバルト、ヨウ化コバルト、臭化コバルト、酢酸コバル
ト、塩素酸コバルト、硝酸コバルト等が好適に利用でき
る。
【0016】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0017】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0018】また上記シロキサンからなる塗膜形成要素
としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分解
及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の部
分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解物
との脱水縮重合等で作製することができる。
【0019】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0020】次に、基材表面に、光触媒粒子と撥水性シ
リコ−ンとを含有する層が形成され、さらにその層表面
の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触
媒の光励起による親水化を防止するための物質が固定さ
れている撥水性部材の製法について説明する。この場合
の製法は、基本的には、光触媒粒子と撥水性シリコ−ン
の前駆体とを含有するコ−ティング組成物を塗布し、硬
化させた後、コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の
光励起による親水化を防止するための物質を含有する溶
液を塗布し、表面に固定することによる。
【0021】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒子
と、撥水性シリコ−ンの前駆体を必須構成要件とし、そ
の他に水、エタノ−ル、プロパノ−ル等の溶媒や、塩
酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等のシリカの前駆体
の加水分解を促進する触媒や、トリブチルアミン、ヘキ
シルアミンなどの塩基性化合物類、アルミニウムトリイ
ソプロポキシド、テトライソプロピルチタネ−トなどの
酸性化合物類等のシリカの前駆体を硬化させる触媒や、
シランカップリング剤等のコ−ティング液の分散性を向
上させる界面活性剤などを添加してもよい。
【0022】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0023】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0024】また、上記シロキサンからなる塗膜形成要
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
【0025】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0026】コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の
光励起による親水化を防止するための物質を含有する溶
液を塗布し、表面に固定する方法は、例えば、塩化コバ
ルト、硫酸コバルト、ヨウ化コバルト、臭化コバルト、
酢酸コバルト、塩素酸コバルト、硝酸コバルト等の水溶
性のコバルト化合物を、スプレ−コ−ティング法、ディ
ップコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ
−ティング法、ロ−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポ
ンジ塗り等の方法で塗布し、光還元、熱処理、アルコ−
ル等の犠牲酸化剤を併用する還元等の方法で固定するこ
とにより行う。
【0027】
【実施例】
参考例.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
−ルを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティング液
を、スプレ−コ−ティング法にて5×10cm角の施釉
タイル基材(東陶機器、AB02E11)上に塗布し、
200℃で15分熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン
粒子11重量部、シリカ6重量部、シリコ−ン5重量部
からなる表面層を形成した#1試料を得た。#1試料の
水との接触角は92゜であった。ここで水との接触角は
接触角測定器(協和界面科学、CA−X150)を用
い、マイクロシリンジから水滴を滴下した後30秒後の
水との接触角で評価した。次いで#1試料表面に、紫外
線光源(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍
光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外線照度で1日
照射し、#2試料を得た。その結果、#2試料の水との
接触角は0゜まで親水化された。次に、#1試料と、#
1試料に水銀灯を22.8mW/cm2の紫外線照度で
2時間照射して得た#3試料夫々の試料表面をラマン分
光分析した。その結果、#1試料表面で認められたメチ
ル基のピ−クが#3試料では認められず、代わりに水酸
基のブロ−ドなピ−クが認められた。以上のことから、
光触媒であるアナタ−ゼ型酸化チタンの光励起により被
膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合した有
機基は、水酸基に置換されること、及び親水化されるこ
とがわかる。
【0028】実施例1.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15、硝酸解膠型、pH=1)と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、pH=4)
と、メチルトリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラス
カB液)と、塩化コバルト六水和物と、エタノ−ルを混
合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティング液を、スプ
レ−コ−ティング法にてアクリルシリコン系のプライマ
−及びシリコ−ン系のハ−ドコ−トで被覆したポリカ−
ボネ−ト基材上に塗布し、110℃で30分熱処理し
て、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子11重量部、シリカ6
重量部、シリコ−ン5重量部、コバルト0.2重量部か
らなる表面層を形成した#4試料を得た。#4試料の水
との接触角は97゜であった。ここで水との接触角は接
触角測定器(協和界面科学、CA−X150)を用い、
マイクロシリンジから水滴を滴下した後30秒後の水と
の接触角で評価した。次いで#4試料表面に、紫外線光
源(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍光
灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外線照度で1日照
射し、#5試料を得た。その結果、#5試料の水との接
触角は依然95゜と撥水性を維持した。従って、以上の
ことから、光触媒であるアナタ−ゼ型酸化チタンの光励
起による被膜の表面のシリコ−ンの親水化が、コバルト
により阻害されることがわかる。これは、被膜の表面の
シリコ−ン分子中のケイ素原子に結合した有機基の水酸
基への置換がコバルトにより阻害されるためと考えられ
る。また、#5試料を傾けると水滴は転がりながら落下
した。
【0029】実施例2.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15、硝酸解膠型、pH=1)と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、pH=4)
と、メチルトリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラス
カB液)と、塩化コバルト六水和物と、エタノ−ルを混
合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティング液を、スプ
レ−コ−ティング法にてシリカ被覆した10cm角のソ
−ダライムガラス基材上に塗布し、110℃で30分熱
処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子11重量部、シ
リカ6重量部、シリコ−ン5重量部、コバルト0.2重
量部からなる表面層を形成した#6試料を得た。#6試
料の水との接触角は96゜であった。ここで水との接触
角は接触角測定器(協和界面科学、CA−X150)を
用い、マイクロシリンジから水滴を滴下した後30秒後
の水との接触角で評価した。次いで#6試料表面に、紫
外線光源(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)
蛍光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外線照度で1
日照射し、#7試料を得た。その結果、#7試料の水と
の接触角は依然95゜と撥水性を維持した。従って、以
上のことから、光触媒であるアナタ−ゼ型酸化チタンの
光励起による被膜の表面のシリコ−ンの親水化が、コバ
ルトにより阻害されることがわかる。これは、被膜の表
面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合した有機基の
水酸基への置換がコバルトにより阻害されるためと考え
られる。また、#7試料を傾けると水滴は転がりながら
落下した。
【0030】実施例3.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15、硝酸解膠型、pH=1)と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、pH=4)
と、メチルトリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラス
カB液)と、エタノ−ルを混合し、2〜3時間撹拌して
得たコ−ティング液を、スプレ−コ−ティング法にてア
クリルシリコン系のプライマ−及びシリコ−ン系のハ−
ドコ−トで被覆したポリカ−ボネ−ト基材上に塗布し、
110℃で30分熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン
粒子11重量部、シリカ6重量部、シリコ−ン5重量部
からなる表面層を形成した。さらにその上にコバルト金
属濃度50μmol/gの塩化コバルト六水和物水溶液
を0.3g塗布後、紫外線光源(三共電気、ブラックラ
イトブル−(BLB)蛍光灯)を用いて紫外線照度0.
4mW/cm2の紫外線を10分照射して基材上にコバ
ルトを固定して#8試料を得た。#8試料の水との接触
角は96゜であった。ここで水との接触角は接触角測定
器(協和界面科学、CA−X150)を用い、マイクロ
シリンジから水滴を滴下した後30秒後の水との接触角
で評価した。次いで#8試料表面に、紫外線光源(三共
電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍光灯)を用い
て0.3mW/cm2の紫外線照度で1日照射し、#9
試料を得た。その結果、#9試料の水との接触角は依然
94゜と撥水性を維持した。従って、以上のことから、
光触媒であるアナタ−ゼ型酸化チタンの光励起による被
膜の表面のシリコ−ンの親水化が、コバルトにより阻害
されることがわかる。これは、被膜の表面のシリコ−ン
分子中のケイ素原子に結合した有機基の水酸基への置換
がコバルトにより阻害されるためと考えられる。また、
#9試料を傾けると水滴は転がりながら落下した。
【0031】
【発明の効果】本発明では、自動二輪車計器盤用カバ−
において、基材表面に、光触媒粒子と、撥水性シリコ−
ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起によ
る親水化を防止するための物質とを含有する実質的に透
明な表面層が形成されているようにする、或いは基材表
面に、光触媒粒子と撥水性シリコ−ンとを含有する実質
的に透明な層が形成され、さらにその層表面の少なくと
も一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起
による親水化を防止するための物質が固定されているよ
うにすることにより、部材表面は長期にわたり撥水性を
維持可能となり、長期にわたり水滴付着を防止しうる自
動二輪車計器盤用カバ−を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動二輪車計器盤の改良部を示す図。
【図2】本発明の自動二輪車計器盤用カバ−の表面構造
を示す図。
【図3】本発明の自動二輪車計器盤用カバ−の他の表面
構造を示す図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、光触媒粒子と、撥水性シリ
    コ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起
    による親水化を防止するための物質とを含有する実質的
    に透明な表面層が形成されていることを特徴とする自動
    二輪車計器盤用カバ−。
  2. 【請求項2】 基材表面に、光触媒粒子と撥水性シリコ
    −ンとを含有する実質的に透明な層が形成され、さらに
    その層表面の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ン
    の前記光触媒の光励起による親水化を防止するための物
    質が固定されていることを特徴とする自動二輪車計器盤
    用カバ−。
  3. 【請求項3】 前記光触媒の光励起による親水化を防止
    するための物質は、コバルト又はコバルト化合物である
    ことを特徴とする請求項1、2に記載の自動二輪車計器
    盤用カバ−。
  4. 【請求項4】 内部照明と、請求項1又は2に記載のカ
    バ−を備え、前記カバ−表面層における前記光触媒粒子
    は結晶性チタニアであり、前記内部照明は可視光と紫外
    線の双方を含む光を発する形式の照明であり、前記照明
    は計器表示盤を照明するとともに前記カバ−表面の光触
    媒を光励起することを特徴とする自動二輪車計器盤。
  5. 【請求項5】 前記照明は0.1mW/cm2以上の紫
    外線照度で光触媒を光励起することを特徴とする請求項
    4に記載の自動二輪車計器盤。
JP9017914A 1997-01-16 1997-01-16 自動二輪車計器盤用カバ−及び自動二輪車計器盤 Pending JPH10206576A (ja)

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