JPH10205702A - 排熱回収ボイラーおよび管群構造物 - Google Patents

排熱回収ボイラーおよび管群構造物

Info

Publication number
JPH10205702A
JPH10205702A JP30679697A JP30679697A JPH10205702A JP H10205702 A JPH10205702 A JP H10205702A JP 30679697 A JP30679697 A JP 30679697A JP 30679697 A JP30679697 A JP 30679697A JP H10205702 A JPH10205702 A JP H10205702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
hollow
tube group
pipe
shapes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30679697A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyuki Sadaoka
紀行 定岡
Masahiro Miki
将裕 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP30679697A priority Critical patent/JPH10205702A/ja
Publication of JPH10205702A publication Critical patent/JPH10205702A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、構成が簡単で且つ簡便にして
効果的に気柱共鳴現象を防止することができる排熱回収
ボイラーおよび管群構造物を提供することにある。 【解決手段】並設配置された複数の中空管1と、これら
を収納する格納容器2からなり、燃焼ガスを流入流体と
する管群構造物において、前記複数の中空管1が規則的
な配列により構成され支持構造物により一体となった管
群の間を流体が流れる場合、各中空管の後方から放出さ
れる渦の周波数が、管群内の位置により不均一となるよ
うに径,構成あるいは形状の異なる中空管をランダム配
置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばコンバイン
ド発電プラントなどに採用されている排熱回収ボイラー
や火力・原子力発電プラントなどに採用されている熱交
換器などの管群構造物の気柱共鳴の防止構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】コンバインド発電プラントの排熱回収ボ
イラーは、ガスタービンからの高温の燃焼排ガスにより
蒸気を発生させる装置である。この装置内には、多数の
中空管が規則的な配列により構成され支持構造物により
一体となった管群が、複数個、流れの進行方向に順次配
置されている。また、これらの複数の管群の間には脱硝
装置が設置されている。各々の管群において、上下に、
管群を構成する中空管が全て合流する配管があり、この
配管を経て蒸気タービンに発生蒸気が送り込まれるよう
に形成されている。
【0003】上記の排熱回収ボイラーや火力・原子力発
電プラントにおける各種熱交換器等の管群構造物では、
管群中を流体が流れる時、各管の後方に一定周波数の渦
が発生する。この渦の発生周波数は、主に各管の外径,
管周りの流速,管表面形状に依存する。
【0004】単管で管表面が滑らかな曲面の場合、管後
方にはカルマン渦とよばれる剥離渦が管後方の上下交互
に一定周波数で発生する。このカルマン渦の周波数Fv
は、次式で与えられる。
【0005】
【数1】 (Fv)s=((St)s×Uin)/D …(数1) ここで、(Fv)s:単管のカルマン渦発生周波数(H
z),(St)s:単管のストローハル数(−),Uin:
流速(m/s),D:管外径(m)である。
【0006】単管の場合、ストローハル数(St)s は、
レイノルズ数が102〜105の広い範囲で0.20〜0.
22の一定値となる。
【0007】管群の場合においても、単管における数1
と同様に、各管後方で発生する渦発生周波数が整理でき
る。
【0008】
【数2】 (Fv)array=((St)array×Uin)/D …(数2) ここで、(Fv)array:管群のカルマン渦発生周波数
(Hz),(St)array:管群のストローハル数
(−),Uin:流速(m/s),D:管外径(m)。
【0009】なお、管群の場合、単管の場合と異なり、
管配列形状や管配列ピッチによりストローハル数(S
t)arrayの値が異なってくる。しかし、管群構造物の管
配列形状が特定され管配列ピッチが一定の場合は、各管
の後方で規則的な一定周波数の渦が発生する。例えば、
千鳥配列管群で管配列ピッチ(P/D)が1.4 の場合
は、(St)array=0.35となる。
【0010】通常、熱交換器や排熱回収ボイラーなどの
管群構造物では、管径,管配列および管配列ピッチは一
定であるため、一定流量が流れた場合、管群中のどの位
置でも同一周波数(Fv)arrayの渦が発生する。
【0011】一方、熱交換器や排熱回収ボイラーなどの
管群構造物では、管群全体を収納し、管群内を流体が流
れる流路を形成するために箱型の容器が必要となる。流
体が気体の場合、これらの大型容器では、中に管群を収
納した時点で容器のサイズに対応して、固有気柱振動モ
ードが各方向に存在する。図4および図5に、この固有
気柱振動モードの模式図が示されている。また、この固
有気柱振動モードは、1次から2次,3次と第N次まで
存在する。
【0012】数2で示されたように、管群中の全ての管
で同一の放出周波数(Fv)arrayの渦が発生し、この
(Fv)arrayが上述の管群全体を収納する容器の固有気
柱振動モード周波数と一致すると、共鳴が発生し、容器
内より大きな騒音が発生する。また、発生音圧が大きい
場合は、激しい管の振動を誘発し、破損に至る場合もあ
る。この現象は、気柱共鳴現象と呼ばれており管群構造
物の設計では騒音防止,破損防止の観点から、事前の発
生防止が重要である。
【0013】図3に、この気柱共鳴現象が模式的に示さ
れている。発電プラントの稼働中には、出力が変化する
ため、熱交換器,ボイラー等のプラント構成機器の流量
も変化する。数2から分かるように、渦発生周波数は、
管群の中を流れる流体の速度に比例する。そのため、流
量を増加させると渦放出周波数は直線的に増加する。一
方、容器の固有気柱モードは1次から2次,3次と高次
レベルまで存在する。そのため、図3に示されているよ
うに、流量を増加させた時、渦放出周波数がn次の固有
気柱モードに一致した時点で、気柱共鳴が発生する。
【0014】従来、この気柱共鳴現象を防止する手段と
しては、以下の方法が考えられている。(1)流速を低
下させ渦放出周波数を格納容器の固有気柱モード周波数
以下まで下げ、共鳴点を避ける。(2)管群中に仕切り
板を挿入し、格納容器サイズを実効的に小さくすること
により格納容器の固有気柱モード周波数を高くし、共鳴
点を避ける。(3)容器内の音場の減衰を増加させる
か、消音装置を設置する。
【0015】なお、これに関連するものとしては、例え
ば実開昭61−204175号公報あるいは特開昭52−1654号公
報などが挙げられる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の方法は、
いずれも気柱共鳴発生防止に有効であるが、それぞれ以
下の欠点も併せ持つ。すなわち、流速低下により渦放出
周波数を下げる方法は、定格運転流量を確保する場合、
容器自体を大幅に大きくする必要があり現実的ではな
い。また、容器の大きさをプラント全体の中で設置可能
な大きさに固定すると必要な流量が確保できなくなる。
【0017】管群中に仕切り板を挿入し、容器サイズを
実効的に小さくすることにより容器の固有気柱モード周
波数を高くし共鳴点を避ける方法は、最も効果的で排熱
回収ボイラーの設計では実用されている。図6および図
7に、正方配列管群中に仕切り板を挿入した例を示し
た。
【0018】しかし、同方法では、広い運転範囲の流量
に対して共鳴を避けるために、多数の仕切り板を挿入す
る必要があり、製作工程が増加し、製造コストの増加を
招く傾向がある。特に、管群の配列が千鳥配列の場合、
管群中に挿入する仕切り板は、直線的には挿入できず、
部分的にコの字型に挿入した板を連結させる必要があ
る、また、流れと垂直方向の固有気柱モード周波数の増
加には効果的であるが、流れと同方向の固有気柱モード
周波数に対しては、仕切り板挿入が流れを塞ぎ止めるこ
とになるため、根本的に対応できない。
【0019】また、容器内の音場の減衰を増加させる
か、消音装置を設置するためには、熱交換器やボイラー
内に新たな装置を設置する必要がある。
【0020】これらのことから、気柱共鳴現象を防止す
る手段として、格納容器のどの方向の固有気柱モードに
対しても原理的に共鳴防止が可能で、同時に簡便で効果
的な新たな方法が求められている。
【0021】本発明の目的は、構成が簡単で且つ簡便に
して効果的に気柱共鳴現象を防止することができる排熱
回収ボイラーおよび管群構造物を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、複数の中空管が規則的な配列により構成
され、これらが支持構造物により一体となった管群と、
これらを収納する箱型の格納容器とを備え、前記中空管
の間を流体が流通するように形成されている管群構造物
において、前記管群を、構造もしくは形状の異なる複数
種類の中空配管の集合により形成するとともに、これら
中空配管の間を流体が流れるとき、前記各管の後方から
放出される渦の周波数が管群内の位置により不均一とな
るように前記各中空管を配置したものである。
【0023】また、前記管群を、構造もしくは形状の異
なる複数種類の中空配管の集合により形成するととも
に、この構造もしくは形状の異なる配管を無作為に配置
し、中空配管の間を流体が流れたとき、前記各中空管の
後方から放出される渦の周波数が管群内の位置により不
均一となるように形成したものである。
【0024】この場合、前記構造もしくは形状の異なる
複数種類の中空配管は、管の内径もしくは外径を異なら
しめるか、あるいは管の断面形状を異ならしめ形成する
ようにしたものである。
【0025】また、前記構造あるいは形状の異なる複数
種類の中空配管は、各管表面に管長手方向に一定間隔で
フィンを設けるとともに、そのフィンの形状を異ならし
め形成するようにしたものである。この場合、さらに一
本の管の長手方向にもフィンの形状あるいは大きさを異
ならしめるようにしたものである。また、さらに管長手
方向に垂直な断面において、フィンを含めた外径が隣接
する中空配管で異なるように、前記フィンの形状もしく
は大きさを異ならしめるようにしたものである。
【0026】また、前記構造もしくは形状の異なる複数
種類の中空配管は、管表面に管長手方向に一定間隔でフ
ィンを設けると共に、このフィンに管半径方向のスリッ
トを設け、このスリットの深さを管長手方向で異ならし
めるようにしたものである。この場合、さらに管長手方
向に垂直な断面において、隣接する中空配管の前記スリ
ットの深さを異ならしめるようにしたものである。
【0027】すなわち、このように形成されている管群
構造物であると、特定管の渦放出周波数が容器の固有気
柱モード周波数に一致しても、隣接する管や他の領域の
管の渦放出周波数が容器の固有気柱モード周波数と異な
り管群全体としての共鳴は発生せず、したがって効果的
に気柱共鳴現象を防止することができるのである。
【0028】即ち、数2から判るように、管群のカルマ
ン渦発生周波数(Fv)arrayは、管群のストローハル数
(St)arrayに比例し、管外径Dに反比例する。(St)a
rrayは、管配列形状や管配列ピッチに依存する。そのた
め、管群中の渦放出周波数(Fv)arrayを全領域で一定
周波数とならないように、各管ごとに不均一にするため
には、管群中での各管の外径を変化させるか、管配列形
状や管配列ピッチを部分的に変化させればよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施例に基づいて
本発明を詳細に説明する。図2にはその排熱回収ボイラ
ーが示されている。本発明による排熱回収ボイラーは、
複数の中空管1が規則的に配置された管群3が、さらに
複数個、高温排ガスの進行方向(X軸方向)に順に配置
され、この複数個の管群3の間に脱硝装置4が設けら
れ、それらが格納容器2に収納されている。ドラム5
は、複数個の管群3内部で発生した蒸気を溜めるための
ものである。
【0030】従来の排熱回収ボイラーでは、それぞれの
管群毎に同一管径の中空管により構成されるが、本実施
例では、それぞれの管群3が管外径の大きい中空管1A
と管外径の小さい中空管1Bより構成され、かつその配
置はランダムな配置となっている。図1に、本発明によ
る管群構造物の第1実施例を、管群3のXY断面図とし
て示している。本実施例では、従来の同一管径の場合の
管外径をD0とすると、中空管1Aの外径D1 =1.2
0 ,中空管1Bの外径D2 =0.8D0 に設定されて
いる。
【0031】この時、一定流速における渦放出周波数
は、中空管1Aの後方と中空管1Bの後方で50%の差
が発生する。従来の経験から、共鳴発生点には、音場の
減衰の強さに反比例して渦放出周波数範囲が存在する。
通常の熱交換器等では、共鳴する渦放出周波数範囲は、
容器の固有気柱モード周波数の最大±20%の範囲にあ
る。
【0032】そのため、本実施例では、格納容器2の固
有気柱モード周波数と中空管1Aの渦放出周波数が一致
する時は中空管1Bの渦放出周波数が一致せず、中空管
1Bの渦放出周波数が格納容器2の固有気柱モード周波
数と一致する時は、中空管1Aの渦放出周波数が一致し
ない。従って、管群全体としての気柱共鳴の発生を防止
でき、従来の仕切り板は不要となる。また、本実施例で
は、流れと垂直方向の気柱共鳴を防止できると同時に、
従来の仕切り板の挿入では防止が不可能な流れ方向の気
柱共鳴も防止可能となる。
【0033】管径の変化割合と管配列上の配置は、特
に、排熱回収ボイラー内のそれぞれの管群全体の渦放出
周波数が均一にならなければ、どのような組み合わせで
も対応可能である。また、本実施例では、管群全体の伝
熱面積は、同一管径D0 からなる管群と一致している。
そのため、管径の異なる中空管から構成された管群で
も、本来必要とされる伝熱効率には大きな変化は発生し
ない。
【0034】図8には、本発明による管群構造物の第2
実施例の管長手方向(軸方向)に垂直な断面(XY断
面)が示されている。この実施例では、各中空管の管外
径は一定とし、各中空管の外表面の管長手方向に一定間
隔で設けられた円弧状の薄板構造物(フィン)の管表面
からの高さを管群中の全ての中空管で同一とせず、複数
の高さを持つフィンを各中空管毎に設け、実効的な管外
径を変化させている。即ち、本実施例の管群は、フィン
の高さが低い中空管1Cとフィンの高さが高い中空管1
Dから構成される。
【0035】この実施例では、フィンの高さを変化させ
ることにより、管群中での渦放出周波数を不均一とし、
共鳴を防止する。本実施例でも、第1実施例と同様に、
管群全体でのフィンの表面積の総和を、全ての中空管で
同一高さのフィンを設けた場合の表面積の総和と同一と
することにより、伝熱効率を余り変化させずに済む。本
実施例では、上記の構成に加え、一本の中空管の長手方
向にもフィンの高さを変化させた構成も有効である。こ
れにより、管の長手方向(Z軸方向)の固有気柱振動モ
ードとの共鳴も確実に避けることができる。
【0036】図9には、本発明による管群構造物の第3
実施例が示されている。本実施例では、中空管1の管外
径は同じにして、その配列ピッチを管群全体で一様とせ
ず、局所的に変化させている。この実施例でも、前述し
た実施例と同様に管群中の渦放出周波数が不均一とな
り、同様の効果が得られる。
【0037】図10には、本発明による管群構造物の第
4実施例が示されている。本実施例では、各中空管1の
断面形状を長軸と短軸を持つ楕円形状とし、これらの長
軸と短軸の向きを管群中の位置で、それぞれ異ならせた
構成をとる。長軸と短軸の向きが、流れの方向に対して
異なることにより数2における見かけの管外径が異なる
ので、渦の発生周波数が管群中で不均一となる。そのた
め、前述の実施例と同様の効果が得られ、気柱共鳴が防
止できる。
【0038】図11には、本発明による管群構造物の第
5実施例が示されている。本実施例では、各中空管1の
表面に管長手方向に一定間隔で設けられたフィンを、1
本の管において長軸と短軸を持つ楕円形状とし、管群中
でフィンの長軸と短軸の向きを全ての中空管で同一とせ
ず、中空管毎に変化させて管群を構成する。楕円形状の
フィンの長軸と短軸の向きが、流れの方向に対して異な
ることにより数2における見かけの管外径が異なるの
で、渦の発生周波数が管群中で不均一となる。そのた
め、前述の実施例と同様の効果が得られ、気柱共鳴が防
止できる。
【0039】図12には、本発明による管群構造物の第
6実施例が示されている。この実施例では、中空管1の
断面と、中空管1の表面に管長手方向に一定間隔で設け
られたフィンの断面の両方を長軸と短軸をもつ楕円形状
とし、管群中でフィンの長軸と短軸の向きを全ての中空
管で同一とせず、中空管毎に変化させて管群を構成す
る。さらに、長軸と短軸の長さ、楕円形状のフィンの長
軸と短軸の向き及び高さも中空管毎に異なる。これによ
り、渦の発生周波数が管群中で不均一となり、前述の実
施例と同様の効果が得られ、気柱共鳴が防止される。
【0040】図13には、本発明による管群構造物の第
7実施例が示されている。本実施例は、図8の第2実施
例において、中空管の外表面に設けるフィンの高さを管
長手方向(軸方向)に一定周期で変化させたものであ
る。即ち、フィン高さが高い4枚のフィン7aとフィン
高さが低い4枚のフィン7bとが、中空管の軸方向に交
互に設けられている。また、中空管1Cのフィン7aと
中空管1Dのフィン7bとが隣接し、中空管1Cのフィ
ン7bと中空管1Dのフィン7aとが隣接するように、
それぞれのフィンが軸方向に配置されている。例えば、
図13のA−A断面が図8のようになる。
【0041】本実施例では、従来のフィンも含めた中空
管の外径が同じ場合の管外径をD0とすると、フィン7
aも含めた中空管の外径(実効的な外径)が1.2D
0 に、フィン7bも含めた中空管の外径が0.8D0に、
それぞれ設定されている。また、フィン7a又はフィン
7bが連続して配置される軸方向長さは、それぞれのフ
ィンも含めた中空管外径の長さ程度とした。このように
構成することにより、管群全体の伝熱面積を、同一管径
0 からなる管群と一致させている。
【0042】また、軸方向に垂直な断面では、中空管1
Cと中空管1Dが異なる管外径を持つ管配列となってい
るため、一定流速における渦放出周波数は、中空管1C
の後方と中空管1Dの後方で50%の差が発生する。従
来の経験から、共鳴発生点には、音場の減衰の強さに反
比例して渦放出周波数範囲が存在する。通常の熱交換器
等では、共鳴する渦放出周波数範囲は、容器の固有気柱
モード周波数の最大±20%の範囲にある。
【0043】そのため、本実施例では、格納容器の固有
気柱モード周波数と中空管1Cの渦放出周波数が一致す
る時は中空管1Dの渦放出周波数が一致せず、中空管1
Dの渦放出周波数が格納容器の固有気柱モード周波数と
一致する時は、中空管1Cの渦放出周波数が一致しな
い。従って、管群全体としての気柱共鳴の発生を防止で
き、従来の仕切り板は不要となる。また、本実施例で
は、流れと垂直方向の気柱共鳴が防止できると同時に、
従来の仕切り板の挿入では防止が不可能な流れ方向の気
柱共鳴も防止可能となる。
【0044】管径の変化割合と管配列上の配置は、特
に、排熱回収ボイラー内のそれぞれの管群全体の渦放出
周波数が均一にならなければ、どのような組み合わせで
も対応可能である。また、本実施例では、管群全体の伝
熱面積を同一管径D0 からなる管群と一致させているた
め、管径の異なる中空管から構成された管群でも、本来
必要とされる伝熱効率に大きな変化は発生しない。更
に、本実施例ではフィン高さが異なる2種類のフィンを
中空管に設けているが、2種類に限らず、例えばある程
度連続的にフィン高さを変えた構成にしても良い。
【0045】図14に、本発明による管群構造物の第8
実施例を示した。本実施例は、図13の第7実施例にお
いて、更にフィンに管半径方向のスリットを設けると共
に、スリット深さが異なる2種類のスリットを管周方向
に交互に配置している。また、フィン7aとフィン7b
でスリット深さを変えている。図14で、(b)は
(a)のA−A断面を、(c)は(a)のB−B断面
を、それぞれ示す。
【0046】図14(b)に示すように、フィン7a
は、スリット深さの浅いスリット8aとスリット深さの
深いスリット9aが管周方向に交互に設けられている。
本構成により、スリットのない周方向位置におけるフィ
ン7aの高さha1,スリット8aの位置におけるフィン
7aの高さha2、及びスリット9aの位置におけるフィ
ン7aの高さha3の間には、ha1>ha2>ha3の関係が
成り立つ。これにより、フィン7aも含めた実効的な中
空管の外径を周方向にも変化させている。
【0047】また、図14(c)に示すように、フィン
7bは、スリット深さの浅いスリット8bとスリット深
さの深いスリット9bが管周方向に交互に設けられてい
る。本構成により、スリットのない周方向位置における
フィン7bの高さhb1,スリット8bの位置におけるフ
ィン7bの高さhb2、及びスリット9bの位置における
フィン7bの高さhb3の間には、hb1>hb2>hb3の関
係が成り立つ。これにより、フィン7bも含めた実効的
な中空管の外径を周方向にも変化させている。以上のよ
うにして、本実施例では中空管の実効的な外径を周方向
と軸方向の両方向に対して変化させている。本実施例で
は、スリットの深さを変えてフィンの高さを変化させる
ことにより、管群中での渦放出周波数をより不均一と
し、共鳴を更に防止している。また、管群全体でのフィ
ンの表面積の総和を、全ての中空管で同じ高さのフィン
を設けた場合の表面積の総和と同じにすることにより、
伝熱効率を余り変化させずに済む。
【0048】以上説明してきたようにこのように形成さ
れた管群構造物であると、各中空管の後方から放出され
る渦の周波数が、管群内の位置により不均一となるよう
に各中空管の構造,形状あるいは配置が設定されるの
で、管群中での渦放出周波数は不均一化され、管群を収
納する格納容器の固有気柱振動モードとの共鳴による騒
音発生を防止することができる。
【0049】また、各中空管の構造,形状あるいは配置
を変えるだけでよいので、その構成は簡単であり且つ全
体の体格や形状は従来と何等変わりはない。更に、従来
の仕切り板の挿入では原理的に対応不可能な、流れ方向
の気柱振動モードとの共鳴も防止可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、構成が簡単で且つ簡便
にして効果的に気柱共鳴現象を防止することができる排
熱回収ボイラーおよび管群構造物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管群構造物の第1実施例の要部を示す
縦断正面図である。
【図2】本発明の排熱回収ボイラーの一実施例を示す斜
視図である。
【図3】気柱共鳴現象の説明図である。
【図4】管群構造物の固有気柱振動モード説明図であ
る。
【図5】管群構造物の固有気柱振動モード説明図であ
る。
【図6】従来の管群構造物の要部を示す斜視図である。
【図7】従来の管群構造物の要部を示す断面図である。
【図8】本発明の管群構造物の第2実施例を示す縦断正
面図である。
【図9】本発明の管群構造物の第3実施例を示す縦断正
面図である。
【図10】本発明の管群構造物の第4実施例を示す縦断
正面図である。
【図11】本発明の管群構造物の第5実施例を示す縦断
正面図である。
【図12】本発明の管群構造物の第6実施例を示す縦断
正面図である。
【図13】本発明の管群構造物の第7実施例の中空管の
詳細側面図である。
【図14】本発明の管群構造物の第8実施例の中空管の
詳細図で、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面
図、(c)は(a)のB−B断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D…中空管、2…格納容器、
3…管群、4…脱硝装置、5…ドラム、7a,7b…フ
ィン、8a,8b,9a,9b…スリット。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の中空管が規則的な配列により構成さ
    れ、これらが支持構造物により一体となった管群と、こ
    れらを収納する箱型の格納容器とを備え、前記中空管の
    間を流体が流通するように形成されている管群構造物に
    おいて、 前記管群を、構造もしくは形状の異なる複数種類の中空
    配管の集合により形成するとともに、これら中空配管の
    間を流体が流れるとき、前記各管の後方から放出される
    渦の周波数が管群内の位置により不均一となるように前
    記各中空管を配置するようにしたことを特徴とする管群
    構造物。
  2. 【請求項2】複数の中空管が規則的な配列により構成さ
    れ、これらが支持構造物により一体となった管群と、こ
    れらを収納する箱型の格納容器とを備え、前記中空管の
    間を流体が流通するように形成されている管群構造物に
    おいて、 前記管群を、構造もしくは形状の異なる複数種類の中空
    配管の集合により形成するとともに、この構造もしくは
    形状の異なる配管を無作為に配置し、中空配管の間を流
    体が流れたとき、前記各中空管の後方から放出される渦
    の周波数が管群内の位置により不均一となるように形成
    したことを特徴とする管群構造物。
  3. 【請求項3】前記構造もしくは形状の異なる複数種類の
    中空配管は、管の内径もしくは外径を異ならしめ形成す
    るようにしたものである請求項1または2記載の管群構
    造物。
  4. 【請求項4】前記構造もしくは形状の異なる複数種類の
    中空配管は、管の断面形状を異ならしめ形成するように
    したものである請求項1または2記載の管群構造物。
  5. 【請求項5】前記構造もしくは形状の異なる複数種類の
    中空配管は、各管表面に管長手方向に一定間隔でフィン
    を設けるとともに、そのフィンの形状を異ならしめ形成
    するようにしたものである請求項1または2記載の管群
    構造物。
  6. 【請求項6】前記構造もしくは形状の異なる複数種類の
    中空配管は、管表面に管長手方向に一定間隔でフィンを
    設け、かつそのフィンの形状もしくは大きさを異ならし
    め形成するとともに、1本の管の長手方向にもフィンの
    形状もしくは大きさを異ならしめるようにしたものであ
    る請求項1または2記載の管群構造物。
  7. 【請求項7】前記構造もしくは形状の異なる複数種類の
    中空配管は、管長手方向に垂直な断面において、フィン
    を含めた外径が隣接する中空配管で異なるように、前記
    フィンの形状もしくは大きさを異ならしめ形成するよう
    にしたものである請求項6記載の管群構造物。
  8. 【請求項8】前記構造もしくは形状の異なる複数種類の
    中空配管は、管表面に管長手方向に一定間隔でフィンを
    設けると共に、このフィンに管半径方向のスリットを設
    け、このスリットの深さを管長手方向で異ならしめ形成
    するようにしたものである請求項1または2記載の管群
    構造物。
  9. 【請求項9】前記構造もしくは形状の異なる複数種類の
    中空配管は、管長手方向に垂直な断面において、隣接す
    る中空配管の前記スリットの深さを異ならしめ形成する
    ようにしたものである請求項8記載の管群構造物。
  10. 【請求項10】複数の中空管が配列されて構成され、こ
    れらが支持構造物により一体となった管群と、これらを
    収納する箱型の格納容器とを備え、前記中空管の間を流
    体が流通するように形成されている管群構造物におい
    て、 前記管群を、前記中空配管の間を流体が流れるとき、前
    記各管の後方から放出される渦の周波数が管群内の位置
    により不均一となるように前記隣接中空管の間隔を特定
    領域のみ不均一に形成するようにしたことを特徴とする
    管群構造物。
  11. 【請求項11】複数の中空管が前後左右に複数列配列さ
    れて構成され、これらが支持構造物により一体となった
    管群と、これらを収納する箱型の格納容器とを備え、前
    記中空管の間を流体が流通するように形成されている管
    群構造物において、 前記管群を、前記中空配管の間を流体が流れるとき、前
    記最終列の各管の後方から放出される渦の周波数が位置
    により不均一となるように前記最終列における隣接中空
    管の間隔を不均一に形成するようにしたことを特徴とす
    る管群構造物。
  12. 【請求項12】複数の中空管が前後左右に複数列配列さ
    れて構成され、これらが支持構造物により一体となった
    管群と、これらを収納する箱型の格納容器とを備え、前
    記中空管の間を流体が流通するように形成されている管
    群構造物において、 前記管群を、前記中空配管の間を流体が流れるとき、前
    記最上流列の各管の後方から放出される渦の周波数が位
    置により不均一となるように前記最上流列における隣接
    中空管の間隔を不均一に形成するようにしたことを特徴
    とする管群構造物。
  13. 【請求項13】並設配置された複数の中空管と、脱硝装
    置と、これらを収納する格納容器からなり、ガスタービ
    ンから放出される燃焼ガスを流入流体とする排熱回収ボ
    イラーにおいて、 前記複数の中空管が請求項1乃至12の何れかに記載の
    管群構造物を構成していることを特徴とする排熱回収ボ
    イラー。
  14. 【請求項14】並設配置された複数の中空管と、脱硝装
    置と、これらを収納する格納容器からなり、ガスタービ
    ンから放出される燃焼ガスを流入流体とする排熱回収ボ
    イラーにおいて、 前記複数の中空管が規則的な配列により構成され支持構
    造物により一体となった管群の間を流体が流れる場合、
    各管の後方から放出される渦の周波数が、管群内の位置
    により不均一となるように各管の構造,形状もしくは配
    置を設定したことを特徴とする排熱回収ボイラー。
  15. 【請求項15】中空管が複数並設配置された管群と、脱
    硝装置と、これらを収納する格納容器からなり、ガスタ
    ービンから放出される燃焼ガスを流入流体とする排熱回
    収ボイラーにおいて、 前記管群を、構造もしくは形状の異なる複数種類の中空
    配管の集合により形成するとともに、この構造もしくは
    形状の異なる配管を無作為に配置し、中空配管の間を流
    体が流れたとき、各中空管の後方から放出される渦の周
    波数が管群内の位置により不均一となるように形成した
    ことを特徴とする排熱回収ボイラー。
JP30679697A 1996-11-20 1997-11-10 排熱回収ボイラーおよび管群構造物 Pending JPH10205702A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30679697A JPH10205702A (ja) 1996-11-20 1997-11-10 排熱回収ボイラーおよび管群構造物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30938096 1996-11-20
JP8-309380 1996-11-20
JP30679697A JPH10205702A (ja) 1996-11-20 1997-11-10 排熱回収ボイラーおよび管群構造物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10205702A true JPH10205702A (ja) 1998-08-04

Family

ID=26564868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30679697A Pending JPH10205702A (ja) 1996-11-20 1997-11-10 排熱回収ボイラーおよび管群構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10205702A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102607003A (zh) * 2011-01-24 2012-07-25 通用电气公司 热回收蒸汽发生器锅炉管布置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102607003A (zh) * 2011-01-24 2012-07-25 通用电气公司 热回收蒸汽发生器锅炉管布置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6353476B2 (ja)
US5318109A (en) Heat exchange apparatus
KR100279334B1 (ko) 핀 튜브를 사용한 열교환기
US8408003B2 (en) Combined cycle power plant
US20070227469A1 (en) Steam Generator
JPH10205702A (ja) 排熱回収ボイラーおよび管群構造物
JP2001304047A (ja) Egrガス冷却装置
EP0117820A1 (en) Segmental baffle high performance shell and tube heat exchanger
CA2868037C (en) Silencer incorporating elongated members
JP2001065801A (ja) 熱交換器及びボイラ
JP2857440B2 (ja) 伝熱管支持装置
JP5780520B2 (ja) 排熱回収ボイラ
JP2002286379A (ja) 蒸気・温水発生装置
JP2001272196A (ja) 管群構造物
JPS6247032Y2 (ja)
JPS6247031Y2 (ja)
JPS60101485A (ja) 熱交換器
JP2012519831A (ja) 貫流蒸発器とその設計方法
JPH0467081B2 (ja)
JP3508959B2 (ja) 多管式熱交換器と該熱交換器を備えた熱回収装置
JPS6229831Y2 (ja)
RU2036406C1 (ru) Кожухотрубный змеевиковый теплообменник
Eisinger et al. Effect of tube-to-tube ties on fluidelastic instability of tube arrays exposed to crossflow
JP4276739B2 (ja) ボイラ
JPH09243002A (ja) 排熱回収熱交換器