JPH10205386A - ノッキング検出方法 - Google Patents

ノッキング検出方法

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JPH10205386A
JPH10205386A JP9007711A JP771197A JPH10205386A JP H10205386 A JPH10205386 A JP H10205386A JP 9007711 A JP9007711 A JP 9007711A JP 771197 A JP771197 A JP 771197A JP H10205386 A JPH10205386 A JP H10205386A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は気筒から振動計までの距離が異なった
り、エンジンにかかっている負荷の大きさが異なると、
ノッキング強度が同じでも振動計で検出される信号の大
きさが違っていた。 【解決手段】 ノッキングセンサで検出した検出信号
を、時間ゲートとバンドパスフィルタとを一組としたフ
ィルタ回路15を通過させ、これにより得られた検出信
号を用いて、ノッキング判定を行うノッキング検出方法
であって、前記フィルタ回路15を複数組使用し、該フ
ィルタ回路15を燃焼部時間ゲート2aと燃焼部フィル
タ3a及びノッキング部時間ゲート2bとノッキング部
フィルタ3bとで構成し、該フィルタ回路15を通過し
たノッキング信号9の代表値と、燃焼信号10の代表値
との比を算出し、この算出値をノッキング判定に用いた
ことである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に発生す
るノッキング現象を検出するための、ノッキング検出方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関に発生するノッキング現
象による振動などを振動計により検出してノッキング検
出信号を出力し、このノッキング検出信号をフィルター
回路に通すことで、低周波及び高周波のノイズ成分を除
去し、特定の周波数のノッキング周波数成分のみを通過
させ、その後時間ゲートを通してある一定時期の検出信
号のみを取り出して、その検出信号の波形の大小によっ
てノッキング判定を行う技術は公知となっている。例え
ば、特公平7−13507公報に記載されている如くで
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は一つの
振動計にて、複数の気筒、例えば3気筒から4気筒程度
のノッキング振動を検出していたので、各気筒から振動
計までの距離がそれぞれ異なり、各気筒で発生している
ノッキング強度が同じであったとしても、振動計で検出
される信号の大きさはそれぞれ違う値となっていた。ま
た、エンジンにかかっている負荷の大きさが異なると、
ノッキングが発生した場合に生じる振動の大きさが違っ
てくるので、ノッキングが発生しているにもかかわら
ず、振動計が検出した信号ではノッキングが発生してい
ないと判定されてしまうといった不具合があった。そこ
で本発明は、複数の気筒のノッキング振動を一つのノッ
キングセンサで検出しつつ、各気筒間の検出信号の大き
さを均一に検出し、負荷の大きさが異なった場合でも均
一に振動を検出して、正確なノッキング判定を行うこと
ができるノッキング検出方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。即ち、請求項1においては、内燃機
関に発生するノッキング現象による振動をノッキングセ
ンサにより検出し、この検出信号を、特定時期に発生し
た振動のみを通過させる時間ゲートと、特定周波数の振
動のみを通過させるフィルタとを一組としたフィルタ回
路を通過させ、これにより得られた検出信号を用いて、
ノッキング判定を行うノッキング検出方法であって、前
記フィルタ回路を複数組使用してノッキング振動を検出
したことである。
【0005】また請求項2においては、請求項1記載の
ノッキング検出方法において、複数設けた前記フィルタ
回路の時間ゲートのうち、一部の時間ゲートをノッキン
グ発生時期の前部に設定し、他部の時間ゲートをノッキ
ング発生時期に設定したことである。
【0006】また請求項3においては、請求項2記載の
ノッキング検出方法において、前記のノッキング発生時
期に設定した時間ゲートを通過したノッキング部信号
を、ノッキング周波数の成分のみを通過させるノッキン
グ部フィルタに通過させたことである。
【0007】また請求項4においては、請求項2または
3記載のノッキング検出方法において、前記のノッキン
グ発生時期の前部に設定した時間ゲートを通過した燃焼
部信号を、気筒内の加振周波数成分のみを通過させる燃
焼部フィルタに通過させたことである。
【0008】また請求項5においては、請求項2、3ま
たは4記載のノッキング検出方法において、前記ノッキ
ング部時間ゲート及びノッキング部フィルタを通過した
ノッキング信号の代表値と、前記燃焼部時間ゲート及び
燃焼部フィルタを通過した燃焼信号の代表値との比を算
出し、この算出値をノッキング判定に用いたことであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明のノッキング検出方法の全体構成を
示すブロック図、図2はクランク角度と筒内圧力及び振
動加速度の関係を示す図、図3はノッキング部フィルタ
ーのカットオフ周波数を示す図、図4は燃焼部フィルタ
ーのカットオフ周波数を示す図、図5は判定検出値の算
出方法の実施例を示すブロック図、図6は同じく別実施
例を示すブロック図である。
【0010】まず、本発明のノッキング検出方法の全体
構成について、図1乃至図4を用いて説明する。ノッキ
ングセンサにより検出した、内燃機関(ディーゼル機関
を除く)に発生するノッキング現象などによる振動が、
ノッキングセンサによりアナログ信号として検出され、
この検出信号8がA/D変換器1によってデジタル信号
に変換される。デジタル信号に変換された検出信号8
は、一定の時期に発生した信号のみを通過させる時間ゲ
ートを通過するが、時間ゲートは燃焼部時間ゲート2a
・2a・・・とノッキング部時間ゲート2b・2b・・
・とで構成している。
【0011】前記燃焼部時間ゲート2a・2a・・・を
通過した燃焼部信号8aは、その後燃焼部バンドパスフ
ィルタ(以後、「燃焼部フィルタ」と呼ぶ)3aに通さ
れて、一定の周波数より低周波及び高周波のノイズ成分
を除去して、特定の周波数の燃焼信号10のみが通過す
る。前記ノッキング部時間ゲート2b・2b・・・を通
過したノッキング部信号8bは、その後ノッキング部バ
ンドパスフィルタ(以後、「ノッキング部フィルタ」と
呼ぶ)3bに通されて、一定の周波数より低周波及び高
周波のノイズ成分を除去して、特定の周波数のノッキン
グ信号9のみが通過するのである。
【0012】そして、燃焼部フィルタ3a及びノッキン
グ部フィルタ3bを通過した燃焼信号10及びノッキン
グ信号9は、演算装置4によって演算処理され、予め設
定しておいたノッキング判定設定値6に基づいて判定さ
れ、D/A変換器5によってアナログ信号に変換され
て、判定結果が出力されるのである。
【0013】また、前記燃焼部時間ゲート2aと燃焼部
フィルタ3a及びノッキング部時間ゲート2bとノッキ
ング部フィルタ3bとで一組のフィルタ回路15を構成
しており、一つの気筒からの検出信号に対して一組のフ
ィルタ回路15を通過させるようにしている。本実施例
においては、一つのノッキングセンサにて複数気筒分の
振動を検出しており、1つのノッキングセンサに対して
1組のフィルタ回路15が対応する。時間ゲート2a
を、各気筒の爆発タイミングにて適切に設定することに
より、複数気筒のノッキングが検出可能である。ノッキ
ングセンサの数が3つの場合は、3組のフィルタ回路1
5・15・15を設けている。尚、該フィルタ回路15
の数は3組に限るものではなく、ノッキングセンサの数
に応じて増減すればよい。
【0014】前記燃焼部時間ゲート2a・2a・・・
は、検出信号8のうち、ノッキングの発生時期の前部に
ある、燃焼時期T1に検出された燃焼部信号8aのみを
通過させるように構成しており、ノッキング部時間ゲー
ト2b・2b・・・は、検出信号8のうち、ノッキング
発生時期T2に検出されたノッキング部信号8bのみを
通過させるように構成している。ここで、図2において
は、気筒内圧力とクランク角度との関係を表している圧
力曲線7及び、振動加速度とクランク角度との関係を表
している振動曲線、即ち検出信号8が、示されている。
該検出信号8は発生時期によって、燃焼部信号8aとノ
ッキング部信号8bとに区別され、該燃焼部信号8aは
燃焼時期T1において通常の燃焼現象によって生じた振
動による信号であり、ノッキング部信号8bはノッキン
グ発生時期T2においてノッキングの発生による振動を
含んだ信号である。
【0015】ノッキング部時間ゲート2bを通過したノ
ッキング部信号8bは、次にノッキング部フィルタ3b
を通って、一定の周波数より低周波及び高周波のノイズ
成分が除去されて、特定の周波数の検出信号のみが通過
する。即ち、ノッキングによって発生する振動の周波数
は、シリンダの直径(ボア)と燃焼温度によって決定さ
れるので、この周波数帯域以外の周波数を除去するよう
に、ノッキング部フィルタ3bの低周波側カットオフ周
波数FL及び高周波側カットオフ周波数FHを設定して
いる。図3に示すように、ノッキング部信号8bは、こ
のノッキング部フィルタ3bを通過して、ノッキングに
より発生した周波数成分のみを含んだノッキング信号9
となるのである。また、ノッキングが発生しなかった場
合にはノッキング信号9’となり、ノッキング発生時期
T2において周波数FLと周波数FHとの間の周波数帯
域では、振動の発生がほとんどないことを示している。
【0016】一方、燃焼部時間ゲート2aを通過した燃
焼部信号8aは、次に燃焼部フィルタ3aを通って、一
定の周波数より低周波及び高周波のノイズ成分が除去さ
れて、特定の周波数の検出信号のみが通過する。即ち、
燃焼により生じた振動の検出信号である燃焼部信号8a
の内、気筒内で共鳴して加振する周波数成分のみを通過
させるように、燃焼部フィルタ3aの低周波側カットオ
フ周波数FL’及び高周波側カットオフ周波数FH’を
設定するのである。図4に示すように、燃焼部信号8a
が燃焼部フィルタ3aを通過することで、該燃焼部信号
8aの両端部が切り落とされて、燃焼信号10となるの
である。この低周波側カットオフ周波数FL’及び高周
波側カットオフ周波数FH’は、気筒の形状や寸法など
により変化するものであるが、本実施例の場合例えば、
周波数FL’=300Hz、周波数FH’=20kHz
に設定している。尚、該燃焼部フィルタ3aは、特に設
けなくとも本件の目的は、達成することが可能である。
【0017】このようにして、フィルタ回路15を通過
させたノッキング信号9(9’)及び燃焼信号10を演
算装置4で演算処理し、判定検出値を算出して、該判定
検出値をノッキング判定設定値6と比較判定するのであ
る。該判定検出値の算出方法の実施例を図5により説明
する。ノッキングセンサにより検出されてデジタル変換
された検出信号8は、燃焼部時間ゲート2a及び燃焼部
フィルタ3aを通過して燃焼信号10となる。また、ノ
ッキング部時間ゲート2b及びノッキング部フィルタ3
bを通過してノッキング信号9(9’)となる。この燃
焼信号10の最大値A1が、演算装置4の計測部11a
で計測され、ノッキング信号9(9’)の最大値A2
が、演算装置4の計測部11bで計測されるのである。
そして、最大値A1と最大値A2との比を算出して、例
えば最大値A2を最大値A1で割った(A2/A1)値
を求めて判定検出値12として、該判定検出値12と前
記ノッキング判定設定値6と比較判定するのである。
【0018】次に、判定検出値の算出方法の別実施例を
図6により説明する。ノッキングセンサにより検出され
てデジタル変換された検出信号8は、燃焼部時間ゲート
2a及び燃焼部フィルタ3aを通過して燃焼信号10と
なる。また、ノッキング部時間ゲート2b及びノッキン
グ部フィルタ3bを通過してノッキング信号9(9’)
となる。この燃焼信号10の実効値B1が、演算装置4
の計測部11’aで計測され、ノッキング信号9
(9’)の実効値B2が、演算装置4の計測部11’b
で計測されるのである。そして、実効値B1と実効値B
2との比を算出して、例えば実効値B2を実効値B1で
割った(B2/B1)値を求めて判定検出値12’とし
て、該判定検出値12’と予め設定しておいたノッキン
グ判定設定値と比較判定するのである。このように、ノ
ッキング信号9(9’)及び燃焼信号10の、最大値や
実効値などの代表値を計測し、両値の比を算出して、ノ
ッキング判定設定値と比較判定を行っている。またノッ
キング信号9(9’)及び燃焼信号10の代表値は、最
大値や実効値に限るものではなく、他の値を使用しても
よい。
【0019】同じ強度のノッキングであっても、ノッキ
ングセンサから気筒までの距離が違ったり、エンジンに
かかる負荷の大きさが違うと、ノッキングセンサで検出
される振動の大きさは異なるので、前記ノッキング信号
9のみをノッキング判定設定値と比較判定すると、同強
度のノッキングにもかかわらず判定結果が異なってくる
場合がある。しかし、同じ強度のノッキングであって、
ノッキングセンサで検出された振動の大きさが異なった
場合でも、前記燃焼信号10とノッキング信号9の比率
は変化しないため、前記の最大値A1と最大値A2との
比を算出したり、実効値B1と実効値B2との比を算出
して、ノッキング判定設定値と比較判定すれば、常に同
じ判定結果を得ることができる。これにより、同じ強度
のノッキングが発生した場合に、ノッキングセンサから
気筒までの距離が違ったり、エンジンにかかる負荷の大
きさが違っても、ノッキング判定設定値と比較判定を行
う判定検出値において一定の値が得られ、常に同じ判定
結果を得ることができることとなった。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。即ち、請求項1の如く構
成したので、複数の気筒からの検出信号を異なるフィル
タ回路によって同時に処理することが可能となり、各気
筒からノッキングセンサまでの距離に応じた検出信号の
処理を行うことが可能となった。
【0021】また、請求項2の如く構成したので、ノッ
キングセンサで検出した検出信号を発生時期によって、
燃焼時期において通常の燃焼現象によって生じた振動に
よる信号である燃焼部信号と、ノッキング発生時期にお
いてノッキングの発生による振動を含んだ信号であるノ
ッキング部信号とに区別することができた。そして、請
求項3及び請求項4の如く構成したので、ノッキングに
より発生した周波数成分(気筒内で共鳴して加振する周
波数成分)のみを含んだノッキング信号や、燃焼部信号
といった、ノッキング判定に必要な成分のみを取り出す
ことが可能となった。
【0022】さらに、請求項5の如く構成したので、同
じ強度のノッキングであって、ノッキングセンサで検出
された振動の大きさが異なった場合でも、前記燃焼信号
10とノッキング信号9の比率は変化しないため、ノッ
キングセンサから気筒までの距離が違ったり、エンジン
にかかる負荷の大きさが違っても、ノッキング判定設定
値と比較判定を行う判定検出値において一定の値が得ら
れ、常に同じ判定結果を得ることができることとなっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のノッキング検出方法の全体構成
を示すブロック図である。
【図2】クランク角度と筒内圧力及び振動加速度の関係
を示す図である。
【図3】ノッキング部フィルターのカットオフ周波数を
示す図である。
【図4】燃焼部フィルターのカットオフ周波数を示す図
である。
【図5】判定検出値の算出方法の実施例を示すブロック
図である。
【図6】同じく別実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 A/D変換器 2a 燃焼部時間ゲート 2b ノッキング部時間ゲート 3a 燃焼部バンドパスフィルタ 3b ノッキング部バンドパスフィルタ 4 演算装置 8 検出信号 8a 燃焼部信号 8b ノッキング部信号 9・9’ ノッキング信号 10 燃焼信号 12 判定検出信号 15 フィルタ回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関に発生するノッキング現象によ
    る振動をノッキングセンサにより検出し、この検出信号
    を、特定時期に発生した振動のみを通過させる時間ゲー
    トと、特定周波数の振動のみを通過させるフィルタとを
    一組としたフィルタ回路を通過させ、これにより得られ
    た検出信号を用いて、ノッキング判定を行うノッキング
    検出方法であって、前記フィルタ回路を複数組使用して
    ノッキング振動を検出したことを特徴とするノッキング
    検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のノッキング検出方法にお
    いて、複数設けた前記フィルタ回路の時間ゲートのう
    ち、一部の時間ゲートをノッキング発生時期の前部に設
    定し、他部の時間ゲートをノッキング発生時期に設定し
    たことを特徴とするノッキング検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のノッキング検出方法にお
    いて、前記のノッキング発生時期に設定した時間ゲート
    を通過したノッキング部信号を、ノッキング周波数の成
    分のみを通過させるノッキング部フィルタに通過させた
    ことを特徴とするノッキング検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載のノッキング検出
    方法において、前記のノッキング発生時期の前部に設定
    した時間ゲートを通過した燃焼部信号を、気筒内の加振
    周波数成分のみを通過させる燃焼部フィルタに通過させ
    たことを特徴とするノッキング検出方法。
  5. 【請求項5】 請求項2、3または4記載のノッキング
    検出方法において、前記ノッキング部時間ゲート及びノ
    ッキング部フィルタを通過したノッキング信号の代表値
    と、前記燃焼部時間ゲート及び燃焼部フィルタを通過し
    た燃焼信号の代表値との比を算出し、この算出値をノッ
    キング判定に用いたことを特徴とするノッキング検出方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007231903A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Yanmar Co Ltd 内燃機関のノッキング判定装置
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