JPH10205258A - チゼル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーシングチューブの内面を傷つけることが
なく、破砕効率の良いチゼルを提供する。 【解決手段】 チゼル１０を、ケーシングチューブ１１
内に配置される案内筒１２と、該案内筒１２の外側に設
けられて水平方向に伸縮可能な一対のスタビライザ１
３，１３と、案内筒１２内を落下するラム１４とで構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、オールケーシング
工法において、ケーシングチューブ内部を掘削する際
に、転石、岩盤、コンクリート等の堅い地盤を破砕する
チゼルに関する。

【０００２】

【従来の技術】オールケーシング工法では、図６に示さ
れるように、チュービングマシン１にてケーシングチュ
ーブ２を回転しながら押し込み、ハンマグラブを用いて
ケーシングチューブ２内部を掘削するが、転石、岩盤、
コンクリート基礎等の堅い地盤を掘削する場合には、ケ
ーシングチューブ２先端のビット２ａにより周りはカッ
トされるが、ケーシングチューブ２内部に残ったコア部
分はハンマグラブでは容易に取出せない場合がある。こ
のような場合には、重量のあるチゼル３をロープ４を介
してクレーン５で吊下し、チゼル３を自由落下させて、
チゼル３先端部をコア部分に衝突させて堅い地盤を破砕
してからハンマグラブで取出していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、チゼルを自
由落下させると、チゼルが倒れてケーシングチューブの
内面に当たり、ケーシングチューブを傷つけたり破損し
たりすることがある。また、チゼル先端部のコア部分に
衝突する部分の面積が比較的大きいものが多く、コア部
分がなかなか破砕できずに能率が悪く、その分重量も重
かった。

【０００４】そこで本発明は、ケーシングチューブの内
面を傷つけることがなく、破砕効率の良いチゼルを提供
することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明は、ロープで吊下され、ケーシングチュー
ブ内を落下してケーシングチューブ内部の地盤を破砕す
るチゼルにおいて、前記ケーシングチューブ内に配置さ
れる案内筒と、該案内筒の外側に設けられて水平方向に
伸縮可能な一対のスタビライザと、前記案内筒内を落下
するラムとで構成したことを特徴としている。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態例に基づいて、さらに詳細に説明する。図１乃至図
４は本発明の第１実施形態例を示すもので、チゼル１０
は、ケーシングチューブ１１内に配置される案内筒１２
と、該案内筒１２の外側に設けられて水平方向に伸縮可
能な一対のスタビライザ１３，１３と、前記案内筒１２
内を落下するラム１４とで構成されている。

【０００７】案内筒１２は、断面Ｌ字状の４つの板材を
上下のブラケット１２ａ，１２ｂで囲んだ角筒状で、対
向する側壁１２ｃ，１２ｃの外側にそれぞれスタビライ
ザ１３のアーム１３ａが水平方向にスライド可能なガイ
ド１２ｄ，１２ｅを上下２段に固設しており、ガイド１
２ｄ，１２ｅには、スタビライザ１３のアーム１３ａを
固定するボルト挿通孔がそれぞれ形成されている。

【０００８】スタビライザ１３は、上下のアーム１３
ａ，１３ａの先端にケーシングチューブ１１内壁に対向
する安定板１３ｂを固設しており、一方のスタビライザ
１３は、アーム１３ａ，１３ａを案内筒１２のガイド１
２ｄ，１２ｄに挿通し、他方のスタビライザ１３は、ア
ーム１３ａ，１３ａを案内筒１２のガイド１２ｅ，１２
ｅに挿通して、両スタビライザ１３，１３は、水平方向
に伸縮可能に案内筒１２の左右にそれぞれ取付けられ
る。

【０００９】また、アーム１３ａには、複数のボルト螺
着穴１３ｃが設けられ、アーム１３ａをガイド１２ｂ，
１２ｃに挿通して、ガイド１２ｂ，１２ｃの外側からボ
ルト挿通孔を介して適宜のボルト螺着穴１３ｃにボルト
１５を螺着することにより、アーム１３ａの伸縮度を固
定する。尚、ボルト１５に代えてピンにてアーム１３ａ
の伸縮度を固定しても良い。

【００１０】ラム１４は、コア部分に衝突して破砕する
尖状部１４ａを下端に、ロープ係止部１４ｂを上部にそ
れぞれ一体に形成した重量のある角柱状で、両側部に突
設したストッパ突起１４ｃ，１４ｃを、案内筒１２のス
タビライザ安定板１３ｂに対向する側壁に形成された縦
方向の開口部１２ｆ，１２ｆから突出して案内筒１２内
に配置されており、ロープ係止部１４ｂに連結されたク
レーン（図示せず）のロープ１６に吊下されている。

【００１１】ストッパ突起１４ｃ，１４ｃは、案内筒１
２の上下のブラケット１２ａ，１２ｂに当接する長さに
形成されているので、チゼル１０をケーシングチューブ
１１内に設置するときや、チゼル１０をケーシングチュ
ーブ１１から引き上げるときは、ラム１４のストッパ突
起１４ｃ，１４ｃを案内筒１２の上部ブラケット１２ａ
に当接させて行う。また、ラム１４が自由落下する際
に、ストッパ突起１４ｃ，１４ｃが案内筒１２の下部ブ
ラケット１２ｂに当接するとそれ以上の落下を規制され
る。

【００１２】このように構成されたチゼル１０は、例え
ば、ケーシングチューブ１１内の中央部のコア部分を破
砕する場合には、図１に示されるように、一対のスタビ
ライザ１３，１３のアーム１３ａの長さを同じくしてボ
ルト１５にて固定して、案内筒１２をケーシングチュー
ブ１１内の中央部に配置し、ラム１４を自由落下させる
ことにより、ラム１４の尖状部１４ａをコア部分に衝突
させて破砕する。

【００１３】また、ケーシングチューブ１１内の周辺部
のコア部分を破砕する場合には、図４に示されるよう
に、一方のスタビライザ１３のアーム１３ａの長さと他
方のスタビライザ１３のアーム１３ａの長さとを変える
ことにより、案内筒１２をケーシングチューブ１１内の
周辺部に配置し、ラム１４を自由落下させることによ
り、ラム１４の尖状部１４ａをコア部分に衝突させて破
砕する。

【００１４】したがって、コア部分を破砕する際に、ケ
ーシングチューブ１１内面を傷つけることがなく、ま
た、ラム１４の尖状部１４ａが従来のチゼルの先端部よ
りも尖ったものを用いることができるから破砕効率が良
く、装置全体の重量も軽くできる。

【００１５】図５は本発明の第２実施形態例を示すもの
で、チゼル２０は、案内筒２１の下部にアンビル２２を
上下方向に移動可能に設け、案内筒２１内を自由落下す
るラム２３でアンビル２２の上面に設けたクッション２
４を叩いて、アンビル２２先端の尖状部２２ａにてコア
部分を破砕する。このように構成することにより、コア
部分の性状に対応した形状の尖状部２２ａを有するアン
ビル２２に変えることができる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のチゼル
は、ケーシングチューブ内に配置される案内筒と、該案
内筒の外側に設けられて水平方向に伸縮可能な一対のス
タビライザと、案内筒内を落下するラムとで構成したの
で、コア部分を破砕する際に、ケーシングチューブ内面
を傷つけることがなく、また、従来のチゼルの先端部よ
りも面積の小さなラムの先端部で破砕するから破砕効率
が良く、装置全体の重量も軽くできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第１実施形態例を示すチゼルの正面
図である。

【図２】 図１のＩＩ−ＩＩ断面図である。

【図３】 図１のＩＩＩ−ＩＩＩ断面図である。

【図４】 チゼルの配置状態を示す正面図である。

【図５】 本発明の第２実施形態例を示す要部の拡大図
である。

【図６】 従来のチゼルを示す正面図である。

【符号の説明】

１０，２０…チゼル、１１…ケーシングチューブ、１
２，２１…案内筒、１３…スタビライザ、１４，２３…
ラム、１６…ロープ、２２…アンビル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロープで吊下され、ケーシングチューブ
   内を落下してケーシングチューブ内部の地盤を破砕する
   チゼルにおいて、前記ケーシングチューブ内に配置され
   る案内筒と、該案内筒の外側に設けられて水平方向に伸
   縮可能な一対のスタビライザと、前記案内筒内を落下す
   るラムとで構成したことを特徴とするチゼル。