JPH10204620A - レーザ反射膜の製造方法 - Google Patents

レーザ反射膜の製造方法

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JPH10204620A
JPH10204620A JP905997A JP905997A JPH10204620A JP H10204620 A JPH10204620 A JP H10204620A JP 905997 A JP905997 A JP 905997A JP 905997 A JP905997 A JP 905997A JP H10204620 A JPH10204620 A JP H10204620A
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JP
Japan
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gold
substrates
substrate
target
voltage
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Application number
JP905997A
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English (en)
Inventor
Takeshi Okada
岡田  健
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金の様な低融点金属のコーティング膜は一般
的に真空蒸着法で製造されていたが、膜厚分布を均一に
維持できる蒸着可能範囲が狭く、同時に多数個の基板を
コーティング処理することができず、生産性が低かっ
た。生産性を上げるには、原料と基板間の距離を遠ざけ
て蒸着可能範囲を拡大する必要があり、装置が大型化
し、設備価格が高くなるといった課題があった。 【解決手段】 反射鏡の基板を下にし、金ターゲットを
上に配置し、不活性ガス雰囲気中で前記基板と前記金タ
ーゲット間に電圧を印加し、前記基板上に金の膜を形成
することを特徴とするレーザ反射膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭酸ガスレーザ装置に使
用される反射鏡の反射膜となる金膜の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】炭酸ガスレーザ用の反射膜は、炭酸ガス
レーザの波長が10.6μm光であることから、その波
長に対する吸収率を極力低く抑える必要がある。と云う
のは、反射膜において 熱を持つと反射面が歪み、反射
効率が低下するからである。本発明で金を対象としてい
るのは、金属中で最も吸収率が低く、反射膜としてもっ
ともよく用いられる材料であるからである。ここで、理
論的予測吸収率は0.7%であり、実用上は1.0%以
下という吸収率の仕様を満足する必要がある。
【0003】従来、炭酸ガスレーザ用の反射光学膜とし
ては、図4に模式図を示すような真空蒸着法(およびこ
れにイオン支援効果を付加したクラスターイオンビーム
蒸着、イオンプレーティング法などを含む)が一般的に
用いられていた。図4の真空蒸着装置Bは、チャンバー
21の内部を真空にするための排気口27があり、図示
しない排気ポンプにより真空に引いている。チャンバー
21内の下部には、るつぼ23内に金原料28を保持
し、イオンビーム、抵抗加熱等(図示せず)の加熱手段
30によりるつぼ23内の金原料28を溶融している。
更に、チャンバー21の上部には、回転自在の基板セッ
ト治具25に複数の基板24が固定されており、真空中
で回転しながら金蒸気29が基板24の下面に蒸着され
る。
【0004】なお、クラスターイオンビーム蒸着に関す
る文献(Ishizu Haruo:Proc.Spec.Seminar.on ISIAT '9
0、Tokyo、1990、P157-164)、イオンプレーティング法
による製造方法を開示している特公平7ー15523
(ただし対象材料はモリブデンが主体)を挙げておく。
一方、真空蒸着法とは原料蒸発原理が異なるスパッタ法
は炭酸ガスレーザ用の反射光学膜としてはモリブデン膜
の製造方法として適用が検討された事例(岡田健 他:住
友電気、No.148、1996、P113-119)があるが、金膜の製
造方法として用いられたことは無い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、金の様な低融点
金属のコーティング膜は炭酸ガスレーザ用光学膜のコー
ティング法として一般的な真空蒸着法で製造されてい
た。しかし、真空蒸着法では膜厚分布を均一に維持でき
る蒸着可能範囲が狭く、同時に多数個の基板をコーティ
ング処理することができない。つまり生産性が低いと云
った問題がある。もし生産性を上げようとすれば、原料
と基板間の距離を遠ざけて蒸着可能範囲を拡大する必要
があるので、このような場合には、装置を大型化する必
要があることから、設備価格が高くなると云う課題があ
った。
【0006】また、真空蒸着法では原料は加熱により溶
融液体状態となるため、図4に示すように、必然的に金
原料28が下、基板24を上にセットする必要がある。
したがって、炭酸ガスレーザ用の反射鏡の基板として有
用な銅を材料としたミラー基板を多数個セットしようと
したとき、その基板の大きさや重量から作業性・安全性
が問題となる。さらに、基板24を上にセットする必要
から基板24の落下防止用のはめ込み式のセット冶具等
が必須となり、品種の増加にともなう冶具費の高騰が避
けがたい。一方、真空蒸着法とは原料蒸発原理が異なる
スパッタ法は製造条件が難しいため炭酸ガスレーザ用の
金膜の製造法として用いられていなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のレーザ反射膜の
製造方法は、不活性ガス雰囲気中にあって、基板を下に
し、金ターゲットを上に配置して前記基板と前記金ター
ゲット間に電圧をかけながら、前記基板上に金の膜を形
成することを特徴とするもので、基板上への金の膜の形
成は、回転するテーブル上に置かれ、金ターゲットに対
して相対的に移動させ、金ターゲットと基板との距離が
200±50mmにおいて印加される電圧は480V以
下である。更に、不活性ガスのガス圧は、0.6mTo
rr〜10mTorrであり、不活性ガスは、アルゴン
を用いている。
【発明の実施の形態】
【0008】均一な膜厚分布を大面積で得ることができ
るマグネトロンスパッタ法を用いて金膜を製造するスパ
ッタ法を図1に模式的に示す。加えて、スパッタ法であ
るが故に、蒸着法とは逆にターゲットを上に、基板を下
に配置する構成を採用することが可能である。このこと
によって基板セットは単に基板を基板ホルダーに載せる
だけの作業となり、作業性の向上と安全性の確保を図
る。マグネトロンスパッタ法を用いて金膜をコーティン
グするときの製造条件であるターゲットへの印加電圧条
件とガス圧条件を最適化することによって吸収率を1%
以下とする。
【0009】マグネトロンスパッタ法は原料となるター
ゲット自体が円盤状であり大面積を有する。よって、真
空蒸着法に比べて蒸着可能範囲を大面積で得ることがで
きるため、多数個の基板を同一ロットで処理でき、生産
性が高い。スパッタ法では原料が溶融液体状態とはなら
ず、金ターゲットにマイナス電圧を印加してプラズマ中
のガスイオンの運動エネルギーで金粒子をスパッタして
基板に付着させる。
【0010】このため、原料(この場合ターゲットと呼
ばれる)を上に、基板を下に配置することが可能とな
り、基板セットは単に基板を基板ホルダーに載せるだけ
の作業となり、作業性の向上と安全性の確保を図ること
ができる。マグネトロンスパッタ法を用いて金膜を製造
するときの製造条件であるターゲットへの印加電圧条件
とガス圧条件を最適化することによって膜質が改善さ
れ、吸収率1%以下とすることができる。
【0011】
【実施例】ダイヤモンド切削法にて鏡面加工した無酸素
銅製の反射鏡となる基板4(直径1”〜4”φ)を、図
1に示すようなマグネトロンスパッタ装置Aにおいて金
膜をコーティングするもので、チャンバー1内には、上
部に金ターゲット3がDC(直流)電源から導体11に
よりマイナスで印加されているとともに、金ターゲット
3より下方に200±50mm離れて下部には、回転自
在のテーブル2上に複数個の基板4が並べられており、
導体12によりプラス電極が印加されている。チャンバ
ー1には、ガス導入口6から例えば不活性ガスであるア
ルゴンが導入されており、排気口7から排出している。
【0012】本発明の放電型式はDC(直流)方式を採
用しているが、RF(高周波)放電方式でも製造は可能
である。DC方式を採用した理由は、コーティング速度
が速く、生産性が高いことである。また、基板材料とし
ては、銅合金、シリコン、シリコンカーバイド、アルミ
ニウム(その合金を含む)などを使用してもよい。十分
な膜付着力を得るために、コーティング基板は金膜コー
ティング前に真空チャンバー中でアルゴンプラズマによ
るドライクリーニング処理され、表面の汚れ、酸化物が
除去される。付着力は(3M社製)スコッチテープを使用
した引き剥がし試験で問題のないことを確認した。
【0013】金ターゲットはサイズ6インチφ×5t、
純度3N(ナイン)のものを使用した。ターゲットと基
板との上下位置関係はターゲットが上、基板が下であ
る。ターゲットと基板間の距離は200mmである。ス
パッタガスはアルゴンを使用し、約100リットル容積
の真空チャンバーに流量50SCCM(標準C3/Min)
で導入した。金膜コーティング後、レーザカロリメトリ
ー法にて吸収率を測定した。吸収率に対するコーティン
グ条件依存性を調査したところ、ターゲットへの投入電
圧条件、ガス圧条件が重要なパラメータであることが判
明した。印加電圧については、図2に示すように放電開
始電圧が400V以上において480V以下としなけれ
ば吸収率1%以下とならないことがわかった。ガス圧条
件については、図3に示すように、1mTorr以上1
0mTorr以下の範囲でしか吸収率1%以下にならな
いこともわかった。なお、金膜の膜厚は0.2〜2μm
の範囲で検討したが吸収率の差異はなかった。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、基板を下に置くだ
けで金の膜を生産することができるので、基板セット作
業の作業性・安全性が高く、基板セット冶具が不要であ
ることから、生産性が高い。また、基板を回転するテー
ブル上に置くので、多くの基板を同一ロットで処理する
ことが可能であり、効率が極めて高い。更に、印加電圧
や不活性ガス圧をコントロールしていわゆる反射膜とし
ての実用が可能な吸収率が1.0%以下の金膜のコーテ
ィングを行うことが出来、レーザ装置に使われる反射鏡
の反射膜としての金膜の製造方法として極めて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における構成を示す概略図であ
る。
【図2】実施例で得られた金膜の吸収率とターゲット投
入電圧との依存性関係図である。
【図3】実施例で得られた金膜の吸収率とガス圧との依
存性関係図である。
【図4】従来法である真空蒸着法の模式図である。
【符号の説明】
1、21:チャンバー 2:テーブル 3:金ターゲット 4、24:基板 5:金スパッタ粒子 6:ガス導入口 7、27:排気口 10:DC電源 23:るつぼ 25:基板セット治具 28:金原料 29:金蒸気 30:加熱手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反射鏡の基板を下にし、金ターゲットを上
    に配置し、不活性ガス雰囲気中で前記基板と前記金ター
    ゲット間に電圧を印加し、前記基板上に金の膜を形成す
    ることを特徴とするレーザ反射膜の製造方法。
  2. 【請求項2】基板は、回転するテーブル上に置かれ、金
    ターゲットに対して相対移動される請求項1に記載のレ
    ーザ反射膜の製造方法。
  3. 【請求項3】金ターゲットと基板との距離が200±5
    0mmにおいて印加電圧が480V以下である請求項1
    又は請求項2に記載のレーザ反射膜の製造方法。
  4. 【請求項4】不活性ガスのガス圧は、0.6mTorr
    〜10mTorrである請求項1乃至請求項3のいずれ
    か1項に記載のレーザ反射膜の製造方法。
JP905997A 1997-01-22 1997-01-22 レーザ反射膜の製造方法 Pending JPH10204620A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013502059A (ja) * 2009-08-14 2013-01-17 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. Euv放射システムおよびリソグラフィ装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013502059A (ja) * 2009-08-14 2013-01-17 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. Euv放射システムおよびリソグラフィ装置
US9523921B2 (en) 2009-08-14 2016-12-20 Asml Netherlands B.V. EUV radiation system and lithographic apparatus

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