JPH10204231A - 土木用シート及びその製造方法 - Google Patents

土木用シート及びその製造方法

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JPH10204231A
JPH10204231A JP1782597A JP1782597A JPH10204231A JP H10204231 A JPH10204231 A JP H10204231A JP 1782597 A JP1782597 A JP 1782597A JP 1782597 A JP1782597 A JP 1782597A JP H10204231 A JPH10204231 A JP H10204231A
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JP
Japan
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propylene
copolymer
sheet
homopolymer
weight
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JP1782597A
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English (en)
Inventor
Junichi Yamauchi
淳一 山内
Yuji Karasawa
勇治 唐沢
Takeshi Takanashi
剛 高梨
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】柔軟性、耐久性、耐衝撃性、成形収縮率、剛性
および施工性等のバランスが優れたプロピレン系組成物
を含有する土木用シートを提供する。 【解決手段】プロピレンのホモポリマーおよびエチレン
−プロピレンのコポリマーからなる組成物であって、コ
ポリマーの極限粘度[η]RCが1.7〜2.8dl/
g;コポリマーとホモポリマーの極限粘度比[η]RC
[η]PPが0.7〜1.2;かつコポリマーとホモポリマ
ーの極限粘度比[η]RC/[η]PP、コポリマーとホモ
ポリマーの重量比WPP/WRCとの積([η]RC
[η]PP)X(WPP/WRC)が1.0〜3.0;の範囲に
あるプロピレン系組成物を用いることを特徴とする土木
用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプロピレン系組成物
を含有する土木用シートに関し、さらに詳しくは、柔軟
性、耐久性、耐衝撃性、成形収縮率、剛性および施工性
等のバランスが優れたプロピレン系組成物を含有する土
木用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】治水・護岸工事、貯水池、プール、廃棄
物処分場等に用いられる土木用シートとしては、エチレ
ンプロピレンゴム、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等のシートが用いられている。土木用シー
トには、大きな破壊荷重、酸・アルカリ等に耐え得る耐
薬品性、環境温度変化に耐え得る耐熱性・耐寒性、長期
間の風雨や日光の曝露に耐え得る耐候性、現場でのシー
ト端部の接合の際のシール性等の性質が要求される。ま
た、シートは土木工事に用いられる物であり、密度が小
さく作業性の良いことが要求される。しかし、従来の土
木用シートは破壊荷重、耐熱性、耐薬品性等の上記の必
須条件を十分に具備しているとはいえなかった。
【0003】ポリプロピレンは比較的に安価で、低密
度、高強度、耐熱、耐薬品性に優れた特性を有してい
る。しかし、一般にプロピレンホモポリマーは高い剛性
を有する反面、耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性が劣っ
ている。プロピレンホモポリマーの低温での耐衝撃性を
向上させたものとして、まず最初にプロピレンホモポリ
マーを生成し、次いでエチレン−プロピレンランダムコ
ポリマーを生成させて導入した組成物(通称ブロックコ
ポリマー)が使用されるが、耐衝撃性に優れる反面、ホ
モポリマーと同様に成形収縮率が大きく、寸法安定性に
劣る。該組成物の成形収縮率を改善する方法としてはタ
ルク等の無機物を充填する方法が提案されているが、成
形収縮率を向上させるには多量のタルク等の無機物の添
加が必要となり、成形物の重量増加や外観が著しく悪化
するという問題点が残る。
【0004】これらの課題を解決する手段として、結晶
性ポリプロピレン部とエチレンプロピレンランダム共重
合ブロックからなり、結晶性ポリプロピレン成分の含有
率が55〜95重量%、両成分の極限粘度比[η]EP
[η]PPが0.5〜2.0、かつエチレンプロピレンランダム
共重合体ブロックのガラス転移温度が−30℃以下である
プロピレンブロック共重合体(特公平7-30145号公
報)、プロピレンを主体とする重合体を全重合量の60〜
80重量%重合し、次いでエチレン含有量が20〜50重量%で
あるエチレン−プロピレン共重合部を重合したブロック
共重合体であって、エチレン−プロピレン共重合部の極
限粘度[η]Bが2.0dl/g以上、かつ両成分の極限粘度比
[η]B/[η]Aが1.8以下のブロック共重合体を溶融
混練したポリプロピレンブロック共重合体(特開平6-93
061号公報)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特公平7-30145号公報
において提案されたプロピレンブロック共重合体は、共
にエチレン−プロピレン共重合成分含有率およびプロピ
レンホモポリマーと共重合成分の極限粘度比がほぼ同一
の範囲にあり、前者においては耐衝撃性、剛性などの機
械的特性は改善されているが透明性、光沢、外観、難白
化性などにさらに改善の余地があり、特開平6-93061号
公報においては低温での耐衝撃性、耐ブロッキング性、
外観などが改善されているが、剛性、難白化性などの面
でさらに改善の余地があり、特に成形収縮率の面で両者
共に改善されるべき点を有している。
【0006】本発明の目的は、プロピレン系組成物を含
有する土木用シートに関し、さらに詳しくは、柔軟性、
耐久性、耐衝撃性、成形収縮率、剛性および施工性等の
バランスが優れたプロピレン系共重合体組成物を用いる
ことを特徴とする土木用シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的達
成のために鋭意研究を行った結果、プロピレンホモポリ
マーとエチレン−プロピレンコポリマーとからなるプロ
ピレン系組成物が、コポリマーの極限粘度、両成分の極
限粘度比およびこの極限粘度比と両成分の重量比との積
が一定の範囲にある場合に、柔軟性、耐衝撃性、成形収
縮率、剛性のバランスが優れることを見出し、本発明を
完成した。
【0008】本発明は以下の構成を有する (1)プロピレンのホモポリマーおよびエチレン−プロ
ピレンのコポリマーからなる組成物であって、コポリマ
ーの極限粘度[η]RCが1.7〜2.8dl/g;コポ
リマーとホモポリマーの極限粘度比[η]RC/[η]PP
0.7〜1.2;かつコポリマーとホモポリマーの極限
粘度比[η]RC/[η]PP、コポリマーとホモポリマー
の重量比WPP/WRCとの積([η]RC/[η]PP)X(W
PP/WRC)が1.0〜3.0;の範囲にあるプロピレン
系組成物を用いることを特徴とする土木用シート。 (2)ホモポリマーのアイソタクチックペンタッド分率
Pが0.95以上である前記1項記載の土木用シート。 (3)コポリマーが25〜55重量%のエチレンを含有
する前記1項記載の土木用シート。 (4)コポリマーが80重量%以上の20℃キシレン可
溶成分を含有する前記1項記載の土木用シート。 (5)プロピレン系組成物が、22〜40重量%のコポ
リマーを含有する前記1項記載の土木用シート。 (6)プロピレン系組成物が5以下のQ値(Mw/M
n)を有する前記1項記載の土木用シート。
【0009】(7)前記1項記載のプロピレン組成物を
用いて、Tダイ法により樹脂温度が180〜300℃で
押出し、冷却ロール温度が5〜80℃に設定し、且つ樹
脂温度と冷却ロール温度との間に、下記式に表される関
係を有し、0.1〜100m/分の速度でシートを成形
する製造方法。 (樹脂温度)−(冷却ロール温度)≧120 式 (8)前記1項記載のプロピレン組成物を用いて成形し
たシートにおいて、温度0℃での打抜衝撃強度3J以上
で、曲げこわさ750MPa以下、成形収縮率1.2%
以下の土木用シート。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のプロピレン系組成物にお
いて、プロピレンホモポリマーはアイソタクチックペン
タッド分率Pが好ましくは0.95以上、更に好ましくは0.
955以上の高結晶性(立体規則性)ポリプロピレンであ
る。ホモポリマーのアイソタクチックペンタッド分率P
は、組成物の剛性などの機械的特性に影響し、その値が
大きいほど剛性は大きくなる。
【0011】一方、エチレン−プロピレンコポリマー
は、好ましくは25〜55重量%、更に好ましくは30
〜55重量%のエチレン重合単位を含有するエチレン−
プロピレンランダムコポリマーである。該コポリマーの
エチレン重合単位は、組成物の剛性および耐衝撃性、特
に低温における耐衝撃性に影響し、大きいほど耐衝撃性
が向上するが、大きすぎるとコポリマーとプロピレンホ
モポリマーとの分散性に影響し、組成物の剛性が低下す
る。
【0012】また、該コポリマーは、135℃のテトラ
リン中で測定した極限粘度[η]RCが1.7〜2.8d
l/gの範囲にあり、かつプロピレンのホモポリマーの
同一条件で測定した極限粘度[η]PPとの間の極限粘度
比[η]RC/[η]PPが0.7〜1.2、好ましくは
0.8〜1.2の範囲にある。
【0013】プロピレンのホモポリマー及び該コポリマ
ーを連続的に製造し組成物を得た場合、該組成物中のコ
ポリマーの極限粘度[η]RCは直接測定できないので、
直接測定可能なプロピレンのホモポリマーの極限粘度
[η]PPおよびプロピレン系組成物全体の極限粘度
[η]WHOLE 、ならびにコポリマーの重量%WRCから、
下記式(1)により求められる。 [η]RC={[η]WHOLE−(1−WRC/100)[η]PP
/( WRC/100)
【0014】連続的に製造するとは、後述する第一段階
でプロピレンホモポリマーを製造し(第1重合工程)、
第二段階でプロピレンーエチレンのコポリマーを連続的
に製造する(第2重合工程)ことである。
【0015】コポリマーの極限粘度[η]RCは、成形サ
イクル性および組成物の剛性などの機械的特性に影響
し、コポリマーとホモポリマーの極限粘度比[η]RC
[η]PPは、コポリマーのホモポリマーへの分散性に影
響する。コポリマーの極限粘度[η]RCが大きいほど成
形サイクル性が低下し、また機械的特性が向上するが、
ホモポリマーとの極限粘度比[η]RC/[η]PP が大
きすぎても、小さすぎても低温での耐衝撃性が不足す
る、また、大きすぎると成形収縮率の改善効果が低下
し、目的とする特性を達成できない。
【0016】コポリマーは、重量基準で好ましくは80重
量%以上、更に好ましくは85重量%の20℃キシレン可溶成
分を含有する。プロピレンのホモポリマー及び該コポリ
マーを連続的に製造し組成物を得た場合、該組成物中の
コポリマーの20℃キシレン可溶成分重量%CXSRCは直接測
定できないのでホモポリマーの20℃キシレン可溶成分重
量%CXSPPおよび組成物全体の20℃キシレン可溶成分重量
%CXSWHOLEならびにコポリマーの重量%WRCから下記式(2)
により求められる。 CXSRC={CXSWHOLE−(1−WRC/100)CXSPP}/(WRC/100) (2)
【0017】本発明に用いるプロピレン系体組成物にお
いて、ホモポリマーとコポリマーとの重量比WPP/WRC
は、前記した両成分の極限粘度比[η]RC/[η]PP
の積として、([η]RC/[η]PP)X(WPP/WRC
が1.0〜3.0の範囲である。
【0018】成分重量比と極限粘度比との積は、組成物
の成形収縮率を表す指標であり、その値が小さくなると
成形収縮率は改善されるが、耐熱性や剛性の低下が大き
くなり、一方、大きくなると目的とする成形収縮率の改
善効果が得られない。
【0019】プロピレン系組成物の具体的な組成は、組
成物の重量基準で好ましくはコポリマーが22〜40重量
%、更に好ましくは25〜40重量%である。
【0020】また、プロピレン系組成物は、Q値Mw/Mn
が好ましくは5以下、更に好ましくは4.5以下の狭分散
性分子量分布を有する。分子量分布幅が大きくなると成
形品の光沢が低下する。
【0021】本発明に用いるプロピレン系組成物は上記
した諸物性を満足することにより、耐衝撃性、光沢、成
形収縮率、剛性のバランスが優れた成型品の製造用原料
として好適に使用される。
【0022】本発明に用いるプロピレン系組成物は、上
記の諸特性を満足すればいかなる方法で製造してもよ
く、勿論、別々に製造された本発明に用いるプロピレン
のホモポリマーとエチレン−プロピレンのコポリマーを
混合装置を用いて混合しプロピレン系組成物を製造して
も、プロピレンのホモポリマーを製造し、引き続きエチ
レン−プロピレンのコポリマーを製造し、プロピレン系
組成物を連続的に製造してもよい。より好適には、下記
に示す製造方法を例示することができる。
【0023】本発明に用いるプロピレン系組成物の製造
方法の構成的特徴は大粒径のチタン含有固体触媒成分
(A)と有機アルミニウム化合物(B)および有機ケイ素化合
物(C)からなる立体規則性触媒の存在下、気相中におい
て第一段階でプロピレンホモポリマーを製造し(第1重
合工程)、第二段階でプロピレンーエチレンのコポリマ
ーを連続的に製造する(第2重合工程)ことである。
【0024】該製造方法において、チタン含有固体触媒
成分(A)はマグネシウム化合物、シリカ化合物およびア
ルミナ等の無機担体やポリスチレン等の有機担体にチタ
ン化合物を担持したもの、またかかる担持体に必要に応
じてエーテル類、エステル類の電子供与性化合物を反応
せしめたものなら公知のどの様なものでも使用できる。
【0025】たとえば、マグネシム化合物−アルコール
溶液をスプレーし、該固体成分を部分乾燥し、しかる後
該乾燥固体成分をハロゲン化チタンおよび電子供与性化
合物で処理して成るチタン含有固体触媒成分(特開平3-
119003公報)、マグネシウム化合物をテトラヒドロフラ
ン/アルコール/電子供与体に溶解させ、TiCl4単独ま
たは電子供与体の組み合わせで析出させたマグネシム単
体をハロゲン化チタンおよび電子供与性化合物で処理し
て成るチタン含有固体触媒成分(特開平4-103604公報)
などが挙げられる。
【0026】チタン含有触媒成分(A)は、平均粒径が25
〜300μm、好ましくは30〜150μmのものが用いられる。
チタン含有触媒成分(A)の平均粒径が25μm以下では本発
明で製造されるプロピレン系組成物のパウダーの流動性
が著しく損なわれ、重合器の器壁や撹拌翼等への付着に
よる重合系内の汚染や重合器から排出されたパウダーの
搬送が困難になる等、安定運転の大きな妨げとなる。
【0027】また、チタン含有触媒成分(A)は、正規分
布における均一度は2.0以下のものが好ましい。均一
度が2を越えるとプロピレン系組成物のパウダー流動性
が悪化して連続での安定運転が困難となる。
【0028】有機アルミニウム化合物(B)としては、一
般式がR1 mX3-m(式中R1は、炭素数1〜20の炭化水素
基を、Xはハロゲン原子を表し、mは3≧m>1.5の正数で
ある)で表される有機アルミニウム化合物(B)を用いる
ことができる。
【0029】具体的には、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリーnープロピルアルミニウ
ム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリーiーブチル
アルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライ、ジエチ
ルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムセスキ
クロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムモノクロラ
イド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルア
ルミニウムジクロリド,ジエチルアルミニウムアイオダ
イド、エトキシジエチルアルミニウム等を挙げることが
でき、好ましくはトリエチルアルミニウムを使用する。
これら有機アルミニウム化合物は1種の単独あるいは2
種以上の混合物として使用することができる。
【0030】有機ケイ素化合物(C)としては、一般式R2 X
R3 YSi(OR4Z(式中R2およびR4は炭化水素基,R3は炭化
水素基あるいはヘテロ原子を含む炭化水素基を表し,0
≦X≦2,1≦Y≦3,1≦Z≦3かつX+Y+Z=4である)で表され
る有機ケイ素化合物が使用される。
【0031】具体的にはメチルトリメトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシ
ラン、フェニルメチルジメトキシシラン、t−ブチルト
リメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシ
ラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロ
ピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラ
ン、ジーt−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメ
トキシシラン、トリメチルメトキシシラン、シクロヘキ
シルメチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラ
ン等を挙げることができる。 好ましくは、ジイソブチ
ルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラ
ン、ジーt−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシル
メチルジメトキシシランおよびジフェニルジメトキシシ
ランが使用される。これらの有機ケイ素化合物は1種の
単独あるいは2種以上の混合物として使用することがで
きる。
【0032】前記チタン含有固体触媒成分(A)、有機ア
ルミニウム化合物(B)および必要に応じて有機ケイ素化
合物(C)を組み合わせた立体規則性触媒を、第1重合工
程のプロピレン重合に用いるが、該チタン含有固体触媒
(A)は、α−オレフィンを予め反応させて予備活性化処
理した触媒として用いることが好ましい。
【0033】チタン含有固体触媒成分(A)の予備活性化
処理においては、有機アルミニウム化合物(B')の使用量
は特に限定されるものではないが、通常チタン含有固体
触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.1〜40モル、
好ましくは0.3〜20モルの範囲で用い、α−オレフィン
を10〜80℃で10分〜48時間かけてチタン含有固体触媒成
分(A)1グラム当たり0.1〜100グラム、好ましくは0.5〜
50グラムを反応させる。予備活性化処理においては、予
め有機シラン化合物(C')を有機アルミニウム化合物1モ
ルに対して0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モルの範
囲で用いてもよい。
【0034】上記の予備活性化処理に用いられる有機ア
ルミニウム(B')としては、本重合に用いられる前記例示
した有機アルミニウム(B)を挙げることができる。この
有機アルミニウム化合物(B')として、本重合時に使用さ
れる有機アルミニウム化合物(B)と同種のものでも、ま
たは異なる種類のものを使用できるが、好ましくはトリ
エチルアルミニウムを用いる。
【0035】また予備活性化処理に必要の応じて用いら
れる有機ケイ素化合物(C')としては、前記例示した有機
ケイ素化合物(C)と同種のものを挙げることができる。
この有機ケイ素化合物(C')としても、本重合に使用され
る有機ケイ素化合物(C)と同種のものでも、また異なる
ものを使用でき、好ましくは、ジイソブチルジメトキシ
シラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジ−t−ブ
チルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキ
シシランおよびジフェニルジメトキシシランを用いる。
【0036】チタン含有固体触媒成分(A)の予備活性化
処理に用いられるオレフィンは、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
セン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペ
ンテン等である。これらのオレフィンは、単独のみなら
ず、他のオレフィンの1種または2種以上の混合物をも
含んでいてもよい。また、その重合に際してポリマーの
分子量を調節するために水素等の分子量調節剤を併用す
ることもできる。
【0037】チタン含有固体触媒成分(A)の予備活性化
処理に用いられる不活性溶剤は、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、デカン、ドデカンおよび流動パラフィン等の
液状飽和炭化水素やジメチルポリシロキサンの構造を持
ったシリコンオイル等重合反応に著しく影響を及ぼさな
い不活性溶剤である。これらの不活性溶剤は1種の単独
溶剤または2種以上の混合溶剤のいずれでもよい。これ
らの不活性溶剤の使用に際しては重合に悪影響を及ぼす
水分、イオウ化合物等の不純物は取り除いた後で使用す
ることが好ましい。
【0038】上記予備活性化処理されたチタン含有固体
触媒成分(A)の存在下に、気相中においてプロピレンの
ホモポリマーを重合する第1重合工程、次いでエチレン
−プロピレンの共重合を行う第2重合工程を連続実施す
る。第1重合工程は気相重合には限定されずスラリー重
合や塊状重合を採用してもよいが、それに連続する第2
重合工程が気相重合であることが好ましいことから、第
1重合工程も気相重合を採用することが好ましい。第2
重合工程としてスラリー重合や塊状重合を採用した場
合、コポリマーが溶液中に溶出し,安定運転の継続が困
難となる。
【0039】ホモポリマーの重合条件は重合形式で異な
るが、気相重合法の場合,一定量のパウダーを混合攪拌
しながら予備活性化処理されたチタン含有固体触媒成分
(A),有機アルミニウム成分(B)および有機ケイ素化合物
(C)からなる立体規則性触媒の存在下、重合温度20〜120
℃、好ましくは40〜100℃,重合圧力大気圧〜9.9MPa、
好ましくは0.59MPa〜5.0MPaの条件下にプロピレンを供
給してホモポリマーを重合する。有機アルミニウム化合
物(B)とチタン含有固体触媒成分(A)の使用率はAl/Ti=1
〜500(モル比)、好ましくは10〜300である。この場
合、チタン含有固体触媒成分(A)のモル数とは実質的に
チタン含有固体触媒成分(A)中のTiグラム原子数をい
う。
【0040】有機ケイ素化合物(C)と有機アルミニウム
成分(B)の使用率はB/C=1〜10(モル比)、好ましくは
1.5〜8である。B/Cのモル比が過大な場合、ホモポリマ
ーの結晶性が低下し、プロピレン系組成物の剛性が不十
分となる。また、B/Cモル比が過小な場合には重合活性
が著しく低下し、生産性が低下する。
【0041】ホモポリマーの分子量の調節には、重合時
に水素のような分子量調節剤の使用が可能であり、ホモ
ポリマーの極限粘度が本発明の要件を満たすように実施
される。ホモポリマーを重合後,生成したパウダーの一
部を抜き出し,極限粘度、メルトフローレート、20℃キ
シレン可溶成分量およびアイソタクチックペンタット分
率(P)の測定ならびに触媒単位重量当たりの重合収量
の測定に供する。
【0042】第1重合工程のプロピレンホモポリマーの
重合に引き続いて、重合温度20〜120℃、好ましくは40
〜100℃,重合圧力大気圧〜9.9MPa、好ましくは0.59
MPa〜5.0MPaの条件下でエチレンとプロピレンの混合モ
ノマーを共重合してエチレン−プロピレンコポリマ−を
生成させる第2重合工程を実施する。コポリマー中のエ
チレン単位含有量はコモノマーガス中のエチレンモノマ
ーとプロピレンモノマーのガスモル比を制御して、コポ
リマー中のエチレン単位含有量が25wt%〜55wt%になるよ
うに調節する。
【0043】一方,ホモポリマーの重量に対するコポリ
マーの重量は、重合時間の調節や一酸化炭素や硫化水素
等の触媒の重合活性調節剤を使用して、コポリマーの重
量が22wt%〜40wt%になるよう調節する。さらに,コポリ
マーの分子量はコポリマーの極限粘度が前記発明に用い
る組成物の要件を満たすように水素のような分子量調節
剤をコポリマー重合時に加えて調節される。また、水素
の供給方法はプロピレン系組成物のMw/Mnが本発明の要
件を満たす様に供給される。
【0044】重合方式は、回分式、反連続式あるいは連
続式のいずれでも採用できるが、工業的には連続式重合
が好ましい。
【0045】第2重合工程の終了後に,重合系からモノ
マーを除去して粒子状ポリマーを得ることができる。得
られたポリマーは極限粘度の測定,20℃キシレン可溶成
分量、Mw/Mnの測定およびエチレン含量の測定ならびに
触媒単位重量当たりの重合収量の測定に供する。
【0046】該シートは、必要に応じて従来のポリオレ
フィンに用いられている公知の酸化防止剤、中和剤、帯
電防止剤、耐候剤、分散剤、スリップ剤、着色剤、合成
ゴム、オイル、無機充填剤(タルク、炭酸カルシウム、
シリカ、マイカ等)等の各種添加剤を添加することがで
きる。
【0047】組成物の調整は、上記各成分及び、必要に
応じて添加された添加剤を混合し、この混合物をバンバ
リーミキサー、一軸又は二軸押出機、ミキシングロー
ル、ニーダー、連続ミキサー等の従来の混練装置を用い
て、150〜300℃、好ましくは160〜230℃で
1〜10分間程度混練する事により行われる。なお、各
成分の配合順序(混合順序)については特に制限はな
く、用いる材料に合わせて適宜設定する。
【0048】本発明のシートの製造方法としては、ポリ
プロピレン組成物(x)を用い公知公用成形方法(押出
成形、カレンダー成形、圧縮成形、注型成形等)により
製造する方法が例示できる。
【0049】該公知公用の成形方法の中でも生産性が良
好な理由により、押出成形が好ましい。具体的には、押
出機、Tダイ、ポリシングロール(冷却ロール)、ガイ
ドロール、引取りロール、トリミングカッター、マスキ
ング、定尺切断カッター、スタッカー等の工程をもつ装
置(Tダイシート成型機)を用いたTダイ法が更に好ま
しく、特に好ましくは本発明の製造方法である。
【0050】本発明の製造方法は、本発明に用いるプロ
ピレン組成物を用い、また必要に応じて該プロピレン組
成物に従来のポリオレフィンに用いられている公知の各
種添加剤を添加して、Tダイ法により樹脂温度が180
〜300℃で押出し、冷却ロール温度が5〜80℃に設
定し、且つ樹脂温度と冷却ロール温度との間に、下記式
に表される関係を有し、0.1〜100m/分の速度で
シートを成形する製造方法。 (樹脂温度)−(冷却ロール温度)≧120 式
【0051】該樹脂温度は外観、成形性が優れるシート
が得られる理由により180〜300℃である。該樹脂
温度が180℃以上であればポリプロピレン組成物
(x)が十分に溶融されシートの表面が鮫肌状に成らず
良好外観となり、又300℃以下であれば熱によるポリ
プロピレン組成物(x)の熱劣化が起き難く、シートの
溶融張力が保て良好な成形性が得られる。該冷却ロール
温度は、外観が優れるシートが得られる理由により5〜
80℃である。該冷却ロール温度が5℃以上であれば冷
却ロールが結露しないことによりシート表面に斑点状の
模様ができず良好な外観が得られ、また80℃以下であ
ればシートが十分に冷却でき、ロール状のシートを解く
時に起きる線状の模様ができず良好な外観が得られる。
【0052】シートの分子配向が弱く、それにより縦方
向と横方向の熱収縮率の差が少なく、成形性が優れるシ
ートが得られる理由により該樹脂温度と冷却ロール温度
との間に、下記式に表される関係を有する。 (樹脂温度)−(冷却ロール温度)≧120 式
【0053】シートを成形する速度は、生産性が優れる
理由により0.1〜100m/分である。 該速度が
0.1m/分以上であれば、時間当たりのシートの生産
量が多く、厚みが均一なシートが得られ不良率が少な
く、100m/分以下であればシートが十分に冷却で
き、ロール状のシートを解く時に起きる線状の模様がで
きず良好な外観が得られる。
【0054】本発明の土木用シートは、本発明に用いる
プロピレン組成物を用いて成形したシートにおいて、温
度0℃での打抜衝撃強度3J以上で、曲げこわさ750
MPa以下、成形収縮率1.2%以下の土木用シート。
【0055】土木シートの温度0℃での打抜衝撃強度は
3J以上が好ましく、低温時の耐衝撃性に優れる。ま
た、曲げこわさは750MPa以下が好ましく、土木工
事での作業性に優れる。また、成形収縮率は1.2%以
下が好ましく、製品寸法安定性に優れる。
【0056】
【実施例】以下,本発明を実施例および比較例によりさ
らに詳細に説明する。 1) 各種物性測定法 実施例および比較例において採用した測定方法は下記の
とおりである。 a)極限粘度(単位 dl/g):溶媒としてテトラリン
(テトラクロロナフタレン)を用い135℃の温度条件
下、自動粘度測定装置(AVS2型、三井東圧(株)製)を
使用して測定した。
【0057】b) チタン含有固体触媒成分(A)の粒度
(単位 μm)および均一度:マスターサイザー(MALVE
RN社製)を用いて測定した粒度分布から算出した平均粒
径を粒度とし、また60%篩下の粒径を10%篩下の粒径で割
った値を均一度とした。 c) エチレン単位含有率(単位 重量%):赤外線吸
収スペクトル法により測定した
【0058】d)ポリプロピレン分子鎖中のアイソタク
チックペンタッド分率P:macromolecules 8687(1975)
に準拠し、13CーNMRを使用して測定した。 e)平均分子量Mn/Mw:試料を135℃のオルトジクロルベ
ンゼンに溶解させ、GPC(Gel Permination Chromatograp
h)装置(150C型、ウオーターズ社製、使用カラム;TSK
GEL GMH6-HT)を用いて測定した。 f)20℃キシレン可溶成分量(単位 重量%):ISO/DIS
1873-1に準拠して測定した。
【0059】i)打抜衝撃強度(J):ASTM D7
81に準拠。 j)曲げこわさ(MPa):JIS K−7106に準
拠。。 k)成形収縮率(%):シートを幅10mm、長さ10
0mmの大きさに切り抜き、これを試験片とした。この
試験片を120℃の温度をかけ、収縮後の長さを測定
し、もとの長さとの比率を求めた。 2) チタン含有固体触媒成分の調製 a)チタン含有固体触媒成分:A-1 窒素置換したSUS製オートクレーブに、無水MgCl2を95.3
g、乾燥EtOH352mlを入れ、この混合物を撹拌下に、105
℃に加熱し溶解させた。1時間撹拌後、この溶液を105
℃に加熱した加圧窒素(1.1MPa)で二流体スプレーノズル
に送入した。窒素ガスの流量は38l/分であった。スプレ
ー塔中には、冷却用として液体窒素を導入し、塔内温度
を-15℃に保持した。生成物は塔内底部に導入した冷却
ヘキサン中に集められ、256gを得た。生成物の分析結果
から、この担体の組成は出発溶液と同じMgCl2.6EtOHで
あった。担体に用いるため、篩い分けを行い45〜212μm
の粒径で球形な担体205gを得た。得られた担体を室温
で、181時間、3l/min.の流量の窒素を用いて通気乾燥し
て組成がMgCl2。1.7EtOHの乾燥担体を得た。
【0060】ガラスフラスコ中において、乾燥担体20
g,四塩化チタン160ml、精製1、2-ジクロルエタン240ml
を混合し、撹拌下に100℃に加熱した後、ジイソブチル
フタレート6.8ml加え、さらに100℃で2時間加熱した
後、デカンテーションにより液相部を除き、再び、四塩
化チタン160ml、精製1、2-ジクロルエタン320mlを加え
た。100℃で1時間加熱保持した後、デカンテーション
により液相部を除き、精製ヘキサンで洗浄した後、乾燥
してチタン含有固体触媒成分:A-1を得た。得られたチ
タン含有固体触媒成分:A-1の平均粒径は115μmであ
り、その分析値は、Mg 19.5重量%,Ti 1.6重量%、Cl 5
9.0重量%、ジイソブチルフタレート 4.5重量%であっ
た。
【0061】b) チタン含有固体触媒成分:A-2 窒素置換したSUS製オートクレーブに、精製灯油1050m
l、無水MgCl215g、乾燥エタノール36.3gおよび界面活性
剤(商品名エマゾール320、花王アトラス(株)製)4.5
gを入れた後、この混合物を800rpmで撹拌しながら昇温
し120℃にて30分間保持した。溶融混合物を高速で撹拌
しながら、内径5mmのテフロン製チューブを使用して、-
10℃に冷却した精製灯油1.5lを張り込んだ3lの撹拌付き
フラスコに移送した。生成物を濾過後、ヘキサンで充分
洗浄して担体を得た。
【0062】担体15gを室温下、四塩化チタン300mlに懸
濁させた後、ジイソブチルフタレート2.6mlを添加し、
混合物の溶液を120℃まで昇温した。120℃の温度で2時
間撹拌混合した後、固体物を濾過し、再び300mlの四塩
化チタンに懸濁させた。懸濁溶液を130℃で2時間撹拌混
合した後、固体物を濾過し精製ヘキサンにて充分に洗浄
して、チタン含有固体触媒成分:A-2を得た。得られた
チタン含有固体触媒成分:A-2の平均粒径は72μmであ
り、その分析値は、Mg 21.1重量%,Ti 2.4重量%、Cl
64.5重量%,ジイソブチルフタレート5.3重量%であっ
た。
【0063】C) チタン含有固体触媒成分:A-3 マグネシウムエトキシサイド300g、2-エチルヘキシルア
ルコール550mlおよびトルエン600mlの混合物を0.20MPa
の二酸化炭素雰囲気下に93℃で3時間撹拌した後、更に
トルエン800mlおよびn−デカン800mlを加え、炭酸マグ
ネシウム溶液を得た。トルエン800ml、クロロベンゼン6
0ml、テトラエトキシシラン18ml、四塩化チタン17mlお
よびイソパ−ルG(平均炭素数10のイソパラフィン系炭
化水素、沸点156-176℃)200mlを30℃で5分間撹拌した
中に、前記調製した炭酸マグネシウム溶液100mlを添加
した。
【0064】さらに5分間撹拌した後、テトラヒドロフ
ラン44mlを添加し、60℃で1時間撹拌した。撹拌を停止
し上澄み液を除去後、生成した固体をトルエン100mlで
洗浄し、得られた固体にクロロベンゼン200mlと四塩化
チタン200mlを添加し、135℃で1時間撹拌した。撹拌を
停止し、上澄み液を除去後、クロロベンゼン500ml、四
塩化チタン200mlおよびフタル酸ジ−n−ブチル4.2mlを
添加し135℃で1.5時間撹拌した。上澄み液を除去後、ト
ルエン1200ml、イソパ−ルG1600ml、ヘキサン800mlで
順次固体を洗浄して比較用のチタン含有固体触媒成分:
A-3を採取した。得られたチタン含有固体触媒成分:A-3
の平均粒径は18.5μmであり、その分析値は、Mg ;17.0
重量%,Ti ;2.3重量%、Cl ;55.0重量%,フタル酸
ジ−n−ブチル;7.5重量%であった。
【0065】3) チタン含有固体触媒成分(A)の予
備活性化処理 内容積15リットルの傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素
ガスで置換した後、40℃での動粘度が7.3センチストー
クスである飽和炭化水素溶剤(CRYSTOL-52、エッソ石油
(株)製)8.3リットル、トリエチルアルミニウム525mm
ol,ジイソプロピルジメトキシシラン80mmol、前項で調
製したチタン含有固体触媒成分700gを室温で加えた後、
40℃まで加温し、プロピレン分圧0.15MPaで7時間反応さ
せ、予備活性化処理を行った。分析の結果、チタン含有
固体触媒成分1g当りプロピレン3.0gが反応していた。
【0066】4))第1重合工程 添付図1に示すフローシートにおいて、撹拌羽根を有す
る横型重合器(L/D=6、内容積100リットル)に上記予備活性
化処理したチタン含有固体触媒成分を0.5g/hr、有機ア
ルミニウム化合物(B)としてトリエチルアルミニウムお
よび有機ケイ素化合物(C)としてジイソプロピルジメト
キシシランを表1および表2に示すAl/Siモル比となるよ
うに連続的に供給した。反応温度70℃、反応圧力2.5MP
a、撹拌速度40rpmの条件を維持するようにプロピレンを
連続供給し、さらにホモポリマーの分子量を調節するた
めに水素ガスを循環配管2より連続的に供給し、反応器
の気相中の水素濃度にて生成ポリマーの極限粘度を制御
した。
【0067】反応熱を配管3から供給される原料プロピ
レンの気化熱により除去した。重合器から排出される未
反応ガスは配管4を通して反応器系外で冷却、凝縮させ
て本重合器1に還流した。本重合器で得られたホモポリ
マーは、重合体の保有レベルが反応容積の50容積%とな
る様に配管5を通して重合器1から連続的に抜き出し第
2重合工程の重合器10に供給した。この時、配管5から
ホモポリマーの一部を間欠的に抜き出して、アイソタク
チックペンタッド分率P、20℃キシレン可溶成分量、極
限粘度および重合体中のMg分の誘導結合プラズマ発光
分光分析(ICP法)を行う触媒単位重量当りの重合体収量
を求める試料とした。
【0068】5) 第2重合工程 撹拌羽根を有する横型重合器10(L/D=6、内容積100リット
ル)に第1重合工程からのプロピレンホモポリマーおよ
びエチレン−プロピレン混合ガスを連続的に供給し、エ
チレンとプロピレンの共重合を行った。反応条件は撹拌
速度40rpm、温度60℃、圧力2.1MPa,気相のガス組成は
エチレン/プロピレンモル比および水素/エチレンモル
比を表1および表2に示すように調節した。コポリマー
の重合量を調節するために重合活性抑制剤として一酸化
炭素、またコポリマーの分子量を調節するため水素ガス
を配管7よりそれぞれ供給した。
【0069】反応熱は配管6から供給される原料液状プ
ロピレンの気化熱で除去した。重合器から排出される未
反応ガスは、配管8を通して反応器系外で冷却、凝縮さ
せて本共重合工程に還流させた。共重合工程で生成され
たプロピレン系組成物は、重合体の保有レベルが反応容
積の50容積%となるように配管9で重合器10から抜き出
した。プロピレン系組成物の生産速度は8kg/hr〜12kg/h
rであった。
【0070】抜き出されたプロピレン系組成物はモノマ
ーを除去し、一部は極限粘度、Q値Mw/Mn、20℃キシレ
ン可溶成分量および赤外によるコポリマー中のエチレン
の測定に、またコポリマーの重合の比率を求めるため重
合体中のMg分をICP法による測定に供した。さらに、
プロピレン組成物の流動性を評価するために下記式
(3)より圧縮度を測定した。 圧縮度=(固め見掛け密度−ゆるみ見掛け密度)X100
/固め見掛け密度 (3) 圧縮度の値が高い程パウダーの流動性は悪い。
【0071】使用するチタン含有固体触媒成分(A)の種
類、第1重合工程におけるAl/Siモル比および水素/プロ
ピレンモル比、第2重合工程におけるエチレン/プロピ
レンモル比および水素/エチレンモル比を変えて実施例
1〜6および比較例1〜7の試料を得た。諸物性の測定結
果を、表1および表2に示す。
【0072】6) 押出成形品の製造 上記で得られたパウダー100重量部に対してリン系熱安
定剤0.1重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量
部を加え高速攪拌式混合機(ヘンシェルミキサー)を用
いて、室温下に5分混合し、混合物をスクリュー口径40
mmの押出造粒機を用いてシリンダー設定温度230度で
造粒した。次いで、造粒物をTダイ及びポリシングロー
ルをもつシート成形機を用いTダイ法により、シリンダ
ー設定温度230℃、冷却ロール温度60℃、成形速度
1m/分の条件でシートを成形した。成形したシートを
湿度50%、室温23℃の室内で72時間状態調整し、物性値
を測定し結果を表1および表2中に示した。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】本発明の土木用シートは、プロピレン系
組成物を含有する土木用シートに関し、柔軟性、耐久
性、耐衝撃性、成形収縮率、剛性および施工性等のバラ
ンスがが優れるという効果を発揮する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレンのホモポリマーおよびエチレン
    −プロピレンのコポリマーからなる組成物であって、 コポリマーの極限粘度[η]RCが1.7〜2.8dl/
    g;コポリマーとホモポリマーの極限粘度比[η]RC
    [η]PPが0.7〜1.2;かつコポリマーとホモポリマ
    ーの極限粘度比[η]RC/[η]PP、コポリマーとホモ
    ポリマーの重量比WPP/WRCとの積([η]RC
    [η]PP)X(WPP/WRC)が1.0〜3.0;の範囲に
    あるプロピレン系組成物を用いることを特徴とする土木
    用シート。
  2. 【請求項2】 ホモポリマーのアイソタクチックペンタ
    ッド分率Pが0.95以上である請求項1記載の土木用
    シート。
  3. 【請求項3】 コポリマーが25〜55重量%のエチレ
    ンを含有する請求項1記載の土木用シート。
  4. 【請求項4】 コポリマーが80重量%以上の20℃キ
    シレン可溶成分を含有する請求項1記載の土木用シー
    ト。
  5. 【請求項5】 プロピレン系組成物が、22〜40重量
    %のコポリマーを含有する請求項1記載の土木用シー
    ト。
  6. 【請求項6】 プロピレン系組成物が5以下のQ値(M
    w/Mn)を有する請求項1記載の土木用シート。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のプロピレン組成物を用い
    て、Tダイ法により樹脂温度が180〜300℃で押出
    し、冷却ロール温度が5〜80℃に設定し、且つ樹脂温
    度と冷却ロール温度との間に、下記式に表される関係を
    有し、0.1〜100m/分の速度でシートを成形する
    製造方法。 (樹脂温度)−(冷却ロール温度)≧120 式
  8. 【請求項8】 請求項1記載のプロピレン組成物を用い
    て成形したシートにおいて、温度0℃での打抜衝撃強度
    3J以上で、曲げこわさ750MPa以下、成形収縮率
    1.2%以下の土木用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017515961A (ja) * 2014-05-28 2017-06-15 バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー エチレン重合体組成物及びポリオレフィン組成物におけるその用途

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JP2017515961A (ja) * 2014-05-28 2017-06-15 バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー エチレン重合体組成物及びポリオレフィン組成物におけるその用途
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