JPH10203912A - 除草剤、その効力増強剤および効力増強方法 - Google Patents

除草剤、その効力増強剤および効力増強方法

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JPH10203912A
JPH10203912A JP995797A JP995797A JPH10203912A JP H10203912 A JPH10203912 A JP H10203912A JP 995797 A JP995797 A JP 995797A JP 995797 A JP995797 A JP 995797A JP H10203912 A JPH10203912 A JP H10203912A
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JP
Japan
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group
formula
herbicide
salt
compound
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JP995797A
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Inventor
Atsushi Kadowaki
敦 門脇
Hajime Ikeda
源 池田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】除草剤、その効力増強剤および効力増強方法の
提供。 【解決手段】式(I) 【化1】 〔式中、Qは置換基を有していてもよい橋頭に窒素原子
を有する縮合複素環基を、WはOまたはSを、R1およ
びR2はそれぞれアルキル基、アルコキシ基またはハロ
ゲン原子を、ZはCHまたはNを示す。〕で表される化
合物またはその塩とアルコキシル化脂肪族アミン系界面
活性剤とを含有してなる除草剤、式(I)で表される化
合物またはその塩を含有する除草剤用であるアルコキシ
ル化脂肪族アミン系界面活性剤および/またはエポキシ
化植物油からなる効力増強剤、および効力増強方法。 【効果】本発明の除草剤は、除草活性成分の除草効果が
増強されているので、散布される除草活性成分量が低減
され、薬害の低減、コストの低減等の効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、式(I)
【化5】 〔式中、Qは置換基を有していてもよい橋頭に窒素原子
を有する縮合複素環基を、WはOまたはSを、R1およ
びR2はそれぞれアルキル基、アルコキシ基またはハロ
ゲン原子を、ZはCHまたはNを示す。〕で表される化
合物またはその塩(以下、化合物(I)と略称すること
もある。)とアルコキシル化脂肪族アミン系界面活性剤
とを含有してなる、優れた除草活性を示す農薬除草剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、除草活性成分の効力を充分に
引き出すために製剤上様々な工夫がなされているが、効
力をさらに増強させることは難しい。また、新規な除草
活性成分の開発はいっそう困難であるため、既存の除草
活性成分の効力をより増強させることは、既存の散布さ
れる除草活性成分量の低減が可能となることから、コス
ト低減等、産業上大いに意義のあることである。スルホ
ニルウレア系除草剤についての効力増強に関する報告も
いくつかある。特開平6−340509には、N-[(4,6
-ジメトキシピリミジン-2-イル)アミノカルボニル]-3-
ジメチルアミノカルボニル-2-ピリジンスルホンアミド
及びその塩並びにメチル 2-[[[4,6-ビス(ジフルオロメ
トキシ)ピリミジン-2-イル]アミノカルボニル]アミノス
ルホニル]ベンゾエート及びその塩より成る群から選ば
れた少なくとも1種のスルホニルウレア系除草活性成
分、エトキシル化脂肪族アミン系界面活性剤並びに植物
油及び/又は鉱物油を含有する効力の増強された除草組
成物が記載されている。Aspects of Applied Biology
第9巻149−158頁(1985)には、エトキシル
化脂肪族アルコール系界面活性剤及びエトキシル化脂肪
族アミン系界面活性剤とエトキシル化脂肪族アルキルフ
ェノール系界面活性剤との混合物がスルホニルウレア系
除草剤であるクロルスルフロンの除草効果を増大させる
旨記載されている。
【0003】しかしながら、前述した従来技術には、式
(I)
【化6】 〔式中、Qは置換基を有していてもよい橋頭に窒素原子
を有する縮合複素環基を、WはOまたはSを、R1およ
びR2はそれぞれアルキル基、アルコキシ基またはハロ
ゲン原子を、ZはCHまたはNを示す。〕で表される化
合物またはその塩を含有する除草剤の除草効果を増強さ
せる旨の記載はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】化合物(I)を含有す
る効力の増強された除草剤、化合物(I)の除草効果を
増強する効力増強剤の開発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、アルコキ
シル化脂肪族アミン系界面活性剤および/またはエポキ
シ化植物油が化合物(I)の除草効果を増強することを
知見した。本発明者らは、この知見に基づいて、さらに
研究を重ねた結果、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、(1)式(I)
【化7】 〔式中、Qは置換基を有していてもよい橋頭に窒素原子
を有する縮合複素環基を、WはOまたはSを、R1およ
びR2はそれぞれアルキル基、アルコキシ基またはハロ
ゲン原子を、ZはCHまたはNを示す。〕で表される化
合物またはその塩とアルコキシル化脂肪族アミン系界面
活性剤とを含有してなる除草剤、(2)さらにエポキシ
化植物油を含有する第(1)項記載の除草剤、(3)液
状である第(1)項記載の除草剤、(4)アルコキシル
化脂肪族アミン系界面活性剤を除草剤全体に対して約
0.001〜50重量%含有する第(1)項記載の除草
剤、(5)式(I)で表される化合物が1−(2−クロ
ロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニ
ル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イ
ル)尿素である第(1)記載の除草剤、(6)式(I)
で表される化合物が1−(2−エチルスルホニルイミダ
ゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3
−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)尿素で
ある第(1)記載の除草剤、(7)式(I)で表される
化合物またはその塩を含有する除草剤用であるアルコキ
シル化脂肪族アミン系界面活性剤および/またはエポキ
シ化植物油からなる効力増強剤、(8)アルコキシル化
脂肪族アミン系界面活性剤および/またはエポキシ化植
物油を配合してなる式(I)で表される化合物またはそ
の塩を含有する除草剤の効力増強方法、および(9)式
(I)で表される化合物またはその塩とエポキシ化植物
油とを含有してなる効力の増強された除草剤に関する。
【0007】上記式(I)において、Qは置換基を有し
ていてもよい橋頭に窒素原子を有する縮合複素環基を示
し、ここで橋頭に窒素原子を有する縮合複素環基とは、
橋状結合の先端と末端の位置にある原子、すなわち橋頭
原子の両方またはいずれか一方が窒素原子である縮合複
素環基を意味する。Qで示される置換基を有していても
よい橋頭に窒素原子を有する縮合複素環基は、例えば一
般式
【化8】 〔式中、環aおよび環bは置換されていてもよい含窒素
複素環を示す〕で表される縮合複素環から橋頭以外の構
成炭素原子に結合した水素原子を1個除いて形成される
基を示す。
【0008】環a、環bで示される含窒素複素環とは1
ないし4個の窒素原子を含み、さらに1ないし3個の酸
素原子または/および1ないし3個の硫黄原子(モノま
たはジオキシド化されていてもよい)を含んでいてもよ
い4ないし8員、好ましくは5または6員の複素環を示
し、これらは、さらに5または6員の脂環(例、シクロ
ペンタン,シクロヘキサン),芳香環(例、ベンゼン,
ナフタレン),複素環(好ましくは5〜6員複素環)と
縮合していてもよい。上記縮合複素環の好ましい具体例
には、
【化9】 が含まれる。
【0009】特に好ましいものは、イミダゾ[1,2-a]ピ
リジン、イミダゾ[2,1-b]チアゾール、イミダゾ[1,2-b]
ピリダジンである。橋頭に窒素原子を有する縮合複素環
基は、例えばヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、スル
ファモイル基、スルファモイルオキシ基、メルカプト
基、ニトロ基、ハロゲン原子、有機残基またはスルホ基
等の置換基で1〜3個、同一または異なって置換されて
いてもよい。上記のうち好ましい置換基は、シアノ基、
スルファモイル基、スルファモイルオキシ基、ニトロ
基、ハロゲン原子または有機残基である。特に好ましい
置換基は、シアノ基、ハロゲン原子または有機残基であ
る。ここにおいてハロゲン原子とは、例えばフッ素、塩
素、臭素、ヨウ素などを意味する。有機残基とは、例え
ば炭化水素基、複素環基、アシル基、式−T−Q0〔式
中、Q0は炭化水素基,複素環基またはアシル基を、T
はO,
【化10】 またはS−Sを、kは0,1または2を示す〕で表され
る基,式
【化11】 〔式中、Q1は水素原子,炭化水素基またはアシル基
を、Q2は炭化水素基またはアシル基を、またはQ1およ
びQ2は窒素原子とともに環を形成してもよい。〕で表
される基,式
【化12】 〔式中、Q1およびQ2は前記と同意義を示す〕で表され
る基,カルバモイル基,カルバモイルオキシ基,ウレイ
ド基,チオカルバモイル基,カルボキシル基または式−
O−SO2−Q2〔式中、Q2は前記と同意義を示す〕で
表される基等を意味する。
【0010】上記の有機残基としての炭化水素基,複素
環基,アシル基、Q0で示される炭化水素基,複素環
基,アシル基およびQ1またはQ2で示される炭化水素
基,アシル基は下記で詳しく説明される。上記のカルバ
モイル基,カルバモイルオキシ基,ウレイド基またはチ
オカルバモイル基は、下記で詳しく説明される炭化水素
基,複素環基またはアシル基で1ないし2個同一または
異なって置換されていてもよい。有機残基としての複素
環基およびQ0における複素環基は、下記に詳しく説明
される炭化水素基,アシル基,ハロゲン原子で1ないし
3個置換されていてもよい。
【0011】本願明細書において炭化水素基とは、直
鎖,分枝状,環状の二重結合、三重結合を有することも
できる脂肪族基、アリール基またはアラルキル基などを
示す。具体的には、アルキル基,アルケニル基,アルキ
ニル基,アリール基,アラルキル基などを示す。該アル
キル基としては、好ましくは炭素数1から6の直鎖,分
枝状もしくは環状のアルキル基を示し、例えばメチル,
エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソ
ブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,n−ペンチル,se
c−ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,シクロペ
ンチル,n−ヘキシル,イソヘキシル,シクロヘキシル
等が用いられる。該アルケニル基としては、好ましくは
炭素数2から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルケニ
ル基を示し、例えばアリル,イソプロペニル,イソブテ
ニル,2−ペンテニル,2−ヘキセニル等が用いられ
る。該アルキニル基としては、好ましくは炭素数2から
6のアルキニル基を示し、例えばプロパルギル,2−ブ
チニル,3−ブチニル,3−ペンチニル,3−ヘキシニ
ル等が用いられる。該アリール基としては、好ましくは
炭素数6から14のアリール基を示し、例えばフェニ
ル,ナフチル,ビフェニリル,アンスリル等が用いられ
る。該アラルキル基としては、好ましくは炭素数7から
19のアラルキル基を示し、例えばベンジル,フェネチ
ル,フェニルプロピル,ビフェニリルメチル,ベンズヒ
ドリル,トリチル等が用いられる。
【0012】本願明細書において複素環基とは、例え
ば、窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原
子,硫黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよ
い)などのヘテロ原子を1ないし4個含む3〜8員複素
環基、好ましくは5〜6員複素環基またはその縮合環
基,好ましくは該5〜6員複素環基と窒素原子(オキシ
ド化されていてもよい),酸素原子,硫黄原子(モノま
たはジオキシド化されていてもよい)などのヘテロ原子
を1ないし4個含んでいてもよい5〜6員環との縮合環
基を示す。具体的には、1−または2−アジリジニル,
1−または2−アジリニル,2−または3−アゼチル,
1−,2−または3−アゼチジニル,1−,2−,3−
または4−パーヒドロアゼピニル,1−,2−,3−,
4−または5−パーヒドロアゾシニル,2−または3−
ピロリル,3−,4−または5−ピラゾリル,2−,4
−または5−イミダゾリル,1,2,3−トリアゾール
−4−イル,1,2,4−トリアゾール−3−イル,1
H−または2H−テトラゾール−5−イル,2−または
3−フリル,2−または3−チエニル,2−または3−
チエニル−1,1−ジオキシド,2−,4−または5−
オキサゾリル,3−,4−または5−イソキサゾリル,
1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イ
ル,1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−
イル,1,2,5−オキサジアゾール−3−または−4
−イル,1,3,4−オキサジアゾール−2−または−
5−イル,2−,4−または5−チアゾリル,3−,4
−または5−イソチアゾリル,1,2,3−チアジアゾ
ール−4−または−5−イル,1,2,4−チアジアゾ
ール−3−または−5−イル,1,2,5−チアジアゾ
ール−3−または−4−イル,1,3,4−チアジアゾ
ール−2−または−5−イル,2−または3−ピロリジ
ニル,2−,3−または4−ピリジル,2−,3−また
は4−ピリジル−N−オキシド,3−または4−ピリダ
ジニル,3−または4−ピリダジニル−N−オキシド,
2−,4−または5−ピリミジニル,2−,4−または
5−ピリミジニル−N−オキシド,ピラジニル,2−,
3−または4−ピペリジニル,ピペラジニル,3H−イ
ンドール−2−または−3−イル,2−,3−または4
−ピラニル,2−,3−または4−チオピラニル,2
−,3−または4−チオピラニル−1,1−ジオキシ
ド,ベンゾピラニル,3−,4−,5−,6−,7−ま
たは8−キノリル,ピリド〔2,3−d〕ピリミジニル
(例、ピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2−イル),
1,5−,1,6−,1,7−,1,8−,2,6−ま
たは2,7−ナフチリジニル(例、1,5−ナフチリジ
ン−2−または−3−イル),チエノ〔2,3−d〕ピ
リジル(例、チエノ〔2,3−d〕ピリジン−3−イ
ル),ピラジノキノリル(例、ピラジノ〔2,3−d〕
キノリン−2−イル),クロメニル(例、2H−クロメ
ン−2−または−3−イル)などが用いられる。
【0013】本願明細書においてアシル基とは、有機カ
ルボン酸から誘導されるアシル基を示す。例えば、アル
カノイル基,好ましくは炭素数1から7のアルカノイル
基(例、ホルミル,アセチル,プロピオニル,ブチリ
ル,イソブチリル,ペンタノイル,ヘキサノイル,ヘプ
タノイル等),アリールカルボニル基,好ましくは炭素
数6から14のアリール−カルボニル基,(例、ベンゾ
イル,ナフタレンカルボニル等),アルコキシカルボニ
ル基,好ましくは炭素数1から6のアルコキシ−カルボ
ニル基(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニ
ル,プロポキシカルボニル,イソプロポキシカルボニ
ル,ブトキシカルボニル,イソブトキシカルボニル,se
c−ブトキシカルボニル,tert−ブトキシカルボニル
等),アリールオキシカルボニル基,好ましくは炭素数
6から14のアリールオキシ−カルボニル基(例、フェ
ノキシカルボニル基),アラルキルカルボニル基,好ま
しくは炭素数7から19のアラルキル−カルボニル基
(例、ベンジルカルボニル,フェネチルカルボニル,フ
ェニルプロピルカルボニル,ベンズヒドリルカルボニ
ル,ナフチルエチルカルボニル等),5〜6員複素環カ
ルボニル基(例、2−,3−または4−ピロリルカルボ
ニル,3−,4−または5−ピラゾリルカルボニル,2
−,4−または5−イミダゾリルカルボニル,1,2,
3−トリアゾール−4−イルカルボニル,1,2,4−
トリアゾール−3−イルカルボニル,1H−または2H
−テトラゾール−5−イルカルボニル,2−または3−
フリルカルボニル,2−または3−チエニルカルボニ
ル,2−,4−または5−オキサゾリルカルボニル,3
−,4−または5−イソキサゾリルカルボニル,1,
2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イルカル
ボニル,1,2,4−オキサジアゾール−3−または−
5−イルカルボニル,1,2,5−オキサジアゾール−
3−または−4−イルカルボニル,1,3,4−オキサ
ジアゾール−2−または−5−イルカルボニル,2−,
4−または5−チアゾリルカルボニル,3−,4−また
は5−イソチアゾリルカルボニル,1,2,3−チアジ
アゾール−4−または−5−イルカルボニル,1,2,
4−チアジアゾール−3−または−5−イルカルボニ
ル,1,2,5−チアジアゾール−3−または−4−イ
ルカルボニル,1,3,4−チアジアゾール−2−また
は−5−イルカルボニル,2−または3−ピロリジニル
カルボニル,2−,3−または4−ピリジルカルボニ
ル,2−,3−または4−ピリジル−N−オキシドカル
ボニル,3−または4−ピリダジニルカルボニル,3−
または4−ピリダジニル−N−オキシドカルボニル,2
−,4−または5−ピリミジニルカルボニル,2−,4
−または5−ピリミジニル−N−オキシドカルボニル,
ピラジニルカルボニル,2−,3−または4−ピペリジ
ニルカルボニル,ピペラジニルカルボニル,3H−イン
ドール−2−または−3−イルカルボニル,2−,3−
または4−ピラニルカルボニル,2−,3−または4−
チオピラニルカルボニル,3−,4−,5−,6−,7
−または8−キノリルカルボニル,ピリド〔2,3−
d〕ピリミジニルカルボニル(例、ピリド〔2,3−
d〕ピリミジン−2−イルカルボニル),1,5−,
1,6−,1,7−,1,8−,2,6−または2,7
−ナフチリジニルカルボニル(例、1,5−ナフチリジ
ン−2−または−3−イルカルボニル),チエノ〔2,
3−d〕ピリジルカルボニル(例、チエノ〔2,3−
d〕ピリジン−3−イルカルボニル),ピラジノキノリ
ルカルボニル(例、ピラジノ〔2,3−b〕キノリン−
2−イルカルボニル),クロメニルカルボニル(例、2
H−クロメン−2−または−3−イルカルボニル等)等
の窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原
子,硫黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよ
い)などのヘテロ原子を1ないし4個含む5〜6員複素
環カルボニル基),5〜6員複素環アセチル基(例、2
−ピロリルアセチル,3−イミダゾリルアセチル,5−
イソオキサゾリルアセチル等の窒素原子(オキシド化さ
れていてもよい),酸素原子,硫黄原子(モノまたはジ
オキシド化されていてもよい)などのヘテロ原子を1な
いし4個含む5〜6員複素環アセチル基)等が用いられ
る。
【0014】式−T−Q0で表される基は、具体的に
は、例えばアルキルオキシ基,アルケニルオキシ基,ア
リールオキシ基,アラルキルオキシ基,複素環オキシ
基,アシルオキシ基,アルキルチオ基,アルケニルチオ
基,アリールチオ基,アラルキルチオ基,複素環チオ
基,アシルチオ基,アルキルジチオ基,アリールジチオ
基,アラルキルジチオ基,アルキルスルフィニル基,ア
ルケニルスルフィニル基,アリールスルフィニル基,ア
ラルキルスルフィニル基,複素環スルフィニル基,アル
キルスルホニル基,アルケニルスルホニル基,アリール
スルホニル基,アラルキルスルホニル基,複素環スルホ
ニル基等を示す。該アルキルオキシ基は、好ましくは炭
素数1から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルキルオ
キシ基を意味し、例えばメトキシ,エトキシ,n−プロ
ポキシ,イソプロポキシ,n−ブトキシ,イソブトキ
シ,sec−ブトキシ,tert−ブトキシ,n−ペンチルオキ
シ,sec−ペンチルオキシ,イソペンチルオキシ,ネオ
ペンチルオキシ,シクロペンチルオキシ,n−ヘキシル
オキシ,イソヘキシルオキシ,シクロヘキシルオキシ等
が用いられる。該アルケニルオキシ基は、好ましくは炭
素数2から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルケニル
オキシ基を意味し、例えばアリルオキシ,イソプロペニ
ルオキシ,1−ブテニルオキシ,2−ペンテニルオキ
シ,2−ヘキセニルオキシ等が用いられる。該アリール
オキシ基は、好ましくは炭素数6から14のアリールオ
キシ基を意味し、例えばフェノキシ,ナフチルオキシ,
ビフェニリルオキシ等が用いられる。該アラルキルオキ
シ基は、好ましくは炭素数7から19のアラルキルオキ
シ基を意味し、例えばベンジルオキシ,フェネチルオキ
シ,フェニルプロピルオキシ等が用いられる。
【0015】該複素環オキシ基は、式 T’−O−
(T’は上記した複素環基を示す)で表される基を意味
し、具体的には2−または3−ピロリルオキシ,3−,
4−または5−ピラゾリルオキシ,2−,4−または5
−イミダゾリルオキシ,1,2,3−トリアゾール−4
−イルオキシ,1,2,4−トリアゾール−3−イルオ
キシ,1H−または2H−テトラゾール−5−イルオキ
シ,2−または3−フリルオキシ,2−または3−チエ
ニルオキシ,2−または3−チエニルオキシ−1,1−
ジオキシド,2−,4−または5−オキサゾリルオキシ
等が用いられる。該アシルオキシ基は、式 T''−O−
(T''は上記したアシル基を示す)で表される基を意味
し、具体的にはアセトキシ,プロピオニルオキシ,ブチ
リルオキシ,ペンタノイルオキシ,ヘキサノイルオキ
シ,ベンジルカルボニルオキシ,フェネチルカルボニル
オキシ,ベンゾイルオキシ,ナフトイルオキシ,チエニ
ルカルボニルオキシ,ベンゾチエニルカルボニルオキシ
等が用いられる。該アルキルチオ基は、好ましくは炭素
数1から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルキルチオ
基を意味し、例えばメチルチオ,エチルチオ,n−プロ
ピルチオ,イソプロピルチオ,n−ブチルチオ,イソブ
チルチオ,sec−ブチルチオ,tert−ブチルチオ,n−ペ
ンチルチオ,sec−ペンチルチオ,イソペンチルチオ,
ネオペンチルチオ,シクロペンチルチオ,n−ヘキシル
チオ,イソヘキシルチオ,シクロヘキシルチオ等が用い
られる。該アルケニルチオ基は、好ましくは炭素数2か
ら6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルケニルチオ基を
意味し、例えばアリルチオ,イソプロペニルチオ,1−
ブテニルチオ,2−ペンテニルチオ,2−ヘキセニルチ
オ等が用いられる。
【0016】該アリールチオ基は、好ましくは炭素数6
から14のアリールチオ基を意味し、例えばフェニルチ
オ,ナフチルチオ,ビフェニリルチオ等が用いられる。
該アラルキルチオ基は、好ましくは炭素数7から19の
アラルキルチオ基を意味し、例えばベンジルチオ,フェ
ネチルチオ,フェニルプロピルチオ等が用いられる。該
複素環チオ基とは、式 T’−S−(T’は上記した複
素環基を示す)で表される基を意味し、具体的には2−
または3−ピロリルチオ,3−,4−または5−ピラゾ
リルチオ,2−,4−または5−イミダゾリルチオ,
1,2,3−トリアゾール−4−イルチオ,1,2,4
−トリアゾール−5−イルチオ,1H−または2H−テ
トラゾール−5−イルチオ,2−または3−フリルチ
オ,2−または3−チエニルチオ,2−または3−チエ
ニルチオ−1,1−ジオキシド,2−,4−または5−
オキサゾリルチオ等が用いられる。該アシルチオ基と
は、式T''−S−(T''は上記したアシル基を示す)で
表される基を意味し、具体的にはアセチルチオ,プロピ
オニルチオ,ブチリルチオ,ペンタノイルチオ,ヘキサ
ノイルチオ,ベンジルカルボニルチオ,フェネチルカル
ボニルチオ,ベンゾイルチオ,ナフトイルチオ,チエニ
ルカルボニルチオ,ベンゾチエニルカルボニルチオ等が
用いられる。アルキルジチオ基は、好ましくは炭素数1
から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルキルジチオ基
を意味し、例えばメチルジチオ,エチルジチオ,n−プ
ロピルジチオ,シクロペンチルジチオ等が用いられる。
アリールジチオ基は、好ましくは炭素数6から14のア
リールジチオ基を意味し、例えばフェニルジチオ,ナフ
チルジチオ,ビフェニリルジチオ等が用いられる。
【0017】該アラルキルジチオ基は、好ましくは炭素
数7から19のアラルキルジチオ基を意味し、例えばベ
ンジルジチオ,フェネチルジチオ等が用いられる。該ア
ルキルスルフィニル基は、好ましくは炭素数1から6の
直鎖,分枝状もしくは環状のアルキルスルフィニル基を
意味し、例えばメチルスルフィニル,エチルスルフィニ
ル,n−プロピルスルフィニル,イソプロピルスルフィ
ニル,n−ヘキシルスルフィニル,シクロヘキシルスル
フィニル等が用いられる。該アルケニルスルフィニル基
は、好ましくは炭素数2から6の直鎖,分枝状もしくは
環状のアルケニルスルフィニル基を意味し、例えばアリ
ルスルフィニル等が用いられる。該アリールスルフィニ
ル基は、好ましくは炭素数6から14のアリールスルフ
ィニル基を意味し、例えばフェニルスルフィニル等が用
いられる。該アラルキルスルフィニル基は、好ましくは
炭素数7から19のアラルキルスルフィニル基を意味
し、例えばベンジルスルフィニル等が用いられる。該複
素環スルフィニル基は、式 T'−SO−(T'は上記し
た複素環基を示す)で表される基を意味し、具体的には
2−または3−ピロリルスルフィニル,3−,4−また
は5−ピラゾリルスルフィニル等が用いられる。該アル
キルスルホニル基とは、好ましくは炭素数1から6の直
鎖,分枝状もしくは環状のアルキルスルホニル基を意味
し、例えばメチルスルホニル,エチルスルホニル,n−
プロピルスルホニル,イソプロピルスルホニル,シクロ
ヘキシルスルホニル等が用いられる。該アルケニルスル
ホニル基とは、好ましくは炭素数2から6の直鎖,分枝
状もしくは環状のアルケニルスルホニル基を意味し、例
えばアリルスルホニル等が用いられる。該アリールスル
ホニル基とは、好ましくは炭素数6から14のアリール
スルホニル基を意味し、例えばフェニルスルホニル,ナ
フチルスルホニル,ビフェニリルスルホニル等が用いら
れる。該アラルキルスルホニル基とは、好ましくは炭素
数7から19のアラルキルスルホニル基を意味し、例え
ばベンジルスルホニル,フェネチルスルホニル,フェニ
ルプロピルスルホニル基等が用いられる。該複素環スル
ホニル基とは、式 T'−SO2−(T'は上記した複素
環基を示す)で表される基を意味し、具体的には2−ま
たは3−ピロリルスルホニル,3−,4−または5−ピ
ラゾリルスルホニル等が用いられる。
【0018】式
【化13】 で表される基としては、具体的には、アルキルアミノ
基、好ましくはモノ又はジ(炭素数1から6のアルキ
ル)アミノ基(例えば、メチルアミノ,エチルアミノ,
n−プロピルアミノ,n−ブチルアミノ,tert−ブチルア
ミノ,n−ペンチルアミノ,n−ヘキシルアミノ,ジメチ
ルアミノ,ジエチルアミノ,メチルエチルアミノ,ジ−
(n−プロピル)アミノ,ジ−(n−ブチル)アミノ
等)、シクロアルキルアミノ基、好ましくはモノ又は
ジ(炭素数3から6のシクロアルキル)アミノ基(例え
ば、シクロプロピルアミノ,シクロペンチルアミノ,シ
クロヘキシルアミノ,ジシクロヘキシルアミノ等)、
アリールアミノ基、好ましくは炭素数6から14のアリ
ールアミノ基(例えば、アニリノ,N−メチルアニリノ
等)、アラルキルアミノ基、好ましくは炭素数7から
19のアラルキルアミノ基(例えば、ベンジルアミノ,
1−フェニルエチルアミノ,2−フェニルエチルアミ
ノ,ベンズヒドリルアミノ,トリチルアミノ等)、ア
シルアミノ基、すなわち、式 T''−NH−または
(T'')2N−(T''は上記したアシル基を示し、2個
の基T''は窒素原子と共に環を形成してもよい)で表さ
れる基で、具体的にはアセトアミド,プロピオンアミ
ド,ブチリルアミノ,ペンタノイルアミノ,ヘキサノイ
ルアミノ,スクシンイミド,ベンジルカルボニルアミノ
(ベンジルカルボキサミド),フェネチルカルボニルア
ミノ(フェネチルカルボキサミド),ベンゾイルアミノ
(ベンズアミド),ナフトイルアミノ,フタルイミド,
チエニルカルボニルアミノ(チエニルカルボキサミ
ド),ベンゾチエニルカルボニルアミノ(ベンゾチエニ
ルカルボキサミド)等のアルキルカルボニルアミノ,ア
リールカルボニルアミノ,複素環カルボニルアミノ(た
だし、ここでアルキル,アリール,複素環基は上記と同
じものが好ましい),環状イミド等が用いられる。こ
こでQ1およびQ2は、隣接する窒素原子とともに環を形
成してもよく、好ましくは3ないし7員環(例えば、ピ
ロリジノ,ピペリジノ,モルホリノ,ピペラジノ,アジ
リジノ,アゼチジノ等)を形成してもよい。
【0019】式
【化14】 で表される基としては、具体的には、モノまたはジア
ルキルスルファモイル基、好ましくはモノまたはジ(炭
素数1から6のアルキル)スルファモイル基(例えばメ
チルスルファモイル,エチルスルファモイル,n−プロ
ピルスルファモイル,n−ヘキシルスルファモイル,ジ
メチルスルファモイル,ジエチルスルファモイル,メチ
ルエチルスルファモイル,ジ−(n−ブチル)スルファ
モイル等)、シクロアルキルスルファモイル基、好ま
しくは炭素数3から6のシクロアルキルスルファモイル
基(例えば、シクロプロピルスルファモイル,シクロヘ
キシルスルファモイル等)、アリールスルファモイル
基、好ましくは炭素数6から14のアリールスルファモ
イル基(例えば、フェニルスルファモイル等)、アラ
ルキルスルファモイル基、好ましくは炭素数7から19
のアラルキルスルファモイル基(例えば、ベンジルスル
ファモイル,1−フェニルエチルスルファモイル,2−
フェニルエチルスルファモイル,ベンズヒドリルスルフ
ァモイル,トリチルスルファモイル等)、アシルスル
ファモイル基、すなわち、式 T''−NHSO2−また
は(T'')2N−SO2−(T''は上記したアシル基を示
す)で表される基(例えば、アセチルスルファモイル,
ベンジルカルボニルスルファモイル,チエニルカルボニ
ルスルファモイル等)が用いられる。ここでQ1および
2は、隣接する窒素原子とともに環を形成してもよ
く、例えば、ピロリジノ,ピペリジノ等を形成してもよ
い。式 Q2−SO2−O−で表される基は、具体的に
は、アルキルスルホニルオキシ基、好ましくは炭素数
1から6のアルキルスルホニルオキシ基(例えば、メタ
ンスルホニルオキシ,エタンスルホニルオキシ等)、
アリールスルホニルオキシ基、好ましくは炭素数6から
14のアリールスルホニルオキシ基(例えば、ベンゼン
スルホニルオキシ,p−トルエンスルホニルオキシ基
等)、アラルキルスルホニルオキシ基、好ましくは炭
素数7から19のアラルキルスルホニルオキシ基(例え
ば、ベンジルスルホニルオキシ,フェネチルスルホニル
オキシ等),アシルスルホニルオキシ基(例えば、ア
セチルスルホニルオキシ,ブチリルスルホニルオキシ
等)が用いられる。
【0020】なお、上記のアルキル基,アルキルオキシ
基(またはアルコキシ基),アルキルチオ基,アルキル
ジチオ基,アルキルスルフィニル基,アルキルスルホニ
ル基,アルキルアミノ基,シクロアルキルアミノ基,ア
ルケニル基,アルケニルオキシ基,アルケニルチオ基,
アルケニルジチオ基,アルケニルスルフィニル基,アル
ケニルスルホニル基,アルキニル基,アルコキシカルボ
ニル基,アルカノイル基,アルキルスルホニルオキシ基
は、さらに、例えばアルキルチオ基(例、メチルチオ,
エチルチオ,n−プロピルチオ,イソブチルチオ等の炭
素数1から4の直鎖もしくは分枝状アルキルチオ基),
ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素等),
アルコキシ基(例、メトキシ,エトキシ,n−プロポキ
シ,tert−ブトキシ,n−ヘキシルオキシ等の炭素数1
から6の直鎖もしくは分枝状のアルコキシ基),ニトロ
基,アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニ
ル,エトキシカルボニル,n−プロポキシカルボニル,
イソプロポキシカルボニル,n−ブトキシカルボニル,
イソブトキシカルボニル,sec−ブトキシカルボニル,t
ert−ブトキシカルボニル等の炭素数1から6のアルコ
キシ−カルボニル基),アルキルアミノ基(例、メチル
アミノ,エチルアミノ,n−プロピルアミノ,n−ブチル
アミノ,tert−ブチルアミノ,n−ペンチルアミノ,n−
ヘキシルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ,メ
チルエチルアミノ,ジ−(n−プロピル)アミノ,ジ−
(n−ブチル)アミノ等のモノ又はジ(炭素数1から6
のアルキル)アミノ基)等で1ないし5個置換されてい
てもよい。アルコキシ基が2個置換している場合、2個
のアルコキシ基が合して例えばメチレンジオキシ,エチ
レンジオキシ,プロピレンジオキシ等の炭素数1から3
のアルキレンジオキシ基やエチリデンジオキシ,プロピ
リデンジオキシ,イソプロピリデンジオキシ等の炭素数
2から6のアルキリデンジオキシ基を構成してもよい。
【0020】上記アリール基,アリールオキシ基,アリ
ールオキシカルボニル基,アリールカルボニル基,アリ
ールチオ基,アリールジチオ基,アリールスルフィニル
基,アリールスルホニル基,アリールアミノ基,アラル
キル基,アラルキルオキシ基,アラルキルオキシカルボ
ニル基,アラルキルチオ基,アラルキルジチオ基,アラ
ルキルスルフィニル基,アラルキルスルホニル基,アラ
ルキルアミノ基,アラルキルカルボニル基,アリールス
ルホニルオキシ基,アラルキルスルホニルオキシ基は、
さらに芳香環上に、例えばアルキル基,アルケニル基,
アルキニル基,アルコキシ基,アシル基,アシルオキシ
基,ニトロ基,シアノ基,ハロゲン,アシルアミノ基,
アルキルチオ基等で1ないし3個置換されていてもよ
い。ここにおいてアルキル基,アルケニル基,アルキニ
ル基,アルコキシ基,アシル基,アシルオキシ基,アシ
ルアミノ基,ハロゲン,アルキルチオ基は上記で定義さ
れたものと同様なものが用いられる。アルキル基が隣接
して2個置換している場合、互いにあわさってトリメチ
レン基またはテトラメチレン基等の2価の基を示しても
よく、アルケニル基が隣接して2個置換している場合、
互いにあわさってプロペニレン基,1−ブテニレン基,
2−ブテニレン基またはブタジエニレン基等の2価の基
を示してもよい。
【0021】このような場合、2価の基は該縮合複素環
基とさらに5〜6員の脂環(例、シクロペンタン,シク
ロヘキサン,シクロヘキサジエン),芳香環(例、ベン
ゼン),5〜6員複素環を形成する。上記複素環オキシ
基,複素環チオ基,複素環スルフィニル基,複素環カル
ボニル基および複素環スルホニル基の複素環基は、さら
に上記したアルキル基,アルケニル基,アルキニル基,
アリール基,アラルキル基,アルカノイル基,アリール
カルボニル基,アルコキシカルボニル基,アリールオキ
シカルボニル基,アラルキルカルボニル基,ニトロ,ア
ミノ,ヒドロキシ,シアノ,スルファモイル,メルカプ
ト,ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)
等で1ないし3個置換されていてもよい。
【0022】R1およびR2はそれぞれアルキル基、アル
コキシ基またはハロゲン原子を示す該アルキルとして
は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル
基が用いられる。該アルコキシ基としては、メトキシ、
エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブト
キシ、tert−ブトキシなどの炭素数1〜4のアルコキシ
基等が用いられる。該ハロゲン原子としては、フッ素、
塩素、臭素等が用いられる。好ましくはR1およびR2
それぞれメチル基、メトキシ基または塩素である。Wは
Oであるのが好ましい。
【0023】式(I)で表される化合物は、分子中の酸
性基
【化15】 および置換分中のスルホ基、カルボキシ基等の酸性基と
無機塩基塩または有機塩基塩を形成することができ、ま
た、分子中の塩基性の窒素原子および置換分中のアミノ
基等の塩基性基と無機酸付加塩または有機酸付加塩を形
成することができる。式(I)で表される化合物の無機
塩基塩としては、例えばアルカリ金属(ナトリウム、カ
リウムなど)、アルカリ土類金属(カルシウムなど)、
アンモニアなどとの塩が、また式(I)で表される化合
物の有機塩基塩としては、例えばジメチルアミン、トリ
エチルアミン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、
2−フェニルエチルベンジルアミン、ベンジルアミン、
エタノールアミン、ジエタノールアミンなどの塩などが
用いられる。式(I)で表される化合物の無機酸付加塩
としては、例えばp−トルエンスルホン酸、メタンスル
ホン酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸などとの塩が用いられ
る。この発明の除草活性成分である式(I)で表される
化合物またはその塩に属する特に好ましい化合物は、
【化16】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、Yは水素原子
または低級アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、
プロポキシ、i−プロポキシ、ブトキシ)を示す〕で表
される化合物またはその塩および、
【化17】 〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物
またはその塩である。最も好ましい化合物は、上記式
(II)でXが炭素原子で、Yが水素原子の化合物(以
下、化合物(A)と略す)またはその塩と、上記式(II
I)でXが炭素原子で、Yが水素原子の化合物(以下、
化合物(B)と略す)またはその塩である。
【0024】本発明において使用されるアルコキシル化
脂肪族アミン系界面活性剤としては、分子内の窒素原子
に1種または2種のアルコキシル基および1〜3種のア
ルキル基が結合したアルコキシル化脂肪族アミンおよび
アルコキシル化脂肪族アンモニウムが用いられる。ここ
においてアルコキシル基とは、エチレンオキシド、プロ
ピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2〜4の
アルコキシドであり、エチレンオキシド重合付加物、ま
たは、エチレンオキシドと他のC3-4アルコキシド(例
えば、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)とを
混合したブロック重合付加物のことを意味する。また、
アルキル基とは、飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族
炭化水素基、環状炭化水素基を意味するが、窒素原子に
結合した少なくとも1種のアルキル基は、炭素鎖8以上
のものであり、好ましくは炭素鎖8〜30のもの、特に
好ましくは炭素鎖10〜20のものである。アルコキシ
ル化脂肪族アミン系界面活性剤のうち、エトキシル化脂
肪族アミン系界面活性剤が好ましい。具体的には、ニュ
ーカルゲンD-3615T、ADJ-8(竹本油脂(株))、アンス
テックスN-100、ペグノール005、ペグノールHA-120(東
邦化学工業(株))、アミート105、アミート320(花王
(株))、イオネットAC110、イオネットAT140(三洋化
成工業(株))等が挙げられる。これらの内、1種また
は2種以上を組み合わせて使用する。
【0025】本発明に使用されるエポキシ化植物油とし
ては、エポキシ化乾性油、エポキシ化半乾性油およびエ
ポキシ化不乾性油を意味し、具体的には、例えばエポキ
シ化乾性油として、エポキシ化アマニ油、エポキシ化キ
リ油等が挙げられ、エポキシ化半乾性油として、エポキ
シ化大豆油、エポキシ化綿実油等が挙げられ、エポキシ
化不乾性油として、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化オ
リーブ油等が挙げられる。好ましくは炭素数10〜30
のものであり、特に好ましくは炭素数12〜24のもの
である。具体的には、ソルポール7157(東邦化学工業
(株))、アデカサイザーO-130P、アデカサイザーO-18
0A(旭電化工業(株))、レオブラスト39(ヘキスト
社)等が挙げられる。これらの内、1種または2種以上
を組み合わせて使用する。
【0026】また、本発明の除草剤には、式(I)で表
される化合物またはその塩とともに、他の除草活性成分
を含有させてもよい。該他の除草活性成分としては、 (a)スルホニル尿素系:ベンスルフロンメチル(bensulf
uron-methyl)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、
ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)な
ど。 (b)トリアジン系:シメトリン(simetryn)など。 (c)尿素系:ダイムロン(dymron)など。 (d)酸アミド系:プロパニル(propanil)、メフェナセ
ット(mefenacet)、エトベンザニド(etobenzanid)、
プレチラクロール(pretilachlor)など。 (e)カルバメート系:スエップ(swep)、チオベンカル
ブ(thiobencarb)、ピリブチカルブ(pyributicarb)
など。 (f)ダイアゾール系:オキサジアゾン(oxadiazon)、ピ
ラゾレート(pyrazolate)など。 (g)ジニトロアニリン系:プロジアミン(prodiamin
e)、ペンジメタリン(pendimethalin)など。 (h)その他:カフェンストロール(cafenstrole)、ペン
トキサゾン(pentoxazone)、エスプロカルブ(esproca
rb)、ベンスリド(bensulide)、MY−100(コー
ド名、ローヌプーラン油化アグロ)などから選ばれる少
なくとも1種が挙げられる。なお、式(I)で表される
化合物またはその塩と他の除草活性成分は一緒に製剤化
してもよいし、また別々に製剤化したものを散布時に混
合してもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の除草剤は、化合物(I)
とともに、アルコキシル化脂肪族アミン系界面活性剤お
よび/またはエポキシ化植物油を配合し、必要に応じて
農薬製剤用各種補助剤を混合して種々の形態に製剤調製
することによって得ることができる。本発明の除草剤
は、一般の農薬の取り得る形態、すなわち、除草活性成
分を使用目的によって適当な液体の担体に溶解させるか
分散させ、または適当な固体担体と混合させるか吸着さ
せ、乳剤、フロアブル、水性乳化懸濁剤、油剤、水和
剤、粉剤、粒剤、錠剤、噴霧剤、軟膏等の剤型として使
用する。これらの製剤は必要ならば例えば乳化剤、懸濁
剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、粘漿剤、安定剤等を添加
してもよく、自体公知の方法で調製することができる。
使用する液体担体(溶剤)としては、例えば水、アルコ
ール類(例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、
エチレングリコール、プロピレングリコール等)、ケト
ン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エ
ーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
エチレングリコールモノメチルエーテル等)、脂肪族炭
化水素類(例えば、ケロシン、灯油、燃料油、機械油
等)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルマフタレン
等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド等)、ニトリル類(例え
ば、アセトニトリル、プロピオニトリル等)等の溶媒が
適当であり、これらは1種または2種以上を適当な割合
で混合して適宜使用することができる。固体担体(希
釈、増量剤)としては、植物性粉末(例えば、大豆粉、
タバコ粉、小麦粉、木粉等)、鉱物性粉末(例えば、カ
オリン、ベントナイト、酸性白土等のクレー類、滑石
粉、ロウ石粉等のタルク類、珪藻土、雲母粉等のシリカ
類等)、アルミナ、炭酸カルシウム、活性炭等が用いら
れ、これらは1種または2種以上を適当な割合で混合し
て適宜使用することができる。該液体担体または固体担
体は、除草剤全体に対して通常約1〜99重量%程度、
好ましくは約10〜99重量%程度用いることができ
る。
【0028】乳化剤、分散剤等として使用される界面活
性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキ
シエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンア
ルキルフェノールホルマリン縮合物、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリ
セリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレングリ
コールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
トール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘
導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸
グリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ
糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸ア
ミド、アルキロールアミド、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミンなどの非イオン性界面活性剤、ドデシルアミン
塩酸塩等のアルキルアミン塩酸塩、アルキル四級アンモ
ニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩等のアル
キルトリメチル四級アンモニウム塩、アルキルジメチル
ベンジルアンモニウム塩、アルキルピリミジニウム塩、
アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウ
ム塩、塩化ベンゼトニウム、ポリアルキルビニルピリジ
ニウム塩などのカチオン性界面活性剤、パルミチン酸ナ
トリウム等の脂肪酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテルカルボン酸ナトリウム等のエーテルカル
ボン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、
N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等の高級脂肪酸
のアミノ酸縮合物、高級アルキルスルホン酸塩、ラウリ
ン酸エステルスルホン酸塩等の高級脂肪酸エステルスル
ホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジ
アルキルスルホサクシネート、オレイン酸アミドスルホ
ン酸塩等の高級脂肪酸アミドスルホン酸、ドデシルベン
ゼンスルホン酸塩、ジイソプロピルナフタレンスルホン
酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩ホルマリン縮合物、
ペンタデカン−2−スルフェート等の高級アルコール硫
酸エステル塩、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫
酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸エステル塩、ジポリオキシエチレンドデシルエーテ
ルリン酸エステル等のポリオキシエチレンアルキルリン
酸エステル、スチレン−マレイン酸共重合体、アルキル
ビニルエーテル−マレイン酸共重合体などのアニオン性
界面活性剤、N−ラウリルアラニン、N,N,N−トリ
メチルアミノプロピオン酸、N,N,N−トリヒドロキ
シエチルアミノプロピオン酸、N−ヘキシル−N,N−
ジメチルアミノ酢酸、1−(2−カルボキシエチル)ピ
リジニウムベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ、
適宜用いられる。該界面活性剤は、除草剤全体に対して
通常約0.1〜50重量%程度、好ましくは約0.1〜2
5重量%程度用いることができる。
【0029】また、本発明の除草剤には、所望により有
機溶剤、無機塩類、リン脂質等、特に水性乳化懸濁剤に
おいては、タンパク質、ポリビニルアルコール等を含有
せしめてもよい。有機溶剤としては、フタル酸ジメチ
ル、フタル酸ジオクチル、パルミチン酸エチル、コハク
酸ジオクチル、ラウリン酸メチル等のエステル類、キシ
レン、エチルベンゼン、オクタデシルベンゼン、エクソ
ン化学製ソルベッソシリーズ(ソルベッソ100、ソルベ
ッソ150、ソルベッソ200等)、メチルナフタレン、ドデ
シルナフタレン、トリデシルナフタレン等の芳香族炭化
水素、オレイン酸、カプリン酸、エナント酸等の脂肪
酸、オリーブ油、大豆油、菜種油、アマニ油、綿実油、
パーム油、アボガド油、サメ肝油等の動植物油、マシン
油等の鉱物油等の高沸点有機溶剤等が挙げられ、これら
の内、1種または2種以上を組み合わせて使用する。有
機溶剤の添加量は、製剤全体に対して通常約0.1〜3
0重量%、好ましくは約1〜20重量%である。
【0030】無機塩類としては、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム等の塩化
物、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸塩、リン酸
ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸塩、ホウ酸ナト
リウム等のホウ酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウ
ム等の硫酸塩等が挙げられ、これらの内、1種または2
種以上を組み合わせて使用する。無機塩類の添加量は、
製剤全体に対して通常約0.01〜10重量%、好まし
くは約0.05〜5重量%である。有機酸塩類として
は、クエン酸ナトリウム等のクエン酸塩、酢酸ナトリウ
ム、酢酸アンモニウム等の酢酸塩、ソルビン酸ナトリウ
ム、ソルビン酸カリウム等のソルビン酸塩、安息香酸ナ
トリウム等の安息香酸塩等が挙げられ、これらの内、1
種または2種以上を組み合わせて使用する。有機酸塩類
の添加量は、製剤全体に対して通常約0.01〜10重
量%、好ましくは約0.05〜5重量%である。
【0031】リン脂質は、リンと窒素を含む脂質の総称
であり、一般に大豆等の油糧種実、卵黄等から生産され
る、レシチンと称されるものであって、より具体的には
大豆レシチン、菜種レシチン、綿実レシチン、卵黄レシ
チン等の混合リン脂質、さらに前記リン脂質を酵素処理
したリゾレシチンと称するリン脂質、前記混合リン脂質
の分画精製物であるホスファチジルコリン、ホスファチ
ジルエタノールアミン等のリン脂質等が挙げられる。こ
れらのリン脂質の中では大豆レシチン、卵黄レシチンが
好ましく、これらリン脂質の添加量は、製剤全体に対し
て通常約0.01〜10重量%、好ましくは約0.01〜
5重量%である。
【0032】タンパク質としては、分離大豆タンパク、
濃縮大豆タンパク、ペースト状大豆タンパク等の植物性
タンパク、アルブミン、グロブリン等の血清タンパク、
カゼインまたはその塩(ナトリウム塩等のアルカリ金属
塩等)、ラクトアルブミン等の乳タンパク等、その他、
ゼラチン、膠、卵アルブミン等が挙げられ、特にカゼイ
ンまたはその塩(ナトリウム塩のアルカリ金属塩)が好
ましい。タンパク質は製剤全体に対して通常約0.01
〜10重量%、好ましくは0.1〜10重量%含有され
る。
【0033】ポリビニルアルコールとしては、(株)ク
ラレより市販されているポバールシリーズとして、PVA-
105、PVA-110、PVA-117、PVA-117H、PVA-120、PVA-124
H、PVA-CS、PVA-CST、PVA-HC等のケン化度95%以上の
完全ケン化物、PVA-203、PVA-204、PVA-205、PVA-210、
PVA-217、PVA-220、PVA-224、PVA-217EE、PVA-217E、PV
A-220E、PVA-224E、PVA-405、PVA-420、PVA-613、L-8等
のケン化度90%以下の部分ケン化物、日本合成化学工
業(株)より市販されているゴーセノールシリーズとし
て、NH-26、NH-20、NH-18、N-300、NM-14、NM-11等のケ
ン化度98%以上の完全ケン化物、AH-26、AH-22、AH-1
7、A-300、C-500等のケン化度95〜99%の準完全ケ
ン化物、GH-23、GH-20、GH-17、GM-14、GM-14L、GL-0
5、GL-03、KH-20、KH-17、KM-11、KL-05、KP-08、KP-0
8、KP-06等のケン化度90%以下の部分ケン化物等が挙
げられ、特にケン化度90%以下の部分ケン化物等が好
ましい。ポリビニルアルコールは製剤全体に対して通常
約0.01〜10重量%、好ましくは約0.1〜10重量
%含有される。
【0034】また、本発明の除草剤は、化合物(I)、
上記他の除草活性成分の他に、例えば、殺虫剤(ピレス
ロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カーバメート系殺
虫剤、天然殺虫剤など)、殺ダニ剤、殺線虫剤、植物ホ
ルモン剤植物成長調節物質、殺菌剤(例えば銅系殺菌
剤、有機塩素系殺菌剤、有機硫黄系殺菌剤、フェノール
系殺菌剤など)、共力剤、誘引剤、忌避剤、色素、肥料
等を配合し、適宜使用することも可能である。本発明の
除草剤中の除草活性成分の含有割合は使用目的によって
異なるが、通常、乳剤、水和剤、フロアブル、水性乳化
懸濁剤等は約1〜90重量%程度が適当であり、油剤、
粉剤としては約0.1〜10重量%程度が適当であり、
粒剤としては約1〜20重量%程度が適当であるが、使
用目的によっては、これらの濃度を適宜変更してもよ
い。乳剤、水和剤、フロアブル等は使用に際して、水な
どで適宜希釈増量(例えば100〜100,000倍)
して散布する。
【0035】本発明の除草剤は、極めて低薬量で広範囲
の雑草、例えば、タイヌビエ,タマガヤツリ,イヌホタ
ルイ,コナギ,ウリカワ,マツバイ,ミズガヤツリ,ク
ログワイ,ヘラオモダカ,オモダカ,タイワンヤマイ,
アゼナ,キカシグサ,ヒルムシロ,チョウジタデ,ミゾ
ハコベ等の水田雑草、メヒシバ,エノコログサ,アオビ
ユ,イチビ,アカザ,イヌタデ,スベリヒユ,アメリカ
キンゴジカ,シロバナチョウセンアサガオ,マルバアサ
ガオ,オナモミ,ヒメイヌビエ,オオクサキビ,セイバ
ンモロコシ,ハマスゲ,カラスムギ,ブラックグラス,
ウマノチャヒキ,コハコベ,カラシナ類,エビスグサ,
カミツレ,ツユクサ等の畑地雑草に対して優れた殺草力
を有するのみならず、稲,小麦,大麦,トウモロコシ,
大豆,芝生(例えば、ノシバ、コウライシバ、ヒメコウ
ライシバ、ペントグラス、ケンタッキーブルーグラス、
バミューダグラス等)等の作物に対して薬害はほとんど
なく、高い安全性を示す。本発明の除草剤により適用さ
れる草種としては、特に、カヤツリグサ科雑草および広
葉雑草に好適である。本発明の除草剤は、作物と各種雑
草との間に優れた選択的除草効果を示し、哺乳動物や魚
介類に対して低毒性で、環境を汚染することもなく、水
田,芝生,畑,果樹園あるいは非農耕地用の除草剤とし
て極めて安全に使用することができる。使用時期は、雑
草の出芽前から出芽直後が好ましい。
【0036】本発明の除草剤の使用量は、適用場面,適
用時期,施用方法,対象草種,栽培作物等により差異は
あるが、一般に有効成分として水田1アール当たり0.
05から50g程度、好ましくは0.1から10g程
度、畑地1アール当たり0.05から50g程度、好ま
しくは0.1から10g程度である。本発明の式(I)
で表される化合物またはその塩を含有する除草剤用であ
るアルコキシル化脂肪族アミン系界面活性剤および/ま
たはエポキシ化植物油からなる効力増強剤は、アルコキ
シル化脂肪族アミン系界面活性剤および/またはエポキ
シ化植物油に必要に応じて上記の担体等を混合して得る
ことができる。除草活性成分と農薬製剤用各種補助剤と
を混合して種々の形態に製剤調製することによって得ら
れる除草剤を水で希釈して散布する際、該散布液に本発
明のアルコキシル化脂肪族アミン系界面活性剤および/
またはエポキシ化植物油からなる効力増強剤を適宜加え
て散布することができる。アルコキシル化脂肪族アミン
系界面活性剤の除草剤全体に対する含有割合は、使用目
的によって異なるが、通常約0.001〜50重量%、
好ましくは約0.01〜20重量%である。すなわち、
乳剤、水和剤、フロアブル、水性乳化懸濁剤、油剤、粉
剤、粒剤等においては約1〜50重量%程度、好ましく
は約1〜20重量%程度が適当である。また、アルコキ
シル化脂肪族アミン系界面活性剤の散布液中の濃度とし
ては、通常約0.001〜5重量%程度、好ましくは約
0.01〜1重量%程度が適当である。エポキシ化植物
油の除草剤全体に対する含有割合は、使用目的によって
異なるが、通常約0.001〜50重量%、好ましくは
約0.01〜20重量%である。すなわち、乳剤、水和
剤、フロアブル、水性乳化懸濁剤、油剤、粉剤、粒剤等
においては約1〜50重量%程度、好ましくは約1〜2
0重量%程度が適当である。また、エポキシ化植物油の
散布液中の濃度としては、通常約0.0001〜1重量
%程度、好ましくは約0.001〜0.1重量%程度であ
る。なお、調製した散布液には、さらに必要に応じて上
記の界面活性剤等を添加しても良い。
【0037】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例、参考例及
び試験例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発
明がこれらの例に限定されるものではない。以下の実施
例、参考例における「部」は全て「重量部」を示す。 実施例1 化合物(A)10重量部、ニューカルゲンFS-100(ショ
糖脂肪酸エステル、竹本油脂(株))3重量部および水
87重量部を混合し、ダイノミル(KDL型(シンマル
エンタープライゼス(株))、1.0mmガラスビーズ、
充填率80%、周速15m/s)を用いて湿式粉砕し、化
合物(A)懸濁液を得た。化合物(A)懸濁液80部に
ニュ―カルゲンD-3615T(ポリオキシエチレンアルキル
アミン)16部を混合し、水25000部で希釈し、散
布液とした。
【0038】実施例2 化合物(A)懸濁液80部にADJ-8(ポリオキシエチレ
ンアルキルアンモニウム)16部を混合し、水2500
0部で希釈し、散布液とした。
【0039】実施例3 (1)乳化液の調製 カゼインナトリウム0.5部、ポバールPVA-210 0.5
部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1.0部、エ
チレングリコール8.0部、アンチフォームE-20(特殊
シリコンエマルジョン、花王(株))0.2部およびp
−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル0.1部を水32.8部
に混合し、マグネティックスターラーで撹拌して均一に
分散させ、これに混合物A46.9部を加え混合した。
この混合物をダイノミル(KDL型(シンマルエンター
プライゼス(株)、1.0mmガラスビーズ、充填率80
%、周速15m/s)を用いて乳化し、乳化液を得た。 混合物A;ベンスリド原体、ソルベッソ100(芳香族系
有機溶剤、エクソン化学(株))およびアデカサイザー
O-130P(エポキシ化大豆油)の混合溶解物(混合比 ベ
ンスリド原体:ソルベッソ100:アデカサイザー O-130P
=36.9:5:5)。 (2)懸濁液の調製 カゼインナトリウム1.5部、アンチフォームE-20 0.
2部を水38.9部に混合し、マグネティックスターラ
ーで撹拌して均一に分散させた。これに化合物(A)5
9.4部を加え、撹拌した。この混合物をダイノミル
(KDL型(シンマルエンタープライゼス(株)、1.
0mmガラスビーズ、充填率80%、周速15m/s)を用
いて湿式粉砕し、懸濁液を得た。 (3)サスポエマルジョンの調製 乳化液90部、懸濁液10部を混合し、マグネティック
スターラーで撹拌して水性乳化懸濁状除草剤組成物を得
た。
【0040】実施例4 化合物(B)0.25部とニューカルゲンD-3615T 20
部をアセトン200部に溶解し、水4800部で希釈し
て、散布液とした。
【0041】実施例5 化合物(B)0.25部とADJ-8 20部をアセトン20
0部に溶解し、水4800部で希釈して、散布液とし
た。
【0042】参考例1 化合物(A)懸濁液80部を、水25000部で希釈
し、散布液とした。
【0043】参考例2 (1)乳化液の調製 ポバールPVA-210を0.5部から1.0部、水を32.8部
から32.2部、混合物Aを混合物Bに変え、さらに卵
黄レシチンを0.1部添加した以外は実施例3と同様に
して、乳化液を得た。 混合物B;ベンスリド原体およびソルベッソ100の混合
溶解物(混合比 ベンスリド原体:ソルベッソ100=3
6.9:10)。 (2)懸濁液の調製 実施例3と同様にして懸濁液を得た。 (3)サスポエマルジョンの調製 実施例3と同様にしてサスポエマルジョンを得た。
【0044】参考例3 化合物(B)0.25部を、アセトン200部に溶解
し、水4800部に希釈して、散布液とした。
【0045】試験例1 雑草に対する効果試験 直径10cmのジフィーポットTMに約300gの砂質埴
壌土(蒸気滅菌土壌)をつめ、シロクローバーの種子3
0個をまき、0.5cmの覆土後、所定の発育ステージ
になるまで栽培した。2〜6葉期に生育の均一な20個
体とし、これらに1アール当たり、実施例1、2および
参考例1の組成物を、水25リットルの割合でポットの
土壌表面に散布した。薬剤処理2週間後にそれぞれの薬
剤の除草効果を観察によって0(作用なし)〜100
(完全枯殺)で評価した。試験は室内で、2反復で実施
した。試験結果を表1に示した。
【0046】試験例2 雑草に対する効果試験 直径10cmのジフィーポットTMに約300gの砂質埴
壌土(蒸気滅菌土壌)をつめ、ハマスゲの塊茎を5個植
え付け、0.5cmの覆土後、所定の発育ステージにな
るまで栽培した。2〜5葉期に生育の均一な5個体と
し、これらに1アール当たり、実施例3および参考例2
の製剤それぞれ75gを水25リットルの割合で希釈し
てポットの土壌表面に散布した。薬剤処理2週間後にそ
れぞれの薬剤の除草効果を観察によって0(作用なし)
〜100(完全枯殺)で評価した。試験は室内で、2反
復で実施した。試験結果を表1に示した。
【0047】試験例3 雑草に対する効果試験 直径10cmのジフィーポットTMに約300gの砂質埴
壌土(蒸気滅菌土壌)をつめ、カラスムギおよびウマノ
チャヒキの種子30個を、それぞれ別のポットにまき、
0.5cmの覆土後、所定の発育ステージになるまで栽
培した。それぞれの1〜2葉期に生育の均一な20個体
とし、これらに1アール当たり、実施例4、5および参
考例3を5リットルの割合でポットの土壌表面に散布し
た。薬剤処理2週間後にそれぞれの薬剤の除草効果を観
察によって0(作用なし)〜100(完全枯殺)で評価
した。試験は室内で、3反復で実施した。試験結果を表
1に示した。
【表1】 ────────────────────────────────── 試料 除草効果 ─────────────────────────── シロクローバー ハマスゲ カラスムギ ウマノチャヒキ ────────────────────────────────── 実施例1 80 実施例2 73 実施例3 90 実施例4 82 90 実施例5 91 85 ────────────────────────────────── 参考例1 10 参考例2 60 参考例3 18 27 ────────────────────────────────── 表1に示されているように、アルコキシル化脂肪族アミ
ン系界面活性剤、エポキシ化植物油を添加することによ
り、化合物(I)の除草効果が増強されることが分かっ
た。
【0048】
【発明の効果】本発明の除草剤は、除草活性成分の効果
が増強されているので、従来の除草剤に比べて、散布さ
れる除草活性成分量が低減され、薬害の低減、コストの
低減等の効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 65:00)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 【化1】 〔式中、Qは置換基を有していてもよい橋頭に窒素原子
    を有する縮合複素環基を、WはOまたはSを、R1およ
    びR2はそれぞれアルキル基、アルコキシ基またはハロ
    ゲン原子を、ZはCHまたはNを示す。〕で表される化
    合物またはその塩とアルコキシル化脂肪族アミン系界面
    活性剤とを含有してなる除草剤。
  2. 【請求項2】さらにエポキシ化植物油を含有する請求項
    1記載の除草剤。
  3. 【請求項3】液状である請求項1記載の除草剤。
  4. 【請求項4】アルコキシル化脂肪族アミン系界面活性剤
    を除草剤全体に対して約0.001〜50重量%含有す
    る請求項1記載の除草剤。
  5. 【請求項5】式(I)で表される化合物が1−(2−ク
    ロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホ
    ニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イ
    ル)尿素である請求項1記載の除草剤。
  6. 【請求項6】式(I)で表される化合物が1−(2−エ
    チルスルホニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−
    イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジ
    ン−2−イル)尿素である請求項1記載の除草剤。
  7. 【請求項7】式(I) 【化2】 〔式中、Qは置換基を有していてもよい橋頭に窒素原子
    を有する縮合複素環基を、WはOまたはSを、R1およ
    びR2はそれぞれアルキル基、アルコキシ基またはハロ
    ゲン原子を、ZはCHまたはNを示す。〕で表される化
    合物またはその塩を含有する除草剤用であるアルコキシ
    ル化脂肪族アミン系界面活性剤および/またはエポキシ
    化植物油からなる効力増強剤。
  8. 【請求項8】アルコキシル化脂肪族アミン系界面活性剤
    および/またはエポキシ化植物油を配合してなる式
    (I) 【化3】 〔式中、Qは置換基を有していてもよい橋頭に窒素原子
    を有する縮合複素環基を、WはOまたはSを、R1およ
    びR2はそれぞれアルキル基、アルコキシ基またはハロ
    ゲン原子を、ZはCHまたはNを示す。〕で表される化
    合物またはその塩を含有する除草剤の効力増強方法。
  9. 【請求項9】式(I) 【化4】 〔式中、Qは置換基を有していてもよい橋頭に窒素原子
    を有する縮合複素環基を、WはOまたはSを、R1およ
    びR2はそれぞれアルキル基、アルコキシ基またはハロ
    ゲン原子を、ZはCHまたはNを示す。〕で表される化
    合物またはその塩とエポキシ化植物油とを含有してなる
    効力の増強された除草剤。
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