JPH102038A - 建築物における接地電極板及び接地方法 - Google Patents

建築物における接地電極板及び接地方法

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JPH102038A
JPH102038A JP17420896A JP17420896A JPH102038A JP H102038 A JPH102038 A JP H102038A JP 17420896 A JP17420896 A JP 17420896A JP 17420896 A JP17420896 A JP 17420896A JP H102038 A JPH102038 A JP H102038A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集合住宅に無線設備を設置して運用しようと
する場合に、大掛かりな手段を用いることなく、また、
建築物の躯体に損傷を与えることなく良質な高周波接地
を行う。 【解決手段】 高周波接地をするための接地電極板が、
建築物の躯体表面に打設されたコンクリートを介して建
築物の鉄筋または鉄骨鉄筋と容量結合しうるように載置
され、導電的に結合された無線設備の発生する高周波を
当該鉄筋または鉄骨鉄筋に流すために所定の対向面積を
有するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋又は鉄骨・鉄
筋コンクリート造の建築物のベランダや屋上等のコンク
リートスラブに設置し、高周波用の無線設備(無線通信
機およびアンテナ等)を高周波的に接地するための接地
電極および接地方法に関するものである。
【0002】無線通信機の内部には、様々な発振回路が
組み込まれており、これらから発生する高周波が無線通
信機の導電性のシャーシーやケース等に流れ、これがい
わゆる高周波感電の原因となることがある。このような
高周波感電を防止するためには、良質な高周波接地が必
要である。
【0003】さらに、良質な高周波接地が必要であるこ
とは、アンテナについても同じである。各種の業務無線
やアマチュア無線の交信等のために広く用いられるもの
として接地アンテナがある。この接地アンテナとは、無
線送信機の出力端子またはフィーダー先端の片側を大地
に接続し、そのアンテナ電流の帰路が大地を通るように
したもののことをいう。このような接地アンテナの接地
が不十分であると接地抵抗による損失が大きくなり、そ
の結果、アンテナ効率の大幅な低下を招くことになる。
したがって、良質の高周波接地を行うこと、すなわち、
接地抵抗を小さくすること、ができるかどうかにより接
地アンテナの性能が大きく左右されることになる。
【0004】しかし、良質な接地を行うことは必ずしも
容易なことではない。特に、乾燥地、砂地や岩石の多い
土地においては、良質な埋設接地(深掘接地、多重接地
等)を行うことが極めて困難である。このような場合に
は、カウンターポイズという接地手段が用いられること
が多い。
【0005】このカウンターポイズとは、地上に大地と
絶縁した導線を平行に張り、大地との間の静電容量を利
用して間接に接地したもののことをいい、これを良好に
動作させるためには、一般に、その導線の長さが1/4
λ(ラムダ:波長)であることが必要である。また、こ
の導線網の先端が高電位となるため、人が触れて高周波
感電することがないように、地上2〜3メートルの高さ
に張るようにしなければならない。
【0006】一方、ビルとかアパートやマンション等の
集合住宅(以下、単に「集合住宅」と略称する)などに
おいても、無線設備を設置したいという要望が多い。特
に、集合住宅等に住むアマチュア無線の愛好家にとっ
て、与えられたスペースというのはベランダ位しかな
く、この限られたスペース内に建てられるアンテナとし
て接地アンテナはたいへん重宝である。
【0007】しかし、一般に集合住宅において良好な高
周波接地を行うことは、大地の上でのそれよりさらに困
難が伴う。一般に、接地アンテナのアースリード(接地
線)が長すぎると(1/8λ以上)、その部分のインピ
ーダンスが高くなり、接地効果をまったく期待できな
い。従って、高い階(たとえば、3階以上)に設置され
た接地アンテナの接地端を長いアースリードを介して直
接大地に接地したとしてもそのアンテナを効率良く働か
せることはできない。
【0008】また、仮に前述したようなカウンターポイ
ズを使用するとしても、集合住宅のベランダ上におい
て、1/4λ(たとえば、周波数7MHz(メガヘル
ツ)の場合に約20メートル)程度の導線網を床面から
2〜3メートルの高さに張ることはほぼ不可能である。
また、ベランダに打設されたコンクリートを壊して埋設
されている鉄筋や鉄骨に直接接地することも考えられる
が、このようなことを集合住宅、特にマンションに居住
する者が行うことは技術的には可能であっても、隣人と
の兼ね合いや法律的な理由から実際には不可能である。
【0009】さらに、ベランダ手摺に接地する方法もあ
るが、この方法は必ずしも確実なものではない。なぜな
ら、旧来の集合住宅に設けられたベランダ手摺はスラブ
筋等に直接溶接されていたので、アースリードをこれに
接続することにより良質な接地とすることができた。し
かし、近年の集合住宅におけるベランダ手摺は、ベラン
ダスラブのコンクリート部に埋設されたアンカーボルト
に固定されているものがほとんどである。このように、
近年のベランダ手摺は、電気的にスラブ筋と隔離されて
いるため良質の接地効果を期待することはできない。仮
に、ベランダ手摺がスラブ筋と導電的に接続されていた
としても、アースリードを接続するためにその表面の塗
装を剥がす必要があったので、建物の損傷を招くという
見地から好ましいものではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する技術的課題は、上述したような問題を解消するもの
であって、集合住宅に無線設備を設置して運用しようと
する場合に、カウンターポイズのように大がかりな手段
を用いたり、コンクリートを壊して既存の建築物に損傷
を与えたりすることなく良質な高周波接地を得ようとす
ることにある。
【0011】上述した課題を解決するために発明者は、
まず、大地と等価または大地と容量的若しくは導電的に
接続されている上記電気的ケージが、誘電体としての性
質を有するコンクリートに埋設されているという事実に
着目した。そして、このコンクリートの上に接地電極を
載置し、これを一方の電極として鉄筋や鉄骨を他方の電
極とし、両者間に介在するコンクリートを誘電体とする
コンデンサ状構造体を構成させれば、容量結合による高
周波接地を実現できるのではないかと考えた。
【0012】このような考えに基づき実験を重ねた発明
者は、カウンターポイズのような線材ではなく、所定の
対向面積を鉄筋や鉄骨に対して有する接地電極板を鉄筋
や鉄骨が埋設されているコンクリートスラブの上に載置
することにより、良質な高周波接地を行うことができる
ことを突き止めた。本発明は、このような知見に基づい
てなされたものである。
【0013】すなわち、請求項1記載の発明は、接地電
極板を、鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリー
ト造の建造物の躯体表面に載置してその躯体表面に打設
されているコンクリートを介してその建造物に埋設され
ている鉄筋や鉄骨と容量結合し得るようにし、この接地
電極板と導電的に接続された無線設備の発生する高周波
をこれらの鉄筋や鉄骨に流すために所定の対向面積をこ
の接地電極板が有する、という構成を採用している。
【0014】なお、本明細書における「接地電極板」と
は、導電性の板であって接地電極として使用でき無線機
器と導電的に接続できるものであればどのようなもので
もよく、その材質や形状さらに絶縁被覆の有無等につい
てなんらの制限もない。そのようなものとして、たとえ
ば、銅やアルミニウム製の金属板や、これらの金属板を
絶縁被覆したものなどがある。また、板だけでなく、実
質的に板状を構成するもの、たとえば、細い金属線を網
目に編んだり、放射状に並べたりしたものなども含む。
同様に「無線設備」とは、無線電信、無線電話その他電
波を送り、または受けるための電気的設備(たとえば、
無線通信機)のことをいい、アンテナ及びその付属品
(たとえば、アンテナと無線通信機との間のインピーダ
ンス整合をはかるためのアンテナチューナー)等を含み
高周波を発生させ、または、通過等させるもののすべて
を含む概念である。
【0015】さらに、本明細書における「対向面積」と
は、建造物に埋設されている鉄筋や鉄骨と向かい合って
コンクリートを誘電体とするコンデンサ状構造を実質的
に構成するための有効面積のことをいう。同様に、上記
した対向面積が「所定の」とされているのは、接地しよ
うとする高周波の周波数と目標とする接地抵抗の値によ
り接地電極板の対向面積が定められる、という趣旨であ
る。すなわち、高周波電流がコンデンサを流れるときの
インピーダンスは、高周波の周波数およびコンデンサの
静電容量に反比例するわけであるから、高周波の周波数
の高低に応じてコンデンサの静電容量すなわち接地電極
板の対向面積が定められる、ということである。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の構成に加え、接地電極板が面積可変構造体から構成
される、という構造を採用している。このような構造を
採用したのは、上述した高周波の周波数の高低等に応じ
て対向面積を増減して必要とする静電容量を得たり、ま
た、対向面積はそのままでも設置場所の形状等に応じて
接地電極板の形状を自由に変化させたりできるようにす
るためである。なお、本明細書において「面積可変構造
体」とは、たとえば、一枚の接地電極板を裁断したり、
複数の接地電極を導電的につなぎ合わせたりして、その
大きさや形状を自由に変化させることができるもののこ
とをいう。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明の構成に加え、接地電極板の表面に面積表示
部が設けられ、これにより接地電極板の対向面積を算出
できるような構成を、採用している。本明細書における
「面積表示部」とは、接地電極板の対向面積を算出でき
るようなものであればどのようなものでもよく、そのよ
うなものとして、たとえば、接地電極板の表面に方眼紙
のような網目模様を描いておいてその網目の数を数える
ことにより対向面積を算出できるようにしたものがあ
る。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
いずれか記載の発明の構成に加え、接地電極板が少なく
とも部分的にフレキシブル材により構成されている、と
いう構造を採用している。本明細書において「フレキシ
ブル材」とは、導電性があり柔軟な材料であればどのよ
うなものでもよく、そのようなものとして、たとえば薄
い銅板やアルミニウム板などがある。なお、「少なくと
も部分的に」とあるのは、接地電極板全体をフレキシブ
ル材で構成してもよいが、設置場所の形態等に応じて部
分的な構成としてもよい、という趣旨である。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
いずれか記載の発明の構成に加え、接地電極板の裏側、
すなわち、コンクリートと面する側に両面接合材が設け
られ、これによりコンクリート部に接地電極板を取り付
けたり取り外したりすることができる、という構造を採
用している。このような構造を採用することにより、接
地電極板を床面に載置したときにはズレ止めとして、ま
た、壁面に載置したときは落下止めとして、両面接合材
が作用する。
【0020】請求項6記載の発明は、接地方法について
の発明であって、鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コ
ンクリート造の建築物の躯体表面に打設されたコンクリ
ート上に、埋設されている鉄筋または鉄骨鉄筋に対して
所定の対向面積を有する接地電極板を載置して、これと
鉄筋または鉄骨鉄筋とコンクリート部を介して容量結合
させ、これにより、接地電極板と導電的に接続された無
線設備が発生する高周波電流を鉄筋または鉄骨鉄筋へ流
す、という構成を採用している。
【0021】
【発明の実施形態】次に、本発明における接地方法とそ
れに用いる接地電極板について、各図を参照しながら説
明する。図1は地中に埋設された建築構造体を示す概略
図であり、図2は集合住宅であるマンションのベランダ
の床に接地電極板を載置した状態を示す概略断面図であ
る。図3は図2の部分拡大図であり、図4は図3を電気
的に表した等価回路である。図5は、接地電極板の変形
例を示す斜視図である。
【0022】まず、図1に基づき、集合住宅の構造につ
いて考察する。集合住宅10は、鉄筋又は鉄骨・鉄筋コ
ンクリート造のものがほとんどであり、このような鉄筋
や鉄骨は、建物の躯体全体にわたって縦横に網状に張り
巡らされた状態で躯体表面に打設されたコンクリート1
3に埋設されている。これらの鉄筋や鉄骨が、溶接等の
所定の結合手段によって互いに構造的に結合されるとと
もに電気的にも結合され、これにより建築構造体11が
構成されている。
【0023】もとより、鉄筋や鉄骨の材料自体は高い導
電性を有していて低い電気抵抗で互いに結合されている
ことから、建築構造体11を電気的特性の観点からいう
と、巨大な電気的ケージ(かご)であるとみなすことが
できる。すなわち、集合住宅10とは、建築構造体であ
る電気的ケージ11を、絶縁体であるコンクリート13
の中に埋設させたものであるとみなすことができるので
ある。
【0024】そして、高周波の波長に比べて集合住宅が
充分に大きいものであるため、電気的ケージ11も同様
に充分に大きいものであるといえる。このため、電気的
ケージ11は、その高周波に対して大地と等価とみなす
ことができる。一方、基礎部分のコンクリート13を介
して大地12に埋設された電気的ケージ11は、絶縁体
であるコンクリート13を介して大地12と容量結合さ
れていることにもなる。また、基礎部分のコンクリート
13は水分を含んでいて、そこにひび割れた部分から進
入した水が加わり、本来は絶縁体であるコンクリート1
3が良導体として作用する場合もある。何れにしろ電気
的ケージ11は、実質的に大地12と高周波的に接続さ
れていることに変わりはない。
【0025】次に、図2に基づいて、鉄筋コンクリート
造の集合住宅に設けられたベランダについて考察する。
符号15は鉄筋コンクリート造の躯体を、符号16は躯
体15の一部をなすベランダをそれぞれ示している。ベ
ランダ16は、鉄筋コンクリートのスラブ17と、手摺
壁18とから構成されており、躯体15のコンクリート
と一体構造をなしている。手摺壁18の壁筋22の下端
はスラブ筋21の一端に結束され、スラブ筋21の他端
は躯体15の壁筋20に結束されている。なお、図2に
はベランダ16のスラブ筋21、壁筋22はともに複鉄
筋として配筋された状態を示しているが、スラブ筋2
1、壁筋22が単鉄筋の場合でも同様の効果が得られる
ことはいうまでもない。
【0026】すなわち、壁筋20,22およびスラブ筋
21は、建築物全体に張り巡らされた鉄筋と構造的に結
合されているとともに低い抵抗をもって電気的にも互い
に連結され、電気的ケージ11の一部分を構成してい
る。そして、このような電気的ケージ11が大地と等価
にみなされ、または、または直接間接に大地と接続され
ている。
【0027】ここで、図2および3に基づいて接地電極
板について説明する。接地電極板1は、所定の対向面積
Sを有する薄いアルミニウム板により構成され、接地電
極板1の一端にはアースリード2の一端が導電的にねじ
結合されている。本実施形態において薄いアルミニウム
板が接地電極板1に用いられているのは、その入手が比
較的容易であり、かつ、安価であること、さらに、錆び
にくいため屋外の設置に適すること等の理由に加え、フ
レキシブルに変形するので設置場所の形態に応じ接地が
できる等のためである。この他にも、銅板や真鍮板など
を用いることもでき、このような場合には、アースリー
ド2等を直接半田付けすることができるのでたいへん便
利である。
【0028】上述したような接地電極板を1を、図2に
示すように、ベランダ16のスラブ17の上に載置した
り、手摺壁18の上にかぶせるように載置したりするこ
とにより、スラブ17を介してスラブ筋21と容量結合
させ、アースリード2の開放端に接続された無線設備8
(図4参照)の発生する高周波をスラブ筋21へ流すよ
うになっている。
【0029】すなわち、接地電極板1とスラブ筋21と
は、両者間に挟まれたコンクリート17を絶縁体とする
コンデンサ構造を形成していて、両者が高周波電流に対
して容量結合されるようになっている。接地電極板1
は、アースリード2を介して無線設備(たとえば、アン
テナチューナーのアース端子)と導電的に接続され、こ
れにより無線設備が発生する高周波電流をスラブ筋21
(電気的ケージ11)へ高周波接地できるようになって
いる。
【0030】図3及び4を参照しながら、さらに詳しく
説明する。図3に示すように、接地電極板1は、網目状
に張り巡らされたスラブ筋21に対して対向面積Sを有
し、図4に示すように無線設備8が発生する高周波電流
を矢印で示すように電気的ケージ11に接地できるよう
になっている。
【0031】発明者の実験によれば、対向面積1平方メ
ートルのアルミニウム板をベランダの上に載置してその
静電容量を測定したところ、約2000pF(ピコファ
ラッド)という数値を得た。このときのコンクリートの
厚み(表面からスラブ鉄筋までの距離)は、約3センチ
メートルであった。ここで、接地抵抗(インピーダン
ス)を50Ω(オーム)以下を目標とした場合の実用性
について考察する。アースリード等の抵抗分を無視する
と、接地抵抗は、コンデンサの容量リアクタンス分だけ
であるから、たとえば、高周波の周波数を7MHzとし
たときのインピーダンスは数1に示す式により導かれ
る。
【0032】
【数1】Z=1/2πfωC (f:周波数、ωC:容量
リアクタンス)
【0033】ここで、fに7MHz、Cに2000pF
をそれぞれ代入して計算すると、インピーダンスZは、
約11Ωということになり目標値である50Ωを下回り
十分に実用になることがわかる。また、アマチュア無線
に使用される周波数帯のうちもっとも低い1.9MHz
帯において上記と同様な計算を行うと、インピーダンス
Zは約42Ωということになり、この場合も十分に実用
になることがわかる。ベランダ上のスペースに余裕があ
れば、対向面積のさらに広い接地電極板を使用するとよ
い。広くした分だけインピーダンスを低くすることがで
きるからである。
【0034】すなわち、静電容量Cは、数2に示すよう
に、両電極の対向面積Sに比例し、両電極間の距離Dに
反比例するようになっているので、対向面積Sを広くす
ることにより静電容量Cを増加させることができ、その
結果、数1から明らかなように広くした分だけインピー
ダンスを小さくすることができる。
【0035】
【数2】C=K・S/D(K:比例定数、S:対向面
積、D:両電極間の距離)
【0036】次に、本発明にかかる実施形態の変形例に
ついて説明する。本実施形態における接地電極板は、図
5に示すように、接地電極板1の対向面積が可変できる
ように構成されている。すなわち、接地電極板1は、第
1の電極板3と第2の電極板4から構成され、両者は導
電的な関係を保ちながら互いにスライドできるようにな
っている。このように構成することにより、両電極板3
および4により合成される対向面積を自由に変えること
ができる、というわけである。なお、本実施形態におい
ては、接地電極板1を2枚の電極板により構成している
が、これに限る必要はない。面積可変構造を持つ1枚の
接地電極板により構成したり、3枚以上の電極板により
構成することもできる。要するに、接地電極板の対向面
積を所望の面積に変更することができるものであれば、
どのようなものでもよい。
【0037】また、図5に示すように、接地電極板1の
表面には、面積表示部5および6が設けられている。面
積表示部5,6には、方眼紙のような網目模様が印刷さ
れ、これらの網目の数を数えることにより接地電極板1
の対向面積を算出できるようになっている。このような
面積表示部5,6を設けることにより、接地電極板1と
スラブ筋61との間の静電容量を概算することができ、
接地抵抗の値を推測する上でたいへん便利である。
【0038】また、本実施形態における接地電極板1
は、フレキシブル材である薄いアルミニウム板で構成さ
れているので、平坦な場所でなくても設置され得るよう
になっている。すなわち、接地電極板1を載置する場所
が、平坦でなく凹凸や起伏を持つ状態であるような場合
であっても、そのような状態に合わせて載置できるよう
になっている。なお、本実施形態においては、接地電極
板1全体をフレキシブル材で構成しているが、必要に応
じて部分的な構成としてもよい。たとえば、接地電極板
の両端を固い銅板により構成し、その中央部をフレキシ
ブルな導電シートなどにより構成することもできる。
【0039】さらに、本実施形態においては、図5にお
いて符号7で示すように、両面接合材が接地電極板1の
裏面に取り付けられている。両面接合材7は、接地電極
板1を床や壁などのコンクリート面に取り付けたり取り
外したりできるようにするためのものである。両面接合
材7は、必要に応じて取り付ければ足りるが、取り付け
ることにより、接地電極板1を垂直な壁面(たとえば、
手摺壁)等に取り付けることができるようになり、ま
た、載置したときのズレを防止できるようにもなり、た
いへん便利である。
【0040】次に、図2に戻り、接地電極板1の他の設
置方法について説明する。図2には、3種類の設置例を
示してある。すなわち、ベランダ16の床面の上に載置
されたものの他に、手摺壁18の上に布団を干すような
状態で被せるように載置されたもの、そして、壁面とベ
ランダの両者に渡って折り曲げられた状態で載置された
ものを示してある。接地電極板1の設置方法がこれらに
限られるものではないことは言うまでもなく、電気的ケ
ージ11を構成するスラブ筋21や壁筋22等とコンク
リート17を介して容量結合し得るような方法であれば
どのようなものでもよい。ベランダに限らず、屋上面や
外壁等を利用してもよく、また、屋外だけでなく屋内
(室内)の床面や壁面等を利用することもできる。
【0041】
【発明の効果】本発明にかかる設置電極板および設置方
法を使用することにより、集合住宅に無線設備を設置し
て運用しようとする場合に、カウンターポイズのような
大掛かりな手段を用いたり、コンクリートを壊すような
既存の建築物に損傷を与えたりすることなく良質な高周
波設置を行うことができる。これにより、集合住宅にお
いて業務無線やアマチュア無線等を運用しようとする場
合に、その無線設備をこれまで以上に効率よく作動させ
ることができ、また、無線設備が発生する不要な輻射を
抑制することができるので、高周波感電や近隣のテレビ
や電話機等に電波障害を与えることを防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】地中に埋設された建築構造体を示す概略図であ
る。
【図2】集合住宅であるマンションのベランダの床の上
に接地電極板を載置した状態を示す概略断面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】図3を電気的に表した等価回路である。
【図5】接地電極板の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 接地電極板 2 アースリード 3 第1の電極板 4 第2の電極板 5 面積表示部 6 面積表示部 7 両面接合材 8 無線設備 10 集合住宅 11 建築構造体(電気的ケージ) 12 大地 13 コンクリート 15 躯体 16 ベランダ 17 コンクリートスラブ 18 手摺壁 20 壁筋 21 スラブ筋 22 壁筋

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コン
    クリート造の建築物の躯体表面に打設されたコンクリー
    トを介して当該鉄筋または当該鉄骨鉄筋と容量結合し得
    るように載置され、 導電的に結合された無線設備の発生する高周波を当該鉄
    筋または鉄骨鉄筋に流すために所定の対向面積を当該鉄
    筋または当該鉄骨鉄筋に対して有するように構成されて
    いることを特徴とする建築物における接地電極板。
  2. 【請求項2】 当該接地電極板が、面積可変構造体から
    構成されていることを特徴とする請求項1記載の接地電
    極。
  3. 【請求項3】当該接地電極板の表面に面積表示部が設け
    られ、これにより当該接地電極板の対向面積を算出でき
    るように構成されていることを特徴とする請求項1又は
    2記載の接地電極。
  4. 【請求項4】 当該接地電極板が、少なくとも部分的に
    フレキシブル材により構成されていることを特徴とする
    請求項1ないし3記載の接地電極。
  5. 【請求項5】 当該接地電極板の裏面に両面接合材が設
    けられ、これにより当該コンクリート部に当該接地電極
    板を取り付け取り外しできるように構成されていること
    を特徴とする請求項1ないし4記載の接地電極。
  6. 【請求項6】 鉄筋又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建造
    物の躯体表面に打設されたコンクリート上に当該鉄筋又
    は鉄骨鉄筋に対して所定の対向面積を有する接地電極板
    を載置して当該鉄筋又は鉄骨鉄筋と当該コンクリートを
    介して容量結合させ、 当該接地電極と導電的に接続された無線設備の発生する
    高周波を当該鉄筋又は鉄骨鉄筋へ流す建築物における接
    地方法。
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