JPH10203496A - 人工衛星の高安定度姿勢制御装置 - Google Patents

人工衛星の高安定度姿勢制御装置

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JPH10203496A
JPH10203496A JP9014274A JP1427497A JPH10203496A JP H10203496 A JPH10203496 A JP H10203496A JP 9014274 A JP9014274 A JP 9014274A JP 1427497 A JP1427497 A JP 1427497A JP H10203496 A JPH10203496 A JP H10203496A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外乱により衛星姿勢角が大きく変動した場合で
も、アクチュエータを飽和させず、姿勢角速度を一定範
囲に抑制しながら高精度な姿勢制御を実現する。 【解決手段】異なる制御性能(帯域,利得,動作範囲な
ど)の複数の姿勢制御器6〜9から、制御出力信号切り
替えスイッチ3が衛星姿勢角誤差信号a及び姿勢制御指
令信号bにより最適なものを選択し、衛星姿勢角速度の
増大を抑制しながら制御する。外乱がない安定時は最も
性能のよい姿勢制御器9を使用しており、大きな外乱が
発生し姿勢角誤差が増え姿勢制御指令信号bが飽和限界
値を超えると、動作範囲の広い姿勢制御器6へと順次切
り替える。外乱が収まり姿勢角誤差が減少する際は、衛
星姿勢角誤差信号aにより順次性能のよい姿勢制御器9
へ切り替えると共に、衛星姿勢角誤差信号aの変動速度
が上限値を超えると逆方向への切り替えを行い、下限値
を割ると元に復元して角速度の変動を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人工衛星の姿勢制御
装置に関し、特に搭載機器の駆動や外乱などの影響に対
して姿勢角誤差の急激な変動を抑えながら高精度な姿勢
制御を実現するための人工衛星の高安定度姿勢制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に人工衛星の姿勢制御装置では、単
一の姿勢制御器,センサ及びアクチュエータによって衛
星の姿勢を制御する構成となっている。具体的には、姿
勢角センサによって検出した衛星姿勢角と目標姿勢角と
の差から姿勢角誤差を求め、各姿勢制御軸に対して、姿
勢角誤差信号を入力として線形動作をする姿勢制御器が
生成する制御信号で姿勢制御用アクチュエータを駆動
し、衛星姿勢角があらかじめ設定した目標姿勢角となる
ように制御している。
【0003】このような人工衛星の姿勢制御装置では、
姿勢制御器が姿勢角誤差に基づいて制御信号を生成する
構成となっており、姿勢角誤差を小さくして高精度な姿
勢制御を達成するためには、姿勢制御器は微小な入力信
号に対して高感度に応答しながら制御信号を発生するこ
とが必要となる。しかし、姿勢制御器の特性をこのよう
に設計すると、何らかの原因で大きな姿勢角誤差が生じ
た場合には、この姿勢制御器から大きな制御信号が発生
してしまうため、衛星姿勢角の急激な変化や姿勢制御用
アクチュエータ出力の飽和を招き、制御過程において衛
星姿勢角速度が大きくなるばかりでなく、姿勢制御用ハ
ードウェアの耐久性にも影響を及ぼしてしまうことにな
る。
【0004】人工衛星の姿勢制御においては、上述した
衛星姿勢角誤差をできるだけ小さくする高精度制御の要
求と、姿勢制御用アクチュエータの出力を制限して衛星
に過大な応力を発生させない配慮に加え、ミッション機
器の安定な動作のために衛星姿勢角速度を所定値以下に
抑制して姿勢を安定化することが要求される場合があ
る。すなわち、姿勢角誤差を最小にすると同時に姿勢角
誤差の変動速度(衛星姿勢角速度)を一定値以下にして
衛星姿勢を安定化させることが望まれる。衛星に搭載可
能な実際の姿勢制御用アクチュエータでは、即応性の点
で十分な性能が得られないため、大きな外乱が急激に加
わった場合には大きな姿勢角誤差の発生が避けられな
い。この場合、線形動作をする単一の姿勢制御器により
姿勢制御を実施している限り、姿勢角誤差に比例した制
御信号により姿勢制御用アクチュエータを駆動して目標
姿勢に収束させようとするため、姿勢角誤差が大きくな
ればなるほど衛星姿勢角速度も大きくなり、姿勢安定化
という観点からは離れた動作をしてしまう結果となる。
【0005】従来の人工衛星の姿勢制御装置としては、
上述したように、線形動作をする単一の姿勢制御器を使
用するのが一般的であるが、特開平2―18197号公
報および特開平2―77399号公報には、非線形な動
作をさせる例が開示されている。上記公報の姿勢制御装
置においては、姿勢センサの出力が事前に設定した飽和
値を超えた場合に姿勢制御器への姿勢角誤差信号入力を
一定値に固定するものであり、大きな姿勢角誤差が生じ
た場合に姿勢制御用アクチュエータ出力の飽和を防ぎ、
姿勢角誤差を早急に減少させる効果は期待できるが、姿
勢安定度は考慮されておらず衛星姿勢角速度を抑制する
機能はない。
【0006】又、特開昭63―130498号および特
開昭64―47699号公報には、人工衛星に付属する
太陽電池パドルなどの構造物の柔軟振動の影響を抑制す
るため、構造物の衛星本体に対する相対位置(角度)を
検出し、その出力に応じて衛星姿勢制御用の姿勢制御器
のゲイン等を切り替える装置が開示されている。図2
は、特開昭64―47699号公報の人工衛星の姿勢制
御装置の原理を示したブロック図である。図2におい
て、角度検出器107は衛星が軌道を1周する間に衛星
本体に対して相対的に1回転する太陽電池パドル105
の位置(角度)の検出器、セグメントスイッチ106は
太陽電池パドル105の各象限上の90度ごとの位置を
検出しスイッチ108を切り替えるスイッチであり、太
陽電池パドル105の回転に伴いセグメントスイッチ1
06により可変増幅器109,110を切り替えると共
に、角度検出器107の出力で可変増幅器109,11
0及び可変フィルタ111を制御し、コントローラ10
2,アクチュエータ103,ダイナミックス104及び
姿勢センサ101で構成される姿勢制御系の安定動作を
確保しながら制御精度を高めようとするものである。こ
の方式は、検出した柔軟構造物の状態から姿勢制御系の
ゲインや周波数特性を設定し直し、柔軟構造物の共振周
波数の姿勢制御特性への干渉を除去するものであり、姿
勢制御精度の向上は達成されても姿勢安定化については
全く考慮されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、人工
衛星の姿勢制御においては、姿勢角誤差を小さくする高
精度制御の要求に加え、姿勢角誤差の急激な変動を抑制
し衛星姿勢の安定度を向上させることが要求されること
がある。これに対し、単一の姿勢制御器で制御精度を向
上させようとすると、大きな姿勢角誤差が生じた場合に
は衛星姿勢角速度も大きくなり衛星姿勢の安定度は劣化
してしまう。特開平2―18197号公報および特開平
2―77399号公報に開示されているように非線形な
動作を導入しても、単一の姿勢制御器を使用している限
りは制御精度と姿勢安定化の双方で満足できる性能を得
ることは難しい。
【0008】本発明の目的は、搭載機器の駆動や外乱な
どの影響に対して姿勢角誤差の急激な変動を抑えながら
高精度な姿勢制御を実現するための人工衛星の高安定度
姿勢制御装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の人工衛星の高
安定度姿勢制御装置は、姿勢センサにより計測した衛星
姿勢角と目標姿勢角との差から算出した衛星姿勢角誤差
信号に基づいて姿勢制御用アクチュエータを駆動して人
工衛星の姿勢を制御する人工衛星の姿勢制御装置におい
て、前記衛星姿勢角誤差信号から前記姿勢制御用アクチ
ュエータに入力する姿勢制御指令信号を生成するための
制御特性や構成の異なる複数の姿勢制御器と、少なくと
も前記衛星姿勢角誤差信号の大きさ及び変動速度を検出
してあらかじめ定めた基準と比較して前記複数の姿勢制
御器の一つを選択し前記姿勢制御用アクチュエータに切
り替え接続する制御出力信号切り替えスイッチとを備
え、衛星姿勢角速度の変動を抑制しながら高精度な姿勢
制御を行うように構成されている。
【0010】請求項2の人工衛星の高安定度姿勢制御装
置は、請求項1記載の人工衛星の高安定度姿勢制御装置
において、前記制御出力信号切り替えスイッチが、1サ
ンプリング周期前に検出した衛星姿勢角誤差信号と今回
検出した衛星姿勢角誤差信号とから姿勢角誤差の変動速
度を算出する速度算出機能と、衛星姿勢角誤差信号の大
きさが増加してあらかじめ設定された増加時境界値を超
えたときそれまで使用していた姿勢制御器を一段階性能
の低い姿勢制御器に切り替える第1の切り替え機能と、
衛星姿勢角誤差信号の大きさが減少してあらかじめ設定
された減少時境界値を超えたときそれまで使用していた
姿勢制御器を一段階性能の低い姿勢制御器に切り替える
第2の切り替え機能と、衛星姿勢角誤差信号が減少方向
にあり姿勢角誤差の変動速度があらかじめ設定された上
限値を超えたときそれまで使用していた姿勢制御器を一
段階性能の低い姿勢制御器に切り替える第3の切り替え
機能と、衛星姿勢角誤差信号が減少方向にあり前記第3
の切り替え機能による切り替えが行われた後に姿勢角誤
差の変動速度があらかじめ設定された下限値を割ったと
きそれまで使用していた姿勢制御器を一段階性能の高い
姿勢制御器に切り替える第4の切り替え機能とを備えた
ことを特徴としている。
【0011】請求項3の人工衛星の高安定度姿勢制御装
置は、請求項2記載の人工衛星の高安定度姿勢制御装置
において、前記制御出力信号切り替えスイッチが、前記
第1の切り替え機能に代え、前記姿勢制御用アクチュエ
ータへの姿勢制御指令信号があらかじめ設定された飽和
限界値を超えたときそれまで使用していた姿勢制御器を
一段階性能の低い姿勢制御器に切り替える第5の切り替
え機能を備えたことを特徴としている。
【0012】請求項4の人工衛星の高安定度姿勢制御装
置は、請求項1,2又は3記載の人工衛星の高安定度姿
勢制御装置において、前記制御出力信号切り替えスイッ
チの出力側に前記姿勢制御用アクチュエータへ入力され
る姿勢制御指令信号の大きさを制限するリミッタを挿入
したことを特徴としている。
【0013】請求項5の人工衛星の高安定度姿勢制御装
置は、請求項1,2又は4記載の人工衛星の高安定度姿
勢制御装置において、前記制御出力信号切り替えスイッ
チ及び複数の姿勢制御器に入力される衛星姿勢角誤差信
号の大きさをあらかじめ設定された値以下に制限するリ
ミッタを設けたことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施形態の構成を示す
ブロック図である。
【0016】図1において、1は衛星ダイナミックス、
2は姿勢制御用アクチュエータ、3は制御出力信号切り
替えスイッチ、4は姿勢センサ、5は姿勢角誤差検出
器、6〜9は回路構成および制御特性の異なる姿勢制御
器であり、人工衛星に搭載された地球センサなどの姿勢
センサ4によって検出される衛星姿勢角をもとに姿勢角
誤差検出器5が生成する衛星姿勢角誤差信号a及び姿勢
制御用アクチュエータ2に入力される姿勢制御指令信号
bにより、制御出力信号切り替えスイッチ3が姿勢制御
器6〜9を選択し、衛星ダイナミックス1にトルクを与
えることにより、衛星姿勢角速度の増加を抑制しながら
高精度な姿勢制御を行うものである。
【0017】ここで、姿勢制御器6〜9は、姿勢センサ
4の検出範囲を考慮した上で、様々な状況に対応できる
よう異なる制御特性(制御帯域,利得,動作範囲など)
を持ち構成の異なる制御器であり、姿勢制御器6は単純
な構成のP制御器、姿勢制御器7は姿勢制御器6に微分
特性を加えることでより高性能化したPD制御器、姿勢
制御器8は更に積分特性を加えた低帯域PID制御器、
姿勢制御器9は姿勢制御器8よりも制御性能の高い高帯
域PID制御器である。
【0018】制御出力信号切り替えスイッチ3は、姿勢
角誤差検出器5からサンプリング周期ごとに入力される
衛星姿勢角誤差信号a及び姿勢制御用アクチュエータ2
へ出力する姿勢制御指令信号bを常時監視しており、そ
の状態により選択する姿勢制御器を姿勢制御器6から姿
勢制御器9へ、又は逆に姿勢制御器9から姿勢制御器6
へと順に切り替える。以下、制御出力信号切り替えスイ
ッチ3の構成および動作について詳細に説明する。
【0019】制御出力信号切り替えスイッチ3は、1サ
ンプリング周期前に検出した衛星姿勢角誤差信号a0と
今回検出した衛星姿勢角誤差信号a1とから姿勢角誤差
の変動速度を算出し、姿勢角誤差が減少方向にありその
変動速度があらかじめ設定された下限値を割った場合に
は、それまで使用していた姿勢制御器を一段階性能の高
い姿勢制御器に(例えば、姿勢制御器6から姿勢制御器
7に)切り替え、逆に変動速度があらかじめ設定された
上限値を超えた場合には、それまで使用していた姿勢制
御器を一段階性能の低い姿勢制御器に(例えば、姿勢制
御器8から姿勢制御器7に)切り替えるように構成され
ている。又、姿勢制御指令信号bに対しては、姿勢制御
用アクチュエータ2の性能を考慮してあらかじめ設定さ
れた飽和限界値を超えた場合に、それまで使用していた
姿勢制御器を一段階性能の低い姿勢制御器に切り替え、
姿勢制御用アクチュエータ2の飽和を防ぐように構成さ
れている。
【0020】このように構成された制御出力信号切り替
えスイッチ3は、外乱がなく衛星姿勢角誤差信号aが0
に近い状態の場合は、最も制御性能のよい姿勢制御器9
を選択し高精度な姿勢制御を行っている。この状態で大
きな外乱が発生した場合、姿勢角誤差の増大を抑制する
最適な制御が行われるにも係わらず姿勢角誤差が増大
し、それに従って姿勢制御指令信号bが増大する。姿勢
制御指令信号bが増加し飽和限界値を超えると、制御出
力信号切り替えスイッチ3は姿勢制御器9を姿勢制御器
8に切り替えて姿勢制御用アクチュエータ2の飽和を防
ぎ、姿勢制御器8の性能範囲で姿勢角誤差の増大を抑制
する。外乱が継続し更に姿勢角誤差が増大して姿勢制御
指令信号bが飽和限界値を超えると、制御出力信号切り
替えスイッチ3は姿勢制御器8を姿勢制御器7に切り替
えて姿勢制御用アクチュエータ2の飽和を防ぐ。更に姿
勢角誤差が増大した場合には、同様にして姿勢制御器7
から姿勢制御器6への切り替えが行われる。このように
して、姿勢制御器および姿勢制御用アクチュエータ2の
飽和を避け大きな姿勢角誤差まで対応することが可能と
なる。なお、図1には示していないが、姿勢制御器6を
使用している場合でも姿勢制御用アクチュエータ2の飽
和を発生させないためには、制御出力信号切り替えスイ
ッチ3と姿勢制御用アクチュエータ2との間にリミッタ
を挿入すればよい。
【0021】次に、大きな外乱が収まり、発生した姿勢
角誤差を0に収束させる場合の動作を説明する。姿勢制
御器6に切り替えられた状態で外乱がなくなると、姿勢
角誤差は減少を始め誤差の減少速度は増加するが、姿勢
角誤差が減少するにつれ姿勢制御用アクチュエータ2が
発生する駆動トルクも減少する。このことは、姿勢角誤
差の収束を迅速に行うためには望ましくない。そこで、
姿勢角誤差が減少して姿勢制御器6よりも利得が高く性
能のよい姿勢制御器7の動作範囲に入ると、制御出力信
号切り替えスイッチ3がこれを検出して姿勢制御器6か
ら姿勢制御器7へ切り替える。これにより姿勢制御指令
信号bが増加し姿勢制御用アクチュエータ2の駆動トル
クを増して姿勢角誤差の収束を加速する。同様にして姿
勢角誤差が更に減少して姿勢制御器8の動作範囲に入る
と、制御出力信号切り替えスイッチ3が姿勢制御器7か
ら姿勢制御器8へ切り替え、更に姿勢制御器8から姿勢
制御器9へと切り替える。これらの切り替えを行う基準
値として、各姿勢制御器の動作範囲および出力の大きさ
を考慮して減少時境界値が必要数(図1の場合は3個)
あらかじめ設定されており、姿勢角誤差が減少し衛星姿
勢角誤差信号aが減少時境界値を割ると切り替えが行わ
れる。
【0022】上述の切り替え機能に加え、制御出力信号
切り替えスイッチ3は、姿勢角誤差の変動速度があらか
じめ定めた上限値を超えると、それまで使用していた姿
勢制御器を一段階性能の低い姿勢制御器に切り替える
(例えば、姿勢制御器8から姿勢制御器7に切り替え
る)機能を備えている。この切り替えは、姿勢角誤差が
減少し始めて順次高性能の姿勢制御器に切り替えられ、
姿勢角誤差の減少速度が増加しして上限値を超えたと
き、そのとき使用している姿勢制御器に係わらず実施さ
れ、これにより衛星姿勢角速度の増加が抑制される。切
り替えが行われた状態で姿勢角誤差が更に減少し、これ
に伴って減少速度も低下してあらかじめ定めた下限値を
割ると、制御出力信号切り替えスイッチ3は、それまで
使用していた姿勢制御器を元の一段階性能の高い姿勢制
御器に切り替える(例えば、姿勢制御器7から姿勢制御
器8に切り替える)。この切り替えにより、姿勢角誤差
はより高速に0に収束する。なお、一段階性能の低い姿
勢制御器に切り替えても変動速度が増加し続ける場合に
は、第2の上限値を設定して更に一段階性能の低い姿勢
制御器に切り替えるようにしてもよい。
【0023】以上で説明したように、本実施形態の人工
衛星の高安定度姿勢制御装置では、4個の制御特性の異
なる姿勢制御器6〜9を備え、姿勢角誤差検出器5から
出力される衛星姿勢角誤差信号aと姿勢制御用アクチュ
エータ2への姿勢制御指令信号bをもとに、制御出力信
号切り替えスイッチ3が姿勢制御器6〜9を順次切り替
え使用することにより、大きな姿勢各誤差範囲に対し
て、姿勢制御用アクチュエータ2の飽和を発生させず、
姿勢角速度を一定の範囲に抑制しながら高精度な姿勢制
御を実現することができる。
【0024】上述の実施形態においては、外乱により衛
星姿勢角誤差信号が増大するときの姿勢制御器の切り替
えを姿勢制御用アクチュエータへの姿勢制御指令信号で
行っているが、外乱が収まり姿勢角誤差が減少する場合
の切り替えと同様に増加時境界値(減少時境界値とは異
なってよい)を設定し、姿勢角誤差が増加し衛星姿勢角
誤差信号aが増加時境界値を超えたとき一段階性能の低
い姿勢制御器に切り替えるようにしてもよい。
【0025】又、上述の実施形態の説明に関連して、外
乱が大きく最も単純な構成のP制御器を使用している場
合にも姿勢制御用アクチュエータの飽和を防ぐために、
制御出力信号切り替えスイッチと姿勢制御用アクチュエ
ータの間にリミッタを挿入することを述べたが、姿勢制
御器の入力に衛星姿勢角誤差信号の最大値を制限するリ
ミッタを挿入してもよい。
【0026】更に、制御出力信号切り替えスイッチがサ
ンプリング周期ごとの衛星姿勢角誤差信号から姿勢角誤
差の変動速度を算出するディジタル処理形式の例により
説明したが、連続信号を処理するアナログ形式でも同様
な構成が可能である。なお、4台の姿勢制御器を使用す
る例を説明したが、姿勢制御器の数は特に限定されるも
のではない。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の人工衛星
の高安定度姿勢制御装置は、様々な状況に対応できるよ
うな異なる制御特性の複数の姿勢制御器と、少なくとも
姿勢角誤差検出器より検出される衛星姿勢角誤差信号と
その変動速度とをもとに最適な姿勢制御器を選択し接続
する制御出力信号切り替えスイッチを備え、制御過程に
おいて衛星の姿勢角速度が過大となるのを抑制するよう
に構成されている。従って、環境から加わる大きな外乱
などにより、突然に衛星姿勢角が大きく変動させられた
場合でも、複数の姿勢制御器の中から最適な姿勢制御器
を選択して衛星姿勢制御を行うことにより、広い姿勢角
誤差範囲に対応でき、姿勢制御用アクチュエータの飽和
を防止し、衛星姿勢角速度を抑制しながら高精度に衛星
の姿勢制御を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】従来の人工衛星の姿勢制御装置の一例を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 衛星ダイナミックス 2 姿勢制御用アクチュエータ 3 制御出力信号切り替えスイッチ 4,101 姿勢センサ 5 姿勢角誤差検出器 6〜9 姿勢制御器 102 コントローラ 103 アクチュエータ 104 ダイナミックス 105 太陽電池パドル 106 セグメントスイッチ 107 角度検出器 108 スイッチ 109,110 可変増幅器 111 可変フィルタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 姿勢センサにより計測した衛星姿勢角と
    目標姿勢角との差から算出した衛星姿勢角誤差信号に基
    づいて姿勢制御用アクチュエータを駆動して人工衛星の
    姿勢を制御する人工衛星の姿勢制御装置において、前記
    衛星姿勢角誤差信号から前記姿勢制御用アクチュエータ
    に入力する姿勢制御指令信号を生成するための制御特性
    や構成の異なる複数の姿勢制御器と、少なくとも前記衛
    星姿勢角誤差信号の大きさ及び変動速度を検出してあら
    かじめ定めた基準と比較して前記複数の姿勢制御器の一
    つを選択し前記姿勢制御用アクチュエータに切り替え接
    続する制御出力信号切り替えスイッチとを備え、衛星姿
    勢角速度の変動を抑制しながら高精度な姿勢制御を行う
    ことを特徴とする人工衛星の高安定度姿勢制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御出力信号切り替えスイッチが、
    1サンプリング周期前に検出した衛星姿勢角誤差信号と
    今回検出した衛星姿勢角誤差信号とから姿勢角誤差の変
    動速度を算出する速度算出機能と、衛星姿勢角誤差信号
    の大きさが増加してあらかじめ設定された増加時境界値
    を超えたときそれまで使用していた姿勢制御器を一段階
    性能の低い姿勢制御器に切り替える第1の切り替え機能
    と、衛星姿勢角誤差信号の大きさが減少してあらかじめ
    設定された減少時境界値を超えたときそれまで使用して
    いた姿勢制御器を一段階性能の低い姿勢制御器に切り替
    える第2の切り替え機能と、衛星姿勢角誤差信号が減少
    方向にあり姿勢角誤差の変動速度があらかじめ設定され
    た上限値を超えたときそれまで使用していた姿勢制御器
    を一段階性能の低い姿勢制御器に切り替える第3の切り
    替え機能と、衛星姿勢角誤差信号が減少方向にあり前記
    第3の切り替え機能による切り替えが行われた後に姿勢
    角誤差の変動速度があらかじめ設定された下限値を割っ
    たときそれまで使用していた姿勢制御器を一段階性能の
    高い姿勢制御器に切り替える第4の切り替え機能とを備
    えたことを特徴とする請求項1記載の人工衛星の高安定
    度姿勢制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御出力信号切り替えスイッチが、
    前記第1の切り替え機能に代え、前記姿勢制御用アクチ
    ュエータへの姿勢制御指令信号があらかじめ設定された
    飽和限界値を超えたときそれまで使用していた姿勢制御
    器を一段階性能の低い姿勢制御器に切り替える第5の切
    り替え機能を備えたことを特徴とする請求項2記載の人
    工衛星の高安定度姿勢制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御出力信号切り替えスイッチの出
    力側に前記姿勢制御用アクチュエータへ入力される姿勢
    制御指令信号の大きさを制限するリミッタを挿入したこ
    とを特徴とする請求項1,2又は3記載の人工衛星の高
    安定度姿勢制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御出力信号切り替えスイッチ及び
    複数の姿勢制御器に入力される衛星姿勢角誤差信号の大
    きさをあらかじめ設定された値以下に制限するリミッタ
    を設けたことを特徴とする請求項1,2又は3記載の人
    工衛星の高安定度姿勢制御装置。
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Cited By (4)

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