JPH10202065A - 浸透蒸留器を用いた濃縮装置 - Google Patents

浸透蒸留器を用いた濃縮装置

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JPH10202065A
JPH10202065A JP1057897A JP1057897A JPH10202065A JP H10202065 A JPH10202065 A JP H10202065A JP 1057897 A JP1057897 A JP 1057897A JP 1057897 A JP1057897 A JP 1057897A JP H10202065 A JPH10202065 A JP H10202065A
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inorganic salt
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liquid
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JP1057897A
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Kimio Saito
公男 斎藤
Shoji Yoshinaga
正二 吉永
Yoshiaki Arai
嘉明 荒井
Naoki Murata
ナオキ 村田
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Hitachi Plant Technologies Ltd
Original Assignee
Hitachi Techno Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備費ならびに運転費が安価でしかも被濃縮
液を確実に濃縮することができる浸透蒸留器を用いた濃
縮装置を提供することである。 【解決手段】 微細孔を持つ合成膜の一方側に無機塩溶
液、他方側に被濃縮液が通るように構成され、前記無機
塩溶液の入口及び出口、前記被濃縮液の入口及び出口を
有する浸透蒸留器を用いた濃縮装置において、入口、出
口を有する無機塩溶液タンクと、それぞれ入口、出口を
有する脱塩溶液側通路と濃縮塩溶液側通路とを有する電
気透析装置を備え、浸透蒸留器における前記無機塩溶液
の入口及び出口を無機塩溶液タンクの出口及び入口とそ
れぞれ接続し、電気透析装置における脱塩溶液側通路の
入口と浸透蒸留器における前記無機塩溶液の出口または
前記無機塩溶液タンクの出口を接続し、前記電気透析装
置における濃縮塩溶液側通路の入口及び出口を無機塩溶
液タンクの出口及び入口とそれぞれ接続し、電気透析装
置における脱塩溶液側通路の出口から脱塩溶液を排出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浸透蒸留器を用い
た濃縮装置に関し、特に液状の薬品や食品などの濃縮に
好適な浸透蒸留器を用いた濃縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】浸透蒸留器による濃縮は、液状の薬品や
食品などを室温付近で高濃度まで濃縮できる技術で、被
濃縮液と濃度の高い無機塩溶液とを微細な孔(孔径0.
02〜2μm)を持つ高分子合成膜を介して接触させる
と、この微細孔を被濃縮液の水のみが水蒸気となって無
機塩液側に移動して被濃縮液中の水分が減少し、被濃縮
液を濃縮するものである。
【0003】浸透蒸留器について述べたものとして下記
の文献がある。 文献1: 文献名;1991年発行「デザリネーション(Desalina
tion)第80号」PP113〜121 著 者;ジン・シェン(JIN SHENG)他 題 名;浸透蒸留プロセスの質量と熱の輸送機構(Mass
and Heat Transfer Mechanisms in the OsmoticDistil
lation Process)
【0004】文献2: 文献名;1989年7月発行「オーストラリアン・ジャ
ーナル・オブ・バイオテクノロジ(AUSTRALIAN JOURNAL
OF BIOTECHNOLOGY )第3巻、第3号」PP206〜2
07、P217 著 者;アール・エー・ジョンソン(R.A.JOHNSON )他 題 名;浸透蒸留−低温濃縮技術(Osmotic Distillati
on - A Low Temperature ConcentrationTechnique)
【0005】文献1では、無機塩溶液に食塩水を用い、
5.5%濃度のグレープジュース等を温度29℃で50
%以上に濃縮することを紹介している。文献2では、濃
縮システム及び濃縮できる理由を示している。
【0006】図5は文献2のフローを分かり易く書き直
したものである。図5において、1は浸透蒸留器、21
は被濃縮液用配管、22は濃縮液用配管、23は無機塩
溶液供給用配管、24は希薄無機塩溶液用配管、7は希
薄無機塩溶液濃縮装置である。
【0007】浸透蒸留器1内には孔径が0.02〜2μ
mの微細な孔を持つ疎水性の高分子合成膜8が設置され
ており、高分子合成膜8の一方の面を通る通路(これを
以後一次側と呼ぶ)に被濃縮液が、もう一方の面を通る
通路(これを以後二次側と呼ぶ)に無機塩溶液が流れ
る。高分子合成膜8を介してそれぞれの液が混合しない
ように配置されている。即ち、浸透蒸留器1に入った被
濃縮液は高分子合成膜8の一次側を流れて浸透蒸留器1
の外へ出て、また無機塩溶液は高分子合成膜8の二次側
を流れて浸透蒸留器1の外へ出るよう高分子合成膜8に
より通路が確保されている。被濃縮液と無機塩溶液との
2液間は高分子合成膜8に隔てられている。高分子合成
膜8には孔があいているが、孔径が小さいため表面張力
により2液は混合しない。しかし、孔を通って水蒸気は
移動できる。
【0008】文献2のP206によると、液の浸透圧Π
とその液中の水の蒸気圧Pとの関係は
【0009】
【数1】 Π=K・ln(P0/P) ・・・・(1) で示される。但し、P0 は純水の蒸気圧であり、Kは係
数である。式(1)より浸透圧Πが大きい程、液中の水
の蒸気圧Pは小さい。浸透圧は液濃度が高い程高い。無
機塩溶液は、濃度を高く、つまり浸透圧を高く設定す
る。被濃縮液のジュース液等の浸透圧は高濃度無機塩溶
液のそれより低く、その中の水の蒸気圧は高い。両者の
水の蒸気圧差により被濃縮液中の水は高濃度の無機塩溶
液へ、水蒸気となって移動し、被濃縮溶液を濃縮する。
【0010】図5において、浸透蒸留器1内では高分子
合成膜を介して2液間で水の移動が起こり、被濃縮液用
導入管21から入った被濃縮液は濃縮され、濃縮液用配
管22より回収される。一方、無機塩溶液は無機塩溶液
供給用配管23により供給され、水を吸収して希薄とな
り、希薄無機塩溶液用配管24へと導かれる。
【0011】希薄となった無機塩溶液は浸透圧が小さく
なり、水蒸気圧が大きくなっているので、被濃縮液を濃
縮できる能力が小さくなっている。そこでこれを再生即
ち濃縮する必要がある。
【0012】希薄無機塩溶液用配管24は希薄無機塩溶
液濃縮装置7へ接続されており、希薄無機塩溶液はそこ
で濃縮される。濃縮された無機塩溶液は再び無機塩溶液
供給用配管23を通り浸透蒸留器1へ戻る。
【0013】濃縮に、従来は熱を使って水を蒸発させる
方法を採用していた。文献2のによれば、希薄無機塩溶
液濃縮装置7として浸透蒸留器を用い、その一次側の通
路に温度を高くした希薄無機塩溶液を流し、二次側の通
路に乾燥空気を流し、希薄無機塩溶液から乾燥空気へ水
を移動させ濃縮している。この操作は水を蒸発させるの
で、多くの熱量が必要であり、運転費が高くなる欠点が
あった。
【0014】濃縮手段として電気透析装置がある。正
極、負極間に電界を生じさせ、この間に溶液を配置する
と、溶液中の+,−イオンがそれぞれ負極、正極側に引
きつけられる性質を利用した脱イオン又はイオン濃縮装
置である。電気透析装置には、正極、負極の一対の電極
及び両電極間に+イオンのみを通すカチオン膜(以下C
膜と呼ぶ)と−イオンのみを通すアニオン膜(以下A膜
と呼ぶ)とが交互に数多く配置されている。今、左側よ
り右側に向かって順に正極、A膜、C膜、A膜、C膜、
負極と配置されているとする。正極−負極間の電界によ
り+イオンは右側へ、−イオンは左側に向う力を受け
る。A膜−C膜間の+イオンは負極の方の右側に移動
し、C膜を通ってC膜−A膜間に入り、−イオンは正極
のある左側へ移動しA膜を通ってC膜−A膜間に入る。
【0015】C膜−A膜間の+イオンは−電極へ向かう
が、A膜があるため次室へは移動できず、また+イオン
もC膜のため移動できない。従ってA膜−C膜間ではイ
オン量は少なくなり、C膜−A膜間ではイオン量は多く
なる。前者を脱塩溶液側、後者を濃縮塩溶液側と呼ぶ
と、電気透析装置により脱塩溶液側のイオンが濃縮塩溶
液側に移動し、イオンの回収、濃縮ができることにな
る。
【0016】そこで、浸透蒸留器で無機塩溶液に移動し
た水に相当する分を電気透析装置内で脱塩溶液側に流
し、その中に含まれていたイオンを濃縮塩溶液側から回
収すると、無機塩を回収でき又濃縮できることになる。
【0017】電気透析装置は熱エネルギが不要であるた
め、水を熱で蒸発させるものに較べると運転費は約半分
程度で済む利点がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】浸透蒸留器の濃縮能力
は二次側の無機塩溶液濃度を高く維持するほど高く、浸
透蒸留器内で無機塩溶液濃度が大幅に低下しないよう、
二次側における無機塩溶液の流量は大きいことが望まし
い。一方、電気透析装置の濃縮能力は、+、−イオンの
移動が緩慢であることからC膜やA膜の接触面積に比例
し、単位時間あたりの液体の移動距離に反比例するの
で、脱塩溶液や濃縮塩溶液の流量は小さいことが望まし
い。
【0019】従って、浸透蒸留器の濃縮能力に合わせる
ためには大型の電気透析装置を用意しなくてはならず、
電気透析装置の設備費は高騰し、運転費も低減できな
い。
【0020】本発明の目的は、設備費ならびに運転費が
安価で、しかも被濃縮液を確実に濃縮することができる
浸透蒸留器を用いた濃縮装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の特徴とすることは、微細孔を持つ合成膜の一方側に
無機塩溶液、他方側に被濃縮液が通るように構成され、
前記無機塩溶液の入口及び出口、前記被濃縮液の入口及
び出口を有する浸透蒸留器を用いた濃縮装置において、
入口、出口を有する無機塩溶液タンクと、それぞれ入
口、出口を有する脱塩溶液側通路と濃縮塩溶液側通路と
を有する電気透析装置を備え、浸透蒸留器における前記
無機塩溶液の入口及び出口を無機塩溶液タンクの出口及
び入口とそれぞれ接続し、電気透析装置における脱塩溶
液側通路の入口と浸透蒸留器における前記無機塩溶液の
出口または前記無機塩溶液タンクの出口を接続し、前記
電気透析装置における濃縮塩溶液側通路の入口及び出口
を無機塩溶液タンクの出口及び入口とそれぞれ接続し、
電気透析装置における脱塩溶液側通路の出口から脱塩溶
液を排出することにある。
【0022】さらに、上記目的を達成する本発明の特徴
とするところは、前記浸透蒸留器において希薄となった
無機塩溶液のうち被濃縮液より前記無機塩溶液へ移動し
た水量にほぼ匹敵する量の無機塩溶液を前記電気透析装
置の脱塩溶液側通路の出口から排出することにある。
【0023】浸透蒸留器において希薄となった無機塩溶
液のうち被濃縮液より前記無機塩溶液へ移動した水量に
ほぼ匹敵する量は、総量でもよいし無機塩溶液を除いた
水の分量でもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明装置を図1に示した
一実施形態に基づいて説明する。
【0025】図1において、図5に示した物と同等ある
いは相当物には同一符号を付けて説明を簡略化する。
【0026】図1中、被濃縮液タンク3は被濃縮液用配
管21に接続され、被濃縮液供給ポンプ10を介して浸
透蒸留器1の一次側の入口に繋がれている。浸透蒸留器
1の入口、出口は構成上特に定められてはいない。一方
を入口とすると、他方が出口となる。又、浸透蒸留器1
の一次側の出口には、濃縮液用配管22が接続され、下
流で濃縮製品液用配管29と濃縮液用戻り配管30に分
かれ、濃縮液用戻り配管30は濃縮液タンク3へ戻る構
造となっている。
【0027】無機塩溶液タンク4は出口が無機塩溶液供
給用配管23に接続され、無機塩溶液供給ポンプ11を
介し、浸透蒸留器1の二次側の入口に繋がれている。
又、浸透蒸留器1の二次側の出口には、希薄無機塩溶液
用配管24が接続され、下流で電気透析供給用配管28
と希薄無機塩溶液戻り配管31に分かれている。希薄無
機塩溶液戻り配管31は無機塩溶液タンク4の入口へ戻
る構成となっている。
【0028】電気透析装置2の希薄液(脱塩溶液)側の
入口は電気透析供給用配管28と接続され、希薄液(脱
塩溶液)側の出口は脱塩液排出用配管33に接続されて
いる。又、電気透析装置2の濃縮液(濃縮塩溶液)側の
入口は、濃縮再生供給用配管27を介して、無機塩溶液
タンク4の出口に接続され、その途中に濃縮再生液用ポ
ンプ12が繋がれている。濃縮液(濃縮塩溶液)側の出
口には、濃縮無機塩溶液用配管32が接続され、無機塩
溶液タンク4の入口に戻る構成となっている。
【0029】被濃縮液タンク3には被濃縮原料液5が投
入されており、被濃縮原料液5は被濃縮液用配管21を
通り、被濃縮液供給ポンプ10で高分子合成膜8を備え
た浸透蒸留器1の一次側の入口へ供給される。無機塩溶
液タンク4には高濃度の無機塩溶液6が満たされてお
り、無機塩溶液供給用配管23を通り、無機塩供給用ポ
ンプ11から浸透蒸留器1の二次側の入口へ供給され
る。
【0030】浸透蒸留器1中で蒸気圧の高い被濃縮液中
の水が水蒸気となり蒸気圧の低い無機塩溶液中へ多孔性
の高分子合成膜8を通過して移動する。そのため被濃縮
液は濃縮され濃縮液となって浸透蒸留器1の一次側の出
口より濃縮液用配管22に送られ、設定濃度となるまで
は濃縮液用戻り配管30から被濃縮液タンク3に戻され
る。
【0031】なお、図1では浸透蒸留器1内での被濃縮
液と無機塩溶液の流れを高分子合成膜8を挟んで反対方
向に流れる対向流で示しているが、高分子合成膜8を挟
んで同一方向に流す並流でも被濃縮液の濃縮は可能であ
る。
【0032】そして設定濃度に達すると濃縮液の一部は
濃縮製品液用配管29から抜き出され、残りを被濃縮液
タンク3へ戻し、濃縮製品液用配管29から抜き出され
た濃縮液量に匹敵する量の被濃縮原料液5が被濃縮液タ
ンク3に供給される。
【0033】又、浸透蒸留器1において一次側の被濃縮
液中の水が水蒸気となって多孔性の高分子合成膜8を通
過して移動し、濃度が希薄となった二次側の無機塩溶液
は、希薄無機塩溶液となって希薄無機塩溶液用配管24
を通って送られ、被濃縮液から無機塩溶液中に移動した
水量とほぼ同量の希薄無機塩溶液が電気透析装置2の脱
塩溶液側の入口側へ送られ、残りは無機塩溶液タンク4
へ戻される。
【0034】無機塩溶液タンク4中の無機塩溶液6は、
上述のように浸透蒸留器1の二次側入口に供給されるの
みではなく、濃縮再生供給用配管27を通り、濃縮再生
液用ポンプ12で電気透析装置2の濃縮塩溶液(濃縮
液)側の入口にも供給される。
【0035】電気透析装置2中で脱塩溶液入口側より送
られた希薄無機塩溶液中の無機塩イオンが、濃縮塩溶液
入口側より送られた無機塩溶液中へ移動し、無機塩溶液
は濃縮され無機塩濃縮用配管32を介して無機塩溶液タ
ンク4へ戻る。
【0036】電気透析装置2内で無機塩イオンが移動し
た脱塩溶液側の希薄無機塩溶液は脱塩水となり、電気透
析装置2の脱塩溶液出口側より脱塩液排出用配管33を
介して装置外へ排出される。
【0037】以上説明したように、浸透蒸留器1の二次
側に大量の無機塩溶液を供給して高濃縮性を維持させ、
二次側出口の希薄無機塩溶液を2つに分流する。被濃縮
液から無機塩溶液中に移動した水量と同程度の希薄無機
塩溶液を小型で小処理量の電気透析器2へ送り、残りは
無機塩溶液タンク4に戻す。無機塩溶液タンク4が浸透
蒸留器1と電気透析装置2とに存在する単位時間当りの
処理量の差を吸収するバッファの機能を果たし、無機塩
溶液タンク4中の液量、濃度はほぼ一定になる。電気透
析装置は濃縮の運転費が安価であり、小型で良いことか
ら設備費も掛からず、安定した運転ができる浸透蒸留器
を用いた濃縮装置とすることができる。
【0038】図2乃至図4はそれぞれ本発明の他の実施
例を示している。図2乃至図4において、図1に示した
ものと同一物ないし相当品には同一符号を付けている。
【0039】図2に示す実施形態では、図1の無機塩溶
液タンク4中に液面計43を設け、電気透析供給用配管
28中に調整弁42、更に液面計43の信号により調整
弁42を調整する流量調整器41を設けている。予め設
定して置いた設定値と液面計43の値が同じとなるよ
う、調整弁42を流量調整器41で制御している。
【0040】この構成によれば、被濃縮液から無機塩溶
液中に移動した水量が、無機塩溶液タンク4の増加分と
して入り、この増加分は予め設定しておいた値(例えば
最初の液面の高さの値)と液面計43の値との差から分
かり、この間の差が無くなるように調整弁42の開度を
制御しているため、無機塩溶液タンク4内の濃度、液量
がほぼ一定となり安定した浸透蒸留器を用いた濃縮運転
ができる。
【0041】図2の実施形態に類似した形態で模擬実験
を行った結果を説明する。被濃縮液に濃度20%の砂糖
水を、無機塩溶液に濃度20%食塩水を用いた。この場
合、電気透析装置2の脱塩溶液側出口における脱塩液排
出用配管33にもう一台電気透析装置(後段電気透析装
置)を設け、電気透析装置2の脱塩溶液をさらに電気透
析した。後段電気透析装置には電気透析装置2の無機塩
タンク4に相当する補助タンクを設け、後段電気透析装
置と補助タンクの間で無機塩溶液を循環させて、無機塩
溶液タンク4の無機塩溶液6は浸透蒸留器1に戻し、補
助タンクと無機塩溶液タンク4とは独立した系で無機塩
溶液を循環させた。
【0042】その結果、後段電気透析装置からの脱塩水
の濃度は0.1%程度となったが、無機塩タンク4中の
無機塩溶液の濃度、液位はほとんど変化せずに安定した
希薄無機塩溶液の濃縮ができた。
【0043】電気透析装置2からの脱塩水の濃度は0.
1%程度で、わずかづつ食塩が排出されるので、無機塩
溶液タンク4中の無機塩溶液の濃度、液位を全く変化さ
せないためには、無機塩溶液タンク4に濃度計を設置し
て、その検出結果から脱塩水中に含まれた食塩(無機塩
溶質)を適宜に無機塩溶液タンク4に加えるようにする
と良い。
【0044】図3に示す実施形態では、図1の被濃縮液
供給ポンプ10と浸透蒸留器1の一次側入口を繋いでい
る被濃縮液用配管21に被濃縮液流量計46が設置さ
れ、一次側出口に接続された濃縮液用配管22に濃縮液
流量計47、浸透蒸留器1の二次側出口に接続された希
薄無機塩溶液用配管24上に濃度計45が設置されてい
る。又、電気透析供給用配管28に流量調整弁42及び
電気透析供給液流量計44が設置され、流量調整弁42
を制御する流量調整器41が設置されている。
【0045】この構成によれば、被濃縮液流量計46と
濃縮液流量計47の検出値の差は浸透蒸留器1において
多孔性の高分子合成膜8を通して被濃縮液から無機塩溶
液中に移動した水量であり、この量と電気透析供給用配
管28を流れている希薄無機塩溶液中の無機塩溶質の分
量を除いた水の分量が同じ値となるよう濃度計45の検
出値を基に流量調整器41で流量調整弁42を制御して
電気透析供給液流量計44の値を監視している。このた
め、無機塩溶液タンク4内の濃度、液位が一定となり安
定した浸透蒸留器1を用いた濃縮運転ができる。
【0046】この実施形態では、電気透析供給用配管2
8を流れる希薄無機塩溶液量が浸透蒸留器1において高
分子合成膜8を通して被濃縮液から無機塩溶液中に移動
した水量よりも、希薄無機塩溶液中の溶質分僅かに多
く、その差分だけ無機塩溶液タンク4に直接戻される無
機塩溶液量は減少する。しかし、この差分(溶質)は電
気透析装置2において脱塩溶液側通路から濃縮塩溶液側
通路に移動し、無機塩溶液タンク4に戻るので、無機塩
溶液タンク4の液位はほぼ一定となる。
【0047】なお、濃度計45は浸透蒸留器1から流出
する希薄無機塩溶液の濃度を検出するものであるから、
電気透析供給用配管28や無機塩溶液戻り配管31に設
置してもよい。
【0048】図4に示す実施形態では、無機塩供給ポン
プ11と浸透蒸留器1を繋ぐ無機塩溶液供給配管23に
無機塩溶液流量計49を設け、無機塩溶液用配管24に
希薄無機塩溶液流量計48、無機塩溶液戻り配管31に
濃度計45が設置されている。又、電気透析供給用配管
28上に電気透析供給液流量計44及び流量調整弁42
が設置され、流量調整弁42を制御する流量調整器41
が設置されている。
【0049】この構成によれば、無機塩溶液流量計49
と希薄無機塩溶液流量計48の検出値の差が浸透蒸留器
1において多孔性の高分子合成膜8を通して被濃縮液か
ら無機塩溶液中に移動した水の量に相当する。この量と
電気透析供給用配管28を流れる希薄無機塩溶液中の無
機塩溶質の分量を除いた水の分量とが、同じ値となるよ
う電気透析供給液流量計44の検出値を監視しながら、
濃度計45の検出値を基に流量調整器41で流量調整弁
42を制御する。このため、図3の実施形態と同様に、
無機塩溶液タンク4内の濃度、液位がほぼ一定となり、
安定した浸透蒸留器1を用いた濃縮運転ができる。
【0050】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、図
1乃至図4の実施形態において、電気透析装置2の脱塩
溶液側通路の入口に至る電気透析供給用配管28を浸透
蒸留器1の希薄無機塩溶液用配管24を接続している
が、電気透析供給用配管28は無機塩タンク4の出口か
ら導かれた濃縮再生供給用配管27に接続し、浸透蒸留
器1で被濃縮液より無機塩溶液へ移動した水量にほぼ匹
敵する量の無機塩溶液を電気透析装置2の脱塩溶液側通
路の出口から排出させるようにする等の種々の変更、改
良、組合せが可能なことは当業者に自明であろう。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、設
備費ならびに運転費が安価で、しかも被濃縮液を確実に
濃縮することができる浸透蒸留器を用いた濃縮装置を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明浸透蒸留器を用いた濃縮装置の一実施例
の構成を示す図である。
【図2】本発明浸透蒸留器を用いた濃縮装置の他の実施
例の構成を示す図である。
【図3】本発明浸透蒸留器を用いた濃縮装置の他の実施
例の構成を示す図である。
【図4】本発明浸透蒸留器を用いた濃縮装置の他の実施
例の構成を示す図である。
【図5】従来技術になる浸透蒸留器を用いた濃縮装置の
構成を示す図である。
【符号の説明】
1・・・浸透蒸留器 2・・・電気透析
装置 3・・・被濃縮液タンク 4・・・無機塩タ
ンク 5・・・被濃縮原料液 6・・・無機塩溶
液 7・・・希薄無機塩溶液濃縮装置 8・・・高分子合
成膜 10・・被濃縮液供給ポンプ 11・・無機塩溶
液供給ポンプ 12・・濃縮再生液用ポンプ 21・・被濃縮液用配管 22・・・濃縮液
用配管 23・・無機塩溶液供給用配管 24・・希薄無機
塩溶液用配管 27・・濃縮再生供給用配管 28・・電気透析
供給用配管 29・・濃縮製品液用配管 30・・濃縮液用
戻り配管 31・・希薄無機塩溶液戻り配管 32・・無機塩濃
縮用配管 33・・脱塩液排出用配管 41・・流量調整器 42・・調整弁 43・・液面計 44・・電気透析
供給液流量計 45・・濃度計 46・・被濃縮液
流量計 47・・濃縮液流量計 48・・希薄無機
塩溶液流量計 49・・無機塩溶液流量計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 嘉明 東京都台東区池之端二丁目9番7号 日立 テクノエンジニアリング株式会社エンジニ アリング事業部内 (72)発明者 村田 ナオキ 東京都台東区池之端二丁目9番7号 日立 テクノエンジニアリング株式会社エンジニ アリング事業部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細孔を持つ合成膜の一方側に無機塩溶
    液、他方側に被濃縮液が通るように構成され、前記無機
    塩溶液の入口及び出口、前記被濃縮液の入口及び出口を
    有する浸透蒸留器を用いた濃縮装置において、 入口、出口を有する無機塩溶液タンクと、それぞれ入
    口、出口を有する脱塩溶液側通路と濃縮塩溶液側通路と
    を有する電気透析装置を備え、 浸透蒸留器における前記無機塩溶液の入口及び出口を無
    機塩溶液タンクの出口及び入口とそれぞれ接続し、電気
    透析装置における脱塩溶液側通路の入口と浸透蒸留器に
    おける前記無機塩溶液の出口または前記無機塩溶液タン
    クの出口を接続し、前記電気透析装置における濃縮塩溶
    液側通路の入口及び出口を無機塩溶液タンクの出口及び
    入口とそれぞれ接続し、電気透析装置における脱塩溶液
    側通路の出口から脱塩溶液を排出することを特徴とする
    浸透蒸留器を用いた濃縮装置。
  2. 【請求項2】前記第1項において、前記浸透蒸留器にお
    いて希薄となった無機塩溶液のうち被濃縮液より前記無
    機塩溶液へ移動した水量にほぼ匹敵する量の無機塩溶液
    を前記電気透析装置の脱塩溶液側通路の出口から排出す
    ることを特徴とする浸透蒸留器を用いた濃縮装置。
JP1057897A 1997-01-23 1997-01-23 浸透蒸留器を用いた濃縮装置 Withdrawn JPH10202065A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003507157A (ja) * 1999-08-17 2003-02-25 シー・エム・エス・テクノロジー・ホールディングス・インコーポレイテッド 酸素富化空気供給装置

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