JPH10199337A - 絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線

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JPH10199337A
JPH10199337A JP1591397A JP1591397A JPH10199337A JP H10199337 A JPH10199337 A JP H10199337A JP 1591397 A JP1591397 A JP 1591397A JP 1591397 A JP1591397 A JP 1591397A JP H10199337 A JPH10199337 A JP H10199337A
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JP
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resin
varnish
polyimide
insulating film
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JP1591397A
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Akira Mizoguchi
晃 溝口
Isao Kamioka
勇夫 上岡
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐摩耗性、密着性、可撓性などに優
れた絶縁皮膜が形成された絶縁電線を提供すること。 【解決手段】 導体上に、1,2,4,5−ベンゼンテ
トラカルボン酸二無水物と4,4′−ジアミンジフェニ
ルエーテルからなるポリイミド(A)、及びこれより耐
熱性の優れた樹脂(B)を含有する樹脂組成物からなる
絶縁皮膜が形成されていることを特徴とする絶縁電線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導体上に絶縁皮膜
を有する絶縁電線に関し、さらに詳しくは、耐熱性、耐
摩耗性、密着性、可撓性などに優れた絶縁皮膜が形成さ
れた絶縁電線に関する。本発明の絶縁電線は、モーター
のコアに捲き付けて使用するエナメル線などとして特に
好適である。
【0002】
【従来の技術】近年、各種機器の小型化及び軽量化の要
求に伴い、モーターについても小型かつ高出力のものが
要求されている。これらの要求に応えるには、モーター
のコアに従来よりも多くの絶縁電線を捲き付けるか、大
きな電流を流す必要がある。絶縁電線は、一般に、導体
上に保護と絶縁のための絶縁皮膜が形成された構造を有
している。モーターのコアに従来より多くの絶縁電線を
捲きつけるには、コアのスロット内に多くの絶縁電線を
無理に詰め込むことになるため、捲き線工程で絶縁皮膜
に損傷が生じる危険性がある。この結果、レアー不良や
アース不良等が発生するという問題がある。
【0003】一方、絶縁電線に従来よりも大きな電流を
流すと、導体の発熱により絶縁電線の温度が上昇し、絶
縁皮膜の軟化や劣化が生じて、やはりレアー不良やアー
ス不良等が発生する。特に、近年注目されている電気自
動車では、モーターの絶縁電線に100A程度の極めて
大きな電流を流すため、ますます前記の如き問題が顕著
になっている。絶縁電線は、一般に、導体上に各種合成
エナメル(絶縁塗料)を塗布し焼き付けて作製されてい
る。したがって、前記の問題は、機械的強度に優れ、か
つ耐熱性に優れた絶縁皮膜を形成することのできる絶縁
塗料を使用することにより、解決することができる。従
来より、このような機械的強度に優れ、かつ耐熱性に優
れた絶縁皮膜を形成することのできる絶縁塗料として、
ポリイミドワニスが知られている(例えば、「新しい耐
熱性高分子」、東京化学同人)。
【0004】従来、絶縁電線用のポリイミドワニスとし
て、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水
物(すなわち、ピロメリット酸二無水物;PMDA)と
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とを
反応させて得られるポリアミド酸(すなわち、ポリイミ
ド前駆体)を含有するPMDA系エナメルワニスが商品
化されている(例えば、IST製、商品名PyreML
ワニス)。このポリイミドワニスを導体上に塗布し焼き
付けると、ポリアミド酸が脱水閉環してポリイミドとな
る。しかしながら、PMDAとDDEとからなるポリイ
ミドの絶縁皮膜は、前記の如き問題に対応するには、機
械的強度や耐熱性が満足できるものではなかった。
【0005】機械強度や耐熱性の優れた絶縁塗料とし
て、ポリベンズイミダゾール塗料(例えば、ヘキスト製
商品名Celazole)や3,4,9,10−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と1,4−
ジアミノベンゼン(PDA)からなるBPDA系ポリイ
ミドワニス(宇部興産製、商品名UワニスS)が知られ
ているが、これらの絶縁塗料から形成される絶縁皮膜
は、可撓性に劣るため、絶縁電線を曲げた際に、絶縁皮
膜が割れたり、剥離しやすくなり、絶縁電線の加工性が
悪いという問題があった。
【0006】このため、導体上に、BPDA系ポリイミ
ドワニスを塗布し焼き付けるのではなく、ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応させ
て得られるポリアミド酸の一部をイミド転化させたポリ
イミド前駆体からなる熱融着層が形成されたポリイミド
フィルムを巻き付け、かつ熱融着させた絶縁電線が提案
されている(特開昭59−58710号公報)。しか
し、この絶縁電線は、ポリイミドフィルム層が厚いた
め、モーターのコアに多くを捲き付けることができな
い。したがって、この絶縁電線は、モーターの小型化に
は不適であり、しかも作業性にも著しく劣るものであ
る。ところで、導体上に熱伝導性の優れた耐熱性絶縁皮
膜を形成すれば、導体の発熱による絶縁電線の温度上昇
を抑えることができ、その結果、絶縁皮膜の軟化や劣化
が抑制され、ひいては、レアー不良やアース不良等の発
生を回避することが期待できる。しかしながら、絶縁皮
膜として用いられる有機高分子材料の熱伝導性には大差
がなく、いずれも低い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、耐摩耗性、密着性、可撓性などに優れた絶縁皮膜が
形成された絶縁電線を提供することにある。本発明者ら
は、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究し
た結果、従来より絶縁電線用のエナメルワニスとして汎
用されている1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン
酸二無水物(PMDA)と4,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル(DDE)からなるPMDA系ポリイミドワ
ニス中に、これより耐熱性の優れた樹脂(ポリイミド前
駆体を含む)を含有させた絶縁塗料を導体上に塗布し焼
き付けたところ、PMDA系ポリイミド絶縁皮膜の可撓
性や密着性を実質的に保持しつつ、耐熱性と機械的強度
が充分に改良された絶縁皮膜を形成できることを見いだ
した。また、この絶縁塗料に熱伝導率の高いフィラーを
含有させた絶縁塗料を用いると、耐熱性が更に改良され
ることを見いだした。本発明は、これらの知見に基づい
て完成するに至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導体上
に、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水
物と4,4′−ジアミンジフェニルエーテルからなるポ
リイミド(A)、及びこれより耐熱性の優れた樹脂
(B)を含有する樹脂組成物からなる絶縁皮膜が形成さ
れていることを特徴とする絶縁電線が提供される。ま
た、本発明によれば、好ましい実施の態様として、次の
ような絶縁電線が提供される。 (1)前記樹脂(B)が、3,4,9,10−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物と1,4−ジアミノベンゼ
ンからなるポリイミド(B1)である前記の絶縁電線。 (2)前記樹脂組成物が、樹脂成分としてポリイミド
(A)20〜95重量%と樹脂(B)5〜80重量%を
含有するものである前記の絶縁電線。 (3)前記樹脂組成物が、樹脂成分100重量部に対し
て、フィラー(C)を100重量部未満の割合で更に含
有するものである前記の絶縁電線。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の絶縁電線は、導体上に、
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物
(PMDA)と4,4′−ジアミノジフェニルエーテル
(DDE)からなるPMDA系ポリイミドと、これより
耐熱性の優れた樹脂とを含有する樹脂組成物の絶縁皮膜
が形成されたものである。この耐熱性に優れた樹脂とし
ては、PMDA系ポリイミドとの相溶性がよいものであ
れば特に制限はないが、市販のものとしては、例えば、
ポリベンズイミダゾール(例えば、塗料の商品名Cel
azole)や3,4,9,10−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物(BPDA)と1,4−ジアミノベン
ゼン(PDA)からなるBPDA系ポリイミド(例え
ば、塗料の商品名UワニスS)等が例示できる。これら
のうち、PMDA系ポリイミドとの相溶性に優れている
ことから、BPDA系ポリイミドが特に好ましい。
【0010】導体上に PMDA系ポリイミドとBPD
A系ポリイミドなどの耐熱性樹脂を含有する樹脂組成物
の絶縁皮膜を形成するには、通常、各前駆体のブレンド
物を含有する絶縁塗料を作製し、この絶縁塗料を導体上
に塗布し焼き付ければよい。より具体的には、1,2,
4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(PMD
A)と4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(DD
E)とを反応させて得られるポリアミド酸ワニスと、
3,4,9,10−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物(BPDA)と1,4−ジアミノベンゼン(PDA)
とを反応させて得られるポリアミド酸ワニスをブレンド
する方法が挙げられる。得られた絶縁塗料を導体上に塗
布し焼き付ければ、各ポリアミド酸がポリイミド化し、
樹脂組成物の絶縁皮膜が形成される。
【0011】PMDA系ポリイミド:BPDA系ポリイ
ミドなどの耐熱性樹脂との重量比率は、通常、20:8
0〜95:5であり、好ましくは25:75〜75:2
5である。各ポリアミド酸ワニスをブレンドする場合に
は、PMDA系ポリアミド酸とBPDA系ポリアミド酸
の各固形分が前記比率となるように調整する。BPDA
系ポリイミドなどの耐熱性樹脂の比率が小さすぎると、
耐熱性や機械的強度の向上効果が不充分となり、逆に、
大きすぎると、可撓性が低下し、絶縁電線の加工性が悪
化する。
【0012】本発明では、絶縁皮膜の熱伝導性を向上さ
せるために、樹脂成分100重量部に対して、フィラー
を100重量部未満の割合で更に含有させることができ
る。フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、マ
グネシア、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、炭化チタン、
炭化ホウ素、タングステンカーバイド、窒化ホウ素、窒
化ケイ素などの熱伝導率の高いフィラーを好適なものと
して挙げることができる。これらのフィラーは、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。フィラーは、絶縁塗料中に添加することに
より、最終的に形成される絶縁皮膜中に含ませることが
できる。フィラーの粒子径は、特に限定されないが、一
般に、10μm以下のものを用いると、外観の優れた絶
縁電線が得られる。
【0013】フィラーの配合量を増大すればするほど、
熱伝導性が向上し、導体発熱による絶縁電線の温度上昇
の抑制効果が発現される。しかし、樹脂成分100重量
部に対する配合割合が100重量部以上になると、絶縁
皮膜の可撓性が低下し、絶縁電線の加工性が悪化する。
フィラーの配合割合は、樹脂成分100重量部に対し
て、好ましくは30〜95重量部、より好ましくは40
〜90重量部、最も好ましくは50〜80重量部であ
る。導体上への絶縁塗料の塗布・焼き付けは、常法に従
って行うことができる。また、本発明の目的を損なわな
い範囲内において、他の絶縁皮膜を下塗りしたり、ある
いは保護皮膜を上塗りしたりすることもできる。絶縁皮
膜の厚みは、通常、5〜100μm、好ましくは10〜
80μm、より好ましくは15〜50μm程度である。
導体としては、一般に銅線が用いられるが、これに限定
されるものではない。
【0014】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。なお、物性の測定法は、
次のとおりである。 (1)可撓性試験 絶縁電線を1.0mm径の丸棒に線と線が密着するよう
に10回巻き付けた時に、皮膜に「導体が見える亀裂」
が発生するか否かを観察した。このような亀裂が発生し
ない場合を「良好」と評価した。 (2)密着性試験 絶縁電線を切断するまで約4m/秒の速さで引き伸ばし
た時に、皮膜に「導体が見える亀裂」が発生するか否か
を観察した。このような亀裂が発生しない場合を「良
好」と評価した。 (3)一方向磨耗試験 絶縁電線に直交させてピアノ線を重ね合わせて、絶縁電
線とピアノ線との間に6.5Vの電圧を印加する。これ
らにかかる荷重を増加させながらピアノ線を移動させて
行き、磨耗による短絡電流が5mA以上となった時の荷
重[すなわち、一方向磨耗荷重(g)]を測定した。 (4)耐熱衝撃試験 絶縁電線を規定の径の丸棒に線と線が密着するように1
0回巻き付けた後、恒温槽で1時間加熱する。試験片が
室温に戻った後、皮膜に「導体が見える亀裂」が見られ
なかった最小の丸棒の直径[すなわち、曲げ良好径(m
m)]を記録した。 (5)熱軟化試験 絶縁電線を2本直交させて重ね合わせ、絶縁電線間に交
流電圧100Vを印加する。ここに800gの荷重をか
けたまま、約2℃/分の速度で温度を上昇させて、短絡
電流が5mA以上となった時の温度[すなわち、熱軟化
温度(℃)]を測定した。 (6)劣化後絶縁破壊電圧試験 絶縁電線2本を一定張力下で寄り合わせたものを、恒温
槽にて各所定温度で168時間加熱する。試験片が室温
に戻った後、絶縁電線間に約500V/秒の速度で印加
する交流電圧を上昇させる。短絡電圧が5mA以上とな
った時の電圧[すなわち、劣化後絶縁破壊電圧(k
V)]を測定した。 (7)オーバーロード試験 絶縁電線2本を一定張力下で寄り合わせ、絶縁電線間に
約115Vの直流電圧を印加する。以後3分ごとに電流
値を2Aづつ増加させ、短絡電流が5mA以上となった
時の秒数[すなわち、バーンアウト時間(秒)]を測定
した。
【0015】[実施例1]PMDA系ポリイミドワニス
としてIST製PyreMLワニス(固形分15重量
%)を用い、BPDA系ポリイミドワニスとして宇部興
産製UワニスS(固形分18重量%)を用いた。100
0gのPyreMLワニスに、2500gのUワニスS
を加え、室温で1時間攪拌して絶縁塗料を調製した。こ
の絶縁塗料を、直径1.0mmの銅導体表面に、常法に
より塗布し、400℃にて約2分間焼き付けすることに
より、厚み35μmの絶縁皮膜を有する絶縁電線を作製
した。
【0016】[実施例2]1182gのPyreMLワ
ニスに、2000gのUワニスSを加え、室温で1時間
攪拌して調製した絶縁塗料を用いたこと以外は、実施例
1と同様にして厚み35μmの絶縁皮膜を有する絶縁電
線を作製した。
【0017】[実施例3]1800gのPyreMLワ
ニスに、1500gのUワニスSを加え、室温で1時間
攪拌して調製した絶縁塗料を用いたこと以外は、実施例
1と同様にして厚み35μmの絶縁皮膜を有する絶縁電
線を作製した。
【0018】[実施例4]2484gのPyreMLワ
ニスに、690gのUワニスSを加え、室温で1時間攪
拌して調製した絶縁塗料を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして厚み35μmの絶縁皮膜を有する絶縁電線
を作製した。
【0019】[比較例1]絶縁塗料として、3000g
のPyreMLワニスを用いたこと以外は、実施例1と
同様にして厚み35μmの絶縁皮膜を有する絶縁電線を
作製した。
【0020】[比較例2]絶縁塗料として、3000g
のUワニスSを用いたこと以外は、実施例1と同様にし
て厚み35μmの絶縁皮膜を有する絶縁電線を作製し
た。これらの実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた
各絶縁電線について、物性の測定結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1の結果より、絶縁塗料としてBPDA
系ポリイミドワニスであるUワニスSのみを用いて作製
した絶縁電線(比較例2)は、耐熱性に優れるものの、
密着性、可撓性、耐摩耗性に劣ることがわかる。これに
対して、PMDA系ポリイミドワニスであるPyreM
LワニスとBPDA系ポリイミドワニスであるUワニス
Sをブレンドした絶縁塗料から作製した絶縁電線(実施
例1〜4)は、PyreMLワニス単独で作製した絶縁
電線(比較例1)に比べて、耐熱性と耐摩耗性に優れ、
密着性及び可撓性も良好であることがわかる。
【0023】[実施例5]1800gのPyreMLワ
ニスに、1000gのUワニスSと270gのシリカ
(龍森製ヒューズレックスFL−FF)を加え、室温で
1時間撹拌後、3本ロールミルにて分散させることによ
り絶縁塗料を調製した。この絶縁塗料を、直径1.0m
mの銅導体表面に、常法により塗布し、400℃にて約
2分間焼き付けすることにより、厚み35μmの絶縁皮
膜を有する絶縁電線を作製した。
【0024】[実施例6]1740gのPyreMLワ
ニスに、1450gのUワニスSと261gのシリカ
(ヒューズレックスFL−FF)を加え、室温で1時間
撹拌後、3本ロールミルにて分散させることにより調製
した絶縁塗料を用いたこと以外は、実施例5と同様にし
て、厚み35μmの絶縁皮膜を有する絶縁電線を作製し
た。
【0025】[実施例7]シリカ(ヒューズレックスF
L−FF)の代わりに、270gの窒化ホウ素(昭和電
工製UHP−S1)を加え、室温で1時間撹拌後、3本
ロールミルにて分散させることにより調製した絶縁塗料
を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、厚み35
μmの絶縁皮膜を有する絶縁電線を作製した。
【0026】[実施例8]シリカ(ヒューズレックスF
L−FF)の代わりに、261gの窒化ホウ素(UHP
−S1)を加え、室温で1時間撹拌後、3本ロールミル
にて分散させることにより調製した絶縁塗料を用いたこ
と以外は、実施例6と同様にして、厚み35μmの絶縁
皮膜を有する絶縁電線を作製した。
【0027】[実施例9]シリカ(ヒューズレックスF
L−FF)の代わりに、157gの窒化ホウ素(UHP
−S1)を加え、室温で1時間撹拌後、3本ロールミル
にて分散させることにより調製した絶縁塗料を用いたこ
と以外は、実施例6と同様にして、厚み35μmの絶縁
皮膜を有する絶縁電線を作製した。
【0028】[実施例10]1800gのPyreML
ワニスに、1000gのUワニスSを加え、室温で1時
間攪拌して調製したフィラーを含有しない絶縁塗料を用
いたこと以外は、実施例5と同様にして厚み35μmの
絶縁皮膜を有する絶縁電線を作製した。
【0029】[比較例3]3000gのUワニスSに、
324gの窒化ホウ素(UHP−S1)を加え、室温で
1時間撹拌後、3本ロールミルにて分散させることによ
り調製した絶縁塗料を用いたこと以外は、実施例5と同
様にして、厚み35μmの絶縁皮膜を有する絶縁電線を
作製した。
【0030】[比較例4]3000gのPyreMLワ
ニスに、270gの窒化ホウ素(UHP−S1)を加
え、室温で1時間撹拌後、3本ロールミルにて分散させ
ることにより調製した絶縁塗料を用いたこと以外は、実
施例5と同様にして、厚み35μmの絶縁皮膜を有する
絶縁電線を作製した。
【0031】[比較例5]シリカ(ヒューズレックスF
L−FF)の代わりに、522gの窒化ホウ素(UHP
−S1)を加え、室温で1時間撹拌後、3本ロールミル
にて分散させることにより調製した絶縁塗料を用いたこ
と以外は、実施例6と同様にして、厚み35μmの絶縁
皮膜を有する絶縁電線を作製した。実施例5〜6及び比
較例3〜4で得られた絶縁電線について、物性の測定結
果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】上記表2の結果より、絶縁塗料としてUワ
ニスSのみを用いて作製した絶縁電線(比較例3)は、
耐熱性に優れているものの、可撓性及び密着性に劣るこ
とがわかる。PyreMLワニスのみを用いて作製した
絶縁電線(比較例4)は、同じ量比(60重量部)のシ
リカや窒化ホウ素を含有する樹脂組成物の絶縁皮膜が形
成された絶縁電線(実施例5及び7)に比べて、耐熱性
や耐摩耗性に劣る。フィラーを含有しない絶縁皮膜を有
する絶縁電線(実施例10)に比べて、フィラーを含有
させることにより(実施例5〜9)、劣化時の絶縁破壊
電圧を高く維持することができ、バーンアウト時間も長
くなり、耐熱性が改善されることがわかる。しかし、フ
ィラーの配合量が100重量部と多くなると(比較例
5)、耐熱性は優れるものの、密着性及び可撓性に劣る
ことがわかる。
【0034】これらの実施例の中でも、PyreMLワ
ニスに耐熱性の優れたUワニスSをブレンドし、さらに
熱伝導率の高いフィラーを、より好ましくは40〜90
重量部、最も好ましくは50〜80重量部の割合で配合
した絶縁塗料を用いて作製した絶縁電線(実施例5〜
8)は、劣化後の絶縁破壊電圧が高く、バーンアウト時
間も著しく長くなっており、耐熱性に優れ、しかも耐摩
耗性や密着性、可撓性も優れていることがわかる。ま
た、耐摩耗性の面からは窒化ホウ素(実施例7、8)よ
り、シリカ(実施例5、6)の方が優れていることがわ
かる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、PMDA系ポリイミド
からなる絶縁皮膜の可撓性及び密着性などの特性を保持
しつつ、機械強度や耐熱性に優れた絶縁電線を形成する
ことができる。本発明の絶縁電線は、例えばモーター用
コイルに用いた場合、モーターのコアに多くの絶縁電線
を捲き付けても、絶縁皮膜に損傷が生じるおそれが少な
く、また、大きな電流を流すことも可能である。したが
って、本発明の絶縁電線は、近年の機器の小型化、軽量
化の要求に適した小型でかつ高出力のモーターに適用す
ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に、1,2,4,5−ベンゼンテ
    トラカルボン酸二無水物と4,4′−ジアミンジフェニ
    ルエーテルからなるポリイミド(A)、及びこれより耐
    熱性の優れた樹脂(B)を含有する樹脂組成物からなる
    絶縁皮膜が形成されていることを特徴とする絶縁電線。
  2. 【請求項2】 前記樹脂(B)が、3,4,9,10−
    ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と1,4−ジアミ
    ノベンゼンからなるポリイミド(B1)である請求項1
    記載の絶縁電線。
  3. 【請求項3】 前記樹脂組成物が、樹脂成分としてポリ
    イミド(A)20〜95重量%と樹脂(B)5〜80重
    量%を含有するものである請求項1または2記載の絶縁
    電線。
  4. 【請求項4】 前記樹脂組成物が、樹脂成分100重量
    部に対して、フィラー(C)を100重量部未満の割合
    で更に含有するものである請求項1ないし3のいずれか
    1項に記載の絶縁電線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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