JPH10197687A - 複合型原子力発電設備 - Google Patents

複合型原子力発電設備

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JPH10197687A
JPH10197687A JP9002636A JP263697A JPH10197687A JP H10197687 A JPH10197687 A JP H10197687A JP 9002636 A JP9002636 A JP 9002636A JP 263697 A JP263697 A JP 263697A JP H10197687 A JPH10197687 A JP H10197687A
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JP
Japan
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steam
boiler
pressure turbine
feedwater
kcal
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Application number
JP9002636A
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English (en)
Inventor
Satoshi Miura
聡志 三浦
Shingo Oda
伸吾 織田
Koji Hashimoto
光司 橋本
Hiroshi Suzuki
博志 鈴木
Minoru Saito
実 斉藤
Takashi Nakayama
高史 仲山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin

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  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、蒸気タービンの熱効率の大幅
な向上を確実に達成でき、且つ運転も容易な複合型原子
力発電設備を提供することにある。 【解決手段】原子炉圧力容器1で発生した蒸気は、主蒸
気配管11を介して高圧タービン2に供給される。高圧
タービン2から排気された蒸気は、ボイラ25内の蒸気
加熱器23で再加熱されて低圧タービン3に供給され
る。この際、ボイラの熱出力Qb [kcal/h]、低圧タ
ービン入口の蒸気エンタルピーh3[kcal/kg]、高圧
タービン出口の蒸気エンタルピーh2[kcal/kg]、低
圧タービンの蒸気流量GS [kg/h]、及び蒸気に対す
るボイラの熱効率ηbSの間に、Qb>(h3−h2)GS
/ηbS の関係が成立するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は核分裂の熱で蒸気を
発生し発電する原子力発電設備に係わり、特に発電用の
タービンと蒸気過熱用のボイラとを備えた複合型原子力
発電設備に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の複合型原子力発電設備に関する第
1の従来技術としては、特開昭62−218606号公報及び米
国特許第3,047,479号公報に、高圧タービンを出て低圧
タービンに入る蒸気を原子炉から出た蒸気で加熱する構
成が記載されている。
【0003】また、第2の従来技術としては、特開昭62
−27696 号公報に、高圧タービンを出て低圧タービンに
入る蒸気を、原子炉から出た蒸気およびガスタービン発
電機の排ガスの両方を用いて加熱する構成が記載されて
いる。
【0004】また、第3の従来技術としては、特開昭57
−22596 号公報に、高圧タービンを出て低圧タービンに
入る蒸気を燃焼炉で加熱する構成が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した第1及び第2
の従来技術では、原子炉から出た蒸気の温度及びガスタ
ービン発電機の排ガスの温度が低いために、蒸気タービ
ン(特に、低圧タービン)の熱効率を大幅には向上できな
かった。更に、第2の従来技術では、ガスタービンの運
転と連動した原子炉の運転が要求されるので、運転が複
雑であった。
【0006】また、第3の従来技術では、第1及び第2
の従来技術に比べて熱効率は向上するものの、燃焼炉が
満足すべき熱効率に関係する条件に関しては特に考慮さ
れていない。従って、第3の従来技術でも、蒸気タービ
ンの熱効率の大幅な向上は不確実であった。
【0007】本発明の目的は、蒸気タービンの熱効率の
大幅な向上を確実に達成でき、且つ運転も容易な複合型
原子力発電設備を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1の発明は、蒸気を発生する原子炉圧力容器と、該
圧力容器で発生された蒸気が供給される高圧タービン
と、該高圧タービンから排気された蒸気を加熱するボイ
ラと、該ボイラで加熱された蒸気が供給される低圧ター
ビンとを備えた複合型原子力発電設備において、ボイラ
の熱出力Qb[kcal/h]、低圧タービン入口の蒸気エ
ンタルピーh3[kcal/kg]、高圧タービン出口の蒸気
エンタルピーh2[kcal/kg] 、低圧タービンの蒸気流
量GS[kg/h]、及び蒸気に対するボイラの熱効率η
bSの間に、 Qb>(h3−h2)GS/ηbS の関係が成立するように構成する。
【0009】第2の発明は、蒸気を発生する原子炉圧力
容器と、該圧力容器で発生された蒸気が供給される高圧
タービンと、該高圧タービンから排気された蒸気を加熱
するボイラと、該ボイラで加熱された蒸気が供給される
低圧タービンと、該低圧タービンから排気された蒸気を
凝縮して復水とする復水器と、該復水器で凝縮された復
水を給水として前記圧力容器に供給する給水系とを備え
た複合型原子力発電設備において、前記ボイラは前記給
水を加熱する給水加熱部を備え、更に、該給水加熱部を
バイパスするバイパスラインと、前記ボイラと前記圧力
容器の間の給水系における給水温度に基づいて前記バイ
パスラインの給水流量を制御する制御装置とを備える。
【0010】
【発明の実施の形態】図1及び図2を用いて、本発明に
よる複合型原子力発電設備の第1実施例を説明する。図
1は第1実施例の概略系統図、図2は第1実施例のター
ビン建屋内の概略配置図で、図2(a)は上面図を、図
2(b)はA−A矢視図をそれぞれ示す。
【0011】本複合型原子力発電設備は、主に原子炉圧
力容器1,高圧タービン2,低圧タービン3,発電機
5,復水器6,給水加熱器8,ボイラ25等から構成さ
れる。これらの構成機器のうち原子炉圧力容器1以外の
ものは、タービン建屋28の中に設置されている。
【0012】図1の構成で、原子炉圧力容器1内の核分
裂により発生した蒸気は主蒸気配管11を介して高圧タ
ービン2に供給され、仕事をする。高圧タービン2から
排気された蒸気は、ボイラ25内の蒸気加熱器23で再
加熱されて低圧タービン3に供給され、仕事をする。即
ち、低圧タービン3に供給された蒸気により低圧タービ
ン3に接続された発電機5を回転させて、発電を行う。
【0013】低圧タービン3で仕事をした蒸気は、復水
器6内の復水コンデンサ21で凝縮され水(復水)に戻
される。復水コンデンサ21には、蒸気を冷却するため
の海水を海水ポンプ20により通水している。復水は、
復水ポンプ7で昇圧され、復水器6内の給水加熱器22
で加熱され、給水ポンプ9で更に昇圧される。給水ポン
プ9で昇圧された給水(復水)は、ボイラ25内の給水
加熱器24で加熱された後、給水加熱器8で更に加熱さ
れ、給水配管12を介して原子炉圧力容器1に戻され
る。
【0014】給水加熱器8には、高圧タービン2の下流
側から抽気配管13を介して蒸気が供給される。抽気配
管13には、抽気配管隔離弁14が設けてある。制御装
置40は、給水加熱器8と原子炉圧力容器1の間の給水
系である給水配管12に設けた温度計27で計測した給
水温度に基づいて、抽気配管隔離弁14の開閉を制御す
る。
【0015】以下、起動時、低出力時及び高出力時にお
ける運転方法を説明する。起動時及び低出力時には、給
水の加熱は、ボイラ25を用いず給水加熱器8を用いて
行う。即ち、起動時及び低出力時に、ボイラ25は停止
しており、制御装置40は、温度計27で計測した給水
温度が任意の設定温度になるように、抽気配管隔離弁1
4の開度を制御する。
【0016】高出力時には、給水の加熱は、ボイラ25
及び給水加熱器8の両方を用いて行う。即ち、高出力時
において、ボイラ25のみで給水温度を設定温度に調整
できる場合は、抽気配管隔離弁14を閉じ、給水加熱器
8による加熱は行わない。一方、ボイラ25のみで給水
温度が設定温度より低い場合は、制御装置40は、温度
計27で計測した給水温度が設定温度になるように、抽
気配管隔離弁14の開度を制御する。
【0017】図2に示すように、高圧タービン2,低圧
タービン3,発電機5,給水ポンプ9及びボイラ25
は、タービン建屋28の運転フロアの床面28aよりも
上側に設置されている。高圧タービン2,3台の低圧タ
ービン3及び発電機5は、各回転軸が一致するように配
置されている。復水器6は、低圧タービン3の下側に配
置されている。2台の給水ポンプ9は、低圧タービン3
の近傍に配置されている。
【0018】ボイラ25は、高圧タービン2及び低圧タ
ービン3の近傍で、給水ポンプ9と反対側に配置されて
いる。このように配置することにより、高圧タービン2
とボイラ25を接続する配管29の長さ、及び低圧ター
ビン3とボイラ25を接続する配管30の長さを最短に
できる。配管29及び30の長さを最短にすることによ
り、プラントコストを低減できると共に、配管からの放
熱量を低減して熱効率を向上することもできる。
【0019】更に、ボイラ25をタービン建屋28内に
設置したことにより、ボイラ25で発生する排気ガスを
復水器6からの排気ガスと合わせて排気筒(図示せず)
から排気できるので、排気ラインの長さを短くできる。
これもプラントコストの低減に寄与する。
【0020】以下、図3を用いて本実施例の主な動作原
理を説明する。同図は蒸気−水系のエンタルピーとエン
トロピーの関係図で、本実施例による状態推移も併記し
ている。同図で、t[℃]は蒸気温度、p[kg/cm2
は蒸気圧、y[%]は湿り度を表す。
【0021】蒸気は、原子炉圧力容器1内で加熱される
ことにより、湿り蒸気の状態から飽和線の近傍までエン
タルピー及びエントロピーが増加する。この状態変化を
図中の太い実線の矢印A1で示す。この蒸気は、高圧タ
ービン2に導かれて、エンタルピー差(熱落差)に相当
する仕事をする。この状態変化を図中の太い破線の矢印
A2で示す。
【0022】高圧タービン2を出た湿り蒸気は、ボイラ
25で再加熱され過熱蒸気の状態までエンタルピー及び
エントロピーが増加する。この状態変化を図中の太い実
線の矢印A3で示す。この蒸気は、低圧タービン3に導
かれて、エンタルピー差(熱落差)に相当する仕事をす
る。この状態変化を図中の太い破線の矢印A4で示す。
【0023】一般に、原子力発電における状態は図3の
飽和線を上回ることはなく、大きな熱効率が期待できな
い。一方、火力発電においては飽和線を越えた領域での
運転が行われるものの、高圧タービン2での熱落差は小
さく、大きな熱効率を獲得しているのは低圧タービン3
である。従って、高圧タービン2を出て低圧タービン3
に入る蒸気をボイラ25を用いて加熱することにより、
大幅な熱効率の向上が図れる。
【0024】低圧タービンでの熱効率η1tは次式で表さ
れ、η1tを向上させるには、低圧タービンでの熱落差H
e を大きくする必要がある。
【0025】
【数1】 η1t=He/H0 …(数1) ここで、H0 は低圧タービンでの断熱熱落差である。
【0026】このためには、低圧タービン入口の蒸気エ
ンタルピーh3 を大きくする必要がある。任意の低圧タ
ービン入口の蒸気エンタルピーh3 [kcal/kg]を得る
ためのボイラ熱出力Qb [kcal/h]は、次式で与えら
れる。
【0027】
【数2】 Qb>(h3−h2)GS/ηbS …(数2) ここで、h2[kcal/kg]は高圧タービン出口の蒸気エ
ンタルピー、GS[kg/h]は低圧タービンの蒸気流
量、ηbSは蒸気に対するボイラ熱効率である。
【0028】従って、Qb,h3,h2,GS及びηbSの間
に数1の関係が成立するように構成することにより、ボ
イラが有する高い熱効率を利用して、低圧タービンの熱
効率を大幅に且つ確実に向上できる。
【0029】また、ボイラの熱は低圧タービンに供給さ
れる蒸気の加熱で消費されるものの、給水を加熱するの
に十分なエネルギーを有している。この蒸気の加熱及び
給水の加熱の両方を行うためのボイラ熱出力Qb[kcal
/h] は、次式で与えられる。
【0030】
【数3】 Qb>(h3−h2)GS+(h0−h6)G1/ηb1 …(数3) ここで、h0 [kcal/kg]は原子炉圧力容器入口の給水
エンタルピー、h6[kcal/kg]はボイラ入口の給水エ
ンタルピー、G1 [kg/h]は給水流量、ηb1は給水に
対するボイラ熱効率である。
【0031】また、蒸気に対するボイラ熱効率η
bS は、次式で与えられる。
【0032】
【数4】 ηbS=(h3−h2)GS/((h3−h2)GS+(h0−h6)G1/ηb1) …(数4) 従って、Qb,h3,h2,GS,h0,h6,G1 及びηb1
の間に数3の関係が成立するように構成することによ
り、ボイラが有する高い熱効率を利用して、低圧タービ
ンの熱効率を大幅に且つ確実に向上できる。更に、ボイ
ラによる給水の加熱も熱効率の向上に寄与する。
【0033】次に、一般的な原子炉に対して本発明を適
用する際のボイラの設計条件を説明する。高圧タービン
の出口から原子炉に至る系統において、蒸気の系統外へ
の流出はないと仮定すると、GS=G1=GSYS(系統流
量)と定義できる。これは、給水の加熱をボイラのみで
実施することに対応している。
【0034】典型的な原子炉の高圧タービン出口におい
ては、圧力は約15kg/cm2 、蒸気エンタルピーh2
約600kcal/kgである。この際、低圧タービンでの熱
効率を十分に高くするためには、低圧タービン入口の蒸
気エンタルピーh3 を火力プラント並みの約900kcal
/kgとする必要がある。
【0035】一方、典型的な復水器出口(ボイラ入口)
の給水エンタルピーh6 は約30kcal/kgで、典型的な
原子炉圧力容器入口の給水エンタルピーh0 は約230
kcal/kgである。
【0036】図4に、単位系統流量当たりのボイラ熱出
力Qb/GSYS と蒸気に対するボイラ熱効率ηbSの関係
を示す。ここで、h0,h2,h3及びh6は上記の条件を
用いた。低圧タービン入口の蒸気の加熱に必要な単位系
統流量当たりのボイラ熱出力Qb/GSYSは、ボイラ熱効
率ηbSが1.0で最小の値300kcal/kg(=h3
2 )をとる。ボイラ熱効率ηbSが低下すると、低圧タ
ービン入口の蒸気の加熱に供しない熱(図4の実線と破
線の差分)が増加する。しかし、この蒸気の加熱に供し
ない熱の一部は、給水の加熱に供することができる。
【0037】給水に対するボイラ熱効率ηb1を一般的な
ボイラの熱効率と同じ0.85 とすると、給水の加熱に
必要な熱は(h0−h6)/ηb1=235kcal/kgとな
る。従って、単位系統流量当たりのボイラ熱出力Qb
SYSは、最低でも(h3−h2)+(h0−h6)/ηb1
=300+235=535kcal/kgが必要である。この
最低の熱出力を図4に一点鎖線で示す。
【0038】即ち、図4の実線と一点鎖線の差分は、低
圧タービン入口の蒸気の加熱及び給水の加熱の何れにも
用いられない熱(以下、熱損失という)に相当する。図
4から、ボイラ熱効率ηbSが約0.5 より小さくなる
と、熱損失が増加することが判る。従って、熱損失を抑
えてプラントの熱効率を十分に向上するためには、蒸気
に対するボイラ熱効率ηbSが数4の条件を満足するよう
に構成することが重要である。
【0039】これにより、ボイラ運転時の熱損失を最小
限に抑制しつつ、最大限の熱効率を得ることができる。
これに伴い、熱効率の向上及び化石燃料の有効利用の両
面から、資源及びエネルギーの節約が可能となる。更
に、化石燃料への依存度の低減により、二酸化炭素や窒
素酸化物などの環境への放出量を抑制することも期待で
きる。
【0040】次に、図5を用いて、本発明による複合型
原子力発電設備の第2実施例を説明する。図5は第2実
施例の概略系統図である。本実施例の基本構成は第1実
施例とほぼ同じで、第1実施例と異なるのは次の2点で
ある。第1は、ボイラ25内の給水加熱器24に流量制
御弁26付きのバイパスライン29を設けたことであ
る。第2は、抽気配管隔離弁14及び流量制御弁26の
開閉を、給水加熱器8と原子炉圧力容器1の間の給水配
管12に設けた温度計27で計測した給水温度に基づい
て制御する制御装置41を設けたことである。その他の
構成は第1実施例と同じであるので、ここでは説明を省
略する。
【0041】本実施例では、ボイラ25を運転していな
い場合、抽気配管隔離弁14を開き、高圧タービン2か
ら排気された蒸気の一部を抽気配管13を介して給水加
熱器8に供給することにより給水を加熱する。一方、ボ
イラ25を運転している場合、抽気配管隔離弁14及び
流量制御弁26を閉じることにより給水加熱器24への
給水の流量を増加し、給水を加熱する。何れの場合も、
制御装置41が給水配管12に設けた温度計27で計測
した給水温度に基づいて、抽気配管隔離弁14及び流量
制御弁26の開閉を制御する。
【0042】次に、図6を用いて、本実施例における抽
気配管隔離弁14及び流量制御弁26の制御方法を説明
する。図6(a)の縦軸は抽気配管隔離弁の開閉速度
を、図6(b)の縦軸は流量制御弁の開閉速度を、横軸
は給水温度をそれぞれ表す。給水温度は設定温度を0と
し、設定温度より高い温度を+で、設定温度より低い温
度を−で表している。
【0043】温度計27で計測した給水温度が設定温度
より低い(−)場合、制御装置41は、給水温度と設定
温度の温度差に比例した速度で抽気配管隔離弁14が開
くように、抽気配管隔離弁14に開弁信号を送信する。
給水温度が設定温度より高い(+)場合、制御装置41
は、給水温度と設定温度の温度差に比例した速度で抽気
配管隔離弁14が閉じるように、抽気配管隔離弁14に
閉弁信号を送信する。これらの開弁信号又は閉弁信号に
応じて、抽気配管隔離弁14は仕様範囲内の速度で開弁
動作又は閉弁動作を行う。
【0044】流量制御弁26に対しても同様な制御が行
われるが、給水温度と設定温度の温度差に対する流量制
御弁26の開閉動作は、抽気配管隔離弁14と逆であ
る。即ち、給水温度が−の場合、制御装置41は流量制
御弁26を閉じるように制御し、給水温度が+の場合、
制御装置41は流量制御弁26を開くように制御する。
図7に、流量制御弁26と抽気配管隔離弁14の動作条
件を示す。ボイラ25を停止している場合、原子炉圧力
容器1で発生した蒸気により給水を加熱するために流量
制御弁26を全閉し、抽気配管隔離弁14のみで給水温
度を制御する。ボイラ25を運転している場合は、ボイ
ラ25の熱を優先的に給水の加熱に用いる。このため、
抽気配管隔離弁14を全閉し、流量制御弁26のみで給
水温度を制御する。この場合、流量制御弁26を全閉に
しても給水温度が低いときは、抽気配管隔離弁14を開
いて給水温度を更に上昇させる。
【0045】本実施例でも、第1実施例と同様に、大幅
な熱効率の向上を確実に図ることができる。本実施例で
は、更に、プラントの起動運転から高出力運転までの広
い運転状態に亘る連続した出力変動に対しても、給水温
度を任意に設定することにより対応できるので、負荷追
従運転が容易となる効果も得られる。これについては、
後述する。
【0046】次に、図8及び図9を用いて、第1実施例
及び第2実施例によるプラント電気出力の負荷追従運転
を説明する。図8はボイラの出力を一定にした場合、図
9はボイラの出力を連続可変にした場合を示す。
【0047】図8(a)は電力需要の時間変化を、図8
(b)はプラント電気出力の時間変化をそれぞれ示す。
図8は、一日内の電力需要に対してボイラ出力を一定で
運転し、負荷追従を図った例である。この場合、図8
(b)に二点鎖線で示した原子炉の定格出力以上に負荷
が増加した時、負荷の増加に対してボイラを燃焼させて
電気出力を増加させる。
【0048】本運転方法によれば、原子炉とは独立した
ボイラ運転によって負荷変動に追従できるので、複雑な
連携運転を必要とせず運転が容易になる。但し、ボイラ
の出力が一定のために、不連続な負荷の変動に対しては
追従できない。この場合は、他の発電設備と連携した運
転が必要となる。
【0049】図9(a)は電力需要の時間変化を、図9
(b)はプラント電気出力の時間変化をそれぞれ示す。
図9は、一日内の電力需要に応じてボイラ出力を連続可
変にして、負荷追従を図った例である。この場合、図9
(b)に二点鎖線で示した原子炉の定格出力以上に負荷
が増加した時、負荷の増加に応じてボイラの燃焼を増加
させることにより電気出力を増加させる。
【0050】本運転方法によれば、不連続な負荷変動に
対しても、原子炉とは独立したボイラ運転によって追従
できるので、運転は更に容易となる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、従来の原子力発電設備
に比べて熱効率の大幅な向上を確実に図ることができ
る。また、原子炉とは独立したボイラ運転によって負荷
変動に追従できるので、運転が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複合型原子力発電設備の第1実施
例の概略系統図。
【図2】第1実施例のタービン建屋内の概略配置図で、
(a)は上面図を、(b)はA−A矢視図をそれぞれ示
す。
【図3】蒸気−水系のエンタルピーとエントロピーの関
係図。
【図4】単位系統流量当たりのボイラ熱出力と蒸気に対
するボイラ熱効率の関係図。
【図5】本発明による複合型原子力発電設備の第2実施
例の概略系統図。
【図6】第2実施例における抽気配管隔離弁及び流量制
御弁の制御方法の説明図で、(a)は抽気配管隔離弁
を、(b)は流量制御弁をそれぞれ示す。
【図7】流量制御弁と抽気配管隔離弁の動作条件を示す
図。
【図8】本発明によるプラント電気出力の負荷追従運転
の一例の説明図で、(a)は電力需要の時間変化を、
(b)はプラント電気出力の時間変化をそれぞれ示す。
【図9】本発明によるプラント電気出力の負荷追従運転
の一例の説明図で、(a)は電力需要の時間変化を、
(b)はプラント電気出力の時間変化をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…高圧タービン、3…低圧ター
ビン、5…発電機、6…復水器、7…復水ポンプ、8…
給水加熱器、9…給水ポンプ、11…主蒸気配管、12
…給水配管、13…抽気配管、14…抽気配管隔離弁、
20…海水ポンプ、21…復水コンデンサ、22…給水
加熱器、23…蒸気加熱器、24…給水加熱器、25…
ボイラ、26…流量制御弁、27…温度計、28…ター
ビン建屋、28a…運転フロアの床面、31…制御装
置。
フロントページの続き (72)発明者 橋本 光司 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 鈴木 博志 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 斉藤 実 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 仲山 高史 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸気を発生する原子炉圧力容器と、該圧力
    容器で発生された蒸気が供給される高圧タービンと、該
    高圧タービンから排気された蒸気を加熱するボイラと、
    該ボイラで加熱された蒸気が供給される低圧タービンと
    を備えた複合型原子力発電設備において、 ボイラの熱出力Qb [kcal/h]、低圧タービン入口の
    蒸気エンタルピーh3[kcal/kg]、高圧タービン出口
    の蒸気エンタルピーh2 [kcal/kg]、低圧タービンの
    蒸気流量GS [kg/h]、及び蒸気に対するボイラの熱
    効率ηbSの間に、 Qb >(h3−h2)GS/ηbS の関係が成立するように構成したことを特徴とする複合
    型原子力発電設備。
  2. 【請求項2】請求項1において、Qb [kcal/h]、h
    3[kcal/kg]、h2[kcal/kg]、GS[kg/h]、圧
    力容器入口の給水のエンタルピーh0[kcal/kg]、ボ
    イラ入口の給水のエンタルピーh6[kcal/kg]、給水
    の流量G1[kg/h]、及び給水に対するボイラの熱効
    率ηb1の間に、 Qb>(h3−h2)GS+(h0−h6)G1/ηb1 の関係が成立するように構成したことを特徴とする複合
    型原子力発電設備。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記低圧ター
    ビンから排気された蒸気を凝縮して復水とする復水器
    と、該復水器で凝縮された復水を給水として前記圧力容
    器に供給する給水系とを備え、前記ボイラは前記給水を
    加熱することを特徴とする複合型原子力発電設備。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記蒸気を用いて前記
    給水を加熱する給水加熱器を、前記ボイラと前記圧力容
    器の間の給水系に設けたことを特徴とする複合型原子力
    発電設備。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記給水加熱器と前記
    圧力容器の間の給水系における給水温度に基づいて前記
    給水を加熱する蒸気の量を制御する制御装置を備えたこ
    とを特徴とする複合型原子力発電設備。
  6. 【請求項6】蒸気を発生する原子炉圧力容器と、該圧力
    容器で発生された蒸気が供給される高圧タービンと、該
    高圧タービンから排気された蒸気を加熱するボイラと、
    該ボイラで加熱された蒸気が供給される低圧タービン
    と、該低圧タービンから排気された蒸気を凝縮して復水
    とする復水器と、該復水器で凝縮された復水を給水とし
    て前記圧力容器に供給する給水系とを備えた複合型原子
    力発電設備において、 前記ボイラは前記給水を加熱する給水加熱部を備え、更
    に、該給水加熱部をバイパスするバイパスラインと、前
    記ボイラと前記圧力容器の間の給水系における給水温度
    に基づいて前記バイパスラインの給水流量を制御する制
    御装置とを備えたことを特徴とする複合型原子力発電設
    備。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記制御装置は前記給
    水温度が所定の温度になるように前記バイパスラインの
    給水流量を制御することを特徴とする複合型原子力発電
    設備。
  8. 【請求項8】請求項6において、前記蒸気を用いて前記
    給水を加熱する給水加熱器を前記ボイラと前記圧力容器
    の間の給水系に設け、前記制御装置は前記給水加熱器と
    前記圧力容器の間の給水系における給水温度に基づいて
    前記給水を加熱する蒸気の量を制御することを特徴とす
    る複合型原子力発電設備。
  9. 【請求項9】請求項1又は6において、前記高圧タービ
    ン、前記低圧タービン及び前記ボイラはタービン建屋内
    に設けられたことを特徴とする複合型原子力発電設備。
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