JPH10197679A - 容器ノズル内面の補修方法及びその装置 - Google Patents
容器ノズル内面の補修方法及びその装置Info
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Abstract
面の補修作業を外部から実施可能とし、作業環境を確保
するとともに、作業性を高める。 【解決手段】 容器の内部に遮水ケースを吊り降ろし容
器の内壁面に接触させてノズルのノズル穴を内側から覆
い、遮水ケースの内部水を抜いてノズル穴を気体雰囲気
とするとともに、容器の内部に水を貯留したままノズル
の先端に接続されている配管部品を切断し、ノズルの切
断口より溶接トーチをノズル穴に入れてノズルの内面や
容器の内壁面にクラッド層を形成する。
Description
補修方法及びその装置に係り、特に、軽水炉における原
子炉圧力容器のノズル内面を水中雰囲気で補修する場合
の好適技術に関するものである。
際には、作業従事者の被曝低減を図る観点から、原子炉
圧力容器の原子炉冷却水を残したまま実施することが好
ましい。
「原子炉ノズル二重管部の補修方法」や、技術例2:特
開平04−001595号「原子炉ノズル二重管部の補
修方法」では、原子炉冷却水の水位を下げて、補修部分
を露出させた気体雰囲気にするとともに、原子炉圧力容
器の外側のサーマルスリーブ等を切断して、再溶接する
技術等が採用されている。
を吊り降ろして、水中雰囲気中で検査作業等を行なうた
めの関連技術として、技術例3:特開平05−3410
84号「狭隘部設置機器の案内装置」や、技術例4:特
開平06−088811号「狭隘部における溶接部の超
音波探傷装置」等が提案されている。
器に配される配管用ノズルの内面を補修溶接する場合に
は、狭隘部の作業,水中作業となることに加えて、ノズ
ル穴の内径が管軸方向に変化しているラッパ状であるこ
ともあいまって、技術例1〜4の適用が困難になる。
たもので、以下の目的を達成しようとするものである。 原子炉冷却水の水位を下げることなく、ノズル内面の
補修作業を外部から実施すること。 作業従事者の被曝低減を図ること。 作業環境を確保するとともに、作業性を高めること。 種々の作業時の融通性を確保すること。
の遮水ケースを吊り降ろして、該遮水ケースのシール縁
部を容器の内壁面に接触させ、ノズルのノズル穴を内側
から覆って密封状態とするとともに、遮水ケースの内部
水を抜くことにより、ノズル穴を気体雰囲気とした後、
容器の内部に水を貯留したまま、ノズルの先端に接続さ
れている配管部品を切断する。切断口より、研磨装置を
ノズル穴に入れ、ノズルの内面や容器の内壁面の研磨と
検査とを実施する。ノズルの内面や容器の内壁面に補修
溶接を施す場合には、溶接手段の溶接トーチをノズル穴
に入れて、ノズルの内面や容器の内壁面に、クラッド層
を形成する。容器の内壁面におけるクラッド層の形成時
は、ノズル穴の内方に突出させた溶接トーチの起伏角度
を起伏連結部により設定するとともに、溶接トーチを旋
回させることにより行なわれる。形成されたクラッド層
は、研磨と検査とが行なわれる。ノズルの切断口には、
溶接開先加工を行なった後、新規の配管部品が溶接によ
り接続される。遮水ケースは、巻上げ機の吊持チェーン
により吊持された状態のまま昇降させられ、容器の上部
に配された給排水手段に対して、給排水ホース及び給排
気ホースが接続され、内部水の吸引と空気の導入とによ
り、遮水ケースが容器の内壁面に緊密に接触させられる
とともに、ノズル穴を気体雰囲気とする作業が実施され
る。遮水ケースを撤去する場合には、給排水手段から給
排水ホースを経由して水を供給して充満させるととも
に、給排気ホースを経由して内部空気を排出することに
より行なわれる。
内面の補修方法及びその装置の一実施形態を示してい
る。図中、符号Vは容器、Nはノズル、FA,FB,F
Cは作業フロア、Wは水、1は監視連絡手段、2は巻上
げ機、3は遮水ケース、4は給排水手段、5は研磨手
段、6は検査手段、7は溶接手段である。
子炉圧力容器とされるとともに、その内壁面fが、SU
S308等のステンレス鋼のクラッド層により形成さ
れ、胴部に、図2に示すように、水位計測装置等の配管
Pを取り付けるためのノズル(水位計装ノズル)Nが複
数配される。
ばインコネル600系材料により形成され、その基部溶
接部aがインコネル182系材料からなる溶接金属によ
り形成されているとともに、先端部にインコネル82及
びインコネル182系材料からなる溶接継手bを介在さ
せて、配管部品(セーフエンド及び配管)Pを接続する
ようにしている。
溶接部aや溶接継手bの近傍を補修溶接する必要がある
場合には、図4に示すように、基部溶接部a及び溶接継
手bを広範囲に覆う新規のクラッド層Cを形成するもの
とする。
業フロアFA,FB等に配され作業状況等を撮像化する
ためのテレビカメラ11と、該テレビカメラ11に接続
されその映像信号を作業フロアFA,FB,FCまで伝
送するための制御信号ケーブル12と、該制御信号ケー
ブル12に接続され映像を表示するためのテレビモニタ
13と、作業従事者相互の連絡を行なうためのスピーカ
14とを有している。
て昇降させるための吊持チェーン21を具備するものが
適用される。
状をなすとともに、片側が開口状態とされ、容器Vの内
壁面fに密接させるためのシール縁部31を有してお
り、上部に吊持状況を撮像化するためのテレビカメラ1
1が配される。
のポンプや貯留水槽を有しているとともに、ポンプ等の
運転を制御する給排水制御盤41と、遮水ケース3との
間に接続状態に配され給排水を行なう給排水ホース42
及び給排気を行なう給排気ホース43と、遮水ケース3
の近傍位置のテレビカメラ11を操作して向きやズーム
比等を設定する信号及び電力の伝送を行なうとともに照
明用電力を給電するための制御ケーブル44とが配され
る。
段7については、補修作業の実施工程とともに説明す
る。
されている巻上げ機(クレーン等)2を作動させ、吊持
チェーン21で吊持した遮水ケース3を水(原子炉冷却
水)Wの中に吊り降ろして、図5に示すように、遮水ケ
ース3のシール縁部31を、図5に示すように、ノズル
Nのノズル穴Hの内部開口を囲むように、容器Vの内壁
面fに接触させる。
給排水手段4を作動させて、遮水ケース3の内部の水W
を吸引するとともに、給排気ホース43から空気を遮水
ケース3の内部に取り入れて、水と空気とを置換させ、
ノズル穴H及び配管Pの内部を空気雰囲気にする。
Vの内部に水を貯留したまま、ノズルNの先端に接続さ
れている配管Pを、図5に示す切断位置Xから切断し、
ノズルNの先端を開放する。
ら、図6に示すように、ノズル穴Hの中に研磨手段5を
入れて、クラッド層Cを形成する範囲等の必要部分の研
磨を行なう。
と、該研磨手段5は、ノズルNの切断口mに取り付けら
れノズル穴Hに挿入されるホルダ部51と、該ホルダ部
51の外方端部に配される回転駆動源52と、該回転駆
動源52の回転運動を伝達するための回転伝達軸53
と、該回転伝達軸53の先端に配されウオーム・ホイー
ル機構等により構成されて起伏角度を設定するための起
伏連結部54と、該起伏連結部54を介在させて取り付
けられ回転することにより所望箇所の研磨を行なうため
の研磨具55と、起伏連結部54に接続され起伏角度を
設定するための研磨具起伏用ハンドル56と、ホルダ部
51を操作して研磨具55を旋回させ研磨位置を設定す
るための研磨具旋回用ハンドル57とを有している。
断口mを経由してノズル穴Hに挿入して、先端を遮水ケ
ース3の内部まで突出させるとともに、研磨具起伏用ハ
ンドル56及び起伏連結部54により研磨具55の起伏
角度を例えば90度の範囲で設定し、回転駆動源52の
作動により研磨具55を回転させるとともに、研磨具旋
回用ハンドル57の操作により旋回位置を設定して、所
望箇所の研磨を行なう。なお、起伏角度を変化させるこ
とにより、ノズル穴Hにおける曲面形状及び円筒形状を
なす内面の研磨が実施される。 〔ノズル内面等の検査〕容器Vの内壁面fやノズル穴H
の内面等の研磨後に、図7に示すように、切断口mから
ノズル穴Hの中に検査手段6を入れて、研磨作業範囲等
の検査を行なう。
口mに取り付けられノズル穴Hに挿入されるホルダ部6
1と、該ホルダ部61の先端に支持され例えば液体浸透
探傷試験等の検査を行なう検査具62とが配されるとと
もに、該検査具62を展開して容器Vの内壁面f等の研
磨面に接触させる展開用ハンドル63を有しているもの
が適用され、検査具62をノズルNの中に入れて展開し
た状態で検査が行なわれる。
入れて研磨面を撮像し、テレビモニタ13に映像を表示
させて、ノズルNの内部等を監視する外観検査や、研磨
加工部分の寸法検査等が付加される。
る場合には、図4を参照して説明したように(または図
8に示すように)、容器Vの内壁面fとノズルNの内面
の全域とに、クラッド層Cを形成する。
ついて説明すると、該溶接手段7にあってもノズルNの
切断口mに取り付けられるものであり、図1,図10な
いし図12に示すように、容器Vから離間した位置の作
業フロアFCに配され溶接作業の総合管理を行なうため
の溶接機用制御盤71と、該溶接機用制御盤71に接続
されるとともに作業フロアFBに配されて電力や信号の
中継を行なうための中継ボックス72と、該中継ボック
ス72に接続され主として溶接位置の切り替え等の制御
を行なうための操作ボックス73と、ノズルNの先端の
切断口mに取り付けられる支持ブラケット74と、該支
持ブラケット74に配されノズルNの長さ方向の位置の
調整を行なうための往復移動機構75と、該往復移動機
構75により往復移動可能にかつノズル穴Hに挿入状態
に支持されるホルダ部76と、該ホルダ部76の回りに
配されノズル穴Hの内面に複数箇所で接触して位置決め
を行なうための位置合せスペーサ77と、ホルダ部76
の先端に配され起伏角度を設定するための起伏連結部7
8と、該起伏連結部78に取り付けられ容器Vの内壁面
fやノズル穴Hの内面に補修溶接を施すための溶接トー
チ79と、起伏連結部78と溶接トーチ79との間に介
在状態に配され溶接トーチ79を直線移動させるための
トーチ直線移動機構80と、該トーチ直線移動機構80
に搭載され補修溶接状況を監視するためのテレビカメラ
11を取り付けるカメラホルダ81と、ホルダ部76の
外方端部に起伏連結部78に接続状態に配され起伏連結
部78を外部から操作して起伏角度を設定するためのト
ーチ起伏用ハンドル82と、ホルダ部76をを操作して
溶接トーチ79を旋回させ補修溶接位置を設定するため
のトーチ旋回用ハンドル83と、溶接トーチ79の先端
位置まで溶接ワイヤ(溶加棒)を供給するための溶接ワ
イヤ供給装置84とを有している。なお、起伏連結部7
8にあっては、ウオーム78a及びウオームホイール7
8bの組み合わせ機構等により構成される。
を、往復移動機構75の作動により切断口mを経由して
ノズル穴Hに挿入し、溶接トーチ79の先端を遮水ケー
ス3の内部まで突出させるとともに、トーチ起伏用ハン
ドル82及び起伏連結部78により、図10に示すよう
に、溶接トーチ79の起伏角度を例えば90度の範囲で
設定し、溶接機用制御盤71からの給電及び溶接ワイヤ
供給装置84からの溶接ワイヤ供給により、容器Vの内
壁面fやノズル穴Hの内面等にクラッド層Cを形成す
る。溶接箇所の旋回方向の位置の設定は、トーチ旋回用
ハンドル83の操作により行なわれ、ノズル穴Hの半径
方向の位置の設定は、往復移動機構75の作動により行
なわれる。
う場合には、起伏連結部78の作動により、ホルダ部7
6,トーチ直線移動機構80及び溶接トーチ79を図1
2に示すように一直線上に配して、トーチ直線移動機構
80によりノズル穴Hの長さ方向の移動を行なうととも
に、トーチ旋回用ハンドル83により旋回(ノズル穴H
の円周方向)方向の移動を行なうことにより、クラッド
層Cが形成される。
ら、図6を参照して説明したように、ノズル穴Hの中に
研磨手段5を入れて、クラッド層Cの表面の研磨を行な
う。
後に、図7を参照して説明したように、切断口mからノ
ズル穴Hの中に検査手段6を入れて、研磨作業範囲等の
検査を行なう。また、テレビカメラ11をノズルNの中
に入れて研磨面を撮像し、テレビモニタ13に映像を表
示させて、ノズルNの内部等を監視する外観検査や、研
磨加工部分の寸法検査等が付加される。
は、図8に示すように、新規の配管(配管部品)Pを接
続するための溶接開先Aを形成する溶接開先加工が行な
われる。
ルNには、前述したように、例えばインコネル82系材
料からなる新規の配管部品(セーフエンド)Pが、イン
コネル82系材料からなる溶接継手Bにより接続され
て、図9に示す状態となる。
ルN及び配管部品Pにあっては、液体浸透探傷試験や放
射線探傷試験が実施され、溶接継手B及びその近傍の健
全性の確認がなされる。
ある場合には、給排水手段4を作動させて、給排水ホー
ス42から水(原子炉冷却水)Wを供給するとともに、
給排気ホース43を経由して遮水ケース3の内部空気を
排出することにより、空気−水の置換を行ない、遮水ケ
ース3の内部に水Wを充満させて圧力を高めると、シー
ル縁部31が容器Vの内壁面fから離間した状態とな
る。その後、巻上げ機2を作動させて、吊持チェーン2
1により遮水ケース3を引き上げ撤去する。なお、遮水
ケース3の内部に水Wを注入することにより、ノズル穴
H及び配管Pの内部にも注水がなされる。
ル内面の補修方法及びその装置にあっては、以下の技術
を包含するものである。 a)ノズルNの先端に溶接開先Aを形成する工程を、配
管Pの切断工程に引き続いて行なうこと。 b)クラッド層Cの形成範囲が、主として容器Vの内壁
面fである場合に適用すること。 c)クラッド層Cの形成範囲が、主としてノズル穴Hの
内面である場合に適用すること。 d)容器V,内壁面f,ノズルN,溶接継手B,配管P
等の構成金属を任意に設定すること。 e)容器Vが原子炉圧力容器以外のものであること。
及びその装置によれば、以下の効果を奏する。 (1) 容器の内部に遮水ケースを吊り降ろして、ノズ
ル穴を内側から覆って密封状態とすることにより、水を
抜き取って水位を下げることなく、ノズル内面の補修作
業を外部から実施することができる。 (2) 容器が原子炉圧力容器である場合にあっては、
水位を維持したままの作業により、作業従事者の被曝低
減を図ることができる。 (3) 容器の外側での補修作業を行なうことにより、
作業環境の確保が容易になり、作業性を高めることがで
きる。 (4) ノズルの内部の水を空気と置換することによ
り、ノズルの内部に対する種々の作業を実施可能とする
とともに、作業時の融通性を確保することができる。 (5) ノズルの先端の切断口を経由して、容器の内部
まで各種機器を挿入することにより、検査や研磨等の作
業の適合性を得て、実用性を高めることができる。 (6) 溶接トーチの起伏角度を起伏連結部により設定
することにより、容器の内壁面やノズル穴の内面におけ
る補修溶接を、共通の溶接トーチで実施することができ
る。
その装置を示す一部を破断した正面図である。
示す正断面図である。
る。
る。
である。
る。
況を示す正断面図である。
況を示す正断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 容器(V)の内部に遮水ケース(3)を
吊り降ろし該遮水ケースのシール縁部(31)を容器の
内壁面(f)に接触させてノズル(N)のノズル穴
(H)を内側から覆う工程と、遮水ケースの内部水を抜
きノズル穴を気体雰囲気とする工程と、容器の内部に水
を貯留したままノズルの先端に接続されている配管部品
(P)を切断する工程と、ノズルの切断口(m)より溶
接トーチ(79)をノズル穴に入れてノズルの内面や容
器の内壁面にクラッド層(C)を形成する工程とを有す
ることを特徴とする容器ノズル内面の補修方法。 - 【請求項2】 溶接トーチ(79)をノズル穴(H)の
内方に突出させて溶接トーチの起伏角度を設定し、溶接
トーチを旋回させることにより、容器(V)の内壁面
(f)におけるクラッド層(C)の形成を行なうことを
特徴とする請求項1記載の容器ノズル内面の補修方法。 - 【請求項3】 ノズル(N)の切断口(m)に溶接開先
加工を行なった後、新規の配管部品(P)を溶接して接
続することを特徴とする請求項1または2記載の容器ノ
ズル内面の補修方法。 - 【請求項4】 クラッド層(C)の形成に先立って、ノ
ズル(N)の内面や容器(V)の内壁面(f)の検査を
行なうことを特徴とする請求項1、2または3記載の容
器ノズル内面の補修方法。 - 【請求項5】 容器(V)の内部に貯留された水中に吊
り降ろされノズル(N)のノズル穴(H)を内側から覆
って密封状態とする遮水ケース(3)と、遮水ケースの
内部水を抜く給排水手段(4)と、ノズル(N)の先端
の切断後に切断口(m)よりノズル穴に挿入されノズル
の内面や容器の内壁面(f)のクラッド層(C)を形成
する溶接手段(7)とを具備することを特徴とする容器
ノズル内面の補修装置。 - 【請求項6】 溶接手段(7)に、ノズル穴(H)の内
方に突出させた溶接トーチ(79)の起伏角度を設定す
る起伏連結部(78)が配されることを特徴とする請求
項5記載の容器ノズル内面の補修装置。
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JP00312897A JP3918217B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 容器ノズル内面の補修方法 |
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JP3918217B2 (ja) | 2007-05-23 |
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