JPH1019755A - 花粉自動捕集・解析システム - Google Patents

花粉自動捕集・解析システム

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JPH1019755A
JPH1019755A JP8124806A JP12480696A JPH1019755A JP H1019755 A JPH1019755 A JP H1019755A JP 8124806 A JP8124806 A JP 8124806A JP 12480696 A JP12480696 A JP 12480696A JP H1019755 A JPH1019755 A JP H1019755A
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國男 船見
Hiroyuki Miyamoto
博幸 宮本
Masako Sado
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 花粉の捕集から検鏡,解析まで自動化し、専
門的な技量を必要とすること無く、花粉の種類,飛散分
布の情報を短時間で得ることが可能となる花粉自動捕集
・解析システムを提供すること。 【解決手段】 空中に浮遊している花粉を自動捕集する
捕集装置と、この捕集装置により捕集した花粉をゴミや
塵などと区別させ花粉を画像解析しやすいように染色し
て封埋する染色封埋装置と、この染色封埋装置により染
色封埋した花粉の種類や数を計測する画像解析装置とに
より構成した花粉自動捕集・解析システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空中に浮遊してい
る花粉を自動捕集し、その種類や数を自動判定する花粉
自動捕集・解析システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
春先になると花粉症に悩まされている人が増加し、その
数は日本の人口の7〜9%とも言われている。
【0003】この花粉症に対して、様々な予防や治療が
試みられているが、社会予防医学の面から空中花粉の正
確な飛散情報,調査が求められている。
【0004】1987年以来、関東地方では、都衛生局
と気象協会が協力し、調査ステーションからの花粉飛散
実測値をもとに天候,温度,風向き,風速などの気象条
件と合わせて予報を行っており、年々改善が加えられて
いる。
【0005】しかし、現状ではこのデータ収集はすべて
人手に依存しており、大変、手間と時間がかかるうえ、
検鏡者の技量により結果に相当の差が生じる。
【0006】そのため、被害者の多いスギ花粉を中心に
予報がなされているが、花粉症を引き起こす空中浮遊花
粉は10種類以上にものぼり、飛散時期が重なる花粉も
存在し、一層正確な情報を提供することは困難であっ
た。
【0007】また、このように花粉情報の元となるデー
タは人手によって作成されており、観測者によって捕集
方法や計測方法が違い、データに統一性・信頼性がない
のが現状である。
【0008】本発明は、これら空中浮遊花粉の情報収集
に際しての問題点を解決すべく、花粉の捕集から検鏡,
解析まで自動化し、専門的な技量を必要とすること無
く、花粉の種類,飛散分布の情報を短時間で得ることが
可能となるシステム開発を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0010】空中に浮遊している花粉を自動捕集する捕
集装置と、この捕集装置により捕集した花粉をゴミや塵
などと区別させ花粉を画像解析しやすいように染色して
封埋する染色封埋装置と、この染色封埋装置により染色
封埋した花粉の種類や数を計測する画像解析装置とによ
り構成したことを特徴とする花粉自動捕集・解析システ
ムに係るものである。
【0011】また、前記捕集装置を、空気を装置内に吸
引し、直列に連結した複数連の捕集室を通過させ、各室
に配したカバーグラスに空気中の花粉を捕集するように
構成したことを特徴とする請求項1記載の花粉自動捕集
・解析システムに係るものである。
【0012】また、前記染色装置を、前記捕集装置によ
り捕集した花粉をスライドガラスに転写、封埋し、且つ
花粉を識別するための染色を自動的に行う装置としたこ
とを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の花
粉自動捕集・解析システムに係るものである。
【0013】また、前記画像解析装置を、前記染色装置
で花粉が染色され封埋されたスライドガラスが複数枚挿
入されたマガジンをCCDカメラが装着された顕微鏡に
装着し、自動的にスライドガラスを順次、顕微鏡X−Y
ステージに挿入、排出し、X−Yステージはプログラミ
ングに従い、順次移動し画像を画像解析コンピュータに
転送し、その種類をプログラミング判定基準により識別
し、その数を計測するように構成したことを特徴とする
請求項1〜3のいずれか1項に記載の花粉自動捕集・解
析システムに係るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態
(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてそ
の作用効果を示して簡単に説明する。
【0015】図17に示すように、空中に浮遊している
花粉を自動捕集する捕集装置と、この捕集装置により捕
集した花粉をゴミや塵などと区別させ花粉を画像解析し
易いように染色して封埋する染色封埋装置と、この染色
封埋装置により染色封埋した花粉の種類や数を計測する
画像解析装置とにより構成すると、空中に浮遊している
花粉を捕集装置に自動的に捕集することができ、この花
粉を染色封埋装置で画像解析し易いように染色して封埋
することができ、この染色封埋した花粉を画像解析装置
で花粉の種類や数を計測することができ、花粉の捕集か
ら解析までの一連の動作を自動的に行うことができる。
【0016】従って、従来のように人手で花粉を捕集
し、人手で花粉の解析を行う場合に花粉の捕集方法や解
析方法に差が生じ、データーに統一性,信頼性がないよ
うな状況を招くことを解消でき、また、花粉の捕集から
解析に専門的な技量を必要とせず、花粉の種類,飛散情
報を人手をかけずに短時間で信頼性,統一性のある解析
を行うことができる。
【0017】請求項2記載の発明によれば、図2及び図
17に示すように、捕集装置を、空気を装置内に吸引
し、直列に連結した複数連の捕集室を通過させ、各室に
配したカバーグラスに空気中の花粉を捕集するように構
成すると、異なる粒径の花粉を別々のカバーグラスで捕
集することができ、塵などの小さなゴミを後方の捕集室
に配したカバーグラスで捕集することができ、花粉が捕
集される前方の捕集室に配したカバーグラスにはゴミが
つかず画像解析を正確に行うことができる。
【0018】請求項3記載の発明によれば、図5に示す
ように染色装置を、捕集装置により捕集した花粉をスラ
イドガラスに転写,封埋し、且つ花粉を識別するための
染色を自動的に行う装置とすると、捕集した花粉をスラ
イドガラスに転写,封埋し、これに染色を自動的に行う
ことで、捕集装置により捕集した花粉に含まれている塵
と花粉とを短時間に人手をかけずに正確に識別すること
ができる。
【0019】請求項4記載の発明によれば、図6,図
7,図8,図17に示すように、画像解析装置を、染色
装置で花粉が染色され封埋されたスライドガラスが複数
枚挿入されたマガジンをCCDカメラが装着された顕微
鏡に装着し、自動的にスライドガラスを順次、顕微鏡X
−Yステージに挿入し、排出し、X−Yステージにプロ
グラミングに従い、順次移動し画像を画像解析コンピュ
ータに転送し、その種類をプログラミング判定基準によ
り識別し、その数を計測するように構成すると、X−Y
ステージの無駄な動きを無くすことができ、花粉の種類
と数とを正確に短時間に認識して自動的に計数をするこ
とができ、花粉の解析に専門的な技量を必要とせず、花
粉の種類,飛散情報を人手をかけずに短時間で信頼性,
統一性のある画像解析を行うことができる。
【0020】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づ
いて説明する。
【0021】本実施例は、設定された時間に自動的に花
粉を捕集する捕集器(自動捕集装置),花粉のみを検鏡
するための処理を自動機にて行う染色器(自動染色・封
埋装置),顕微鏡データ自動取込装置,そして取り込ん
だデータより花粉の種類,粒子径分布を高速で求めるた
めの画像解析装置から構成されている。
【0022】(a) 自動花粉捕集装置 花粉捕集器は、これまで手動捕集器として用いられてい
るカスケード・インパクター捕集器を基に図1のような
構成の装置とした。
【0023】ポンプにより大気を吸収し、捕集器本体内
で粘着性薄膜を付けたカバーグラスに花粉を捕集するも
のである。
【0024】捕集器本体は図2のように空気流入口のノ
ズル径が異なる(9.0〜1.5mm)四段のステージが連
結されており、各段で限られた範囲の粒径の花粉を捕集
できるようになっている。
【0025】各段の構造は図3のように空気流入部の下
部にカバーグラス10枚が入っている送りカセットと花
粉を捕集したカバーグラスを収納する収納カセットを取
り付け、カバーグラスの移動はギヤを介してステッピン
グモータ二個によって行った。
【0026】制御は96ビットデジタル入出力ボードP
CN−7098を使用した。
【0027】制御の基本動作のフローチャートを図4に
示す。
【0028】尚、本実施例の全体概略構成を図17に示
したが、これに基づいて以下説明する。
【0029】花粉を吸い込む機械「カスケードインパク
ター」の中には、観察する花粉をつけるための「カバー
グラス」という、薄いガラスがセットされている。カバ
ーグラスは一定の時間が経つと自動的に交換されるよう
になっているので、観察を長い時間続けることができ
る。
【0030】カスケードインパクター内のノズルは各段
ごとに太さが変えられる。
【0031】空気が流れる速さを変えることで、どんな
大きさの花粉もカバーグラスにつくようにするための工
夫である。
【0032】「自動花粉捕集装置」でとらえられた花粉
は、ゴミや埃と見分け易いように「自動染色・封埋装
置」で色を付けられた後、「画像解析装置」で数や種類
を観測する。
【0033】それぞれの作業は、コンピュータ制御によ
って自動的に行われる。
【0034】現在花粉の捕集方法は種々な方法がある
が、この方法はポンプにより大気を吸引し、グリセリン
を付けたカバーグラスに捕集する。
【0035】この方法は異なるノズル径が四段のステー
ジに連結されており、異なる粒径の花粉を別々に捕集す
ることができる。
【0036】そのため、塵などの小さなゴミを後方の段
で捕集することができ、花粉が捕集される前方段ではゴ
ミがつかず、画像解析がし易いという利点がある。本体
は、重量軽減のためアルミ合金で製作した。駆動用ボー
ドはTD62803をP用い試作した。
【0037】このボードは一枚でステッピングモーター
を六個まで作動させることが出来る。
【0038】本試作器には、一段に二個づつ合計八個の
ステッピングモータが付いているので二枚使用した。
【0039】I/Oボードは8255が四枚乗っているパラ
レルIOボードを使用した。
【0040】制御はNEC9801VMを用いて行った。
【0041】また、従来の手動で走査するカスケードイ
ンパクターによる捕集器とハンの木の花粉を用いて比較
した結果、吸引流量7リトル/min以上で試作器の捕集花
粉個数がカスケードのそれを上回り、流量が少ない時に
は捕集能力が低かった。これは軸受け部よりの空気漏れ
に起因していた。この傾向は前段より後段において顕著
であった。
【0042】しかし、流量をあまり多くすると、カバー
グラスへの衝突速度が早くなり花粉形状がくずれ浮遊状
態と異なってくる。
【0043】そのため、低流量で捕集能力を高める必要
がある。
【0044】これらの欠点を改良するため、図3に示し
たように各段で二個のステップモータを使用した密閉型
の四連花粉捕集器へ改良し軸受け摺動部の減少をはか
り、シーケンス制御するためにこれらステップモータの
制御プログラムを開発し、動作活動を行った。その結
果、図10に示すように2,3段目においても捕集能力
はカスケードインパクターのそれに劣らない結果が得ら
れた。
【0045】また、各部の動作もプログラム仕様通り十
分な信頼性を有することが確認できた。
【0046】(b) 自動染色・封埋装置 前述の捕集器によってカバーグラス上に捕集されたもの
は花粉以外に多くの塵埃も含まれている。
【0047】これらと花粉を区別して検鏡するためには
特有な染色液を用いて花粉を染色させる必要がある。と
同時に花粉を固着させる必要もある。
【0048】そのため、本装置の構成は前述の収納カセ
ットに納められているカバーグラス上の花粉をスライド
グラスに90℃に保ったGVグリセリンゼリー染色液を
一滴添加し、滴下したものに空気が混入しないように重
ね合わせ、染色された花粉がスライドグラス上に移動,
固着させる機構とこれらグラス類のカセットへの送り出
し、収納機能を備えたものとなる。
【0049】本実施例の染色器の制御動作のフローチャ
ートを図5に示す。
【0050】花粉の画像解析は、捕集した花粉の顕微鏡
情報をもとに行うため、観察用プレパラートを作成しな
ければならない。
【0051】その際、花粉の識別を容易にするため封埋
材中に染色される液を入れておき植物性の物体が赤紫色
になるように染色・封埋を行う。
【0052】これにより、花粉とゴミを識別している。
【0053】本装置は、プレパラートに染色液を一滴滴
下しこのプレパラートに自動花粉捕集装置で花粉を捕集
したカバーグラスを重ね合わせ、収納カセットに収納す
る。駆動用ボード,IOボードは、自動花粉捕集装置と
同じものを用い、合計六個のステッピングモーターを駆
動させる。
【0054】本装置は八箇所の動作部より構成されてい
る。
【0055】各部装置を八回動作させ、その駆動精度を
検討した。その結果、スライドガラス送り装置,重ね合
わせ装置,収納送り装置はすべて正常であった。しか
し、カバーグラス送り装置,ホルダー送り装置には1〜
2回約1mm程度の位置のズレが見られたが、この誤差は
機能には影響しない。しかし、一番の問題点は染色器で
の染色位置に送られてきたスライドガラスに粘性のある
染色液を正確な量だけ滴下する部分である。八回中三回
滴下量が多めの状態になった。
【0056】しかし、封埋花粉の外部流失は見られず、
全く問題なく本装置を使用することができた。
【0057】また、四個の試料処理に要した時間は熟練
者が手動で行うのに比べて四割弱の時間で処理を完了さ
せることができる。
【0058】(c) データ取込ステージ 染色器によって染色されたスライドグラスに固定された
試料から顕微鏡により画像解析に必要な花粉情報を取り
込む必要がある。そのために、本装置は収納ケースから
スライドグラスを顕微鏡のステージ上に送り込み、或い
は交換する機構と自動的にステージを移動させ、スライ
ド上の決められた位置の数箇所から一定面積内のデータ
を取り込む機構を備えている。
【0059】図6はシステム構成図である。
【0060】試料交換装置は基本的に捕集,染色装置の
それと大きな違いはないがステージと対物レンズの狭い
間でそれを行う機構が備わっている。
【0061】データ取込に際しての制御は次のような仕
様を設定した。
【0062】(1) 視野 網状スライドグラスの1x1mmの枠。
【0063】 視野幅bと倍率Xの関係はb=105/X(μm) (2) 走査範囲 花粉捕集時のカバーグラスの寸法に合わせ18mmの円 (3) 走査パターンと1ステップ長さ ホームポジションより走査範囲内を一定間隔で往復移動
し最後に、ホームポジションに戻る。1ステップ長さは
視野幅と同一。
【0064】(4) 走査倍率 100,400,1000倍の三種類。
【0065】これら、制御仕様を基にX−Yステージ制
御プログラムを作成した。図7にそのフローチャートを
示す。
【0066】実験結果を図11に示す。
【0067】図中の調査点の数はホームポジションから
直径18mmの走査範囲を往復移動し、最後にもとの位置
まで戻ってくる間の画像取込視野の数を示している。
【0068】倍率の増加(視野が狭い)と共に調査点の
数は倍率の二乗で急激に増加し、それと共に図12で定
義した花粉捕捉率は図示したように視野の境界によって
分断される花粉の数が増加してくるため減少してくる。
【0069】また、処理時間も膨大な値になってくる。
【0070】一方、熟練者の花粉の計数・認識はプレパ
ラート一枚につき約一時間で90%以上の正確さで行わ
れている。これと同等の認識率で処理時間を早めるため
には低倍率(100倍)で花粉の位置を把握し、X−Y
ステージの無駄な動きを無くし、調査点の数を減少させ
ることである。
【0071】そして、花粉の存在する調査点に対しての
み認識率の高い400倍で識別するなど、プログラムを
改良することにより、花粉の認識率を高め処理時間を早
めることができる。
【0072】(d) 画像解析装置 画像解析に用いたシステムは図8のようにパソコン(PC
-9801DS)、画像解析装置(HRU-TAICHI IV-80)、画像
入力モノクロカメラから構成されている。
【0073】画像解析装置では、プレパラートの上の花
粉の数と種類を観察する。
【0074】花粉の画像は顕微鏡を通してコンピュータ
に入力され、それぞれの花粉の見た目の特徴,花粉ひと
つひとつの大きさなどを調べ、どの植物の花粉がどれだ
けついているかを割り出す。
【0075】人手で花粉を識別する場合、倍率は100
0倍で行われ、計数作業は100〜400倍の倍率で行
われる。
【0076】このため、入力画像は高倍率で画像解析装
置に取り込み、その後、画像解析装置で適切に縮小処理
を行い、画像入力されたときの実質倍率が400倍にな
るように設定した。
【0077】画像はノイズ除去のため収縮・膨張,メデ
ィアンフィルタによる平滑化を行い、その後、判別分析
法による二値化を行った。
【0078】また、複数花粉に際しては、ラベリング,
フィレ径算出を行い、単数花粉に分離した。
【0079】このように二値化した画像より以下の諸値
を求めた。
【0080】(1) 図形最大長、(2) 最大垂直幅、(3)
(1)と(2)の比、(4) 図形最大長と図形最小幅、(5) 複雑
度。
【0081】一方、識別順序は花粉症の原因として割合
が一番高いスギを始めとし、図9のような順序で行っ
た。
【0082】図9の識別順序に従い、前述の(1)図形最
大長〜(5)複雑度の諸値を求め、まず(1)〜(3)の条件に
ついて、スギと認め得る値の範囲を定めた。熟練者の認
識率に合わせ、基準として認識率が七割以上に収まるよ
うに設定した。
【0083】その結果を図13に示す。
【0084】図中の認識率は、スギであると認識した割
合であり、その他1はスギ以外、その他2はスギ,マコ
モ,マツ以外を示す。
【0085】(1)の図形最大長の設定値は、スギとスギ
以外の区別に有効で、マコモのうち50%がスギの設定
値に収まっている。
【0086】(2)の最大垂直幅の値は他の花粉がスギの
設定値に収まることがないことを示しているが、スギの
25%が設定値を外れてしまった。
【0087】また、(3)の図形最大長と最大垂直幅の比
はスギとマコモ,マツを分別する目的には十分な値であ
る。
【0088】前述の一度目の処理でスギの条件に合わな
かったものについて更に分別する。
【0089】(3)の条件は考えないものとして、新たに
(4)図形最大長と図径最小幅の比と(5)複雑度を加えた。
【0090】その結果、図14に示すように、(4)はス
ギとマコモの分別に用いることができ、(5)よりスギの
ほうがマコモより、値のばらつきが少なく設定値を絞り
込むことができる。
【0091】次にスギと識別された以外の花粉,マツに
ついての識別を行う。(1)〜(3)について設定値を定め
た。
【0092】その結果、図15に示すように、三つのど
の条件についても優位差がはっきり現れた。
【0093】最後に残った花粉についてマコモの識別を
行った。
【0094】その結果、図16に示したように(3)の条
件ではマコモのとり得る値にばらつきが多く、設定値の
指定が困難である。
【0095】しかし、(1)(2)の条件によりすべて分離す
ることが可能である。
【0096】このように、倍率400倍において、複数
の花粉が入力画像として取り込まれていても正しい識別
が可能となった。
【0097】これは、捕集器により、一枚のカバーグラ
ス上での花粉粒径の寸法がある範囲内に納めることが出
来たことにも起因している。
【0098】以上のように、花粉の種類,飛散情報を短
時間で得るために、花粉の捕集,染色,データサンプリ
ング、そして画像解析をすべて自動化し、熟練技術なし
に処理できるシステムを開発することができた。
【0099】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、空
中に浮遊している花粉を捕集装置に自動的に捕集するこ
とができ、この花粉を染色封埋装置で画像解析し易いよ
うに染色して封埋することができ、この染色封埋した花
粉を画像解析装置で花粉の種類や数を計測することがで
き、花粉の捕集から解析までの一連の動作を自動的に行
うことができる。
【0100】従って、従来のように人手で花粉を捕集
し、人手で花粉の解析を行う場合に花粉の捕集方法や解
析方法に差が生じ、データーに統一性,信頼性が無いよ
うな状況を招くことを解消でき、また、花粉の捕集から
解析に専門的な技量を必要とせず、花粉の種類,飛散情
報を人手をかけずに短時間で信頼性,統一性のある解析
を行うことができる。
【0101】請求項2記載の発明によれば、異なる粒径
ノ花粉を別々のカバーグラスで捕集することができ、塵
などの小さなゴミを後方の捕集室に配したカバーグラス
で捕集することができ、花粉が捕集される前方の捕集室
に配したカバーグラスにはゴミがつかず画像解析を正確
に行うことができる。
【0102】請求項3記載の発明によれば、捕集した花
粉をスライドガラスに転写,封埋し、これに染色を自動
的に行うことで、捕集装置により捕集した花粉に含まれ
ている塵と花粉とを短時間に人手をかけずに正確に識別
することができる。
【0103】請求項4記載の発明によれば、X−Yステ
ージの無駄な動きを無くすことができ、花粉の種類と数
とを正確に短時間に認識して自動的に計数することがで
き、花粉の解析に専門的な枚数を必要とせず、花粉の種
類,飛散情報を人手をかけずに短時間で信頼性,統一性
のある画像解析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の花粉捕集器の構成を示す説明図であ
る。
【図2】本実施例の四段花粉捕集器の接続を示す説明図
である。
【図3】本実施例の花粉捕集器一段の詳細構造を示す説
明図である。
【図4】本実施例の基本動作のフローチャートを示す説
明図である。
【図5】本実施例の染色器の動作制御フローチャートを
示す説明図である。
【図6】本実施例のデータ取込ステージの構成図を示す
説明図である。
【図7】本実施例のステージ制御フローチャートを示す
説明図である。
【図8】本実施例の画像解析装置の構成図を示す説明図
である。
【図9】本実施例の識別順序示す説明図である。
【図10】本実施例の捕集器の花粉捕捉特性を示す説明
図である。
【図11】本実施例のデータ取込装置の特性を示す表で
ある。
【図12】本実施例の捕捉率の定義を示す説明図であ
る。
【図13】捕捉のスギの設定値に収まった割合(%)を示
す表である。
【図14】本実施例のスギの設定値に収まった割合(再
処理)を示す表である。
【図15】本実施例のマツの設定値に収まった割合を示
す表である。
【図16】マコモの設定値に収まった割合を示す表であ
る。
【図17】本実施例の構成をわかり易く表した概略構成
説明図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の花粉捕集器の構成を示す説明図であ
る。
【図2】本実施例の四段花粉捕集器の接続を示す説明図
である。
【図3】本実施例の花粉捕集器一段の詳細構造を示す説
明図である。
【図4】本実施例の基本動作のフローチャートを示す説
明図である。
【図5】本実施例の染色器の動作制御フローチャートを
示す説明図である。
【図6】本実施例のデータ取込ステージの構成図を示す
説明図である。
【図7】本実施例のステージ制御フローチャートを示す
説明図である。
【図8】本実施例の画像解析装置の構成図を示す説明図
である。
【図9】本実施例の識別順序示す説明図である。
【図10】本実施例の捕集器の花粉捕捉特性を示す説明
図である。
【図11】本実施例のデータ取込装置の特性を示す図表
である。
【図12】本実施例の捕捉率の定義を示す説明図であ
る。
【図13】捕捉のスギの設定値に収まった割合(%)を示
す図表である。
【図14】本実施例のスギの設定値に収まった割合(再
処理)を示す図表である。
【図15】本実施例のマツの設定値に収まった割合を示
す図表である。
【図16】マコモの設定値に収まった割合を示す図表で
ある。
【図17】本実施例の構成をわかり易く表した概略構成
説明図である。
フロントページの続き (72)発明者 船見 國男 東京都狛江市和泉本町3丁目23番9号 (72)発明者 宮本 博幸 東京都江東区東陽2丁目3番3−1301号 (72)発明者 佐渡 昌子 千葉県千葉市稲毛区小仲台7丁目8番 第 3稲毛ハイツ28棟1306

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空中に浮遊している花粉を自動捕集する
    捕集装置と、この捕集装置により捕集した花粉をゴミや
    塵などと区別させ花粉を画像解析しやすいように染色し
    て封埋する染色封埋装置と、この染色封埋装置により染
    色封埋した花粉の種類や数を計測する画像解析装置とに
    より構成したことを特徴とする花粉自動捕集・解析シス
    テム。
  2. 【請求項2】 前記捕集装置を、空気を装置内に吸引
    し、直列に連結した複数連の捕集室を通過させ、各室に
    配したカバーグラスに空気中の花粉を捕集するように構
    成したことを特徴とする請求項1記載の花粉自動捕集・
    解析システム。
  3. 【請求項3】 前記染色装置を、前記捕集装置により捕
    集した花粉をスライドガラスに転写、封埋し、且つ花粉
    を識別するための染色を自動的に行う装置としたことを
    特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の花粉自
    動捕集・解析システム。
  4. 【請求項4】 前記画像解析装置を、前記染色装置で花
    粉が染色され封埋されたスライドガラスが複数枚挿入さ
    れたマガジンをCCDカメラが装着された顕微鏡に装着
    し、自動的にスライドガラスを順次、顕微鏡X−Yステ
    ージに挿入、排出し、X−Yステージはプログラミング
    に従い、順次移動し画像を画像解析コンピュータに転送
    し、その種類をプログラミング判定基準により識別し、
    その数を計測するように構成したことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の花粉自動捕集・解析シ
    ステム。
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