JPH10195627A - アーク溶射方法とその装置 - Google Patents

アーク溶射方法とその装置

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JPH10195627A
JPH10195627A JP9013435A JP1343597A JPH10195627A JP H10195627 A JPH10195627 A JP H10195627A JP 9013435 A JP9013435 A JP 9013435A JP 1343597 A JP1343597 A JP 1343597A JP H10195627 A JPH10195627 A JP H10195627A
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JP
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arc
wires
power supply
phase
voltage
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Withdrawn
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JP9013435A
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Inventor
Hiroshi Fujimura
浩史 藤村
Eizo Ide
栄三 井手
Hiroshi Notomi
啓 納富
Yasuyuki Takeda
恭之 武田
Hideharu Kobayashi
秀晴 小林
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流電源を用いた場合でもアークを安定に維
持することが出来、アーク不安定に基づく施工の中断、
選定条件範囲の制限、溶射膜の欠陥発生など不具合を解
消することが出来るアーク溶射に関する発明。 【解決手段】 3本以上のワイヤをアーク発生位置で集
束するように所定角度で送給するとともに、いずれの時
点でも少なくとも2本のワイヤ間でアークが発生するよ
うに、少なくとも3本のワイヤに三相交流電力を給電さ
せることを特徴とし、これによりワイヤ先端電極間に発
生するアークは、3本のワイヤ間、あるいは重心位置の
ワイヤと3本のワイヤ間の隣接する夫々2本のワイヤ間
にそれぞれ発生するが、図4及び図8より明らかなよう
にいかなる場合も少なくとも2個のアークが存在する。
このため、電極の温度が高温に維持されるとともに、電
離ガスも常時供給されるので、残る1アークが容易に再
点孤し本発明の効果が円滑に達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアーク溶射法とその
装置に係り、特に装飾、防食、あるいは導電膜、電極、
触媒膜、フィルタなどの物理的、化学的特性を付与する
為のアーク溶射方法、若しくはアークを利用した金属粉
末製造装置に適用されるアーク溶射方法とその装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】アーク溶射法は複数本の線材(ワイヤ)
を電極とし、先端間にアークを発生させて前記線材を溶
融し同時に圧縮空気ジェットで吹飛ばして被膜を形成す
る技術である。
【0003】かかるアーク溶射法の従来技術を図9によ
り説明する。図9(A)はアーク溶射トーチの平面図、
図9(B)は側面図、図9(C)は正面図で、部材の符
号、名称、機能は後記実施例と共通して使用される。1
はトーチ匡体で内部が見えるように切り欠いて示してい
る。11はトーチ匡体の一部である絶縁材料製のマウン
ト部、20、21はマウント部11に固定された給電チ
ップ、30、31は駆動ローラ、40、41は従動ロー
ラ、5はトーチ匡体1に固定されたモータで、前記駆動
ローラ30、31を駆動回転させながら従動ローラ4
0、41とともにワイヤ70、71をアークが発生する
交差位置に給送を行う。6はマウント部11の中心軸線
上に沿って固定された圧縮ガスを噴出させるパイプ、7
0、71は溶射材料を針金状に加工したワイヤ、80、
81はトーチ1とは別に設置されたワイヤリール、9は
給電チップにアーク電圧を印加するアーク電源、10は
圧縮ガスボンベ、1Aはトーチ匡体の一部であるハンド
ルである。
【0004】かかる装置において、ワイヤリール80、
81からのワイヤ70、71は、モータ5によって駆動
される駆動ローラ30、31と従動ローラ40、41に
よって挟圧輸送されて給電チップ20、21に導かれ、
トーチ1前方の中心軸線上のアーク発生位置で互いに交
差する。このとき、アーク電源9によって給電チップ2
0、21を介してワイヤ70、71に電力が供給される
と、ワイヤ交差部にアークが発生する。ワイヤ70、7
1先端電極はアーク熱により順次溶融するので、適正な
電力とワイヤ供給速度を選ぶことによって、アークを持
続させることが出来る。
【0005】この際、パイプ6によって、ガスボンベ1
0からの高圧ガスをマウント部11側よりワイヤ交差部
のアークに吹き付ければ、溶融した金属が溶滴となって
前方に飛翔し、対象物表面に堆積して溶射層を形成す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来装置におい
て、図9に示したアーク電源9には直流電源と、交流電
源があるが、直流電源は整流回路が余分に必要であるた
めに価格が高くなりがちで、しかも、アークの特性上、
陰極ワイヤの溶融速度が陽極のそれに比べて大きくなる
傾向がある。この傾向は電流値が大きくなるに従って顕
著になるので、低電流域で使用するか、大電流で使用す
る場合は、図9の駆動ローラ30、31の直径に差を付
けたり、モータ5をもう一系列増やして別個に制御する
とかの対策が必要である。
【0007】これに対し、交流電源は価格も安く、二本
のワイヤ70,71の溶融速度も平均化されるために、
前記直流電源の問題点は無くなるが、アークが不安定に
なるという重大な欠点である。次に交流電源を使用した
場合のアーク溶射時の電圧波形とアーク発生状態の関係
を図10及び図11で説明する。図11は、電圧の時間
変化を横軸電圧、縦軸時間で示したもので、いわゆる単
相交流の正弦波である。これに対し、図10は図9
(B)の中央付近の一対の給電チップ20、21とワイ
ヤ70、71を模式的に示したもので、符号(A)〜
(E)は図11の単相正弦波の各印加時点に相当する。
【0008】印加時点(A)では、ワイヤ70、71間
に電圧がかかっているためにアーク75が発生している
が、電圧の低下とともにアーク75も小さくなり、電圧
が零になる印加時点(B)に至る前にアーク75は消滅
する。次に印加時点(B)を過ぎるとワイヤ70、71
間には逆の電圧がかかり、アーク75が再点孤し、電圧
の上昇にともなってアーク75も大きくなり、印加時点
(C)の状態になる。以下(D)、(E)は前記作用の
繰り返しである。
【0009】このように、単相交流の正弦波をアーク電
源として給電チップ20、21を介してワイヤ70、7
1に印加した場合、交流アークは周波数の2倍の回数で
点滅を繰り返すが、各点滅サイクル毎にアークが完全に
消孤してしまうために再点孤は必ずしも確実に達成され
るものではなく、再点孤を確実にするには電極(ワイヤ
70、71先端)が熱電子放出に充分なほど高温である
こと、電極(ワイヤ70、71先端)の周辺に電離した
ガスが存在すること等がアーク再点孤に必要であるとい
われている。
【0010】ところが、アーク溶射の場合、溶融した金
属を溶滴として吹き飛ばすために、パイプ6を設け、圧
縮ガスをアーク発生点に向けて噴出させている。このた
め、前記電極が冷却されるとともに、アーク熱により生
成した電離ガスも吹き飛ばされるために、アーク再点孤
には非常に不都合な環境であり、アーク不安定に基づく
施工の中断、選定条件範囲の制限、溶射膜の欠陥発生な
ど不具合が多く発生していた。
【0011】本発明はかかる技術的課題に鑑み、前記交
流電源を用いた場合でもアークを安定に維持することが
出来、アーク不安定に基づく施工の中断、選定条件範囲
の制限、溶射膜の欠陥発生など不具合を解消することが
出来るアーク溶射法とその装置を提供する事を目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる技術的課
題を解決するために、請求項1の発明は、電圧を印加し
た複数本の金属ワイヤの先端交差部付近でアークを発生
させ、該アークにより溶融した金属を圧縮空気その他の
気体流を利用して対象物に吹き付けることによって被膜
を形成するアーク溶射法において、3本以上のワイヤを
アーク発生位置で集束するように所定角度で送給すると
ともに、いずれの時点でも少なくとも2本のワイヤ間で
アークが発生するように、少なくとも3本のワイヤに三
相交流電力を給電させることを特徴とするものである。
【0013】請求項2記載の発明は前記発明を効果的に
具体化するための装置に関する発明で、電圧を印加した
複数本の金属ワイヤの先端交差部付近でアークを発生さ
せ、該アークにより溶融した金属を圧縮空気その他の気
体流を利用して対象物に吹き付けることによって被膜を
形成するアーク溶射装置において、アーク発生位置で集
束するように、所定角度で送給される3本以上のワイヤ
と、三相交流の各線路にワイヤを接続した状態で前記3
本以上のワイヤに三相交流電力を給電させる給電手段と
からなることを特徴とするものである。
【0014】即ち本発明は一般的には3本の金属ワイヤ
でアーク溶射装置を構成する場合と4本の金属ワイヤで
アーク溶射装置を構成する場合とに分けられる。前者の
場合は、略正三角形の頂点に配置した3個の給電チップ
から、3本のワイヤを1点(アーク発生位置)で交わる
ような角度で集束する方向に送給するとともに、この3
本のワイヤに夫々の給電チップを介して三相交流の各線
路を接続して給電する。
【0015】又後者の場合は、概略正三角形の頂点と重
心に配置した4個の給電チップから、4本のワイヤを1
点(アーク発生位置)で交わるような角度で送給すると
同時に、この重心位置にあるワイヤと周辺の3本のワイ
ヤに三相交流を給電する。給電方法は周辺の3本のワイ
ヤには三相交流の各線路を接続し、重心位置にあるワイ
ヤは星形結線された三相交流電源の中性点θに結線する
か若しくは接地電位とするのがよい。
【0016】かかる発明によれば図3〜図4若しくは図
7〜図8で詳細に示されるように前記のように3本若し
くは4本のワイヤに三相交流を給電すると、ワイヤ先端
電極間に発生するアークは、3本のワイヤ間、あるいは
重心位置のワイヤと3本のワイヤ間の隣接する夫々2本
のワイヤ間にそれぞれ発生するが、図4及び図8より明
らかなようにいかなる場合も少なくとも2個のアークが
存在する。
【0017】このため、電極の温度が高温に維持される
とともに、電離ガスも常時供給されるので、残る1アー
クが容易に再点孤する。また、3本若しくは4本のワイ
ヤ先端電極は、同等の交流電力によって溶融するので、
溶融速度は等しく、ワイヤ送給に特別の装置や制御を必
要としない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施
例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その
相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この
発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明
例にすぎない。
【0019】図1及び図2は3本の金属ワイヤを用いた
本発明の実施形態に係るアーク溶射装置を示し、図1
(A)はアーク溶射トーチの平面図、図1(B)は側面
図、図2(A)は正面図、図2(B)は給電チップにア
ーク電圧を印加するアーク電源の結線部の構成を示し、
図中、1はトーチ匡体、1Aはトーチ匡体の一部である
ハンドル、5はトーチ匡体1に固定されたモータ、6は
マウント部11中心軸上に沿って固定された圧縮ガス噴
出パイプ、10は圧縮ガスボンベでこれらは図9の従来
技術と共通する。
【0020】20、21、22はマウント部11に固定
された給電チップ、30、31、32は駆動ローラ、4
0、41、42は従動ローラで、前記モータ5により、
前記駆動ローラ30、31、32を駆動回転させながら
従動ローラ40、41、42とともにワイヤ70、7
1、72を同一速度で給送を行う。70、71、72は
溶射材料を針金状に加工したワイヤ、80、81、82
はトーチとは別に設置されたワイヤリール、9は三相交
流電源である。
【0021】三相交流電源9の結線状況は図2(B)に
示すように、Δ形環状結線を構成し、20、21、22
は略正三角形の頂部に配設された給電チップで、前記三
相交流電源のΔ形環状結線の夫々の線路に接続されてい
る。70、71、72はワイヤで、圧縮ガス噴出パイプ
6の延長線、即ちマウント11の中心軸延長線上で集束
/交差するように、給電チップ20、21、22の角度
位置を設定している。
【0022】かかる実施形態の作用を図3及び図4で説
明する。図4は、三相交流電源を使用した場合のアーク
溶射時の電圧波形とアーク発生状態の関係を示したもの
で、各ワイヤ間の電圧の時間変化を横軸電圧、縦軸時間
で描いており、120°位相のずれた正弦波の重なりと
して表わされる。αはワイヤ70−71間の電圧、βは
ワイヤ71−72間の電圧、γはワイヤ72−70間の
電圧を示すものとする。これに対し、図3は図1(B)
の中央付近の給電チップ20、21、22とワイヤ7
0、71、72との関係を模式的に示したもので、符号
(A)〜(F)及び(A’)〜(F’)は図4の同符号
における三相交流電源の印加時点に相当する。
【0023】印加時点(A)では、ワイヤ70−71間
は電圧零であり、アークは消滅しているが、ワイヤ71
−72間、ワイヤ72−70間には電圧が印加されてい
るためにアークが発生している。次に印加時点(B)で
は、ワイヤ70−71間にも電圧がかかるので、アーク
が再点孤して3本のワイヤ間全てにアークが発生する。
また更に、印加時点(C)ではワイヤ72−70間の電
圧が零になってアークが消滅するが、印加時点(D)で
は再点孤している。
【0024】このように、三相交流による3電極70、
71、72間のアークは順次消滅、再点孤を繰り返す
が、いずれの時点でも2個以上のアークが存在してお
り、ワイヤ70、71、72は3本共電極として活動し
ているので、熱電子放出に必要な温度は維持されてお
り、近傍のアークからは電離したガスが常時供給されて
いるので再点孤は極めて円滑に行なわれる。このため、
圧縮ガスの流量、流速を増してもアークは途切れること
無く、安定した溶射を持続することができる。
【0025】従って本実施形態によれば、ワイヤ溶融量
を増大するため、溶射の能率を飛躍的に改善することが
出来る。また、溶滴の飛翔速度が増すために、溶射膜と
対象物との密着度の向上や、溶射膜内のポロシティの極
小化も達成される。
【0026】図5及び図6は4本の金属ワイヤを用いた
本発明の実施形態に係るアーク溶射装置を示し、図5
(A)はアーク溶射トーチの平面図、図5(B)は側面
図、図5(C)はそのノズル部の要部拡大図、図6
(A)は正面図、図6(B)は給電チップにアーク電圧
を印加するアーク電源の結線部の構成を示し、1、1
1、5、6、10、11は図1〜図2及び図9で説明し
たものと名称、機能とも同一であるので説明を省略す
る。20、21、22は正面図でほぼ正三角形の頂点位
置でマウント部11に固定された給電チップ、23は図
6(A)の正面図で正三角形の重心位置に設けられた給
電チップで、圧縮ガス噴出パイプ6内に同心状に貫通さ
せて配設している。この結果圧縮ガス噴出パイプ6より
の圧縮ガスは給電チップ23の外周側よりアーク位置に
向けて噴出するように構成されている。30、31、3
2は駆動ローラでいつでも同一軸に固定、駆動される。
40、41、42は従動ローラで駆動ローラ30、3
1、32に対応する。
【0027】33は別に設けられた駆動ローラ、43は
別に設けられた従動ローラ、51は別に設けられた駆動
モータで駆動ローラ33を駆動回転させながら従動ロー
ラ43とともにワイヤ73の給送を行う。駆動ローラ3
0、31、32と駆動ローラ43の駆動用モ−タ5と5
1を別置きにしたのはワイヤ73は略正三角形の重心線
上に、ワイヤ70、71、72はほぼ正三角形の頂部に
夫々配設され、アーク発生位置に対応する略正三角形の
重心線上で交差するように配設されている為に、ワイヤ
73は、ワイヤ70、71、72より僅かに遅い給送速
度に設定する必要がある為であり、これにより精度よく
交差位置単位時間当たり同一長さ分だけ徐々に給送され
ることになる。
【0028】この結果前記モータ5、51により、前記
駆動ローラ30、31、32、33を駆動回転させなが
ら従動ローラ40、41、42、43とともにワイヤ7
0、71、72、73を同一長さ分だけ順次滑らかに給
送されることとなる。
【0029】さて70、71、72、73は溶射材料を
針金状に加工したワイヤ、80、81、82、83はト
ーチとは別に設置されたワイヤリール、9は三相交流電
源である。
【0030】三相交流電源9の結線状況は図6(B)に
示すように、星形結線を構成された三相交流電源で、図
6(B)の20、21、22は略正三角形の頂部に配設
された給電チップ、23は略正三角形の重心位置に設け
られた給電チップで、20、21、22の給電チップは
前記三相交流電源の星形結線の夫々の線路に接続され、
又23の給電チップは星形結線のの中性点θに接続され
ている。70、71、72、73は前記した金属ワイヤ
で、略正三角形の重心位置と合致する圧縮ガス噴出パイ
プ6の延長線、即ちマウント11の中心軸延長線上で集
束/交差するように、給電チップ20、21、22、2
3の角度位置を設定している。
【0031】かかる実施形態の作用を図7及び図8で説
明する。図7及び図8は、星型結線されている三相交流
電源を使用した場合のアーク溶射時の電圧波形とアーク
発生状態の関係を示したもので、図8は、中性点θに電
気的に接続されたワイヤ73と星型結線の夫々の結線に
接続された各ワイヤ70、71、72間の電圧の時間変
化を横軸電圧、縦軸時間で描いており、夫々の結線の交
流波形は120°位相のずれた正弦波の重なりとして表
わされる。図8のαはワイヤ70−73間の電圧、βは
ワイヤ71−73間の電圧、γはワイヤ72−73間の
電圧を示すものとする。これに対し、図7は図5
(B)、(C)の給電チップ20、21、22、23と
ワイヤ70、71、72、73を模式的に示したもの
で、図7及び図8の符号(A)〜(F)及び(A')〜
(F')は図8の同符号時点に相当する。
【0032】三相交流電源の印加時点(A)では、ワイ
ヤ70−73間は電圧零であり、アークは消滅している
が、ワイヤ71−73間、ワイヤ72−73間には電圧
がかかっているためにアークが発生している。次に印加
時点(B)では、ワイヤ70−73間にも電圧がかかる
ので、アークが再点孤して3本のワイヤ間全てにアーク
が発生する。またさらに、印加時点(C)ではワイヤ7
2−73間の電圧が零になってアークが消滅するが、印
加時点(D)では再点孤している。
【0033】このように、三相交流による4つのワイヤ
電極70〜73間のアークは順次消滅、再点孤を繰り返
すが、いずれの時点でも2個以上のアークが存在してお
り、ワイヤ70、71、72は3本共印加電極として又
ワイヤ73は接地電極として夫々活動しているので、熱
電子放出に必要な温度は維持されており、近傍のアーク
からは電離したガスが常時供給されているので再点孤は
極めて円滑に行なわれる。このため、圧縮ガスの流量、
流速を増してもアークは途切れること無く、安定した溶
射を持続することができる。
【0034】従って本実施形態によれば、ワイヤ溶融量
を増大するため、溶射の能率を飛躍的に改善することが
出来る。また、溶滴の飛翔速度が増すために、溶射膜と
対象物との密着度の向上や、溶射膜内のポロシティの極
小化も達成される。
【0035】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、前記
交流電源を用いた場合でもアークを安定に維持すること
が出来、アーク不安定に基づく施工の中断、選定条件範
囲の制限、溶射膜の欠陥発生など不具合を解消すること
が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1及び図2は3本の金属ワイヤを用いた本発
明の実施形態に係るアーク溶射装置を示し、(A)はア
ーク溶射トーチの平面図、(B)は側面図を示す。
【図2】図1の対応図で(A)は正面図、(B)は給電
チップにアーク電圧を印加するアーク電源の結線部の構
成を示す。
【図3】図1の実施形態の作用を示し、図1(B)の中
央付近の給電チップとワイヤとの関係を模式的に示した
もので、符号(A)〜(F)及び(A')〜(F')は図
4の同符号における三相交流電源の印加時点に相当す
る。
【図4】図1の実施形態の作用を示し、三相交流電源を
使用した場合のアーク溶射時の電圧波形とアーク発生状
態の関係を示す。
【図5】図5及び図6は4本の金属ワイヤを用いた本発
明の実施形態に係るアーク溶射装置を示し、(A)はア
ーク溶射トーチの平面図、(B)は側面図、(C)はそ
のノズル部の要部拡大図を示す。
【図6】図5の対応図で(A)は正面図、(B)は給電
チップにアーク電圧を印加するアーク電源の結線部の構
成を示す。
【図7】図5の実施形態の作用を示し、図5(B)の中
央付近の給電チップとワイヤとの関係を模式的に示した
もので、符号(A)〜(F)及び(A’)〜(F’)は
図8の同符号における三相交流電源の印加時点に相当す
る。
【図8】図5の実施形態の作用を示し、三相交流電源を
使用した場合のアーク溶射時の電圧波形とアーク発生状
態の関係を示す。
【図9】従来技術に係るアーク溶射装置を示し、(A)
は平面図、(B)は側面図、(C)は正面図である。
【図10】図8の従来技術の作用を示し、図9(B)の
中央付近の給電チップとワイヤとの関係を模式的に示し
たもので、符号(A)〜(E)は図11の同符号におけ
る単相交流電源の印加時点に相当する。
【図11】図9の従来技術の作用を示し、単相交流電源
を使用した場合のアーク溶射時の電圧波形とアーク発生
状態の関係を示す。
【符号の説明】
1 トーチ筐体 11 マウント部 20、21、22、23 給電チップ 30、31、32、33 駆動ローラ 40、41、42、43 従動ローラ、 5 モータ 6 圧縮ガス噴出パイプ 70、71、72、73 ワイヤ 80、81、82、83 ワイヤリール 9 電源 10 ガスボンベ 1A ハンドル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 恭之 長崎市深堀町五丁目717番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 小林 秀晴 長崎市深堀町五丁目717番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧を印加した複数本の金属ワイヤの先
    端交差部付近でアークを発生させ、該アークにより溶融
    した金属を圧縮空気その他の気体流を利用して対象物に
    吹き付けることによって被膜を形成するアーク溶射法に
    おいて、 3本以上のワイヤをアーク発生位置で集束するように所
    定角度で送給するとともに、いずれの時点でも少なくと
    も2本のワイヤ間でアークが発生するように、少なくと
    も3本のワイヤに三相交流電力を給電させることを特徴
    とするアーク溶射方法。
  2. 【請求項2】 電圧を印加した複数本の金属ワイヤの先
    端交差部付近でアークを発生させ、該アークにより溶融
    した金属を圧縮空気その他の気体流を利用して対象物に
    吹き付けることによって被膜を形成するアーク溶射装置
    において、 アーク発生位置で集束するように、所定角度で送給され
    る3本以上のワイヤと、 三相交流の各線路にワイヤを接続した状態で前記3本以
    上のワイヤに三相交流電力を給電させる給電手段とから
    なることを特徴とするアーク溶射装置。
JP9013435A 1997-01-09 1997-01-09 アーク溶射方法とその装置 Withdrawn JPH10195627A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007512677A (ja) * 2003-12-02 2007-05-17 バテル エナジー アライアンス,エルエルシー プラズマ発生器、リアクターシステム、及び関連した方法
JP4675494B2 (ja) * 2001-03-28 2011-04-20 株式会社ダイヘン 自動溶射方法
JP2016094643A (ja) * 2014-11-14 2016-05-26 株式会社ダイヘン 溶射装置

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