JPH10193209A - 切刃片がすぐれたろう付け接合強度を有する超硬合金製切削工具 - Google Patents
切刃片がすぐれたろう付け接合強度を有する超硬合金製切削工具Info
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- JPH10193209A JPH10193209A JP191597A JP191597A JPH10193209A JP H10193209 A JPH10193209 A JP H10193209A JP 191597 A JP191597 A JP 191597A JP 191597 A JP191597 A JP 191597A JP H10193209 A JPH10193209 A JP H10193209A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 切刃片がすぐれたろう付け接合強度を有する
超硬合金製切削工具を提供する。 【解決手段】 超硬合金製切削工具が、高純度窒化ほう
素焼結体で構成された切刃片を、重量％で、Ｃｕ：２０
〜３５％、Ｔｉ：１〜５％、Ｉｎ：１〜２０％を含有
し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有するＡ
ｇ基合金ろう材を用いて、ＷＣ基超硬合金で構成された
工具本体の切刃片取り付け部に直接ろう付けしたものか
らなる。
超硬合金製切削工具を提供する。 【解決手段】 超硬合金製切削工具が、高純度窒化ほう
素焼結体で構成された切刃片を、重量％で、Ｃｕ：２０
〜３５％、Ｔｉ：１〜５％、Ｉｎ：１〜２０％を含有
し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有するＡ
ｇ基合金ろう材を用いて、ＷＣ基超硬合金で構成された
工具本体の切刃片取り付け部に直接ろう付けしたものか
らなる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、炭化タングステ
ン基超硬合金（以下、超硬合金と云う）で構成された工
具本体の切刃片取り付け部に対する高純度窒化ほう素焼
結体（以下、ＢＮ焼結体と云う）で構成された切刃片の
ろう付け接合強度が高く、したがって高速切削に用いて
も上記切刃片に剥離の発生がなく、長期に亘ってすぐれ
た切削性能を発揮する超硬合金製切削工具に関するもの
である。
ン基超硬合金（以下、超硬合金と云う）で構成された工
具本体の切刃片取り付け部に対する高純度窒化ほう素焼
結体（以下、ＢＮ焼結体と云う）で構成された切刃片の
ろう付け接合強度が高く、したがって高速切削に用いて
も上記切刃片に剥離の発生がなく、長期に亘ってすぐれ
た切削性能を発揮する超硬合金製切削工具に関するもの
である。
【０００２】
【従来の技術】従来、一般に切刃片としてＢＮ焼結体を
用いた超硬合金製切削工具としては、例えば特公平１−
１６８９４号公報の実施例に記載されるように、ＢＮ焼
結体で構成された切刃層と超硬合金で構成された下地層
からなる複合切刃片を通常の超高圧焼結装置を用いて製
造し、これを、ろう付け接合面となる前記下地層と同じ
超硬合金で構成された工具本体の切刃片取り付け部に、
超硬合金用ろう材として知られている、例えばＣｕ：３
０％、Ｚｎ：２８％、Ｎｉ：２％を含有し、残りがＡｇ
と不可避不純物からなる代表組成（以上重量％、以下％
は重量％を示す）を有するＡｇ基合金のろう材を用いて
ろう付けしてなる超硬合金製切削工具が広く知られてお
り、これがスローアウエイチップ（以下、単にチップと
云う）やドリル、さらにエンドミルやリーマなどの切削
工具として、超硬合金や鋳鉄、さらに合金成分としての
ＣｒやＷの含有量の高い高硬度Ｃｏ基合金、およびＣｒ
含有量の高いＮｉ基合金などの連続切削や断続切削、さ
らに穴加工や通し孔加工、板材の端面加工などの切削加
工に用いられることも良く知られるところである。
用いた超硬合金製切削工具としては、例えば特公平１−
１６８９４号公報の実施例に記載されるように、ＢＮ焼
結体で構成された切刃層と超硬合金で構成された下地層
からなる複合切刃片を通常の超高圧焼結装置を用いて製
造し、これを、ろう付け接合面となる前記下地層と同じ
超硬合金で構成された工具本体の切刃片取り付け部に、
超硬合金用ろう材として知られている、例えばＣｕ：３
０％、Ｚｎ：２８％、Ｎｉ：２％を含有し、残りがＡｇ
と不可避不純物からなる代表組成（以上重量％、以下％
は重量％を示す）を有するＡｇ基合金のろう材を用いて
ろう付けしてなる超硬合金製切削工具が広く知られてお
り、これがスローアウエイチップ（以下、単にチップと
云う）やドリル、さらにエンドミルやリーマなどの切削
工具として、超硬合金や鋳鉄、さらに合金成分としての
ＣｒやＷの含有量の高い高硬度Ｃｏ基合金、およびＣｒ
含有量の高いＮｉ基合金などの連続切削や断続切削、さ
らに穴加工や通し孔加工、板材の端面加工などの切削加
工に用いられることも良く知られるところである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
装置の高性能化はめざましく、かつ切削加工の省力化に
対する要求も強く、これに伴なって、切削加工は高速化
の傾向にあるが、上記の従来超硬合金製切削工具におい
ては、これを高速切削に用いると、工具本体と複合切刃
片のろう付け部は、それぞれが超硬合金で構成されてい
るので接合上問題はないが、前記複合切刃片を構成する
ＢＮ焼結体の切刃層と超硬合金の下地層との接合強度が
不十分であるために、この部分から剥離が発生し易く、
比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
装置の高性能化はめざましく、かつ切削加工の省力化に
対する要求も強く、これに伴なって、切削加工は高速化
の傾向にあるが、上記の従来超硬合金製切削工具におい
ては、これを高速切削に用いると、工具本体と複合切刃
片のろう付け部は、それぞれが超硬合金で構成されてい
るので接合上問題はないが、前記複合切刃片を構成する
ＢＮ焼結体の切刃層と超硬合金の下地層との接合強度が
不十分であるために、この部分から剥離が発生し易く、
比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、切刃片全体をＢＮ焼結体で構成
し、これを超硬合金の工具本体の切刃片取り付け部に強
固な接合強度で直接ろう付けすることができるろう材を
開発すべく研究を行なった結果、Ｃｕ：２０〜３５％、
Ｔｉ：１〜５％、Ｉｎ：１〜２０％、を含有し、残
りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有するＡｇ基合
金ろう材を用いて、超硬合金の工具本体の切刃片取り付
け部に、直接ＢＮ焼結体、特に望ましくは９９．９％以
上の純度を有する立方晶窒化ほう素焼結体の切刃片をろ
う付けすると、前記工具本体と前記切刃片の間にはすぐ
れたろう付け接合強度が確保されるようになり、したが
ってこの結果の切削工具は、これを高速切削に用いても
前記切刃片に剥離の発生なく、長期に亘ってすぐれた切
削性能を発揮するという研究結果を得たのである。
上述のような観点から、切刃片全体をＢＮ焼結体で構成
し、これを超硬合金の工具本体の切刃片取り付け部に強
固な接合強度で直接ろう付けすることができるろう材を
開発すべく研究を行なった結果、Ｃｕ：２０〜３５％、
Ｔｉ：１〜５％、Ｉｎ：１〜２０％、を含有し、残
りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有するＡｇ基合
金ろう材を用いて、超硬合金の工具本体の切刃片取り付
け部に、直接ＢＮ焼結体、特に望ましくは９９．９％以
上の純度を有する立方晶窒化ほう素焼結体の切刃片をろ
う付けすると、前記工具本体と前記切刃片の間にはすぐ
れたろう付け接合強度が確保されるようになり、したが
ってこの結果の切削工具は、これを高速切削に用いても
前記切刃片に剥離の発生なく、長期に亘ってすぐれた切
削性能を発揮するという研究結果を得たのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、ＢＮ焼結体、望ましくは９９．
９％以上の純度を有する立方晶窒化ほう素焼結体の切刃
片を、Ｃｕ：２０〜３５％、 Ｔｉ：１〜５％、Ｉ
ｎ：１〜２０％、を含有し、残りがＡｇと不可避不純物
からなる組成を有するＡｇ基合金ろう材を介して、超硬
合金の工具本体の切刃片取り付け部に直接ろう付けして
なる、切刃片がすぐれたろう付け接合強度を有する超硬
合金製切削工具に特徴を有するものである。
なされたものであって、ＢＮ焼結体、望ましくは９９．
９％以上の純度を有する立方晶窒化ほう素焼結体の切刃
片を、Ｃｕ：２０〜３５％、 Ｔｉ：１〜５％、Ｉ
ｎ：１〜２０％、を含有し、残りがＡｇと不可避不純物
からなる組成を有するＡｇ基合金ろう材を介して、超硬
合金の工具本体の切刃片取り付け部に直接ろう付けして
なる、切刃片がすぐれたろう付け接合強度を有する超硬
合金製切削工具に特徴を有するものである。
【０００６】つぎに、この発明の超硬合金製切削工具に
おいて、これを構成するＡｇ基合金ろう材の成分組成を
上記の通りに限定した理由を説明する。 （ａ） Ｃｕ Ｃｕ成分には、ろう材の融点を下げ、もって流動性を増
して、ろう付け接合を可能ならしめる作用があるが、そ
の含有量が２０％未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方その含有量が３５％を越えると、ろう付け部
の強度が低下するようになることから、その含有量を２
０〜３５％、望ましくは２５〜３０％と定めた。
おいて、これを構成するＡｇ基合金ろう材の成分組成を
上記の通りに限定した理由を説明する。 （ａ） Ｃｕ Ｃｕ成分には、ろう材の融点を下げ、もって流動性を増
して、ろう付け接合を可能ならしめる作用があるが、そ
の含有量が２０％未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方その含有量が３５％を越えると、ろう付け部
の強度が低下するようになることから、その含有量を２
０〜３５％、望ましくは２５〜３０％と定めた。
【０００７】（ｂ） Ｔｉ Ｔｉ成分には、ろう材自体の強度を向上させ、もってろ
う付け部の強度を向上させる作用があるが、その含有量
が１％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方
その含有量が５％を越えると、ろう付け時の流動性が低
下するようになることから、その含有量を１〜５％、望
ましくは２〜４％と定めた。
う付け部の強度を向上させる作用があるが、その含有量
が１％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方
その含有量が５％を越えると、ろう付け時の流動性が低
下するようになることから、その含有量を１〜５％、望
ましくは２〜４％と定めた。
【０００８】（ｃ） Ｉｎ Ｉｎ成分には、ろう材の融点を下げると共に、工具本体
と切刃片に対するぬれ性を一段と向上させ、もってろう
付け接合強度を向上させる作用があるが、その含有量が
１％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方そ
の含有量が２０％を越えると、ろう付け部の強度が低下
するようになることから、その含有量を１〜２０％、望
ましくは１０〜１５％と定めた。
と切刃片に対するぬれ性を一段と向上させ、もってろう
付け接合強度を向上させる作用があるが、その含有量が
１％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方そ
の含有量が２０％を越えると、ろう付け部の強度が低下
するようになることから、その含有量を１〜２０％、望
ましくは１０〜１５％と定めた。
【０００９】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の超硬合金製切
削工具を実施例により具体的に説明する。まず、工具本
体を製造する目的で、原料粉末として、いずれも０．５
〜１０μｍの範囲内の所定の平均粒径を有する、ＷＣ粉
末、ＴａＣ粉末、（Ｔｉ，Ｗ）Ｃ［重量比で、ＴｉＣ／
ＷＣ＝５０／５０］粉末、およびＣｏ粉末を用い、これ
ら原料粉末を表１に示される配合組成に配合し、ボール
ミルで７２時間湿式混合し、乾燥した後、１ｔｏｎ／ｃ
ｍ2 の圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、これら
の圧粉体を、１×１０-3ｔｏｒｒの真空中、１３５０〜
１４５０℃の範囲内の所定の温度に１時間保持の条件で
焼結し、焼結体に機械加工を施すことにより、いずれも
超硬合金で構成され、かつＣＩＳ規格ＴＮＧＡ３３２の
形状（厚さ：３．１８ｍｍ×一辺長さ：１６ｍｍの正三
角形）をもったチップ本体Ａ−１〜Ａ−３、直径：１２
ｍｍの２枚刃形状のドリル本体Ａ−４〜Ａ−５、直径：
１２ｍｍの２枚刃形状のエンドミル本体Ａ−６〜Ａ−
７、および直径：６ｍｍの１枚刃形状のリーマ本体Ａ−
８〜Ａ−１０をそれぞれ製造した。
削工具を実施例により具体的に説明する。まず、工具本
体を製造する目的で、原料粉末として、いずれも０．５
〜１０μｍの範囲内の所定の平均粒径を有する、ＷＣ粉
末、ＴａＣ粉末、（Ｔｉ，Ｗ）Ｃ［重量比で、ＴｉＣ／
ＷＣ＝５０／５０］粉末、およびＣｏ粉末を用い、これ
ら原料粉末を表１に示される配合組成に配合し、ボール
ミルで７２時間湿式混合し、乾燥した後、１ｔｏｎ／ｃ
ｍ2 の圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、これら
の圧粉体を、１×１０-3ｔｏｒｒの真空中、１３５０〜
１４５０℃の範囲内の所定の温度に１時間保持の条件で
焼結し、焼結体に機械加工を施すことにより、いずれも
超硬合金で構成され、かつＣＩＳ規格ＴＮＧＡ３３２の
形状（厚さ：３．１８ｍｍ×一辺長さ：１６ｍｍの正三
角形）をもったチップ本体Ａ−１〜Ａ−３、直径：１２
ｍｍの２枚刃形状のドリル本体Ａ−４〜Ａ−５、直径：
１２ｍｍの２枚刃形状のエンドミル本体Ａ−６〜Ａ−
７、および直径：６ｍｍの１枚刃形状のリーマ本体Ａ−
８〜Ａ−１０をそれぞれ製造した。
【００１０】また、切刃片を製造する目的で、原料粉末
として、平均粒径：５μｍおよび純度：９９．９５％を
有する高純度六方晶窒化ほう素粉末を用い、これを１ｔ
ｏｎ／ｃｍ2 の圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形
し、この圧粉体を通常のベルト型超高圧焼結装置に装入
し、圧力：７ＧＰａ、温度：２２００℃、保持時間：３
０分の条件で焼結して直径：２０ｍｍ×厚さ：１．５ｍ
ｍの寸法をもち、かつ六方晶から立方晶へ結晶変態した
ＢＮ焼結体、すなわち純度：９９．９５％を有する立方
晶窒化ほう素焼結体を形成し、これに超音波カッタを用
いて機械加工を施すことにより、一辺長さが５ｍｍの正
三角形形状のチップ用単一切刃片Ｂ−１、半径：３．５
ｍｍ×中心角：１２０度の扇形形状のドリル用単一切刃
片Ｂ−２、縦：６ｍｍ×横：１．５ｍｍの長方形形状の
エンドミル用単一切刃片Ｂ−３、および半径：３ｍｍ×
中心角：９０度の扇形形状のリーマ用単一切刃片Ｂ−４
をそれぞれ製造した。
として、平均粒径：５μｍおよび純度：９９．９５％を
有する高純度六方晶窒化ほう素粉末を用い、これを１ｔ
ｏｎ／ｃｍ2 の圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形
し、この圧粉体を通常のベルト型超高圧焼結装置に装入
し、圧力：７ＧＰａ、温度：２２００℃、保持時間：３
０分の条件で焼結して直径：２０ｍｍ×厚さ：１．５ｍ
ｍの寸法をもち、かつ六方晶から立方晶へ結晶変態した
ＢＮ焼結体、すなわち純度：９９．９５％を有する立方
晶窒化ほう素焼結体を形成し、これに超音波カッタを用
いて機械加工を施すことにより、一辺長さが５ｍｍの正
三角形形状のチップ用単一切刃片Ｂ−１、半径：３．５
ｍｍ×中心角：１２０度の扇形形状のドリル用単一切刃
片Ｂ−２、縦：６ｍｍ×横：１．５ｍｍの長方形形状の
エンドミル用単一切刃片Ｂ−３、および半径：３ｍｍ×
中心角：９０度の扇形形状のリーマ用単一切刃片Ｂ−４
をそれぞれ製造した。
【００１１】さらに、真空溶解炉を用い、アルミナるつ
ぼにて、表２に示される成分組成をもったＡｇ合金溶湯
を調製し、いすれも通常の条件で、インゴットに鋳造
し、熱間圧延と冷間圧延を施して厚さ：０．３５ｍｍの
本発明Ａｇ合金ろう材（以下、本発明ろう材という）Ｃ
−１〜Ｃ−１０をそれぞれ製造した。
ぼにて、表２に示される成分組成をもったＡｇ合金溶湯
を調製し、いすれも通常の条件で、インゴットに鋳造
し、熱間圧延と冷間圧延を施して厚さ：０．３５ｍｍの
本発明Ａｇ合金ろう材（以下、本発明ろう材という）Ｃ
−１〜Ｃ−１０をそれぞれ製造した。
【００１２】ついで、上記の単一切刃片Ｂ−１〜Ｂ−４
を、上記の各種工具本体Ａ−１〜Ａ−１０のそれぞれの
切刃片取り付け部に、表３に示される組合せで本発明ろ
う材Ｃ−１〜Ｃ−１０のそれぞれを挟んだ状態でセット
し、ホットプレスを用いて１ｋｇ／ｃｍ2 の圧力で加圧
した状態で、１×１０-3ｔｏｒｒの真空中、９００〜１
０００℃の範囲内の所定温度に５分間保持の条件でろう
付けすることにより本発明チップ１〜３、本発明ドリル
１、２、本発明エンドミル１、２、および本発明リーマ
１〜３からなる本発明超硬合金製切削工具をそれぞれ製
造した。
を、上記の各種工具本体Ａ−１〜Ａ−１０のそれぞれの
切刃片取り付け部に、表３に示される組合せで本発明ろ
う材Ｃ−１〜Ｃ−１０のそれぞれを挟んだ状態でセット
し、ホットプレスを用いて１ｋｇ／ｃｍ2 の圧力で加圧
した状態で、１×１０-3ｔｏｒｒの真空中、９００〜１
０００℃の範囲内の所定温度に５分間保持の条件でろう
付けすることにより本発明チップ１〜３、本発明ドリル
１、２、本発明エンドミル１、２、および本発明リーマ
１〜３からなる本発明超硬合金製切削工具をそれぞれ製
造した。
【００１３】また、比較の目的で、それぞれ上記工具本
体Ａ−１〜Ａ−１０と同じ配合組成の下地層形成用混合
粉末、並びに切刃層形成用として上記の高純度六方晶窒
化ほう素粉末を用い、これを前記下地層形成用混合粉末
の厚さ：１．５ｍｍ、前記高純度六方晶窒化ほう素粉末
の厚さ：１．０ｍｍからなる複合圧粉体に１ｔｏｎ／ｃ
ｍ2 の圧力でプレス成形し、この複合圧粉体を、同じ条
件、すなわち通常のベルト型超高圧焼結装置にて、圧
力：７ＧＰａ、温度：２２００℃、保持時間：３０分の
条件で焼結して切刃層の厚さ：０．７ｍｍ×下地層の厚
さ：１．５ｍｍ×直径：２０ｍｍの寸法をもち、かつ切
刃層が同じく六方晶から立方晶へ結晶変態した純度：９
９．９５％の立方晶窒化ほう素焼結体（ＢＮ焼結体）で
構成され、下地層がそれぞれ上記工具本体Ａ−１〜Ａ−
１０と同じ組成の超硬合金で構成された複合焼結体を形
成し、これに超音波カッタを用いて機械加工を施すこと
により、一辺長さが５ｍｍの正三角形形状のチップ用複
合切刃片ｂ−１〜ｂ−３、半径：３．５ｍｍ×中心角：
１２０度の扇形形状のドリル用複合切刃片ｂ−４〜ｂ−
５、縦：６ｍｍ×横：１．５ｍｍの長方形形状のエンド
ミル用複合切刃片ｂ−６〜ｂ−７、および半径：３ｍｍ
×中心角：９０度の扇形形状のリーマ用複合切刃片ｂ−
８〜ｂ−１０を形成し、さらに成分組成を、Ｃｕ：２
９．７％、Ｚｎ：２８．１％、Ｎｉ：２．０％、Ａｇお
よび不可避不純物：残り、とする以外は本発明ろう材Ｃ
−１〜Ｃ−１０の製造条件と同じ条件で従来ろう材を形
成し、ついでこれら複合切刃片のそれぞれを同じく表４
に示される組合せで工具本体Ａ−１〜Ａ−１０のそれぞ
れの切刃片取り付け部に前記従来ろう材を挟んだ状態で
セットし、上記のろう付け条件と同じ条件でろう付け接
合することにより従来チップ１〜３、従来ドリル１、
２、従来エンドミル１、２、および従来リーマ１〜３か
らなる従来超硬合金製切削工具をそれぞれ製造した。
体Ａ−１〜Ａ−１０と同じ配合組成の下地層形成用混合
粉末、並びに切刃層形成用として上記の高純度六方晶窒
化ほう素粉末を用い、これを前記下地層形成用混合粉末
の厚さ：１．５ｍｍ、前記高純度六方晶窒化ほう素粉末
の厚さ：１．０ｍｍからなる複合圧粉体に１ｔｏｎ／ｃ
ｍ2 の圧力でプレス成形し、この複合圧粉体を、同じ条
件、すなわち通常のベルト型超高圧焼結装置にて、圧
力：７ＧＰａ、温度：２２００℃、保持時間：３０分の
条件で焼結して切刃層の厚さ：０．７ｍｍ×下地層の厚
さ：１．５ｍｍ×直径：２０ｍｍの寸法をもち、かつ切
刃層が同じく六方晶から立方晶へ結晶変態した純度：９
９．９５％の立方晶窒化ほう素焼結体（ＢＮ焼結体）で
構成され、下地層がそれぞれ上記工具本体Ａ−１〜Ａ−
１０と同じ組成の超硬合金で構成された複合焼結体を形
成し、これに超音波カッタを用いて機械加工を施すこと
により、一辺長さが５ｍｍの正三角形形状のチップ用複
合切刃片ｂ−１〜ｂ−３、半径：３．５ｍｍ×中心角：
１２０度の扇形形状のドリル用複合切刃片ｂ−４〜ｂ−
５、縦：６ｍｍ×横：１．５ｍｍの長方形形状のエンド
ミル用複合切刃片ｂ−６〜ｂ−７、および半径：３ｍｍ
×中心角：９０度の扇形形状のリーマ用複合切刃片ｂ−
８〜ｂ−１０を形成し、さらに成分組成を、Ｃｕ：２
９．７％、Ｚｎ：２８．１％、Ｎｉ：２．０％、Ａｇお
よび不可避不純物：残り、とする以外は本発明ろう材Ｃ
−１〜Ｃ−１０の製造条件と同じ条件で従来ろう材を形
成し、ついでこれら複合切刃片のそれぞれを同じく表４
に示される組合せで工具本体Ａ−１〜Ａ−１０のそれぞ
れの切刃片取り付け部に前記従来ろう材を挟んだ状態で
セットし、上記のろう付け条件と同じ条件でろう付け接
合することにより従来チップ１〜３、従来ドリル１、
２、従来エンドミル１、２、および従来リーマ１〜３か
らなる従来超硬合金製切削工具をそれぞれ製造した。
【００１４】つぎに、この結果得られた本発明超硬合金
製切削工具および従来超硬合金製切削工具のうち、本発
明チップ１〜３および従来チップ１〜３については、 被削材：ロックウェル硬さＣスケ−ル：８４の硬さを有
するＣｏ：１５％含有の超硬合金丸棒、 切削速度：３０ｍ／ｍｉｎ．、 送り：０．１ｍｍ／ｒｅｖ．、 切込み：０．１ｍｍ、 切削時間：１５分、 の条件で超硬合金の湿式連続高速切削試験を行ない、本
発明ドリル１、２および従来ドリル１、２については、 被削材：ブリネル硬さ：１５０の硬さおよび３０ｍｍの
板厚を有するＦＣＤ４５０板材、 切削速度：２００ｍ／ｍｉｎ．、 送り：０．３ｍｍ／ｒｅｖ．、 切込み：下穴径１０ｍｍの通し孔（穴径：１２ｍｍ）、 加工数：２００穴、 の条件で球状黒鉛鋳鉄の乾式高速穴加工切削試験を行な
い、また本発明エンドミル１、２および従来エンドミル
１、２については、 被削材：Ｃｒ：３１％、Ｗ：４．５％、Ｃ：１．０％、
Ｃｏ＋不可避不純物：残り、からなる組成および５０ｍ
ｍの板厚を有するＣｏ基合金板材、 切削速度：５０ｍ／ｍｉｎ．、 送り：０．０５ｍｍ／ｒｅｖ．、 切込み：板材の端面加工、 切削時間：２０分、 の条件でＣｏ基合金の湿式高速端面加工切削試験を行な
い、さらに本発明リーマ１〜３および従来リーマ１〜３
については、 被削材：Ｃｒ：１９％、Ｍｏ：３％、Ａｌ：０．５％、
Ｔｉ：０．９％、Ｆｅ：１９％、Ｃ：０．０４％、Ｎ
ｂ：５％、Ｃｕ：０．２％、Ｎｉ＋不可避不純物：残
り、からなる組成、ビッカ−ス硬さ：４１５の硬さ、お
よび５ｍｍの板厚を有するＮｉ基合金板材、 切削速度：５０ｍ／ｍｉｎ．、 送り：０．２ｍｍ／ｒｅｖ．、 切込み：下穴径５ｍｍの通し孔（穴径：６ｍｍ）、 加工数：２００穴、 の条件でＮｉ基合金の湿式高速穴加工切削試験を行な
い、いずれの切削試験でも切刃片（切刃層）における最
大摩耗幅を測定した。これらの測定結果を表３、４に示
した。
製切削工具および従来超硬合金製切削工具のうち、本発
明チップ１〜３および従来チップ１〜３については、 被削材：ロックウェル硬さＣスケ−ル：８４の硬さを有
するＣｏ：１５％含有の超硬合金丸棒、 切削速度：３０ｍ／ｍｉｎ．、 送り：０．１ｍｍ／ｒｅｖ．、 切込み：０．１ｍｍ、 切削時間：１５分、 の条件で超硬合金の湿式連続高速切削試験を行ない、本
発明ドリル１、２および従来ドリル１、２については、 被削材：ブリネル硬さ：１５０の硬さおよび３０ｍｍの
板厚を有するＦＣＤ４５０板材、 切削速度：２００ｍ／ｍｉｎ．、 送り：０．３ｍｍ／ｒｅｖ．、 切込み：下穴径１０ｍｍの通し孔（穴径：１２ｍｍ）、 加工数：２００穴、 の条件で球状黒鉛鋳鉄の乾式高速穴加工切削試験を行な
い、また本発明エンドミル１、２および従来エンドミル
１、２については、 被削材：Ｃｒ：３１％、Ｗ：４．５％、Ｃ：１．０％、
Ｃｏ＋不可避不純物：残り、からなる組成および５０ｍ
ｍの板厚を有するＣｏ基合金板材、 切削速度：５０ｍ／ｍｉｎ．、 送り：０．０５ｍｍ／ｒｅｖ．、 切込み：板材の端面加工、 切削時間：２０分、 の条件でＣｏ基合金の湿式高速端面加工切削試験を行な
い、さらに本発明リーマ１〜３および従来リーマ１〜３
については、 被削材：Ｃｒ：１９％、Ｍｏ：３％、Ａｌ：０．５％、
Ｔｉ：０．９％、Ｆｅ：１９％、Ｃ：０．０４％、Ｎ
ｂ：５％、Ｃｕ：０．２％、Ｎｉ＋不可避不純物：残
り、からなる組成、ビッカ−ス硬さ：４１５の硬さ、お
よび５ｍｍの板厚を有するＮｉ基合金板材、 切削速度：５０ｍ／ｍｉｎ．、 送り：０．２ｍｍ／ｒｅｖ．、 切込み：下穴径５ｍｍの通し孔（穴径：６ｍｍ）、 加工数：２００穴、 の条件でＮｉ基合金の湿式高速穴加工切削試験を行な
い、いずれの切削試験でも切刃片（切刃層）における最
大摩耗幅を測定した。これらの測定結果を表３、４に示
した。
【００１５】
【表１】
【００１６】
【表２】
【００１７】
【表３】
【００１８】
【表４】
【００１９】
【発明の効果】表３、４に示される結果から、本発明超
硬合金製切削工具（本発明チップ１〜３、本発明ドリル
１、２、本発明エンドミル１、２、および本発明リーマ
１〜３）は、いずれも切刃片が工具本体に強固な接合強
度でろう付けされているので、各種被削材の高速切削で
も切刃片に剥離の発生なく、正常摩耗を示し、すぐれた
耐摩耗性を発揮するのに対して、従来超硬合金製切削工
具（従来チップ１〜３、従来ドリル１、２、従来エンド
ミル１、２、および従来リーマ１〜３）は、いずれも複
合切刃片の切刃層と下地層の接合面で剥離が発生し、比
較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。上述
のように、この発明の超硬合金製切削工具は、切刃片が
直接工具本体に強固にろう付けされているので、通常の
条件での切削加工は勿論のこと、高速切削加工において
も切刃片に剥離の発生なく、すぐれた切削性能を長期に
亘って発揮するのである。
硬合金製切削工具（本発明チップ１〜３、本発明ドリル
１、２、本発明エンドミル１、２、および本発明リーマ
１〜３）は、いずれも切刃片が工具本体に強固な接合強
度でろう付けされているので、各種被削材の高速切削で
も切刃片に剥離の発生なく、正常摩耗を示し、すぐれた
耐摩耗性を発揮するのに対して、従来超硬合金製切削工
具（従来チップ１〜３、従来ドリル１、２、従来エンド
ミル１、２、および従来リーマ１〜３）は、いずれも複
合切刃片の切刃層と下地層の接合面で剥離が発生し、比
較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。上述
のように、この発明の超硬合金製切削工具は、切刃片が
直接工具本体に強固にろう付けされているので、通常の
条件での切削加工は勿論のこと、高速切削加工において
も切刃片に剥離の発生なく、すぐれた切削性能を長期に
亘って発揮するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｃ２２Ｃ 5/08 Ｃ２２Ｃ 5/08 29/08 29/08 // Ｂ２３Ｋ 35/30 ３１０ Ｂ２３Ｋ 35/30 ３１０Ｂ
Claims (1)
- 【請求項１】 高純度窒化ほう素焼結体で構成された切
刃片を、重量％で、 Ｃｕ：２０〜３５％、 Ｔｉ：１〜５％、 Ｉｎ：１〜２０％、を含有し、残りがＡｇと不可避不純
物からなる組成を有するＡｇ基合金ろう材を介して、炭
化タングステン基超硬合金で構成された工具本体の切刃
片取り付け部に直接ろう付けしてなる切刃片がすぐれた
ろう付け接合強度を有する超硬合金製切削工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP191597A JPH10193209A (ja) | 1997-01-09 | 1997-01-09 | 切刃片がすぐれたろう付け接合強度を有する超硬合金製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP191597A JPH10193209A (ja) | 1997-01-09 | 1997-01-09 | 切刃片がすぐれたろう付け接合強度を有する超硬合金製切削工具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10193209A true JPH10193209A (ja) | 1998-07-28 |
Family
ID=11514890
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP191597A Pending JPH10193209A (ja) | 1997-01-09 | 1997-01-09 | 切刃片がすぐれたろう付け接合強度を有する超硬合金製切削工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10193209A (ja) |
-
1997
- 1997-01-09 JP JP191597A patent/JPH10193209A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20011106 |