JPH10190584A - 光無線データ通信システムと、それに用いる送信装置、受信装置 - Google Patents

光無線データ通信システムと、それに用いる送信装置、受信装置

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JPH10190584A
JPH10190584A JP9293055A JP29305597A JPH10190584A JP H10190584 A JPH10190584 A JP H10190584A JP 9293055 A JP9293055 A JP 9293055A JP 29305597 A JP29305597 A JP 29305597A JP H10190584 A JPH10190584 A JP H10190584A
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data communication
communication system
polarized light
wireless data
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Withdrawn
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JP9293055A
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English (en)
Inventor
Takeo Kawase
健夫 川瀬
Shojiro Kitamura
昇二郎 北村
Takeo Kaneko
丈夫 金子
Takayuki Kondo
貴幸 近藤
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光を使った無線データ通信は、室内、屋外の
光の影響を受ける。特に、既存の光無線データ通信との
混信、干渉が問題であった。さらに、クロックを再生す
るためのPLL回路が必要なためコストが上昇してい
た。 【解決手段】 送信二値データ12に基づいて、送信装
置11は偏光面を変調した電磁波13を自由空間16中
に放出する。データは偏光面の方位として自由空間16
中を伝わっていく。そして、受信装置17が偏光面変調
された電磁波13を受信して偏光面の状態からデータを
判別して受信二値データ18を出力する。また、偏光状
態や波長の異なる複数の発光部よりデータとクロック情
報を送信してPLL回路を省いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光を用いて自由空
間における無線通信をおこなう光無線通信のシステム
と、これに用いる送信装置、受信装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】移動体通信のマルチメディア化を実現す
るためには、より高転送レートの無線データ通信が求め
られており、新たな周波数の開拓が必要とされている。
電波の分野では準ミリ波・ミリ波が実用化を目指して開
発が進められている。一方、法律上は電波には分類され
ない赤外線も無線通信への利用が拡大しつつある。
【0003】赤外線、つまり、光を用いた無線データ通
信においては電波として規制されていない広大な帯域を
利用して、高速なデータ通信を提供できる可能性があ
る。光の特性として壁などの不透明な物体を透過しない
ため、部屋単位の無線LANや近距離のデータ通信に適
している。現在、赤外線を用いた無線通信のなかで最も
代表的なのがIrDA(Infrared Data
Association)方式の赤外線データ通信機能
である。これらは赤外線発光ダイオードと受光素子から
なり、115.2kbpsから4Mbpsの速度でデー
タ交換を実現している。通信の距離は1m以内と短いが
最大の特徴は低コストで無線データ通信を提供できる点
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】今後は転送容量が更に
大きい、そして、通信距離の大きい光無線データ通信が
必要になる。しかし、光源に発光ダイオードを使用する
場合、 発光ダイオードから出射される光は100nm
以上の波長幅を有するので帯域の有効利用の点で問題が
ある。さらに、LEDではキャリアの寿命による制限の
ため、100MHzを越える変調は困難である。これら
の問題を解決するために、光源として半導体レーザを用
いることが有効である。
【0005】半導体レーザを用いれば、1nm以下の波
長幅を得ることも容易であるし、また、1GHz以上の
変調も原理的に可能である。しかし、起こりうる問題と
して混線による誤動作が挙げられる。無線搬送波として
の光は電波のように法律で規制されていないために、自
由に利用することが可能である一方、同じ波長を利用し
た光無線機器どうしはお互いに干渉する弊害が起こりう
る。たとえば、既存の光無線データ通信、IrDA方式
はピーク波長として850nmから900nmの波長を
利用している。
【0006】もし、半導体レーザを使って、高速転送で
通信距離の長い通信装置を実現したとしても、この85
0nmから900nmに渡るいずれかの波長を使うと、
IrDA方式と干渉してしまうことになる。IrDA方
式は既存のコンピュータに広く普及しているので、これ
と干渉することは、法律上は問題ないとしても実用上は
避けなければならない。
【0007】干渉を避けるためには、それぞれが使用し
ている波長のオーバーラップがないように波長を選べば
よい。例えば、IrDA方式との干渉を避けるためには
1μm以上の波長を用いることが有効である。しかし、
このとき問題になるのが、コストである。1μm以上の
波長を使うためには、送信用半導体レーザとしてInP
基板上に形成したInGaAsP系混晶を用いる必要が
ある。
【0008】この基板はGaAs基板より高価で大口径
化が難しいため低コスト化の面ではGaAs基板を使う
ことができる900nm以下の波長に比べて不利にな
る。更に、受信用PINフォトダイオードもコスト面で
問題になる。Si製のPINフォトダイオードが利用で
きるのが1μm以下の波長に制限されるためである。こ
れを越える波長では感度が低下してしまう。1μmを越
える波長ではInP基板上に形成したInGaAs製の
PINフォトダイオードが必要になる。この素子の材料
費、製造コストはSi製のそれに比べて遥かに高いた
め、比較的大きな面積を必要とする受光素子の場合、コ
ストの差が大きくなってしまう。
【0009】このように、半導体レーザを使って高速な
光無線データ通信を実現しようとしたとき、既に実用化
されている光無線データ通信方式との干渉を避けるため
に1μm以上の長波長を使うアプローチを採用すると、
コストが大きくなる問題点があった。
【0010】また、安価な光無線データ通信を提供する
際には、別の問題もある。受信光から受信データを取り
出すには、受信データに同期したクロックが必要であ
る。従来の光無線データ通信では、受信光を光電変換し
た電気信号よりPLL(Phase Locked L
oop)回路によってクロックを抽出していた。このP
LL回路が安定に動作するためには、精度の高い回路
や、安定な電源を必要として、これがコストを引き上げ
る原因となっていた。
【0011】また、受信光よりクロックを抽出しやすい
様に、送信時にRLL(Run Length Lim
ited、「1」や「0」が連続するビット数を制限さ
れていること)の性質を有する変調符号に変調する必要
があり、これに伴う、変調回路、復調回路もまたコスト
を引き上げる原因となっていた。
【0012】本発明の目的は、外部からの光の影響を受
け難く、既存の光無線通信システムへの影響がなく、既
存の光無線通信システムからの影響を受けない安価な光
無線データ通信システムを提供することである。本発明
の他の目的は、IrDA方式を使用している850nm
から900nmの波長帯を使って偏光変調通信を行って
もIrDA方式との干渉がない光無線データシステムを
提供することである。
【0013】本発明のさらに他の目的は、従来のシステ
ムとの干渉のない安定した無線データ通信システムを低
コストで提供することができる。本発明は、さらに、同
様に異なった2波長の光を相補的に変調した場合も、同
相成分を差動検出によって除去できるため、安定した変
調信号の再生が可能な光無線データ通信システムを提供
することができる。
【0014】さらに、他の目的は、偏光状態、または、
波長が異なる2種類の光を使って、送信すべきデータと
クロック情報とを空間伝送したので、PLL回路を使わ
ずにデータの弁別が可能な通信システムを提供すること
である。さらに他の目的は、受信信号からクロックを抽
出する必要がないため、特別な変調符号による符号化、
復号化の処理を省くことができ、安価に光無線データシ
ステムを提供することである。さらに他目的は、偏光状
態、または、波長が異なる2種類の光を出射するのに面
発光レーザを用いて、装置を小型化することができ、ま
た、容易に光軸の調整ができ、結果的に低コストな送信
装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、波長が100μm以下の光を自由空間中
に放出して通信を行う光無線通信システムにおいて、お
互いに異なる光学的性質を有する2種類以上の光を出射
する1つ以上の光源を有する送信装置が、送信情報を変
調した第1送信情報と、前記送信情報を演算変換した第2
送信情報に基づいて、前記2種類以上の光を個別に変調
して、お互いに異なる2つ以上の変調信号光を出射し
て、前記2種類以上の光を弁別して受光できる1つ以上
の受光部を有する受信装置が自由空間中を伝搬してきた
前記変調信号光を受光して得られた変調信号の演算をお
こなった演算結果より前記送信情報に対応した受信情報
を得ることを特徴とする。
【0016】このシステムの一つの形態は、前記第1の
送信情報として前記送信情報が用いられ、前記第2送信
情報として、前記送信情報を反転した情報列が用いられ
るものである。
【0017】他の形態は、前記第2送信情報として、ク
ロックの2分の1分周信号と前記送信情報との排他的論理
和が用いられるものである。
【0018】他の形態は、前記第一送信情報として、前
記送信情報をRZ変調した情報列を用い、前記第2送信
情報として、前記送信情報を反転後、RZ変調した情報
列を用いることである。
【0019】さらに他の形態は、互いに異なる光学的性
質を有する2種類以上の光として、直交した直線偏光の
組み合わせを用いることである。
【0020】さらに他の形態は、前記お互いに異なる光
学的性質を有する2種類以上の光として、右回りの円偏
光と、左回りの円偏光とを用いることである。
【0021】さらに他の形態は、前記お互いに異なる光
学的性質を有する2種類以上の光として、異なる波長の
光の組み合わせを用いることである。
【0022】本発明はまた、これらのシステムに送信装
置であって、前記光源が、直線偏光の偏光方向を変調す
るための垂直共振器型面発光半導体レーザと、前記垂直
共振器型面発光半導体レーザの出射光が通過するように
配置された位相板とから構成されることを特徴とする。
この光源は、第1の直線偏光を出射する第1の半導体レ
ーザと、前記第1の半導体レーザの出射光の偏光面に対
して垂直な直線偏光を出射する第2の半導体レーザと、
前記第1と第2の半導体レーザの出射光が通過するよう
に配置された位相板とから構成される。前記第1、第2
の半導体レーザとして、例えば、同一半導体基板上に形
成された垂直共振器型面発光半導体レーザが用いられ
る。
【0023】この送信装置の他の実施形態は、前記第1
の半導体レーザである垂直共振器型面発光半導体レーザ
が複数個、そして前記第2の半導体レーザである垂直共
振器型面発光半導体レーザが複数個、同一半導体基板上
に形成されている。
【0024】送信装置の更に他の形態は、第1と第2の
半導体レーザとして、断面が長方形で、長辺が短辺に比
べて1.2倍以上の長さの共振器を有する垂直共振器型
面発光半導体レーザを用いて、長辺の方向を第1と第2
の半導体レーザの間でお互いに直交するように配置した
ことを特徴とする。
【0025】前記位相板として4分の1波長板が用いら
れ、前記第1または第2の半導体レーザの出射光の偏光
面に対して前記4分の1波長板の主軸方向がなす角度が
45度であるように配置される。
【0026】本発明はさらに、前記システムに使用され
る受信装置であって、受信光の偏光状態を直交した直線
偏光に変換する受信位相板と、直交した直線偏光をそれ
ぞれ透過、または、反射する検光子と、直交した直線偏
光をそれぞれ光電変換する第1と第2の受光素子とから
構成されるものであることを特徴とする。
【0027】第1と第2の受光素子に、PINフォトダ
イオードを用いることができる。前記光源として、異な
る発振波長を有する2つ以上の面発光レーザから構成さ
れる。前記光源の一例は、同一平面上に面発光レーザが
形成された半導体チップが2つ以上実装されたものであ
り、それぞれの前記半導体チップ上の面発光レーザの発
振波長が異なるものである。
【0028】この受信装置は、例えば、受信光を波長に
応じて弁別する波長選択性のフィルタ、または、ミラー
を有し、波長上で弁別された光をそれぞれ受光して光電
変換する第1と第2の受光素子を有するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0030】[第一の実施の形態]第一の実施の形態とし
て、偏光状態の異なる2種類の光を使って光無線データ
通信をおこなう方式について説明する。特にここでは、
一方の偏光状態を使って、送信情報をそのまま送信、か
つ、他方の偏光状態を使って、送信情報の反転した情報
列を送信する実施例について説明する。
【0031】図1に本発明の無線データ通信システムの
実施例を示す。送信装置11からデータを送信して受信
装置17で受信する構成を示している。送信二値データ
12が送信装置11の入力端11aに入力される。送信
装置11は送信二値データ12に基づいて偏光状態を変
調した電磁波13を自由空間16中に放出する。電磁波
13はz軸方向に進行していく。ここで言う電磁波13
は電波、光を含むものであるが、以下の実施例では主に
波長が100μm以下の光について説明する。
【0032】また、自由空間16とは誘電体や金属で空
間が限定されたいわゆる導波路ではなく、電磁波が自由
に伝播できる空間を意味する。実際に、我々が生活して
いる空間では、地面、壁、天井、窓、建造物、人間が電
磁波の伝播を妨げているが、これらが特定の導波路を形
成しない限り、このような空間も自由空間16に含める
ものとする。
【0033】さて、電磁波13は偏光状態が変調されて
いる。ここでは直交する直線偏光と送信二値データが対
応づけられて変調されている状態を示している。直線偏
光14a、14bはx軸に平行な直線偏光である。直線
偏光15aはy軸に平行な直線偏光である。例えば、送
信二値データ12の”1”をx軸に平行な直線偏光に、
また、”0”をy軸に平行な直線偏光に対応させて偏光
状態を変調する。そうすると、送信二値データ12は偏
光状態の変化として自由空間16を伝播していくことに
なる。
【0034】そして、電磁波13は受信装置17に達す
る。受信装置17は偏光状態に対応した電圧を出力端1
7aに出力する。例えば、x軸に平行な直線偏光を受信
したときには”1”に対応する電圧を、そして、y軸に
平行な直線偏光を受信したときには”0”に対応する電
圧を出力する。つまり、これが受信二値データ18であ
る。この受信二値データ18の内容が、送信二値データ
12の内容と一致することは、以上の説明から明らかで
ある。このようにして、偏光状態を変調することによっ
て無線データ通信が可能である。
【0035】以上の例では、偏光状態を変調するのに、
直交する直線偏光の組み合わせを利用した。このような
組み合わせには自由度があり直線偏光に限られるもので
はないことを図2を用いて説明する。図2(a)の組み
合わせは直線偏光である。x軸に平行な直線偏光14と
y軸に平行な直線偏光15との組み合わせが二値データ
の”1”または”0”に対応づけられる。ここで、座標
軸の取り方は任意であり、座標軸と偏光方向が平行であ
ることに特別な意味はなく、それぞれの直線偏光が直交
していることを明示するものである。
【0036】図2(b)に示す組み合わせは楕円偏光の
組み合わせである。楕円偏光の場合、楕円率が等しく、
主軸の方位が直交していて、かつ、回転方向が逆である
ような組み合わせを用いることができる。回転方向を楕
円率に含めて言う場合には楕円率の絶対値が等しく、そ
の符号が逆であり、主軸の方位が直交している楕円偏光
の組と言うことができる。これらの楕円偏光の組み合わ
せはポアンカレ球上ではお互いに対心点に位置してい
る。このような組み合わせを「独立した偏光状態」と呼
ぶことがある。「独立した偏光状態」の特徴は同じ位相
差を与えることによって直交した直線偏光の組み合わせ
に変換できる点である。図2(b)に示した楕円偏光2
1、22は独立した偏光状態であり、それぞれを二値デ
ータの”0”または”1”に対応させて通信を行うのに
有用である。
【0037】さらに、上記の楕円偏光の楕円率が±1で
あるような場合、つまり、円偏光の組み合わせが特に有
用である。図2(c)に示すのは左回りの円偏光23と
右回りの円偏光24の組み合わせである。この組み合わ
せはポアンカレ球において上下の極に位置する対心点で
あり、「独立した偏光状態」に相当している。つまり、
左回りの円偏光23と右回りの円偏光24とを二値デー
タの”0”または”1”に対応させることによって通信
が可能になる。これを図示したのが図3である。送信二
値データ12が送信装置31の入力端31aに入力され
ると送信装置31は送信二値データ12の”1”、”
0”に対応させて左回りの円偏光23a、23b、ある
いは右回りの円偏光24aを出射する。
【0038】このように円偏光の回転方向として変調さ
れた電磁波32は自由空間16をz軸方向に伝播して受
信装置33に達する。受信装置33は円偏光の回転方向
に対応させて”1”または”0”に相当する電圧を出力
端33aに出力することによって受信二値データ18を
生成する。このように、円偏光の回転方向と二値データ
の”1”、”0”とを対応させても無線データ通信が可
能である。
【0039】さらに重要なのは、「独立した偏光状態」
として円偏光の組み合わせを選ぶことは、特に有用なこ
とである。それは、送信装置31と受信装置33とがお
互いにz軸回りに回転しても、通信状態がその回転角に
依存しない点である。これは円偏光が特定の方位角を持
たないことからz軸回りの回転に対して不変であるため
である。
【0040】図1に示すような直線偏光の場合は、送信
装置11と受信装置17とは特定の角度に揃えられる必
要がある。そのために最適の受信状態になるように受信
装置17を回転させる機構をその内部、または、外部に
設けることが必要になる。このような機構が不要な点で
図3に示した円偏光の組み合わせによる変調は優れてい
る。
【0041】次に、本発明の偏光状態を変調する通信方
法の特徴を説明する。図4は本発明による偏光変調通信
における光出力の時間変化を示すものである。独立した
偏光状態をA状態、B状態とするとき、送信装置11、
31から出力されるA状態の光出力を偏光成分A、B状
態の光出力を偏光成分Bと呼ぶことにする。
【0042】送信二値データ12に基づいて出力される
電磁波13の偏光成分Aの時間変化41と偏光成分Bの
時間変化42は相補的な変化をする。つまり、偏光成分
Aの出力が上昇して高いレベルに達すると、同時に、偏
光成分Bは下降して低いレベルに落ちつく。偏光成分A
と偏光成分Bとの関係は差動出力とも言うことができ
る。
【0043】ここで、偏光成分Aと偏光成分Bとの振幅
が等しい場合、両者を併せた全光量43は一定で直流光
になることが図4からわかる。つまり、送信装置11、
31から出力される電磁波13、32を偏光成分に分け
ないで、単に光量だけ観察すれば43のように直流光に
過ぎない。このことは、既存の光無線通信機器への影響
が無視できる点で重要である。既存の光無線通信機器は
光出力を変調して通信を行っている。
【0044】ここに、別の光無線通信機器が同じ波長を
使って通信を行えば、それぞれの光出力が重畳されて通
信に支障を来すことになる。ところが、本発明の光無線
データ通信システムでは、光出力としては変化しない直
流光しか出力しないので、本発明の送信装置11、31
から出力された電磁波13、32が既存の光無線通信装
置の受信装置に達しても、これに与える影響が非常に小
さい。既存の光無線通信装置の受信装置に直流光が入射
すると全受信光にオフセットを加えることになるが、こ
れは、データを復調する際に容易に除去できるからであ
る。このように、本発明の光無線データ通信システムに
おいて出力される電磁波は既存の光無線データ通信機器
に悪影響を及ぼさない。
【0045】さらに、本発明の光無線データ通信システ
ムでは既存の光無線データ通信機器の送信装置が出力す
る電磁波の影響を受けにくい特徴を持っている。このこ
とを図5の偏光成分の時間変化の図を用いて説明する。
【0046】本発明の光無線データ通信システムに用い
る受信装置17、33の受信面において、受信されるべ
き偏光成分Aの時間変化51と偏光成分Bの時間変化5
4が入射しているとする。ここに、実際は外部からの照
明光や既存の光無線データ通信機器の送信装置が出力す
る電磁波なども入射してくる。これらの影響を外光と称
することにする。
【0047】ここで、外光は無偏光であり、特定の偏光
成分で変調されていたり、変動することはないものとす
る。実際、既存の光無線データ通信機器は無偏光を利用
しているし、照明などの光源の多くは無偏光を出力する
ため、この前提は実際的な内容である。そうすると、外
光成分は同じ大きさを持った外光A成分52と外光B成
分55とに分解できる。波形52、55に示されるよう
に、外光は時間的に変化している。受信装置上の電磁波
の強度のA成分、B成分は51と52、54と55をそ
れぞれ足した波形53、56になる。外光も時間的に変
化しているため波形53、56は非常に複雑に変化して
いる。
【0048】しかし、本発明の受信装置17、33は偏
光状態が変調されている成分のみを信号成分として取り
出すため、波形53から波形56を差し引いた信号、つ
まり、偏光変調成分57を再生することができる。この
ように、本発明の光無線データ通信システムでは無偏光
の外光が入射しても、これを同相成分としてキャンセル
することが可能なためその影響を受けにくい。つまり、
外光の原因が既存の光無線データ通信機器の送信装置で
ある場合も、本発明の光無線データ通信方法はその影響
を受けないで通信が可能だと言うことになる以上のよう
に、本発明の光無線データ通信システムでは、既存の光
無線データ通信機器に対して、影響を及ぼしにくく、そ
して、受けにくい特徴を持っているため、同じ波長を使
った場合でも共存が可能である。例えば、既存の光無線
データ通信方式であるIrDA方式の場合、通信光のピ
ーク波長が850nmから900nmにあるようにと規
定されている。
【0049】本発明の光無線データ通信システムを用い
れば、この850nmから900nmに渡る波長を使っ
て、IrDA方式と干渉しない無線データ通信が可能で
ある。この波長帯は、送信装置用の光源として、GaA
s、AlGaAsを材料とする半導体レーザが、受信装
置用の受光素子としてSiを材料とするPINフォトダ
イオードが使用可能な領域である。これらの材料は、通
信装置を安価に提供するためにはもっとも優れた材料で
ある。つまり、本発明の光無線データ通信システムによ
れば、既存の光無線データ通信機器との干渉を起こさな
いで、最もコスト的に有利な波長帯を利用した光無線デ
ータ通信を提供することが可能になるわけである。
【0050】また、図5で説明したように、本発明の光
無線データ通信システムによれば、外部からの光が受信
装置に入射しても、その影響を除去できるため安定した
受信信号を得ることが可能である。太陽光、白熱電灯、
蛍光灯などによって通信に用いる電磁波に比べてはるか
に大きい出力の光が自由空間16には満ちている。
【0051】しかし、これらの光はいずれも無偏光であ
るため、本発明の光無線データ通信システムでは、これ
ら無偏光の影響を効果的に除去することが可能である。
そのため、強烈な外部からの光に埋もれている通信光を
高いSN比で抽出することが可能である。
【0052】さらに、本発明の光無線データ通信システ
ムによれば、光出力のピーク値が同一であるとすれば送
信装置が出力する光出力は直流光であるため、従来の強
度変調された光に比べておよそ倍の平均的な出力が得ら
れる。この結果パルス当たりの光子数を倍増できるため
SN比を3dB程度増加させることが可能である。
【0053】次に、本発明の光無線データ通信システム
に用いる送信装置について具体的に説明する。
【0054】図6は本発明の送信装置の一実施例を示
す。これは左回り、右回りの円偏光の組を用いる送信装
置31について示したものである。直線偏光変調発光素
子61は入力に応じて直交した直線偏光14c、15b
を出力できる素子である。この直線偏光をそのまま自由
空間16に出射すれば直線偏光用の送信装置11にな
る。左回り、右回りの円偏光の組を用いる場合には、四
分の一波長板62を使って、直線偏光を円偏光24b、
23cに変換する。
【0055】この時、四分の一波長板62をその光学軸
62aが直線偏光14c、15bに対して45度傾いた
角度に配置すると、直線偏光を円偏光に変換することが
できる。この時、直線偏光の方位と、円偏光の回転方向
との関係は、光学軸62aが遅い軸であるか速い軸であ
るかによって異なる。仮に、x軸に平行な直線偏光14
cが右回りの円偏光24bに変換される場合には、y軸
に平行な直線偏光15bは左回りの円偏光23cへと変
換されることになる。
【0056】このようにして回転方向が変調された円偏
光24b、23cが生成されたので、そのまま、自由空
間16に放出しても良いが、レンズ系63を通過させて
光の広がり角を調整することが有効である場合が多い。
【0057】ここで、直線偏光変調発光素子61につい
て詳しく説明する。発光素子としては、その光出力を変
調できる素子は一般的であるが、偏光状態を変調できる
素子はあまり一般的ではない。
【0058】このような偏光変調発光素子は単一の素
子、あるいは、複数の素子の組み合わせで実現が可能で
ある。例えば、複数の素子を組み合わせるとすれば、レ
ーザー光源から出た光をネマッチック液晶を利用した旋
光素子で偏光面の向きを変調することが可能である。
【0059】しかし、この場合、液晶の応答速度は通信
に利用できるほど高速でないのが欠点である。単一の素
子では、半導体レーザを使うことができる。通常の半導
体レーザは偏光面が一定の直線偏光を出射するが、構造
を工夫することによって偏光面を変調することが可能で
ある。その例として垂直共振器型面発光半導体レーザに
ついて説明する。
【0060】図7は垂直共振器型面発光半導体レーザ
(以下、面発光レーザと称する)の外観図を示してい
る。面発光レーザの特徴はレーザ光73が開口部72か
ら基板71面に対して垂直に出射する点である。面発光
レーザは基板71上にエピタキシャル技術によって形成
された半導体層をフォトリソグラフィ技術で加工して作
製される。
【0061】面発光レーザの断面図を図8に示す。下部
電極86、上部電極82から電子、または、正孔のキャ
リアが注入されるとこれらのキャリアは拡散を続け、活
性層84に達する。上部電極82から注入されたキャリ
アが電流狭窄層83によって絞られて、開口部72直下
の活性層84に集められる構造がより望ましい。活性層
84に到達した電子、正孔は再結合して光を放出する。
この光は下部半導体ミラー85と上部ミラー81とで形
成された共振器中を往復する。往復する光は活性層84
を通過する際に誘導放出を誘起することによって増幅さ
れ、大きな出力の光が共振器中に閉じこめられる。その
一部が上部ミラー81を透過して外部にレーザ光73と
して出射される。
【0062】このようにして面発光レーザは動作する
が、図7からもわかるように共振器74の形状はフォト
リソグラフィによる加工によって自由に設計することが
できるため、偏光の制御が可能になる。例えば図7のよ
うに断面が円形の共振器74を作製すると、特定の方位
ができないためレーザ光73の偏光面の自由度が大き
い。
【0063】そのため、図9に示すように注入電流量を
変化させることによって偏光面を切り替えることができ
る。図9は光出力の平行方向(ここで平行とは便宜的な
方向)の偏光成分91と垂直方向(平行方向に垂直な方
向)の偏光成分92との注入電流依存性を示したもので
ある。注入電流がIth未満では主に平行方向の直線偏
光が出射されているが、Ithを越えると垂直方向の直
線偏光に切り替わることがわかる。
【0064】つまり、注入電流をIthの周りで変調す
ることによって直線偏光の偏光面を変調することが可能
である。ここでは、注入電流を変調する例を説明した
が、他にも、電界や磁界の印加、歪みの付与、偏光の注
入などによっても偏光面を変調することが可能である。
このような面発光レーザを直線偏光変調発光素子61と
して用いることによって本発明の送信装置を実現するこ
とができる。
【0065】さらに、偏光面の切替えが起こらない、つ
まり、偏光面が固定された面発光レーザを直線偏光変調
発光素子61に用いることも可能である。それは、図1
0に示すように、同一基板上に異なる偏光を出射する面
発光レーザを設けることによって実現できる。
【0066】図10中に示す断面が長方形の共振器74
a、74bを形成することによって偏光面を一定の方向
に向けるような制御が可能となる。長方形の共振器74
a、74bを形成すると偏光面は長方形の短辺に平行な
方向に固定される。つまり、一つの基板71上に短辺が
x軸に平行な長方形共振器74aと短辺がy軸に平行な
長方形共振器74bとを隣接させて形成することによっ
てそれぞれx軸に平行な直線偏光14d、y軸に平行な
直線偏光15cを得ることができる。
【0067】これは、単一の開口部から直交した直線偏
光を変調して出射する訳ではないが、非常に隣接した開
口部72a、72bからそれぞれお互いに直交した直線
偏光を出射する構造である。x軸に平行な直線偏光を出
射するときには上部電極82aから電流を注入して、y
軸に平行な直線偏光を出射するときには上部電極82b
から電流を注入すればよい。この複開口型面発光レーザ
101を直線偏光変調発光素子61として動作させるに
は図11に示すような回路を用いることが実用的であ
る。
【0068】図11中OP1、TR1、R1はVRで設
定した電圧に対応する電流をTR1のエミッタから供給
する定電流源を構成している。VRで電圧V1にOP1
の+端子が設定させている場合、TR1からは電流Ie
=(V−V1)/R1が供給される。また、TR2、T
R3はスイッチング用のトランジスタで、電流Ieを面
発光レーザLDXまたはLDYに切り替える働きをす
る。
【0069】TR2、TR3のベースは送信二値データ
12によって、または、インバータINVを通過した反
転信号によって駆動される。つまり、TR2とTR3は
相補的にオン/オフが切り替えられ、一方がオンの時は
他方がオフであるような動作をする。そのため、LD
X、LDYの一方にだけ電流Ieが流れる。このLD
X、LDYこそ同一基板71上に形成された複開口型面
発光レーザ101である。LDXはx軸に平行な直線偏
光を、LDYはy軸に平行な直線偏光を出射する面発光
レーザとすると、送信二値データ12が”1”のときx
軸に平行な直線偏光が、”0”のときy軸に平行な直線
偏光が複開口型面発光レーザ101から出射されること
になる。このような複開口型面発光レーザ101を直線
偏光変調発光素子61として用いて図11の回路で駆動
することによって本発明の送信装置を実現することがで
きる。なお、TR1からは定電流を流し、TR2、TR
3で電流の経路を変えるこの種の回路構成は高速な変調
ができる特徴を持っている。
【0070】図10に示したような偏光面が固定化され
た面発光レーザはフォトリソグラフィ技術によって大量
に作成可能である。長方形の長辺と短辺の長さの比率は
短辺に対して長辺の長さが1.2倍以上に設計すると有
効に偏光方向を固定的に制御することが可能であった。
長辺の長さが短辺に対して1.4倍以上ではさらに制御
が確実になった。さらに、面発光レーザは原理上少なく
とも1ギガヘルツまでは変調が可能なため、図10の方
式では1ギガヘルツまでの偏光面変調が保証されてい
る。さらに、図11の回路構成は高速変調に適している
ため、上記の複開口型面発光レーザ101を直線偏光変
調発光素子61として用いると、高速・大容量な光無線
データ通信を実現することができる。
【0071】面発光レーザの開口部の直径は1μmから
100μmで動作が可能で、複開口型面発光レーザ10
1の開口部の間隔は2μmから400μmにすることが
できる。開口部の間隔は送信装置全体の大きさ、あるい
は、自由空間16の大きさに比べて極めて小さいため、
1つの開口から光が出ているのと変わりはない。
【0072】また、面発光レーザ1個当たりの光出力が
小さくて光無線データ通信を行うのに十分でない場合、
図12に示すように同じ偏光方向を有する直線偏光を出
射する面発光レーザ74a、または、74bを同一基板
上に多数形成して出力の向上を達成することが可能であ
る。
【0073】このように複数の面発光レーザから通信用
の光を放出することは光出力を大きくできるだけではな
くて、肉眼に対する安全性を高める効果がある。単一の
開口部からレーザ光を出射した場合、このレーザ光の一
部が肉眼に入射したとき、入射したエネルギーが肉眼の
レンズ作用によって網膜上の一点に収束される可能性が
ある。一点に収束されたレーザ光は大きなエネルギー密
度を有するため、網膜に損傷を与える場合がある。一
方、複数の開口部から出射されたレーザ光が肉眼に入射
したとき、先と同じエネルギーが網膜上に達したとして
も、このレーザ光は一点に収束しないためエネルギー密
度が低い。従って、同じ出力を考えた場合、複数の開口
部から出射されたレーザ光は安全性が高いことになる。
【0074】以上の送信装置の実施例では主に面発光レ
ーザを利用する例について説明したが、その他の発光素
子の利用も可能である。従来の端面発光半導体レーザは
活性層に平行な偏光(TE波)を出力するが、これを歪
み超格子構造によってTM波のゲインを大きくしてTE
波とTM波とを切り替えることのできる半導体レーザを
作製することができる。このように改良された端面発光
半導体レーザを直線偏光変調発光素子61として用いて
送信装置を構成できる。
【0075】また、従来のTE波しか出力できない端面
発光半導体レーザでも偏光方向を直交させて実装するこ
とによって、見かけ上、2種類の偏光面を出力できる素
子が作製できるので、これを応用して送信装置を作製す
ることが可能である。ただし、端面発光半導体レーザの
偏光方向を直交させて実装する方法では、素子のアライ
メント、広がり角の調整が必要で、面発光レーザほど低
コストで提供できない問題がある。
【0076】次に、受信装置17、33の一実施例につ
いて説明する。ここでは円偏光の回転方向が変調された
電磁波32を受信する場合を例に挙げる。自由空間16
を伝播してきた電磁波32はレンズーフィルタ系131
によって集められる。通信に使用する波長以外の電磁波
は外乱となるため、レンズーフィルタ系131によって
反射、または、吸収されて透過光から除去されることが
望ましい。
【0077】レンズーフィルタ系131を通過した円偏
光23d、24cは四分の一波長板132によって直線
偏光に変換される。これは、送信装置で説明した直線偏
光から円偏光への変換の逆である。例えば、左回りの円
偏光23dがx軸に平行な直線偏光へ、右回りの円偏光
がy軸に平行な直線偏光へと変換される。この時、四分
の一波長板132の光学軸132aから45度傾いた方
位にx軸、y軸を定めることができる。このx軸、y軸
に平行、または、垂直な偏光成分を透過、反射、吸収す
るように検光子133を配置する。この図の実施例では
検光子133として偏光ビームスプリッタを用いた場合
について示している。
【0078】偏光ビームスプリッタ133はx軸に平行
な偏光成分を反射して、y軸に平行な偏光成分を透過す
るように配置されている。従って、x軸に平行な直線偏
光へ変換された光は光検出器134aへと導かれる。他
方、y軸に平行な直線偏光は光検出器134bへと導か
れることになる。光検出器はこれに入射する光出力に応
じた電流を発生する。光検出器134a、134bから
は図5の53、56に対応する電流波形がそれぞれ得ら
れることになる。
【0079】図5の53、56の波形から57に示す二
値データに対応するような偏光変調成分の波形を得るた
めに図14の回路を使用する。ここでは、光検出器13
4a、134bとしてPINフォトダイオードを用いた
場合について説明する。PINX、PINYが光検出器
134a、134bに対応している。PINフォトダイ
オードPINX、PINYには逆バイアス電圧Vrが印
加されている。光出力に対応した電流IsがPINフォ
トダイオードPINX、PINYのアノードから流れ出
て、OP2とR2、OP3とR3で構成された電流−電
圧変換回路へと流れていく。これらの電流−電圧変換回
路はIsをそれぞれIs・R2、Is・R3の電圧へと
変換する。
【0080】通常、R2=R3であることが望ましい。
電圧信号に変換された2つの信号は、OP4、R4、R
5、R6、R7から構成される差動増幅器に入力され、
その差動成分が増幅され、同相成分は除去される。通
常、R4=R6、R5=R7として設計され、増幅率は
R5/R4が得られる。こうして偏光変調成分に相当す
る波形57を得ることができる。この段階ではアナログ
信号であるため、受信二値データに変換するためにはデ
ータ弁別器141に入力して二値データへの変換を行え
ば、出力端17a、33aに受信二値データ18を得る
ことができる。
【0081】このようにして、円偏光の回転方向が変調
された電磁波32を受信して、二値データを復調するこ
とができる。直編偏光の偏光面が変調された電磁波13
を受信する場合は、円偏光−直線偏光変換の必要がない
ため、図13の構成から四分の一波長板132を取り除
いた構成で受信が可能である。その他の素子、回路は上
記の円偏光の場合と同じ原理で受信できる。
【0082】上述した受信装置の光検出器134a、1
34bにはPINフォトダイオードを用いた場合につい
て説明したが、その他の光エネルギー変換素子を利用す
ることも可能である。半導体の場合、アバランシェフォ
トダイオードを用いると感度、速度の点で有利である。
光によってキャリアを制御する光トランジスタを利用す
ることもできる。
【0083】半導体としては波長が1μm以下の場合、
Siを利用できるため安価に受信装置を提供することが
できる。先に述べたように、850nmから900nm
の波長を用いても本発明の光無線データ通信システムで
は従来の光無線通信システムと干渉を起こすことがない
ため、この波長域を利用することが可能である。半導体
以外の素子では光電子増幅管を使用することも可能であ
る。
【0084】また、上記の実施例では検光子として偏光
ビームスプリッタ133を利用した例について説明した
が、ここに、多種の偏光素子を利用することは全く問題
ない。グラン・テイラー偏光プリズム、グラン・トムソ
ン偏光プリズム、ウォラストンプリズム、トムソンプリ
ズムなどの複屈折性の偏光子、二色性樹脂フィルム、金
属ウイスカー薄膜フィルム、多層複屈折樹脂フィルムな
どを利用することが可能である。
【0085】[第2の実施の形態]第2の実施の形態とし
て、偏光状態の異なる2種類の光を使って光無線データ
通信をおこなう方式について説明する。第1の実施の形
態と異なるのは、偏光状態の異なる2種類の偏光を使っ
て、送信情報とクロック情報を送信する点である。
【0086】ここで用いる2つの偏光状態は、第1の実
施の形態で説明したように、ポアンカレ球上でお互いに
対心点に位置する「独立した偏光状態」である。特別な
組み合わせとして、直交した直線方向の組み合わせ、あ
るいは、左回りの円偏光、右回りの円偏光の組み合わせ
がある。このような偏光状態の組み合わせをここでは第
一の偏光状態、第二の偏光状態の組み合わせとして表す
ことにする。
【0087】図15は送信する送信情報であるところの
送信二値データ12と、これに対応する第一の偏光状態
の光の強度変化151と、第二の偏光状態の光の強度変
化152を示した図である。さらに、図15中には、送
信二値データ12の時間軸の基準となるクロック信号1
53、クロック信号の2分の1分周信号154を示して
いる。第一の偏光状態は送信二値データ12に基づいて
強度変調されていることがわかる。一方、第二の偏光状
態はクロック信号の2分の1分周信号154と送信二値
データ12との排他的論理和である。
【0088】このような第1の偏光状態、第2の偏光状
態の強度変調光を発生するには図16の構成を用いる。
図16は送信二値データ12とクロック信号153に基
づいて、面発光レーザLDA、LDBを強度変調する回路図を
示している。ここで、面発光レーザLDAは第一の偏光状
態の光を出射して、面発光レーザLDBは第二の偏光状態
の光を出射する。送信二値データ12はインバータINV
2に入力され、INV2の出力はトランジスタTR4のゲート
に接続される。つまり送信二値データ12が「1」のと
き、TR4のゲートの電圧はエミッタの電圧より低くなりT
R4はON状態になって、電流が面発光レーザLDAに流れ
る。その結果、面発光レーザLDAからは第一の偏光状態
のレーザ光が出射される。このときの電流の大きさは抵
抗R8によって決定される。また、送信二値データ12
が「0」のときはTR4はOFF状態で電流は流れないので
レーザ光は出射されない。
【0089】また、クロック信号153は2分の1分周
器FFに入力され、その出力にクロック信号の2分の1分
周信号154が得られる。この信号と送信二値データ1
2とが排他的論理和ゲートEXORに入力され、その出力
は、インバータINV3、トランジスタTR5を駆動して面発
光レーザLDBからレーザ光出力として出射される。
【0090】受信装置は第一の実施の形態の図13の説
明でも示したように、第一の偏光状態と第二の偏光状態
の光を分離して、それぞれの光強度を電気信号に変換す
る光学系を有している。その結果、図17の波形図、図
18の回路図に示すように、第一の偏光状態に対応した
第一の受信信号171がフォトダイオードPDAの出力と
して、第二の偏光状態に対応した電気信号である第二の
受信信号172がフォトダイオードPDBの出力として得
られる。フォトダイオードPDA,PDBの出力は電流である
ため、それぞれ、電流/電圧変換回路IVA,IVBによって
電圧値に変換され、さらには、コンパレータCPA,CPBに
入力され二値信号が得られる。
【0091】第1の受信信号171は送信信号に対応し
ているので上記の二値信号を、データ弁別器181に入
力すればデジタルデータが選られるが、実際にはデータ
弁別器181内部で受信信号171サンプリングするた
めのクロック情報が必要である。そのために、第一の受
信信号171と第二の受信信号172との排他的論理和
を演算するために、コンパレータCPA,CPBの出力を排他
的論理和ゲートEXORに入力すると、先の、クロック信号
の2分の1分周に対応する受信クロック信号173を得
ることができる。これを遅延回路DLで一定時間だけ遅延
させて遅延受信クロック信号174を生成してデータ弁
別器181に入力すれば、この信号の立ち上がり、立ち
下がりのタイミングでコンパレータCPAの出力をサンプ
リングすることによって、目的の受信二値データ18を
得ることができる。
【0092】このように、データ弁別器181に必要な
クロック情報を得るのに、PLL回路を使わない。そのた
め、PLL回路を構成する精度の高い回路、あるいはPLL回
路に必要な安定な電源を省くことができるのでコストを
下げることができる。また、受信信号からクロックを抽
出する必要がないため、特別な変調符号による符号化、
復号化の処理を省くことができ、安価に光無線データ通
信を提供することができる。
【0093】また、PLL回路を用いない方式として、以
下に説明するシステムもまた有効である。これはRZ符号
(Return to Zero)を用いる方法である。図19の波形
図に示すように送信二値データ12をRZ符号化したRZ信
号191は、送信二値データが「1」のとき、一旦
「1」の状態へ遷移して、その後「1」の状態から必ず
「0」の状態に戻る。送信二値データ12の反転をRZ符
号化した反転RZ信号192は、送信二値データ12が
「0」のとき一旦「1」の状態を持ち、その後「0」に
戻る。この、RZ信号191、反転RZ信号192をそれぞ
れ第一の偏光状態、第二の偏光状態の光の強度の変化と
して送信する。そのためには、それぞれの偏光状態の光
を出射するように作製された面発光レーザを、RZ信号1
91、反転RZ信号192に基づいて変調すればよい。
【0094】図20に示す受信装置は第一の偏光状態を
分離する偏光素子201を透過した光の強度を電気信号
に変換する検出部PDCと、偏光状態に依存せず、その光
強度を電気信号に変換する検出部PDDとを有している。
つまり、検出部PDCはRZ信号191に対応する電気信号
を発生して、検出部PDDはRZ信号191と反転RZ信号1
92との和信号193に対応する電気信号を発生する。
この和信号193はデータをサンプリングするのに必要
なクロックとして使うことができる。そのため、検出部
PPC、PPDの出力は電流/電圧変換器IVC,IVDを経て、コ
ンパレータCMC,CMDによって二値化された後、データ弁
別器202にデータ、および、クロックとして入力さ
れ、クロックに同期した受信二値データ13を得ること
ができる。
【0095】ここでは、和信号193を偏光無依存の光
検出器PDDによって光強度の和として得た。しかし、光
検出器PDCのような偏光を分離する素子で光電変換を行
い、電気信号に変換した後、電気的に和信号193を演
算しても同様な受信装置を実現することが可能である。
【0096】[第3の実施の形態]第3の実施の形態とし
て、波長の異なる2種類以上の光を使って光無線通信を
行う方式について説明する。特にここでは、一方の波長
を使って、送信情報をそのまま送信、かつ、他方の波長
を使って、送信情報の反転した情報列を送信する実施例
について説明する。
【0097】図21は2種類の波長を出射することの可
能な面発光レーザモジュール214を示した概略構成図
である。台座213上の同一平面上に面発光レーザ21
1a、212aを有する半導体チップ211、212が
実装されている。面発光レーザは基板に対して垂直にレ
ーザ光を出射するため、基板、つまりは半導体チップを
同一平面上に隣接して配置するだけで、容易にレーザ光
の出射方向を一致させることができる。面発光レーザ2
11a、212aは異なる波長λa、λbを出射する。
【0098】送信装置では上記の面発光レーザ211
a、212aに流す電流を変調することによって、波長
λaの光を送信二値データ12に基づいて、そして、波
長λbの光を送信二値データ12を反転した情報列に基
づいて強度変調をおこなって、自由空間中に二種類の波
長λa、λbを放出する。
【0099】図22に示す受信装置は、波長λa、λb
を分離するためのバンドパスフィルタ221、ダイクロ
イックミラー222を有する。その結果、波長λa、λ
bはそれぞれフォトダイオードPDE、PDFに導か
れ、それぞれの光強度に対応した電気信号を発生させ
る。フォトダイオードPDE、PDFに入射するのは、
送信装置から出射された光だけでなく、環境から発せら
れた外乱光のうち、バンドパスフィルターを透過する成
分も含まれている。多くの場合、この外乱光は白色光
か、有色光の場合でもブロードなスペクトルを有する光
である。
【0100】つまり、これらの外乱光は100nmの範
囲では波長に依存しない光強度を有するといってよい。
そこで先の、面発光レーザ211a、212aから出射
される波長λa、λbの差|λa−λb|を100nm
以下に設定しておくと、フォトダイオードPDE、PD
Fに入射する光量は同程度になり、それぞれの出力の差
を差動増幅器DEFで得ることによって、相殺することが
できる。一方、波長λa、λbの光は送信装置によって
お互いに逆相に変調されているため、フォトダイオード
PDE、PDFの出力を差動増幅器に入力すると、変調
成分は振幅が利得×2の出力に増幅される。その結果、
外乱光の影響を最小にして、S/Nの良好な受信信号を
得ることが可能になる。
【0101】[第4の実施の形態]第4の実施の形態とし
て、波長の異なる2種類の光を使って光無線データ通信
をおこなう方式について説明する。ここでは、波長の異
なる2種類の光を使って、送信情報とクロック情報を送
信する実施例について説明する。
【0102】図21に示した波長λa、λbのレーザ光
を出射する面発光レーザモジュール214を送信装置に
用いる。一方の面発光レーザ211aを送信二値データ
12に基づいて強度変調して、他方の面発光レーザ21
2aを送信二値データ12とクロック信号の2分の1分
周信号154との排他的論理和に基づいて強度変調す
る。その結果、送信装置からは波長λa、λbの光が個
別に変調された光信号として自由空間中に放出される。
【0103】受信装置は図22と同様な光学系を用い
る。ただし光検出器PDE,PDFで光電変換して、電
流/電圧変換器IVE,IVFで電圧に変換した後は、
図22と異なる。電流/電圧変換器IVEはλaの光強
度に比例した電圧を出力する。この出力はコンパレータ
によって二値信号に変換されデータ弁別器181に入力
される。また、電流/電圧変換器IVE,IVFの出力
がコンパレータによって二値信号に変換された後、両者
の信号は排他的論理和ゲートによって排他的論理和を求
めることによって受信クロック信号173が得られる。
受信クロック信号173を一定時間だけ遅延させて遅延
受信クロック信号174を生成してデータ弁別器181
に入力すれば、この信号の立ち上がり、立ち下がりのタ
イミングで先のコンパレータの出力をサンプリングする
ことによって、目的の受信二値データ18を得ることが
できる。
【0104】また、別の方式として、送信二値データ1
2をRZ変調したRZ信号191と反転RZ信号192
とに基づいて面発光レーザ211a,211bを強度変
調しても同様な光無線データ通信が可能であることは以
上の説明から明らかである。
【0105】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明により、
二値データの基づいて偏光状態を変調する送信装置と、
偏光状態の変化を検出する受信装置との間で光無線デー
タ通信が実現できるため、外部からの光の影響を受けに
くく、既存の光無線通信システムへの影響がなく、既存
の光無線通信システムからの影響を受けない安価な光無
線データ通信システムを提供することができる。
【0106】特に、本発明の光無線データ通信システム
はIrDA方式の使用している850nmから900n
mの波長帯を使って偏光変調通信を行ってもIrDA方
式との干渉がない。そのため、送信装置に用いる発光素
子としてGaAs基板上に成長した、AlGaAs半導
体レーザを利用することができるため安価に送信装置を
提供できる。
【0107】また、1μm以下の波長で利用が可能なS
i製PINフォトダイオードを受信装置の受光素子とし
て利用できるため安価に受信装置を提供できる。このよ
うに、本発明の光無線データ通信システムは1μm以下
の波長を利用するときにコスト面での優位性が高いが、
これ以外にも1μm以上の波長を含むすべての波長域で
多くの優れた効果を有する。通信にとって外乱になる外
部からの光の殆どは無偏光であるため、本発明により、
これらの影響を除去して安定した通信が可能である。
【0108】さらに、本発明の光無線データ通信システ
ムによれば、光出力のピーク値が同一であるとすれば送
信装置が出力する光出力は直流光であるため、従来の強
度変調された光に比べておよそ倍の平均的な出力が得ら
れる。この結果パルス当たりの光子数を倍増できるため
SN比を3dB程度増加させることが可能である。
【0109】本発明に用いる偏光状態は任意の「独立し
た偏光状態」の組み合わせが可能である。このうち、左
回りの円偏光と右回りの円偏光の組は、送信装置と受信
装置の通信方位の周りの回転に対して送受信状態に変化
がない点で特に有効である。円偏光を変調するための送
信装置は直線偏光変調発光素子と四分の一波長板の組み
合わせで容易に実現できる。特に直線偏光変調発光素子
として面発光レーザを用いることが装置構成を簡略化す
る上で有効である。
【0110】面発光レーザは偏光方向の自由度が高さた
め、偏光方向を直接変調することが可能なため、低コス
トで送信装置を提供できる。また、偏光方向を固定化し
た面発光レーザを複数個用いて変調する方式では容易に
高速な偏光面変調が可能であり、高速・大容量の光無線
データ通信を提供することが可能である。また、複数の
面発光レーザから通信用の光を放出することによって、
光出力を大きくでき、かつ、肉眼に対する安全性を高め
ることが可能である。
【0111】また、円偏光の回転方向が変調された電磁
波を受信するための受信装置は、四分の一波長板、検光
子、光検出素子の組み合わせで実現ができる。この受信
装置は無偏光の入射に対応した同相成分を差動検出によ
って除去できるため、安定した偏光変調信号の再生が可
能である。
【0112】このように本発明の光無線データ通信シス
テム、および、これに用いる送信装置、受信装置によれ
ば、従来のシステムとの干渉のない安定した無線データ
通信を低コストで提供することができる。
【0113】また、同様に異なった二波長の光を相補的
に変調した場合も、同相成分を差動検出によって除去で
きるため、安定した変調信号の再生が可能である。つま
り、外部からの光の影響を受けにくく、既存の光無線通
信システムへの影響がなく、既存の光無線通信システム
からの影響を受けない安価な光無線データ通信システム
を提供することができる。
【0114】また、偏光状態、または、波長が異なる2
種類の光を使って、送信すべきデータとクロック情報と
を空間伝送したので、PLL回路を使わずにデータの弁
別が可能になった。そのため、PLL回路を構成する精度
の高い回路、あるいはPLL回路に必要な安定な電源を省
くことができるのでコストを下げることができる。ま
た、受信信号からクロックを抽出する必要がないため、
特別な変調符号による符号化、復号化の処理を省くこと
ができ、安価に光無線データ通信を提供することができ
る。
【0115】特に、偏光状態、または、波長が異なる2
種類の光を出射するのに面発光レーザを用いたので、装
置を小型化することができ、また、容易に光軸の調整が
でき、結果的に低コストで本発明の送信装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光無線データ通信シ
ステムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の光無線データ通信システムに用いる偏
光状態の組み合わせを示す図である。
【図3】本発明の光無線データ通信システムの円偏光を
利用する実施例の概略構成を示す図である。
【図4】本発明の光無線データ通信システムの送信装置
から出射された電磁波の独立した偏光成分、全光量の時
間変化を示す波形図である。
【図5】本発明の光無線データ通信システムの送信装置
から出射された電磁波の独立した偏光成分に外光の影響
が付加されたときの時間変化を示す波形図である。
【図6】本発明の光無線データ通信システムに用いる送
信装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図7】本発明の送信装置に用いる垂直共振器型面発光
半導体レーザの概要を示す斜視図である。
【図8】本発明の送信装置に用いる垂直共振器型面発光
半導体レーザの概要を示す断面図である。
【図9】本発明の送信装置に用いる垂直共振器型面発光
半導体レーザのある偏光方向の光出力の注入電流依存性
を示す特性図である。
【図10】本発明の送信装置に用いる垂直共振器型面発
光半導体レーザの別の実施例を示す平面図、断面図であ
る。
【図11】図10の垂直共振器型面発光半導体レーザを
駆動するための回路構成の一例を示す回路図である。
【図12】図10の垂直共振器型面発光半導体レーザを
同一チップ上に多数配置した光源の構成を示す平面図で
ある。
【図13】本発明の光無線データ通信システムに用いる
受信装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図14】図13の受信装置を動作させる回路の一例を
示す回路図である。
【図15】本発明の光無線データ通信システムの一実施
例を説明する波形図。
【図16】本発明の光無線データ通信システムに用いる
送信装置の一実施例を示す回路図。
【図17】本発明の光無線データ通信システムの一実施
例を説明する波形図。
【図18】本発明の光無線データ通信システムに用いる
受信装置の一実施例を示す回路図。
【図19】本発明の光無線データ通信システムの一実施
例を説明する波形図。
【図20】本発明の光無線データ通信システムに用いる
受信装置の一実施例を示す回路図。
【図21】本発明の光無線データ通信システムに用いる
受信装置に用いる面発光レーザモジュールを示す概観
図。
【図22】本発明の光無線データ通信システムに用いる
受信装置の一実施例を示す概観図。
【符号の説明】
11・・送信装置(直線偏光変調型) 11a・・送信装置11の入力端 12・・送信二値データ 13・・直線偏光変調された電磁波 14、14a、14b、14c、14d・・x軸に平行
な直線偏光 15、15a、15b、15c・・y軸に平行な直線偏
光 16・・自由空間 17・・受信装置(直線偏光変調型) 17a・・受信装置17の出力端 18・・受信二値データ 21・・x軸に長軸を持つ左回りの楕円偏光 22・・y軸に長軸を持つ右回りの楕円偏光 23、23a、23b、23c、23d・・左回りの円
偏光 24、24a、24b、24c・・右回りの円偏光 31・・送信装置(円偏光の回転方向変調型) 31a・・送信装置31の入力端 32・・円偏光変調された電磁波 33・・受信装置(円偏光の回転方向変調型) 33a・・受信装置33の出力端 41・・偏光成分Aの波形 42・・偏光成分Bの波形 43・・全光量の波形 51・・偏光成分Aの波形 52・・外光の偏光成分Aの波形 53・・受信装置上の偏光成分Aの波形 54・・偏光成分Bの波形 55・・外光の偏光成分Bの波形 56・・受信装置上の偏光成分Bの波形 57・・偏光変調成分の波形 61・・直線偏光変調発光素子 62・・四分の一波長板 62a・・四分の一波長板62の光学軸方位 63・・レンズ系 71・・基板 72、72a、72b・・開口部 73・・レーザ光 74・・共振器 74a、74b・・長方形型共振器 81・・上部ミラー 82、82a、82b、82c、82d・・上部電極 83・・電流狭窄層 84・・活性層 85・・下部半導体ミラー 86・・下部電極 91・・平行方向の偏光光出力 92・・垂直方向の偏光光出力 101・・複開口型面発光レーザ 131・・レンズ−フィルタ系 132・・四分の一波長板 132a・・四分の一波長板132の光学軸方位 133・・検光子、偏光ビームスプリッタ 134a、134b・・光検出器 141・・データ弁別器 R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8・・
抵抗素子 VR・・可変抵抗素子 TR1、TR2、TR3・・トランジスタ OP1、OP2、OP3、OP4・・演算増幅器 LDX、LDY・・垂直共振器型面発光半導体レーザダ
イオード INV・・インバータ PINX、PINY・・PINフォトダイオード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 貴幸 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長が100μm以下の光を自由空間中
    に放出して通信を行う、受信装置と送信装置とを備えて
    構成される光無線通信システムであって、 前記送信装置は、お互いに異なる光学的性質を有する2
    種類以上の光を出射する1つ以上の光源を有し、そし
    て、送信情報を変調した第1送信情報と、前記送信情報
    を演算変換した第2送信情報に基づいて、前記2種類以上
    の光を個別に変調して、お互いに異なる2つ以上の変調
    信号光を出射し、 前記受信装置は、前記2種類以上の光を弁別して受光で
    きる1つ以上の受光部を有し、自由空間中を伝搬してき
    た前記変調信号光を受光し、 演算して得られた変調信号により前記送信情報に対応し
    た受信情報を得ることを特徴とした光無線データ通信シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光無線データ通信システ
    ムにおいて、前記第1送信情報として前記送信情報を用
    い、前記第2送信情報として前記送信情報を反転した情
    報列を用いる光無線データ通信システム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光無線データ通信システ
    ムにおいて、前記第2送信情報として、クロックの2分の
    1分周信号と前記送信情報との排他的論理和を用いる光
    無線データ通信システム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光無線データ通信システ
    ムにおいて、前記第1送信情報として前記送信情報をR
    Z変調した情報列を用い、前記第2送信情報として、前
    記送信情報を反転後、RZ変調した情報列を用いる光無
    線データ通信システム。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項記載の光
    無線データ通信システムにおいて、前記お互いに異なる
    光学的性質を有する2種類以上の光として、直交した直
    線偏光の組み合わせを用いる光無線データ通信システ
    ム。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか一項記載の光
    無線データ通信システムにおいて、前記お互いに異なる
    光学的性質を有する2種類以上の光として、右回りの円
    偏光と、左回りの円偏光とを用いる光無線データ通信シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4のいずれか一項記載の光
    無線データ通信システムにおいて、前記お互いに異なる
    光学的性質を有する2種類以上の光として、異なる波長
    の光の組み合わせを用いる光無線データ通信システム。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至6のいずれか一項記載の光
    無線データ通信システムに用いる送信装置において、前
    記光源が、直線偏光の偏光方向を変調するための垂直共
    振器型面発光半導体レーザと、前記垂直共振器型面発光
    半導体レーザの出射光が通過するように配置された位相
    板とから構成される送信装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至7のいずれか一項記載の光
    無線データ通信システムに用いる送信装置において、前
    記光源が、第1の直線偏光を出射する第1の半導体レー
    ザと、前記第1の半導体レーザの出射光の偏光面に対し
    て垂直な直線偏光を出射する第2の半導体レーザと、前
    記第1と第2の半導体レーザの出射光が通過するように
    配置された位相板とから構成される送信装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の送信装置において、前
    記第1、第2の半導体レーザとして同一半導体基板上に
    形成された垂直共振器型面発光半導体レーザを用いる送
    信装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の送信装置において、
    前記第1の半導体レーザである垂直共振器型面発光半導
    体レーザが複数個、そして前記第2の半導体レーザであ
    る垂直共振器型面発光半導体レーザが複数個、同一半導
    体基板上に形成される送信装置。
  12. 【請求項12】 請求項10または11記載の送信装置
    において、第1と第2の半導体レーザとして、断面が長
    方形で、長辺が短辺に比べて1.2倍以上の長さの共振
    器を有する垂直共振器型面発光半導体レーザを用い、長
    辺の方向を第1と第2の半導体レーザの間でお互いに直
    交するように配置した送信装置。
  13. 【請求項13】 請求項8乃至12のいずれか一項記載
    の送信装置において、前記位相板として4分の1波長板
    を用い、前記第1または第2の半導体レーザの出射光の
    偏光面に対して前記4分の1波長板の主軸方向がなす角
    度が45度であるように配置される送信装置。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至6のいずれか一項記載の
    光無線データ通信に用いる受信装置において、受信光の
    偏光状態を直交した直線偏光に変換する受信位相板と、
    直交した直線偏光をそれぞれ透過、または、反射する検
    光子と、直交した直線偏光をそれぞれ光電変換する第1
    と第2の受光素子とから構成される受信装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の受信装置において、
    前記受信位相板として4分の1波長板を用い、前記検光
    子の光学軸に対して前記4分の1波長板の主軸方向がな
    す角度が45度であるように配置される受信装置。
  16. 【請求項16】 請求項14または15記載の受信装置
    において、第1と第2の受光素子にPINフォトダイオ
    ードを用いる受信装置。
  17. 【請求項17】 請求項1から4、または7のいずれか
    一項記載の光無線データ通信に用いる送信装置におい
    て、前記光源が、異なる発振波長を有する2つ以上の面
    発光レーザから構成される送信装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の送信装置において、
    同一平面上に面発光レーザが形成された半導体チップが
    2つ以上実装され、それぞれの前記半導体チップ上の面
    発光レーザの発振波長が異なる送信装置。
  19. 【請求項19】 請求項1から4、または7のいずれか
    一項記載の光無線データ通信に用いる受信装置におい
    て、受信光を波長に応じて弁別する波長選択性のフィル
    タ、または、ミラーを有し、波長上で弁別された光をそ
    れぞれ受光して光電変換する第1と第2の受光素子を有す
    る受信装置。
JP9293055A 1996-10-25 1997-10-24 光無線データ通信システムと、それに用いる送信装置、受信装置 Withdrawn JPH10190584A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6421155B1 (en) 1997-05-28 2002-07-16 Nec Corporation Optical data transmitting apparatus and method
JP2005064654A (ja) * 2003-08-08 2005-03-10 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 赤外線発光ユニット
JP2005277828A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Kddi Corp 照明光通信システム
US6970489B2 (en) 2001-04-20 2005-11-29 Sharp Kabushiki Kaisha Semiconductor laser module, spatial optical transmission system and electronic appliance
JP2018189772A (ja) * 2017-05-01 2018-11-29 富士通株式会社 光モジュール及び光トランシーバ

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