JPH10187523A - 疎結合システムにおける端末情報共有方法及び方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】複数のホスト計算機で構成され、どのホスト計
算機でトランザクション処理を実行しても結果が同じに
なる疎結合システムにおいて、共有ファイルに格納して
いる端末情報へのアクセスタイミングを最適化し、高速
なトランザクション処理を可能とする端末情報共有方法
を提供する。 【解決手段】端末装置４が通信制御装置３を介してホス
ト計算機１、２に接続され、端末装置４からの入力電文
受信時に端末世代確認手段１０３が端末世代番号を確認
し、メモリ中の端末情報が有効である場合には共有ファ
イルへはアクセスせずに、メモリ領域に保持している端
末情報を参照して高速にトランザクション処理を行う。
一方、メモリ中の端末情報が無効である場合に限り、共
有ファイルへアクセスしメモリ中に保持している情報の
更新を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、疎結合システムの
共有情報のアクセス最適化技術に関し、特にアクセス速
度が遅い外部記憶装置へのアクセスを最小限に抑制する
共有情報アクセス最適化方法及び方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、疎結合システムにおいて、トラン
ザクション処理を行う場合、複数のホスト計算機でトラ
ンザクション実行制御に必要な端末情報を共有する必要
があり、トランザクション実行要求を受信する度に、ア
クセス速度の遅い外部記憶装置上に配置された共有ファ
イルをアクセスしていた。

【０００３】このため、トランザクション処理時間に占
める共有ファイルへのアクセス時間が大きくなり、シス
テム全体のスループットが低下してしまう、という可能
性があった。

【０００４】また、複数の計算機で共有する共有ファイ
ルの管理方法として、例えば特開平４−４８３６５号公
報には、ある計算機からある共有ファイルへのアクセス
頻度が高い時には、当該共有ファイルを該計算機の記憶
装置に移すことにより、システム全体の処理能力の向上
を図るローカルエリアネットワークのファイル管理方法
が提案されている。すなわち、この従来のファァイル管
理方法は、各情報単位に、最もアクセス頻度が高い計算
機のメモリ領域へ共有情報そのものを移し、高速化を図
るようにしている。そして、他の計算機は、まず外部記
憶装置へアクセスし、目的の情報が、どの計算機にある
かを確認し、別の計算機を介して、目的の情報を得るも
のである。このため、端末装置からのトランザクション
実行要求がどのホスト計算機へ通知されてもよいような
疎結合システムでは、アクセス頻度が不定であり、必ず
しも高効率を実現することは難しかった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の方式により、共有端末情報に基づいたトランザクショ
ン実行制御を行った場合、トランザクション処理効率に
悪影響を与える可能性がある、という問題点を有してい
る。その理由は、以下に記載の通りである。

【０００６】すなわち、従来方式においては、トランザ
クション実行制御に必要な端末情報は、複数のホスト計
算機間で共有可能な共有ファイルに保持されている。こ
のため、端末装置からトランザクション実行要求が通知
される度に、アクセス速度の遅い外部記憶装置に保持さ
れる共有ファイルにアクセスしなければならず、更に、
疎結合システム内の複数ホスト計算機から同時にアクセ
スされる可能性があることから、排他制御が必要とな
り、その結果、トランザクション処理時間に占める共有
ファイルアクセス時間が大きくなる、ためである。

【０００７】したがって、本発明は、上記問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的は、疎結合システム
における共有ファイルへのアクセス回数を必要最小限に
抑制し、トランザクション処理のスループット向上を図
る、端末情報共有方法及び方式を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る端末情報共有方法は、端末装置が通信
制御装置を介して複数のホスト計算機に接続され、前記
端末装置からのトランザクション実行要求を前記複数の
ホスト計算機のうちいずれかのホスト計算機が処理し、
トランザクション処理制御に必要な端末情報を、前記複
数のホスト計算機からアクセス可能な共有ファイルとし
て保持してなる疎結合システムにおいて、前記各ホスト
計算機が、前記共有ファイルに対するアクセスよりも高
速アクセスのメモリ領域に、前記共有すべき端末情報を
保持し、前記端末装置からのトランザクション実行要求
を受信した際に、前記メモリ中に保持している端末情報
を参照して、トランザクション処理を行う、ことを特徴
とする。

【０００９】また、本発明は、前記通信制御装置は、前
記共有ファイル内の端末情報を更新する場合にこれに同
期して更新される、最新の端末世代番号を、前記ホスト
計算機から受け取って保持し、前記端末装置からのトラ
ンザクション実行要求に対して、最新の端末世代番号を
付加して前記複数のホスト計算機のいずれかのホスト計
算機に送出し、前記端末装置から前記通信制御装置を介
してトランザクション実行要求を受信した前記ホスト計
算機は、前記メモリ中に保持している端末情報の端末世
代番号を前記最新の端末世代番号と照合し、該照合結果
に応じて前記共有ファイルへのアクセスの必要性の有無
を判断する、ことを特徴とする。

【００１０】さらに、本発明に係る疎結合システムは、
端末装置が、通信制御装置を介して、疎結合システムを
構成する複数のホスト計算機に接続され、複数の前記ホ
スト計算機間で共有され、前記端末装置の属性情報およ
び状態情報を格納するグローバルターミナルステータス
ファイル（「ＧＴＳファイル」という）と、を備え、前
記ＧＴＳファイルが、端末に対応する端末情報を含み、
前記各ホスト計算機が、前記端末装置からのトランザク
ション要求を処理する業務処理プログラムと、前記業務
処理プログラムの実行制御を行うトランザクション実行
制御手段と、を備えたトランザクション処理部と、前記
トランザクション処理部に対してトランザクション起動
要求を行い、トランザクション完了時に前記トランザク
ション処理部からの処理完了通知を受信するトランザク
ション要求制御手段と、前記トランザクション要求制御
手段からの要求により、前記ＧＴＳファイル内の情報の
参照および更新を行うＧＴＳＦアクセス手段と、前記通
信制御装置との通信制御を司るメッセージ送受信制御手
段と、を含み、前記端末情報が、状態遷移を世代管理す
るための端末世代情報を含み、前記通信制御装置が、前
記複数のホスト計算機から通知された最新の端末世代情
報を保持し、前記端末装置からのトランザクション実行
要求に端末世代情報を付加して前記ホスト計算機へ通知
する端末世代管理手段を含み、前記各ホスト計算機が、
端末世代情報をはじめとして前記端末情報の内容のうち
予め定められたトランザクション制御に必要な端末情報
を選択して再構成した端末情報レコードと、前記ＧＴＳ
Ｆアクセス手段を介して前記端末情報の内容を前記端末
情報レコードに反映し最新の状態に更新する端末情報リ
フレッシュ手段と、前記通信制御装置を介して通知され
る前記端末装置からのトランザクション実行要求に付加
されている端末世代情報を、前記端末情報レコード内の
端末世代情報と比較し、一致しなければ前記端末情報リ
フレッシュ手段に前記端末情報レコードの更新要求を行
う端末世代確認手段と、を、更に含む、ことを特徴とす
る。

【００１１】［発明の概要］本発明の概要を以下に説明
する。本発明は、端末装置からのトランザクション実行
要求を、どのホスト計算機が処理しても結果が同じにな
るような疎結合システムにおいて、トランザクション処
理制御に必要な端末情報を、各ホスト計算機からアクセ
ス可能である外部記憶装置上に共有ファイルとして持つ
ことに加え、各ホスト計算機内の高速アクセス可能なメ
モリ領域に共有すべき端末情報を保持する。

【００１２】端末装置からのトランザクション実行要求
受信時、メモリ中に保持している端末情報を参照するこ
とで高速なトランザクション処理が可能となる。

【００１３】また、本発明は、共有ファイル内の端末情
報を更新する場合には、同時に端末世代番号を更新し、
最新の端末世代番号を通信制御装置に通知する。以降、
その端末装置からのトランザクション実行要求には、最
新の端末世代番号が付加され、トランザクション実行要
求を受信したホスト計算機がメモリ中に保持している端
末情報の端末世代番号と比較することで、共有ファイル
へのアクセスの必要性を判断することが可能となり、共
有ファイルへのアクセスタイミングを最適化するもので
ある。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態につ
いて以下に説明する。本発明は、その好ましい実施の形
態において、端末装置（図１の４）は、複数のホスト計
算機（図１の１、２）と同時に複数の通信路を開設でき
るような通信制御装置（図１の３）を介して、複数のホ
スト計算機（図１の１、２）に接続され、複数のホスト
計算機間で共有され、トランザクション処理制御に必要
な端末情報（図１の５０）を格納しているＧＴＳ（グロ
ーバルターミナルステータス）ファイル（図１の５）を
備えている。

【００１５】各ホスト計算機（図１の１、２）は、端末
装置（図１の４）からのトランザクション実行要求を処
理する業務処理プログラム（図１の１１）と、業務処理
プログラムの実行制御処理を行うトランザクション実行
制御手段（図１の１２）と、を備えたトランザクション
処理部（図１の１０）と、トランザクション処理部（図
１の１０）にトランザクション起動要求を行い、トラン
ザクション完了時に、トランザクション処理部（図１の
１０）からの処理完了通知を受信するトランザクション
要求制御手段（図１の１３）と、トランザクション要求
制御手段（図１の１３）からの要求により、ＧＴＳファ
イル（図１の５）の情報の参照および更新を行うＧＴＳ
Ｆアクセス手段（図１の１４）と、通信制御装置（図１
の３）との電文送受信制御を司るメッセージ送受信制御
手段（図１の１５）と、を備える。

【００１６】本発明の実施の形態は、上記のように構成
されてなる疎結合トランザクション処理システムの端末
情報の共有において、システム疎結合システムを構成す
る各ホスト計算機内（図１の１、２）のメモリ中にも、
ＧＴＳファイル（図１の５）内に格納されている端末情
報をコピーして保持することを特徴とする。

【００１７】具体的には、本発明の実施の形態において
は、各ホスト計算機は、ホスト計算機が高速アクセス可
能であるメモリ領域内に端末情報のうち予め定められた
トランザクション制御に必要な端末情報を選択してコピ
ーした端末情報レコード（図１の１００）と、ＧＴＳフ
ァイル内の端末情報の内容を端末情報レコードへ反映す
る端末情報リフレッシュ手段（図１の１０２）と、を有
する。

【００１８】また、本発明は、その好ましい実施の形態
において、ＧＴＳファイル内の端末情報が更新されたか
どうか判断するために識別情報を端末情報に付加してい
ることも他の特徴である。

【００１９】具体的には、ＧＴＳファイル（図１の５）
に格納されている端末情報に、当該端末装置のトランザ
クション実行状態情報など、端末情報が更新された場合
に同期して更新される端末世代番号（図１の５１）と、
ホスト計算機各々のメモリ中に保持されている端末情報
レコード（図１の１００）に、現在保持している端末情
報の内容がＧＴＳファイルに格納されている端末情報の
内容と一致しているか判断するための識別情報として、
端末世代番号（図１の１０１）と、を有する。

【００２０】また、本発明は、その好ましい実施の形態
において、端末世代番号を通信制御装置を介して複数の
ホスト計算機で持ち回り、メモリ中に保持している端末
情報レコードが有効な間はＧＴＳファイルにアクセスせ
ずにトランザクション処理が可能であることも他の特徴
である。

【００２１】具体的には、通信制御装置（図１の３）
が、ホスト計算機から通知される端末世代番号情報を保
持し、端末装置からのトランザクション実行要求に付加
してホスト計算機に通知する端末世代管理手段（図１の
３０）を備える。

【００２２】また各ホスト計算機が、通信制御装置（図
１の３）から受信したトランザクション実行要求に付加
されてきた端末世代番号情報と、当該端末装置に対応す
る端末情報レコード内の端末世代番号を比較し、一致し
なければ端末情報リフレッシュ手段に端末情報レコード
更新要求を行う端末世代確認手段（図１の１０３）を有
する。

【００２３】本発明の実施の形態において、メッセージ
送受信制御手段（図１の１５）は、通信制御装置（図１
の３）を介して端末装置（図１の４）からのトランザク
ション実行要求を受信すると、端末世代確認手段（図１
の１０３）に端末世代番号のチェック要求を行う。

【００２４】この端末世代確認手段（図１の１０３）
は、トランザクション実行要求に付加されてきた端末世
代番号とメモリ中に保持している端末情報レコードの端
末世代番号を比較する。

【００２５】そして、端末世代番号が一致した場合に
は、メモリ中に保持されている端末情報レコード（図１
の１００）は有効である。

【００２６】一方、端末世代番号が不一致の場合、メモ
リ中に保持している端末情報レコードは無効であり、Ｇ
ＴＳファイルに格納されている端末情報が既に更新され
ているものと判断し、端末世代確認手段（図１の１０
３）からの要求を受けた端末情報リフレッシュ手段（図
１の１０２）は、ＧＴＳＦアクセス手段（図１の１４）
を介してＧＴＳファイル（図１の５）に格納されている
最新の端末情報をメモリ中に保持している端末情報レコ
ード（図１の１００）に反映する。

【００２７】メモリ中に保持している端末情報レコード
の有効性を確認した後、メッセージ送受信制御手段（図
１の１５）からトランザクション実行要求を通知された
トランザクション要求制御手段（図１の１３）は、メモ
リ中に保持している端末情報レコード（図１の１００）
を参照し、トランザクション処理部へトランザクション
起動要求を行う。トランザクション処理部（図１の１
０）では、トランザクション実行制御手段（図１の１
２）が、要求された業務処理プログラム（図１の１１）
を起動する。

【００２８】トランザクション処理部（図１の１０）か
ら業務処理プログラム処理完了の通知を受けたトランザ
クション要求制御手段（図１の１３）は、トランザクシ
ョン処理結果を確認し、必要であればＧＴＳＦアクセス
手段（図１の１４）を介してＧＴＳファイル（図１の
５）内の端末情報（図１の５０）を更新し、同時に端末
世代番号（図１の５１）の更新も行う。

【００２９】トランザクション要求制御手段（図１の１
３）により、最新の端末世代番号が付加されたトランザ
クション完了通知は、メッセージ送受信制御手段（図１
の１５）から通信制御装置（図１の３）へ送信される。

【００３０】通信制御装置（図１の３）では、ホスト計
算機から通知された端末世代番号を端末世代管理手段
（図１の３０）が、確認・記憶した後、トランザクショ
ン完了通知を端末装置（図１の４）へ送信する。

【００３１】当該端末装置（図１の４）から次のトラン
ザクション実行要求が行われると、通信制御装置（図１
の３）において、端末世代管理手段（図１の３０）が保
持している端末世代番号をトランザクション実行要求に
付加して疎結合システム内の任意のホスト計算機へ通知
する。

【００３２】これにより共有ファイルへのアクセス回数
が必要最小限に抑制され、高速なトランザクション処理
が可能となる。

【００３３】

【実施例】上記した本発明の実施の形態について更に詳
細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照し
て以下に説明する。

【００３４】図１は、本発明の一実施例の構成をブロッ
ク図にて示したものである。図１を参照すると、本実施
例においては、同じ構成をもつホスト計算機１およびホ
スト計算機２に、端末装置４が通信制御装置３を介して
接続され、ホスト計算機１およびホスト計算機２とで共
有され、更に、端末世代番号５１を含む端末情報５０を
格納するＧＴＳ（Ｇlobal Ｔerminal Ｓtatus；グロ
ーバルターミナルステータス）ファイル５を備えて構成
されている。

【００３５】通信制御装置３は、ホスト計算機１および
ホスト計算機２から通知される最新の端末世代番号情報
を管理している端末世代管理手段３０を含む。

【００３６】ホスト計算機１およびホスト計算機２に
は、（ａ）端末装置４からのトランザクション実行要求
を処理する業務処理プログラム１１と、業務処理プログ
ラム１１の実行管理を行うトランザクション実行制御手
段１２と、を含むトランザクション処理部１０と、
（ｂ）通信制御装置３との電文送受信制御を司るメッセ
ージ送受信制御手段１５と、（ｃ）ＧＴＳファイル５へ
アクセスするためのＧＴＳＦアクセス手段１４と、
（ｄ）ＧＴＳファイル５内に格納されている端末情報５
０の内容をメモリ中に反映する端末情報リフレッシュ手
段１０２と、（ｅ）端末リフレッシュ手段１０２により
作成・更新され、内部に反映時の端末世代番号５１をコ
ピーした端末世代番号１０１を含む端末情報レコード１
００と、端末情報レコード１００の有効性を確認する端
末世代確認手段１０３と、（ｆ）端末情報レコード１０
０を参照し、トランザクション処理部１０へトランザク
ション実行要求を行い、トランザクション完了時には必
要に応じてＧＴＳアクセス手段１４を介してＧＴＳファ
イル５内の端末情報５０の更新を行うトランザクション
要求制御手段１３と、を含む。

【００３７】次に、本実施例の動作について説明する。
図２は、本実施例において、共有ファイルへアクセスせ
ずにトランザクション起動処理を行う場合の処理フロー
を模式的に示したものである。

【００３８】通信制御装置３は、端末装置４からの入力
電文を受信すると、端末世代管理手段３０において、端
末世代番号情報を電文に付加して、トランザクション実
行要求として疎結合システムを構成するあるホスト計算
機へ通知する。

【００３９】ホスト計算機のメッセージ送受信制御手段
１５は、受け取ったトランザクション実行要求に付加さ
れている端末世代番号情報を抽出し、端末世代確認手段
１０３に通知する。

【００４０】端末世代確認手段１０３は、トランザクシ
ョン実行要求に付加されている端末世代番号と、メモリ
中に保持している端末情報レコード１００内の端末世代
番号１０１が一致していることを確認し、メッセージ送
受信制御手段１５に、制御を渡す。

【００４１】トランザクション要求制御手段１３は、メ
ッセージ送受信制御手段１５から受け取ったトランザク
ション実行要求の内容を解釈し、端末情報レコード１０
０を参照して、端末状態や、ＳＧ（システムジェネレー
ション）情報を確認した後、入力電文の内容を、トラン
ザクション処理部１０で処理可能なメッセージ形式に変
換して、トランザクション処理部１０へ渡す。

【００４２】トランザクション処理部１０で受け付けた
トランザクション実行要求は、トランザクション実行制
御手段１２で解釈され、目的とする業務処理プログラム
１１を起動し、端末装置４からの入力電文を業務処理プ
ログラム１１へ渡し、トランザクション処理を開始す
る。

【００４３】ここまでが共有ファイルへアクセスせず
に、メモリ中に保持している端末情報を基に高速にトラ
ンザクション起動を行う場合の処理フローである。

【００４４】図３は、本発明の実施例において、共有フ
ァイルへアクセスする場合のトランザクション起動処理
フローを示したものである。

【００４５】図２に示した処理フローと同様に、通信制
御装置３を介して端末装置４からのトランザクション実
行要求を受け取ったメッセージ送受信制御手段１５は、
端末世代確認手段１０３へメモリ中に保持している端末
情報の有効性チェックを依頼する。

【００４６】端末世代確認手段１０３は、トランザクシ
ョン実行要求に付加された端末世代番号と端末情報レコ
ード１００内の端末世代番号１０１とを比較し、一致し
ていない場合に、端末情報リフレッシュ手段１０２にメ
モリ中に保持している情報の更新を要求する。

【００４７】端末情報リフレッシュ手段１０２は、ＧＴ
ＳＦアクセス手段１４を介して、ＧＴＳファイル５へア
クセスし、端末世代番号５１を、はじめ、予め定められ
たトランザクション実行制御に必要な情報を端末情報５
０から取得し、端末世代番号１０１を更新するなど、端
末情報レコード１００へ最新の内容を反映する。

【００４８】この後は、図２に示した場合と同様に、メ
ッセージ送受信制御手段１５からトランザクション要求
制御手段１３を介してトランザクション処理部１０にト
ランザクション実行要求電文が渡され、トランザクショ
ン実行制御手段１２により目的の業務処理プログラム１
１が起動される。

【００４９】ここまでが、必要な場合だけに限定されて
いる共有ファイルへのアクセスを行う場合のトランザク
ション起動処理の流れである。

【００５０】図４は、本発明の実施例において、共有フ
ァイルを更新しない場合のトランザクション完了処理フ
ローを示したものである。

【００５１】図２および図３に示した処理フローに従っ
て、トランザクション処理部１０にて起動された業務処
理プログラム１１の完了時に、トランザクション実行制
御手段１２からトランザクション要求制御手段１３へト
ランザクション完了が通知される。

【００５２】トランザクション要求制御手段１３では、
業務処理プログラム１１からの送信メッセージを端末装
置４で表示可能なように加工し、更に、実行したトラン
ザクションのタイプや業務処理プログラム１１からの送
信メッセージ内容によりＧＴＳファイル５の内容更新が
不要であると判断した場合には、トランザクション起動
時と同じ端末世代番号情報を付加して、トランザクショ
ン完了メッセージとして、メッセージ送受信制御手段１
５へ送信要求を行う。

【００５３】メッセージ送受信制御手段１５を介してト
ランザクション完了メッセージを受信した通信制御装置
３では、端末世代管理手段３０が付加されてきた端末世
代番号情報を確認し、更新されていないことを確認し
て、端末装置４へトランザクション完了メッセージを送
信する。

【００５４】ここまでが共有ファイルへアクセスしない
場合のトランザクション完了処理フローである。

【００５５】図５は、本発明の一実施例において、共有
ファイルの内容を更新する場合のトランザクション完了
処理フローを示したものである。

【００５６】図４に示した処理フローと同様に、トラン
ザクション処理部１０にて起動された業務処理プログラ
ム１１が完了時、トランザクション実行制御手段１２か
らトランザクション要求制御手段１３へトランザクショ
ン完了が通知される。

【００５７】トランザクション要求制御手段１３では、
業務処理プログラム１１からの送信メッセージを端末装
置４で表示可能なように加工し、更に実行したトランザ
クションのタイプや業務処理プログラム１１からの送信
メッセージ内容によりＧＴＳファイル５の内容更新が必
要であると判断した場合、ＧＴＳＦアクセス手段１４を
介してＧＴＳファイル５へアクセスし端末情報５０の更
新を行う。

【００５８】この場合、端末世代番号５１も合わせて更
新し、最新の端末世代番号を付加してトランザクション
完了メッセージ送信要求をメッセージ送受信制御手段１
５へ行う。

【００５９】メッセージ送受信制御手段１５を介してト
ランザクション完了メッセージを受信した通信制御装置
３では、端末世代管理手段３０が付加されてきた端末世
代番号を確認し、最新の番号と判断し記憶する。当該端
末装置４からの次の入力電文には新しい端末世代番号が
付加されてホスト計算機へ通知されることになる。

【００６０】以上が共有ファイルをアクセスする場合の
トランザクション完了処理の流れである。

【００６１】図６に、本発明の実施例の変形例の構成を
示す。

【００６２】図６を参照すると、端末装置ｔ１、端末装
置ｔ２、…、及び端末装置ｔＺが、通信制御装置ｃ１、
…、及び通信制御装置ｃＹを介して、ホスト計算機ｈ
１、ホスト計算機ｈ２、…、及びホスト計算機ｈＸに接
続されており、各ホスト計算機が共有するＧＴＳファイ
ルｇにより疎結合システムが構成される。

【００６３】この変形例における動作は、図２乃至図５
までに示した処理フローと同様であり、疎結合システム
を構成する複数のホスト計算機が、それぞれメモリ中に
端末情報を保持し、高速トランザクション処理を実行す
るものである。

【００６４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば下
記記載の効果を奏する。

【００６５】（１）本発明の第１の効果は、オンライン
トランザクション業務をサポートする疎結合システムに
おいて、複数ホスト計算機間で共有する共有ファイルを
外部記憶装置に配置した場合でも、トランザクションの
スループットの低減を最小限に抑制し、システムの処理
高速化を実現する、ということである。

【００６６】その理由は、本発明においては、共有ファ
イルに格納している共有情報を、各ホスト計算機のメモ
リ領域にコピーして保持するようにしたことにより、端
末装置からトランザクション実行要求受信時、アクセス
速度が遅い外部記憶装置に配置された共有ファイルを参
照することなく、高速なメモリアクセスにより、トラン
ザクション処理可能となる、ためである。

【００６７】（２）本発明の第２の効果は、共有ファイ
ルに格納されている共有情報の内容が更新された場合で
も、共有ファイルへのアクセスタイミングを最適化し、
外部記憶装置へのアクセス集中がボトルネックとなり、
システム全体のスループットが大幅に低減するという事
態を確実に防止する、ということである。

【００６８】その理由は、本発明においては、ダイナミ
ックに更新される可能性がある共有ファイル内の端末情
報に対して、各ホスト計算機がメモリ領域に保持して、
高速アクセスしている端末情報の内容の有効性を、端末
世代番号により管理し、端末装置からトランザクション
実行要求を受信したホスト計算機では、必要な場合だ
け、共有ファイルへアクセスするようにアクセスタイミ
ングを最適化することにより、共有ファイルへのアクセ
ス集中を抑制し、大量のトランザクション処理要求に対
する共有ファイルアクセス頻度を大幅に低減可能とし
た、ことによる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。

【図２】本発明の一実施例の処理フローを説明するため
の図であり、共有ファイルへアクセスしないトランザク
ション起動処理の流れを示す図である。

【図３】本発明の一実施例の処理フローを説明するため
の図であり、共有ファイルへアクセスするトランザクシ
ョン起動処理の流れを示す図である。

【図４】本発明の一実施例の処理フローを説明するため
の図であり、共有ファイルへアクセスしないトランザク
ション完了処理の流れを示す図である。

【図５】本発明の一実施例の処理フローを説明するため
の図であり、共有ファイルへアクセスするトランザクシ
ョン完了処理の流れを示す図である。

【図６】本発明の実施例の変形例を示す図である。

【符号の説明】

１、２、ｈ１〜ｈＸ ホスト計算機 ３、ｃ１〜ｃＹ 通信制御装置 ４、ｔ１〜ｔＺ 端末装置 ５、ｇ ＧＴＳファイル １０ トランザクション処理部 １１ 業務処理プログラム １２ トランザクション実行制御手段 １３ トランザクション要求制御手段 １４ ＧＴＳＦアクセス手段 １５ メッセージ送受信制御手段 ３０ 端末世代管理手段 ５０ 端末情報 ５１ 端末世代番号（ＧＴＳファイル内） １００ 端末情報レコード １０１ 端末世代番号（ホスト計算機メモリ内） １０２ 端末情報リフレッシュ手段 １０３ 端末世代確認手段

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】端末装置が通信制御装置を介して複数のホ
   スト計算機に接続され、前記端末装置からのトランザク
   ション実行要求を前記複数のホスト計算機のうちいずれ
   かのホスト計算機が処理し、トランザクション処理制御
   に必要な端末情報を、前記複数のホスト計算機からアク
   セス可能な共有ファイルとして保持してなる疎結合シス
   テムにおいて、 前記各ホスト計算機が、前記共有ファイルに対するアク
   セスよりも高速アクセスのメモリ領域に、前記共有すべ
   き端末情報を保持し、前記端末装置からのトランザクシ
   ョン実行要求を受信した際に、前記メモリ中に保持して
   いる端末情報を参照して、トランザクション処理を行
   う、ことを特徴とする、疎結合システムにおける端末情
   報共有方法。
2. 【請求項２】前記通信制御装置は、前記共有ファイル内
   の端末情報を更新する場合にこれに同期して更新され
   る、最新の端末世代番号を、前記ホスト計算機から受け
   取って保持し、前記端末装置からのトランザクション実
   行要求に対して、最新の端末世代番号を付加して前記複
   数のホスト計算機のいずれかのホスト計算機に送出し、 前記端末装置から前記通信制御装置を介してトランザク
   ション実行要求を受信した前記ホスト計算機は、前記メ
   モリ中に保持している端末情報の端末世代番号を前記最
   新の端末世代番号と照合し、該照合結果に応じて前記共
   有ファイルへのアクセスの必要性の有無を判断する、こ
   とを特徴とする、請求項１記載の疎結合システムにおけ
   る端末情報共有方法。
3. 【請求項３】前記ホスト計算機は、前記メモリ中に保持
   している端末情報の端末世代番号が前記最新の端末世代
   番号と不一致の時には、前記メモリ中の端末情報を前記
   共有ファイルが保持する最新の世代番号の端末情報の内
   容に更新する、ことを特徴とする、請求項１記載の疎結
   合システムにおける端末情報共有方法。
4. 【請求項４】端末装置が、通信制御装置を介して、疎結
   合システムを構成する複数のホスト計算機に接続され、 複数の前記ホスト計算機間で共有され、前記端末装置の
   属性情報および状態情報を格納するグローバルターミナ
   ルステータスファイル（「ＧＴＳファイル」という）
   と、を備え、 前記ＧＴＳファイルが、端末に対応する端末情報を含
   み、 前記各ホスト計算機が、 前記端末装置からのトランザクション要求を処理する業
   務処理プログラムと、 前記業務処理プログラムの実行制御を行うトランザクシ
   ョン実行制御手段と、 を備えたトランザクション処理部と、 前記トランザクション処理部に対してトランザクション
   起動要求を行い、トランザクション完了時に前記トラン
   ザクション処理部からの処理完了通知を受信するトラン
   ザクション要求制御手段と、 前記トランザクション要求制御手段からの要求により、
   前記ＧＴＳファイル内の情報の参照および更新を行うＧ
   ＴＳＦアクセス手段と、 前記通信制御装置との通信制御を司るメッセージ送受信
   制御手段と、 を含み、 前記端末情報が、状態遷移を世代管理するための端末世
   代情報を含み、 前記通信制御装置が、前記複数のホスト計算機から通知
   された最新の端末世代情報を保持し、前記端末装置から
   のトランザクション実行要求に端末世代情報を付加して
   前記ホスト計算機へ通知する端末世代管理手段を含み、 前記各ホスト計算機が、 端末世代情報をはじめとして前記端末情報の内容のうち
   予め定められたトランザクション制御に必要な端末情報
   を選択して再構成した端末情報レコードと、 前記ＧＴＳＦアクセス手段を介して前記端末情報の内容
   を前記端末情報レコードに反映し最新の状態に更新する
   端末情報リフレッシュ手段と、 前記通信制御装置を介して通知される前記端末装置から
   のトランザクション実行要求に付加されている端末世代
   情報を、前記端末情報レコード内の端末世代情報と比較
   し、一致しなければ前記端末情報リフレッシュ手段に前
   記端末情報レコードの更新要求を行う端末世代確認手段
   と、 を、更に含む、ことを特徴とする疎結合システムの端末
   情報共有方式。