JPH10185885A - 発熱量測定方法及び発熱量測定装置 - Google Patents

発熱量測定方法及び発熱量測定装置

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JPH10185885A
JPH10185885A JP8343015A JP34301596A JPH10185885A JP H10185885 A JPH10185885 A JP H10185885A JP 8343015 A JP8343015 A JP 8343015A JP 34301596 A JP34301596 A JP 34301596A JP H10185885 A JPH10185885 A JP H10185885A
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昌和 梅村
Koichi Sumida
幸一 隅田
Hiroshi Takahashi
弘 高橋
Osamu Ono
治 小野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス製造プラントにおいて、オンライン、オ
ンタイムの発熱量連続監視が可能な発熱量測定方法を得
る。 【解決手段】 組成の異なる複数の標準ガス各々の音速
と発熱量との関係から求まる音速−発熱量関係指標を予
め求めておき、前記標準ガスに相当する測定対象ガスの
音速を求める第1工程と、前記第1工程で求められた前
記測定対象ガスの音速から、前記音速−発熱量関係指標
に基づいて前記測定対象ガスの発熱量を求める第2工程
から、発熱量測定をおこなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱量調節された製
品ガスや未熱調ガス(熱量調整されていないガス)を製
造する場合等に有用に使用できる発熱量の測定技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】以下、天然ガスに熱量調整用ガスとして
の石油ガスを添加されてなる都市ガスの発熱量測定を、
例に取って説明する。都市ガスの製造にあたっては、製
造プラントに、液化天然ガス貯蔵設備及び液化石油ガス
貯蔵設備を備え、両者のガスを混合して、所定の発熱量
を備えた都市ガス(製品ガスの一種)を得る。従って、
得られた製品ガスの発熱量の確認は、ガス製造者に取っ
て非常に重要である。さらに、発熱量の測定は、他種の
ガスを製造するガス事業者、さらには化学プラントの作
業者等にとっても、重要な場合がある。従来、このよう
な製品ガスの発熱量の測定は、製品ガスを製造ラインか
ら抜きとり、大気圧状態までサンプルガスの圧力を減圧
して、ラウター式比重計を使用して、比重を計測するこ
とにより行なっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような手法にあっ
ては、以下のような問題があった。 (1) 製造ラインとは別個の比重計を用いた測定とな
り、製造ラインでのリアルタイムの測定が行えない。 (2) 計測が大気圧状態での計測となり、高圧状態に
ある製造ラインでの実情を代表しにくい場合もある。 (3) 測定に使用した大気圧状態まで減圧したサンプ
ルガスは、放散、廃棄するよりない。 (4) さらに、従来型の上記の比重計を使用する測定
方法にあっては、精度に改良の余地がある。
【0004】従って、本発明の目的は、上記の様々な問
題を解消することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による発熱量測定方法の特徴手段は、請求項1
に記載されているように、組成の異なる複数の標準ガス
各々の音速(この音速とはガス中での音波の伝播速度を
いい、以下同様である)と発熱量との関係から求まる音
速−発熱量関係指標を予め求めておき、前記標準ガスに
相当する測定対象ガスの音速を求める第1工程と、前記
第1工程で求められた前記測定対象ガスの音速から、前
記音速−発熱量関係指標に基づいて前記測定対象ガスの
発熱量を求める第2工程からなることにある。本願の手
法は、ガスの発熱量を計測したい場合、このガスの音速
を測定すれば、発熱量を知ることができるという知見に
基づいている。この知見は、今般、発明者が新たに見出
したものである。この知見について、簡単に説明する
と、単一のガス物質(純ガスと呼ぶ)の音速は、下式に
従う。
【0006】
【数1】
【0007】さらに、複数のガス物質が混合されてなる
混合ガスの音速は、下式に従う。
【0008】
【数2】
【0009】従って、音速は、ガスを構成する原料物質
の組成比に関連した情報となっており、逆に音速を測定
することで、ガス(混合ガス状態であってもよい)の分
子量を知ることができ、結果的に発熱量を知ることがで
きる。本願の方法にあっては、測定したい測定対象ガス
の組成が予め判明している場合、予備工程において、こ
の測定対象ガスを成すガス種とその元ガス種が等しく、
これらの元ガス種を異なった割合で含む複数の標準ガス
について、各々、音速と発熱量との関係指標を求めてお
く。例えば、測定対象ガスが、主に、炭素数4以下の炭
化水素ガスを含んだ混合ガスである場合は、標準ガスと
して、これら元ガスである炭素数4以下のガスを異なっ
た割合で含有する標準ガスについて、音速−発熱量関係
指標を求めておく。そして、第1工程で、測定対象ガス
の音速を求め、第2工程で、この求められた音速から、
指標に基づいてガスの発熱量を求めることができる。こ
の方法は、発熱量を測定対象ガスの音速から求めるもの
であるため、例えば、製造プラントにある製品ガスの供
給配管内にあるガスを対象として、音速の測定を、その
状態のままおこなうことができる。従って、測定状態に
良好に合致した測定を行うことができる。さらに、音速
から発熱量への変換は非常に短時間に行えるため、この
測定結果を利用して、発熱量のリアルタイム、連続的
な、監視、制御が可能となる。さらに、測定に供したサ
ンプルガスを廃棄する必要もない等の多くの利点を備え
る。さらに、音速−発熱量関係指標を予め用意しておく
段階で、サンプル数を確保することで、高い測定精度を
確保でき、結果的に良好な発熱量測定をおこなうことが
できる。
【0010】さて、上記の方法で求めることができる測
定対象としては、その組成を問うものではないが、本願
の方法は、測定対象ガスが比較的多数のガスの混合ガス
である場合に特に有効である。即ち、請求項2に記載さ
れているように、測定対象ガスが、発熱量の異なる複数
種類のガスから成る混合ガスである場合に、最も有用で
ある。また、本願の方法は、先に説明した、音速と分子
量(発熱量)との関係に従うため、合理的な原理に従っ
て、発熱量を得ることができる。
【0011】さらに、請求項3に記載されているよう
に、測定対象ガスが、炭素数4以下複数種類の炭化水素
ガスの混合ガスであることが好ましい。このような炭化
水素ガスの混合ガスにあっては、組成の変化に従って、
炭素数が変化することとなるため、音速−発熱量関係指
標は比較的単純な関係となる。例えば、メタン100%
の場合、発熱量が最も少なく、炭素数4のブタンの場合
発熱量が大きくなるが、音速は、この傾向とは逆の関係
を示す。従って、指標化が比較的容易であり、音速から
発熱量の導出も、容易におこなうことができ、この種の
ガスの発熱量の測定方法を採用すると、非常に有用且つ
容易に、これをおこなうことができる。
【0012】さらに、請求項4に記載されているよう
に、測定対象ガスが、メタンを主成分とし、メタン以外
の炭化水素ガスを含む混合ガスであることが好ましい。
ここで、対象とする混合ガスは、メタン以外の炭化水素
ガスの含有率の増加により、その熱量が増加する傾向に
あり、逆に、音速は減少する。従って、この現象を利用
して、測定対象ガスの音速を測定し、これから発熱量を
求めることができる。即ち、図4に示すように、例え
ば、天然ガスにあっては、音速と発熱量は、一次もしく
は二次の相関式とできる。そこで、本願にあっては、発
熱量の測定にあたっては、予め求められている関係指標
に従って、音速から発熱量を求めることとなる。結果、
都市ガスとして、今日、有用に利用されているこの種の
混合ガスの発熱量を、良好に測定できるようになった。
【0013】さて、本願に係わる、発熱量測定装置の特
徴構成は、請求項5に記載されているように、組成の異
なる複数の標準ガス各々の音速と発熱量との関係から求
まる音速−発熱量関係指標を備え、前記標準ガスに相当
する測定対象ガスの音速を求める音速測定手段と、前記
音速測定手段により求められた前記測定対象ガスの音速
から、前記音速−発熱量関係指標に基づいて前記測定対
象ガスの発熱量を求める発熱量導出手段を備えたことに
ある。この発熱量測定装置は、先に説明した手法に基づ
いて、発熱量の測定をおこなうこととなるが、音速測定
手段が測定対象ガスの音速を計測し、発熱量導出手段
が、前記音速から予め得られている音速−発熱量関係指
標に基づいて、発熱量を導出する。従って、この装置
は、上述の方法で発熱量測定をおこなうこととなるた
め、発熱量のリアルタイム、連続的な、監視、制御を可
能とする。さらに、その制御精度も確保可能であり、非
常に有向な発熱量測定装置を得ることができた。
【0014】この構成の発熱量測定装置にあっても、請
求項6〜8に記載されているように、測定対象ガスが、
発熱量の異なる複数種類のガスから成る混合ガスであっ
たり、炭素数4以下の炭化水素ガスの混合ガスであった
り、メタンを主成分とし、メタン以外の炭化水素ガスを
含む混合ガスであたっりすることが好ましい。これらの
ガスを対象とする場合、上述の方法の項で説明した、原
理を利用して、測定をおこなうことができる発熱量測定
装置を得ることができる。
【0015】さらに、上述の発熱量測定装置において、
請求項9に記載されているように、この装置が、一対の
超音波送受信器を備え、且つ一方の超音波送受信器から
他方の超音波送受信器へ超音波が前記製品ガスの流れ内
を伝播する伝播時間を双方向で捕らえ、得られる一対の
伝播時間から前記製品ガスの流速を測定する超音波流速
計を備え、先に説明した音速測定手段が、前記超音波流
速計と、前記超音波流速計により得られる前記一対の伝
播時間から前記製品ガスの音速を導出する音速導出手段
から構成されていることが好ましい。超音波流速計は、
流体の流速を超音波を利用して測定する手法として確立
された技術であり、この流速計にあっては、超音波を流
れ方向に沿う方向と、これに逆行する方向に伝播させ
て、互いの伝播時間情報から流速を求める。ここで得ら
れる一対の伝播時間情報は、流体の音速に関係した情報
であり、この一対の伝播時間から流体の音速を求めるこ
とができる。従って、この構造の発熱量測定装置にあっ
ては、超音波流速計からの検出情報に基づいて、音速導
出手段が製品ガスの音速を求め、制御に有用な情報であ
る発熱量を求めて、測定をおこなうことができる。この
構成の発熱量測定装置にあっては、確立された技術であ
る超音波流速計を利用して、発熱量の測定を良好におこ
なうことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本願の実施の形態を、以下、図面
に基づいて説明する。図1は、本願の発熱量測定装置1
を発熱量制御装置100の一部として備えたガス製造設
備2の構成を模式的に描いたものである。このガス製造
設備2は、LNGタンク3、LNG気化器4を上流側に
備えた供給流路5を備えるとともに、この供給流路5
に、熱量調整用の石油ガスを添加する調整用ガス添加機
構6と、この調整用ガス添加機構6よりも下流側に備え
られる製品ガスの発熱量測定用の測定部7を備えて構成
されている。この製品ガスが本願の測定対象ガスであ
る。そして、測定部7において得られた測定情報に基づ
いて、製品ガスの発熱量を求め、この発熱量と製品ガス
に求められる発熱量である目標発熱量との関係から、前
記調整用ガス添加機構6に、調整制御指令が発生される
ように構成されている。従って、このガス製造設備2
は、発熱量に関してフィードバックがかかる様に構成さ
れており、製品ガスの発熱量品質を良好に保つことがで
きる。ここで、発熱量制御は、オンライン、オンタイム
の連続制御であることに特徴がある。さて、上記の制御
を可能とするために、前述の供給流路5で、前記調整用
ガス添加機構6の合流部8より上流側に、天然ガスの流
量を測定する天然ガス流量測定器9が備えられている。
一方、前述の調整用ガス添加機構6は、LPGタンク1
0、LPG気化器11を上流側に備えた添加用流路12
を備えるとともに、この添加用流路12に流量制御弁1
3と石油ガス流量測定器14を備えている。従って、こ
の設備2にあっては、天然ガスの流量、これに対する石
油ガスの流量が常時モニターされ、供給流路下流側に混
合状態で送り出される両者の量比を検出することができ
る。本願のように、製品ガスの発熱量を制御する必要が
ある場合、この量比が問題となるが、天然ガスの供給量
を検出しながら、流量制御弁13の開度を適切に調整す
ることで、両者の流量比(引いては発熱量)を調整する
ことができる。この調整をおこなう場合に、前記測定部
7において測定される情報から、前記調整用ガス添加機
構6への調整制御指令を発生させるのが、発熱量制御装
置100の働きであり、この装置100は、その一部と
して本願の発熱量測定装置1を備え、その測定結果に基
づいて作動する構成となっている。
【0017】従って、本願のガス製造設備2は、メタン
を主成分とするベースガス原料(この例では天然ガス)
が流れる供給流路5を備え、この供給流路内にあるベー
スガス原料に、メタンより発熱量の大きい熱量調整用ガ
ス原料(この例では石油ガス)を、添加量を調整しなが
ら添加する調整用ガス添加機構6を備え、熱量調整され
た製品ガスを得る構成となっている。そして、この調整
用ガス添加機構6に対する発熱量制御装置100が備え
られている。これは、図1、2に示すように、測定部7
に備えられる超音波流速計15、温度計16a、圧力計
16bと、これらの計器からの測定情報に従って、前記
調整制御指令を生成する手段とから構成されている。こ
の手段は、マイクロコンピュータや半導体メモリ等を主
要な機器として構築される。この手段について簡単に説
明すると、図1に示すように、記憶手段17a、指標生
成手段17b、前記超音波流速計15及び音速導出手段
18を備えた音速測定手段19、発熱量導出手段20、
調整制御指令生成手段21が備えられている。ここで、
記憶手段17aは発熱量の導出に必要な情報を記憶した
ものであり、指標生成手段17bは記憶手段17aに記
憶された情報から音速−発熱量関係指標を生成するもの
であり、音速測定手段19は製品ガスの音速を求めるも
のであり、前記発熱量導出手段20は音速測定手段19
により求められた音速から発熱量を導出するものであ
り、前記調整制御指令生成手段21は、求められた発熱
量から調整制御指令を生成するものである。前記の発熱
量測定装置1には、前記調整制御指令生成手段21を除
く、全ての手段が備えられる。
【0018】以下、それぞれの手段の構成、働きについ
てさらに詳細に説明する。前記記憶手段17aは、ベー
スガスと熱量調整用ガスが異なった割合で混合された複
数の標準ガス各々の音速と発熱量との関係から求まる音
速−発熱量関係指標を導出できる情報を記憶している。
このような音速−発熱量関係指標の一例を図4に示し
た。同図において、実線及び破線で示されている相関線
(1次相関式及び2次相関式で表せる)が、この指標に
相当する。この音速−発熱量関係指標は、記憶手段17
aに記憶された情報から、製品ガスの温度と圧力との測
定結果に基づいて、指標生成手段17bにより自動生成
される。これらの温度圧力情報は、温度計16a及び圧
力計16bから得ることができる。この目的から、前述
の記憶手段17には、予め発熱量が判明している複数の
標準ガスに関する音速−温度−圧力の関係指標(図3に
示す)が記憶されており、この記憶情報から指標生成手
段17bが、製品ガスの温度、圧力に従って、複数の音
速−温度−圧力の関係指標から、この状態に於ける音速
と発熱量との関係指標(図4に示す)を自動生成する。
即ち、図3に示す各音速−温度−圧力の関係パネル上か
ら、各発熱量を有する標準ガスに対する音速を求め、こ
れが、発熱量と音速に関して整理されて、図4に示すよ
うな音速−発熱量関係指標として生成される。この指標
を使用することにより、例えば、音速が求まった場合、
同図矢印付一点鎖線で示すように、音速からガスの発熱
量を導き出すことができる。
【0019】前記音速測定手段19は、前述の超音波流
速計15及び音速導出手段18を備えている。超音波流
速計15からは、測定部7を流れる製品ガスの流速が得
られるとともに、この流速の測定にあたって、一対の伝
播時間T21、T12が得られる。超音波流速計15の
詳細構成について、図2、図5に基づいて説明すると、
これは、一対の超音波送受信器15aを供給流路5を斜
めに横断した配置構成で備えている。ここで、一対の超
音波送受信器15aは、流路の軸Z方向で異なった位置
に配設されるため、両者間を渡る超音波は流速vの影響
を受け、上流側から下流側に伝播される超音波の伝播時
間は加速され、逆の場合は減速される。この流速計15
においては、一方の超音波送受信器15aから他方の超
音波送受信器15aへ超音波が前記製品ガスの流れ内を
伝播する伝播時間を双方向で捕らえ(上流側にあるもの
から下流側にあるものへの超音波の伝播時間T21と、
逆方向で伝播する超音波の伝播時間T12)、得られる
一対の伝播時間から製品ガスの流速を測定する。従っ
て、この超音波流速計15においては、その測定情報と
して、流速vと、前記一対の伝播時間T21、T12が
得られていることとなる。上記の音速導出手段18は、
測定された製品ガスの一対の伝播時間から、製品ガスの
音速を導出できる構成とされている。この導出過程は、
前記一対の伝播時間T21、T12から音速Cを求める
ものである。図5に示すように、前述の超音波流速計1
5に備えられる一対の超音波送受信器15aの位置関係
が固定されているため、相互に送受信器間を伝播する伝
播時間T12、T21は、図5、式1、式2のように記
載できる。ここで、Lは図5に示す伝播経路の半分の距
離であり、Cは音速を、vは製品ガスの流速を、θは、
伝播経路の流路軸からの傾きを示している。式1、式2
は、2元連立方程式であるため、式3、式4に示すよう
に、音速C及び流速vを、一対の伝播時間T12、T2
1から求めることができる。即ち、前述の音速導出手段
は、式3の処理を行うことにより、一対の伝播時間T1
2、T21から音速Cを求める。
【0020】次に、発熱量導出手段20の役割について
説明する。図4に矢印付一点鎖線で示すように、別途、
音速測定手段20により求められる製品ガスの音速か
ら、記憶手段17に記憶された情報から自動生成される
音速−発熱量相関指標に基づいて、この製品ガスの発熱
量を求める。このようにして求められた製品ガスの発熱
量は、製品ガスの目標発熱量と比較され、先に説明した
調整制御指令が生成される。この生成の役割を調整制御
指令生成手段21が果たす。以上が、ガス製造設備2の
基本構成である。
【0021】従って、この設備2の発熱量測定及び発熱
量制御は、ベースガスと熱量調整用ガスとが異なった割
合で混合された複数の標準ガス各々の音速と発熱量との
関係である音速−発熱量関係指標を予め求めておき、製
品ガスの音速を求め、求められた製品ガス(測定対象ガ
ス)の音速から、前記音速−発熱量関係指標に基づいて
製品ガスの発熱量を求めるとともに(ここまでが発熱量
測定)、求められた製品ガスの発熱量と目標発熱量との
差に基づいて、ベースガス原料に対する熱量調整用ガス
原料の添加量を制御するものとなっている。なお、本願
が対象とする発熱量測定装置1は、上記のように熱量調
整を伴って製造される熱量調整済の製品ガスを対象とで
きる他、調整用ガス添加機構6をバイパスして発熱量制
御を行うことなく未熱調ガスを製造する製造設備におけ
る製造ガスの発熱量測定にも使用できることは言うまで
もない。
【0022】以下、本願の測定手法を採用するにあた
り、発明者らが行った実験及び実際の測定結果について
説明する。 1 音速−温度−圧力の関係指標(テーブル) この指標は、図3に示すような関係指標であり、この関
係指標を得るのに、パラメータとしての発熱量に関して
は、原則的に9種のガスを標準ガスとして使用した。こ
れらの標準ガスの組成(%)、発熱量及び比重を表1に
示した。
【0023】
【表1】
【0024】これら標準ガスは、その主成分として80
%程度以上のメタンを含有するものであり、このベース
ガス(メタン)に発熱量の調整用に熱量調整用ガス(炭
素数2以上の炭化水素ガス)が添加、混合された混合ガ
スである。これらの混合ガスを使用して、所定の状態
(温度・圧力状態)での音速を測定できる。上記の標準
ガス夫々に関して、温度に関しては4状態(5、15、
25、35℃)、圧力に関しても4状態(10、20、
30、40kgf/cm2)の各状態(16状態)につ
いて、音速を求めた。結果、図3、各テーブルに示すよ
うに、音速は、圧力をパラメータとして温度の一次関係
式で表現できるものであった。従って、以下の表2に示
すように、この音速と温度の一次関係の係数a、bを各
標準ガス、各圧力に関して求め、これらの情報を、先に
説明した記憶手段に記憶させた。従って、記憶手段に
は、図3に相当する関係指標が記憶格納され、この指標
を利用して、音速−発熱量関係指標の導出をおこなうこ
とができる。
【0025】
【表2】
【0026】2 音速−発熱量関係指標(テーブル) この指標は、先に説明した指標生成手段17bによって
自動生成される。この処理にあっては、上記のようにし
て得られている音速−温度−圧力の関係指標(テーブ
ル)において、特定の温度・圧力を指定する。そして、
異なった発熱量の各標準ガスに対応する異なった各テー
ブルから、音速を呼び出す。そして、図3の各テーブル
間に渡って(テーブルの重なり方向で)、特定の温度・
圧力での音速を読み取ることで、図4の関係指標を得
る。但し、同図では、縦軸と横軸は逆転している。この
ようにして、音速と発熱量とに関してその相関線(図4
の実線(一次相関式)、破線(二次相関式))を得るこ
とで、特定の温度・圧力状態での両者の関係指標が得ら
れる。
【0027】従って、この音速−発熱量関係指標を使用
すると、製品ガスの温度、圧力、音速が判明すれば、ガ
スの発熱量を求めることができる。このような手法によ
って得られた発熱量の誤差は、発熱量が9500〜10
500kcal/Nm3の範囲にあるもので、15kc
al/Nm3程度とすることができ、従来の比重計を使
用する手法に対して、同等以上の精度を得ることができ
た。
【0028】〔別実施の形態〕 (イ) 上記の実施の形態においては、予め求められて
いる音速−温度−圧力の関係指標から音速−発熱量関係
指標を自動生成するものとしたが、(温度、圧力)に応
じてた音速−発熱量関係指標を記憶しておいて、この指
標を使用するものとしてもよい。 (ロ) 上記の実施の形態においては、ベースガスがメ
タンを主体とするガス(例えば天然ガス)で、熱量調整
用ガスがこれより発熱量の多いガス(例えば石油ガス)
としたが、このようなガス種は、その種別を問うもので
はない。従って、この場合、当然、メタンを主成分と
し、これにメタンより炭素数が多い炭化水素ガスを含有
しているものを対象とできる。さらに、先に言い添えた
ように、熱量調整を経た製品ガス、熱量調整を行わない
所謂、未熱調ガスをも測定対象とすることができる。 (ハ) 上記の実施の形態にあっては、特定構造の超音
波流速計を示したが、本願にあっては、超音波流速計の
構造は問題ではなく、その出力情報から音速が求まるも
のであれば、任意のものを使用できる。また、超音波流
速計の設置方式についても、所謂、シングル反射法を示
したが、他の従来行われている方式も使用できる。さら
に、音速の測定は、このような超音波流速計にたよるこ
となく、任意、公知の音速測定手段を使用して、音速を
求めてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願のガス製造設備のブロック構成図
【図2】測定部の詳細構造を示す図
【図3】発熱量をパラメータとする圧力−温度−音速の
関係指標を示す図
【図4】音速から発熱量を導出する場合の音速−発熱量
関係指標を示す図
【図5】音速の測定原理図
【符号の説明】
1 発熱量制御装置 2 ガス製造設備 15 超音波流速計 15a 超音波送受信器 17a 記憶手段 17b 指標生成手段 18 音速導出手段 19 音速測定手段 20 発熱量導出手段 21 調整制御指令生成手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 弘 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 小野 治 東京都新宿区上落合3丁目10番8号 株式 会社オーバル内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成の異なる複数の標準ガス各々の音速
    と発熱量との関係から求まる音速−発熱量関係指標を予
    め求めておき、 前記標準ガスに相当する測定対象ガスの音速を求める第
    1工程と、前記第1工程で求められた前記測定対象ガス
    の音速から、前記音速−発熱量関係指標に基づいて前記
    測定対象ガスの発熱量を求める第2工程からなる発熱量
    測定方法。
  2. 【請求項2】 前記測定対象ガスが、発熱量の異なる複
    数種類のガスから成る混合ガスである請求項1記載の発
    熱量測定方法。
  3. 【請求項3】 前記測定対象ガスが、炭素数4以下の炭
    化水素ガスを複数種類混合した混合ガスである請求項1
    または2記載の発熱量測定方法。
  4. 【請求項4】 前記測定対象ガスが、メタンを主成分と
    し、メタン以外の炭化水素ガスを含む混合ガスである請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の発熱量測定方法。
  5. 【請求項5】 組成の異なる複数の標準ガス各々の音速
    と発熱量との関係から求まる音速−発熱量関係指標を備
    え、 前記標準ガスに相当する測定対象ガスの音速を求める音
    速測定手段と、前記音速測定手段により求められた前記
    測定対象ガスの音速から、前記音速−発熱量関係指標に
    基づいて前記測定対象ガスの発熱量を求める発熱量導出
    手段を備えた発熱量測定装置。
  6. 【請求項6】 前記測定対象ガスが、発熱量の異なる複
    数種類のガスから成る混合ガスである請求項5記載の発
    熱量測定装置。
  7. 【請求項7】 前記測定対象ガスが、炭素数4以下の炭
    化水素ガスを複数種類混合した混合ガスである請求項5
    または6記載の発熱量測定装置。
  8. 【請求項8】 前記測定対象ガスが、メタンを主成分と
    し、メタン以外の炭化水素ガスを含む混合ガスである請
    求項5〜7のいずれか1項に記載の発熱量測定装置。
  9. 【請求項9】 一対の超音波送受信器を備え、一方の超
    音波送受信器から他方の超音波送受信器へ測定対象ガス
    の流れ内を超音波が伝播する伝播時間を、双方向で捕ら
    え、異なった伝播方向に対する一対の伝播時間から前記
    測定対象ガスの流速を測定する超音波流速計を備え、 前記音速測定手段が、前記超音波流速計と、前記超音波
    流速計により得られる前記一対の伝播時間から前記測定
    対象ガスの音速を導出する音速導出手段から構成されて
    いる請求項5〜8のいずれか1項に記載の発熱量測定装
    置。
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