JPH10185808A - 光学的測定装置 - Google Patents

光学的測定装置

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JPH10185808A
JPH10185808A JP22301797A JP22301797A JPH10185808A JP H10185808 A JPH10185808 A JP H10185808A JP 22301797 A JP22301797 A JP 22301797A JP 22301797 A JP22301797 A JP 22301797A JP H10185808 A JPH10185808 A JP H10185808A
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一志 大塚
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桂一 深田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 散乱性物質中の特定物質を高精度に非侵襲的
に測定できるようにする。 【解決手段】測定対象物200に光を照射する光源装置
202では、光源6からの光を光源光学系216で調整
して音響光学素子4に入射させ、音響光学素子4で分光
と変調を行なう。音響光学素子4から出射した1次回折
光を集光光学系20により集光し、照射光学系220に
より測定対象物200に照射する。光検出装置204は
受光部230とデータ処理部107とを備え、受光部2
30は変調された測定光の変動に応じた信号を複数の異
なる増幅度の信号にして同時に出力する。データ処理部
107はそれらの信号のうちで増幅器の値が飽和せず、
かつ増幅度の最も大きいものを選択し、かつ測定光を変
調した変調周波数でロックイン処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体や食品、人体等
の散乱性物質中の特定物質を光学的に測定する測定装置
に関するものであり、例えば、血液や尿中のグルコ−
ス、ヘモグロビン、果物中の糖分などの測定に適する。
【0002】
【従来の技術】近年、測定対象物に光を照射し、その光
の測定対象物による透過散乱光を用いた様々な光学測定
が行なわれている。本明細書では、「透過散乱光」の語
は、光散乱性の測定対象物中に入ってからその測定対象
物から出てきた光を全て含む意味で使用されており、光
の入射方向に出ていく所謂透過光も、入射方向とは反対
方向に出ていく所謂反射光も全て含んだ意味で使用され
ている。
【0003】これらの測定では、測定対象物に照射して
得られた透過散乱光を波長ごとにその強度を測定して測
定対象物内の情報を得ている。そのため、測定対象物に
照射する光を分光(前分光)するか、透過散乱光を分光
(後分光)する必要がある。分光手段としては種々の方
式が用いられている。現在一般に用いられているFTI
R(フーリエ変換型赤外分光光度計)又は光学格子のよ
うな部品の移動により連続波長の光を分光する方式は、
測定時間が長くなり、その間に光量のドリフトなども起
こりやすく、精度に影響する問題がある。分光素子とし
てフィルターを用いたり、光源としてLD(レーザダイ
オード)やLED(発光ダイオード)を用いる分立波長
での分光は、波長数を多くすれば分光に時間がかかり、
コストも高くなるだけではなく、波長を変換するために
はフィルターや光源自体といったハード面での部品の交
換が必要になり、部品数も多くなるという問題がある。
【0004】一方、連続光源と分光装置との組合わせと
して、分光装置に音響光学素子(AOTF)を用いたも
のがある。音響光学素子は、音響光学結晶に音響波トラ
ンスデューサが貼り付られたものであり、トランスデュ
ーサから音響光学結晶に与えられる音響波(RF)周波
数によってその結晶を透過する波長が選択される。音響
光学素子では機械的可動部がなく、また高速で波長走査
することもできる。音響光学素子を用いた分光光度計は
市販されている。音響光学素子を分光素子とする測定方
法については、例えば二波長の差吸収を測定する方法
(EP401453A1)や、測定対象物の組織の血液
の容量の異なる状態での差スペクトルを測定する方法
(USP5,372,135号)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、二波長測定の
ような相対的な測定方法は、単成分のみを含む水溶液系
のような単純系であればその成分を高精度に測定するこ
とができるが、食品や人体のような多成分を有する複雑
な系に対しては、各成分を高精度に測定することは非常
に難しい。なぜなら、測定対象物が異なる場合、仮に1
つの成分の変化は同じであっても他の成分の変化の割合
は異なるから、二波長での測定値の差だけでは高い精度
で注目成分の変化を抽出することは困難である。さら
に、非常に弱い信号を抽出する必要がある上に、測定対
象部位の血液容量などの条件(例えば、圧力、表面反射
率、パス長等)の変化による誤差が発生するので、これ
らの変動誤差が含まれた信号の中から、注目成分の信号
だけを抽出することも困難である。
【0006】測定試料からの透過散乱光を測定する場
合、その測定光が非常に微弱で、検出信号と雑音強度が
同等になってくると、通常の増幅器では高いS/N比の
出力信号を得ることができない。例えば、図1は水の吸
収スペクトルを表わしたものであるが、そのスペクトル
に示されるように、分光波長によって吸光度が大きく変
化する。一般に、試料の透過散乱光も波長によって検出
強度が大きく変化する。このように、検出器からの測定
信号が大きな範囲で変化する場合、増幅度を一定に保っ
た増幅器では、測定信号が微弱な波長領域で、その信号
がA/D変換器を経てコンピュータに取り込む際の分解
能に満たないことが生じ、測定分解能が低下する原因と
なる。
【0007】音響光学素子での分光波長の純度を向上さ
せるためには、音響光学素子に入射する光は一定の光学
条件を満足する必要がある。しかし、従来の分光光度計
では、光源から音響光学素子に入射する光束の調整が十
分ではなく、+1次回折光又は−1次回折光に含まれる
0次光の割合が大きく、分光波長の純度が十分に大きい
とはいえない。また、音響光学素子から出射する+1次
回折光と−1次回折光は0次光とは方向が異なっている
が、接近しているため、取り出した+1次回折光又は−
1次回折光中に0次光が混入しやすい。
【0008】大きな範囲で強度が変化する測定信号を分
解能を維持して測定しようとすると、増幅度の切換えを
行なわなければならない。例えば、図1に示すようなダ
イナミックレンジの大きいスペクトルを測定する場合、
マルチプレクサなどの半導体リレー回路を用いて、強度
の小さい信号は増幅度を上げ、逆に強度の大きい信号は
測定値が飽和しないように増幅度を下げるように、増幅
度切換えを行なう必要がある。測定を行なう際、そのよ
うな切換え動作によりパルスノイズが発生して測定値に
影響を及ぼし、測定誤差の原因となる。
【0009】非常に微弱な信号、例えば回路素子の熱雑
音よりわずかに大きい程度のノイズレベルの測定信号電
圧を増幅する場合、トランジスタ回路を用いた帰還増幅
回路やオペアンプ(演算増幅器)を用いた差動増幅回路
による増幅方法では、雑音も同時に増幅されるため、測
定信号と雑音との区別ができなくなる。そのため、回路
自身から生じる雑音を測定信号のレベル以下に抑えると
ともに、機器外部の外乱からの影響を測定信号レベル以
下に抑える回路構成が必要になる。
【0010】S/N比では100,000以上を必要と
している。従来の機器では、FTIRにおけるS/N比
は10,000を越えない程度である。周波数帯域が一
様に分布している雑音(ランダムノイズ)の影響を除去
するためには、測定波長帯域で繰り返し測定し積算処理
を行なうことによって、測定値の平均化処理を行なう必
要がある。また、測定波長が多波長にわたっていても、
短時間に測定を行なわなければ測定信号の長周期変動
(ドリフト)の影響を受ける。
【0011】そこで、本発明は、散乱性物質中の特定物
質を高精度に非侵襲的に測定できるようにするために、
分光素子として音響光学素子を用いて高速波長走査を可
能にし、音響光学素子での分光波長の純度を高め、また
微弱な信号を測定する際の測定精度を向上させることの
できる光学的測定装置を提供することを目的とするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光学的測定装置
は、測定対象物に光を照射する光源装置と、その測定対
象物による透過散乱光を測定光として受光し検出する光
検出装置と、光源装置及び光検出装置の動作を制御する
制御部とを備えている。光源装置は、光源と、音響光学
結晶に音響波トランスデューサを備えた分光素子として
の音響光学素子と、音響波トランスデューサから音響光
学結晶に与える音響波周波数を変化させて分光を行な
い、音響波トランスデューサの駆動信号の強度変調によ
り音響光学素子の出力光を変調させる音響光学素子駆動
装置と、光源からの光を音響光学素子の窓口のサイズよ
り小さい光束で、かつ音響光学素子の許容角度よりも小
さい伝播角度をもった光線として音響光学素子に入射さ
せる光源光学系と、音響光学素子から出射した+1次回
折光及び−1次回折光をそれぞれ互いに空間的に異なる
位置に集光する集光光学系と、集光光学系により集光さ
れた+1次回折光と−1次回折光のうちの少なくとも一
方を測定対象物に照射する照射光学系とを備えている。
【0013】光検出装置は、変調された測定光の変動に
応じた信号を出力する検出素子と、検出素子の出力を入
力し、複数の異なる増幅度の信号を同時に出力する増幅
器と、増幅器の増幅度の異なる複数の出力信号をそれぞ
れデジタル信号に変換するA/D変換器と、A/D変換
器の複数の出力信号を入力し、それらの信号のうちで増
幅器又はA/D変換器の値が飽和せず、かつ増幅度の最
も大きいものを選択するチャネル選択手段、その選択さ
れた信号を測定光を変調した変調周波数と同期した発振
信号と重ね合わせる同期信号処理手段、及びその同期信
号処理された信号の積分により測定値を求める積分手段
を備えたデータ処理部とを備えたものである。
【0014】「伝播角度」は、光束の光軸と、その光束
中の光線が空間を伝播する方向とのなす角度であり、光
束の光軸を音響光学素子に垂直に入射させたとき、伝播
角度が音響光学素子の許容角度より小さい光線のみが1
次回折光に寄与する。したがって、音響光学素子に垂直
に入射する光束中で伝播角度が音響光学素子の許容角度
より小さい光線が多いほど1次回折光の強度が大きくな
る。好ましくは、音響光学素子に入射する全ての光線の
伝播角度が音響光学素子の許容角度より小さくなってい
ることである。
【0015】音響光学素子に入射する光束の光軸は音響
光学素子の入射面に対し垂直であることが望ましいが、
その光束に含まれる光線が音響光学素子の入射面に対す
る垂直方向となす角度が音響光学素子の許容角度より小
さくなっている条件が満たされるならば、音響光学素子
に入射する光束の光軸の方向は、音響光学素子の入射面
に対し厳密に垂直であることは要求されない。
【0016】光源光学系が光源からの光を音響光学素子
の窓口のサイズより小さい光束で、かつ音響光学素子の
許容角度よりも小さい伝播角度をもった光線として音響
光学素子に入射させるように調整されていることによ
り、1次回折光の純度が高まり、強度も大きくなる。ま
た、音響光学素子から出射した0次光、+1次回折光及
び−1次回折光をそれぞれ互いに空間的に異なる位置に
集光させることにより、1次回折光への0次光の混入を
抑えることができる。その結果、この光源から所望の波
長の光を精度よく取り出すことができる。
【0017】音響波トランスデューサから音響光学結晶
に与える音響波周波数を変化させて分光を行なうことに
より、波長走査を高速で行なうことができるようにな
る。その結果、測定時間を短かくすることができ、測定
時間内での光量のドリフトなどを抑えることができる。
【0018】音響波トランスデューサの駆動信号の強度
変調により音響光学素子からの出力光を変調させること
ができる。強度変調することにより光信号の検出に変調
同期検知(検波)が可能となる。そこで、ランダムノイ
ズを除去するために、音響光学素子からの出力光を変調
させて測定信号を変調し、その変調周波数においてロッ
クイン処理に相当する同期信号処理をほどこすことによ
り変調周波数成分のみを精度よく抽出する。
【0019】信号の強度に応じて増幅度を操作すること
によって測定精度を向上させる。その際、検出素子から
の信号値を増幅器により異なる複数の増幅度で同時に増
幅し、その出力をA/D変換し、その信号のうち飽和す
ることなく、最大に増幅された信号を選択することによ
って、リレー回路やマルチプレクサ等の切換え装置を用
いた場合には生じたであろうパルスノイズの発生を抑え
る。
【0020】
【発明の実施の形態】光源からの光を音響光学素子の窓
口のサイズより小さい光束で、かつ音響光学素子の許容
角度よりも小さい伝播角度をもった光線として音響光学
素子に入射させるように調整する光学系の一例は、光源
の光軸上の前方に配置され光源からの光を音響光学素子
方向に反射する前置ミラーと、前置ミラーの鏡面を音響
光学素子の入射面と共役の関係にする光学系である。音
響光学素子の窓口のサイズが小さい場合は、マスクを設
けて光束を小さくする。
【0021】光源の光軸上の後方に配置され光源からの
光を前置ミラー方向に反射する後置ミラーをさらに設け
ることができる。これにより、光源から音響光学素子に
入射するまでの光源エネルギ−の利用効率が高まる。照
射光学系の好ましい一例は、集光光学系により集光され
た+1次回折光と−1次回折光を同一光軸上に合成して
測定対象物に照射する光学系である。このように、+1
次回折光と−1次回折光をともに利用することにより、
光源エネルギ−の利用効率が高まる。
【0022】+1次回折光と−1次回折光を同一光軸上
に合成させる照射光学系の好ましい例は、一端部が少な
くとも2つに分岐し、他端部が1つに合流した分岐光フ
ァイバであり、集光光学系により集光された+1次回折
光と−1次回折光を分岐光ファイバの分岐したそれぞれ
の端部に入射させ、合流した他端部から出射した光を測
定対象物に照射させるものである。このとき、照射光学
系で+1次回折光又は−1次回折光が入射する端部は集
光光学系の焦点面に設置されていることが好ましい。
【0023】+1次回折光と−1次回折光を同一光軸上
に合成させる照射光学系のさらに好ましい例は、一端部
が3つに分岐し、他端部が1つに合流した分岐光ファイ
バであり、集光光学系により集光された+1次回折光と
−1次回折光を分岐光ファイバの分岐した3つの端部の
うちの2つの端部にそれぞれ入射させ、合流した他端部
からの出射光の測定対象物による透過散乱光を出射光の
出射した端部に再び入射させ、分岐した3つの端部のう
ちの残りの1つの端部により光検出器に導くものであ
る。このような分岐光ファイバを使用することにより、
構成が簡単になる。
【0024】光源光学系の光路上に分光波長領域の異な
る複数の音響光学素子を直列に配置し、いずれかの音響
光学素子を選択して駆動するようにしてもよい。これに
より、利用できる波長域が広がる。より安定した出力結
果を得るために、音響光学素子からの出力光のうちの0
次光又はランプ光源からの光源光を受光し、光源強度の
変動を補正するのが好ましい。
【0025】複数の異なる増幅度の信号を同時に出力す
る増幅器の好ましい一例は、検出素子の変調出力を入力
する入力バッファ回路と、その入力バッファ回路の出力
電圧変動を抵抗素子によって電流変動に変換する電圧−
電流変換回路と、その電圧−電流変換回路による電流変
動を抵抗素子により所定の倍率に増幅した電圧変動に変
換する電流−電圧変換回路と、その電流−電圧変換回路
の電圧変動出力を出力バッファ回路を経由して入力し、
複数の異なる倍率の信号を出力する増幅回路とを備えた
ものである。電圧−電流変換回路と電流−電圧変換回路
はプリアンプを構成し、複数の異なる倍率の信号を出力
する増幅回路はサブアンプを構成している。プリアンプ
での電圧−電流変換時に信号を増幅し、その信号を電流
−電圧変換する際にさらに増幅するという組合わせによ
り、増幅度の決定を行なう。そして、サブアンプにてプ
リアンプの信号を異なる増幅度で同時に出力する。
【0026】データ処理部は、チャネル選択手段と同期
信号処理手段との間に、チャネル選択手段で選択された
信号から同期信号処理に不要な高周波成分を除去するロ
ーパスフィルタ手段と、そのローパスフィルタ手段を経
た信号列から単位数ごとに一定間隔で抽出した値を信号
値とするデータ間引き手段とをさらに備えていることが
好ましい。高いサンプル周波数で測定したデータは、ナ
イキスト帯域幅が大きいためエイリアシング・ノイズを
防ぐためのローパスフィルタの特性が緩やかにできる。
少ないデータ量で処理できるよう間引き処理を行なう
と、間引き処理によって見かけのサンプリング周波数が
小さくなるため、測定値の周波数スペクトルに重なりを
生じる。間引き処理を行なう前にローパスフィルターに
よる処理を行ない、ノイズの影響を除去する。
【0027】同期信号処理を行なう前に変調周波数近傍
に通過帯域をもつバンドパスフィルタ処理を行なってお
くのが好ましい。また、同期信号処理を行なう前には信
号の周波数が変調周波数からずれることがあるので、そ
のずれを補正することにより同期信号処理の精度を向上
させることができる。そのため、同期信号処理手段に入
力する信号の周波数とコンピュータのクロック信号を基
準信号として発生させた変調周波数とのずれを測定し、
その結果に基づいて同期信号処理手段の同期周波数を補
正する周波数ずれ補正手段をさらに備えていることが好
ましい。
【0028】同期信号処理により変調された信号は定数
値(直流成分)となるため、ローパスフィルタによって
高周波成分を除去しておくのが好ましい。そのため、同
期信号処理手段と積分手段との間に同期信号処理に不要
な高周波成分を除去するローパスフィルタ手段をさらに
備えていることが好ましい。デジタル積分処理は積分の
時定数が大きいほど精度が高いが、時間がかかる。その
ため、あらかじめ小さな時定数で真値に近い値で計算を
収束させ、次に、その値を初期値として大きい時定数で
収束させることによって、計算速度を向上させることが
できる。
【0029】増幅器から複数の異なる増幅度の出力を出
させた場合、各増幅度をもたせたサブアンプ間で倍率に
誤差が生じる。例えば、100倍の増幅度の出力が20
倍の増幅度の出力に対して正確に5倍になっているとは
限らない。その誤差を補正するため、一定の信号を入力
して各増幅度の信号を出力させ、ある1つの出力信号を
基準としてそれとの比をとって補正データとし、デジタ
ル処理を行なう際にその補正データで各増幅度間の誤差
の補正を行なうことにより、増幅度の異なる信号の間で
の機差をなくすことができる。そのため、増幅器に一定
振幅の信号を入力したときのその増幅器の増幅度の異な
る複数の出力を比較し、その結果を増幅度の異なる出力
間の機差として保存する機差保存手段と、その機差保存
手段に保存された機差により増幅器の出力を補正する増
幅器出力補正手段をさらに備えていることが好ましい。
【0030】計測器で増幅器の電源電圧を実測し、あら
かじめ設定した基準電圧との比をとって補正すれば、測
定値の絶対値のずれを補正することができる。そのた
め、増幅器の電源電圧を測定し、予め設定した基準電圧
との比によって測定結果を補正する測定結果補正手段を
さらに備えていることが好ましい。
【0031】本発明を測定光と参照光(音響光学素子か
らの0次光又は光源光)を同時に測定する場合には、検
出素子及び増幅器が測定光検出用と参照光検出用にそれ
ぞれ設けられ、A/D変換器は測定光検出信号と参照光
検出信号をともにデジタル信号に変換するものであり、
データ処理部は参照光検出信号についても同様のデータ
処理を行ない、測定光検出信号のデータ処理結果を参照
光検出信号のデータ処理結果で割算して補正するように
構成するのが好ましい。
【0032】
【実施例】図2は一実施例の光学的測定装置を概略的に
表わしたものであり、測定対象物200に光を照射する
光源装置202と、その測定対象物200による透過散
乱光を測定光として受光し検出する光検出装置204
と、光源装置202及び光検出装置204の動作を制御
する制御部206とを備えている。
【0033】光源装置202は分光光源装置であり、光
源6と、音響光学結晶に音響波トランスデューサを備え
た分光素子としての音響光学素子4と、音響波トランス
デューサから音響光学結晶に与える音響波周波数を変化
させて分光を行ない、音響波トランスデューサの駆動信
号の強度変調により音響光学素子の出力光を変調させる
音響光学素子駆動装置214と、光源6からの光を音響
光学素子4の窓口のサイズより小さい光束で、かつ音響
光学素子4の許容角度よりも小さい伝播角度をもった光
線の光束として音響光学素子4に垂直に入射させる光源
光学系216と、音響光学素子4から出射した0次光、
+1次回折光及び−1次回折光をそれぞれ互いに空間的
に異なる位置に集光する集光光学系20と、集光光学系
20により集光された+1次回折光と−1次回折光のう
ちの少なくとも一方を測定対象物200に照射する照射
光学系220とを備えている。
【0034】光検出装置204は受光部230とデータ
処理部107とを備えている。受光部230は、変調さ
れた測定光の変動に応じた信号を出力する検出素子と、
検出素子の出力を入力し、複数の異なる増幅度の信号を
同時に出力する増幅器と、増幅器の増幅度の異なる複数
の出力信号をそれぞれデジタル信号に変換するA/D変
換器とを備えている。データ処理部107は、A/D変
換器の複数の出力信号を入力し、それらの信号のうちで
増幅器又はA/D変換器の値が飽和せず、かつ増幅度の
最も大きいものを選択するチャネル選択手段、その選択
された信号を測定光を変調した変調周波数と同期した発
振信号と重ね合わせる同期信号処理手段、及びその同期
信号処理された信号の積分により測定値を求める積分手
段を少なくとも備えている。
【0035】照射光学系220は、一端部が2つに分岐
し他端部が1つに合流した分岐光ファイバであり、集光
光学系20により集光された+1次回折光と−1次回折
光が分岐光ファイバの分岐したそれぞれの端部に入射
し、合流した他端部から出射した光が測定対象物200
に照射させるものである。測定対象物200からの透過
散乱光は光ファイバ222により受光部230に導かれ
ている。
【0036】照射光学系220の光ファイバと透過散乱
光受光用の光ファイバ222は、測定対象物200に対
向する端部が1つの光ファイバ束にまとめられ、他端部
が3つに分岐した3分岐光ファイバであることが好まし
い。その場合、3つに分岐した端部の2つに+1次回折
光と−1次回折光を入射させ、他の端部を受光部に導く
ようにすることができるので、構成が簡単になる。
【0037】また、音響光学素子4からの出力光のうち
の0次光を受光し、光源強度の変動を補正して、より安
定した出力結果を得るために、集光光学系20により集
光された0次光が光ファイバ224により受光部230
に導かれている。240はデータ処理部107で求めら
れた測定値から測定対象物200内の目的物質の濃度を
算出する算出部、242は測定結果を出力するプリン
タ、レコーダ、CRTなどの出力装置である。
【0038】音響光学素子4は二酸化テルル(Te
2)結晶を音響光学結晶として用いたものであり、そ
の一辺に音響波トランスデューサが貼り付けられてい
る。音響波トランスデューサから結晶に与えられる周波
数により、800〜2400nmの範囲で波長を選択
し、走査する。また、音響波トランスデューサの駆動信
号の強度変調により音響光学素子4の出力光を変調させ
る。この波長走査と変調は制御部206から音響光学素
子駆動装置214を制御することにより行なう。
【0039】音響光学素子4のトランスデューサから所
定の音響波周波数が与えられたとき、その周波数に応じ
た回折光が+1次回折光と−1次回折光として分かれて
出射し、それ以外の波長光が0次光として透過する。+
1次回折光と−1次回折光は照射光学系により同一光軸
上に合成されて測定対象物に照射される。0次光は測定
対称には照射されず、光源強度を表わすものとして測定
光強度の補正に利用される。
【0040】図3から図8により、一実施例における光
源装置202の具体的な例を示す。図3は光源室2とそ
の光源室2からの連続波長光を分光する音響光学素子4
を示したものである。光源室2には光源6としてハロゲ
ンランプが設けられ、光源6からの光を集め、かつ音響
光学素子4に対しほぼ平行光として入射させる光源光学
系が設けられている。光源6の光軸8の前方には前置ミ
ラー10、後方には後置ミラ−12が配置されている。
ミラー10,12で集められた光源6からの光を平行光
とするために、ミラー10と音響光学素子4の間の光路
上にレンズ14、ミラ−16,18が配置され、これら
の光学系を経て光源光が音響光学素子4に入射させられ
る。
【0041】図4は光源室2内の光学系を詳細に表わし
たものである。前置ミラー10と後置ミラ−12は、同
じ焦点距離を持つ球面ミラーであり、光源6のフィラメ
ントから後置ミラー12までの距離が焦点距離のほぼ2
倍になるように設定されており、さらに、後置ミラー1
2で形成される光源のフィラメント像がフィラメント自
身からわずかにずれるように後置ミラー12の光軸方向
が設定されている。このような設計は、光源エネルギ−
の利用効率を高めるためのものである。
【0042】光源6からの光は前置ミラー10と凸レン
ズ14により、凸レンズ14の後ろに一次結像される。
その位置には必要に応じて、光束を制限するマスク15
が配置される。その一次結像された光の像は球面ミラー
18により音響光学素子4の入射面に二次結像する。ミ
ラー16は光路を曲げるだけの平面鏡である。ミラー1
0,12、レンズ14、ミラ−16,18を含む光学系
により、光源光が音響光学素子4の入射面に対し平行光
となって垂直に入射する。音響光学素子4へ二次結像し
て入射する光束の伝播角度とそのスポット径の許容値
は、音響光学素子4の音響光学結晶で決まる。例えば、
伝播角度の許容度は約6°であり、スポット径は10m
m以下である。音響光学素子4に入射する光束の伝播角
度とそのスポット径が音響光学素子4により決まる許容
度の範囲内に収まるように、各ミラー10,12,18
の曲率、レンズ14の焦点距離、それらの大きさ、位置
や角度が設定されている。
【0043】例えば、伝播角度の許容度が6°であれ
ば、光軸が音響光学素子4の入射面に垂直入射する光束
中の全ての光線の伝播角度が0〜±6°の範囲に入るよ
うに、光学系が調整されている。また、音響光学素子4
へに入射光のスポット径が許容値より大きくなる場合に
は、マスク15を設けてスポット径を制限する。前置ミ
ラー10と後置ミラ−12は、球面ミラ−に限られるも
のではなく、例えば放物面鏡であってもよい。ミラー1
0,12は音響光学素子4への入射光の平行度やスポッ
ト径の許容幅に応じて設計することができる。
【0044】図5は照射光学系の一例を示したものであ
る。光源室2及び音響光学素子4は図3に示されたもの
である。音響光学素子4からの0次光26、+1次回折
光22及び−1次回折光24は集光光学系としてのレン
ズ20によりそれぞれが集光される。+1次回折光22
と−1次回折光24及び0次光26はそれぞれの光軸が
異なっており、+1次回折光22と−1次回折光24の
光路上にはそれぞれプリズム28,30が配置されて光
路の方向が変えられ、それぞれの光路上には分岐光ファ
イバの分岐した端部32,34が入射端としてそれぞれ
配置されている。音響光学素子4から発生する0次光2
6、+1次回折光22及び−1次回折光24は、それぞ
れがほぼ平行光であるため、レンズ20の焦点面上に集
光する。分岐光ファイバの分岐した端部32,34は、
それぞれレンズ20の焦点面上に配置されている。+1
次回折光22と−1次回折光24の光路は、空間的な位
置を互いに離すためにそれぞれプリズム28,30によ
り曲げられており、照射光学系220の分岐光ファイバ
の分岐した端部32,34はそれぞれの曲げられた光路
上に配置されている。分岐光ファイバの端部32,34
に入射した+1次回折光22と−1次回折光24は、そ
の分岐光ファイバの他端で同一光軸上に合成された後に
測定対象物に照射される。
【0045】+1次回折光22、−1次回折光24、及
び0次光26は、互いに光軸が異なっているとはいえ、
空間的に接近しているため、+1次回折光22と−1次
回折光24の光路を変えるのにプリズム28,30を用
い、0次光がそれぞれの光路に混入するのを抑えてい
る。+1次回折光22と−1次回折光24の光路を変え
るのにプリズムに代えてミラーを用いてもよい。
【0046】図6(A)に照射光学系220で用いられ
る分岐光ファイバの一例を示す。(B)はその分岐光フ
ァイバの分岐した端部の端面図、(C)は合流した端部
の端面図である。この例は一端側が3つの端部32,3
4,36に分岐し、他端部38が1つに合流した3分岐
光ファイバである。ここで用いている光ファイバは、そ
のコア材料がGeO2含有SiO2、コア直径が127±
7μm、クラッド材料がフッ素含有SiO2、クラッド
直径が140±5μmである。各単芯光ファイバの一次
被覆材料はシリコーン樹脂で、一次被覆体の直径は16
5±5μm、開口数NA値は0.35である。分岐した
端部32,34,36ではその光ファイバが束ねられて
バンドルファイバとなっており、それぞれのバンドルフ
ァイバの直径は5mm、それらのバンドルファイバの被
覆材の外径は12mmである。バンドルファイバにおけ
る光ファイバの充填率は約90%である。合流した他端
部38でのバンドルファイバ径は8.7mmであり、被
覆材の外径は19mmである。
【0047】図6(D)はその模式図であり、集合端3
8では3分岐した光ファイバがランダムに集合させられ
ている。分岐した端部32,34からそれぞれ入射した
+1次回折光22と−1次回折光24は、集合端38で
集合する。3分岐した他の1つの端部36は測定対象物
からの透過散乱光が検出器へ導かれるのに使用される。
【0048】図7は音響光学素子の他の例を示したもの
である。光源光学系の光路上には分光波長領域の2つの
音響光学素子4a,4bが直列に配置され、いずれかの
音響光学素子が選択して駆動されるようになっている。
音響光学素子4aと4bでは、互いに異なる波長領域に
回折する特性をもつ音響光学結晶が選択されて使用され
ている。例えば、音響光学素子4aは近赤外領域の回折
光を出射し、音響光学素子4bは可視領域の回折光を出
射するものであるとすれば、音響光学素子4aと4bの
一方を作動させることにより赤外領域と可視領域を選択
することができる。そして、それぞれの波長領域でトラ
ンスデューサからの音響波周波数を選択することによっ
て、赤外から可視にわたる広い波長域での波長を選択す
ることができるようになる。
【0049】音響光学素子4a,4bから発生する回折
光の0次光、+1次回折光及び−1次回折光はそれぞれ
がほぼ平行光であるため、音響光学素子4a,4bから
の回折光上に共通の集光レンズを配置することにより、
音響光学素子4aからの回折光と音響光学素子4bから
の回折光を共通の集光レンズの焦点面上に集光させるこ
とができる。その集光面上に、図5のような分岐光ファ
イバの分岐した端部を配置することにより、音響光学素
子4aからの回折光も音響光学素子4bからの回折光も
ともに同じ分岐光ファイバに入射させることができるよ
うになる。
【0050】図8は実施例と従来の分光光度計との光源
としての特性を比較するための測定装置を示したもので
ある。図8(A)は一実施例の配置を示したものであ
り、音響光学素子4からの+1次、−1次回折光はそれ
ぞれ3分岐光ファイバのそれぞれの入射端32,34に
入射し、集合端38からFTIR40に入射して分光さ
れる。FTIR40で分光された光はFTIR40に内
蔵(既存)された検出器(インジウムアンチモン:In
Sb)にて検出される。また0次光は他の光ファイバの
一端42に入射し、その光ファイバの他端44から他の
PbS素子48に入射して光源強度の変動をモニタする
モニタ光として検出される。音響光学素子4からの+1
次と−1次回折光のうちの一方のみを使用し、他方を遮
光するようにしてもよい。
【0051】一方、図8(B)に示される従来の分光光
度計はその内部に光検出器を備えている。分光部(本
体)50からの出射光は2分岐光ファイバの分岐した一
端52に入射して集合端56からFTIR40に入射
し、分光される。FTIR40で分光された光はFTI
R40に内蔵された検出器にて検出され、その光強度が
検出される。
【0052】図9は一実施例による第1のスペクトルで
あり、図8(A)の測定系を用い、+1次回折光と−1
次回折光のうち、入射端34に−1次回折光を入射さ
せ、他方の入射端32には回折光は入射しないように遮
光した状態で、音響光学素子4の音響周波数を変化させ
て波長走査を行なって得たスペクトルである。スペクト
ルの図の縦軸はエネルギーを表わしており、E-01,E+
00,E+01はそれぞれ10-1,100,101を表わして
いる。
【0053】図10は図9のスペクトルの縦軸の感度を
上げたものであり、下部に連続スペクトルとして現われ
ているのは0次光成分である。
【0054】図11は一実施例による第2のスペクトル
であり、図8(A)の測定系において、+1次回折光と
−1次回折光をともに入射させ、合成して測定したとき
のスペクトルである。図9のスペクトルと比較すると、
エネルギー強度が大きくなっていることがわかる。原則
として、図11のスペクトル強度は図9のスペクトル強
度の約2倍となる。
【0055】図12は比較例によるスペクトルであり、
図8(B)に示された市販の分光光度計の1次回折光ス
ペクトルを表わしたものである。縦軸の目盛を図9や図
11の実施例ものと比較すれば明らかなように、エネル
ギー強度が小さい。
【0056】図13は図12のスペクトルの縦軸の感度
を図10の実施例のものと同じ大きさに上げて測定した
ものである。実施例に比べて0次光の混入が多いことも
わかる。
【0057】図14は実施例における+1次回折光と±
1次回折光のピークエネルギー(ピーク高さ)を比較し
たものであり、+1次回折光と−1次回折光を合成した
±1次回折光のピークエネルギーは+1次回折光のピー
クエネルギーの約2倍になっていることがわかる。
【0058】図15は実施例における+1次回折光と比
較例の従来の装置の1次回折光のピークエネルギーを比
較したものであり、ピークエネルギーは実施例の方が比
較例よりはるかに大きいことがわかる。
【0059】図16は実施例における±1次回折光と比
較例の従来の装置の1次回折光のピークエネルギーを比
較したものであり、ピークエネルギーは実施例の方が比
較例よりさらに大きいことがわかる。
【0060】図17は実施例における各波長での+1次
回折光と±1次回折光の、出力光に対する1次回折光の
ピーク面積比を示したものである。1次回折光のピーク
面積比とは、+1次回折光や±1次回折光のエネルギー
が出力光エネルギー(音響光学素子から出力される全て
の光エネルギーで、±1次回折光や混入する0次光も含
む)に対してどれだけの割合を占めているかを、それぞ
れ面積比を用いて示したものである。「1次回折光のピ
ーク面積比」の意味は、図18、図19でも同じであ
る。+1次回折光と−1次回折光の一方のみを用いるよ
りも両方を合成して用いる方が1次回折光の純度が高ま
っている。
【0061】図18は実施例における各波長での+1次
回折光と比較例の従来の装置の1次回折光で、出力光に
対する1次回折光のピーク面積比(純度)を比較して示
したものである。実施例の方が1次回折光の純度が高い
ことがわかる。
【0062】図19は実施例における各波長での±1次
回折光と比較例の従来の装置の1次回折光の出力光に対
する1次回折光のピーク面積比を示したものである。1
次回折光の純度は実施例の方が比較例よりさらに高まっ
ていることがわかる。
【0063】図20は光検出装置204の一例を概略的
に表わしたものである。音響光学素子4により変調され
た1次回折光の測定光Aと、同様に変調された0次光の
参照光Bが、それぞれの検出素子101,102で受光
される。検出素子101,102は例えばPbS素子で
ある。検出素子101,102の検出出力は、複数の異
なる増幅度の信号を出力する増幅器103,104にそ
れぞれ入力されて増幅される。増幅器103,104そ
れぞれからの増幅度の異なる複数の出力信号がA/D変
換器106を経てデータ処理部107に取り込まれる。
105は増幅器103,104の電源装置である。
【0064】データ処理部107はA/D変換器106
の複数の出力信号を入力し、それらの信号のうちで増幅
器103,104又はA/D変換器106の値が飽和せ
ず、かつ増幅度の最も大きいものを選択するチャネル選
択手段、その選択された信号を測定光を変調した変調周
波数で同期信号処理する同期信号処理手段、及びその同
期信号処理された信号を積分する積分手段を少なくとも
備えている。
【0065】図21は図20における検出素子101又
は102で検出された信号がデータ処理部107で処理
されるまでの信号処理の流れを詳細に示した図である。
検出素子101、増幅器103及び電源105による回
路構成と、検出素子102、増幅器104及び電源10
5による回路構成は同一であり、図21のPbS素子1
11は図20の検出素子101又は102に対応し、図
21のPbS素子バイアス回路110及び入力バッファ
回路112からオペアンプ122までの構成部分は図2
0の増幅器3又は4に対応する。PbS素子バイアス回
路110はPbS素子111に定電流を供給するために
設けられている。変調光を受けたPbS素子111の出
力電圧変動は入力バッファ回路112に入力される。電
圧−電流変換回路114は入力バッファ回路112の出
力電圧変動を抵抗素子によって電流変動に変換する。電
流−電圧変換回路118は電圧−電流変換回路114に
よる電流変動をカレントミラー回路116を経て入力
し、抵抗素子により所定の倍率に増幅した電圧変動に変
換するものである。オペアンプ122は電流−電圧変換
回路118の電圧変動出力を出力バッファ回路120を
経由して入力し、複数の異なる倍率の信号をA/D変換
器106に出力し、データ処理部107により測定値が
算出される。
【0066】この増幅器の各部をさらに詳細に説明す
る。バイアス回路110は定電流源として動作し、Pb
S素子111に最大14Vのバイアス電圧を供給する。
バイアス回路110の一例は、図22に示されるよう
に、電流設定抵抗130により電流が設定されるカレン
トミラー定電流回路132であり、PbS素子111に
一定のバイアス電流を供給する。PbS素子111に流
れるバイアス電流は、例えば次の式のように電流設定抵
抗Rsにより設定される。 バイアス電流=14.0/Rs[A] ただし、Rs>PbS素子暗抵抗である。
【0067】図21に戻って説明する。PbS素子11
1に光が入射すると、その抵抗値が変化し、PbS素子
111の両端には素子の抵抗値に比例した電圧降下が起
きる。入力バッファ回路112はPbS素子111の電
圧降下を入力信号とするものである。入力バッファ回路
112の入力部はNチャネルFETによるソースフォロ
ワ回路、出力部はバイポーラトランジスタによるエミッ
タフォロワ回路となっており、増幅度=1倍、高入力イ
ンピーダンス、低出力インピーダンス回路となってい
る。
【0068】電圧−電流変換回路114は固定抵抗のみ
で構成される。入力バッファ回路112の出力電圧をV
o、入力バッファ回路112の出力抵抗をRio、カレン
トミラー回路116の入力抵抗をRci、電圧−電流変換
回路114の抵抗をRviとすると、カレントミラー回路
116への入力電流は以下のようになる。 カレントミラー回路入力電流=Vo/(Rio+Rvi+Rc
i) カレントミラー回路116は低入力インピーダンス、高
出力インピーダンス、電流増幅度=1倍の電流バッファ
として動作する。
【0069】電流−電圧変換回路118は固定抵抗のみ
で構成され、カレントミラー回路116の出力電流をI
o、出力バッファ回路120の入力抵抗をRoi、電流−
電圧変換回路118の抵抗をRivとすると、出力バッフ
ァ回路120の入力電圧は以下のようになる。 出力バッファ入力電圧=Io・Riv・Roi/(Riv+Roi) 出力バッファ回路120はバイポーラトランジスタによ
るエミッタフォロワ回路となっており、増幅度=1倍、
高入力インピーダンス、低出力インピーダンス回路とな
っている。
【0070】出力バッファからの出力を分岐して4つの
オペアンプ122に入力する。オペアンプ122は非反
転増幅器として用い、4つの増幅率(1,5,25,1
00倍)で出力する増幅回路を構成する。DCサーボ回
路124は出力バッファ回路120に過大なDCオフセ
ット及びドリフトが生じた場合に回路を構成する素子の
破損を防止するために、DC領域の負帰還をかけるもの
である。
【0071】図21に示される増幅器で、オペアンプ1
22からの出力電圧(アンプ出力電圧)は、PbS素子
111の抵抗Rdに対して以下の式で表わされる。 アンプ出力電圧=(Vb・Rd/Rs)×[{Riv・Roi/(Riv+Roi)}/
(Rio+Rvi+Rci)]×(オヘ゜アンフ゜増幅度) Vb:バイアス回路電圧(バイアス電流設定抵抗両端の
電圧) Rd:PbS素子抵抗(Ω) Rs:バイアス電流設定抵抗(Ω) Rio:入力バッファ出力抵抗(Ω) Rvi:電圧−電流変換抵抗(Ω) Rci:カレントミラー回路入力抵抗(Ω) Riv:電流−電圧変換抵抗(Ω) Roi:出力バッファ入力抵抗(Ω)
【0072】通常、Rvi≫(Rio+Rci)、Riv≪Roiで
あるため、アンプ出力電圧は次のようになる。 アンプ出力電圧≒(Vb・Rd/Rs)×(Riv/Rvi)×(オヘ゜アンフ゜増
幅度)
【0073】図23にデータ処理部107の機能をブロ
ック図として示す。データ処理部107はデータファイ
ルに格納したPbS素子出力データに、同期信号処理を
行ない、その結果をデータファイルに格納する。図20
では検出素子101,102の2系統で同様のデータ処
理がなされる。
【0074】チャネル選択手段140は、測定信号と参
照信号についてのそれぞれの系統で、複数のアナログ入
力チャネルから、信号が飽和せず、かつ図20に示す増
幅器103又は104からの最大のアナログ入力チャネ
ルのデータを選択し、実数に変換して指定されたバッフ
ァに格納する。チャネル選択は、16ビット分解能のA
/Dデータが”8000H”又は”7FFFH”の場合
にA/Dデータが飽和していると判定する。A/Dデー
タの整数型から実数型への変換は以下に示す式で行な
う。 実数データ=(整数テ゛ータ)×(10.0/32768)×(補正増幅度)
×(キャリフ゛レーションテ゛ータ)
【0075】図21に示すオペアンプ122からA/D
変換器106へのアナログ入力チャネルが測定信号と参
照信号の各系統でそれぞれ4チャネルずつあり、各系統
でのアンプ増幅度がチャネル0で100000倍、チャ
ネル1で25000倍、チャネル2で5000倍、チャ
ネル3で1000倍とすれば、補正増幅度はそれぞれ
0.01,0.04,0.2,1.0となる。
【0076】キャリブレーションデータは各入力間の増
幅度の誤差を補正するものである。アンプに一定振幅の
信号を入力したときのアンプの増幅度の異なる複数の出
力を比較し、その結果を増幅度の異なる出力間の機差を
キャリブレーションデータとして保存する機差保存手段
を備えている。その機差保存手段に保存された機差によ
りアンプの出力を補正する増幅器出力補正手段をさらに
備えている。
【0077】高いサンプル周波数で測定したデータはサ
ンプリング周波数が高いため、単位時間当りのデータ量
が多くなる。そこで、チャネル選択手段140で選択さ
れた信号から高周波成分を除去するローパスフィルタ手
段142と、ローパスフィルタ手段142を経た信号列
から単位数ごとに抽出した値を信号値とするデータ間引
き手段144とを備えている。間引き処理により少ない
データ量で処理できるようになる。
【0078】間引き処理によって見かけのサンプリング
周波数が小さくなるため、測定値の周波数スペクトルに
サンプリング周波数に対応したエイリアシング・ノイズ
のスペクトルが重なる。A/D変換直後の周波数スペク
トルはサンプリング周波数Fsの周期でFsの整数倍の周
波数を中心として周期的に分布している。この信号に対
して、例えば1/2間引きを行なうと、サンプリング周
波数Fsを中心としたスペクトルが、Fs/2を中心と
したスペクトルに変化する。その結果、Fs/2を中心
とするエイリアシング・ノイズがノイズ成分として信号
帯域に現われ、S/N比を下げてしまう。間引き処理の
前にローパスフィルター処理を行なうのはそれを防ぐた
めである。
【0079】間引きされたデータから信号の変調周波数
成分のみを抽出するため、同期信号処理手段148によ
る同期信号処理を行ない、変調周波数成分のみを精度よ
く抽出する。同期信号処理を行なう前に、変調周波数に
通過帯域をもつバンドパスフィルタを用いることによっ
て同期信号処理のS/N比の向上を図っている。
【0080】また、同期信号処理を行なう前には信号の
周波数が変調周波数からずれることがあるので、そのず
れを補正することにより同期信号処理の精度を向上させ
ることができる。周波数ずれ補正手段150は、同期信
号処理手段148に入力する信号の周波数と変調周波数
とのずれを測定し、その結果に基づいて同期信号処理手
段148の同期周波数を補正する。この補正では、入力
信号が正から負、又は負から正に変化する点(ゼロクロ
ス点)を求め、そのゼロクロス点の間隔から入力信号の
周波数を求める。その周波数を局部発信周波数と決定す
ることによって同期精度のよい同期信号処理が実現され
る。同期信号処理により変調された信号から定数値(直
流成分)を必要とするため、ローパスフィルタ手段15
2によって高周波成分を除去しておく。
【0081】ローパスフィルタ手段152を経たデータ
はデジタル積分手段154により積分される。積分によ
り測定信号の振幅値が求められる。積分は、その時定数
が大きいほど精度が高いが、時間がかかる。そのため、
あらかじめ小さな時定数で真値に近い値で計算を収束さ
せ、次に、その値を初期値として大きい時定数で収束さ
せることによって、計算速度を向上させる。積分された
データは記憶装置156に保存される。
【0082】計測器で増幅器の電源電圧を実測し、あら
かじめ設定した基準電圧との比をとって補正すれば、測
定値の絶対値のずれを補正することができる。そのた
め、アンプの電源電圧を測定し、予め設定した基準電圧
との比によって測定結果を補正する測定結果補正手段を
さらに備えている。このデータ処理は、測定光と参照光
についてそれぞれ独立して行われている。測定光検出信
号のデータ処理結果を参照光検出信号のデータ処理結果
で割算して補正することにより、測定値のドリフト成分
を除去する。
【0083】図24のフローチャート図により、データ
処理部における動作をまとめて示す。アンプからの増幅
度の異なる複数の出力をA/D変換し、そのうち信号が
飽和せず、かつ増幅度が最大のものを選択する。その選
択された信号にローパスフィルタ処理を施した後、単位
数ごとに抽出した値を信号値とするデータ間引き処理を
施す。間引きされたデータからランダムノイズを除去す
るために、バンドパスフィルタ処理を経て同期信号処理
を施す。同期信号処理においては信号の周波数と変調周
波数とのずれを測定して同期周波数を補正する。同期信
号処理された信号からローパスフィルタ処理により高周
波成分を除去した後、積分処理を施し、データを保存す
る。
【0084】
【発明の効果】本発明は、測定対象物へ光を照射する光
源側では光源光学系を調整することにより音響光学素子
から出射する+1次回折光及び−1次回折光の純度を高
め、音響波トランスデューサから音響光学結晶に与える
音響波周波数を変化させて分光を行ない、音響波トラン
スデューサの駆動信号の強度変調により音響光学素子か
らの出力光を変調させる。その測定対象物による透過散
乱光を測定光として受光し検出する検出側では測定光の
変調周波数においてロックイン処理に相当する同期信号
処理を施して変調周波数成分のみを精度よく抽出し、ま
た検出信号を異なる複数の増幅度で同時に増幅し、その
信号のうち飽和することなく、最大に増幅された信号を
選択することによってパルスノイズの発生を抑えてい
る。これにより、散乱性物質中の特定物質を高精度に非
侵襲的に測定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】FTIRによる水の吸収スペクトルを示す図で
ある。
【図2】一実施例を概略的に示すブロック図である。
【図3】一実施例における光源室と音響光学素子を示す
概略平面図である。
【図4】光源室内の光学系を示す図であり、(A)は平
面図、(B)は正面図である。
【図5】一実施例における光源室、音響光学素子及び照
射光学系を示す概略平面図である。
【図6】(A)は照射光学系で用いられる分岐光ファイ
バの一例を示す概略正面図、(B)はその分岐した端部
の端面図、(C)は合流した端部の端面図、(D)はそ
の動作を示す略線図である。
【図7】他の実施例における音響光学素子を示す概略平
面図である。
【図8】(A)は一実施例における特性測定用の光学系
を示す配置図、(B)は従来のAOTF装置である分光
光度計の特性測定用の光学系を示す配置図である。
【図9】図8(A)の実施例の測定装置を用い、−1次
回折光のみを入射させて測定したスペクトルを示す図で
ある。
【図10】図9のスペクトルの縦軸の感度を上げて示し
たものである。
【図11】図8(A)の実施例の測定装置を用い、−1
次回折光と+1次回折光の両方を入射させて測定したス
ペクトルを示す図である。
【図12】図8(B)に示された従来の分光光度計の1
次回折光スペクトルを示す図である。
【図13】図12のスペクトルの縦軸の感度を上げて示
したものである。
【図14】実施例における+1次回折光と±1次回折光
のピークエネルギーを比較して示す図である。
【図15】実施例における+1次回折光と比較例の1次
回折光のピークエネルギーを比較して示す図である。
【図16】実施例における±1次回折光と比較例の1次
回折光のピークエネルギーを比較して示す図である。
【図17】実施例における+1次回折光と±1次回折光
の出力光に対する1次回折光のピーク面積比を示す図で
ある。
【図18】実施例における+1次回折光と比較例の1次
回折光の出力光に対する1次回折光のピーク面積比を示
す図である。
【図19】実施例における±1次回折光と比較例の1次
回折光の出力光に対する1次回折光のピーク面積比を示
す図である。
【図20】一実施例における光検出装置部分を概略的に
示すブロック図である。
【図21】アンプを示すブロック図である。
【図22】PbS素子のバイアス回路の一例を示すブロ
ック図である。
【図23】データ処理部の機能を示すブロック図であ
る。
【図24】データ処理部の動作を示すフローチャート図
である。
【符号の説明】
4 音響光学素子 6 光源 8 光源の光軸 10 前置ミラー 12 後置ミラ− 14 レンズ 16,18 ミラ− 20 レンズ 22,24 1次回折光 26 0次光 28,30 プリズム 32,34,36 分岐光ファイバの分岐した端部 38 分岐光ファイバの集合端 101,102 検出素子 103,104 増幅器(アンプ) 105 電源 106 A/D変換器 107 データ処理部(コンピュータ) 110 バイアス回路 111 PbS素子 112 入力バッファ回路 114 電圧−電流変換回路 116 カレントミラー回路 118 電流−電圧変換回路 120 出力バッファ回路 122 オペアンプ 124 DCサーボ回路 130 電流設定抵抗 132 カレントミラー定電流回路 140 チャネル選択手段 142 ローパスフィルタ手段 144 データ間引き手段 146 バンドパスフィルタ手段 148 同期信号処理手段 150 周波数ずれ補正手段 152 ローパスフィルタ手段 154 デジタル積分手段 156 記憶装置 200 測定対象物 202 光源装置 204 光検出装置 206 制御部 214 音響光学素子駆動装置 220 照射光学系 222,224 光ファイバ 230 受光部 242 出力装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深田 桂一 京都府京都市南区東九条西明田町57番地 株式会社京都第一科学内 (72)発明者 徐 可欣 京都府京都市南区東九条西明田町57番地 株式会社京都第一科学内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物に光を照射する光源装置と、
    その測定対象物による透過散乱光を測定光として受光し
    検出する光検出装置と、前記光源装置及び光検出装置の
    動作を制御する制御部とを備えた光学的測定装置におい
    て、 前記光源装置は、光源と、音響光学結晶に音響波トラン
    スデューサを備えた分光素子としての音響光学素子と、
    前記音響波トランスデューサから音響光学結晶に与える
    音響波周波数を変化させて分光を行ない、前記音響波ト
    ランスデューサの駆動信号の強度変調により音響光学素
    子の出力光を変調させる音響光学素子駆動装置と、前記
    光源からの光を前記音響光学素子の窓口のサイズより小
    さい光束で、かつ前記音響光学素子の許容角度よりも小
    さい伝播角度をもった光線として前記音響光学素子に入
    射させる光源光学系と、前記音響光学素子から出射した
    +1次回折光及び−1次回折光をそれぞれ互いに空間的
    に異なる位置に集光する集光光学系と、前記集光光学系
    により集光された+1次回折光と−1次回折光のうちの
    少なくとも一方を測定対象物に照射する照射光学系とを
    備え、 前記光検出装置は、変調された測定光に応じた信号を出
    力する検出素子と、前記検出素子の出力を入力し、複数
    の異なる増幅度の信号を同時に出力する増幅器と、前記
    増幅器の増幅度の異なる複数の出力信号をそれぞれデジ
    タル信号に変換するA/D変換器と、前記A/D変換器
    の複数の出力信号を入力し、それらの信号のうちで前記
    増幅器又は前記A/D変換器の値が飽和せず、かつ増幅
    度の最も大きいものを選択するチャネル選択手段、その
    選択された信号を測定光を変調した変調周波数と同期し
    た発振信号と重ね合わせる同期信号処理手段、及びその
    同期信号処理された信号の積分により測定値を求める積
    分手段を備えたデータ処理部とを備えたものであること
    を特徴とする光学的測定装置。
  2. 【請求項2】 前記光源光学系は前記光源の光軸上の前
    方に配置され光源からの光を前記音響光学素子方向に反
    射する前置ミラーと、前記前置ミラーの鏡面を前記音響
    光学素子の入射面と共役の関係にする光学系とを備えて
    いる請求項1に記載の光学的測定装置。
  3. 【請求項3】 前記光源光学系は前記光源の光軸上の後
    方に配置され光源からの光を前記前置ミラー方向に反射
    する後置ミラーをさらに備えている請求項2に記載の光
    学的測定装置。
  4. 【請求項4】 前記照射光学系は前記集光光学系により
    集光された+1次回折光と−1次回折光を同一光軸上に
    合成して測定対象に照射する光学系である請求項1から
    3のいずれかに記載の光学的測定装置。
  5. 【請求項5】 前記照射光学系として一端部が少なくと
    も2つに分岐し、他端部が1つに合流した分岐光ファイ
    バが使用され、 前記集光光学系により集光された+1次回折光と−1次
    回折光が前記分岐光ファイバの分岐したそれぞれの端部
    に入射し、合流した他端部から出射した光が測定対象物
    に照射される請求項4に記載の光学的測定装置。
  6. 【請求項6】 前記照射光学系として一端部が3つに分
    岐し、他端部が1つに合流した分岐光ファイバが使用さ
    れ、 前記集光光学系により集光された+1次回折光と−1次
    回折光が前記分岐光ファイバの分岐した3つの端部のう
    ちの2つの端部にそれぞれ入射され、合流した他端部か
    らの出射光の測定対象物による透過散乱光が前記合流し
    た他端部に再び入射し分岐した3つの端部のうちの残り
    の1つの端部により光検出器に導かれる請求項5に記載
    の分光光源装置。
  7. 【請求項7】 前記照射光学系で+1次回折光又は−1
    次回折光が入射する端部は前記集光光学系の焦点面に設
    置されている請求項1から6のいずれかに記載の光学的
    測定装置。
  8. 【請求項8】 前記光源光学系の光路上に分光波長領域
    の異なる複数の音響光学素子が直列に配置され、いずれ
    かの音響光学素子が選択して駆動される請求項1から7
    のいずれかに記載の光学的測定装置。
  9. 【請求項9】 前記増幅器は、前記検出素子の変調出力
    を入力する入力バッファ回路と、 前記入力バッファ回路の出力電圧変動を抵抗素子によっ
    て電流変動に変換する電圧−電流変換回路と、 前記電圧−電流変換回路による電流変動を抵抗素子によ
    り所定の倍率に増幅した電圧変動に変換する電流−電圧
    変換回路と、 前記電流−電圧変換回路の電圧変動出力を出力バッファ
    回路を経由して入力し、複数の異なる倍率の信号を出力
    する増幅回路とを備えている請求項1に記載の光学的測
    定装置。
  10. 【請求項10】 前記データ処理部は、前記チャネル選
    択手段と前記同期信号処理手段との間に、前記チャネル
    選択手段で選択された信号から同期信号処理に不要な高
    周波成分を除去するローパスフィルタ手段と、そのロー
    パスフィルタ手段を経た信号列から単位数ごとに一定間
    隔で抽出した値を信号値とするデータ間引き手段とをさ
    らに備えた請求項1又は9に記載の光学的測定装置。
  11. 【請求項11】 前記同期信号処理手段はその前段に前
    記変調周波数を通過させるバンドパスフィルタ手段をさ
    らに備えている請求項1,9又は10に記載の光学的測
    定装置。
  12. 【請求項12】 前記同期信号処理手段に入力する信号
    の周波数と前記変調周波数とのずれを測定し、その結果
    に基づいて前記同期信号処理手段の同期周波数を補正す
    る周波数ずれ補正手段をさらに備えている請求項1,
    9,10又は11に記載の光学的測定装置。
  13. 【請求項13】 前記同期信号処理手段と前記積分手段
    との間に積分処理に不要な高周波成分を除去するローパ
    スフィルタ手段をさらに備えている請求項1,9,1
    0,11又は12に記載の光学的測定装置。
  14. 【請求項14】 前記積分手段は適当な積分時定数で適
    当な時間の積分処理を行なってその結果を初期値とし、
    その積分時定数より大きな積分時定数で再度積分処理を
    行なうものである請求項1,9,10,11,12又は
    13に記載の光学的測定装置。
  15. 【請求項15】 前記増幅器に一定振幅の信号を入力し
    たときのその増幅器の増幅度の異なる複数の出力を比較
    し、その結果を増幅度の異なる出力間の機差として保存
    する機差保存手段と、その機差保存手段に保存された機
    差により前記増幅器の出力を補正する増幅器出力補正手
    段をさらに備えている請求項1,9,10,11,1
    2,13又は14に記載の光学的測定装置。
  16. 【請求項16】 前記増幅器の電源電圧を測定し、予め
    設定した基準電圧との比によって測定結果を補正する測
    定結果補正手段をさらに備えている請求項1,9,1
    0,11,12,13,14又は15に記載の光学的測
    定装置。
  17. 【請求項17】 前記検出素子及び増幅器が測定光検出
    用と参照光検出用にそれぞれ設けられ、前記A/D変換
    器は測定光検出信号と参照光検出信号をともにデジタル
    信号に変換するものであり、前記データ処理部は参照光
    検出信号についても同様のデータ処理を行ない、測定光
    検出信号のデータ処理結果を参照光検出信号のデータ処
    理結果で割算して補正するものである請求項1,9,1
    0,11,12,13,14,15又は16のいずれか
    に記載の光学的測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013063062A (ja) * 2011-09-02 2013-04-11 Arkray Inc 核酸検出装置、方法、及びプログラム

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