JPH10185095A - 液化ガス充填方法及び装置 - Google Patents

液化ガス充填方法及び装置

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JPH10185095A
JPH10185095A JP35395896A JP35395896A JPH10185095A JP H10185095 A JPH10185095 A JP H10185095A JP 35395896 A JP35395896 A JP 35395896A JP 35395896 A JP35395896 A JP 35395896A JP H10185095 A JPH10185095 A JP H10185095A
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JP
Japan
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container
liquefied gas
filling
filled
gas
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JP35395896A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Furumoto
俊明 古本
Ichiro Asada
一郎 浅田
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Mishima Kosan Co Ltd
Original Assignee
Mishima Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液封を生じることなく、充填元容器から被充
填容器に適量の液化ガスを充填できると共に、安価に製
作することができる液化ガス充填方法及び装置をを提供
する。 【解決手段】 液化ガス13を充填する充填元容器11
から、充填元容器11内の内部圧を利用して、液化ガス
13をサイフォン管23を通して気密状態で充填元容器
11から取り出すと共に、傾斜状態に配置された被充填
容器16の液化ガス流入開口19を通して被充填容器1
6内に気密状態で充填し、液化ガス13の充填と入れ替
わりに被充填容器16内に滞留している気化ガスの殆ど
をサイフォン管23を通して逆流させ、サイフォン管2
3の中途に取付けられているガス抜き弁29を通して外
部に排出すると共に、気化ガスの一部は被充填容器16
の上部に形成される空隙38に保持するようにしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、大型のボン
ベ等の充填元容器から小型の容器である被充填容器に、
高圧ガス取締法に定める高圧ガスに該当する液化ガスを
再充填するのに用いる液化ガス充填方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高圧ガスの圧力容器である充填元容器か
ら同様に他の圧力容器である被充填容器に液化ガスを充
填する方法として、図7に示す液化ガス充填方法があ
る。即ち、図7(a)に示すように、支持脚70の頂部
に容器載置板71を揺動自在に取付けている倒立台72
の近傍まで持ち運ばれてきた充填元容器73は、図7
(b)に示すように、倒立台72の容器載置板71上に
載置され、その後、図7(c)に示すように倒立させら
れる。また、充填元容器73の液化ガス流出開口73a
は、充填元容器73より低い位置に配置されている被充
填容器74の流入開口75にフレキシブルホース76を
介して連通連結される。かかる構成によって、開閉弁7
7を開くと、重力の作用によって、充填元容器73から
被充填容器74内に液化ガスが充填されることになる。
【0003】しかし、この液化ガス充填方法は、充填元
容器73の倒立によって、充填元容器73の安全弁78
が気相側から液相側に位置するようになるため、万一安
全弁78が作動したときに液化ガスが外部に噴出するこ
とになり、高圧ガス取締法に抵触するおそれがある。ま
た、この液化ガス充填方法では、被充填容器74が液化
ガスの液相部によって完全に満たされて気相部の無いい
わゆる液封状態を生じるおそれがある。即ち、再充填の
場合、被充填容器74には5〜10%の空隙によって気
相部を設けて充填しないと、例えば、液化ガスが液化フ
ロン134aの場合、気温20℃と気温35℃の比容積
では5%の差異があるため、液封状態が生じた場合に
は、被充填容器74に充満した液化ガスの液相部の膨張
力で容器が破裂するなどの重大事故を生じるおそれがあ
る。従って、図7に示すような液化ガス充填方法では、
充填の際に、被充填容器74の下に荷重測定用の秤79
を置いて被充填容器74の重量を測定し、液化ガスを充
填しすぎた場合はガス抜きを行うようにしている。従っ
て、充填作業は煩雑なものとなる。
【0004】また、このような液化ガス充填方法では、
充填元容器73内の液化ガスの液相部が途中で無くなっ
て気相部だけになっても確かめることができない。な
お、安全弁78を開いて大気中に液化ガスを放出すれば
確認できるが、高価なガスが無駄になるだけでなく、可
燃性ガスの場合は爆発の恐れがあり放出できない。
【0005】そこで、高圧ガス取締法の規定に沿った安
全な充填を行うための液化ガス充填装置として、被充填
容器の内部を真空ポンプで減圧し、大気圧との差圧で予
め計量済の一定量の液化ガスを充填して空隙を設ける差
圧充填が一般に行われており、スプレー缶を製造する事
業所の充填装置として使われている。なお、近年、使用
済スプレー缶の廃棄物がスプレー缶を大量に使用するユ
ーザーで問題となり、スプレー缶のリサイクル使用のニ
ーズがある。しかし高圧ガス取締法で、極く一部の例外
を除いて通常のスプレー缶(450cc前後)に再充填
することは禁じられており、また一般のユーザーが購入
できるような安価な充填装置もない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した液化
ガス充填装置は、未だ、以下の解決すべき課題を有して
いた。即ち、この液化ガス充填装置においては、充填元
容器から被充填容器への流体経路の中途で液化ガスが常
温で気化するためにガス溜まりが生じ、このガス溜まり
は液化ガスの流動を妨げ、充填の障害になることがあ
る。このため、液化ガス充填装置は、真空ポンプの他に
電磁弁やセンサを組み込んでおり、かつ、それらの動作
制御を制御装置によって行わせることによって、必要に
応じて流体経路の途中のガス抜きを行いながら、充填元
容器から被充填容器に至る一連の充填作業を自動的に行
うようにしている。しかし、このような液化ガス充填装
置は構造が著しく複雑となるため、その製作費を高いも
のとしていた。
【0007】また、上記した高圧ガス取締法で、市販の
スプレー缶を再充填使用することはフロン134a等の
極く一部の例外を除いて禁じられている。またスプレー
缶以外の容器に高圧ガスを再充填する場合も、100c
c以上の容器については高圧ガス取締法の細かい規定に
沿った容器以外では再充填は認められない。そこで本発
明に用いられる被充填容器は、スプレー缶ではない10
0cc未満の再充填しても高圧ガス取締法に抵触しない
容器、あるいは前述のフロン134a等の高圧ガス取締
法の適用外の容器を対象としている。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、液封を生じることなく、充填元容器から被
充填容器に適量の液化ガスを充填できると共に、安価に
製作することができる液化ガス充填方法及び装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の液化ガス充填方法は、液化ガスを充填する充填元
容器から、該充填元容器内の内部圧を利用して、前記液
化ガスをサイフォン管を通して気密状態で前記充填元容
器から取り出すと共に、傾斜状態に配置された被充填容
器の液化ガス流入開口を通して該被充填容器内に気密状
態で充填し、前記液化ガスの充填と入れ替わりに前記被
充填容器内に滞留している気化ガスの殆どを前記サイフ
ォン管を通して逆流させ、該サイフォン管の中途に取付
けられているガス抜き弁を通して外部に排出すると共
に、該気化ガスの一部は前記被充填容器の上部に形成さ
れる空隙に保持する。
【0010】請求項2記載の液化ガス充填装置は、一定
の内部圧の下で液化ガスを充填する気密状態の充填元容
器と、上部に内部から外部に向けて付勢される逆止弁を
内蔵する液化ガス流入開口を具備する気密状態の被充填
容器と、一端が前記充填元容器内に充填されている前記
液化ガス中に浸漬されると共に、他端に内側から外側に
向けて付勢される逆止弁を内蔵する液化ガス流出開口を
具備するサイフォン管と、前記被充填容器の液化ガス流
入開口と前記サイフォン管の液化ガス流出開口とを着脱
自在に連結し、連結動作に連動して逆止弁を開け、前記
サイフォン管と前記被充填容器とを連通させる連結手段
と、前記サイフォン管の中途に取付けられ、前記液化ガ
スの前記被充填容器中への充填と入れ替わりに該被充填
容器から前記サイフォン管に逆流してくる気化ガスを外
部に排出するガス抜き弁とを具備する。請求項3記載の
液化ガス充填装置は、請求項2記載の液化ガス充填装置
において、前記被充填容器は傾斜状態に配設され、該被
充填容器内に滞留されている前記気化ガスの一部が該被
充填容器の上部に形成される空隙に保持される。なお、
スプレー缶以外の容器に再充填する場合も100cc以
上の容器については極く一部の例外を除いて取締法の細
かい規定に沿った容器以外再充填は認められない。そこ
で本発明に用いられる被充填容器はスプレー缶ではない
100cc未満の再充填しても高圧ガス取締法に抵触し
ない容器及び高圧ガス取締法の適用外の極く一部の容器
とし、容器にアダプターを接続して従来スプレー缶と同
等の機能を有する代替えスプレーとして利用する。
【0011】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。
【0012】まず、図1を参照して、本発明の一実施の
形態に係る液化ガス充填装置Aの全体構成について説明
する。図示するように、床面10上には充填元容器11
と被充填容器16とが配置されており、これらの容器1
1、16はサイフォン管23によって連通連結され、流
体経路を形成している。また、サイフォン管23の中途
にはガス抜き弁29が取付けられている。
【0013】次に、液化ガス充填装置Aの各部の構成に
ついて説明する。まず、充填元容器11について説明す
ると、図1に示すように、床面10上に設置されている
縦長の充填元容器11は気密容器からなり、その上部に
開閉バルブ12を設けると共に、その内部に、一定の内
部圧(例えば、フロン134aの場合7kg/cm2)
で、液化ガス13を充填している。
【0014】図1に示すように、充填元容器11の近傍
には容器載置台14が設置されており、容器載置台14
上の上部に突設されている容器載置板15上には、傾斜
角度θで傾斜状態に気密容器からなる被充填容器16が
載置されている。被充填容器16は有底筒体からなる容
器本体17とその上面に一体的に突設されている縮径筒
部18から形成されており、縮径筒部18のテーパ状先
部の中央部には液化ガス流入開口19が設けられてい
る。縮径筒部18の内部には逆止弁20が配設されてお
り、逆止弁20は、小径突起21aを具備する弁球21
と、弁球21を液化ガス流入開口19に弾性的に押圧し
て閉じることができるスプリング22とから形成されて
いる。また、縮径筒部18の外周面には雄ネジ部19a
が形成されており、この雄ネジ部19aは、後述する雌
ネジ部24aと協働して連結手段を形成することができ
る。
【0015】次にサイフォン管23について説明する
と、図1に示すように、長尺の配管からなるサイフォン
管23の一端に設けられた吸引口23aが充填元容器1
1の上部に設けられた縮径筒部11aを気密状態を保持
しながら貫通した後下方に向けて伸延され、その伸延端
は充填元容器11内に充填されている液化ガス13の底
部近傍に位置している。一方、サイフォン管23の他端
は被充填容器16に向けて伸延しており、その端部には
拡径筒部24が一体的に連設されている。拡径筒部24
の先部は、前述した被充填容器16における縮径筒部1
8のテーパ状先部を嵌入できるように逆テーパ状になっ
ており、その中央部には液化ガス流出開口25が設けら
れている。拡径筒部24の内部には逆止弁26が配設さ
れており、逆止弁26は、弁球27と、弁球27を液化
ガス流出開口25に弾性的に押圧して閉じることができ
るスプリング28とから形成されている。また、拡径筒
部24の内周面には雌ネジ部24aが形成されており、
この雌ネジ部24aは、前述した雄ネジ部19aと協働
して連結手段を形成することになる。
【0016】次に、ガス抜き弁29について説明する。
ガス抜き弁29は、液化ガス13を被充填容器16中へ
充填することによって被充填容器16から流出されサイ
フォン管23内を逆流する気化ガスを外部に排出するた
め用いるものであり、以下の構成を有する。即ち、ガス
抜き弁29の弁本体を形成するフロート室30の底面に
は連通管31を通して液化ガス13と気化ガスとが流入
する液化ガス流入口32が設けられると共に、その上面
にはガス抜き開閉バルブ33が取付けられたガス流出管
34に連通するガス流出口35が設けられている。
【0017】フロート室30内には、フロート室30内
に流入する液化ガス13や気化ガスによって上下に移動
するフロート36が配設されており、フロート36の頂
部にはニードル弁37が取付けられており、その先端は
ガス流出口35に向けて進退され、ガス流出口35を開
閉することができる。
【0018】次に、上記した構成を有する液化ガス充填
装置Aを用いて充填元容器11から被充填容器16に液
化ガス13を充填する方法について、図1〜図4を参照
して説明する。
【0019】(1)図1に本発明に係る液化ガス充填方
法を行う前の段階における充填元容器11と被充填容器
16を示す。図示するように、被充填容器16はサイフ
ォン管23の他端に未だ接続されていない状態にあり、
サイフォン管23の拡径筒部24内に設けた逆止弁26
によって液化ガス流出開口25は閉塞されている。一
方、被充填容器16の液化ガス流入開口19は逆止弁2
0によって閉塞されている。従って、充填元容器11に
充填された液化ガス13はフロン134aの場合、常温
で約7kg/cm2 の加圧状態に気化されているので、
ガス抜き弁29のガス抜き開閉バルブ33を開放する
と、サイフォン管23内部の気化ガスはガス抜き弁29
を通して大気中に放出される。従って、充填元容器11
中の液化ガス13はサイフォン管23の一端から他端に
わたる流体経路の全長にわたって充満されることにな
る。充満した液化ガス13はやがてフロート36を液化
ガスの浮力で押し上げてニードル弁37によってガス流
出口35を閉塞し、液化ガス13の外部への放出を遮断
すると共に、気化ガスの一部がフロート室30に残され
る。
【0020】(2)この状態で、図2に示すように、使
用済の被充填容器16の縮径筒部18に設けられた雄ネ
ジ部19aをサイフォン管23の拡径筒部24に設けら
れた雌ネジ部24aに螺着して被充填容器16をサイフ
ォン管23の先部に連結すると、逆止弁20の弁球21
に取付けた小径突起21aが逆止弁26の弁球27に当
接するので、弁球21、27は共にスプリング22、2
8の付勢力に抗して後退し、液化ガス流入開口19と液
化ガス流出開口25は共に開口され、サイフォン管23
と被充填容器16とは連通状態になる。
【0021】従って、図2に示すように、サイフォン管
23を通して、充填元容器11内の液化ガス13が被充
填容器16内に流入し、この液化ガス13の流入と入れ
替わりに、被充填容器16内の残留ガスが泡となってサ
イフォン管23を通して逆流することになる。この際、
図1〜図4に示すように、被充填容器16は一定の傾斜
角度θで傾斜しているので、被充填容器16内の液化ガ
ス13の液面が上昇してくると、当初から空の被充填容
器16の内部に残留していた気化ガスや、新たに被充填
容器16内で気化した気化ガスが、被充填容器16の上
部に形成される空隙38に一部滞留し、他は抜け出すこ
とになる。即ち、被充填容器16内には、気相部が滞留
する空隙38を残して液化ガス13の液相部で満たされ
ることになる。
【0022】図2に示すように、被充填容器16内で液
化ガス13と置換された気化ガスは、その浮力によって
サイフォン管23内を泡13aとなって逆上る。図3に
示すように、ガス抜き弁29はサイフォン管23の最も
高い場所に位置しているので、上記した充填元容器11
から被充填容器16への液化ガス13の充填が継続され
ると、気化ガスはフロート36の上部に蓄積して液化ガ
スの液面を押し上げてしまうのでニードル弁37を閉じ
ているフロート36の浮力が次第に減少し、更に液面が
下がると、フロート36の自重によってニードル弁37
が後退してガス流出口35が開放され、気化ガスはガス
抜き弁29から大気側に飛散し、ガス溜まりが自動的に
取り除かれる。ガス溜りが無くなると充填元容器11内
部の液化ガスがサイフォン管を通して補充されるのでフ
ロートの液面が上昇して再びガス抜き弁29が閉じる。
従って、サイフォン管23の作用によって、充填元容器
11から被充填容器16に向けて常に液化ガス13が移
動され、被充填容器16内に充填されることになる。被
充填容器16に液化ガス13を充填する分、充填元容器
11内の液化ガス13が減少するので気相部が増えて内
部の圧力が減少する。しかし気相部の圧力の減少分は液
化ガスの液相部が約7kg/cm2 の内圧になるまで蒸
発して気相部を補充することになるので、蒸発が終了し
た時点で安定状態を保つ。
【0023】上記した充填作業が終了した後、図4に示
すように、被充填容器16の雄ネジ部19aをサイフォ
ン管23の雌ネジ部24aから解除することによって、
被充填容器16をサイフォン管23から取り外す。この
際、液化ガス充填装置Aをそのまま放置しておくと、気
温の変化によって液化ガス13の一部が気化するため、
フロート室30内の液面高さが低下して、流体経路の中
途で気化した液化ガスがガス抜き弁29を通して逸失し
てしまう可能性がある。従って、充填作業が終了した後
で、ガス抜き弁29の上部に設けられているガス抜き開
閉バルブ33を閉じる必要がある。
【0024】上記した動作を繰り返すことによって、充
填元容器11から、使用済の被充填容器16に次々に液
化ガス13を充填することができる。そして、図5に示
すように、スプレーキャップ40を被充填容器16に取
付けることによってスプレー缶41を作ることができ、
液化ガスを利用する各種分野で使用することができる。
ここで、再掲する高圧ガス取締法では、市販のスプレー
缶を再充填使用することはフロン134a等の極く一部
の例外を除いて禁じられている。またスプレー缶以外の
容器に高圧ガスを再充填する場合も、100cc以上の
容器については高圧ガス取締法の細かい規定に沿った容
器以外では再充填は認められない。そこで本発明に用い
られる被充填容器は、スプレー缶ではない100cc未
満の再充填しても高圧ガス取締法に抵触しない容器、あ
るいは前述のフロン134a等の高圧ガス取締法の適用
外の容器を対象とするのが好ましい。
【0025】スプレーキャップ40としては、各種形態
のものが考えられるが、本実施の形態では、図5に示す
形態としている。即ち、側面に噴射口42を有する筒状
のキャップ本体43の上蓋部44には押圧杆45が進退
自在に取付けられている。キャップ本体43の下端開口
部には被充填容器16における縮径筒部18のテーパ状
先部を嵌入可能な逆テーパ状の傘部46が取付けられて
おり、この傘部46の内面には、被充填容器16の縮径
筒部18に設けられた雄ネジ部19aに螺着される雌ネ
ジ部47が形成されている。
【0026】従って、このスプレーキャップ40を被充
填容器16に取付けることによって容易にスプレー缶4
1を形成することができると共に、押圧杆45の先部で
弁球21を液化ガス流入開口19から離隔することによ
って、液化ガスの気化ガス部分を噴射口42から噴射す
ることができる。
【0027】また、上記した液化ガス充填方法におい
て、液化ガス13の種類によっては(例えば、液化フロ
ン134a)、温度変化で比容積が大きく変動するの
で、もし、充填元容器11の開閉バルブ12を閉じた後
で、逆止弁26によって遮断されている液化ガス流出開
口25と開閉バルブ12との間にある液化ガス13が火
事などの不測の事態で大幅に気温が上昇して、流体経路
が液相で満たされるいわゆる液封の現象が生じ、膨張す
る液相で流体経路が破裂する等の非常に危険な状況に陥
る可能性があるが、これらの事故もフロート室30の上
部に膨張する液相を吸収するのに十分な空隙39を設け
ることによって、未然に防止することができる。また、
サイフォン管23の先部には被充填容器16が一定の傾
斜角度θで連通連結されているので、被充填容器16内
に適当な空隙38を残して液封にならないように充填す
ることができる。
【0028】このように、本実施の形態では、簡単な手
動操作によって、高価な電磁弁や真空ポンプを用いるこ
となく、かつこれらを制御するための複雑な制御回路も
不要となるので、安価でかつ操作しやすい液化ガス充填
装置Aを実現することができる。
【0029】また、従来の充填元容器を倒立する方法に
よる液化ガスの充填の場合、充填元容器の液化ガスが途
中でなくなっても、目視などでそれを確かめることがで
きない欠点がある。一般に圧力容器は小型の場合でも頑
丈に作られているため、相当の重量を有する。従って、
仮に、充填元容器の内部に全容積の30%以下の液相部
しか充填されていない場合であっても、被充填容器を揺
すって音を聞いたり、重量を手の感覚で感じて異常を確
かめることは非常に難しい。また、充填元容器内の液化
ガスがなくなっていても、それを知らずに、更に、別の
容器に気化ガスだけを充填するための無駄な作業を行う
こともある。
【0030】これに対して、本実施の形態では、充填元
容器11を倒立させることなく他の容器である被充填容
器16に充填させることができるだけでなく、図6に示
すように、充填によって液化ガスが減少し、充填元容器
11の液化ガスの液面が充填中に吸引口23aより下に
下がった場合は、ガス抜き弁29におけるフロート36
が下降して、ガス抜き開閉バルブ33から充填元容器1
1内に残留する気化ガスが連続して噴出する状態にな
る。この噴出は短時間で終了する通常のガス抜き音と異
なって継続して強い噴出音を発生するため、作業者は、
充填元容器11の液化ガス13が無くなったことを容易
に認識することができる。なお可燃ガスや毒性のあるガ
スをガス抜き開閉バルブ33から放出する場合、室外に
誘導するためのガス管を接続する必要があるが図示しな
い。
【0031】以上、本発明を、実施の形態を参照して説
明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載
の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記
載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の
形態や変容例も含むものである。
【0032】
【発明の効果】請求項1記載の液化ガス充填方法及び3
記載の装置においては、液化ガスを充填する充填元容器
から、充填元容器内の内部圧を利用して、液化ガスをサ
イフォン管を通して気密状態で充填元容器から取り出す
と共に、傾斜状態に配置された被充填容器の液化ガス流
入開口を通して被充填容器内に気密状態で充填し、液化
ガスの充填と入れ替わりに被充填容器内に滞留している
気化ガスの殆どをサイフォン管を通して逆流させ、サイ
フォン管の中途に取付けられているガス抜き弁を通して
外部に排出すると共に、気化ガスの一部は被充填容器の
上部に形成される空隙に保持するようにしている。
【0033】このように、被充填容器に傾斜角度を持た
せているので、高価な電磁弁や真空ポンプを用いなくて
も被充填容器に気化ガスの一部を貯留するための空隙を
形成できるので、万一、被充填容器の周辺が高温になり
液化ガスの液相部が膨張しても空隙によって吸収できる
ので、液封による被充填容器の破壊を防止でき、液化ガ
スを安全に使用できる。液化ガスのユーザーは安価な充
填装置と前述したように高圧ガス取締法で許可された繰
り返して使用可能な小型の被充填容器を用いることによ
り、従来の使い捨てスプレー管の価格に含まれる、容器
代やスプレー缶への充填費用及び各流通段階でのマージ
ンや輸送費用などを負担する必要がない、経済的で従来
スプレー缶と同等の機能を有する代替えスプレーとして
利用することができる。
【0034】請求項2及び3記載の液化ガス充填装置に
おいては、一定の内部圧の下で液化ガスを充填する気密
状態の充填元容器と、上部に内部から外部に向けて付勢
される逆止弁を内蔵する液化ガス流入開口を具備する気
密状態の被充填容器と、一端が気密状態の充填元容器内
に充填されている液化ガス中に浸漬されると共に、他端
に内側から外側に向けて付勢される逆止弁を内蔵する液
化ガス流出開口を具備するサイフォン管と、被充填容器
の液化ガス流入開口とサイフォン管の液化ガス流出開口
とを着脱自在に連結し、連結動作に連動して逆止弁を開
け、サイフォン管と被充填容器とを連通させる連結手段
と、サイフォン管の中途に取付けられ、液化ガスの被充
填容器中への充填と入れ替わりに被充填容器からサイフ
ォン管に逆流してくる気化ガスを外部に排出するガス抜
き弁とを具備する。
【0035】このように、高価な電磁弁や真空ポンプを
用いることなく、かつ、これらを制御するための複雑な
制御回路も不要となるので、安価でかつ操作しやすい液
化ガス充填装置を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る液化ガス充填装置
の充填前の全体構成説明図である。
【図2】同充填中の全体構成説明図である。
【図3】同充填完了後の全体構成説明図である。
【図4】同被充填容器をサイフォン管から取り外した状
態の全体構成図である。
【図5】被充填容器からスプレー缶を作る工程の説明図
である。
【図6】充填元容器が空になった場合の液化ガス充填装
置の全体構成説明図である。
【図7】従来の液化ガス充填装置による液化ガス充填作
業の説明図である。
【符号の説明】
A 液化ガス充填装置 θ 傾斜角度 10 底面 11 充填元容
器 11a 縮径筒部 12 開閉バル
ブ 13 液化ガス 13a 泡 14 容器載置台 15 容器載置
板 16 被充填容器 17 容器本体 18 縮径筒部 19 液化ガス
流入開口 19a 雄ネジ部 20 逆止弁 21 弁球 21a 小径突
起 22 スプリング 23 サイフォ
ン管 23a 吸引口 24 拡径筒部 24a 雌ネジ部 25 液化ガス
流出開口 26 逆止弁 27 弁球 28 スプリング 29 ガス抜き
弁 30 フロート室 31 連通管 32 液化ガス流入口 33 ガス抜き
開閉バルブ 34 ガス流出管 35 ガス流出
口 36 フロート 37 ニードル
弁 38 空隙 39 空隙 40 スプレーキャップ 41 スプレー
缶 42 噴射口 43 キャップ
本体 44 上蓋部 45 押圧杆 46 傘部 47 雌ネジ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液化ガスを充填する充填元容器から、該
    充填元容器内の内部圧を利用して、前記液化ガスをサイ
    フォン管を通して気密状態で前記充填元容器から取り出
    すと共に、傾斜状態に配置された被充填容器の液化ガス
    流入開口を通して該被充填容器内に気密状態で充填し、
    前記液化ガスの充填と入れ替わりに前記被充填容器内に
    滞留している気化ガスの殆どを前記サイフォン管を通し
    て逆流させ、該サイフォン管の中途に取付けられている
    ガス抜き弁を通して外部に排出すると共に、該気化ガス
    の一部は前記被充填容器の上部に形成される空隙に保持
    することを特徴とする液化ガス充填方法。
  2. 【請求項2】 一定の内部圧の下で液化ガスを充填する
    気密状態の充填元容器と、 上部に内部から外部に向けて付勢される逆止弁を内蔵す
    る液化ガス流入開口を具備する気密状態の被充填容器
    と、 一端が前記充填元容器内に充填されている前記液化ガス
    中に浸漬されると共に、他端に内側から外側に向けて付
    勢される逆止弁を内蔵する液化ガス流出開口を具備する
    サイフォン管と、 前記被充填容器の液化ガス流入開口と前記サイフォン管
    の液化ガス流出開口とを着脱自在に連結し、連結動作に
    連動して逆止弁を開け、前記サイフォン管と前記被充填
    容器とを連通させる連結手段と、 前記サイフォン管の中途に取付けられ、前記液化ガスの
    前記被充填容器中への充填と入れ替わりに該被充填容器
    から前記サイフォン管に逆流してくる気化ガスを外部に
    排出するガス抜き弁とを具備する液化ガス充填装置。
  3. 【請求項3】 前記被充填容器は傾斜状態に配設され、
    該被充填容器内に滞留されている前記気化ガスの一部が
    該被充填容器の上部に形成される空隙に保持されること
    を特徴とする請求項2記載の液化ガス充填装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011013932A2 (ko) * 2009-07-26 2011-02-03 Lim Tae Yong 고압공기 충전기
CN111594751A (zh) * 2020-04-27 2020-08-28 国网河北省电力有限公司衡水供电分公司 回充装置和回充方法

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