JPH10184303A - ストール防止翼列構造 - Google Patents

ストール防止翼列構造

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JPH10184303A
JPH10184303A JP34741396A JP34741396A JPH10184303A JP H10184303 A JPH10184303 A JP H10184303A JP 34741396 A JP34741396 A JP 34741396A JP 34741396 A JP34741396 A JP 34741396A JP H10184303 A JPH10184303 A JP H10184303A
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JP
Japan
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blade
root
boundary layer
back surface
trailing edge
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Pending
Application number
JP34741396A
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English (en)
Inventor
Kenji Kobayashi
健児 小林
Shigeki Nohara
隆樹 野原
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 翼後縁の形状を変えることにより翼背面の付
け根や先端に生ずる境界層の剥離を防止する。 【解決手段】 軸流機械の翼列構造において、翼後縁を
中央より付け根に向かって拡張してゆく翼形状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸流機械の翼列の
翼形状に係わり、特に後縁形状をストール防止に有効な
翼形状としたストール防止翼列構造に関する。
【0002】
【従来の技術】軸流機械の翼列では2次流れによる損失
が発生する。図6は軸流機械の翼列に発生する2次流れ
による損失を説明する図である。軸流機械の翼列の隣接
する2つの翼1、2の対向して流体の流路をなす壁面、
すなわち翼1の背面1aと翼2の腹面2bの圧力が異な
るため、翼2の腹面2bに生ずる高圧の境界層7bか
ら、流路底面部3に生ずる境界層7cを通り、翼1の背
面1aに生じる低圧の境界層7aに向かって流れる。こ
の境界層内の流れを2次流れ4と称する。翼1の背面付
け根部1cは主流6の作用により渦流5が発生し易く、
この渦流5により流路底面部3に生ずる境界層7cが翼
1の背面付け根部1cに堆積するため、翼背面における
境界層の剥離(ストール)を起こし、翼性能を低下させ
る。
【0003】特開昭52−67404号公報にはこの境
界層の剥離を防止する方法として、流路底部に翼の背面
側から湾曲した突出部を設け、流路底部を階段状に構成
して翼背面における境界層の剥離を防止する技術が示さ
れている。また、特開昭52−54808号公報には流
路底部に、流路途中の流れの転向する部分以降に1個以
上の障害物を設け、翼背面における境界層の剥離を防止
する技術が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】両公報に開示された技
術は流路底部に突出部を設けたり、障害物を設けたりす
るため部品数が増大し製作費用が嵩むという問題点があ
った。本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもの
で、翼後縁の形状を変えることにより翼背面の付け根や
先端に生ずる境界層の剥離を防止することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明では、軸流機械の翼列構造におい
て、翼後縁を中央より付け根に向かって拡張してゆく翼
形状とする。
【0006】翼背面の後縁側で翼付け根部は図2(A)
に示すように境界層が剥離し易い。図1は翼後縁を中央
から付け根に向けておよび先端に向けて拡張した形状を
有する翼の翼背面静圧等圧線を示す。翼背面の流速は後
縁に向かうに従い減速するので、静圧は大きくなってゆ
く。静圧の差が翼に働く力となりこの反力Fが流体に働
く。このFの翼付け根方向の成分Fyにより境界層の剥
離を抑えることができる。
【0007】請求項2の発明では、軸流機械の翼列構造
において、翼後縁を中央より先端に向かって拡張してゆ
く翼形状とする。
【0008】翼背面の後縁側で翼先端部も付け根部と同
様に境界層が剥離し易い。翼後縁を中央から先端に向け
て拡張した形状とすることにより、請求項1の発明の付
け根を拡張した場合と同様に流体に翼先端方向の成分の
力が働き、境界層の剥離を抑えることができる。
【0009】請求項3の発明では、軸流機械の翼列構造
において、翼後縁を中央より付け根および先端に向かっ
てそれぞれ拡張してゆく翼形状とする。
【0010】翼後縁を中央より付け根および先端に向か
ってそれぞれ拡張してゆく翼形状とすることにより、静
圧により翼に働く力の反力が流体に働き、この反力の翼
付け根方向の分力と翼先端方向の分力により、翼背面の
付け根部および先端部に発生する剥離を押さえることが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態を
示す翼側面図で、(A)は翼背面の静圧等圧線とこの静
圧によって流体に生じる反力を示し、(B)は翼後縁拡
張部の詳細図である。翼はターボ圧縮機の翼列を構成す
るもので、動翼、静翼いずれにも適用される。動翼の場
合、翼付け根部はハブに取付けられ、先端はシュラウド
に取付けられる。静翼の場合、翼付け根部はハブに取付
けられ、先端はケーシングに取付けられる。なお、隣接
する2枚の翼と、翼付け根を取付けるハブ、翼先端を取
付けるシュラウドまたはケーシングは流路を形成するの
で、翼付け根側をインナ側流路、翼先端側をアウタ側流
路と称する。
【0012】翼背面では流速は前縁より後縁に行くに従
い減速してゆくので、静圧は前縁より後縁に行くに従い
大きくなってゆく。さらに翼後縁が中央より付け根にか
けて湾曲して広がっており、同様に翼後縁が中央より先
端にかけて湾曲して広がっているので静圧等圧線も湾曲
している。翼背面に加わる静圧の差は力となり、この力
の反力Fが流体に働く。この反力Fは静圧等圧線に直角
に働くため、翼弦長方向前縁より中央部までは流れと反
対方向に働く。中央部より後縁で付け根側および先端側
では湾曲に直角に力Fが働く。力Fの翼付け根方向また
は翼先端方向の分力Fyは境界層の剥離を押さえるよう
に働く。
【0013】反力Fの大きさは付け根部や先端部の広が
りの大きさと湾曲形状を考慮して静圧等圧線を算出して
求めることができる。
【0014】図2の(A)は従来の翼形の境界層剥離状
態を示し、(B)は本発明の境界層の状態を示す。後縁
は付け根部のみ広げた場合を示すが、先端を広げた場合
も同様な効果が得られる。
【0015】図3は図2に示した従来の翼型と、本発明
の付け根部を広げた場合の圧力損失係数を示す。圧力損
失係数は境界層の剥離が発生すると大きくなるので、こ
の剥離を抑制する機能を示す指標として用いることがで
きる。(A)の横軸の%スパンとは(B)に示すように
翼の高さを表し、インナ側通路はスパン%を0%とし、
アウタ側通路は100%とする。本翼形状は付け根側の
み広げているので0%に近づくにつれて、圧力損失係数
は、従来技術では境界層が剥離するため大きくなるが、
本発明では境界層の剥離を抑えているので、大きくなっ
ていない。
【0016】図4は翼後縁の付け根側を広げない従来の
翼形状の静圧等圧線を示し、図5は翼後縁の付け根側を
広げた本発明の翼形状の静圧等圧線を示す。図4におい
て、翼付け根側のa部は静圧が極めて大きくなっている
範囲を示し、b部は境界層の剥離が発生している範囲を
示す。また翼上端のc部にもb部よりは小さな境界層の
剥離が発生していることを示す。図5において、図示の
ように翼後縁の付け根側を広げると、a部、b部の静圧
等圧線の乱れは整形され、b部に発生していた境界層の
剥離はほぼ消滅している。なお、c部については後縁の
形状は図4と同じであるので同様の小さな境界層剥離が
発生している。
【0017】このように翼後縁を広げることにより、翼
背面の翼付け根部や上端部に発生する境界層剥離を抑制
することができる。しかし、拡張部があまり大きくなる
と摩擦抵抗が増大し翼効率が減少する等の問題が発生す
るため、この後縁の広げ具合は、まず後縁の形状を設定
し、この形状の翼背面の静圧等圧線を計算や必要に応じ
実験も行って定め、図5に示すように乱れや極度に集中
した分布のない状態になるようにトライアンドエラーで
翼形状を決定する。なお、図2〜図5の説明では翼付け
根部のみ後縁を拡張した場合を示したが、翼上端部を拡
張することにより翼上端部に発生する境界層の剥離を抑
制することができる。
【0018】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
は、翼後縁の翼付け根部や上端部を拡張することによ
り、それらの場所に発生する境界層の剥離を抑制するこ
とができる。これにより圧縮機の効率向上およびサージ
ングに対する余裕(マージン)が増大する。また翼の形
状を変更するだけなので、従来の境界層剥離防止構造に
比べ、部品の増加もなく製作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す翼背面の側面図であ
る。
【図2】本発明の境界層剥離防止効果を説明する図であ
る。
【図3】圧力損失係数により本発明の効果を説明する図
である。
【図4】従来の翼形状の静圧等圧線を示す図である。
【図5】本発明の翼形状の静圧等圧線を示す図である。
【図6】翼列に発生する2次流れを説明する図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸流機械の翼列構造において、翼後縁を
    中央より付け根に向かって拡張してゆく翼形状としたこ
    とを特徴とするストール防止翼列構造。
  2. 【請求項2】 軸流機械の翼列構造において、翼後縁を
    中央より先端に向かって拡張してゆく翼形状としたこと
    を特徴とするストール防止翼列構造。
  3. 【請求項3】 軸流機械の翼列構造において、翼後縁を
    中央より付け根および先端に向かってそれぞれ拡張して
    ゆく翼形状としたことを特徴とするストール防止翼列構
    造。
JP34741396A 1996-12-26 1996-12-26 ストール防止翼列構造 Pending JPH10184303A (ja)

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JP34741396A JPH10184303A (ja) 1996-12-26 1996-12-26 ストール防止翼列構造

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JP34741396A JPH10184303A (ja) 1996-12-26 1996-12-26 ストール防止翼列構造

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007105380A1 (ja) 2006-03-14 2007-09-20 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 軸流流体機械用翼
JP2011099452A (ja) * 2011-02-21 2011-05-19 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 軸流流体機械用翼

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007105380A1 (ja) 2006-03-14 2007-09-20 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 軸流流体機械用翼
US8100658B2 (en) 2006-03-14 2012-01-24 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Axial-flow fluid machine blade
JP2011099452A (ja) * 2011-02-21 2011-05-19 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 軸流流体機械用翼

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