JPH10182443A - ホットメルト成型可能な新規貼付剤 - Google Patents

ホットメルト成型可能な新規貼付剤

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JPH10182443A
JPH10182443A JP8347981A JP34798196A JPH10182443A JP H10182443 A JPH10182443 A JP H10182443A JP 8347981 A JP8347981 A JP 8347981A JP 34798196 A JP34798196 A JP 34798196A JP H10182443 A JPH10182443 A JP H10182443A
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JP
Japan
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group
sensitive adhesive
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pressure
adhesive
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Application number
JP8347981A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Kuwabara
広明 桑原
Hiromasa Minematsu
宏昌 峯松
Takeyuki Kawaguchi
武行 川口
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着性や経時安定性等に優れ、糊残りや皮膚
刺激が少なく、必要に応じて薬物との溶融ブレンドによ
る、ホットメルト成型が可能な、新規な医療用粘着剤、
及びかかる医療用粘着剤を用いた貼付剤を提供する。 【解決手段】 (a)下記式(1)〜(4) (式中、Aは炭素数6〜12の2価の芳香族基、Dは炭
素数2〜15の2価の炭化水素基、Rは炭素数2〜4の
アルキレン基、k は(RO)kで示されるポリオキシア
ルキレングリコールの数平均分子量が200〜20,0
00となるような繰り返し単位数、R’は炭素数が4〜
10のアルキル基である。)で示される繰り返し単位か
ら実質的になり、かつ該式(1)〜(4)で表される繰
り返し単位の合計量に基づく該式(3)で表される繰り
返し単位の含有量が重量比で25〜90重量%、該式
(4)で表される繰り返し単位の含有量が重量比で70
〜5重量%であるポリエーテルエステル共重合体からな
るポリエーテルエステル型粘着剤と、(b)油脂及び/
又は高級脂肪酸類からなることを特徴とする医療用粘着
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚や粘膜のよう
な生体膜に貼付する、薬物を含有する外用貼付剤に関す
る。より詳細には、ホットメルト成型が可能な新規なポ
リエーテルエステル型医療用粘着剤を用いた貼付剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】医療用テープに従来用いられてきた粘着
剤は、大まかにはゴム系粘着剤とアクリル系粘着剤に分
類される。ゴム系粘着剤の代表的なものとしては、天然
ゴムや合成ゴム(スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリイ
ソプレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体)を主成分と
してこれに適量のロジン、ロジンエステル、あるいは合
成炭化水素樹脂からなる粘着付与剤、および軟化剤、安
定剤を添加したものである。かかる粘着剤は配合許容範
囲が広いため特性コントロールが容易であり、また加熱
によりホットメルト成型が可能であるため、特にサリチ
ル酸メチル、サリチル酸モノグリコール、メントール等
の消炎鎮痛剤を配合し、これを布等の担体上に展延した
硬膏剤が広く使用されている。ただしゴム系粘着剤は分
子内の二重結合によりホットメルト時の熱劣化を起こし
やすく、これを改善すべく二重結合を飽和したゴムで
は、薬効成分を吸収することによる物性低下(ゴム弾性
の消失)を招く。更にかかる粘着剤はその配合比によっ
ては粘着力の低下、もしくは内部凝集力不足による使用
時や剥離時に被着体である皮膚表面ヘの粘着剤の糊残り
を生じる。同時に粘着付与剤、分散安定化剤の様な低分
子が混合されており、このような低分子化合物が皮膚に
対する刺激となり、かぶれや皮膚炎の原因になることが
多いという欠点を有する。
【0003】一方、代表的なアクリル系粘着剤として
は、2−エチルへキシル基、ブチル基等の、炭素数4〜
18の長鎖アルキル基の(メタ)アクリレートと酢酸ビ
ニル、メチルメタクリレート、高極性モノマー(アクリ
ル酸、ビニルピロリドン)等の成分を共重合等により組
み合わせ、粘着成分として機能するに必要な部分構造を
一体化したものが知られている。アクリル系粘着剤は高
極性成分や架橋成分との共重合により、その一部が分離
または皮膚に糊残りするという現象は起こり難く、良好
な粘着性を示し、この点で前記ゴム系粘着剤の欠点をあ
る程度克服している。ただしかかる粘着剤の物性とし
て、室温における弾性損失率が高いことがあり、これが
貼付時に皮膚に対する刺激となり、しばしばかぶれや皮
膚炎の原因となる。これに対し、特開平3−22012
0号公報には、アクリル酸エステル系ポリマーおよび該
ポリマーと相溶する液体成分とを含むゲル層が、支持体
の少なくとも片面に形成されてなるアクリル系ゲル状粘
着剤を用いた貼付剤が提案されている。このゲル状粘着
剤は、多量の液体成分を含有できるため、従来の非架橋
粘着剤に比べて粘着力と剥離容易性をコントロールで
き、角質層剥離も少ないとされている。しかしながら、
かかる粘着剤は液体含有ゲル層を形成するためにアクリ
ル酸エステル系ポリマー中に含まれるアクリル酸単位
を、Al3+やチタンなどの多価金属アルコラートや三官
能イソシアネートなどの低分子架橋剤を用いて化学反応
により架橋する必要がある。こうした高分子化学架橋反
応では通常、未反応の試薬が痕跡量系に残存するため、
この有害な未反応試薬が経皮的に体内に吸収される危険
性がある。
【0004】また特開昭60−147487号公報で
は、生体親和性の高いゼラチンを主成分に、可塑剤、ゲ
ル化阻害剤を配合した粘着剤が提案されているが、この
粘着剤は常温から体温付近(20〜37℃)にかけての
粘着特性の変化が激しく、特に体温付近の高温多湿下に
おける肌への糊残りや曳糸性の点で問題がある。またゲ
ル化阻害剤などの添加物によるかぶれ、皮膚炎の問題も
無視できない。更にこれら従来使用されてきたアクリル
系粘着剤では、溶剤塗工法による繁雑、コスト高な製剤
プロセスが不可欠で、プロセス的、コスト的に有利なホ
ットメルトによる製剤化が困難である。粘着剤の化学架
橋は架橋が強固なため、粘着剤が皮膚の動きに追従でき
ず、皮膚刺激を十分に抑制できない。従ってこれまでの
ように化学的に粘着ポリマーを架橋すること無しに、分
子オーダーでの物理的相互作用(例えばVan−Del
−Waals力等)を利用した擬似架橋を行うことがで
きれば、好適と思われる。実際、特公平8−2785号
公報では、アルキルアクリレートへのスチレンマクロモ
ノマーのグラフト共重合により、側鎖のポリスチレンが
ドメインを形成し橋架け状態となった擬似架橋体からな
る粘着剤が提案されている。
【0005】このポリマーでは、確かに従来のものと比
べると、凝集力は向上し、かつ皮膚刺激は少ないと思わ
れるが、粘着力の制御、糊残りといった課題をパーフェ
クトに解決しているとは言えない。すなわち、第一に、
ドメイン形成部位であるポリスチレン骨格が非晶ポリマ
ーであるため凝集性に欠け、少量で結節点として機能す
るには効率的とはいえない。第二に、ポリスチレンは側
鎖にグラフトされているため、結節点として機能するに
は立体構造がルーズであり最適とはいえない。更に、こ
のポリマーにおいても、溶融により他の薬効成分と混合
してホットメルトによる溶融成型は不可能である。従っ
て、効率的な擬似架橋体形成という意味で改善の余地が
残っていると考えられる。これらの課題を踏まえ、特開
昭60−208912号公報では、ゴム弾性体として薬
物吸収による物性低下の無い、ホットメルト可能なポリ
エステル系エラストマーを用いる提案がなされている
が、これも粘着付与剤としてロジンエステルなどの低分
子化合物を配合しており、皮膚刺激や、粘着成分が低分
子であるため製剤中での分散状態が経時的に変化し易
く、例えば貼付後、一定した粘着性を維持できないとい
うような製剤の経時安定性などで満足できるものではな
い。
【0006】これらの従来公知の技術を考慮すると、上
記問題点を解決するために、エラストマーとしての機械
的特性とホットメルト成型性、及び粘着剤としての粘着
特性を具有するような高分子粘着剤の分子設計が考えら
れるが、そのような報告は、現在のところなされていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記事情に鑑みて、本
発明の目的は、粘着性に優れ、安定剤を添加しなくても
その経時安定性に優れ、糊残りや皮膚刺激が少なく、安
全性に優れ、また実質的に他の粘着付与成分の添加無し
に機能しうる、また薬効成分を含有せしめた場合には薬
効成分の吸収性に優れた、新規な医療用粘着剤、及びか
かる医療用粘着剤を用いた貼付剤を提供することにあ
る。更に本発明の目的は、粘着性に優れ、安定剤を添加
しなくてもその経時安定性に優れ、糊残りや皮膚刺激が
少なく、安全性に優れ、また実質的に他の粘着付与成分
の添加無しに機能しうる、必要に応じて薬物との溶融ブ
レンドによる、ホットメルト成型が可能な、また薬効成
分を含有せしめた場合には薬効成分の吸収性に優れた、
新規な医療用粘着剤、及びかかる医療用粘着剤を用いた
貼付剤を提供することにある。本発明者らは、かかる従
来技術に鑑みて鋭意検討の結果、芳香族ジカルボン酸、
アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコー
ル及び長鎖アルキルグラフトグリセロールエーテルとい
う特定の4種類の繰り返し単位から実質的になり、かつ
これら繰り返し単位のうちポリオキシアルキレングリコ
ール及びアルキルグラフトグリセロールエーテルの含有
量が特定の範囲内にあるポリエーテルエステル共重合体
からなる粘着剤と、油脂及び/又は高級脂肪酸類とから
なる医療用粘着剤が、粘着性に優れ、安定剤を添加しな
くてもその経時安定性に優れ、糊残りや皮膚刺激が少な
く、安全性に優れ、また他の粘着付与成分の添加無しに
機能しうる、必要に応じて薬物との溶融ブレンドによ
る、ホットメルト成型が可能であることを見出し、本発
明に到達したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は(a)下
記式(1)〜(4)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、Aは炭素数6〜12の2価の芳香
族基、Dは炭素数2〜15の2価の炭化水素基、Rは炭
素数2〜4のアルキレン基、k は(RO)kで示される
ポリオキシアルキレングリコールの数平均分子量が20
0〜20,000となるような繰り返し単位数、R’は
炭素数が4〜10のアルキル基である。)で示される繰
り返し単位から実質的になり、かつ該式(1)〜(4)
で表される繰り返し単位の合計量に基づく該式(3)で
表される繰り返し単位の含有量が重量比で25〜90重
量%、該式(4)で表される繰り返し単位の含有量が重
量比で70〜5重量%であるポリエーテルエステル共重
合体からなるポリエーテルエステル型粘着剤と、(b)
油脂及び/又は高級脂肪酸類からなることを特徴とする
医療用粘着剤、及びかかる医療用粘着剤、かかる医療用
粘着剤からなる粘着層と支持体とからなることを特徴と
する貼付剤、及びかかる医療用粘着剤及び(c)薬効成
分とからなる混合物層と、支持体とからなることを特徴
とする貼付剤である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の医療用粘着剤は、ポリエ
ーテルエステル型粘着剤として、上記式(1)〜(4)
で示される繰り返し単位から実質的になり、かつ該式
(1)〜(4)で表される繰り返し単位の合計量に基づ
く該式(3)で表される繰り返し単位の含有量が重量比
で25〜90重量%、該式(4)で表される繰り返し単
位の含有量が重量比で70〜5重量%であるポリエーテ
ルエステル共重合体を含有する。上記式(1)におい
て、Aは炭素数6〜12の2価の芳香族基を示し、具体
的にはp−フェニレン、m−フェニレン、2,6−ナフ
チレン、2,7−ナフチレン、1,4−ナフチレン、
1,5−ナフチレン、4,4’−ビフェニレン、2,
2’−ビフェニレン等を例示することができる。Aとし
てはこれらのうちp−フェニレン、2,6−ナフチレン
が好ましい。上記式(2)において、Dは炭素数2〜1
5の二価の炭化水素基であり、炭素数2〜15の鎖状ア
ルキレン基若しくはシクロアルキレン基を挙げることが
できる。具体的には、例えばエチレン、トリメチレン、
プロピレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、オクタ
メチレン、デカメチレン、ドデカメチレン等の炭素数2
〜15の鎖状アルキレン基、1,4−シクロヘキサンジ
メチレン等の炭素数2〜15のシクロアルキレン基を例
示することができる。これらのうちテトラメチレン、ヘ
キサメチレン基等が好ましい。
【0012】上記式(3)において、Rは炭素数2〜4
のアルキレン基を示し、具体的には、エチレン、プロピ
レン、テトラメチレン基等を例示することができる。R
としてはこれらのうち、エチレン、テトラメチレン基が
好ましい。Rは単独の構造でもよいし、例えばエチレン
/プロピレンブロックのように二種以上の構造から構成
されていてもよい。kは(RO)kで示されるポリオキ
シアルキレングリコールの数平均分子量が、200〜2
0,000となるような繰り返し単位数を示す。ポリオ
キシアルキレングリコールの数平均分子量は、好ましく
は400〜6,000、より好ましくは800〜3,0
00、特に好ましくは900〜2,000である。例え
ば、Rがエチレンの場合、kはおよそ9〜455の範囲
の数の場合であれば数平均分子量で400〜6,000
に相当し、kが18〜228の範囲の数の場合であれば
数平均分子量は800〜3,000に相当し、kが20
〜152範囲の数の場合であれば数平均分子量で900
〜2,000に相当する。
【0013】上記式(3)で表されるポリオキシアルキ
レングリコールの含有量は、上記式((1)〜(4)で
表される繰り返し単位の合計量に基づいて重量比で25
〜90重量(wt)%である。本発明のポリエーテルエ
ステル共重合体におけるソフトセグメントであるポリオ
キシアルキレングリコールの含有量が、該ポリエーテル
エステル共重合体に対し重量比で25wt%未満ではポ
リエーテルエステル共重合体の剛直性が高すぎ、粘着剤
が皮膚の動きに追従できにくい傾向にあり、また90w
t%を超えると柔軟性が高すぎるため、内部凝集力の低
下を招き機械的強度も十分ではない。かかるポリオキシ
アルキレングリコールの含有量は、好ましくは30〜8
5wt%、より好ましくは40〜80wt%である。
【0014】上記式(4)において、R’は炭素数が4
〜10のアルキル基である。かかるアルキル基として
は、直鎖または分岐鎖の炭素数4〜10のアルキル基を
挙げることができ、例えばn−ブチル、n−オクチル、
2−エチルへキシル基等が挙げられるが、なかでも2−
エチルへキシル基が好ましい。また上記(4)で表され
るアルキルグラフトグリセロールエーテルの含有量は、
上記式(1)〜(4)で表される繰り返し単位の合計量
に基づいて重量比で70〜5wt%である。本発明のポ
リエーテルエステル共重合体における粘着付与部位であ
るアルキルグラフトグリセロールエーテルの含有量が、
該ポリエーテルエステル共重合体に対し重量比で5wt
%未満では粘着性が低く、皮膚上への貼付に際して粘着
剤として機能できず、また70wt%を超えると粘着性
の著しい増大ならびに凝集力の低下による糊残りを招
き、本発明の目的とする機能発現に関して十分ではな
い。かかるアルキルグラフトグリセロールエーテルの含
有量は、好ましくは60〜10wt%、より好ましくは
50〜30wt%である。
【0015】すなわち、本発明のポリエーテルエステル
共重合体を構成する上記式(1)〜(4)で表される繰
り返し単位のA、D,R,k,R’の好ましい組み合わ
せとしては、Aがp−フェニレン基又は2,6−ナフチ
レン基で、Dがテトラメチレン基又はヘキサメチレン基
で、Rがエチレン基及び/又はテトラメチレン基、kは
(RO)kで示されるポリオキシアルキレン構造成分の
数平均分子量が400〜6,000(より好ましくは9
00〜2,000)で、R’が2−エチルへキシル基で
あるものを挙げることができる。更にこのようなA、D
が、R、k、R’の場合に、式(3)で表される繰り返
し単位の含有量が式(1)〜(4)で表される繰り返し
単位の合計量に基づいて重量比で30〜85wt%で、
式(4)で表される繰り返し単位の含有量が重量比で6
0〜10wt%であるものをより好ましいものとして挙
げることができる。なかでも、Aがp−フェニレン基又
は2,6−ナフチレン基でDがテトラメチレン基又はヘ
キサメチレン基で、Rがエチレン基及び/又はテトラメ
チレン基、kは(RO)kで示されるポリオキシアルキ
レングリコールの数平均分子量が400〜6,000
(より好ましくは900〜2,000)で、R’が2−
エチルヘキシル基である場合を好ましいものとして挙げ
ることができ、更にこの場合に、式(3)で表される繰
り返し単位の含有量が式(1)〜(4)で表される繰り
返し単位の合計量に基づいて重量比で40〜80wt%
で、式(4)で表される繰り返し単位の含有量が重量比
で50〜30wt%あるものをより好ましいものとして
挙げることができる。特に好ましいものとして、Aが
2,6−ナフチレン基で、Dがテトラメチレン基で、R
がテトラメチレン基、kは(RO)kで示されるポリオ
キシアルキレングリコールの数平均分子量が400〜
6,000(より好ましくは900〜2,000)で、
R’が2−エチルヘキシル基である場合を挙げることが
でき、更にこの場合に、式(3)で表される繰り返し単
位の含有量が式(1)〜(4)で表される繰り返し単位
の合計量に基づいて重量比で30〜85wt%(より好
ましくは40〜80wt%)で、式(4)で表される繰
り返し単位の含有量が重量比で60〜10wt%(より
好ましくは50〜30wt%)であるものをより好まし
いものとして挙げることができる。
【0016】このような本発明のポリエーテルエステル
共重合体は、具体的には、(i)上記式(1)及び
(2)で表される繰り返し単位からなる下記式(5)
【0017】
【化5】
【0018】(式中、A、Dの定義は上記式(1)及び
(2)に同じ。)で表されるポリエステル成分をハード
セグメントとし、(ii)上記式(3)で表される繰り返
し単位からなる数平均分子量が200〜20,000の
ポリオキシアルキレングリコールをソフトセグメントと
するエラストマーであって、(iii)上記式(1)及び
(4)からなる繰り返し単位からなる下記式(6)
【0019】
【化6】
【0020】(式中、A、R’の定義は上記式(1)及
び(4)に同じ。)で表されるグラフトポリエステルを
粘着付与部位として有するポリエーテルエステル共重合
体であって、該ポリエーテルエステル共重合体における
該ポリオキシアルキレングリコールの含有量が重量比で
25〜90wt%で、該ポリエーテルエステル共重合体
における該グラフトポリエステルの含有量が重量比で7
0〜5wt%であるポリエーテルエステル共重合体より
なることを特徴とする粘着剤である。本発明のポリエー
テルエステル共重合体は上記式(1)、(2)、(3)
及び(4)で表される繰り返し単位より実質的になる
が、ここで実質的になるとは、本発明の目的とするポリ
エーテルエステル共重合体の特性に影響を与えるような
他の成分を含まない趣旨であって、そのような影響を与
えない範囲で式(1)〜(4)で表される繰り返し単位
以外の成分を含有することを排除する意図ではない。
【0021】本発明のポリエーテルエステル共重合体
は、上記のハードセグメントとソフトセグメント、及び
粘着性付与部位として機能する上記式(1)及び(4)
からなる式(6)とが、ランダムブロック共重合体を形
成していても対称ブロック共重合体であってもよい。か
かるポリエーテルエステル共重合体は、上記式(1)で
表される繰り返し単位の1種または2種以上を用いても
よく、上記式(2)で表される繰り返し単位の1種又は
2種以上を用いてもよく、上記式(3)で表される繰り
返し単位の1種又は2種以上を用いてもよく、上記式
(4)で表される繰り返し単位の1種又は2種以上を用
いてもよい。本発明におけるポリエーテルエステル共重
合体は、例えばポリ(オキシテトラメチレン)グリコー
ルとジメチルナフタレート等の芳香族ジカルボン酸およ
び/またはそのエステル形成性誘導体、および1,4−
ブタンジオール、グリセロール−α−モノ(2−エチル
ヘキシル)エーテル等を触媒の存在下、加熱重縮合する
従来公知の製造方法により得ることができる。用いる触
媒としては、例えばチタン、アンチモン、ゲルマニウ
ム、スズ、亜鉛等の金属化合物を用いることができる。
生成するポリエーテルエステル共重合体は、その目的に
応じてポリオキシアルキレングリコールの分子量、共重
合組成を任意に変化させることができる。生成するポリ
エーテルエステル共重合体の重合度は、フェノール/
1,1,2,2−テトラクロルエタン混合溶媒(重量比
6/4)中、濃度1.2g/dl、温度35℃で測定し
た還元粘度で、1.0〜5.0とすることが好ましく、
2.0〜3.0とすることがより好ましい。
【0022】本発明の医療用粘着剤は、上記ポリエーテ
ルエステル型粘着剤(a)と油脂及び/又は高級脂肪酸
類(b)とからなる。本発明の油脂及び/又は高級脂肪
酸類としては、例えばマシン油、シリンダー油、トラン
ス油、水添ロジンエステル、流動パラフィン、ラノリ
ン、カルナウバ蝋等の油脂;例えばジイソプロピルアジ
ペート、イソプロピルミリステート、エチルラウレー
ト、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸及びその
エステル等から選ばれる1種又は2種以上が用いられ
る。本発明の油脂及び/又は高級脂肪酸類としては、粘
着剤ないし貼付剤の製造工程中の揮散を防止するために
前記粘着剤の融解点以上の沸点を有するものが好適に使
用され、かかる油脂及び/又は高級脂肪酸類は、貼付剤
における薬効成分の放出性を向上するという効果を有す
る。更にこの様な油脂及び/又は高級脂肪酸類は、添加
条件により粘着剤そのものの柔軟性、粘着特性等を制御
することも可能であり、例えば貼付時の粘着力を低下さ
せ、使用後の再剥離を容易にするなどの利点も有する。
上記油脂及び/又は高級脂肪酸類の使用量は、一般的に
は前記ポリエーテルエステル型粘着剤100重量部に対
して5〜80重量部の範囲が有効であるが、もちろん油
脂及び/又は高級脂肪酸類の使用量は主として使用する
前記ポリエーテルエステル型粘着剤の共重合成分の組
成、薬物の種類、ならびに最終製品の得るべき柔軟度と
の関係によって決定される。
【0023】本発明のポリエーテルエステル共重合体か
らなるポリエーテルエステル型粘着剤、油脂及び/又は
高級脂肪酸類からなる医療用粘着剤は、例えばポリエー
テルエステル型粘着剤と油脂、高級脂肪酸類を所定の割
合で熱溶融して均一に混合して得ることができるが、か
かる医療用粘着剤からなる粘着層を耐熱性、寸法安定性
を有する織布、不織布、合成樹脂フィルムなどの支持体
上へ例えばクウォーター等を用いて直接的に熱溶融塗工
するか、離型ライナー上に塗工した後、該支持体上に転
着するといった従来公知の方法によって、本発明の医療
用粘着剤からなる粘着層と支持体とからなることを特徴
とする貼付剤を得ることができる。このようにして得ら
れる医療用粘着剤の厚みは、通常20μm〜100μm、
好ましくは30μm〜80μm程度が好適である。本発明
では、このような医療用粘着剤に更に薬効成分を含有せ
しめることによって、かかる医療用粘着剤及び(c)薬
効成分とからなる混合物層と、支持体とからなることを
特徴とする貼付剤を得ることができる。薬効成分として
は、特に限定されるものではなく、経皮吸収性を有する
ものであれば局所系薬物に限らず、全身系薬物を用いる
こともできる。そのような薬物として例えばステロイド
類、降圧利尿剤、麻酔剤、抗ヒスタミン剤、抗腫瘍剤、
抗高血圧剤、抗鬱剤、脂溶性ビタミンなどがあげられ
る。これらのなかでも、消炎鎮痛座を好ましいものとし
て挙げることができるが、そのような消炎鎮痛剤として
は、具体的には、例えばサリチル酸メチル、サリチル酸
モノグリコール、メントール、カンファー、唐辛子エキ
ス、芥子油、ロートエキスなどの通常使用される消炎鎮
痛剤;アセトアミノフェン、フルフェナム酸、メフェナ
ム酸、フルフェナム酸ブチル、ピメプロフェン、ケトプ
ロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ピロ
キシカム、トリメチンナトリウム、インドメタシン、ジ
クロフェナックナトリウム、アセチルサリチル酸などの
非ステロイド系消炎鎮痛剤を好ましいものとして挙げる
ことができる。これらの薬物は、ポリエーテルエステル
型粘着剤中に3〜40重量部、好ましくは、5〜30重
量部添加される。上記薬物のうち消炎鎮痛剤は、本発明
の貼付剤を湿布剤の形態で使用する際に有効であり、サ
リチル酸メチルやサリチル酸モノグリコール等を配合す
る場合は、本発明のポリエーテルエステル型粘着剤10
0重量部に対して10〜75重量部、インドメタシンや
ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ジクロフェナッ
クナトリウムなどの非ステロイド系消炎鎮痛剤を配合す
る場合は、貼付剤の単位面積(cm2)当たり10〜1,
000μg、好ましくは100〜400μgとなるよう
に調製して添加するのが望ましい。
【0024】本発明のポリエーテルエステル共重合体か
らなるポリエーテルエステル型粘着剤、油脂及び/又は
高級脂肪酸類、及び薬効成分からなる混合物層は、例え
ばポリエーテルエステル型粘着剤と油脂、高級脂肪酸類
を所定の割合で熱溶融して均一に混合した後、耐熱性、
寸法安定性を有する織布、不織布、合成樹脂フィルムな
どの支持体上へ例えばクウォーター等を用いて直接的に
熱溶融塗工するか、離型ライナー上に塗工した後、該支
持体上に転着するといった従来公知の方法により得られ
るが、薬効成分は上記溶融、混合時に予め配合するか、
あるいは含浸、転着、スプレー等の方法で薬物を含有し
ないか又は薬物を十分には含有しない粘着剤層に薬物を
経皮吸収に十分な量含有させる等、含有させようとする
薬物の物性等に応じて従来公知の方法によって含有させ
てもよい。このようにして得られる混合物層の厚みは、
用いる薬物にもよるが、通常20μm〜100μm、好ま
しくは30μm〜80μm程度が好適である。ここで本発
明に用いられる支持体としては、上記粘着層又は混合物
層を形成でき、自己保持性があって、皮膚表面に貼付し
て薬物を経皮吸収により透過させるための貼付剤および
皮膚面の保護などに用いる貼付剤とすることができる基
材、離型材であれば特に制限はなく、例えばポリエステ
ル、ポリオレフィン、セルロースエステルなどのポリマ
ーフィルム;例えばポリエステル、ポリオレフィン、セ
ルロースエステル、ポリウレタン、ポリアミド等からな
る織物・編物・不織布、紙;例えばポリエステル、ポリ
オレフィン、セルロースエステル、ポリウレタン、ポリ
アミド等からなる多孔性膜;例えば表面にシリコーン、
フッ素などの剥離剤をコーティングしたポリエステル、
ポリオレフィン、セルロースエステル、ポリアミド等の
フィルム、又はこれらの1種または2種以上の組み合わ
せからなる積層体などが使用できる。これらの支持体の
厚みは貼付剤の種類にもよるが、基材の場合、通常50
μm〜300μm、好ましくは、70μm〜200μmに設
定され、離型材の場合、3μm〜100μm、好ましくは
5μm〜50μmに設定される。
【0025】かくして、本発明の貼付剤が得られるが、
本発明の貼付剤が適度な内部凝集力、優れた粘着性を示
す理由、更に加えて優れた柔軟性、ホットメルト成型性
を示す理由としては、次のように推定される。本発明の
ポリエーテルエステル共重合体は、ハードセグメントに
相当する剛直で結晶性の高い部位であるポリエステル成
分、ソフトセグメントに相当するポリマー主鎖中に固定
された柔軟なポリオキシアルキレングリコール鎖、及び
粘着性付与部位に相当するアルキル基グラフト型ポリエ
ステルを有しており、これら各セグメントとは熱力学的
にのみならず、分子レベルで相分離した構造になってい
ると推察される。すなわち本発明のポリエーテルエステ
ル共重合体は、主鎖中に結晶領域と非晶領域がセグメン
ト的に相分離して存在しており、主鎖間の相互作用が小
さい非晶領域は高い柔軟性と粘着性を、また結晶領域は
ドメイン形成による擬似架橋構造をそれぞれ発現するこ
とができると考えられる。そして、これら機能分担部位
を組み合わせて用いることでソフトセグメントの柔軟性
やHLB(親水/疎水バランス)を任意に制御すること
が可能となり、しかもこれら機能分担部位を共有結合に
より一体化したかかるポリエーテルエステル共重合体
は、粘着剤の透湿性、吸水性、薬物との親和性を改善
し、かつ例えば具体的に後記実施例に示されるような、
適度な内部凝集力と柔軟性、十分な粘着力を有し、皮膚
に貼付した際に優れた皮膚追従性と低刺激性を示す貼付
剤を提供することができる。同時にこの構造特性が、か
かる粘着剤にエラストマーとしての機能を付与し、結果
として粘着剤は熱可塑性を示す。即ち本発明のポリエー
テルエステル共重合体は、その結晶構造が加熱時に可逆
的に融解することで高い流動性を発現する。このため溶
剤を用いることなく、単に粘着剤を加熱溶融させること
で塗布加工が可能であり、例えば薬効成分と混合して製
剤化することで貼付剤の製造に使用することができる。
【0026】
【実施例】以下に、実施例、参考例を記載して本発明を
更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、実施例中、部および%は重量部お
よび重量(wt)%を意味する。また、実施例中の「粘
着力」および「糊残り」は以下の方法で測定した。 (1)粘着力 ベークライト板に幅12mm、長さ50mmに切断した
サンプルを貼付し、荷重850gのローラーを1往復さ
せた後、37℃の恒温装置に30分静置させた後、30
0mm/min.の速度で180度方向に剥離し、その
ときの剥離力を粘着力とした。 (2)糊残り サンプルを幅12mm、長さ50mmに切断し、これを
被験者の上腕部に貼付した。一時間後に製剤を皮膚より
剥がし、皮膚上へ粘着剤が残るか否かを目視にて判定を
行った。
【0027】[参考例1] Glycerol α-Mono(2-ethylhexyl) Etherの製造例 α−モノ(2−エチルヘキシル)グリシジルエーテル
(エピオールEH、日本油脂製) 93.15g(0.5
mol)を、0℃に冷却したトリフルオロ酢酸 200g
に撹袢下滴下した。この溶液を0〜5℃に4時間保ち、
ついで10wt%炭酸ナトリウム 1Lを冷却、かき混
ぜながら少しずつ加えて中和した。油状成分を300m
lのエーテルで抽出、100mlの脱イオン水で三回洗
浄、無水硫酸ナトリウムにより一夜乾燥した。エーテル
留去後、粗エステルを水酸化ナトリウム 40g、水
100ml、メタノール 100mlの混合液に加え、
室温で12時間撹袢した。加水分解生成物をクロロホル
ム抽出、乾燥後減圧で蒸留精製し(5mmHg、111
℃〜113℃)無色粘性液体を得た。ガスクロマトグラ
フィーの分析結果により、液体は純度99.5%であった。
またIR(赤外)スペクトル、及び1H−NMRより目
的物であることを確認した。
【0028】[参考例2及び3] ポリエーテルエステル共重合体の製造例 100ml三口丸底フラスコ内にて2,6−ジメチルナフ
タタレート 17.10g(70.00mmol)(成分
(1))、ポリテトラメチレングリコール#850(平
均分子量850) 22.97g(26.90mmol)(成分
(3))、1,4−ブタンジオール 2.07g(25.68
mmol)(成分(2))、参考例1で得られたグリセロ−
α−モノ(2−エチルヘキシル)エーテル 4.09g
(19.97mmol)(成分(4))、テトラブトキシチタン
0.001g(10ppmトルエン溶液として1ml)を混合
し、十分に窒素置換した。これを常圧下、215〜23
0℃で5時間反応し、留出するメタノールを除去、エス
テル交換反応を行った。その後235℃で2時間かけ、
余剰のジオールを留去し、更に76cmHgで2時間、
0.3〜0.2mmHgで20時間反応して無色半透明の
エラストマーを得た。ポリマーの重合度は、クロロホル
ム溶媒でGPC測定した数平均分子量(ポリスチレン換
算)で22,800であった(参考例2)。参考例2の
場合と同じ成分について表1記載の配合で同様に重合し
て得られたポリマー(参考例3)の重合度を表1に示し
た。表中、QE、PTMG、ブタンジオール、ジオール
はそれぞれ2,6−ジメチルナフタタレート(成分
(1))、ポリテトラメチレングリコール(成分
(3))、1,4−ブタンジオール(成分(2))、グ
リセロ−α−モノ(2−エチルヘキシル)エーテル(成
分(4))を示す。また、Mn、Mw、Mzはそれぞれ
数平均分子量、重量平均分子量、z平均分子量を示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【化7】
【0031】[実施例1〜4、比較例1及び2]ホット
メルト成型による医療用粘着剤作成と粘着力測定 (1)ポリエーテルエステル型粘着剤として、対照例
1、比較例1、実施例1及び2の製剤には参考例2で得
られたものを用い、対照例2、比較例2、実施例3及び
4の製剤には参考例3で得られたものを用いた。これら
の参考例2及び3で得られた粘着剤のみ(対照例1及び
2)、またはこれらの粘着剤と高級脂肪酸類であるイソ
プロピルミリステート(IPM)を表2記載の重量比と
なるようフラスコ内で混合したもの(実施例1及び3)
を、十分に窒素置換した。ついでこれらをホットプレー
ト上で100℃に保った離型紙上に流し、厚さ100μ
mのドクターナイフで厚み100μmとなるようキャス
トした。ついで厚み3.5μmPETフィルムをキャス
ト面に貼りあわせ15mm×40mmの大きさに切断し
て貼付剤を得た(実施例1及び3、比較例1及び2)。
【0032】同様に、上記粘着剤、または粘着剤とIP
Mの混合物を150℃のオイルバス中で溶融混合後、液
温を100℃に下げ(この状態でも粘着剤、または粘着
剤とIPMの混合物は十分な流動性を持つ)、表2記載
の重量比となるように薬効成分としてのケトプロフェン
(KP)を添加、混合した(何れもKPが粘着層全体に対
して5wt%となる)。十分間かけてこれらの融解混合
物を撹袢し、ついでこれをホットプレート上で100℃
に保った離型紙上に流し、厚さ100μmのドクターナ
イフで厚み100μmとなるようキャストした。ついで
厚み3.5μmPETフィルムをキャスト面に貼りあわ
せ15mm×40mmの大きさに切断して薬効成分を含
有する貼付剤を得た(実施例2及び4、比較例1及び
2)。
【0033】これらの製剤について離型紙を剥がしてガ
ラス面に貼り合わせ、室温で放置し、放置後の粘着剤の
安定性(混合物の混合状態、特にKPの分散状態)等の
製剤状態を光学顕微鏡(200倍)により観察した。比
較例1のテープ製剤と比較観察したところ、実施例1〜
4の貼付剤は、粘着剤中においてKPは結晶化すること
なく均一に溶解していた。(整合性の点から内容を再度
確認して下さい) (2)(1)で得られたサイズを12mm×50mmと
した貼付剤の粘着力を測定した。対照例1〜2及び比較
例1〜2では、それらの粘着力が約400〜600gと
良好であるが、皮膚上に使用する医療用貼付剤としては
やや強すぎる粘着性を示した。一方、ポリエーテルエス
テル型粘着剤と、油脂及び/又は高級脂肪酸類からなる
ことを特徴とする医療用粘着剤(実施例1〜4)では、
粘着力は約50〜75gと、医療用貼付剤として適度な
粘着性を示し、かつ皮膚に貼付した際の糊残りは殆ど見
られなかった。この結果から、本発明のポリエーテルエ
ステル型粘着剤と、油脂及び/又は高級脂肪酸類からな
ることを特徴とする医療用粘着剤を用いてホットメルト
成型により得られた貼付剤、本発明のポリエーテルエス
テル型粘着剤と、油脂及び/又は高級脂肪酸類からなる
ことを特徴とする医療用粘着剤を用いてホットメルト成
型により薬効成分等と溶融混合して得られた貼付剤が、
適度な粘着力を有し、かつ皮膚表面を損傷しない程度の
剥離容易性を有する貼付剤としての特徴を有しているこ
とが判る。
【0034】
【表2】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)下記式(1)〜(4) 【化1】 (式中、Aは炭素数6〜12の2価の芳香族基、Dは炭
    素数2〜15の2価の炭化水素基、Rは炭素数2〜4の
    アルキレン基、k は(RO)kで示されるポリオキシア
    ルキレングリコールの数平均分子量が200〜20,0
    00となるような繰り返し単位数、R’は炭素数が4〜
    10のアルキル基である。)で示される繰り返し単位か
    ら実質的になり、かつ該式(1)〜(4)で表される繰
    り返し単位の合計量に基づく該式(3)で表される繰り
    返し単位の含有量が重量比で25〜90重量%、該式
    (4)で表される繰り返し単位の含有量が重量比で70
    〜5重量%であるポリエーテルエステル共重合体からな
    るポリエーテルエステル型粘着剤と、(b)油脂及び/
    又は高級脂肪酸類からなることを特徴とする医療用粘着
    剤。
  2. 【請求項2】 該ポリエーテルエステル共重合体が、
    (i)上記式(1)及び(2)で表される繰り返し単位
    からなる下記式(5) 【化2】 (式中、A、Dの定義は上記式(1)及び(2)に同
    じ。)で表されるポリエステル成分をハードセグメント
    とし、(ii)上記式(3)で表される繰り返し単位から
    なる数平均分子量が200〜20,000のポリオキシ
    アルキレングリコールをソフトセグメントとするエラス
    トマーであって、(iii)上記式(1)と(4)で表され
    る繰り返し単位からなる下記式(6) 【化3】 (式中、A、R’の定義は上記式(1)及び(4)に同
    じ。)で表されるグラフトポリエステルを粘着付与部位
    として有するポリエーテルエステル共重合体である請求
    項1記載の医療用粘着剤。
  3. 【請求項3】 Aがp−フェニレン基又は2,6−ナフ
    チレン基で、Dがテトラメチレン基又はヘキサメチレン
    基で、Rがエチレン基及び/又はテトラメチレン基、k
    は(RO)kで示されるポリオキシアルキレングリコー
    ルの数平均分子量が400〜6,000で、R’が2−
    エチルへキシル基である請求項1又は2記載の医療用粘
    着剤。
  4. 【請求項4】 Aが2,6−ナフチレン基で、Dがテト
    ラメチレン基で、Rがテトラメチレン基、k は(RO)
    kで示されるポリオキシアルキレングリコールの数平均
    分子量が400〜6,000で、R’が2−エチルへキ
    シル基であり、該式(3)で表される繰り返し単位の含
    有量が重量比で30〜85重量%で、該式(4)で表さ
    れる繰り返し単位の含有量が重量比で60〜10重量%
    である請求項1又は2記載の医療用粘着剤。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の医療用粘着剤からなる粘
    着層と支持体とからなることを特徴とする貼付剤。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の医療用粘着剤及び(c)
    薬効成分とからなる混合物層と、支持体とからなること
    を特徴とする貼付剤。
  7. 【請求項7】 薬効成分が消炎鎮痛剤である請求項6記
    載の貼付剤。
JP8347981A 1996-12-26 1996-12-26 ホットメルト成型可能な新規貼付剤 Pending JPH10182443A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012246324A (ja) * 2012-09-18 2012-12-13 Sosin:Kk 皮膚外用剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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