JPH10182197A - 無機質粉体及びセメント組成物 - Google Patents

無機質粉体及びセメント組成物

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JPH10182197A
JPH10182197A JP3354697A JP3354697A JPH10182197A JP H10182197 A JPH10182197 A JP H10182197A JP 3354697 A JP3354697 A JP 3354697A JP 3354697 A JP3354697 A JP 3354697A JP H10182197 A JPH10182197 A JP H10182197A
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JP
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crystallization
cement
calcium
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JP3354697A
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Makoto Kitamura
真 北村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • C04B22/00Use of inorganic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. accelerators, shrinkage compensating agents
    • C04B22/0066Compounds chosen for their high crystalwater content
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B20/00Use of materials as fillers for mortars, concrete or artificial stone according to more than one of groups C04B14/00 - C04B18/00 and characterised by shape or grain distribution; Treatment of materials according to more than one of the groups C04B14/00 - C04B18/00 specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone; Expanding or defibrillating materials
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    • C04B40/0042Powdery mixtures
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウムイオン及びカルシウムイオンの
水への溶解性が最適に制御された無機質粉体、並びに、
凝結速度及び硬化速度がともに速く、得られるセメント
硬化体の耐久性及び寸法安定性に優れたセメント組成物
に関する。 【解決手段】 結晶水を含有するアルミニウム化合物及
び結晶水を含有するカルシウム化合物からなり、アルミ
ニウムに対するカルシウムのモル比が10〜0.05で
ある混合物に、0.5〜30kWh/kgの機械的エネ
ルギーを作用させることにより得られる粉体(A)、及
び、結晶水を含有するカルシウム化合物よりなる粉体
(B)からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムイオ
ン及びカルシウムイオンの水への溶解性が最適に制御さ
れた無機質粉体、並びに、凝結速度及び硬化速度がとも
に速く、得られるセメント硬化体の耐久性及び寸法安定
性に優れたセメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】セメントを用いて工事を行う場合におい
ては、工期の短縮を図るために、凝結速度及び硬化速度
がともに速い速硬化性に優れたセメントが求められてい
る。特に、市街地における道路工事や鉄道、航空関係設
備の補修等の緊急工事においては、工期の短縮を図るこ
とは重要である。また、セメントからなる工業製品を製
造する工場においても、出荷までの期間の短縮、養生設
備の簡略化等を図るために、速硬化性に優れたセメント
が望まれている。
【0003】特開昭47−34519号公報には、エト
リンガイトを早期に形成することにより優れた速硬化性
を発揮する超速硬性セメントが開示されている。このよ
うな超速硬性セメントは、例えば、ジェットセメントの
商品名で秩父小野田社から市販されている。
【0004】しかしながら、エトリンガイトは、形成時
に膨張性を有すること、エトリンガイト中の結晶水が通
常のセメント水和物中の結晶水に比べて低温で脱離しや
すいこと、未水和のカルシウムアルミネートと反応して
強度発現性の低いモノサルフェート水和物に変化するこ
と等の特性を有する。このため、エトリンガイトを含む
セメント硬化体は、耐久性や寸法安定性に問題があっ
た。
【0005】特開平8−91831号公報には、アルミ
ニウムを含有する粘土鉱物と消石灰とを混合し、この混
合物に機械的エネルギーを加えることにより得られる水
酸化カルシウム・アルミニウムを合成する方法が開示さ
れている。また、この方法により得られる粉体は水硬性
があり、種々の工業材料や廃棄物などの固定化などの用
途が期待できる旨が記載されている。
【0006】ところで、セメントの硬化反応のような液
相中のアルミニウムイオンやカルシウムイオンを利用し
た固液反応においては、液相中のアルミニウムイオンや
カルシウムイオンの量を最適に制御することで反応を促
進することができる。従って、セメントの速硬化性を高
めるためには、アルミニウムイオンやカルシウムイオン
の溶解性が制御された活性な無機質粉体をセメントに添
加することが有効である。
【0007】しかしながら、上記特開平8−91831
号公報記載の方法で得られる粉体をセメントへ添加して
凝結促進剤とする用途を考えた場合には、その硬化速度
は、エトリンガイト系(ジェットセメント)のものに較
べて、かなり遅いのが実情である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、アルミニウムイオン及びカルシウムイオンの水への
溶解性が制御された無機質粉体、並びに、凝結速度及び
硬化速度がともに速く、得られるセメント硬化体の耐久
性及び寸法安定性に優れたセメント組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の
発明(以下、第1発明という)の無機質粉体は、結晶水
を含有するアルミニウム化合物及び結晶水を含有するカ
ルシウム化合物からなり、アルミニウムに対するカルシ
ウムのモル比が10〜0.05である混合物に、0.5
〜30kWh/kgの機械的エネルギーを作用させるこ
とにより得られる粉体(A)、及び、結晶水を含有する
カルシウム化合物よりなる粉体(B)からなることを特
徴とする。
【0010】本願の請求項2に記載の発明(以下、第2
発明という)の無機質粉体は、結晶水を含有するアルミ
ニウム化合物及び結晶水を含有するカルシウム化合物か
らなり、アルミニウムに対するカルシウムのモル比が1
0〜0.05である混合物に、0.5〜30kWh/k
gの機械的エネルギーを作用させることにより得られる
粉体(A)、及び、結晶水を含有するカルシウム化合物
に0.5〜30kWh/kgの機械的エネルギーを作用
させることにより得られる粉体(C)からなることを特
徴とする。
【0011】本願の請求項3に記載の発明(以下、第3
発明という)の無機質粉体は、結晶水を含有するアルミ
ニウム化合物及び結晶水を含有するカルシウム化合物か
らなり、アルミニウムに対するカルシウムのモル比が1
0〜0.05である混合物に、0.5〜30kWh/k
gの機械的エネルギーを作用させることにより得られる
粉体(A)と、酸化カルシウム粉体(D)との混合物よ
りなることを特徴とする。
【0012】以下、上記と同様に、請求項4〜6に記載
の発明を第4〜6発明と呼び、第1〜5発明は特定の無
機質粉体に関するものであり、これらの発明をまとめて
本発明の無機質粉体と呼び、第6発明は、本発明の無機
質粉体がセメントに添加された組成物に関するものであ
る。又、本発明の無機質粉体に使用される結晶水を含有
するアルミニウム化合物、カルシウム化合物は、いずれ
も結晶水を含有することが必要で、後述する機械的エネ
ルギーを作用させることにより、水に対するイオン溶解
性を効果的に活性化することができる。以下、第1発明
より、順次、詳述する。
【0013】第1発明の無機質粉体は、粉体(A)及び
粉体(B)からなる。粉体(A)は、結晶水を含有する
アルミニウム化合物及び結晶水を含有するカルシウム化
合物からなる混合物に、機械的エネルギーを作用させる
ことにより得られるものである。結晶水を含有するアル
ミニウム化合物としては、特に限定されず、例えば、水
酸化アルミニウム〔Al(OH)3 〕;カオリナイト、
モンモリロナイト、ハロサイト、パイロフィライト等の
アルミニウムを含有する粘土鉱物等が挙げられ、これら
のうち、水酸化アルミニウムが好適に用いられる。
【0014】結晶水を含有するカルシウム化合物として
は、特に限定されず、例えば、工業原料として一般的で
ある水酸化カルシウム〔消石灰(Ca(OH)2 )〕、
石膏(CaSO4 ・2H2 O)、硝酸カルシウム〔Ca
(NO3 2 ・4H2 O〕、けい酸カルシウム水和物
(CaSiO3 ・nH2 O)、塩化カルシウム水和物
(CaCl2 ・6H2 O)等が挙げられる。これらのう
ち、水酸化カルシウム(消石灰〔Ca(OH)2 )〕が
好適に用いられる。
【0015】結晶水を含有するアルミニウム化合物及び
上記結晶水を含有するカルシウム化合物の平均粒径は、
特に限定されないが、機械的エネルギーの有効利用の観
点から、それぞれ、10.1〜500μmが好ましく、
より好ましくは、0.1〜100μmである。
【0016】第1発明においては、上記混合物における
結晶水を含有するアルミニウム化合物及び結晶水を含有
するカルシウム化合物の混合割合は、アルミニウム(A
l)に対するカルシウム(Ca)のモル比(Ca/A
l)が、10〜0.05であることが必要で、好ましく
は、5〜0.2である。この範囲外であると、水へのア
ルミニウムイオン及びカルシウムイオンの溶解性が低く
なり、この無機質粉体をセメントへ添加することにより
得られるセメント組成物の凝結速度及び硬化速度がとも
に不充分となる。
【0017】機械的エネルギーとしては、特に限定され
ず、例えば、圧縮力、せん断力、衝撃力等によるエネル
ギーが挙げられる。機械的エネルギーを作用させる方法
としては、特に限定されず、粉砕を目的として一般的に
使用されている粉砕装置を用いて行うことができる。こ
のような粉砕機としては、例えば、衝撃、摩擦、圧縮、
せん断等が複合したボールミル、振動ミル、遊星ミル、
媒体攪拌型ミル等のボール媒体ミル;ローラーミル;乳
鉢等が挙げられる。また、衝撃、摩砕が主であるジェッ
ト粉砕機を使用することも可能である。これらのうち、
機構的に原料粉体に有効に機械的エネルギーを付与する
ことが可能であるので、ボール媒体ミルが好ましい。
【0018】機械的エネルギーを作用させるに際して
は、セメントクリンカー、珪砂、石灰石等の粉砕時に通
常使用される粉砕助剤を使用することが好ましい。上記
粉砕助剤としては、特に限定されず、例えば、メチルア
ルコール等のアルコール類;トリエタノールアミン等の
エタノールアミン類等の液体系のもの;ステアリン酸ナ
トリウム、ステアリン酸カルシウム等の固体系のもの;
アセトン蒸気等の気体系のもの等が挙げられる。
【0019】機械的エネルギーは、0.5〜30kWh
/kgが必要であり、好ましくは、1.0〜10kWh
/kgである。0.5kwh/kg未満であると、得ら
れる無機質粉体のアルミニウムイオン及びカルシウムイ
オンの溶解性が低くなるので、この無機質粉体をセメン
トへ添加することにより得られるセメント組成物の凝結
速度及び硬化速度がともに不充分となる。又、30kW
h/kgを超えると、粉砕装置への過大な負荷、媒体と
してのボールや容器の激しい磨耗による処理粉体のコン
タミネーション、処理粉体の凝集による粗大粒子化、コ
スト等の生産性の面での不利等の不都合がある。
【0020】機械的エネルギーは、上記混合物を粉砕装
置中に投入して実際に運転したときに粉砕装置が消費す
る全電力量から、粉砕装置やボール媒体自体の運動や回
転によって消費される電力量を差し引いた電力量であっ
て、上記混合物にのみ供給されたと考えられる電力量を
示したものである。ここで、上記粉砕装置やボール媒体
自体の運転や回転によって消費される電力量は、上記混
合物を投入しないこと以外は投入する場合と同一の条件
で粉砕装置を運転した場合の消費電力量に等しい。
【0021】粉体(B)は、結晶水を含有するカルシウ
ム化合物よりなるものである。結晶水を含有するカルシ
ウム化合物としては、特に限定されず、例えば、工業原
料として一般的である水酸化カルシウム〔消石灰(Ca
(OH)2 )〕、石膏(CaSO4 ・2H2 O)、硝酸
カルシウム〔Ca(NO3 2 ・4H2 O〕、けい酸カ
ルシウム水和物(CaSiO3 ・nH2 O)、塩化カル
シウム水和物(CaCl2 ・6H2 O)等が挙げられ、
これらのうち、水酸化カルシウム(消石灰〔Ca(O
H)2 )〕が好適に用いられる。粉体(B)の平均粒径
は、特に限定されないが、セメントへ添加したときの分
散性、水への溶解性等の観点から、0.1〜100μm
が好ましい。
【0022】粉体(A)と粉体(B)との混合割合とし
ては、特に限定されないが、得られる無機質粉体をセメ
ントへ添加することにより得られるセメント組成物の凝
結速度及び硬化速度をともに充分に速いものとするため
には、粉体(A)/粉体(B)が重量比で、0.5〜
5.0であることが好ましく、より好ましくは、1.0
〜4.0である。
【0023】粉体(A)と粉体(B)とを混合する方法
としては、特に限定されず、例えば、オムニミキサー、
アイリッヒミキサー等のミキサーを用いる方法等を採用
することができる。この場合、粉体(A)は、機械的エ
ネルギーを作用させることにより活性化された粉体であ
るので、これらを混合する際には積極的に機械的エネル
ギーを作用させなくても、充分に活性な無機質粉体を得
ることができる。
【0024】第2発明の無機質粉体は、結晶水を含有す
るアルミニウム化合物及び結晶水を含有するカルシウム
化合物からなり、アルミニウムに対するカルシウムのモ
ル比が10〜0.05である混合物に、0.5〜30k
Wh/kgの機械的エネルギーを作用させることにより
得られる粉体(A)、及び、結晶水を含有するカルシウ
ム化合物に0.5〜30kWh/kgの機械的エネルギ
ーを作用させることにより得られる粉体(C)からなる
無機質粉体である。
【0025】第2発明の無機質粉体は、第1発明の無機
質粉体に用いられる粉体(B)の代わりに、結晶水を含
有するカルシウム化合物に0.5〜30kWh/kgの
機械的エネルギーを作用させることにより得られる粉体
(C)を用いるものである。粉体(B)の代わりに機械
的エネルギーが作用された粉体を用いることにより、得
られる無機質粉体をセメントへ添加することにより得ら
れるセメント組成物の凝結速度及び硬化速度をともによ
り優れたものとすることができる。
【0026】第2発明に用いられる結晶水を含有するカ
ルシウム化合物としては、特に限定されず、例えば、第
1発明において例示した結晶水を含有するカルシウム化
合物と同様のもの等が挙げられる。第2発明において
は、結晶水を含有するカルシウム化合物の平均粒径は、
特に限定されないが、機械的エネルギーの有効利用の観
点から、0.1〜500μmが好ましく、より好ましく
は、0.1〜100μmである。第2発明において結晶
水を含有するカルシウム化合物に作用させる機械的エネ
ルギーとしては、第1発明において詳述した上記混合物
に作用させる機械的エネルギーと同様のものである。
【0027】第3発明の無機質粉体は、第1発明の無機
質粉体に使用される粉体(A)と酸化カルシウム粉体
(D)との混合物よりなる。酸化カルシウム粉体(D)
としては、特に限定されず、工業材料として、一般的で
ある生石灰(CaO)が好適に使用される。酸化カルシ
ウム粉体(D)の粒径については、特に限定されない
が、セメントに添加される場合、水に対する溶解性の観
点から、0.1〜100μmが好ましい。
【0028】第3発明の無機質粉体において、粉体
(A)と酸化カルシウム粉体(D)との混合割合は、特
に限定されないが、粉体(A)/粉体(D)の重量比が
0.5〜5.0が好ましく、さらに好ましくは、1.0
〜4.0である。上記の範囲にあると、第3発明の無機
質粉体をセメントへ添加する場合、良好な凝結速度と硬
化速度が得られる。
【0029】本発明の無機質粉体は、アルミニウムイオ
ン及びカルシウムイオンの溶解性がセメント等の水硬性
材料の凝結、硬化を充分促進させるのに最適に制御され
ている。このため、セメント等の水硬性材料へ添加する
ことにより、凝結速度及び硬化速度がともに速いセメン
ト組成物を得ることができる。
【0030】第6発明のセメント組成物は、セメント
に、本発明の無機質粉体を添加してなるセメント組成物
である。セメントとしては、特に限定されず、例えば、
普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメン
ト、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランド
セメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等のポルトラ
ンドセメント;高炉セメント、シリカセメント、フライ
アッシュセメント等の混合セメント;白色ポルトランド
セメント、セメント系固化材、アルミナセメント等の特
殊セメント等が挙げられ、これらのうち、普通ポルトラ
ンドセメントが安価で品質が安定しているので、好適に
用いられる。
【0031】第6発明のセメント組成物においては、本
発明の無機質粉体の添加量は、特に限定されないが、セ
メント100重量部に対して、1〜100重量部が好ま
しく、より好ましくは、3〜50重量部である。1重量
部未満であると、添加の効果がなく、充分な凝結速度及
び硬化速度を得ることができず、100重量部を超える
と、充分な作業性ができない内に、硬化が開始するた
め、ポットライフが短すぎる。
【0032】セメントに本発明の無機質粉体を添加する
方法としては、セメント中に本発明の無機質粉体を均一
に分散させることができる方法であれば、特に限定され
ず、例えば、アイリッヒミキサー、オムニミキサー等の
ミキサーを用いる方法等を採用することができる。
【0033】第6発明のセメント組成物は、得られるセ
メント硬化体中にエトリンガイトを多量に形成すること
がないので、得られるセメント硬化体の寸法安定性及び
耐久性に優れている。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0035】実施例1〜18 結晶水を含有するアルミニウム化合物として水酸化アル
ミニウム(C−31、住友化学工業社製)、結晶水を含
有するカルシウム化合物として消石灰(河合石灰工業社
製、酸化カルシウム粉体として、生石灰(河合石灰工業
社製)を使用した。これらをカルシウムとアルミニウム
とのモル比であるCa/Alが表1に示す値となるよう
に配合し、混合物を得た。得られた混合物に、ウルトラ
ファインミル(AT−20、三菱重工業社製)を用い
て、表1に示す機械的エネルギーを作用させることによ
り粉体(a)を得た。
【0036】消石灰(河合石灰工業社製)の粉体を粉体
(b)とした。また、この消石灰のみにウルトラファイ
ンミル(AT−20、三菱重工業社製)を用いて、表1
に示す機械的エネルギーを作用させることにより粉体
(c)を得た。更に、生石灰(河合石灰工業社製)の粉
体を(d)とし、これには機械的エネルギーは全く作用
させなかった。
【0037】機械的エネルギーを作用させる際には、ボ
ール媒体として10mmφのジルコニアボールを使用し
た。また、ジルコニアボールの投入量は520kgと
し、化合物の投入量は20kgとした。更に粉砕助剤と
してエタノールを100g添加した。
【0038】混合物及び消石灰に作用させた機械的エネ
ルギーは、平均エネルギー密度(1時間当たりの平均エ
ネルギーであり、下式で求められる化合物に作用させた
機械的エネルギーを処理時間で割った値をいう)が、約
0.5kWh/kgとなる運転条件で、処理時間を変化
させることにより、表1に示す値になるようにした。
【0039】作用させた機械的エネルギー(kWh/k
g)={粉体処理時の運転で消費した電力量(kWh)
−粉体投入前の空運転時に消費した電力量(kWh)}
÷処理化合物量(kg)
【0040】かくして得られた粉体(a)、(b)、
(c)、(d)は、粉体の種類の重量比、即ち、(a)
/(b)、(a)/(c)、(a)/(d)の混合割合
を、表1に示す値になるように計量して、オムニミキサ
ーにより混合して、各種の無機質粉体を得た。上記の各
種無機質粉体を、普通ポルトランドセメント(秩父小野
田社製)100重量部に対して、表1に示す重量部とな
るように添加した後、オムニミキサーにより混合し、セ
メント組成物を調製した。セメント組成物の速硬化性、
及び、セメント硬化体の寸法安定性については、下記の
方法で評価し、結果を表1にまとめた。
【0041】評価方法 (1)速硬化性 ・凝結速度 得られたセメント組成物100重量部に対して、水35
重量部を注水、混練し、セメントペーストを調製した。
得られたセメントペーストについて、JIS R 52
01(セメントの物理試験法7.凝結試験)に準じて凝
結試験を行い、凝結の始発と終結とを測定し、この差を
凝結速度の指標とした。凝結試験機としては、自動凝結
試験機(MIC−308−1、圓井製作所製)を用い
た。ただし、凝結速度が著しく速く測定が不可能である
ものに対しては、得られたセメント組成物100重量部
に対して、凝結遅延材(ジェットセッター、秩父小野田
社製)を添加した後、同様の測定を行った。
【0042】・硬化速度 セメントペーストを直径5cm、高さ5cmの円筒形状
になるよう注型成形し、注水から3時間経過した時点
で、得られたセメント硬化体の圧縮強度を測定し、これ
を硬化速度の指標とした。尚、圧縮強度の測定は、JI
S R 5201(セメントの物理試験法9.強さ試
験)に準じて行った。
【0043】(2)寸法安定性 得られたセメント組成物100重量部、8号珪砂(六呂
屋鉱業社製)50重量部、及び、水40重量部を混練
し、得られた混練物を50mm×150mm×10mm
のダンベル形状に注型成形した。この後、60℃の水蒸
気中で2日間蒸気養生を行い、セメント硬化体を得た。
得られたセメント硬化体を、60℃乾燥1日、水中に浸
漬1日のサイクルで3サイクル試験を行い、試験前後で
の長手方向の寸法をマイクロメーターにより測定し、以
下の式により寸法変化率を求めた。 寸法変化率(%)=(試験後飽水寸法−初期寸法)/初
期寸法×100 寸法安定性の評価は、寸法変化率が0.1以下のものを
○、0.1を超えるものを×とした。
【0044】比較例1 セメントとしてジェットセメント(秩父小野田社製)を
用いて、無機質粉体を添加しないものをセメント組成物
とした。このセメント組成物の速硬化性及びセメント硬
化体の硬化安定性について、実施例1と同様にして評価
した。結果を表1に示した。
【0045】比較例2 結晶水を含有するアルミニウム化合物として水酸化アル
ミニウム(C−31、住友化学工業社製)、結晶水を含
有するカルシウム化合物として消石灰(河合石灰工業社
製)を用いた。これらを事前に、Ca/Alがモル比で
3/2となるように計量し、混合した後、この混合物
に、4kWh/kgの機械的エネルギーを実施例1と同
様にして作用させて無機質粉体を得た。
【0046】得られた無機質粉体を普通ポルトランドセ
メント(秩父小野田社製)100重量部に対して15重
量部となるように添加した後、オムニミキサーにより混
合し、セメント組成物を調製した。得られたセメント組
成物の速硬化性、及び、セメント硬化体の寸法安定性に
ついて実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示し
た。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の無機質粉体は、上述のように構
成されているので、アルミニウムイオン及びカルシウム
イオンの水への溶解性が最適に制御されている。従っ
て、液相中のアルミニウムやカルシウムを利用した固液
反応に有効に利用することができ、例えば、セメント等
の水硬性材料の凝結、硬化を充分に促進することができ
る。本発明の無機質粉体を添加したセメント組成物は、
凝結速度及び硬化速度がともに速く、得られるセメント
硬化体中にエトリンガイトを多量に形成することがな
い。従って、得られるセメント硬化体は、寸法安定性及
び耐久性に優れたものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 103:14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶水を含有するアルミニウム化合物及
    び結晶水を含有するカルシウム化合物からなり、アルミ
    ニウムに対するカルシウムのモル比が10〜0.05で
    ある混合物に、0.5〜30kWh/kgの機械的エネ
    ルギーを作用させることにより得られる粉体(A)、及
    び、結晶水を含有するカルシウム化合物よりなる粉体
    (B)からなることを特徴とする無機質粉体。
  2. 【請求項2】 結晶水を含有するアルミニウム化合物及
    び結晶水を含有するカルシウム化合物からなり、アルミ
    ニウムに対するカルシウムのモル比が10〜0.05で
    ある混合物に、0.5〜30kWh/kgの機械的エネ
    ルギーを作用させることにより得られる粉体(A)、及
    び、結晶水を含有するカルシウム化合物に0.5〜30
    kWh/kgの機械的エネルギーを作用させることによ
    り得られる粉体(C)からなることを特徴とする無機質
    粉体。
  3. 【請求項3】 結晶水を含有するアルミニウム化合物及
    び結晶水を含有するカルシウム化合物からなり、アルミ
    ニウムに対するカルシウムのモル比が10〜0.05で
    ある混合物に、0.5〜30kWh/kgの機械的エネ
    ルギーを作用させることにより得られる粉体(A)と、
    酸化カルシウム粉体(D)との混合物よりなることを特
    徴とする無機質粉体。
  4. 【請求項4】 結晶水を含有するカルシウム化合物が、
    水酸化カルシウムである請求項1又は2記載の無機質粉
    体。
  5. 【請求項5】 結晶水を含有するアルミニウム化合物
    が、水酸化アルミニウムである請求項1、2、3又は4
    記載の無機質粉体。
  6. 【請求項6】 セメントに、請求項1、2、3、4又は
    5記載の無機質粉体を添加してなることを特徴とするセ
    メント組成物。
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