JPH10181634A - 剛性の向上した車体用箱型構造部材及びその製造方法 - Google Patents

剛性の向上した車体用箱型構造部材及びその製造方法

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JPH10181634A
JPH10181634A JP35673896A JP35673896A JPH10181634A JP H10181634 A JPH10181634 A JP H10181634A JP 35673896 A JP35673896 A JP 35673896A JP 35673896 A JP35673896 A JP 35673896A JP H10181634 A JPH10181634 A JP H10181634A
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JP
Japan
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foam
resin
box
foamed
epoxy resin
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JP35673896A
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Satoshi Ichikawa
聡 市川
Takayuki Fukui
孝之 福井
Motoi Komatsu
基 小松
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 箱型部材中に樹脂系発泡材を確実に均一発泡
・充填することができ、剛性の向上した車体用箱型構造
部材及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 鋼板から構成される箱型部材中に、樹脂
系発泡体を充填して成る箱型構造部材2である。エポキ
シ樹脂系発泡体1は、既発泡の発泡体と、車体電着塗装
時の焼き付け工程で発泡させた発泡体とを有する。既発
泡の発泡体の側面と鋼板の内側面との間には、粘着層が
設けられる。鋼板と既発泡の発泡体との隙間には、焼き
付け工程で発泡させた発泡体が配置される。アウターパ
ネルの内側面に粘着剤を塗布し、ここに既発泡発泡体を
貼着する。未発泡発泡材を既発泡発泡体の他の5側面に
貼着した後、インナーパネルをアウターパネルに溶接し
て箱型部材を組み上げ、脱脂・洗浄し、電着塗装を施
す。その後、塗装焼き付け工程で、未発泡発泡材を発泡
させる製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体のボディサイ
ドシル、フロアメンバー、ピラー等の箱型構造部材断面
に予め発泡形成した発泡樹脂を設置し、発泡体樹脂成形
体と箱型構造部材の鋼板との間の隙間を車体電着塗装時
の焼き付け工程で発泡する発泡性樹脂を充填することに
より、軽量に車体の剛性を向上できる方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の車体構造は、乗り心地
改善、騒音・振動低減等の観点から車体各部の骨格が強
固に作り上げられている。従来の車体構造は、箱型の閉
断面構造を多く採用しており、種々の断面形状に作成さ
れているが、化石燃料の枯渇や大気汚染を防止する観点
からの燃費向上という社会的要請により、車体重量を軽
減するために、いずれも板厚が薄い構造となっており、
その分の剛性低下を補うため必要な部位に金属製の補強
材を用いるのが一般的である。
【0003】また、一方では、該閉断面構造の内部に硬
質ウレタン発泡体を充填することにより、車体骨格を補
強する自動車の車体構造が特開昭48−2631号公報
に提案されている。発泡体の充填は、壁面座屈の抑制効
果が高く、箱型部材の剛性を著しく向上させるため、金
属製補強材による車体の補強方法と比較して、車体重量
を大幅には増大させることなく、剛性の向上が図れるこ
とがある。
【0004】なお、樹脂発泡タイプの充填材としては、
上記ウレタン系の他に、オレフィン系樹脂発泡充填材
(日本シーカ社製、シーカラストマー240)やエポキ
シ樹脂系発泡充填剤(イイダ産業製、OROTEX81
5)等があり、これらは車体塗装工程において発泡・充
填して使用されるタイプである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車体補強法においては、ウレタン原液がその
注入・発泡時に漏出するなどの課題があり、かかる課題
を解決すべく、本出願人は、平成8年11月11日付け
の特許出願(特願平8−312566号)にて、発泡前
の未硬化樹脂シートを車体組立工程で箱型部材の内部に
貼着し、後の塗装工程の焼き付け工程で発泡させる方法
を提案している。
【0006】この方法では、例えば、図1に示すよう
に、箱型部材を形成するように予め成形されたアウター
パネル2の一部に未硬化樹脂シート1を貼着し、次い
で、インナーパネルを該アウターパネル2にスポット溶
接して箱型部材を組み付けて車体を組み上げた後、車体
を脱脂・洗浄・電着処理し、更に電着塗膜の乾燥・焼き
付け工程で、未硬化樹脂シートを発泡させることによ
り、剛性の向上した箱型閉断面構造部材を得る。
【0007】しかし、本発明者らが更に検討を重ねた結
果、この方法についても、以下のような改良の余地があ
ることが判明した。即ち、上述したように、化石燃料の
枯渇や大気環境の観点から省エネに対する取り組みがな
されており、車体塗装の乾燥工程おいても、その乾燥温
度・時間を必要最低限にする努力なされている。また、
乾燥に用いるオーブンの方式により程度が異なるが、箱
型構造部材の閉断面内部空間では、部材を構成している
鋼板表面の温度が最も高く、内部に移行するにつれて温
度が低くなっており、箱型部材の内部には、このような
温度分布が存在する。
【0008】かかる状況の下で、本出願人が提案した上
記方法を用いると、未硬化樹脂シートの表面は十分に発
泡・硬化するものの、その内部までは均一に発泡しない
ことがあることが判明した。これに対し、乾燥に用いる
オーブンの設定温度を上昇させたり、乾燥時間を延長し
たりして、シート内部まで均一に発泡させようとする
と、シート表面が焼ける場合があり、また、均一に発泡
できたとしても消費電力が多くなることを知見した。
【0009】本発明は、このような従来技術の有する課
題や上記知見に鑑みてなされたものであり、その目的と
するところは、箱型部材中に樹脂系発泡材を確実に均一
発泡・充填することができ、剛性の向上した車体用箱型
構造部材及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、予め箱型部材内部
の略形状に発泡成形した樹脂系発泡体をこの箱型部材の
内部に適切に配置し、更に箱型部材と発泡成形した樹脂
系発泡体との隙間に、未発泡の樹脂系発泡材を配置し、
電着塗装時の焼き付け工程で発泡・充填させることによ
り、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0011】即ち、本発明の車体用箱型構造部材は、鋼
板から構成された箱型部材の内部閉断面空間に樹脂系発
泡材を充填して成る車体用箱型構造部材において、上記
樹脂系発泡材が、上記閉断面空間とほぼ同じ形状を有す
る第1樹脂系発泡体と、この第1樹脂系発泡体の少なく
とも1つの側面と接する第2樹脂系発泡体とを有し、上
記第1樹脂系発泡体と上記箱型部材の少なくとも1つの
内側面との間には、粘着層及び/又は係止具が配設さ
れ、上記第2樹脂系発泡体が、上記内側面以外の内側面
と接していることを特徴とする。
【0012】また、本発明の車体用箱型構造部材の製造
方法は、上述の車体用構造部材を製造するに当たり、上
記箱型部材の内部閉断面空間とほぼ同じ形状を有し、上
記第1樹脂系発泡体を構成する予め発泡させた樹脂系発
泡体を、粘着剤及び/又は係止具を介してこの箱型部材
の少なくとも1つの内側面に貼着し、次いで、上記箱型
部材の他の内側面と上記樹脂系発泡体との隙間に、未硬
化状態の樹脂系発泡材を配置し、しかる後、車体電着塗
装時の焼き付け工程で、上記未硬化状態の樹脂系発泡材
を発泡させ、上記隙間を上記第2樹脂系発泡体で充填す
ることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。上述の如く、本発明の車体用箱型構造部材は、鋼
板から成る箱型部材の内部閉断面空間に、第1樹脂系発
泡体と第2樹脂系発泡体を充填して構成される。ここ
で、第1樹脂系発泡体は、上記内部閉断面空間とほぼ同
一の形状を有し、例えば、内部閉断面空間が4角柱状で
あれば、これより若干小さな4角柱状、6角柱状であれ
ば、これより若干小さな6角柱状とすることができる。
【0014】また、第1樹脂系発泡体は、上記閉断面空
間を構成する箱型部材の少なくとも1つの内側面と粘着
層及び/又は係止具を介して接している。典型的には、
内部断面形状が4角柱状をなす場合、4角筒状の箱型部
材の1つの内側面と、4角柱状の第1樹脂系発泡体の1
つの側面との間に、粘着層及び/又は係止具が配置され
ており、箱型部材における残余の3つの内側面と、第1
樹脂系発泡体における残余の3つの側面とが接していな
い構成を挙げることができる。
【0015】一方、第2樹脂系発泡体は、第1樹脂系発
泡体の少なくとも1つの側面、即ち第1樹脂系発泡体の
側面のうち、箱型部材の内側面と接していない側面と接
し、且つ箱型部材の内側面のうち、第1樹脂系発泡体と
接触していない内側面と接している。換言すれば、箱型
部材の内部閉断面空間において、第1樹脂発泡体と箱型
部材とが少なくとも1つの側面−内側面で接し、残余の
側面−内側面の隙間に、第2樹脂系発泡体が充填されて
いることになる。
【0016】かかる構成は、典型的には、箱型部材が4
角筒状をなし、第1樹脂系発泡体が4角柱状をなす場
合、箱型部材の1つの内側面と第1樹脂系発泡体の1つ
の側面とが接しており、箱型部材と第1樹脂系発泡体と
の間のコ字状の隙間に、第2樹脂系発泡体が充填されて
いることを意味する。
【0017】本発明の車体用箱型構造部材は、自動車車
体において箱型構造を有する部位であれば、いかなる部
位にも適用できるが、例えば、図2に示すように、車体
のセンターピラーに適用することができ、この場合、箱
型部材はインナーパネルとアウターパネルとを溶接して
成り、その内部に本発明に係る第1及び第2発泡体が充
填され、本発明の箱型構造部材を構成している。
【0018】次に、本発明の車体用箱型構造部材の製造
方法について詳細に説明する。上述の如く、本発明の製
造方法では、まず、箱型部材の内部閉断面空間とほぼ同
一の形状を有する樹脂系発泡体の少なくとも1つの側面
を、粘着剤や係止具を介してこの箱型部材の少なくとも
1つの内側面に貼着し、この樹脂系発泡体が脱落した
り、流出したりするのを防止する。
【0019】ここで、上記樹脂系発泡体は、上述した第
1樹脂系発泡体を構成するものであって、予め発泡させ
たものであり、代表的には、エポキシ樹脂系の発泡材を
用いることができる。また、その発泡倍率が1.5〜4
倍のものが望ましく、発泡倍率が1.5倍未満では、箱
型構造部材の剛性向上効果は認められるものの軽量化効
果が不十分になることがあり、一方、4倍を超えると剛
性向上効果が殆ど認められないことがある。
【0020】また、上記粘着剤としては、上記樹脂発泡
体が脱落・流出するのを回避できれば特に限定されるも
のではなく、ブチル系粘着剤などの種々の粘着剤を用い
ることができ、係止具としても、脱落等が回避できれば
よく、クリップなどの簡易なもので十分である。
【0021】次に、本発明の製造方法では、上記箱型部
材と上記樹脂発泡体との隙間に、未硬化状態の樹脂系発
泡材を配置し、しかる後、車体電着塗装時の焼き付け工
程でこの未硬化樹脂系発泡材を発泡させ、上記隙間を満
たし、箱型構造部材を得る。
【0022】ここで、上記未硬化状態の樹脂系発泡材
は、上述した第2樹脂系発泡体を構成するものであっ
て、代表的には、エポキシ樹脂系発泡材を例示できる。
また、その発泡倍率は、1.3〜4.5倍であり、望ま
しくは、1.5〜4.5倍である。この理由は、上記樹
脂系発泡体(第1の樹脂系発泡材)と箱型部材の内側面
との隙間は、作業性を考慮すると3〜10mmは確保す
る必要があり、また、未硬化樹脂系発泡材の厚みとして
は、ハンドリング上の要請から2mm以上とする必要が
あり、これらを勘案すると、発泡倍率は1.5倍以上と
するのが好ましく、一方、4.5倍を超えると、剛性向
上効果が殆ど認められないことがあるからである。
【0023】また、未硬化樹脂系発泡材と予め発泡させ
た樹脂系発泡体との関係は、次式 (未硬化樹脂系発泡材の発泡後の発泡倍率)/(予め発
泡させた樹脂系発泡体の発泡倍率)≦1.5 で表される発泡倍率の比を満足することが好ましい。発
泡倍率がの比が1.5を超えると、部材の剛性向上効果
が減少することがあり、好ましくない。
【0024】ここで、上述の製造方法を図面を参照して
具体的に説明すると、図3に示すように、鋼板をプレス
成形してアウターパネルとインナーパネルとを作成し、
両パネルで6角柱状の内部閉断面空間を形成するように
する。次いで、アウターパネルの一内側面に粘着剤を塗
布し、この内側面と6角柱状の既発泡発泡材の一側面と
を貼着して、既発泡発泡材をアウターパネルに固定す
る。
【0025】次に、未発泡発泡材を既発泡発泡材の他の
側面(残余の5面)に貼着した後、インナーパネルをア
ウターパネルに溶接して箱型部材を組み上げ、得られた
箱型部材を脱脂・洗浄し、電着塗装を施す。しかる後、
塗装焼き付け工程で、未発泡発泡材を発泡させることに
より、箱型部材内部の隙間を充填し、箱型部材の内部に
発泡体1が均一に充填された本発明の箱型構造部材2を
得ることができる。
【0026】なお、上記未発泡発泡材の発泡条件は、使
用する発泡材の特性に応じて適宜変更できるが、発泡材
がエポキシ樹脂系組成物の場合には、代表的に160〜
210℃で30分間加熱すればよい。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。なお、以下の各例において、箱型断面構
造部材に充填した樹脂系発泡材料は、表1に示す配合の
エポキシ樹脂系発泡材料を使用した。
【0028】これらエポキシ樹脂系発泡材料は、汎用の
エポキシ樹脂、高相溶性ゴム、熱可塑性エラストマー、
無機系充填剤及び各種添加剤(例えば、可塑剤、希釈
剤、安定剤、乳化剤、強化剤、着色剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤及び滑剤など)を表1に示す割合で混合し、
更に、有機系発泡剤アゾジカルボンアミドを添加して、
加熱発泡充填後の発泡倍率が所定値になるように調整し
たものであり、それぞれエポキシ樹脂系組成物A(発泡
倍率130%)、B(150%)、C(220%)、D
(330%)、E(400%)、F(450%)及びG
(500%)に対応する。
【0029】
【表1】
【0030】また、各例で得られた箱型構造部材の性能
については、次に示す方法により評価した。 (1)部材剛性 冷延鋼板をプレス成形して断面形状がほぼコ字状の鋼板
部材を得る。なお、この鋼板部材の形状は、内部断面寸
法が25mm×50mmで、長さが700mmである。
得られたコ字状鋼板部材の一内側面(底部側面)に、断
面寸法が20mm×90mmで、長さが700mmの4
角柱状をなす予め発泡・硬化させたエポキシ樹脂発泡体
を接着剤を介して貼着する。
【0031】次いで、このエポキシ樹脂発泡体の側面の
うち、コ字状鋼板部材に接着した側面以外の3側面に、
発泡後の厚みが5mmになるように調整した発泡・硬化
前の各種エポキシ樹脂シート(エポキシ樹脂系組成物A
〜G)を貼着する。次に、上記コ字状鋼板部材と同一形
状の鋼板部材をスポット溶接により溶接・一体化して箱
型部材を得、160℃の熱風乾燥炉に10分間放置し、
上述のように貼着した未発泡のエポキシ樹脂シートを発
泡させ、鋼板との隙間を満たして一体化させ、各例の箱
型閉断面部材を得る。
【0032】上述のようにして得られた各例の箱型閉断
面部材につき、図5に示すような曲げ試験を行い、樹脂
系発泡体を充填していない場合と比較して剛性向上効果
を評価した。得られた結果を表2に示す。また、一部の
例について、曲げ試験の結果をグラフ化し、図4に示し
た。なお、表2において、上記試験の結果は下記の基準
により判定した。 ○:未充填の場合に比し、剛性の向上が満足のいくレベ
ルに十分達したもの △:未充填の場合に比し、剛性の向上が認められるが、
満足のいくレベルには達しなかったもの ×:未充填の場合に比し、剛性の向上が認められないも
【0033】(作業性)上述の部材剛性試験において、
スポット溶接により上記箱型部材が得られるまでの所要
時間を測定した。この際、作業性については、この所要
時間が以下の実施例及び比較例での全平均所要時間に比
し著しく長い場合を「劣」、それ以外を「良」として表
2に示した。
【0034】(実施例1)コ字状鋼板部材の材質をSP
CCとし、予め発泡・硬化させたエポキシ樹脂発泡体と
してエポキシ樹脂系組成物B、接着剤としてブチル系粘
着剤、未発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂
系組成物Bを用い、上記部材剛性試験及び作業性試験を
行った。
【0035】(実施例2)予め発泡・硬化させたエポキ
シ樹脂発泡体及び未発泡のエポキシ樹脂シートとしてエ
ポキシ樹脂系組成物Cを用いた以外は、実施例1と同様
の操作を繰り返し、得られた結果を表2に示した。
【0036】(実施例3)予め発泡・硬化させたエポキ
シ樹脂発泡体及び未発泡のエポキシ樹脂シートとしてエ
ポキシ樹脂系組成物Dを用いた以外は、実施例1と同様
の操作を繰り返し、得られた結果を表2に示した。
【0037】(実施例4)予め発泡・硬化させたエポキ
シ樹脂発泡体及び未発泡のエポキシ樹脂シートとしてエ
ポキシ樹脂系組成物Eを用いた以外は、実施例1と同様
の操作を繰り返し、得られた結果を表2に示した。
【0038】(実施例5)予め発泡・硬化させたエポキ
シ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Eを用い、未
発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成物
Fを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、
得られた結果を表2に示した。
【0039】(実施例6)予め発泡・硬化させたエポキ
シ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Bを用い、未
発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成物
Cを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、
得られた結果を表2に示した。
【0040】(実施例7)予め発泡・硬化させたエポキ
シ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Cを用い、未
発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成物
Bを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、
得られた結果を表2に示した。
【0041】(実施例8)予め発泡・硬化させたエポキ
シ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Cを用い、未
発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成物
Dを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、
得られた結果を表2に示した。
【0042】(実施例9)予め発泡・硬化させたエポキ
シ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Dを用い、未
発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成物
Eを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、
得られた結果を表2に示した。
【0043】(実施例10)予め発泡・硬化させたエポ
キシ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Dを用い、
未発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成
物Fを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返
し、得られた結果を表2に示した。
【0044】(実施例11)予め発泡・硬化させたエポ
キシ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Aを用い、
未発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成
物Bを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返
し、得られた結果を表2に示した。
【0045】(実施例12)予め発泡・硬化させたエポ
キシ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Fを用い、
未発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成
物Fを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返
し、得られた結果を表2に示した。
【0046】(実施例13)予め発泡・硬化させたエポ
キシ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Eを用い、
未発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成
物Gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返
し、得られた結果を表2に示した。
【0047】(実施例14)予め発泡・硬化させたエポ
キシ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Dを用い、
未発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成
物Aを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返
し、得られた結果を表2に示した。
【0048】(比較例1)SPCC製コ字状鋼板部材の
内部に、なんら樹脂系発泡体を充填せず、そのままスポ
ット溶接を行った以外は、実施例1と同様の操作を繰り
返し、得られた結果を表2に示した。
【0049】(比較例2)上述のSPCC製コ字状鋼板
部材の内部に、エポキシ樹脂系組成物Dから成る700
mm×50mmの未発泡のエポキシ樹脂シートをブチル
系接着剤により接着した。次いで、同形状の鋼板部材を
スポット溶接して箱型部材を作成し、更に熱風型乾燥炉
中160℃で20分間加熱して、接着したエポキシ樹脂
シートを発泡させ、本例の箱型閉断面部材を得た。実施
例1と同様に性能評価を行い、得られ結果を表2に示
す。
【0050】(比較例3)加熱・発泡時間を10分間に
した以外は、従来例2と同様の操作を繰り返し、得られ
た結果を表2に示した。
【0051】(実施例15)予め発泡・硬化させたエポ
キシ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Bを用い、
未発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成
物Dを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返
し、得られた結果を表2に示した。
【0052】(実施例16)予め発泡・硬化させたエポ
キシ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Cを用い、
未発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成
物Eを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返
し、得られた結果を表2に示した。
【0053】(実施例17)予め発泡・硬化させたエポ
キシ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Dを用い、
未発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成
物Gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返
し、得られた結果を表2に示した。
【0054】(実施例18)予め発泡・硬化させたエポ
キシ樹脂発泡体としてエポキシ樹脂系組成物Eを用い、
未発泡のエポキシ樹脂シートとしてエポキシ樹脂系組成
物Gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返
し、得られた結果を表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】実施例11及び実施例14では、いずれも
内部に発泡樹脂を充填していない比較例1に比し、曲げ
剛性の向上が認められたが、実施例11については軽量
化効果が不十分であった。また、実施例14では、作業
性が不十分であった。
【0057】また、比較例3では、エポキシ樹脂組成物
の発泡が十分ではなく、部材剛性の向上効果も殆ど認め
られなかった。実施例12、13、15、16、17、
18及び比較例3では、いずれも内部に発泡樹脂を充填
していない比較例1と比較すれば、曲げ剛性の向上が認
められた。表2より、全ての項目において顕著な改善効
果が認められたのは、実施例1〜10のみであった。
【0058】
【作用】内部に発泡材を充填した箱型部材の剛性向上の
メカニズムは、例えば、箱型部材の片側より荷重が入力
されたとき、荷重入力点付近のパネルが壁面座屈を生
じ、内側に変形しようとするのを防ぐためであると考え
られる。
【0059】本発明では、箱型部材内部の略形状に予め
発泡形成した樹脂系発泡体を、粘着剤やクリップ等の掛
かり止めを介して、箱型部材の一方を構成する鋼板部材
の内側面に貼着し、次いで、他方の鋼板部材を用いて箱
型部材を組み上げ、箱型部材と予め発泡させた樹脂系発
泡体との隙間に、未硬化状態の発泡材を設置し、この未
硬化発泡材を車体電着塗装時の焼き付け工程で発泡・充
填させることにより、車体工程で未硬化状態の発泡性エ
ポキシ樹脂のシートを車体鋼板に貼付し、樹脂発泡体を
均一に充填させた場合と同等の剛性向上効果が得られ
た。
【0060】座屈するまで曲げ試験を実施した箱型構造
部材を荷重入力点で切断し、内部に充填した発泡体の状
態を観察したところ、本発明で顕著な効果が認められた
実施例の箱型構造部材では、箱型部材の内部に発泡体を
均一に充填した場合に認められたのと同様に荷重入力点
近傍の発泡体が圧縮されていることが確認された。ま
た、予め発泡成形させた発泡体と車体の塗装工程で発泡
させた発泡材も一体化されており、界面での剪断力によ
る剥離も生じていなかった。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
予め箱型部材内部の略形状に発泡成形した樹脂系発泡体
をこの箱型部材の内部に適切に配置し、更に箱型部材と
発泡成形した樹脂系発泡体との隙間に、未発泡の樹脂系
発泡材を配置し、電着塗装時の焼き付け工程で発泡・充
填させることとしたため、箱型部材中に樹脂系発泡材を
確実に均一発泡・充填することができ、剛性の向上した
車体用箱型構造部材及びその製造方法を提供することが
できる。
【0062】即ち、本発明よれば、車体の軽量な剛性効
果を維持したままで、車体電着塗装時の焼き付け工程の
乾燥工程で乾燥に用いる炉の温度を上昇させたり、乾燥
時間を延長することなしに、発泡性樹脂の均一な発泡・
硬化・充填を行うことができる。また、箱型部材中にこ
のような高剛性の発泡体を充填することにより、車両衝
突時のエネルギー吸収効果も期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂系発泡材シートを貼付する車体の補強方法
を示す工程図である。
【図2】箱型構造部材を適用し得る車体を示す側面図で
ある。
【図3】本発明の箱型構造部材の製造方法の一例を示す
工程図である。
【図4】剛性向上効果を図5に示す装置で測定した結果
を示す曲線図である。
【図5】箱型構造部材の剛性を評価する試験装置を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 エポキシ樹脂系組成物 2 箱型構造部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板から構成された箱型部材の内部閉断
    面空間に樹脂系発泡材を充填して成る車体用箱型構造部
    材において、 上記樹脂系発泡材が、上記閉断面空間とほぼ同じ形状を
    有する第1樹脂系発泡体と、この第1樹脂系発泡体の少
    なくとも1つの側面と接する第2樹脂系発泡体とを有
    し、 上記第1樹脂系発泡体と上記箱型部材の少なくとも1つ
    の内側面との間には、粘着層及び/又は係止具が配設さ
    れ、 上記第2樹脂系発泡体が、上記内側面以外の内側面と接
    していることを特徴とする車体用箱型構造部材。
  2. 【請求項2】 上記第1樹脂系発泡体が予め発泡させた
    エポキシ樹脂系組成物であり、上記第2樹脂系発泡体は
    車体電着塗装時の焼き付け工程で発泡させたエポキシ樹
    脂系組成物であることを特徴とする請求項1記載の車体
    用箱型構造部材。
  3. 【請求項3】 上記第1樹脂系発泡体の発泡倍率が1.
    5〜4倍であり、上記第2樹脂系発泡体の発泡倍率が
    1.3〜4.5倍であり、且つこれら樹脂系発泡体の発
    泡倍率の比が、次式 (第2樹脂系発泡体の発泡倍率)/(第1樹脂系発泡体
    の発泡倍率)≦1.5 で表されることを特徴とする請求項1又は2記載の車体
    用箱型構造部材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載
    の車体用構造部材を製造するに当たり、 上記箱型部材の内部閉断面空間とほぼ同じ形状を有し、
    上記第1樹脂系発泡体を構成する予め発泡させた樹脂系
    発泡体を、粘着剤及び/又は係止具を介してこの箱型部
    材の少なくとも1つの内側面に貼着し、 次いで、上記箱型部材の他の内側面と上記樹脂系発泡体
    との隙間に、未硬化状態の樹脂系発泡材を配置し、 しかる後、車体電着塗装時の焼き付け工程で、上記未硬
    化状態の樹脂系発泡材を発泡させ、上記隙間を上記第2
    樹脂系発泡体で充填することを特徴とする車体用箱型構
    造部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010037100A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Kanto Auto Works Ltd 未発泡シート貼着装置
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