JPH1018152A - 有機繊維複合材料およびそれを成形してなる自動車部品 - Google Patents

有機繊維複合材料およびそれを成形してなる自動車部品

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JPH1018152A
JPH1018152A JP8173448A JP17344896A JPH1018152A JP H1018152 A JPH1018152 A JP H1018152A JP 8173448 A JP8173448 A JP 8173448A JP 17344896 A JP17344896 A JP 17344896A JP H1018152 A JPH1018152 A JP H1018152A
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JP
Japan
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fiber
organic
sheet
organic fiber
nonwoven fabric
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Application number
JP8173448A
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English (en)
Inventor
Tadayuki Yamamoto
忠之 山本
Toshihiro Hamada
敏裕 浜田
Yoshihiko Kawamura
吉彦 河村
Isao Sone
勲 曽根
Takayuki Fukui
孝之 福井
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Kuraray Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機繊維強化樹脂材料の曲げ変形や衝撃変形
における層間せん断破壊を防止して、曲げ剛性/強度お
よび衝撃強度を向上させ、且つ積層するシートの枚数を
低減させることが可能である機械的特性に優れた有機繊
維複合材料およびそれを成形してなる自動車部品を提供
すること。 【解決手段】 一方向に引き揃えられた有機系強化繊維
の両面または片面に有機系繊維不織布を一体化してなる
シートを型内に積層した後、反応性樹脂モノマーを含浸
して反応・固化させるか、もしくは前記シートを予め反
応性樹脂モノマーを含浸させたプリプレグ状態で積層
し、反応・固化させてなることを特徴とする有機繊維複
合材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機繊維強化複合
材料およびそれを成形してなる自動車部品に関し、特に
有機繊維強化樹脂材料の曲げ変形や衝撃変形における層
間せん断破壊を防止して、曲げ剛性/強度および衝撃強
度を向上させ、且つ積層するシートの枚数を低減させる
ことが可能である機械的特性に優れた有機繊維複合材料
およびそれを成形してなる自動車部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の有機繊維強化熱可塑性樹脂材料と
しては、アラミド繊維材料/熱可塑性樹脂複合材料が提
案され(特開昭63−87228号公報、特開平1−5
80199号公報、特開平2−144901号公報、特
開平3−76614号公報および特開平3−16133
1号公報)、更にナイロン繊維材料またはポリエステル
繊維/熱可塑性樹脂複合材料が提案されている(特開昭
59−207966号公報、特開平1−43532号公
報、特開平2−124956号公報、特開平3−766
14号公報、および特開平3−130118号公報)。
【0003】また、従来の有機繊維強化熱硬化性樹脂材
料としては、強化繊維として炭素繊維、アラミド繊維材
料、液晶繊維材料、超高分子量ポリエチレン繊維材料、
ビニロン繊維材料、ポリフェニレンスルフィド(PP
S)、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
といったスーパーエンプラ系繊維材料などが不飽和ポリ
エステル樹脂またはエポキシ樹脂などを母材とした複合
材料として製造されている。
【0004】これらの複合材料は、予め樹脂または反応
性樹脂モノマーを含浸させたプリプレグを金型内に積層
させた後、加熱および加圧下にて樹脂を溶融・固化また
は反応・固化させることによって製造されている。
【0005】一方、ニードルパンチなどの針打ちによる
強化繊維処理方法に関しては、例えばガラス長繊維とガ
ラス長繊維マットとの組み合わせ(特開昭62−240
514号公報)やガラス長繊維とポリアミドやポリプロ
ピレン繊維等の有機繊維マットとの組み合わせ(特開昭
59−71847号公報)などが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の有機繊維強化樹脂材料では、通常、強化繊維と
して織物積層体または不織布積層体を用いているが、織
物積層樹脂材料では、曲げや衝撃の荷重を受けた場合
に、積層層間を拘束するものが存在しないため、せん断
破壊により繊維の張力を十分に発揮することができず、
曲げ剛性/強度および衝撃強度が著しく低下してしまう
という欠点があった。
【0007】また、織物積層体では、織物自体の厚みが
薄く、一定の厚みの成形品を得るには織物の積層数が多
くなるため積層作業が煩雑となると共に、樹脂含浸時に
織物の目によるフィルタ効果により、樹脂含浸性が著し
く阻害され、十分な機械特性が得られないという欠点が
あった。
【0008】さらに、積層体を強化繊維として用いた複
合材料を自動車に適用する場合には、平面剛性を必要と
するような部品では織物積層体が有効であるが、例えば
バンパービームやスポイラー等の梁要素として用いられ
る自動車用部品については、その長手方向に平行な繊維
が部品の剛性を決定するため、長手方向に垂直な繊維は
不要であり、かつ、長手方向に垂直な繊維の存在によ
り、部品剛性が低下してしまうといった欠点があった。
【0009】他方、不織布積層体を単独で用いた場合に
は、樹脂の含浸性は良好であるが、近年、材料に要求さ
れる高い強度を満たすことは極めて困難であるという欠
点があった。
【0010】一方、針打ち(ニードルパンチ)による強
化繊維の処理についても、従来は、一方向に引き揃えら
れたガラス繊維の製造上の取扱性の向上が目的であり、
実際においては一方向に引き揃えられたガラス繊維は針
打ちにより切断され、ガラス繊維マットに担持され、か
つその方向性も乱される形態となっており、ガラス長繊
維強化材を用いる本来の目的が活かされていないという
欠点があった。
【0011】従って本発明の目的は、有機繊維強化樹脂
材料の曲げ剛性/強度および衝撃変形における層間せん
断破壊を防止し、曲げ剛性/強度および衝撃強度を向上
させ、且つ積層するシートの枚数を低減させることが可
能である機械的特性に優れた有機繊維強化複合材料およ
びそれを成形してなる自動車部品を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、同じ厚みの積層材料に
おいて、曲げ剛性/強度および衝撃変形時には層間数が
少ない方が破壊確率が小さくなり、これにより破壊強度
が大きくなることに着目し、一方向に引き揃えられた強
化繊維に有機繊維を針打ちして有機繊維の不織布化と一
方向強化繊維との一体化を同時に実現するか、もしくは
予め製造された有機繊維不織布を一方向強化繊維に針打
ちして一体化することにより、不織布を構成する繊維が
一方向強化繊維束中に刺さり、強固に一体化されたシー
トを製造し、シートを所定の枚数積層して、不織布同士
が相互に絡まりシート積層層間が見かけ上なくなること
により、有機繊維強化樹脂材料の曲げ剛性/強度および
衝撃強度を向上させると共に、同一厚みの製品を得るた
めのシート積層数を減らすことにより、工程の煩雑さを
低減させることができることを見い出し、本発明に到達
した。
【0013】本発明の上記の目的は、一方向に引き揃え
られた有機系強化繊維の両面または片面に有機系繊維不
織布を一体化してなるシートを型内に積層した後、反応
性樹脂モノマーを含浸して反応・固化させるか、もしく
は前記シートを予め反応性樹脂モノマーを含浸させたプ
リプレグ状態で積層し、反応・固化させてなることを特
徴とする有機繊維複合材料により達成された。
【0014】本発明においては、上記の一方向に引き揃
えられた強化繊維の両面または片面に有機繊維を針打ち
(ニードルパンチ)して不織布化と一体化を同時に行う
か、もしくは有機繊維不織布を一方向強化繊維に針打ち
して一体化したシートに樹脂を含浸・固化して得られた
有機繊維強化複合材料のボイド分率を5容量%以下とす
ることが好ましい。この複合材料のボイド分率が5容量
%を超えるとボイドを起点とした破壊により剛性/強度
が著しく低下する。
【0015】有機繊維の不織布化後の目付重量および一
方向強化繊維目付重量の比は1/1〜1/4の範囲にあ
ることが好ましい。有機繊維不織布の目付重量の比が1
/1より小さくなると、一体化されたシート同士の積層
時に不織布間の繊維の絡まりが弱く、層間せん断が起こ
りやすく強度が小さくなると共に、同一厚みの製品を得
るためのシート積層数が増大することとなる。逆に、目
付重量の割合が1/4より大きくなると、不織布の繊維
間空隙が密となり樹脂の含浸が著しく阻害され、複合材
料の強度が低下する。
【0016】また、有機繊維不織布と一方向強化繊維を
一体化したシートに樹脂を含浸・固化させて得られる複
合材料における有機繊維総含有量が20〜50重量%の
範囲であることが好ましい。有機繊維シートの含有量が
20重量%未満になると、シートが波打ちしやすく強化
繊維としての働きが十分にできなくなり、逆に含有量が
50重量%を超えると、積層時にシート上の不織布が押
し潰され、繊維間空隙が密になり樹脂の含浸が著しく阻
害される結果となる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、図1に示す様な一方向
に引き揃えられた強化繊維を基とし、図2に示すような
工程を通して、一方向強化繊維の両面または片面に有機
繊維を針打ち(ニードルパンチ)し、有機繊維の不織布
化と一方向強化繊維との一体化を同時に実現するか、ま
たは図3に示すように予め製造された有機繊維不織布を
一方向強化繊維に針打ちして一体化することにより、不
織布を構成する繊維が強化繊維束中に刺さり、強固に一
体化されたシートを製造し、シートを積層して不織布同
士が相互に絡まりシート積層層間が見かけ上なくなるこ
とにより、有機繊維強化樹脂材料の曲げ剛性/強度およ
び衝撃強度を向上させると共に、同一厚みの製品を得る
ためのシート積層数を減らすことにより、工程の煩雑さ
を低減させることができると共に、機械的特性に優れた
自動車部品を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、実施例1〜3および比較例1〜6で得られた材料に
ついては、以下の測定を行った。
【0019】(1)曲げ試験 JIS K 7055に準拠した。一方向強化繊維方向
に平行に試験片を切り出し、所定の条件下で測定を行っ
た。
【0020】(2)シャルピ衝撃試験 JIS K 7111に準拠した。一方向強化繊維方向
に平行に試験片を切り出し、規定の切り欠きを機械加工
により施し、所定の条件下でフラットワイズ打撃試験を
行った。
【0021】(3)有機繊維複合材の比重測定 常温で有機繊維強化材料樹脂片の空気中およびエタノー
ル中における重量から浮力法により算出した。
【0022】実施例1 市販の高強力ビニロン繊維を一方向に引き揃え、これら
の繊維を繊維配向方向に垂直に市販のポリエステル繊維
を用いて、約30mmの間隔で結束を行い、図1に示し
たような一方向強化繊維1とする。このとき一方向強化
繊維の目付重量は、約100g/m2 であった。続い
て、市販の汎用ビニロン不織布2(クラレ株式会社製:
P−16)を上述の一方向強化繊維上に乗せ、針打ちに
より一体化を行う。針打ち後に形成された不織布の目付
重量は、約50g/m2 であった。
【0023】このようにして一体化したシートを市販ア
セトン中に30分浸漬し、アセトンを十分に除去した
後、60℃で24時間乾燥した。得られたシートに市販
の不飽和ポリエステル樹脂(4183ATP−4:日本
ユピカ株式会社製)100重量部に対して市販の硬化剤
(過酸化メチルエチルケトン、以下MEKPO)1.5
重量部を混合したものを含浸させて、有機繊維の含有量
が30重量%となるように積層し、常温微圧硬化後、8
0℃で2時間アフタキュアを行い板状の試料を得た。
【0024】実施例2 市販の高強化ビニロン繊維を一方向に引き揃え、これら
の繊維を繊維配向方向に垂直に市販のポリエステル繊維
を用いて、約30mmの間隔で結束を行い、一方向強化
繊維1とする。このとき一方向強化繊維の目付重量は、
約100g/m 2 であった。続いて、市販の汎用ビニロ
ン不織布2(クラレ株式会社製:P−16)を上述の一
方向強化繊維上に乗せ、針打ちにより一体化を行う。針
打ち後に形成された不織布の目付重量は、約50g/m
2 であった。
【0025】このようにして一体化したシートを市販ア
セトン中に30分浸漬し、アセトンを十分に除去した
後、60℃で24時間乾燥した。得られたシートに市販
の不飽和ポリエステル樹脂(4183ATP−4:日本
ユピカ株式会社製)100重量部に対して市販の硬化剤
(MEKPO)1.5重量部を混合したものを含浸させ
て、有機繊維の含有量が50重量%となるように積層
し、常温微圧硬化後、80℃で2時間アフタキュアを行
い板状の試料を得た。
【0026】実施例3 市販の高強力ビニロン繊維を一方向に引き揃え、これら
の繊維を繊維配向方向に垂直に市販のポリエステル繊維
を用いて、約30mmの間隔で結束を行い、一方向強化
繊維1とする。このとき一方向強化繊維の目付重量は、
約100g/m 2 であった。続いて、市販の汎用ビニロ
ン不織布2(クラレ株式会社製:P−16)を上述の一
方向強化繊維上に乗せ、針打ちにより一体化を行う。針
打ち後に形成された不織布の目付重量は、約100g/
2 であった。
【0027】このようにして一体化したシートを市販ア
セトン中に30分浸漬し、アセトンを十分に除去した
後、60℃で24時間乾燥した。得られたシートに市販
の不飽和ポリエステル樹脂(4183ATP−4:日本
ユピカ株式会社製)100重量部に対して市販の硬化剤
(MEKPO)1.5重量部を混合したものを含浸させ
て、有機繊維の含有量が30重量%となるように積層
し、常温微圧硬化後、80℃で2時間アフタキュアを行
い板状の試料を得た。
【0028】実施例4〜6 実施例1〜3の有機繊維複合材を用いて図5に示すよう
な断面を持つ長さ1500mmのバンパービーム5を得
た。このバンパービーム5については、オルゼン型万能
試験機にペンデュラム型圧子7を付けて圧壊試験を行っ
た。スパン距離は1000mmとし、圧縮速度は10m
m/分とした。
【0029】実施例7〜9 実施例1〜3の有機繊維複合材を用いて図6に示すよう
な断面を持つ長さ1200mmのスポイラー8を得た。
このスポイラー8については、オルゼン型万能試験機に
て3点曲げ試験を行った。スパン距離は1000mmと
し、圧縮速度は10mm/分とした。
【0030】比較例1 市販の高強力ビニロン繊維を一方向に引き揃え、これら
の繊維を繊維配向方向に垂直に市販のポリエステル繊維
を用いて、約30mmの間隔で結束を行い、一方向強化
繊維1とする。このとき一方向強化繊維の目付重量は、
約100g/m 2 であった。続いて、市販の汎用ビニロ
ン不織布2(クラレ株式会社製:P−16)を上述の一
方向繊維上に乗せ、針打ちにより一体化を行う。針打ち
後に形成された不織布の目付重量は、約200g/m2
であった。
【0031】このようにして一体化したシートを市販ア
セトン中に30分浸漬し、アセトンを十分に除去した
後、60℃で24時間乾燥した。得られたシートに市販
の不飽和ポリエステル樹脂(4183ATP−4:日本
ユピカ株式会社製)100重量部に対して市販の硬化剤
(MEKPO)1.5重量部を混合したものを含浸させ
たが、含浸が不十分であり、所定の板状の試料を得るこ
とができなかった。
【0032】比較例2 市販の高強力ビニロン繊維を一方向に引き揃え、これら
の繊維を繊維配向方向に垂直に市販のポリエステル繊維
を用いて、約30mmの間隔で結束を行い、一方向強化
繊維1とする。このとき一方向強化繊維の目付重量は、
約100g/m 2 であった。続いて、市販の汎用ビニロ
ン不織布2(クラレ株式会社製:P−16)を上述の一
方向繊維上に乗せ、針打ちにより一体化を行う。針打ち
後に形成された不織布の目付重量は、約20g/m2
あった。
【0033】このようにして一体化したシートを市販ア
セトン中に30分浸漬し、アセトンを十分に除去した
後、60℃で24時間乾燥した。得られたシートに市販
の不飽和ポリエステル樹脂(4183ATP−4:日本
ユピカ株式会社製)100重量部に対して市販の硬化剤
(MEKPO)1.5重量部を混合したものを含浸さ
せ、有機繊維の含有量が30重量%となるように積層
し、常温微圧硬化後、80℃で2時間アフタキュアを行
い板状の試料を得た。
【0034】比較例3 市販の高強力ビニロン繊維を一方向に引き揃え、これら
の繊維を繊維配向方向に垂直に市販のポリエステル繊維
を用いて、約30mmの間隔で結束を行い、一方向強化
繊維1とする。このとき一方向強化繊維の目付重量は、
約100g/m 2 であった。続いて、市販の汎用ビニロ
ン繊維を上述の一方向繊維上に乗せ、針打ちにより一体
化を行う。針打ち後に形成された不織布の目付重量は、
約50g/m2 であった。
【0035】このようにして一体化したシートを市販ア
セトン中に30分浸漬し、アセトンを十分に除去した
後、60℃で24時間乾燥した。得られたシートに市販
の不飽和ポリエステル樹脂(4183ATP−4:日本
ユピカ株式会社製)100重量部に対して市販の硬化剤
(MEKPO)1.5重量部を混合したものを含浸さ
せ、有機繊維の含有量が10重量%となるように積層
し、常温微圧硬化後、80℃で2時間アフタキュアを行
い板状の試料を得た。
【0036】比較例4 市販の高強力ビニロン繊維を一方向に引き揃え、これら
の繊維を繊維配向方向に垂直に市販のポリエステル繊維
を用いて、約30mmの間隔で結束を行い、一方向強化
繊維1とする。このとき一方向強化繊維の目付重量は、
約100g/m 2 であった。続いて、市販の汎用ビニロ
ン不織布2(クラレ株式会社製:P−16)を上述の一
方向繊維上に乗せ、針打ちにより一体化を行う。針打ち
後に形成された不織布の目付重量は、約50g/m2
あった。
【0037】このようにして一体化したシートを市販ア
セトン中に30分浸漬し、アセトンを十分に除去した
後、60℃で24時間乾燥した。得られたシートに市販
の不飽和ポリエステル樹脂(4183ATP−4:日本
ユピカ株式会社製)100重量部に対して市販の硬化剤
(MEKPO)1.5重量部を混合したものを含浸さ
せ、有機繊維の含有量が60重量%となるように積層し
たが、樹脂量が不十分であり板状の試料を得ることがで
きなかった。
【0038】比較例5 ポリプロピレンを母材としたガラス含有量が46重量%
の市販のスタンパブルシート(XシートSU40;出光
NSG株式会社製)の原反を250℃に加熱した後、8
0℃のプレス中で圧縮成形して板状の試料を得た。
【0039】比較例6 市販の高強力ビニロン平織物(目付重量180/m2
クラレ株式会社製:FVH−180)を市販アセトン中
に30分浸漬し、アセトンを十分に除去した後、60℃
で24時間乾燥した。得られたシートに市販の不飽和ポ
リエステル樹脂(4183ATP−4:日本ユピカ株式
会社製)100重量部に対して市販の硬化剤(MEKP
O)1.5重量部を混合したものを含浸させ、有機繊維
の含有量が30重量%となるように積層し、常温微圧硬
化後、80℃で2時間アフタキュアを行い板状の試料を
得た。
【0040】比較例7〜12 比較例1〜6の有機繊維複合材を用いて図5に示すよう
な断面を持つ長さ1200mmのバンパービーム5を得
た。このバンパービーム5については、オルゼン型万能
試験機にペンデュラム型圧子7を付けて圧壊試験を行っ
た。スパン距離は1000mmとし、圧縮速度は10m
m/分とした。
【0041】実施例13〜18 実施例1〜3の有機繊維複合材を用いて図6に示すよう
な断面を持つ長さ1200mmのスポイラー8を得た。
このスポイラー8については、オルゼン型万能試験機に
て3点曲げ試験を行った。スパン距離は1000mmと
し、圧縮速度は10mm/分とした。
【0042】実施例1〜3および比較例1〜6について
の試験結果を表1に示す。また、実施例4〜6および比
較例7〜12についての試験結果を表2に示す。さらに
実施例7〜9および比較例13〜18についての試験結
果を表3に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】尚、実施例では母材樹脂として不飽和ポリ
エステル樹脂、強化繊維としてビニロン繊維を例に挙げ
て説明したが、本発明の自動車用部品用複合材料に用い
られる母材樹脂および強化繊維としては、特に制限はな
く、母材樹脂としては、ジシクロペンタジエン、エポキ
シ樹脂、開環重合性ポリカーボネート、ε−カプロラク
タム(ポリアミド)、多官能性イソシアネート/多官能
性ポリオール混合物(ポリウレタン)等が挙げられ、強
化繊維としては、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊
維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、液晶繊維、高強
度ポリエチレン繊維等が挙げられる。
【0047】また、本発明の自動車用部品用複合材料の
成形方法に関しても、特に制限はなく、ハンドレイアッ
プ法、プレス法、反応射出成形法、トランスファー成形
法等、母材樹脂に適した成形方法が選択される。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、その強
化繊維の構成を一方向に引き揃えられた有機系強化繊維
とこの一方向強化繊維の両面または片面に有機繊維不織
布を針打ち(ニードルパンチ)し、不織布を構成する繊
維が強化繊維束中に刺さり、強固に一体化されたシート
を製造し、このシートを積層して、不織布同士が相互に
絡まりシート積層層間が見かけ上なくなることにより、
有機繊維強化樹脂材料の曲げ剛性/強度および衝撃強度
を向上させると共に、同一厚みの製品を得るためのシー
ト積層数を減らすことにより、工程の煩雑さを低減させ
ることができる。
【0049】更に、本発明の有機繊維強化材料は、圧縮
成形等により不織布部が圧縮され任意の形状に追従する
ため付形性が良好であり、複雑形状をもった自動車部品
など広範な用途に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一方向強化繊維を示す概略図であ
る。
【図2】本発明に係る有機繊維の不織布化と一方向強化
繊維との一体化を同時に行う様子を示す工程図である。
【図3】本発明に係る一方向強化繊維に不織布を一体化
する様子を示す工程図である。
【図4】本発明に係るバンパービームの試験法を示す概
略図である。
【図5】本発明に係るバンパービームの断面を示す概略
図である。
【図6】本発明に係るスポイラーを示す概略図である。
【符号の説明】
1 一方向強化繊維 2 不織布 3 針打ち工程 4 結束糸 5 バンパービーム 6 台座 7 ペンデュラム圧子 8 スポイラー
フロントページの続き (72)発明者 河村 吉彦 東京都中央区日本橋3丁目8番2号 株式 会社クラレ内 (72)発明者 曽根 勲 岡山県岡山市海岸通り1丁目2番1号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 福井 孝之 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に引き揃えられた有機系強化繊維
    の両面または片面に有機系繊維不織布を一体化してなる
    シートを型内に積層した後、反応性樹脂モノマーを含浸
    して反応・固化させるか、もしくは前記シートを予め反
    応性樹脂モノマーを含浸させたプリプレグ状態で積層
    し、反応・固化させてなることを特徴とする有機繊維複
    合材料。
  2. 【請求項2】 有機系強化繊維の含有量が20〜50重
    量%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の有機
    繊維複合材料。
  3. 【請求項3】 有機繊維不織布と一方向強化繊維との目
    付重量比が1/1〜1/4の範囲にあることを特徴とす
    る請求項1記載の有機繊維複合材料。
  4. 【請求項4】 一方向に引き揃えられた有機系強化繊維
    の両面または片面に有機系繊維不織布を一体化してなる
    シートを前記一方向強化繊維の引き揃え方向が長手方向
    と略平行となるように型内に積層した後、反応性樹脂モ
    ノマーを含浸して反応・固化させるか、もしくは前記シ
    ートを予め反応性樹脂モノマーを含浸させたプリプレグ
    状態で前記一方向強化繊維の引き揃え方向が長手方向と
    略平行となるように積層し、反応・固化させてなること
    を特徴とする自動車用バンパービーム。
  5. 【請求項5】 一方向に引き揃えられた有機系強化繊維
    の両面または片面に有機系繊維不織布を一体化してなる
    シートを前記一方向強化繊維の引き揃え方向が長手方向
    と略平行となるように型内に積層した後、反応性樹脂モ
    ノマーを含浸して反応・固化させるか、もしくは前記シ
    ートを予め反応性樹脂モノマーを含浸させたプリプレグ
    状態で前記一方向強化繊維の引き揃え方向が長手方向と
    略平行となるように積層し、反応・固化させてなること
    を特徴とする自動車用スポイラー。
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