JPH10180027A - 吸着塔切替時の圧力制御方法 - Google Patents

吸着塔切替時の圧力制御方法

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JPH10180027A
JPH10180027A JP8346934A JP34693496A JPH10180027A JP H10180027 A JPH10180027 A JP H10180027A JP 8346934 A JP8346934 A JP 8346934A JP 34693496 A JP34693496 A JP 34693496A JP H10180027 A JPH10180027 A JP H10180027A
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JP
Japan
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air
adsorption tower
adsorption
air flow
raw material
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JP8346934A
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Toshihiko Ono
俊彦 小野
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素分離設備に配設された原料空気の前処理
設備である複数塔切替式吸着塔の能力を最大限に活用
し、気温の上昇による原料空気圧縮機の効率低下に伴う
酸素発生量の低下の防止が可能な吸着塔切替時の圧力制
御方法の提供。 【解決手段】 酸素分離設備に配設された原料空気の前
処理設備である複数塔切替式吸着塔の吸着塔切替時の圧
力制御方法であって、原料空気圧縮機がその送風能力の
上限で運転されている設備において、吸着操作中の吸着
塔出口空気温度Tを測定、監視するとともに、気温の上
昇による原料空気圧縮機の効率低下時に、吸着剤再生後
充圧操作中の吸着塔の充圧用空気流量ΔVP を減少する
一方充圧時間tP を延長し、吸着操作中の吸着塔の空気
流量VB を増加させる吸着塔切替時の圧力制御方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素分離設備に配
設された原料空気の前処理設備である複数塔切替式吸着
塔の吸着塔切替時の圧力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸素分離設備における原料空気の前処理
設備である吸・脱着方式の精製装置は、一般に吸着剤を
充填した吸着塔を2基備え、吸着塔の切替弁を自動的に
切替えて吸着、再生を交互に行い、原料空気中の水分お
よび炭酸ガスの吸着除去を行う。
【0003】水分および炭酸ガスが除去された原料空気
は精留塔へ送給され酸素が製造される。吸着剤は一定量
の原料空気を処理すると、その吸着能力が低下するた
め、窒素ガスなどで加熱再生を行い、吸着能力の回復を
図る。この場合、安定な操業を達成するために、原料空
気の精留塔への送給を中断することは避けなければなら
ない。
【0004】このため、2基の吸着塔の内、片側(A
塔)が吸着を行っている間に、もう一方の吸着塔(B
塔)の再生を行い、A塔の吸着能力が低下してくるとB
塔に切替え、B塔にて吸着を行い、その間にA塔の再生
を行って次の吸着に備える。また、工業設備において
は、この操作を吸着塔切替シーケンスに従って順次実施
する。
【0005】上記した設備においては、吸着塔の切替
時、再生操作側の吸着塔は原料空気より低い圧力の再生
用ガスが充満されているため、吸着操作側の吸着塔に比
べて吸着塔内の圧力が低くなっている。このため、いき
なり切替弁を開・閉して吸着塔の切替を行うと、再生を
行っていた側の吸着塔へ瞬時に原料空気が流れ込み、精
留塔へ送給される精製空気の圧力が変動し、大きな外乱
となって、精留分離に悪影響を及ぼす。
【0006】このため、吸着塔への原料空気の入口には
切替弁と並列に加圧弁が付設されており、切替弁を開け
る前に、加圧弁を徐々に開け、なおかつ、原料空気圧縮
機の風量調節計の設定値の増減を行い、精留塔への吹き
込み風量を変動させることなく、再生後の吸着塔の充圧
を行うようになっている。すなわち、充圧操作を伴う複
数塔切替式吸着塔においては、原料空気圧縮機から、吸
着操作中の吸着塔へ原料空気が送風される一方、再生操
作側の吸着塔が再生を終了し充圧操作に入る段階で、原
料空気圧縮機の風量を増加し、原料空気の一部を充圧操
作側の吸着塔に送風し、当該吸着塔の圧力が所定の圧力
に達した後、吸着塔を切替えるとともに、原料空気圧縮
機の送風量を低下する操作を行う。
【0007】なお、以下の説明においては、上記した吸
着操作中の吸着塔への送風量(空気流量)をベース送風
量、再生操作側の吸着塔が充圧時の送風量すなわち吸着
操作中の吸着塔および充圧操作中の吸着塔両者への送風
量の合計を最大送風量とも記す。また、最大送風量とベ
ース送風量との差、すなわち充圧のための増加分の風量
を充圧風量変更幅(:ΔVP )とも記す。
【0008】従来の酸素分離設備における原料空気の精
製装置である吸着塔の切替は、前記したように、吸着塔
切替シーケンスによってシーケンシャルに進められ、各
切替工程における操作条件(パラメータ)の設定値は固
定であった。一方、原料空気圧縮機など回転機械の効率
は、一般的に夏場に気温が上昇すると、空気体積が増加
するため、同一動力で送風できる風量が低下し、効率が
低下する。
【0009】このため、例えば、常に原料空気圧縮機の
送風能力の上限で運転されている系においては、気温の
上昇による原料空気圧縮機の効率低下時に吸着操作中の
吸着塔に送風できる風量は、原料空気圧縮機の最大送風
能力から、充圧風量変更幅(:ΔVP )を差し引いた風
量となり、充圧風量変更幅(:ΔVP )によって通常運
転時の風量が制限されることになる。
【0010】吸着塔切替シーケンスでは、吸着剤の吸着
能力にある余裕率をみた時間に基づき吸着塔の吸着工程
時間を決め、その時間内にもう一方の吸着塔の再生を行
う。この再生操作は、[1] 吸着塔内のガスブロー、[2]
加熱窒素ガスによる吸着剤再生、[3] 冷却用窒素による
吸着剤冷却、および[4] 吸着塔充圧の4つの工程に分か
れており、それぞれの操作条件として、最終的に試運転
で決められたパラメータが固定値として入力されてお
り、吸着塔充圧時の充圧風量変更幅もプラント建設時の
試運転によって決められた固定値である。
【0011】このため、夏場、気温が高くなってくる
と、原料空気圧縮機の送風能力の上限で運転されている
系においては、原料空気圧縮機の最大送風能力が低下
し、その最大送風能力から固定値である吸着塔切替時の
充圧風量変更幅を差し引いたベース送風量で運転され、
結果的に精留塔へ送給される精製空気の流量が低下して
酸素発生量が低下するという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、酸素分離設備に配設された原
料空気の前処理設備である複数塔切替式吸着塔の能力を
最大限に活用し、気温の上昇による原料空気圧縮機の効
率低下に伴う酸素発生量の低下の防止が可能な吸着塔切
替時の圧力制御方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、酸素分離
設備に配設された原料空気の前処理設備である複数塔切
替式吸着塔の吸着塔切替時の圧力制御方法であって、原
料空気圧縮機がその送風能力の上限で運転されている設
備において、吸着操作中の吸着塔出口空気温度Tを測
定、監視するとともに、気温の上昇による原料空気圧縮
機の効率低下時に、吸着剤再生後充圧操作中の吸着塔の
充圧用空気流量ΔVP を減少する一方充圧時間tP を延
長し、吸着操作中の吸着塔の空気流量VB を増加させる
ことを特徴とする吸着塔切替時の圧力制御方法である。
【0014】第2の発明は、酸素分離設備に配設された
原料空気の前処理設備である複数塔切替式吸着塔の吸着
塔切替時の圧力制御方法であって、下記式(1) で定義
される送風量の差ΔVmax 、下記式(2) で定義される
送風量の差ΔVB 、原料空気圧縮機の送風量操作手段
の設定値X、および吸着操作中の吸着塔出口空気温度
Tのそれぞれを演算、検出、測定し、[A] 前記ΔVmax
が下記式(1) を満足し、前記Xが下記式(3) を満足し、
かつ前記Tが下記式(4) を満足しない場合に、吸着剤再
生後充圧操作中の吸着塔の充圧用空気流量ΔVP を減少
する一方充圧時間tP を延長し、吸着操作中の吸着塔の
空気流量VB を増加させ、当該操作後、[B] 前記Tが下
記式(4) を満足する場合、または、[C] 前記ΔVB が下
記式(2)を満足し、かつ前記Xが下記式(3) を満足する
場合、いずれかの場合は、吸着剤再生後充圧操作中の吸
着塔の充圧用空気流量ΔVP を増加する一方充圧時間t
Pを短縮し、吸着操作中の吸着塔の空気流量VB を低下
させることを特徴とする吸着塔切替時の圧力制御方法で
ある。
【0015】 ΔVmax =基準最大送風量Vmax,0 −現状最大送風量Vmax ≧規定値a…(1) ΔVB =吸着操作中の吸着塔の空気流量(:現状ベース送風量)VB −基準 ベース送風量VB,0 ≧規定値b…(2) 原料空気圧縮機の送風量操作手段の設定値X≧規定値c…(3) (設定値X:設定値Xの増加に伴い送風量が増加。) 吸着操作中の吸着塔出口空気温度T≧規定値d …………(4) なお、前記式(1) 、(2) 中の基準最大送風量Vmax,0
現状最大送風量Vmax、基準ベース送風量VB,0 とは下
記の内容を示す。
【0016】基準最大送風量Vmax,0 :基準ベース送風
量に充圧用空気流量を加えた送風量で、原料空気圧縮機
の設計条件における最大送風能力 現状最大送風量Vmax :原料空気圧縮機の現状の最大
送風能力(=前記設定値Xが送風量の最大値を与える設
定値の時の最大送風量) 基準ベース送風量VB,0 :必要精製原料空気流量 また、前記式(3) 中の原料空気圧縮機の送風量操作手段
の設定値Xとしては、原料空気圧縮機のガイドベーン開
度XGVOP、原料空気の送風系統に付設された弁の開度X
OPおよび原料空気圧縮機のモータ回転数rの少なくとも
1種が例示される。
【0017】前記第2の発明における規定値a、b、
c、dは任意に定めることができるが、例えば下記規定
値a、b、c、dが好ましく用いられる。 規定値a=0.01×基準最大送風量Vmax,0 規定値b=0.01×基準ベース送風量VB,0 規定値c=送風量の最大値の90%の送風量を与える設定
値 規定値d=20℃ また、前記第1の発明または第2の発明は、吸着剤とし
てモレキュラーシーブを用いた前記前処理設備に好まし
く適用される。
【0018】また、前記第1の発明または第2の発明
は、好ましくは、吸着操作時の圧力が1〜10kg/cm2・G
、より好ましくは4〜7kg/cm2・G の加圧吸着方式の
前記前処理設備に好ましく適用される。さらには、前記
第1の発明または第2の発明は、酸素分離装置がプレー
ト式精留塔方式の酸素分離設備に好ましく適用される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明においては、前記した従来技術の問題点を
解決するために、吸着方式の原料空気の前処理設備を有
する酸素分離設備で、原料空気圧縮機が送風能力の上限
で運転されている設備において、例えば原料空気圧縮機
の最大送風量の変化とガイドベーン開度など原料空気圧
縮機の送風量操作手段の設定値から、気温の上昇による
原料空気圧縮機の能力低下を検知する。
【0020】原料空気圧縮機の能力低下を検知すると、
吸着塔再生後吸着操作中の吸着塔出口空気温度を監視し
ながら、自動的に、吸着塔切替時の充圧風量変更幅(:
ΔV P )すなわち充圧用空気流量を減少する一方充圧時
間を延長し、好ましくは、充圧のための風量の積算量を
原料空気圧縮機の能力低下前と同一のレベルに維持す
る。
【0021】また、充圧用空気流量を減少する一方ベー
ス送風量を増加する。本発明は、上記圧力制御を行うこ
とにより、最大送風量に余裕をもたせ、精製空気の純度
低下をもたらすことなく、酸素発生量の低下を防止する
ようにしたものである。本発明においては、原料空気圧
縮機がその送風能力の上限で運転されている系におい
て、原料空気圧縮機の最大送風量と、当該圧縮機に付設
されたガイドベーンの開度など原料空気圧縮機の送風量
操作手段の設定値を測定、検出する。
【0022】一方、例えば、夏場、気温が上昇し、空気
体積が増加して原料空気圧縮機の最大送風能力が低下
し、対象とする空気温度も含む設計条件における最大送
風能力で定義される基準最大送風量と現状の最大送風量
との偏差が規定値を超え、なおかつ、ガイドベーン開度
など原料空気圧縮機の送風量操作手段の設定値が基準最
大送風量を送風する設定値の上限以上であることを確認
すると、原料空気圧縮機の送風能力は上限限界であると
判断し、原料空気圧縮機の充圧風量補正動作を開始し、
充圧風量変更幅を減少する一方ベース送風量を従来の基
準ベース送風量に戻し酸素発生量の低下を防止する。
【0023】さらに、上記した充圧風量補正動作におい
ては、ベース送風量の増加に伴って減少する充圧風量を
補うのに必要なだけ充圧時間を延長することによって、
充圧風量の積算量を変動させず、この結果、再生後の吸
着塔の充圧が適切に行われ、精留塔への精製空気の吹き
込み圧力の変動が防止できる。この充圧時の加圧弁の操
作速度は事前に試運転を行い、最適な操作速度パラメー
タを決定しておき、その値に切り替え、充圧時に精留塔
に外乱が発生しないようにする。
【0024】一方、吸着塔切替シーケンスの吸着塔充圧
時間を延長した分、吸着塔冷却工程の時間を短縮し、吸
着塔再生の全工程時間を原料空気圧縮機の能力低下前と
同一とし、吸着塔の所要吸着工程時間を確保する。この
時、吸着塔冷却工程時間の短縮に伴って吸着剤の十分な
冷却ができなくなる可能性があるため、常に、吸着塔再
生後の吸着操作中の吸着塔出口空気温度の変化を測定、
監視し、出口空気温度が許容温度より高くなった場合、
充圧風量補正動作を中断して、各パラメータを元の設定
値に戻すインタロックを設ける。
【0025】また、逆に気温が低下して、従来の基準ベ
ース送風量が確保できる場合は、この逆の動作を行う。
すなわち、空気体積が減少して原料空気圧縮機の最大送
風能力が上昇し、現状のベース送風量と基準ベース送風
量との偏差が規定値を超える場合、原料空気圧縮機の充
圧風量補正動作を停止し、各パラメータの値を従来の値
に戻し、吸着剤の十分な冷却が可能な状態で操業する。
【0026】以上の制御においては、吸着塔の容量に依
存する充圧風量の所要積算量によって、数段回に分けて
細かく切替制御を実施してもよい。上記した吸着塔切替
時の充圧操作を行うことにより、精製空気の純度低下を
もたらすことなく、酸素発生量を増加させ、気温が高い
時の酸素発生量の低下が防止可能となった。
【0027】以上本発明に係わる吸着塔切替時の圧力制
御方法について述べたが、本発明は酸素分離装置がプレ
ート式精留塔方式の酸素分離設備に、より好ましく適用
される。これは、プレート式精留塔方式の酸素分離装置
においては、送給される精製空気の圧力変動によって温
度が変動し、精留分離効率が悪くなるため、送給する精
製空気の圧力を一定に維持する必要があるためである。
【0028】また、本発明は吸着剤としてモレキュラー
シーブスを用いた原料空気の前処理設備に、より好まし
く適用される。これは、モレキュラーシーブスを用いた
場合、特に、圧力変動による吸着剤のリフティングを防
止する必要があるためである。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。図3に、本発明に係わる酸素分離設備に配設さ
れた原料空気の前処理設備の工程図の一例を示す。図3
において、1は原料空気圧縮機、2は吸着塔(以下A塔
とも記す)、3は吸着塔(以下B塔とも記す)、4は原
料空気圧縮機1の送風流量計、5は吸着塔出口ガス温度
計、6は原料空気圧縮機1のガイドベーン開度計、7〜
11は吸着塔(A塔)切替弁、12〜16は吸着塔(B塔)切
替弁、17は吸着塔(A塔)加圧弁、18は吸着塔(B塔)
加圧弁、19は弁、20は精製原料空気の配管、21は精留
塔、30は吸着剤再生用N2ガスの昇温装置、31、32はN2
ス切替弁、40はN2ガス排出管、41は原料空気排出管、50
はモータを示す。
【0030】なお、精留塔はプレート式精留塔方式の酸
素分離装置であり、吸着塔2、3には吸着剤としてモレ
キュラーシーブスが充填されている。原料空気圧縮機1
より供給された空気は、A塔、B塔のどちらか一方の吸
着塔を通過し、前処理された後、精留塔21に供給され
る。また、吸着塔切替弁7〜16および加圧弁17、18を吸
着塔切替シーケンスにより自動的に切り替えて吸着、再
生を交互に行い、原料空気中の水分および炭酸ガスの吸
着除去を行う。
【0031】図4に、吸着塔切替シーケンスにおける工
程時間配分の概念図を示す。A塔2が吸着操作を行って
いる間、B塔3は再生操作を行い、再生工程は、[1] 吸
着塔ブロー、[2] 吸着剤加熱再生、[3] 吸着剤冷却、
[4] 吸着塔充圧の4つの工程に分かれる。A塔2の吸着
工程が完了すると、A塔2とB塔3を切替え、B塔3が
吸着を行っている間、A塔2は再生を行い、これらの工
程を順次繰り返す。
【0032】次に図5を用いて充圧風量補正回路の説明
を行う。充圧風量補正回路は、原料空気圧縮機の能力低
下判定回路と充圧パラメータ変更回路の二つの回路から
構成される。原料空気圧縮機1の送風流量計4によって
検出された送風量の信号と、原料空気圧縮機1のガイド
ベーン開度計6によって検出されたガイドベーン開度の
信号と、吸着塔出口ガス温度計5によって検出された吸
着塔出口空気温度の信号が、原料空気圧縮機の能力低下
判定回路に入力され、ここで以下の4種類の判定を行
う。
【0033】 ΔVmax =基準最大送風量Vmax,0 −現状最大送風量Vmax ≧規定値a…(1 ) ΔVB =吸着操作中の吸着塔の空気流量(:現状ベース送風量)VB −基準 ベース送風量VB,0 ≧規定値b…(2) 現状ガイドベーン開度XGVOP≧規定値c(XGVOP) ………………(3) 吸着操作中の吸着塔出口空気温度T ≧規定値d………………(4) なお、上記式(1) 、(2) 中、基準最大送風量、現状最大
送風量、基準ベース送風量とは下記の内容を示し、規定
値a、b、c、dとしては下記規定値を用いることが好
ましい。
【0034】基準最大送風量Vmax,0 :基準ベース送風
量に充圧用空気流量を加えた送風量で、原料空気圧縮機
の設計条件における最大送風能力 現状最大送風量Vmax :ガイドベーン開度が全開時の
送風量 基準ベース送風量VB,0 :必要精製原料空気流量 規定値a :0.01×基準最大送風量V
max,0 規定値b :0.01×基準ベース送風量V
B,0 規定値c(XGVOP) :ガイドベーン開度90% 規定値d :20℃ ここで、[A] およびの条件が成立し、なおかつの
条件が不成立であれば、原料空気圧縮機の能力が低下し
たと判断して充圧パラメータ変更回路に対し、充圧パラ
メータの変更指令を出力し、充圧風量補正動作を開始
し、以下の5種類のパラメータの変更を行う。
【0035】(a) 吸着塔充圧工程時間tp →延長 (b) 吸着塔冷却工程時間 →短縮 (c) 充圧用空気流量(:充圧風量変更幅)ΔVP →減少 (d) 吸着操作中の吸着塔の空気流量(:現状ベース送風
量)VB の設定→増加 (e) 加圧弁操作速度 →減少 また、パラメータ変更後[B] の条件が成立するか、も
しくは、[C] およびの条件が成立すると、原料空気
圧縮機の能力が回復したと判断して充圧パラメータ変更
回路に対する充圧パラメータの変更指令を停止し、充圧
風量補正動作を停止する。
【0036】以上の動作を行った時の原料空気送風量の
推移を図1および図2を用いて説明する。状態1(初期
状態)〔図1(a) 〕で運転されていた原料空気圧縮機
は、夏場、気温が上昇すると、空気体積が増加し、その
結果、原料空気圧縮機の現状最大送風量Vmax が低下し
状態2〔図1(b) 〕に移行する。
【0037】この結果、現状ベース送風量VB が低下
し、酸素発生量が低下する。この時点で充圧風量補正回
路は、原料空気圧縮機の能力が低下したと判断し、充圧
パラメータ、すなわち(a) 吸着塔充圧工程時間tP
(b) 吸着塔冷却工程時間、(c) 充圧用空気流量(:充圧
風量変更幅)ΔVP 、(d) 吸着操作中の吸着塔の空気流
量(:現状ベース送風量)VB の設定値および(e) 加圧
弁操作速度の変更を行って状態3〔図1(c) 〕に移行さ
せる。
【0038】その結果、原料空気圧縮機の現状ベース送
風量VB は基準ベース送風量VB,0に一致し、酸素発生
量の低下が防止できる。なお、本発明においては、冷却
工程時間短縮に伴う精製空気の純度低下を防止するため
に、吸着操作中の吸着塔出口ガス温度Tの上昇の有無を
常に監視し、温度Tが許容値を超えた場合は、直ちに充
圧風量補正動作を中止し、状態1(初期状態)に復帰す
る。
【0039】次に気温が低下して空気体積が減少する
と、原料空気圧縮機の現状ベース送風量VB は増加し、
状態4〔図2(a) 〕に移行する。この時、充圧風量補正
回路は原料空気圧縮機の能力が回復したと判断し、充圧
パラメータの復帰を行って状態5(初期状態)〔図2
(b) 〕に移行させる。この結果、冷却工程時間短縮によ
る吸着剤温度の上昇に伴う精製空気の純度の低下を防止
しつつ、従来通りの操業が可能になる。
【0040】以上の動作を総合的に行うことによって、
下記効果が得られる。夏場、気温が上昇する際に生じる
原料空気圧縮機の効率低下時に、自動的に、吸着塔切替
時の充圧風量変更幅ΔVP を減少するとともに充圧時間
P を延長することによって、充圧風量の積算量(V P1
+V P2)が初期状態の充圧風量の積算量(V P ) と等し
くなり、この結果、再生後の吸着塔の充圧が適切に行わ
れ、精留塔への精製空気の吹き込み圧力の変動が防止で
きる。
【0041】最大送風量Vmax に余裕をもたせ、ベース
送風量VB を増加することによって、酸素発生量の低下
が防止可能な運転が実現できる。上記操作を、吸着塔再
生後吸着操作中の吸着塔出口空気温度Tの監視の下に行
うことにより、吸着剤の冷却不足による精製空気の純度
低下が防止できる。なお、上記した実施例においては、
2塔切替式吸着塔の例について説明したが、本発明は前
記した技術内容から明らかなように、3塔以上の複数塔
切替式吸着塔に対しても好ましく適用される。
【0042】また、上記した実施例においては、一回の
みパラメータ変更を行う制御について記述したが、本発
明の制御方法においては、吸着塔の容量に依存する所要
充圧風量積算量によって、数段回に分けて、細かく切替
制御を実施してもよい。また、上記した実施例において
は、原料空気圧縮機の送風量操作手段として原料空気圧
縮機に付設されたガイドベーンを用いた例を示したが、
原料空気圧縮機の送風量を原料空気の送風系統に付設さ
れた弁の開度XOPまたは原料空気圧縮機のモータ回転数
rで制御する場合は、原料空気圧縮機の送風量操作手段
の設定値Xとして当該弁の開度XOPまたはモータ回転数
rを用いて制御を行い、またこれらを組み合わせて制御
を行うことも可能である。
【0043】
【発明の効果】本発明の圧力制御方法においては、吸着
塔再生後吸着操作中の吸着塔出口空気温度の監視を行う
とともに、気温の上昇による原料空気圧縮機の効率低下
時に、自動的に、吸着塔切替時の充圧風量変更幅すなわ
ち充圧用空気流量を減少する一方充圧時間を延長するこ
とにより、再生後の吸着塔の圧力を制御し、最大送風量
に余裕をもたせ、ベース送風量を増加する。
【0044】この結果、本発明によれば、精製空気の純
度低下をもたらすことなく、酸素発生量の低下を防止す
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料空気送風量の推移を示すグラフである。
【図2】原料空気送風量の推移を示すグラフである。
【図3】本発明に係わる酸素分離設備に配設された原料
空気の前処理設備の一例を示す工程図である。
【図4】吸着塔切替シーケンスにおける工程時間配分を
示す概念図である。
【図5】充圧風量補正回路の説明図である
【符号の説明】
1 原料空気圧縮機 2 吸着塔(A塔) 3 吸着塔(B塔) 4 原料空気圧縮機の送風流量計 5 吸着塔出口ガス温度計 6 原料空気圧縮機のガイドベーン開度計 7〜11 吸着塔(A塔)切替弁 12〜16 吸着塔(B塔)切替弁 17 吸着塔(A塔)加圧弁 18 吸着塔(B塔)加圧弁 19 弁 20 精製原料空気の配管 21 精留塔 30 吸着剤再生用N2ガスの昇温装置 31、32 N2ガス切替弁 40 N2ガス排出管 41 原料空気排出管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素分離設備に配設された原料空気の前
    処理設備である複数塔切替式吸着塔の吸着塔切替時の圧
    力制御方法であって、原料空気圧縮機がその送風能力の
    上限で運転されている設備において、吸着操作中の吸着
    塔出口空気温度Tを測定、監視するとともに、気温の上
    昇による原料空気圧縮機の効率低下時に、吸着剤再生後
    充圧操作中の吸着塔の充圧用空気流量ΔVP を減少する
    一方充圧時間tP を延長し、吸着操作中の吸着塔の空気
    流量VB を増加させることを特徴とする吸着塔切替時の
    圧力制御方法。
  2. 【請求項2】 酸素分離設備に配設された原料空気の前
    処理設備である複数塔切替式吸着塔の吸着塔切替時の圧
    力制御方法であって、下記式(1) で定義される送風量
    の差ΔVmax 、下記式(2) で定義される送風量の差Δ
    B 、原料空気圧縮機の送風量操作手段の設定値X、
    および吸着操作中の吸着塔出口空気温度Tのそれぞれ
    を演算、検出、測定し、[A] 前記ΔVmax が下記式(1)
    を満足し、前記Xが下記式(3) を満足し、かつ前記Tが
    下記式(4) を満足しない場合に、吸着剤再生後充圧操作
    中の吸着塔の充圧用空気流量ΔVP を減少する一方充圧
    時間tP を延長し、吸着操作中の吸着塔の空気流量VB
    を増加させ、当該操作後、[B] 前記Tが下記式(4) を満
    足する場合、または、[C] 前記ΔVB が下記式(2) を満
    足し、かつ前記Xが下記式(3) を満足する場合、いずれ
    かの場合は、吸着剤再生後充圧操作中の吸着塔の充圧用
    空気流量ΔVP を増加する一方充圧時間t P を短縮し、
    吸着操作中の吸着塔の空気流量VB を低下させることを
    特徴とする吸着塔切替時の圧力制御方法。 記 ΔVmax =基準最大送風量Vmax,0 −現状最大送風量Vmax ≧規定値a…(1) ΔVB =吸着操作中の吸着塔の空気流量VB −基準ベース送風量VB,0 ≧規 定値b…(2) 原料空気圧縮機の送風量操作手段の設定値X≧規定値c…(3) (設定値X:設定値Xの増加に伴い送風量が増加。) 吸着操作中の吸着塔出口空気温度T≧規定値d …………(4) なお、上記式(1) 、(2) 中の基準最大送風量Vmax,0
    現状最大送風量Vmax、基準ベース送風量VB,0 とは下
    記の内容を示す。 基準最大送風量Vmax,0 :基準ベース送風量に充圧用空
    気流量を加えた送風量で、原料空気圧縮機の設計条件に
    おける最大送風能力 現状最大送風量Vmax :原料空気圧縮機の現状の最大
    送風能力(=前記設定値Xが送風量の最大値を与える設
    定値の時の最大送風量) 基準ベース送風量VB,0 :必要精製原料空気流量
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