JPH10179654A - 介護用リフト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、被介護者の寝室での各種介護及び
入浴に役立つための、安価で使いやすいリフトの製作で
ある。 【構成】 縦柱と、その上端からほぼ水平にのびる横柱
から構成され、該横柱からは被介護者を保持する身体保
持具を着脱しうるハンガーを垂れ下げ、該ハンガーを上
下及び横柱にそって前後移動させる手段を有する片持式
の介護用リフトにおいて、該横柱の先端と横柱の先にあ
る部屋の側壁の間に側壁係合体を装着させ、かつ、縦柱
の内部にシリンダー、ピストン及びロッドを設け、シリ
ンダー内の水量を調節することによってロッドを上下さ
せ、それとハンガーの上下移動を係合させたことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、被介護者の寝室での介
護及び入浴に役立つ。

【０００２】

【本発明の目的】従来の技術では、装置が大きくそのた
め介護がやりにくくまた装置が高価であった。本発明は
それらの解決を目的とする。解決するための手段は実施
例に記した。

【０００３】

【実施例】実施例は、本装置を比較的に狭い浴室に設け
たものである。図にもとずいて説明する。符号１は浴
室、符号２は浴槽、符号３は洗場、符号４は浴槽側壁、
符号５は洗場側壁、符号６は天井、符号７は本装置、符
号８は、洗場側壁５に接近して立てられた、シリンダー
を兼ねた縦柱、符号９は転倒防止脚で縦柱に固着し、洗
場側壁に接触する。符号１０は横柱で縦柱の上端からほ
ぼ水平に浴槽側壁まで延びる。横柱は下部に溝を有する
ハンガーレール１２，ハンガーレールとは結合軸１３で
結合する第１揺動柱１４，第１揺動柱とは結合軸１５で
結合する第２揺動柱１６及びボルト１７を固着した側壁
加圧板１８からなる。ボルトはナット１９を係合する。
第２揺動柱の右端には押え板２０が固着し、押え板には
孔２２が刻まれ、ボルトが前後移動自在に嵌合する。第
１揺動柱の上部及び第２揺動柱の下部には遊び２３，２
４が設けられている。従って第１揺動柱は、ハンガーレ
ールに対して図１より上方にまた第２揺動柱は第１揺動
柱に対して図１より下方にわずかに回転しうる。符号２
５はハンガーレールに内蔵したキヤリヤー，符号２６と
２７はキヤリヤーに装着した４個の車輪，符号２８と符
号２９はキヤリヤーの両端に固着したロープ支点であ
る。符号３０，３２，３３及び３４は横柱に装着した滑
車，符号３５は前後用ロープで、図１のように、ロープ
支点２８，滑車３２，３３，３４及びロープ支点２９に
係合する。符号３６はシリンダー内で滑らかに上下する
主ピストン，符号３７はフランジでシリンダーに固着す
る。符号３８はピストンロッドで主ピストンに固着し、
ピストンロッドの上端には滑車凾３９が装着する。滑車
凾は滑車４０を内蔵する。またキャリヤーに内蔵する２
個の車輪２６及び２７の同軸上中央に滑車が装置されて
いる（図示なし）。符号４２は被介護者を吊り上げるた
めのハンガー，４３はハンガーの両端に固着したフック
で被介護者を保持する身体保持具を着脱しうる。ハンガ
ーの中央にはハンガー滑車４４が内蔵されている。４５
は吊りロープでロープ支点４６に結合し、５個の滑車に
係合しロープ支点１３に結合する。符号４７は水量調節
器で主ピストン３６とフランジ３７の間の水４８の水量
を調節する。符号４９は高圧ゴムホースで、このホース
は家庭用水道の蛇口に結合し、水道の圧力をもった水が
４８に入りうる。符号５０は通常のゴムホースで４８の
水がこのゴムホースを通って放出される。符号５２は操
作器で荷重上昇用レバー５３と荷重下降用レバー５４を
有する。水量調節器を図２と図３にもとずいて説明す
る。符号８は、シリンダーを兼ねた縦柱，符号３８はピ
ストンロッド、符号４８は、主ピストンとフランジの間
の水、符号４７は水量調節器，符号５５は水量調節器の
ハウジング，符号５６は水道から出た水が４８に入ると
きの入水孔で高圧ホース４９に結合する。符号５７は４
８の水が外部に放出されるときの出水孔でホース５０に
結合する。符号５８はハウジングとホースを結合するた
めのホースニップル、符号５９は水もれを防ぐ止め輪で
ある。符号６０は入水孔と直交する孔で、この中で入水
調節用ピストン６１が滑らかに動く、符号６２はロッド
伸縮器で伸縮しうる調節ロッド６３を内蔵する。調節ロ
ッドは荷重上昇用レバー５３を、親指で押せば突き出し
手を離せば、ばね６４のためもとに戻る、符号６５は入
水調節用ピストンの周縁に設けられた溝で、荷重上昇用
レバーを押さないときは、入水孔５６は閉ざされている
が、荷重上昇用レバーを押せば水道の水は６５の溝を通
って４８に流れこみ主ピストンを下に押し下げ、滑車４
０は吊り上げロープ４５を引き下げ、ハンガー４２は上
昇する。また同様にして荷重下降用レバーを押せば、出
水調節用ピストン６６が動き、４８の水は出水孔５７を
通って外部に放出され、ハンガーに加っている荷重のた
め主ピストンは上昇しハンガーは下降する。６７は空気
孔である。６８は支柱で横柱を支える，縦柱との結合部
は着脱しうる、６９は丁番である。支柱の下端を縦柱か
ら離し、横柱を縦柱にそわせることが出来、本装置は介
助者一人で運ぶことが出来る。

【０００４】本装置の作用を記す。本装置は縦柱と横柱
とからなる片持梁のため、図１に向って右側に倒れよう
とするが、側壁加圧板１８が浴槽側壁４を押すので倒れ
ない。また図１の紙面に直角の方向へは、転倒防止脚９
と浴槽側壁と側壁加圧板との摩擦のため倒れない。被介
護者がハンガーレール１２の先端にいたれば、ハンガー
レールの先端は下がる（片持梁のたわみ）。しかしなが
ら縦柱の下端と側壁加圧板とは、浴室に対してほぼ対角
線に位置するので、ハンガーレールの先端はそれ以下に
は下がらない。ハンガーレールの先端が下がれば、第１
揺動柱１４の左端が下がるが、結合軸１３，遊び２３，
結合軸１５及び遊び２４のため結合軸１５は下がらず、
従って側壁加圧板は下がらず、従って側壁加圧板は浴室
の側壁を傷つけない。これらの装置は側壁擦過防止装置
となっている。また第１揺動柱及び第２揺動柱にはモー
メントが作用せず圧縮力のみが作用するので、これらの
強度は小さくてよく軽くできる。ボルト１７は横柱の長
さを調節するためである。ボルトと押出板２０とは螺合
していないが、両者はつねに押しあっているので離れな
い。介助者は片方の手で被介護者を支えつゝ、他の手で
前後用ロープ３５を引いて前後に移動させる。又は操作
器５２を操作して上下に動かす。

【０００５】

【発明の効果】本装置は片持梁であるので、介護のため
に使用できる面積が大きい。また操作は容易であり、き
わめて静かである。また装置は安価である。なおたとえ
ば寝室が大きくリフトは部屋の一部で使用する場合、第
１揺動柱のみを長くすればよいので装置の重量の増加は
少ない。

【０００６】本装置の変形について図４で記す。符号７
０は浴室、７２は浴槽、７３は洗場、７４は縦柱、横
柱、７６は側壁加圧板である。これが通常の使い方であ
る。浴室の入口が７７にあるときには、縦柱は被介護者
を乗せた車が洗場に入るのに支障はないが、入口が７８
にあるときには支障となる。この場合は、縦柱を浴室の
隅、たとえば７９におく。横柱の先の側壁加圧板は７９
の対角線に位置する浴室の隅８０を押す。このとき側壁
加圧板９０度折り曲げで２つの側壁にそわせる。この側
壁加圧板をアングル型という。従って本発明で側壁加圧
板には図１の平板型とアングル型がある。８３はハンガ
ーレール、８４は第１揺動柱、８５は第２揺動柱であ
る。なお被介護者を洗い場で吊り上げるときは被介護者
の頭が図４に向って右方に、また浴槽に下ろすときに
は、図４に向って左方に位置するよう、横柱にそって移
動するに伴って１８０度向きをかえる。

【０００７】たとえば病院などの病室の天井は、強度が
大きいので、その天井にハンガーレールを固着し、キヤ
リヤー，吊りロープ等を設け、ハンガーが上下及び前後
に移動しうるようにする。他方、水量調節器を装着した
図１のシリンダー８を床に固着する、又は床と天井の間
に装着する。シリンダーには、ハンガーに加わる荷重は
作用しないので水道用のエンビのパイプでよい。ピスト
ンロッド３８の上端をハンガーレールの吊りロープに図
１のように係合する。この装置の特徴は、動作が静かな
ことと設備費が安いことである。なお図１の滑車凾３９
を設けずピストンロッドの上端を吊りロープの左端に結
合してもよい。この場合は、ハンガーの上下の移動距離
（ストローク）は、図１の場合の半分になるが、２倍の
荷重を吊り上げることが出来る、又荷重の移動が、上下
のみの場合には、天井に滑車３０と２６を固着し、ピス
トンロッドの先端に結合した吊りロープは、それらの滑
車にかけて下ろす。

【０００８】図１の変形を図５にもとずいて記す。符号
８６は、縦柱８７の下端に装着した電動機、符号８８は
電動機の回転軸に固着したプーリー，符号８９は、一端
がプーリーに固着したベルト，符号９０は、一端がベル
トの他端に固着した吊りロープ、符号９２は滑車、符号
９３，９４は、安全のためのリミットスイッチである。
電動機は正逆転が可能でかつ電磁ブレーキを有する。な
おベルトは図１のように滑車凾３９を下げるようにして
もよい。

【０００９】

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の実施例の正面図で、構成部品
の配置を示す図である。

【図２】図１の、Ａ−Ａ断面図である。

【図３】図１の、Ｂ−Ｂ断面図である。

【図４】図１の変形部分を説明するための図

【図５】本発明の他の実施例の正面図である。

【符号の説明】

４：浴槽側壁 ５：洗場側壁 ８：縦柱 １０：横柱 １２：ハンガーレール １４：第１揺動柱 １６：第２揺動柱 １８：側壁加圧板 ２０：押え板 ２３：遊び ２４：遊び ２５：キャリヤー ３５：前後用ロープ ３６：主ピストン ３７：フランジ ３８：ピストンロッド ３９：滑車凾 ４２：ハンガー ４４：ハンガー滑車 ４５：吊りロープ ４７：水量調節器 ５２：操作器 ５３：荷重上昇用レバー ５４：荷重下降用レバー ５５：ハウジング ５６：入水孔 ５７：出水孔 ５８：ホースニップル ６１：入水調節ピストン ６２：ロッド伸縮器 ６３：調節ロッド ６６：出水調節ピストン ７６：側壁加圧板 ８８：プーリー ９３：リミッタースイッチ ９４：リミッタースイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下端が部屋の一方の側壁に係合した縦柱
   と、該縦柱の上端から該側壁の反対側の側壁に向ってほ
   ぼ水平に延びる横柱とから構成され、該横柱からは、被
   介護者を保持する身体保持具を着脱しうるハンガーを垂
   れ下げ、該ハンガーを上下移動及び該横柱に沿って前後
   移動させる手段を有する介護用の片持リフトにおいて、
   該横柱の先端には、側壁係合体を装着させ、かつ該ハン
   ガーを上下移動させる手段には、縦柱にシリンダーを兼
   ねさせ、該シリンダーにはピストン及びロッドを内蔵さ
   せ、該ロッドはシリンダー内の水量の増減によって上下
   するようになし、該ロッドの上端とハンガーを上下させ
   る吊りロープとを係合させることを特徴とする被介護者
   用リフト