JPH10176229A - クロム粉鉱石の還元方法及びその装置 - Google Patents

クロム粉鉱石の還元方法及びその装置

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JPH10176229A
JPH10176229A JP33399196A JP33399196A JPH10176229A JP H10176229 A JPH10176229 A JP H10176229A JP 33399196 A JP33399196 A JP 33399196A JP 33399196 A JP33399196 A JP 33399196A JP H10176229 A JPH10176229 A JP H10176229A
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chromium
ore
furnace
chromium ore
reducing
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JP33399196A
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English (en)
Inventor
Kiichiro Sasabe
喜一郎 笹部
Toshiaki Takeda
俊昭 武田
Sadahiro Saito
定広 斎藤
Toshihiko Terada
俊彦 寺田
Tsutomu Minagawa
勉 皆川
Nobukatsu Takagi
宣勝 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shunan Denko KK
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Shunan Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度に還元されたクロム粉鉱石を安価に得
る方法を提供する。 【解決手段】 クロム粉鉱石と粉状の炭素質還元材と
を混合した原料を、内面断面が多角形をしたロ−タリ−
キルン中で、スリップモ−ションを抑制しカスケ−ドモ
−ションを保ちつつ、酸化性燃焼炎下で加熱処理して還
元する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はクロム粉鉱石の還
元方法に関するものであり、特にステンレス鋼製造工程
で直接溶鋼中に添加するのに適した、高還元クロム粉鉱
石の製造方法及びそのための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼の原料として用いられるク
ロム源を安価に製造するために、種々の方法が考えられ
ているが、その得失は原料事情や電力事情等に大きく左
右される。原料に関しては埋蔵量の多い粉鉱石を利用す
るのがコスト的に有利である。一方、近年ステンレス製
鋼の技術革新にも著しいものがあり、転炉中にクロム粉
鉱石を吹込む技術が定着してきている。この場合、単に
クロム粉鉱石を吹き込んだのでは溶解と還元の為に多大
のエネルギーを要し、生産能率の低下や歩留の低下を招
き、作業量の増大などの不利益を招く。そこでクロム鉱
石の代わりに粉状の還元されたクロム鉱石を吹き込むこ
とが考えられる。このような還元されたクロム鉱石の製
造方法としては、(1)粉鉱石に炭化水素ガスを通気さ
せて加熱還元処理する方法(特開昭59−17972
5)、(2)粉鉱石を間接加熱炉で還元処理する方法
(特開平1−234529)、(3)粉鉱石を炭素質還
元材とともにバ−ナ−を備えたロ−タリ−キルンで還元
する方法(USP2,582,469)などが知られて
いる。また、クロム鉱石と炭素質還元材と結合材とを混
合し、適度な大きさと強度を有するペレットとし、ロ−
タリ−キルンで加熱還元した後、粉砕して使用すること
も考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の技術においては、次のような問題点がある。
すなわち、(1)炭化水素ガスで還元する方法において
は、粉体と気体とを十分接触させるために粉鉱石の流動
性を確保せねばならず、装置が複雑となり運転も難し
く、処理温度も余り高くできないので還元率が上がらな
い。(2)間接加熱炉で処理する方法では炉の構造が複
雑となり、エネルギー効率が悪いので結局コスト高とな
る。(3)粉鉱石を炭素質還元材とともにバ−ナ−を使
用した断面が円形の通常のロ−タリ−キルンで還元する
方法は、装置も簡単で大量処理が可能である。しかし、
この場合には粉鉱石と炭素質還元材との接触が不十分な
ため、また、粉鉱石がバ−ナ−の酸化性の燃焼炎にさら
されて再酸化を起こすので還元率はあまり上がらず、ク
ロム還元率はせいぜい30%程度が限度である。還元率
を向上させるためにクロム鉱石と炭素質還元材とを混合
し、ペレットにして還元する方法もあるが、この方法で
得たものはステンレス製造工程で転炉で使用する場合に
インジェクションで吹き込むのに適したサイズのもので
はなく、ペレットにする工程も煩雑である。本発明はロ
−タリ−キルンの作業性の良さを生かし、安価な燃料の
燃焼熱を最大限に利用しつつ、単純な操作で高還元率を
有するクロム粉鉱石の還元方法を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】クロムは酸素との親和力
が強く、鉱石中の酸化クロムを還元するのは容易ではな
い。酸化クロムの実用的な還元機構は固相反応であり、
拡散律速で進行する。したがってクロム鉱石を高度に還
元するには、クロム鉱石のサイズを細かくして表面積を
大きくし、炭素質還元材との接触の機会をできるかぎり
確保する必要がある。その上で酸化性燃焼炎の影響を極
力排除するため、さらに原料界面の反応温度の維持と反
応を促進させるために、ロ−タリ−キルン内の原料層表
面を炭素質還元材で覆うことが有効である。本発明者ら
は通常のロ−タリ−キルンで上記のような条件を達成す
べく鋭意検討した結果、ロ−タリ−キルンの断面を多角
形としてキルン内原料のスリップモ−ションを抑え、カ
スケ−ドモ−ションが起こり易くすることにより、簡単
な方法で高還元のクロム粉鉱石が得られることを見い出
した。さらに炭素質還元材を適当に選択することによ
り、ロ−タリ−キルン内の原料層表面を炭素質還元材で
覆うことができることを見い出した。
【0005】クロム鉱石と炭素質還元材との反応は固相
還元であるから両者の接触点で還元が起こり、還元を促
進させるためには両者を常に新しい点で充分に接触を繰
り返させていく必要がある。ところでロ−タリ−キルン
中では装入原料はいわゆるカスケードモーションを起こ
し、ロ−タリ−キルンの回転と共に内壁に沿って一定の
高さまで持ち上げられた後、最高点から崩落するように
落下する。またあるときはいわゆるスリップモ−ション
を起こし、キルン内壁に沿ってズリ落ちる。ロ−タリ−
キルン中ではこの2種類の動きが起こっているが、スリ
ップモ−ションでは装入原料が平行移動をしているだけ
で装入原料の攪拌は起こらない。したがってクロム鉱石
と炭素質還元材との新たな接触点は生まれない。炉内が
円形断面のロ−タリ−キルンではスリップモ−ションが
多くてクロム鉱石と炭素質還元材との接触の機会が少な
く、これが還元率が上がらない原因と考えられる。
【0006】そこでロ−タリ−キルン内壁を多面体と
し、多面体の接線にスリップモ−ションを食い止めるス
トッパ−の機能を持たせることにより、カスケ−ドモ−
ションを促進させて原料を充分に混合し、クロム鉱石と
炭素質還元材との新たな接触の機会を増して還元を促進
させることができることを見い出した。多面体の面の数
は、処理能力に応じたロータリーキルン内径の大きさと
挿入原料の量によって異なるが、実用的には6面体から
14面体ぐらいまでが使用できる。また、内壁を多面体
にしなくとも多面体に相当する突起を設けても同じ効果
が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用するクロム鉱石は、
粒経3mm以下の粉鉱石である。天然の鉱石としてその
まま使用でき、多量に産するので安価であり、表面積が
大きいので反応上も好都合である。炭素質還元材はコー
クス、無煙炭、有煙炭、木炭等が使用できる。反応の点
からはクロム鉱石に合わせて炭素質還元材も粒経3mm
以下の粉状のものとするのが接触面積が大きくなるので
都合が良い。クロム鉱石と炭素質還元材との配合割合
は、次式に従ってクロム鉱石中の酸化クロムと酸化鉄と
をそれぞれクロムカーバイドと鉄カーバイドに還元する
のに必要とする理論当量以上の固定炭素を含むように配
合する。 7Cr23 + 27C → 2Cr73 + 21CO・・・・(1) 7FeO + 10C → Fe73 + 7CO・・・・(2) 酸化性燃焼炎による酸化消耗を考慮すれば、理論当量の
1.3〜4.0倍、好ましくは理論当量の2.0〜3.
0倍の固定炭素量を配合するのが良い。このように配合
した原料の安息角は29〜30度となる。
【0008】原料層の表面を燃焼炎の酸化性雰囲気から
被覆保護するため、粒径6〜20mmの小塊状の炭素質
還元材を加えるのが有効である。原料中に粒径の異なる
ものが共存していると、図3に示すように粒径の大きな
ものは転動中に原料層表面に浮き上がってころがり落
ち、実質的に原料層表面を覆うようになる。このため酸
化性の燃焼雰囲気になっても小塊状の炭素質還元材が酸
化されるのみで、クロム粉鉱石が酸化性雰囲気にさらさ
れることはない。このように還元によって生成する一酸
化炭素ガスと共に、原料層の表面を燃焼炎の酸化性雰囲
気から被覆保護するため、還元が一層促進されるのであ
る。原料層を被覆保護するための炭素質還元材はコーク
スや石炭が使用できる。特に石炭は揮発成分を含むので
ガスによる遮蔽も期待できる。このような目的で添加す
る小塊状の炭素質還元材の量は、酸化消耗を考慮してク
ロム鉱石を還元するのに必要な理論当量の0.3〜3.
0倍、好ましくは0.5〜1.5倍が適当である。小塊
状の炭素質還元材を併用する場合は、酸化消耗が減ずる
ので還元用の粉状炭素質還元材の量を減らすことができ
る。このように配合した原料を、炉内の断面形状が多角
形であるロ−タリ−キルン内の1200℃以上の高温帯
に60分以上、好ましくは120〜180分間滞留させ
ると、還元率が50%以上、最高80%の高還元クロム
粉鉱石が得られる。
【0009】このようにして得られた高還元クロム粉鉱
石は、高炭素フェロクロム用原料として電気炉で使用し
てもよいし、ステンレス製鋼用原料として電気炉や転炉
で使用することができる。高還元クロム粉鉱石を使用す
ると以後の工程での高価な電力の使用量を削減でき、生
産効率を著しく高めることが可能となる。なお、この高
還元クロム粉鉱石は余剰の炭素質還元材を含んでいる
が、後の工程では炭素は熱源として利用できるので特に
支障はない。炭素質還元材の量が多過ぎる場合は生のク
ロム鉱石を併用するか、磁力選鉱を用いてクロム鉱石と
炭素質還元材とを分離することができる。磁力選鉱を用
いる場合は3000ガウス以上の磁界が実用的である。
小塊状の炭素質還元材の分離は篩分けを行えば良い。本
発明の高還元クロム粉鉱石は、高温状態のまま次工程で
使用するのが最も熱効率が良いが、止むをえず冷却する
場合は多量の冷却水や空気を使用して、急速に600℃
以下まで急冷すれば、再酸化を防止して実質的に高還元
状態を維持することができる。
【0010】次に、本発明を実施するのに適した還元装
置について説明する。図1に本発明を実施するのに適し
た還元装置の一例の断面構造図を示す。また図2は図1
のA−A’における断面図である。本発明では高温度を
得るために燃料を燃焼(酸化)させており、一方クロム
鉱石を還元するという相反する化学反応を共存させてい
る。その上でクロム鉱石の還元率を向上させるには、な
るべく多くの過剰の炭素質還元材を還元反応領域まで存
在させておく必要がある。そのためこの還元装置1はロ
−タリ−キルン式の予熱炉2とロ−タリ−キルン式の還
元炉3から構成されている。予熱炉2は断面が円形であ
るが還元炉3の断面は図2に示すように8角形に構成し
てある。両者の長さはほぼ等しい。両者は高さを変えて
連続して配置され、予熱部分にはクロム粉鉱石のみを供
給し、還元部分に炭素質還元材を追加挿入する方法を採
用した。予熱炉2から排出されたクロム鉱石21は炉内
投原シュ−ト13を介して還元炉3に入る。その際還元
材投入シュ−ト12から所定量の炭素質還元材を添加す
る。予熱炉2と還元炉3との接続部は中間フ−ド9によ
ってシ−ルしてある。この部分を通過するクロム鉱石の
温度は850〜1000℃、ガスの温度は1000℃以
上である。還元炉3の他端部には燃焼フ−ド14を介し
てバ−ナ−15を配置し、燃料の燃焼熱を利用して還元
炉3内を1200℃以上に加熱する。還元されたクロム
鉱石24はバ−ナ−15の酸化性火炎の手前で還元炉3
から製品シュ−ト16へ排出されるようにしてある。予
熱部は還元部から出る高温の排ガスの熱を有効利用でき
るものであれば特に制限はない。この還元装置から排出
されるガスは可燃性の一酸化炭素を多量に含むので、回
収して補助燃料として有効利用するのは言うまでもない
ことである。鉄皮4、5は支持リング(図示せず)を介
してサポートローラー10によって支えられ、動力(図
示せず)により駆動され回転する。また、予熱炉2は鉄
皮4の内側に放射状に配置された断熱レンガで構成され
ており、その断面形状は通常のロ−タリ−キルンのとお
り円形である。還元炉3は図2に示すとおり断面が8角
形になるように異形耐火レンガ11を組み合わせて構築
してある。予熱炉2の先端には排ガスダクト7を備えた
排ガスチャンバ−6があり、排ガスチャンバ−6を貫通
してクロム鉱石供給用の鉱石シュ−ト8が挿入されてい
る。
【0011】以上説明したように、還元炉3部分の断面
形状が多角形のロ−タリ−キルンを使用して、バーナー
の燃焼炎でクロム鉱石と炭素質還元材の混合物を120
0〜1500℃に加熱する。燃料は固体燃料、液体燃
料、気体燃料の何れでも良い。酸素を十分供給して高温
度を得れば良い。加熱温度を1200℃以上としたの
は、1200℃以下では酸化クロムの還元が実質的に進
行せず、1500℃以上では鉱石が軟化して炉壁に付着
し、ダムリング(damring)の原因となるからで
ある。原料の滞留時間が酸化クロムの還元温度以上であ
る1200℃以上に60分間以上となるように、原料の
充填量と炉の回転速度を調節する。温度が高く、滞留時
間が長いほど高還元率が達成できるのは当然である。
【0012】
【作用】本発明では、ロ−タリ−キルンの内壁を断面形
状が多角形になるように構成し、クロム粉鉱石と粉状炭
素質還元材との混合原料が、スリップモ−ションではな
くて安息角まで持ち上げられてカスケ−ドモション主体
になるようにして、混合原料を十分撹拌してクロム鉱石
と炭素質還元材とが相互に新たな接触を起こすようにし
て、高度に還元された粉状クロム鉱石を得るようにし
た。ロ−タリ−キルン内の原料の動きを観察すれば図3
のとおりである。即ち、通常の円形断面のロ−タリ−キ
ルンでは、配合原料が安息角θより小さいα(α<θ)
になるとスリップモーションを起こし、面M−M’と面
N−N’との間の往復運動を繰り返す。この間は原料の
撹拌はあまり起こらない。これに対して本願発明の多角
形断面の場合には、多面体の接線であるC点がストッパ
−の役目をするので、原料面がL−L’迄達して安息角
θを越えると原料の崩落が始まり、いわゆるカスケ−ド
モ−ションが起こる。こうなると原料の撹拌は活発に行
なわれるようになる。クロム鉱石と炭素質還元材との接
触の機会も増え、火炎からの熱の伝達も充分に行なわれ
る。また、小塊状の炭素質還元材を併用して表面に浮き
上がらせ、原料層の表面を炭素質還元材で覆いながら、
バーナーの燃焼炎を利用して高温度に加熱してさらに還
元率を高めるようにした。
【0013】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳しく説明す
る。 (実施例1)上記の還元装置1を使用して、表1に示す
組成を有するクロム粉鉱石と粉コークスを粉コークスの
炭素量がクロム鉱石の還元に要する理論当量の2倍(Ca
rbonfactor : cf=2.0)となるように表2の配合
例2のように設定し、配合原料が1.5ton/hrの
量となるように還元装置内に装入した。その際クロム粉
鉱石は鉱石供給シュート8を介して予熱炉2へ、粉コー
クスは還元材投入シュート12を介して還元炉3へ投入
した。各原料の粒度はいずれも3mm以下とした。還元
炉3中での原料の滞留時間は、クロムの還元が起こる1
200℃以上の温度帯に1.9時間滞留するように設定
した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】このようにして得られた還元クロム粉鉱石
の分析値を表3に示す。表中酸に可溶なクロムとは、カ
ーバイドに還元されたクロクであって、希硫酸に溶ける
もの、同じく酸に可溶な鉄とは、カーバイドに還元され
た鉄であって、希硫酸に溶けるものである。また、還元
率は図4に示す数式(3)より求めた。
【0017】 Cr還元率 = 酸に可溶なCr/全Cr・・・・・・・・・・・・(4) Fe還元率 = 酸に可溶なFe/全Fe・・・・・・・・・・・・(5)
【0018】
【表3】
【0019】表3に示すとおり、この実施例により得ら
れた還元クロム粉鉱石は、全クロム中の62%が還元さ
れた酸に可溶なクロムであり、全鉄中の90%が還元さ
れた酸に可溶な鉄であった。全還元率は70.2%と算
出された。この還元クロム粉鉱石は、転炉でステンレス
鋼を溶製する際に、クロム源として直接溶鋼中に吹込ん
で使用すれば、余分な還元反応は必要なく、エネルギー
と精練時間の大幅な短縮が可能となり、高品位のステン
レス鋼を安価に製造することが可能となる。
【0020】(実施例2)表2の配合例4に示したよう
に、粉コークスの配合量をcf=2.5にした以外は実
施例1と同様にして操業した。得られた還元クロム粉鉱
石は、全還元率が74%であった。粉コークスの配合量
が増えたぶんだけ還元率の向上が認められた。
【0021】(実施例3)表2の配合例1に示したよう
に、粉コークスの配合量をcf=1.5にした以外は実
施例1と同様にして操業した。得られた還元クロム粉鉱
石は、全還元率が53%であった。粉コークスの配合量
が減ったぶんだけ還元率の低下が認められた。
【0022】(実施例4)表2の配合例3に示したよう
に、粉コークスの配合量をcf=1.5にし、さらに表
1に示した粒径6〜12mmの小塊石炭をcf=0.5
相当混合し、全cf=2.0として操業した。それ以外
は実施例1と同様にして操業した。得られた還元クロム
粉鉱石は、全還元率が72%であった。実施例1と比較
すると同じ全cfにもかかわらず還元率の向上が認めら
れ、小塊石炭の被覆保護効果が認められた。
【0023】(実施例5)表2の配合例5に示したよう
に、粉コークスの配合量をcf=1.5にし、さらに表
1に示した粒径6〜12mmの小塊石炭をcf=1.0
相当に増やして混合し、全cf=2.5として操業し
た。それ以外は実施例1と同様にして操業した。得られ
た還元クロム粉鉱石は、全還元率が80%であった。実
施例2と比較すると同じ全cfにもかかわらず還元率の
向上が認められ、小塊石炭の被覆保護効果が認められ
た。
【0024】(実施例6)還元炉3の断面形状を12角
形にした以外は実施例1と同様にして操業した。得られ
た還元クロム粉鉱石は、全還元率が67%であった。実
施例1と比較すると還元率はやや低かった。
【0025】(実施例7)還元炉3の断面形状を5角形
にした以外は実施例1と同様にして操業した。得られた
還元クロム粉鉱石は、全還元率が64%であった。実施
例1と比較すると還元率は低かった。
【0026】(比較例)還元炉3の断面形状を通常のロ
ータリーキルンと同様の円形にした以外は実施例1と同
様にして操業した。得られた還元クロム粉鉱石は、全還
元率が30%であった。実施例1と比較すると還元率は
低かった。これはロータリーキルン内で配合原料がスリ
ップモーションを起こし、撹拌が不十分でクロム粉鉱石
と粉コークスとの接触の機会が少ないためと推測され
る。
【0027】これらの結果を還元材の配合割合と還元炉
の断面形状との関係でまとめると表4のとおりとなる。
【0028】
【表4】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、ロータリーキルン内を
多面体で構成してあるので原料のスリップモーションを
抑制してカスケードモーションを起こす。このため原料
の撹拌が促進され、クロム鉱石と炭素質還元材との新た
な接触の機会が大幅に増えるので還元率が向上する。従
来のようにペレット化等の前処理が不要となるので安価
に高還元鉱石が得られる。本発明により得られる高還元
クロム粉鉱石は3mm以下の粉末で、かつ少量の炭素質
還元材を含んでいるので転炉中への吹込みに適してお
り、熱源の補給をする一方でクロムの還元エネルギーは
僅かで済む。従ってステンレス鋼製用のクロム源として
極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で使用したロ−タリ−キルンの回転軸
に平行な断面図である。
【図2】本実施例で使用した図1のロ−タリ−キルンの
回転軸に垂直な断面図である。
【図3】本発明のロ−タリ−キルン内の原料の動きを説
明するための模式図である。
【図4】全還元率の数式(数1)である。
【符号の説明】
1・・・・・還元装置 2・・・・・予熱炉 3・・・・・還元炉 4・・・・・予熱炉鉄皮 5・・・・・還元炉鉄皮 6・・・・・排ガスフ−ド 7・・・・・排ガスダクト 8・・・・・鉱石供給シュ−ト 9・・・・・中間フ−ド 10・・・・・サポ−トロ−ラ− 11・・・・・耐火レンガ 12・・・・・還元材投入シュ−ト 13・・・・・炉内原料シュ−ト 14・・・・・燃焼フ−ド 15・・・・・バーナー 16・・・・・製品シュ−ト 21・・・・・クロム粉鉱石 22・・・・・炭素質還元材 23・・・・・混合原料 24・・・・・還元クロム鉱石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 定広 山口県新南陽市野村南町4976−2 周南電 工株式会社内 (72)発明者 寺田 俊彦 山口県新南陽市野村南町4976−2 周南電 工株式会社内 (72)発明者 皆川 勉 山口県徳山市大字栗屋字奈切50−3 有限 会社周南テクノクロム内 (72)発明者 高木 宣勝 東京都港区芝大門一丁目13番9号 昭和電 工会社株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム粉鉱石と、このクロム粉鉱石中の
    酸化クロムと酸化鉄を還元するのに要する理論当量を超
    える量の粉状の炭素質還元材とを、断面が多角形をなす
    ロ−タリ−キルン中で転動しながら、燃料を燃焼させて
    1200〜1500℃に加熱して還元することを特徴と
    するクロム粉鉱石の還元方法。
  2. 【請求項2】 粒経3mm以下のクロム粉鉱石と、この
    クロム粉鉱石中の酸化クロムと酸化鉄を還元するのに要
    する理論当量の1.2〜3倍の量であって、粒経が3m
    m以下の粉状の炭素質還元材と、さらに粒経が6〜20
    mmで該理論当量の0.3〜3倍の量の小塊状の炭素質
    還元材とを、断面が多角形をなすロ−タリ−キルン中で
    転動しながら、燃料を使用して1200〜1500℃に
    加熱して還元することを特徴とするクロム粉鉱石の還元
    方法。
  3. 【請求項3】 炉内の断面が円形のロ−タリ−キルン式
    予熱炉と、炉内の断面が多角形であるロ−タリ−キルン
    式還元炉を接続した構造を有し、該予熱炉の先端部から
    クロム粉鉱石を供給し、該予熱炉と該還元炉との接続部
    から炭素質還元材を供給し、還元炉の一端に配置したバ
    −ナ−の燃焼ガスを還元炉と予熱炉を貫通させて排気す
    ることを特徴とするクロム粉鉱石の還元装置。
JP33399196A 1996-12-13 1996-12-13 クロム粉鉱石の還元方法及びその装置 Pending JPH10176229A (ja)

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JP33399196A Pending JPH10176229A (ja) 1996-12-13 1996-12-13 クロム粉鉱石の還元方法及びその装置

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103436698A (zh) * 2013-08-23 2013-12-11 徐伟 一种直接还原红土镍矿生产镍铁合金的方法
JP2016084948A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 株式会社日向製錬所 ロータリーキルンの操業方法
CN114334503A (zh) * 2021-12-24 2022-04-12 佛山市诺普材料科技有限公司 低温匀化制备银氧化锡电触头材料的方法及其材料

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