JPH10175903A - 光学活性アルコール及びその製造法 - Google Patents

光学活性アルコール及びその製造法

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JPH10175903A
JPH10175903A JP8336532A JP33653296A JPH10175903A JP H10175903 A JPH10175903 A JP H10175903A JP 8336532 A JP8336532 A JP 8336532A JP 33653296 A JP33653296 A JP 33653296A JP H10175903 A JPH10175903 A JP H10175903A
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optically active
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lipase
active alcohol
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Takakiyo Mine
高清 峰
Tomoyuki Yui
知之 油井
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C43/02Ethers
    • C07C43/03Ethers having all ether-oxygen atoms bound to acyclic carbon atoms
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    • C07C43/137Saturated ethers containing hydroxy or O-metal groups containing halogen
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    • C12P41/003Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture by ester formation, lactone formation or the inverse reactions
    • C12P41/004Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture by ester formation, lactone formation or the inverse reactions by esterification of alcohol- or thiol groups in the enantiomers or the inverse reaction

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不斉炭素上にトリフルオロメチル基、末端に
分岐アルキルオキシ基を有する新規な2級の光学活性ア
ルコールとその製造法を提供する。 【解決手段】 一般式(1) : CF3C*H(OH)(CH2)mO(CH2)n
CH(CH3)2 (式中のC*は不斉炭素、mは2〜7の整数、
nは0〜3の整数を示す。)で表わされるR体又はS体
である光学活性アルコール、並びにその一般式(2) : X
(CH2)m O(CH 2)n CH(CH3)2 (式中のm、nは一般式(1)
と同一、Xはフッ素以外のハロゲン原子を示す。) を合
成の出発原料とする製造法。 【効果】 不斉炭素上にトリフルオロメチル基、末端に
分岐アルキルオキシ基を有する2級の新規な光学活性ア
ルコールを与えるとともにそれらの経済的で簡便な製造
法を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不斉炭素上にトリフルオ
ロメチル基、末端に分岐アルキルオキシ基を有する新規
な2級の光学活性アルコールとその製造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術及びその課題】光学活性物質は従来より医
薬品、農薬の分野に於て使用されてきたが、近年、強誘
電性液晶、有機非線形材料などの機能性材料として注目
を集めている。例えば、有機非線形材料の分野において
は有機材料が二次の非線形光学効果を生ずるためには分
子内に不斉中心が存在することが望ましい (例えば、山
口、中野、笛野、化学、42 (11), 757(1987)) 。また、
強誘電性液晶の分野においては液晶が強誘電性を示すた
めには液晶分子が光学活性体であることが不可欠である
(例えば、城野、福田、有機合成化学協会誌、47 (6), 5
68(1989))。
【0003】更に近年、反強誘電性液晶が大きな注目を
集めているが、強誘電性液晶と同様に液晶分子が光学活
性体である必要がある。従来、このような分野において
は光学活性源として、光学活性な2-ブタノール、2-オク
タノール、2-メチル−1-ブタノール、アミノ酸誘導体な
どが用いられてきた。しかしながらこの様な光学活性物
質を使用していたのでは、得られる材料の特性は限定さ
れたものであった。
【0004】最近、強誘電性液晶の分野において、光学
活性源として不斉炭素上にフッ素置換した下記のような
アルコールを使用し強誘電性液晶を合成する試みが盛ん
に行われている(例えば、特開昭64-3154 号公報、特開
平1-316339号公報、同1-316367、同1-316372、同2-2254
34、同2-229128)。 (1):CF3C*H(OH)CH2COOC2H5 (2):CF3C*H(OH)CH2CH
2OC2H5 (3):CF3C*H(OH)CH2CH2CH2OC2H5 (4):CF3C*H(OH)C6H13 (5):CF3C*H(OH)C8H17 (6):C2F5C*H(OH)C8H
17
【0005】これらのアルコールを用いて誘導された強
誘電性液晶は、いずれも不斉炭素上に電気陰性度の大き
いフッ素原子が置換されているために大きい自発分極を
与え、かつ、比較的速い応答速度を与える。また、(4):
CF3C*H(OH)C6H13, (5):CF3C*H(OH)C8H17, (6):C2F5C*H
(OH)C8H17等を用いて誘導された液晶は反強誘電相を有
する液晶を与え易いことが認められており、このために
これらは非常に特徴あるアルコールとして注目を集めて
いる。
【0006】更に、本発明者らは、 CF3C*H(OH)(CH2)mO
CnH2n+1 (式中のmは2〜7、nは1〜4の整数であ
る。)で表される光学活性アルコールについて、高価な
原料であるトリフルオロアセト酢酸エチルを用いず、高
い光学純度で目的とする光学活性アルコールを得る新し
い製造法とこれらから誘導された液晶について詳しく検
討し、従来知られていなかった極めて有用な反強誘電性
液晶或いはフェリ誘電性液晶が得られることを明らかに
した(特開平5-65486 号公報、特願平7-89207号) 。
【0007】しかしながら、 上記のような光学活性アル
コールを用いて誘導される反強誘電性液晶或いはフェリ
誘電性液晶は、次の様な課題が明らかとなっている。 (i) チルト角が小さい。 (ii) 反強誘電相或いはフェリ誘電相の上限温度が低
い。 (iii) 粘性が大きい。 このため上記の課題を解決できるような性質を液晶に賦
与できるような光学活性アルコールが求められている。
【0008】2級の光学活性アルコールは様々な方法に
より、製造できると思われる。経済的にみた場合、光学
活性体を出発原料とするのは、原料が高価であるので経
済的ではない。また、不斉合成でも製造可能である。例
えば、光学活性アルコールを得ようとした場合、前駆体
として相当するケトン体を製造し、不斉還元触媒により
不斉還元することが考えられる。しかしながら、この様
な場合不斉還元触媒が極めて高価であることと、必ずし
も高い光学純度の製品が得られるとは限らないし、か
つ、R、Sのいずれ一方の光学活性体しか得られない。
【0009】次に、光学活性体の前駆体である適当なエ
ステル、例えば、アセテートを不斉加水分解する方法が
考えられる。有効な不斉加水分解剤としては、酵素があ
げられる。アセテートのリパーゼによる不斉加水分解に
ついては、北爪らによって提案されている(T. Kitazume
et al., J. Org. 52., 3211 (1987))、特開平2-282304
号公報) 。
【0010】これによれば、リパーゼMYを用いること
によって、CF3CH(OCOCH3)Cn H2n+1で表されるアセテー
トは、燐酸緩衝液中で不斉加水分解される。しかしなが
ら、リパーゼMYの不斉認識能は、被加水分解化合物の
化学構造に大きく依存し、上記の北爪らの文献の表1に
示されているように化学構造によって得られた加水分解
物の光学純度は55〜98ee%と大きく異なっている。この
ことは、ある目的とする化合物の不斉加水分解がうまく
ゆくかどうか予測することは困難であり、結局は目的と
するアルコールが高い光学純度で得られるかどうかは反
応を行ってみなければ判らないことを示している。
【0011】更に、深刻な問題として、不斉炭素上の置
換基の種類によっては、不斉認識能がまったく発現しな
い場合もあることである。例えば、リパーゼMYは CF3
C*H(OCOCH3)(CH2)5OC2H5の不斉加水分解において極めて
高い不斉認識能を示す。しかし、不斉炭素上にメチル基
が置換された2級アルコールのエステル CH3CH(OCOCH3)
C6H13 においては全く不斉認識をしない。
【0012】その他、2級の光学活性アルコールの製造
法としては、2級ラセミアルコールを適当な酵素の存在
下、不斉トランスエステル化して光学分割する方法があ
る。例えば、有機溶媒中でリパーゼ(豚すい臓由来)を
用いる不斉トランスエステル化反応がある(A.M.Klibano
v et al., J. Am. Chem. Soc. 1985, 106, 7072)。しか
しながら、高活性でエナンチオ選択性の高いリパーゼは
今まで知られていなかった。尚、酵素を用いる不斉加水
分解、不斉トランスエステル化による光学分割はR体、
S体の両方が容易に得られるという利点がある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
状況に鑑みて行われたものであり、不斉炭素上にトリフ
ルオロメチル基を有し、かつ、末端に分岐アルキルオキ
シ基を有する新規な2級の光学活性アルコール及びその
有効な製造法を提供するものである。
【0014】すなわち、本発明は、一般式(1) : CF3C*
H(OH)(CH2)mO(CH2)nCH(CH3)2(式中のC*は不斉炭素、m
は2〜5 、nは 0〜3 の整数である。)で表わされるR
体又はS体である光学活性アルコールであり、好ましい
化合物は、該一般式(1) において、mが5でnが 0又は
1のいずれかである光学活性アルコールである。
【0015】また、本発明は、該一般式(1) : CF3C*H
(OH)(CH2)mO(CH2)nCH(CH3)2 (式中のC*は不斉炭素、
mは2〜7、nは 0〜3 の整数を示す。)で表わされる
R体又はS体である光学活性アルコールの製造法であっ
て、 工程(1) : 一般式(2) : X(CH2)m O(CH2)n CH(CH3)2 (式
中のm、nは一般式(1)と同一、Xはフッ素以外のハロ
ゲン原子を示す。) で表わされるハロゲン化合物をグリ
ニヤール試薬に変換後、一般式(3) : CF3COOM1 (式中
のM1はLi、Na、Kの何れかを示す。) または一般式(4) :
(CF3COO)2M2 (式中のM2はMg、Caの何れかを示す。)
で表わされるトリフルオロ酢酸の塩と反応させることに
より、一般式(5) :CF3CO(CH2)mO(CH2)nCH(CH3)2(式中
のm、nは一般式(1) と同一である。) で表わされるケ
トンを製造し、 工程(2) : 該一般式(5) のケトンを還元し、一般式(6)
:CF3CH(OH)(CH2)mO(CH2)nCH(CH3)2(式中のm、nは
一般式(1)と同一である。)で表わされるラセミ体のア
ルコールを製造し、 工程(3) : 該一般式(6) のアルコールの水酸基を、カル
ボン酸ハライド又はカルボン酸無水物によりエステル化
して、一般式(7) :CF3CH(OCOR)(CH2)mO(CH2)nCH(CH3)2
(式中の CORは炭素数2〜6のアルキロキシ基を示
す。) で表わされるエステルを製造し、 工程(4) : 該一般式(7) のエステルをリパーゼによって
不斉加水分解反応を行い、反応終了後に、反応液を水と
相溶性の有機溶媒と接触させることにより、リパーゼを
析出させて濾過してリパーゼを回収し、リパーゼを除い
た濾液から光学活性アルコールおよび光学活性エステル
を分離することからなる光学活性アルコールの製造法で
ある。
【0016】本製造法では、該工程(1) において、グリ
ニヤー試薬と反応させるトリフルオロ酢酸の塩をテトロ
ヒドロフラン溶液として用いることが好ましい。また、
該工程(2) において、ケトンの還元剤として水酸化ナト
リウムを含むNaBH4 水溶液を使用することが好ましい。
また、該工程(4) において、リパーゼによる不斉加水分
解反応を20〜40℃で行い、使用される水量が、エステル
に対して20〜50倍モルであることが望ましい。
【0017】さらに、該工程(4) において、リパーゼに
よる不斉加水分解反応液を不斉加水分解に使用した水量
に対して 5〜20倍量の有機溶媒と接触させることにより
リパーゼを析出させ、析出したリパーゼを濾過により回
収し、減圧下で乾燥させて好適に再利用することがで
き、より経済的に本発明の光学活性アルコールを製造で
きる。また、このときに用いる有機溶媒が、アセトン、
メタノール、エタノールおよびテトラヒドロフランから
なる群から選択することが好ましい。なお、本発明の新
規な光学活性アルコールは、発明者らがの先の出願(特
願平8-165812号)に記載した一般式 : CF3C*H(OH)(CH2)
mOCnH2n+1 (mは2〜7、nは1〜4の整数である。)
の製造法に準じて、極めて高い光学純度で得られること
が認められた。
【0018】
【本発明の効果】本発明は不斉炭素上にトリフルオロメ
チル基、末端に分岐アルキルオキシ基を有する2級の新
規な光学活性アルコールを与えるとともにそれらの経済
的で簡便な製造法を提供するものである。
【0019】
【実施例】次に実施例によって本発明を更に詳細に説明
するが本発明はこれに限定されるものでない。 実施例1 (一般式(1): m=5, n=0 (E1)) R-
(+)-1,1,1-トリフルオロ−2-ヒドロキシ-7-(1-メチルエ
トキシ) ヘプタンの製造。
【0020】(1) 1-ブロモ-5-(1-メチルエトキシ) ペン
タンの合成。 イソプロピルアルコール 300g に、窒素気流中で攪拌し
ながら、金属ナトリウム 13gをすこしづつ加えた。その
後、1時間加熱還流し、ナトリウムを完全に反応させ
た。この反応液を固体が析出しないように加温しながら
1、5-ジブロモペンタンの50%イソプロピルアルコール溶
液を滴下した。その後、室温で15時間攪拌した。反応終
了後、水を加えてエーテルで抽出した。エーテル層を塩
酸水溶液、飽和食塩水で洗浄し、ついで無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。このエーテル層を留去した後、蒸留
(83〜87℃,10Torr)し、目的物と1,5-ジブロモペンタン
の混合物 50g(純度50%) を得た。
【0021】(2) 1,1,1-トリフルオロ−2-ヒドロキシ-7
-(1-メチルエトキシ) ヘプタンの合成。 金属マグネシウム 6.5g (270ミリモル)を丸底フラスコ
にとり、窒素置換した後、乾燥テトラヒドロフラン 100
ml(ミリリットル)を加えた。これに、1-ブロモ-5-(1-メチルエ
トキシ) ペンタン 46g(110ミリモル)を 100mlの乾燥テ
トラヒドロフランに溶解したものを反応温度が40℃以下
になるように滴下した。1時間熟成した後、ビス(トリ
フルオロ酢酸)マグネシウム 200g (280ミリモル;35%
テトラヒドロフラン溶液) を反応温度が50℃以下になる
ように滴下した後、50℃で2時間反応した。反応終了
後、6規定の塩酸 150mlを滴下した後、2時間室温で攪
拌し、有機層を分液した。
【0022】有機層に、12%NaBH4(NaOH水溶液) 28g を
ゆっくり滴下した。3時間室温で攪拌した後、水を加え
ついでエーテルで抽出した。このエーテル層を 6N 塩酸
で洗浄した後、水でほぼ中性になるまで洗浄し、更に飽
和食塩水で洗浄した。エーテル層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、エーテルを留去し粗生物を得た。これを蒸留
(90〜110 ℃,6Torr) により精製し、収量 20g (ガスク
ロマトグラフー分析による純度 (GC純度) 50%) を得
た。
【0023】(3) 1,1,1-トリフルオロ−2-アセトキシ-7
-(1-メチルエトキシ) ヘプタンの合成。 (2) で得た1,1,1-トリフルオロ−2-ヒドロキシ-7-(1-メ
チルエトキシ) ヘプタン 17g(38ミリモル)に、無水酢
酸 10g (98ミリモル) 及びピリジン 10g(130ミリモル)
を加えた後、室温で30時間攪拌した。水 10ml を加えて
10時間攪拌した後、更に水を加えて、エーテルで抽出し
た。このエーテル層を 6N 塩酸で洗浄した後、水でほぼ
中性になるまで洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄した。エ
ーテル層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、エーテ
ルを留去して粗生物 18gを得た。これを蒸留 (70℃,3To
rr) により精製し、目的物 11g(GC純度90%) を得た。
【0024】(4) R-(+)-1,1,1-トリフルオロ−2-ヒドロ
キシ-7-(1-メチルエトキシ) ヘプタンの合成。 (3) で得たアセチル化合物 6.7g(22ミリモル) に、水 3
0gとリパ−ゼMY 8.2g を加えて室温で 8時間攪拌し
た。ついで、アセトン 150mlを加え 1時間攪拌した。析
出したリパーゼを濾過分離した後、アセトンを留去し
た。これに水を加えて、エーテルで抽出した。このエー
テル層を水で数回洗浄し、更に飽和食塩水で洗浄した。
エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、エーテ
ルを留去して粗生物 7g を得た。
【0025】これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにより精製し、R-(+)-1,1,1-トリフルオロ−2-ヒドロ
キシ-7-(1-メチルエトキシ) ヘプタンと、S-(-)-1,1,1-
トリフルオロ−2-アセトキシ-7-(1-メチルエトキシ) ヘ
プタンに分離した。 R-(+)体の収量は 1.8g であった。
なお、S-(-)-1,1,1-トリフルオロ−2-ヒドロキシ-7-(1-
メチルエトキシ) ヘプタンは、S-(-)-1,1,1-トリフルオ
ロ−2-アセトキシ-7-(1-メチルエトキシ) ヘプタンを加
水分解することによって容易に得られる。R-(+)体の NM
Rデーターを表1に、又、比旋光度、光学純度を表2に
示した。
【0026】なお、光学純度、比旋光度は次の様にして
求めた。(4) で得られた R-(+)体の光学活性アルコール
を、ピリジン/無水酢酸によりアセテートに変換した。
得られたアセテートを光学活性体分析用ガスクロマトグ
ラフ(CP Cyclodex β236M) で分析し、2つのエナンチ
オマーのピーク面積比より純度を求めた。また、クロロ
ホルムを溶媒として、旋光度計を用いて比旋光度を測定
した。
【0027】
【表1】 実施例 化合物 及び 化学シフト(ppm) No プロトン番号 1 2 3 4 1 CF3C*H(OH)(CH2)5OCH(CH3)2 3.7 2.2 1.4 1.1 (E1) 1 2 3 4
【0028】
【表2】実施例No 化学構造式 光学純度 比旋光度*1 1(E1) CF3C*H(OH)(CH2)5OCH(CH3)2 >99%ee +20.2 *1 : 29℃、ナトリウムD線で測定。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) : CF3C*H(OH)(CH2)mO(CH2)n
    CH(CH3)2 (式中のC*は不斉炭素、mは2〜7の整数、
    nは0〜3の整数を示す。)で表わされるR体又はS体
    である光学活性アルコール。
  2. 【請求項2】 該一般式(1) において、mが5、nが0
    である請求項1記載の光学活性アルコール。
  3. 【請求項3】 一般式(1) : CF3C*H(OH)(CH2)mO(CH2)n
    CH(CH3)2 (式中のC*は不斉炭素、mは2〜7、nは 0
    〜3 の整数を示す。)で表わされるR体又はS体である
    光学活性アルコールの製造法であって、 工程(1) : 一般式(2) : X(CH2)m O(CH2)n CH(CH3)2 (式
    中のm、nは一般式(1)と同一、Xはフッ素以外のハロ
    ゲン原子を示す。) で表わされるハロゲン化合物をグリ
    ニヤール試薬に変換後、一般式(3) : CF3COOM1 (式中
    のM1はLi、Na、Kの何れかを示す。) または一般式(4) :
    (CF3COO)2M2 (式中のM2はMg、Caの何れかを示す。)
    で表わされるトリフルオロ酢酸の塩と反応させることに
    より、 一般式(5) :CF3CO(CH2)mO(CH2)nCH(CH3)2(式中のm、
    nは一般式(1) と同一である。) で表わされるケトンを
    製造し、 工程(2) : 該一般式(5) のケトンを還元し、 一般式(6) :CF3CH(OH)(CH2)mO(CH2)nCH(CH3)2(式中の
    m、nは一般式(1)と同一である。)で表わされるラセ
    ミ体のアルコールを製造し、 工程(3) : 該一般式(6) のアルコールの水酸基を、カル
    ボン酸ハライド又はカルボン酸無水物によりエステル化
    して、 一般式(7) :CF3CH(OCOR)(CH2)mO(CH2)nCH(CH3)2 (式
    中の CORは炭素数2〜6のアルキロキシ基を示す。) で
    表わされるエステルを製造し、 工程(4) : 該一般式(7) のエステルをリパーゼによって
    不斉加水分解反応を行い、反応終了後に、反応液を水と
    相溶性の有機溶媒と接触させることにより、リパーゼを
    析出させて濾過してリパーゼを回収し、リパーゼを除い
    た濾液から光学活性アルコールおよび光学活性エステル
    を分離することからなる光学活性アルコールの製造法。
  4. 【請求項4】 該工程(1) において、グリニヤー試薬と
    反応させるトリフルオロ酢酸の塩をテトロヒドロフラン
    溶液として用いる請求項3記載の光学活性アルコールの
    製造法。
  5. 【請求項5】 該工程(2) において、ケトンの還元剤と
    して水酸化ナトリウムを含む NaBH4水溶液を使用する請
    求項3記載の光学活性アルコールの製造法。
  6. 【請求項6】 該工程(4) において、リパーゼによる不
    斉加水分解反応を20〜40℃で行う請求項3記載の光学活
    性アルコールの製造法。
  7. 【請求項7】 該工程(4) において、リパーゼによる不
    斉加水分解反応で使用される水量が、エステルに対して
    20〜50倍モルである請求項3記載の光学活性アルコール
    の製造法。
  8. 【請求項8】 該工程(4) において、リパーゼによる不
    斉加水分解反応液を不斉加水分解に使用した水量に対し
    て 5〜20倍量の有機溶媒と接触させることによりリパー
    ゼを析出させ、析出したリパーゼを濾過により回収し、
    減圧下で乾燥させて再利用に用いる請求項3記載の光学
    活性アルコールの製造法。
  9. 【請求項9】 該有機溶媒が、アセトン、メタノール、
    エタノールおよびテトラヒドロフランからなる群から選
    択する請求項3記載の光学活性アルコールの製造法。
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